JP7425617B2 - 被覆Cu基合金粉末 - Google Patents

被覆Cu基合金粉末 Download PDF

Info

Publication number
JP7425617B2
JP7425617B2 JP2020019353A JP2020019353A JP7425617B2 JP 7425617 B2 JP7425617 B2 JP 7425617B2 JP 2020019353 A JP2020019353 A JP 2020019353A JP 2020019353 A JP2020019353 A JP 2020019353A JP 7425617 B2 JP7425617 B2 JP 7425617B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
less
based alloy
coated
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020019353A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021123770A (ja
Inventor
哲嗣 久世
彰彦 柳谷
将啓 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Special Steel Co Ltd filed Critical Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority to JP2020019353A priority Critical patent/JP7425617B2/ja
Publication of JP2021123770A publication Critical patent/JP2021123770A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7425617B2 publication Critical patent/JP7425617B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

本発明は、三次元積層造形法、溶射法、レーザーコーティング法、肉盛法等の、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに適した金属粉末に関する。詳細には、本発明は、Cu基合金を主成分とする被覆粉末に関する。
金属からなる造形物の製作に、3Dプリンターが使用されている。この3Dプリンターでは、積層造形法によって造形物が製作される。積層造形法では、敷き詰められた金属粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、粉末の金属粒子が溶融する。粒子はその後、凝固する。この溶融と凝固とにより、粒子同士が結合する。照射は、金属粉末の一部に、選択的になされる。粉末の、照射がなされなかった部分は、溶融しない。照射がなされた部分のみにおいて、結合層が形成される。
結合層の上に、さらに金属粉末が敷き詰められる。この金属粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、金属粒子が溶融する。金属はその後、凝固する。この溶融と凝固とにより、粉末中の粒子同士が結合され、新たな結合層が形成される。新たな結合層は、既存の結合層とも結合される。
照射による結合が繰り返されることにより、結合層の集合体が徐々に成長する。この成長により、三次元形状を有する造形物が得られる。積層造形法により、複雑な形状の造形物が、容易に得られる。積層造形法の一例が、特許第4661842号公報に開示されている。
高周波誘導加熱装置、モーター冷却用ヒートシンク等に使用される合金には、高伝導度が要求される。このような用途には、Cu基合金が適している。
国際公開第2015/194579号には、実質的に銅のみからなる金属粉末と、この金属粉末を被覆する炭素被腹膜と、を有する炭素被覆金属粉末が、積層電子部品用の導電性ペーストとして提案されている。この炭素被覆金属粉末の、レーザー回折式粒度分布測定の体積基準の積算分率における50%値(D50)は、300nm以下である。
特許第4661842号公報 国際公開第2015/194579号
積層造形法では、金属材料が急速に溶融され、かつ急冷されて凝固する。このような急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに用いられる粉末には、従来のCu基合金は不向きである。溶射法、レーザーコーティング法、肉盛法等の、他の急速溶融急冷凝固プロセスにも、従来のCu基合金は不向きである。従来のCu基合金粉末からは、高密度な造形物は得られにくい。
例えば、Fe基合金、Ni基合金、Co基合金等のレーザー反射率と比較すると、純Cuのレーザー反射率は高い。急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに純Cuの粉末が用いられると、高いレーザー反射率に起因して、多くの熱が大気へ放出される。従って、粉末が溶融するための十分な熱が、この粉末に与えられない。熱の不足は、粒子同士の結合の不良を招来する。熱の不足に起因して、この粉末から得られた造形物の内部に、未溶融の粒子が残存する。この造形物の相対密度は、低い。
一方、エネルギー密度が高いレーザーが純Cu粉末に照射されれば、未溶融の粒子の残存は抑制される。しかし、エネルギー密度が高いレーザーは、溶融金属の突沸を招来する。この突沸は、造形物の内部の空隙の原因である。空隙を有する造形物の相対密度は、低い。また、エネルギー密度が高いレーザーは、溶融金属の突沸以外に、スパッタやヒュームの発生量を多くさせるという問題がある。
本発明の目的は、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに適しており、かつ優れた特性を有する造形物を得ることができる被覆Cu基合金粉末の提供にある。
本発明者は、鋭意検討の結果、所定の真密度及び平均粒子径を有するCu基合金粉末と、所定の真密度及び平均粒子径を有する炭素粉末と、を用いて、Cu基合金粒子の表面に形成された炭素層が、従来よりも効率的に、レーザー反射率を低減しうることを見出した。そして、その炭素層を備えた多数の粒子からなる粉末において、その平均粒子径、タップ密度及び球形度を制御することで、さらに顕著な効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明に係る被覆Cu基合金粉末は、多数の被覆粒子からなる。それぞれの被覆粒子は、その材質がCu基合金である合金粒子と、この合金粒子の少なくとも一部を被覆する炭素層と、を有している。この炭素層は非化学的反応層であって、その厚さが1nm以上500nm以下である。この被覆Cu基合金粉末の平均粒子径d(μm)と、タップ密度TD(Mg/m)との比d/TDは、0.2×10-5・m/Mg以上20×10-5・m/Mg以下である。この被覆Cu基合金粉末の球形度は、0.80以上0.95以下である。それぞれの被覆粒子は、Cu基合金粉末Aと炭素粉末Bとから得られたものである。Cu基合金粉末Aの真密度ρと、炭素粉末Bの真密度ρとの比ρ/ρは、4~55である。Cu基合金粉末Aの平均粒子径dと、炭素粉末Bの平均粒子径dとの比d/dは、1~400である。
好ましくは、Cu基合金は、Cuと、元素M、Si、P及びSからなる群から選択される1又は2以上と、不可避的不純物と、を含む。この元素Mは、Cr、Fe、Ni、Zr及びNbから選択される1又は2以上である。
好ましくは、このCu基合金では、
元素M:0.0質量%以上10.0質量%以下
Si:0.0質量%以上0.20質量%以下
P:0.0質量%以上0.10質量%以下
及び
S:0.0質量%以上0.10質量%以下
である。
他の好ましいCu基合金では、
元素M:0.0質量%以上5.0質量%以下
Si:0.0質量%以上0.10質量%以下
P:0.0質量%以上0.010質量%以下
及び
S:0.0質量%以上0.010質量%以下
である。
好ましくは、炭素粉末Bは、カーボンブラック、活性炭及びグラファイトから選択される1又は2以上である。
本発明に係る被覆Cu基合金粉末から、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスにより、高密度かつ優れた特性を有する造形物が得られる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。なお、本願明細書において、特に記載がない限り、「平均粒子径」は、レーザー回折散乱法により得られる体積基準の累積カーブにおいて、累積体積が50%である点の粒子径D50(メジアン径)である。範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、Cu基合金の成分組成に関し、含有率の下限値が「0.0質量%」と記載されている場合、所定の成分(元素)が含まれていないか、定量限界値以下であることを意味する。
本発明に係る被覆Cu基合金粉末(以下、被覆粉末と称する場合がある)は、多数の被覆粒子の集合である。それぞれの被覆粒子は、その材質がCu基合金である合金粒子と、この合金粒子の少なくとも一部を被覆する炭素層を、を有している。炭素層は、Cu基合金からなる合金粒子の最表面に形成されている。
[炭素層]
急速溶融急冷凝固を伴うプロセスでは、この被覆粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。炭素層は、レーザー照射によりもたらされる熱を効率的に吸収する。この炭素層を有する被覆粒子は、エネルギー密度が低いレーザー照射により、急速に溶融されうる。この被覆粉末によれば、溶融金属の突沸を招来することなく、高密度の造形物が得られる。
この被覆粉末では、それぞれの被覆粒子の表面全体が、均一に炭素層で被覆されていなくてもよい。その表面の一部に炭素層を有する被覆粒子では、熱を効率的に吸収した炭素層に被覆された部分が優先的に溶融し、この溶融熱により、被覆されていない部分も溶融しうる。従って、合金粒子の少なくとも一部が炭素層に被覆された被覆粒子を含む被覆粉末によっても、エネルギー密度の低いレーザーを用いて、高密度の造形物を得ることが可能である。
炭素層が、合金粒子の表面に均一に形成された被覆粒子は、その表面全体で、レーザー照射によりもたらされる熱を吸収することができる。これにより、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスにおけるレーザーのエネルギー密度をより低減することが可能になる。製造効率及び高密度化の観点から、その表面の多くが炭素層に被覆された被覆粒子が好ましく、その表面が均一に炭素層に被覆された被覆粒子がより好ましい。
[炭素層の厚み]
この被覆粉末において、炭素層の厚みは、1nm以上500nm以下である。炭素層の厚みが1nm以上の被覆粉末では、レーザー光の反射率が低減され、熱が効率よく吸収される。この観点から、炭素層の厚みは3nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましい。炭素層の厚みが500nm以下である被覆粉末によれば、得られる造形物の内部に残存する炭素が少ない。この観点から、炭素層の厚みは300nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。炭素層の厚みは、透過型電子顕微鏡を用いて測定される。
[比d/TD]
この被覆粉末において、その平均粒子径d(μm)と、そのタップ密度TD(Mg/m)との比d/TDは、0.2×10-5・m/Mg以上20×10-5・m/Mg以下である。この比d/TDが0.2×10-5・m/Mg以上である粉末は、流動性に優れる。この観点から、比d/TDは0.5×10-5・m/Mg以上が好ましく、5.0×10-5・m/Mg以上がより好ましい。比d/TDが20×10-5・m/Mg以下である粉末から、相対密度が大きい造形物が得られうる。この観点から、比d/TDは18×10-5・m/Mg以下が好ましく、15×10-5・m/Mg以下がより好ましい。
[被覆粉末のタップ密度TD]
前述した比d/TDが得られる限り、被覆粉末のタップ密度TDは特に限定されない。造形物の製造容易の観点から、この被覆粉末のタップ密度TDは、0.10Mg/m以上0.40Mg/m以下が好ましく、0.15Mg/m以上0.35Mg/m以下が特に好ましい。
タップ密度TDは、「JIS Z2512」の規定に準拠して測定される。測定では、約50gの被覆粉末が容積100cmのシリンダーに充填され、タップ密度が測定される。測定条件は、以下の通りである。
落下高さ:10mm
タップ回数:200
[被覆粉末の平均粒子径d
前述した比d/TDが得られる限り、被覆粉末の平均粒子径dは特に限定されない。製造容易の観点から、この被覆粉末の平均粒子径dは、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましい。造形物の高密度化の観点から、被覆粉末の平均粒子径は、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましい。
平均粒子径dの測定では、被覆粉末の全体積が100%とされて、累積カーブが求められる。このカーブ上の、累積体積が50%である点の粒子径D50が、平均粒子径dである。平均粒子径dは、レーザー回折散乱法によって測定される。この測定に適した装置として、日機装社のレーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置「マイクロトラックMT3000」が挙げられる。この装置のセル内に、被覆粉末が純水と共に流し込まれ、粒子の光散乱情報に基づいて、粒子径が検出される。
[被覆粉末の球形度]
この被覆粉末の球形度は、0.80以上0.95以下である。球形度が0.80以上である被覆粉末は、流動性に優れる。この観点から、球形度は0.83以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。球形度が0.95以下である被覆粉末では、レーザーの反射が抑制されうる。この観点から、球形度は0.93以下が好ましく、0.90以下がより好ましい。
球形度の測定では、被覆粉末が樹脂に埋め込まれた試験片が準備される。この試験片が鏡面研磨に供され、研磨面が光学顕微鏡で観察される。顕微鏡の倍率は、100倍である。無作為に抽出された20個の被覆粒子について画像解析がなされ、この被覆粒子の球形度が測定される。被覆粒子の球形度は、この被覆粒子の輪郭内に画かれうる最長線分の長さに対する、この最長線分に対して垂直な方向における長さの比である。20個の測定値の平均が、被覆粉末の球形度である。
[炭素層の形成方法]
この被覆粉末において、各Cu基合金粒子の表面の少なくとも一部を被覆する炭素層は、真密度がρであり、かつ、平均粒子径dであるCu基合金粉末Aと、真密度がρであり、かつ、平均粒子径がdである炭素粉末Bと、を用いて形成される。この炭素層は、非化学的反応層である。換言すれば、この炭素層は、実質的に化学結合を介することなく、Cu基合金粒子表面を被覆している。
この炭素層の形成方法として、ボールミル法、ビーズミル法、遊星ボールミル法、アトライタ法及び振動ボールミル法等が例示される。炭素粉末Bの凝集を回避する観点から、原料を強力に対流、せん断及び拡散できる形成方法が好ましい。Cu基合金の劣化防止の観点から、乾式処理がより好ましい。
[比d/d
この被覆粉末では、Cu基合金粉末Aの平均粒子径dと、炭素粉末Bの平均粒子径dとの比d/dが、1~400とされる。比d/dが1以上であるCu基合金粉末Aと炭素粉末Bとから得られる被覆粉末は、製造容易である。この観点から、比d/dは、20以上が好ましく、50以上がより好ましい。比d/dを400以下として得られる被覆粉末は、比較的均一な炭素層を有しうる。この観点から、比d/dは、300以下が好ましく、100以下がより好ましい。
[比ρ/ρ
この被覆粉末では、Cu基合金粉末Aの真密度ρと、炭素粉末Bの真密度ρとの比ρ/ρが、4~55とされる。比ρ/ρが4以上であるCu基合金粉末Aと炭素粉末Bとから得られる被覆粉末は、比較的均一な炭素層を有しうる。この観点から、比ρ/ρは、5以上が好ましく、15以上がより好ましい。比ρ/ρを55以下として得られる被覆粉末は、付着性の高い炭素層を有しうる。この観点から、比ρ/ρは、45以下が好ましく、35以下がより好ましい。
[Cu基合金粉末Aの平均粒子径d
Cu基合金粉末Aの平均粒子径dは、10μm以上100μm以下が好ましい。平均粒子径dが10μm以上であるCu基合金粉末Aを用いて得られる被覆粉末は、流動性に優れる。この観点から、平均粒子径dは20μm以上がより好ましく、30μm以上が特に好ましい。平均粒子径dが100μm以下であるCu基合金粉末Aを用いて得られる被覆粉末から、相対密度が大きい造形物が得られうる。この観点から、平均粒子径dは80μm以下がより好ましく、60μm以下が特に好ましい。Cu基合金粉末Aの平均粒子径は、前述した被覆粉末の平均粒子径dと同様にして測定される。
[炭素粉末Bの平均粒子径d
炭素粉末Bの平均粒子径dは、0.25μm以上10μm以下が好ましい。平均粒子径dが0.25μm以上である炭素粉末Bは、凝集しにくい。この観点から、平均粒子径dは0.30μm以上がより好ましく、0.50μm以上が特に好ましい。平均粒子径dが10μm以下である炭素粉末Bを用いて得られる被覆粉末から、相対密度が大きい造形物が得られうる。この観点から、平均粒子径D50は7μm以下がより好ましく、5μm以下が特に好ましい。炭素粉末Bの平均粒子径dは、前述した被覆粉末の平均粒子径dと同様にして測定される。
[Cu基合金粉末Aの真密度ρ
Cu基合金粉末Aの真密度ρは、3.0Mg/m以上6.0Mg/m以下が好ましい。真密度ρが3.0Mg/m以上であるCu基合金粉末Aを用いて得られる被覆粉末は、充填性に優れる。この観点から、真密度ρは3.5Mg/m以上がより好ましく、4.0Mg/m以上が特に好ましい。真密度ρが6.0Mg/m以下であるCu基合金粉末Aを用いて得られる被覆粉末は、スキージ性に優れる。この観点から,真密度ρは5.8Mg/m以下がより好ましく、5.5Mg/m以下が特に好ましい。
[炭素粉末Bの真密度ρ
炭素粉末Bの真密度ρは、0.12Mg/m以上0.75Mg/m以下が好ましい。真密度ρが0.12Mg/m以上である炭素粉末Bは、Cu基合金粉末Aとの付着性に優れる。この観点から、真密度ρは0.13Mg/m以上が特に好ましい。真密度ρが0.75Mg/m以下である粉末は、凝集せずにCu基合金粉末Aに均一に付着する。この観点から,真密度ρは0.65Mg/m以下がより好ましく、0.50Mg/m以下が特に好ましい。
真密度の測定では、Heガス置換を利用した定容積膨張法によって測定される。この測定に適した装置として、島津製作所の乾式自動密度計「AccuPyc1330」が上げられる。この装置のセル内に、粉末を充填させて密度を測定する。
[Cu基合金]
Cu基合金粉末Aは、その材質がCu基合金である多数の粒子からなる。それぞれの粒子の表面の少なくとも一部が炭素層で被覆されることにより、本発明に係る被覆粉末が得られる。好ましくは、それぞれの粒子の材質は、主成分であるCuと、元素Mと、Si、P及びSからなる群から選択される1又は2以上と、不可避的不純物と、を含有するCu基合金である。Cu基合金中の、元素M、Si、P及びSは、Cu基合金粉末Aの製造時に意図的に配合されたものであってもよく、製造原料に由来して検出されるものであってもよい。例えば、Cu基合金粉末A中に、元素M、Si、P又はSが検出される場合(定量限界値以下の場合も含む)、意図的な配合量がゼロであってもよい。
好ましくは、このCu基合金は、
元素M:0.0質量%以上10.0質量%以下
Si(ケイ素):0.0質量%以上0.20質量%以下
P(リン):0.0質量%以上0.10質量%以下
S(硫黄):0.0質量%以上0.10質量%以下
及び不可避的不純物
を含む。より好ましくは、このCu基合金は、
元素M:0.0質量%以上10.0質量%以下
Si(ケイ素):0.0質量%以上0.20質量%以下
P(リン):0.0質量%以上0.10質量%以下
及び
S(硫黄):0.0質量%以上0.10質量%以下
を含み、その残部が、Cu(銅)及び不可避的不純物である。なお、本願明細書における「Cu基合金」は、元素M、Si、P及びSの含有率がいずれも0.0質量%であり、実質的にCu及び不可避的不純物からなる金属を含む概念である。
[元素M]
元素Mは、Cr(クロム)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Zr(ジルコニウム)及びNb(ニオブ)からなる群から選択される1又は2以上である。Cr、Fe、Ni、Zr及びNbのそれぞれの、平衡状態図上のCuへの固溶限は、小さい。しかし、Cu基合金粉末Aがアトマイズ法のような急冷凝固を伴う方法で得られると、元素MがCuに過飽和に固溶する。この過飽和固溶体では、レーザー反射率が抑制される。
元素Mを含むCu基合金である粒子によれば、炭素層に被覆されていない箇所にレーザーが照射された場合でも、効率的に熱が吸収されうる。従って、その表面全体が炭素層に被覆されていない被覆粒子であっても、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスにおいて、エネルギー密度のより低いレーザーの使用が可能になる。これにより、溶融金属の突沸が抑制される。このプロセスにより、相対密度が大きく、内部の空隙が少ない造形物が得られうる。
[元素Mの含有率]
元素Mの含有率は、10.0質量%以下が好ましい。Cu基合金が、Cr、Fe、Ni、Zr及びNbから選択される2以上の元素Mを含む場合、その合計含有率が、10.0質量%以下であることが好ましい。元素Mの含有率が、10.0質量%以下であるCu基合金粉末Aから得られる被覆粉末により、導電性に優れた造形物が得られうる。この観点から、元素Mの含有率は5.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%が特に好ましい。元素Mの含有率は、0.0質量%であってもよいが、より低いエネルギー密度のレーザーで、相対密度が大きい造形物が得られるとの観点から、元素Mの含有率は0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。
[Si(ケイ素)]
SiはCuに固溶し、Cu基合金の電気伝導及び熱伝導を阻害する。この観点から、Siの含有率は0.20質量%以下が好ましく、0.10質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下が特に好ましい。Siの含有率が、ゼロであってもよい。
[P(リン)]
PはCuに固溶し、Cu基合金の電気伝導及び熱伝導を阻害する。この観点から、Pの含有率は0.10質量%以下が好ましく、0.010質量%以下がより好ましく、0.005質量%以下が特に好ましい。Pの含有率が、ゼロであってもよい。
[S(硫黄)]
SはCuに固溶し、Cu基合金の電気伝導及び熱伝導を阻害する。この観点から、Sの含有率は0.10質量%以下が好ましく、0.010質量%以下がより好ましく、0.005質量%以下が特に好ましい。Sの含有率が、ゼロであってもよい。
[炭素粉末B]
炭素粉末Bは、Cu基合金からなる粒子上に炭素層を形成して、その表面の少なくとも一部を被覆する。炭素粉末Bは、カーボンブラック、活性炭及びグラファイトからなる群から選択される1又は2以上である。好ましい炭素粉末Bは、カーボンブラックである。カーボンブラックの例として、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラックが挙げられる。ストラクチャーの小さいサーマルブラック、ファーストブラック、チャンネルブラックが好ましい。ストラクチャーが小さい炭素粉末Bにより、形成される炭素層の導電性が低下する。導電性が低い炭素相では、レーザー吸収率が向上する。この炭素層が形成された被覆粉末によれば、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスにおいて、照射するレーザーのエネルギー密度がさらに低減される。炭素粉末Bとして、2種以上が併用されてもよい。
[Cu基合金粉末Aの製造方法]
Cu基合金粉末Aの製造方法は特に限定されず、水アトマイズ法、単ロール急冷法、双ロール急冷法、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法及び遠心アトマイズ法が例示される。好ましい製造方法は、単ロール冷却法、ガスアトマイズ法及びディスクアトマイズ法である。炭素層形成前に、Cu基合金粉末Aにメカニカルミリング等が施されてもよい。ミリング方法として、ボールミル法、ビーズミル法、遊星ボールミル法、アトライタ法及び振動ボールミル法が例示される。
[被覆粒子の組織]
Cu基合金が元素Mを含む場合、被覆粉末をなす被覆粒子の組織は、
(1)炭素を多く含む炭素層
(2)Cuを多く含むマトリクス相、
(3)元素Mを多く含む粒界相、
及び
(4)マトリクス相に分散し、かつそのサイズが1nm以上である化合物Cu
を有する。この化合物Cuの化学式において、m及びnはそれぞれ自然数を表す。
炭素層(1)の主成分は炭素である。好ましくは、炭素層の材質は炭素のみである。
マトリクス相(2)の主成分は、Cuである。マトリクス相の材質が、Cuのみであってもよい。マトリクス相の材質が、Cuと固溶元素とであってもよい。
粒界相(3)の主成分は、Cuと元素Mとの化合物である。粒界相(3)が、元素Mの単相を含んでもよい。
そのサイズが1nm以上である化合物Cu(4)を含むCu基合金は、レーザーの吸収性に優れる。このCu基合金から、相対密度が大きい造形物が得られうる。この観点から、化合物(4)のサイズは、2nm以上がより好ましい。この化合物(4)のサイズは、300nm以下が好ましい。このサイズは、金属組織の断面写真において、化合物の輪郭形状に外接する円の直径として求められる。
前述の通り、Cu基合金が元素Mを含む場合、この被覆粉末から、相対密度が大きい造形物が得られうる。一方で元素Mは、この造形物の導電性を阻害するおそれがある。金属組織が前述のマトリクス相(2)、粒界相(3)及び化合物(4)を有するCu基合金では、元素Mによる導電性阻害が抑制されうる。このCu基合金では、主として、化合物(4)が分散するマトリクス相(2)が、導電性に寄与する。このCu基合金から、導電性に優れた造形物が得られうる。この観点から、化合物Cuにおける比m/nは、1.0以上5.0以下が好ましく、2.0以上4.5以下がより好ましい。
[造形]
本発明に係る被覆Cu基合金粉末から、種々の造形物が製造されうる。この造形物の製造方法は、
(1)被覆粉末を準備する工程、
及び
(2)この被覆粉末を溶融及び凝固し、未熱処理の造形物を得る工程
を含む。被覆粉末を溶融及び凝固する工程として、急速溶融急冷凝固プロセスが挙げられる。このプロセスの具体例として、三次元積層造形法、溶射法、レーザーコーティング法及び肉盛法が挙げられる。特に、三次元積層造形法に、この被覆粉末は適している。
三次元積層造形法には、3Dプリンターが使用されうる。この積層造形法では、敷き詰められた被覆粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、被覆粒子が急速に加熱され、急速に溶融する。被覆粒子はその後、急速に凝固する。この溶融と凝固とにより、被覆粒子同士が結合する。照射は、被覆粉末の一部に、選択的になされる。被覆粉末の、照射がなされなかった部分は、溶融しない。照射がなされた部分のみにおいて、結合層が形成される。
結合層の上に、さらに被覆粉末が敷き詰められる。この被覆粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、被覆粒子が急速に溶融する。被覆粒子はその後、急速に凝固する。この溶融と凝固とにより、被覆粉末中の被覆粒子同士が結合され、新たな結合層が形成される。新たな結合層は、既存の結合層とも結合される。
照射による結合が繰り返されることにより、結合層の集合体が徐々に成長する。この成長により、三次元形状を有する造形物が得られる。この積層造形法により、複雑な形状の造形物が、容易に得られる。
[造形の条件]
従来、その表面に炭素層が形成されていないCu基合金粉末を用いて、急速溶融急冷凝固プロセスで焼結をおこなう場合、結合層の形成には、120J/mm以上のエネルギー密度E.D.が必要であった。これに対し、本発明に係る被覆Cu基合金粉末によれば、焼結時のエネルギー密度E.D.の低減が可能である。即ち、本発明に係る被覆粉末を用いて、急速溶融急冷凝固プロセスで焼結をおこなう場合、好ましいエネルギー密度E.D.は、80J/mm以上180J/mm以下である。エネルギー密度E.D.が80J/mm以上である場合、十分な熱が被覆粉末に与えられる。従って、造形物内部における未溶融の被覆粉末の残存が抑制される。この造形物の相対密度は、大きい。この観点から、エネルギー密度E.D.は100J/mm以上がより好ましく、120J/mm以上が特に好ましい。エネルギー密度E.D.が180J/mm以下である場合、過剰な熱が被覆粉末に与えられない。従って、溶融金属の突沸が抑制され、造形物の内部における空孔が抑制される。この観点から、エネルギー密度E.D.は170J/mm以下がより好ましく、160J/mm以下が特に好ましい。
[相対密度]
急速溶融急冷凝固プロセスで得られた造形物(すなわち、後述される熱処理が施される前の造形物)の相対密度は、90%以上が好ましい。この未熱処理の造形物は、寸法精度及び導電性に優れる。この観点から、相対密度は93%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。
造形物の相対密度は、積層造形法等で作製した10mm角試験片の密度と、原料である被覆粉末のかさ密度との比に基づいて算出される。10mm角試験片の密度は、アルキメデス法によって測定される。被覆粉末のかさ密度は、乾式密度測定器によって測定される。
[熱処理]
好ましくは、造形物の製造方法は、
(3)上記工程(2)で得られた未熱処理造形物に熱処理を施して造形物を得る工程
をさらに含む。好ましい熱処理は、時効処理である。時効処理により、元素Mの単相及び/又はCuと元素Mとの化合物が、粒界に析出する。この析出により、マトリクス相におけるCuの純度が高められる。このマトリクス相は、造形物の導電性に寄与しうる。
[熱処理の条件]
時効では、未処理造形物が、所定温度下に所定時間保持される。時効温度は、350℃以上1000℃以下が好ましい。温度が350℃以上である時効により、元素Mの単相及び/又はCuと元素Mとの化合物が十分に析出した組織が得られる。この観点から、時効温度は400℃以上がより好ましく、450℃以上が特に好ましい。温度が1000℃以下である時効では、元素Mのマトリクス相への固溶が抑制される。この観点から、時効温度は950℃以下がより好ましく、900℃以下が特に好ましい。元素Mが0.0質量%であるときは、析出させる組織がないため熱処理は不要である。
時効時間は、1時間以上10時間以下が好ましい。時間が1時間以上である時効により、元素Mの単相及び/又はCuと元素Mとの化合物が十分に析出した組織が得られる。この観点から、時効時間は1.3時間以上がより好ましく、1.5時間以上が特に好ましい。時間が10時間以下である時効では、エネルギーコストが抑制される。この観点から、時間は9.7時間以下がより好ましく、9.5時間以下が特に好ましい。元素Mが0.0質量%であるときは、析出させる組織がないため熱処理は不要である。
[造形物の電気伝導度]
熱処理後の造形物の電気伝導度は、30IACS%以上が好ましい。電気伝導度が30IACS%以上である造形物は、導電性に優れる。この観点から、電気伝導度は40IACS%以上がより好ましく、50IACS%以上が特に好ましい。電気伝導度の測定方法及び測定条件については、実施例にて後述する。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
真空中にて、アルミナ製坩堝で、原料粉末を高周波誘導加熱で加熱し、溶解した。坩堝の底に形成されておりその直径が5mmであるノズルから、溶湯を落下させた。この溶湯に、アルゴンガスを噴霧し、多数の粒子を得た。これらの粒子に分級を施して直径が63μmを超える粒子を除去することにより、Cu基合金粉末Aを得た。このCu基合金粉末Aの材質は、実質的にCuである。
得られたCu基合金粉末Aと、炭素粉末B(サーマルブラック)とを乾式攪拌機(ホソカワミクロン社製)に投入して、撹拌することにより、実施例1の被覆Cu基合金粉末を得た。この被覆Cu基合金粉末について、前述した方法により、比ρ/ρ、比d/d、比d/TD、炭素層の厚さ及び球形度を求めた。結果が下表1に示されている。
[実施例2-36及び比較例1-20]
仕様を下表1-3に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2-36及び比較例1-19の被覆Cu基合金粉末を得た。比較例20では、乾式攪拌機に炭素粉末Bを投入せず、実施例1と同様の条件で撹拌処理をおこなった。各粉末について、前述した方法により求めた比ρ/ρ、比d/d、比d/TD、炭素層の厚さ及び球形度が、下表1-3に示されている。
[成形]
実施例1-36及び比較例1-20の被覆Cu基合金粉末を原料として、それぞれ、3次元積層造形装置(EOS-M280)による積層造形法を実施し、造形物(未熱処理造形物)を得た。積層造形法におけるエネルギー密度E.D.(J/mm)と、得られた造形物の相対密度(%)が、下表1-3に示されている。造形物の形状は、いずれも一辺の長さが10mmの立方体であった。
[熱処理]
実施例14-28及び比較例7-13の被覆Cu基合金粉末を原料として得られた造形物に、熱処理(時効処理)を施した。時効温度及び時効時間が、下表1-3に示されている。
[化合物Cuの特定]
実施例1-36及び比較例1-20の被覆Cu基合金粉末を原料として得た造形物又は熱処理後の造形物から、それぞれ、FIB(集束イオンビーム)加工にて、薄膜状の試験片を作製した。各試験片を透過電子顕微鏡(TEM)で観察し、無作為で抽出された10箇所(1箇所は2μm×2μmの領域)で化合物の組成を特定した。各Cu基合金が、マトリクス相(1)、粒界相(2)及び化合物(3)を含む金属組織であることが、確認できた。さらに、比m/nを算出した。この結果が、下表1-3に示されている。
[電気伝導度の測定]
実施例1-36及び比較例1-20の被覆Cu基合金粉末を原料として得た造形物又は熱処理後の造形物について、それぞれ、試験片(3×2×60mm)を作製し、「JIS C 2525」に準拠した4端子法で、電気抵抗値(Ω)を測定した。測定には、アルバック理工社の装置「TER-2000RH型」を用いた。測定条件は、以下の通りである。
温度:25℃
電流:4A
電圧降下間距離:40mm
下記数式に基づき、電気抵抗率ρ(Ωm)を算出した。
ρ = R / I × S
この数式において、Rは試験片の電気抵抗値(Ω)であり、Iは電流(A)であり、Sは試験片の料断面積(m)である。電気伝導度(S/m)は、電気抵抗率ρの逆数から算出した。また、5.9×10(S/m)を100%IACSとして、各試験片の電気伝導度(%IACS)を算出した。この結果が、下表1-3に示されている。
[格付け]
造形物の電気伝導度に関する下記の基準に基づき、各粉末を格付けした。
評価A:電気伝導度が95%IACS以上である。
評価B:電気伝導度が90%IACS以上95%IACS未満である。
評価C:電気伝導度が80%IACS以上90%IACS未満である。
評価D:電気伝導度が60%IACS以上80%IACS未満である。
評価E:電気伝導度が60%IACS未満である。
この結果が、下表1-3に示されている。
Figure 0007425617000001
Figure 0007425617000002
Figure 0007425617000003
表1-3に記載された符号の詳細は、以下の通りである。
UM:定量限界値以下(ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計)にて測定)
TB:サーマルブラック
FB:ファーネスブラック
CB:チャンネルブラック
AB:アセチレンブラック
G:グラファイト
表中、Cu基合金粉末Aの組成欄に示された「-」は、0.0質量%を意味する。
表1-3に示されるように、実施例の被覆Cu基合金粉末は、比較例の粉末に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る粉末は、急速溶融急冷凝固を伴う種々のプロセスによる造形物の製造に適用される。例えば、この粉末は、ノズルから粉末が噴射されるタイプの3Dプリンター、ノズルから粉末が噴射されるタイプのレーザーコーティング法等にも適している。

Claims (7)

  1. 多数の被覆粒子からなり、
    それぞれの被覆粒子が、その材質がCu基合金である合金粒子と、この合金粒子の少なくとも一部を被覆する炭素層と、を有しており、
    上記炭素層が非化学的反応層であり、
    それぞれの合金粒子の表面に形成された炭素層の厚さが1nm以上500nm以下であり、
    その平均粒子径d(μm)と、そのタップ密度TD(Mg/m)との比d/TDが、0.2×10-5・m/Mg以上20×10-5・m/Mg以下であり、
    その球形度が、0.80以上0.95以下であり、
    それぞれの被覆粒子が、真密度がρであり、かつ、平均粒子径dであるCu基合金粉末Aと、真密度がρであり、かつ、平均粒子径がdである炭素粉末Bと、から得られたものであり、この真密度ρと真密度ρとの比ρ/ρが、4~55であり、この平均粒子径dと平均粒子径dとの比d/dが、1~400である、被覆Cu基合金粉末。
  2. 上記Cu基合金が、Cuと、元素M、Si、P及びSからなる群から選択される1又は2以上と、不可避的不純物と、を含有し、
    上記元素Mが、Cr、Fe、Ni、Zr及びNbから選択される1又は2以上である請求項1に記載の被覆Cu基合金粉末。
  3. 上記Cu基合金において、
    元素M:0.0質量%以上10.0質量%以下
    Si:0.0質量%以上0.20質量%以下
    P:0.0質量%以上0.10質量%以下
    及び
    S:0.0質量%以上0.10質量%以下
    である請求項2に記載の被覆Cu基合金粉末。
  4. 上記Cu基合金において、
    元素M:0.0質量%以上5.0質量%以下
    Si:0.0質量%以上0.10質量%以下
    P:0.0質量%以上0.010質量%以下
    及び
    S:0.0質量%以上0.010質量%以下
    である請求項2に記載の被覆Cu基合金粉末。
  5. 上記炭素粉末Bが、カーボンブラック、活性炭及びグラファイトから選択される1又は2以上である請求項1から4のいずれかに記載の被覆Cu基合金粉末。
  6. 上記Cu基合金粉末Aの平均粒子径d が10μm以上100μm以下である、請求項1に記載の被覆Cu基合金粉末。
  7. 上記炭素粉末Bの平均粒子径d が0.25μm以上10μm以下である、請求項1に記載の被覆Cu基合金粉末。
JP2020019353A 2020-02-07 2020-02-07 被覆Cu基合金粉末 Active JP7425617B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020019353A JP7425617B2 (ja) 2020-02-07 2020-02-07 被覆Cu基合金粉末

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020019353A JP7425617B2 (ja) 2020-02-07 2020-02-07 被覆Cu基合金粉末

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021123770A JP2021123770A (ja) 2021-08-30
JP7425617B2 true JP7425617B2 (ja) 2024-01-31

Family

ID=77458318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020019353A Active JP7425617B2 (ja) 2020-02-07 2020-02-07 被覆Cu基合金粉末

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7425617B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023057593A (ja) * 2021-10-12 2023-04-24 山陽特殊製鋼株式会社 造形性および導電性に優れた三次元積層造形用の銅合金粉末

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009272615A (ja) 2008-04-08 2009-11-19 Hitachi Metals Ltd 圧粉磁心およびその製造方法
JP2016532773A (ja) 2013-07-04 2016-10-20 サフラン エアークラフト エンジンズ 高エネルギービームと共に目標方法/材料の組合せに適した粉体を用いる、粉体粒子の融解又は焼結による部品の付加的な製造方法
JP2017141505A (ja) 2016-02-09 2017-08-17 株式会社ジェイテクト 造形物の製造装置、及び製造方法
JP2019210497A (ja) 2018-06-01 2019-12-12 山陽特殊製鋼株式会社 Cu基合金粉末

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009272615A (ja) 2008-04-08 2009-11-19 Hitachi Metals Ltd 圧粉磁心およびその製造方法
JP2016532773A (ja) 2013-07-04 2016-10-20 サフラン エアークラフト エンジンズ 高エネルギービームと共に目標方法/材料の組合せに適した粉体を用いる、粉体粒子の融解又は焼結による部品の付加的な製造方法
JP2017141505A (ja) 2016-02-09 2017-08-17 株式会社ジェイテクト 造形物の製造装置、及び製造方法
JP2019210497A (ja) 2018-06-01 2019-12-12 山陽特殊製鋼株式会社 Cu基合金粉末

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021123770A (ja) 2021-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI784159B (zh) Cu基合金粉末
JP7288368B2 (ja) Cu合金粉末
KR102266771B1 (ko) 조형용 금속분말
CN113891948B (zh) Cu基合金粉末
EP3778068A1 (en) Powder for mold
CN113412172A (zh) 制造铝合金零件的方法
JP7425634B2 (ja) Cu基合金粉末
JP7425617B2 (ja) 被覆Cu基合金粉末
WO2022215468A1 (ja) 導電性に優れた積層造形用の銅合金粉末
JP2022148139A (ja) Cu基合金からなる造形体
WO2023162610A1 (ja) 電気伝導性に優れたCu基合金粉末
JP2022122462A (ja) カーボン固着炭素鋼粉末
WO2023063018A1 (ja) 造形性および導電性に優れた三次元積層造形用の銅合金粉末
JP2023126091A (ja) 電気伝導性に優れたCu基合金粉末
JP2023024164A (ja) 電気伝導性に優れた銅合金造形物
JP2023024165A (ja) 急速溶融急速凝固用のCu基合金粉末
WO2023181329A1 (ja) 積層造形用銅合金粉末とその製造方法および評価方法、銅合金積層造形体の製造方法および銅合金積層造形体
WO2023074613A1 (ja) 積層造形に適したNi系合金粉末及び該粉末を用いて得られた積層造形体
JP2022122461A (ja) 積層造形用Fe基合金粉末および積層造形物
JP2022148950A (ja) Fe基合金粉末を用いた造形物の製造方法
JP2024004378A (ja) 酸化物ナノ粒子を混合した積層造形用Ni基合金粉末および積層造形体
JP2023081771A (ja) 酸化物ナノ粒子を混合した積層造形用金属粉末および積層造形体
JP2017193727A (ja) 導電フィラー用粉末

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7425617

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150