JP2023126111A - 3d造形用混合粉末の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】M粉末がより均一に分布した3D造形用混合粉末を製造する。【解決手段】球状のCu粉末又はCuM合金粉末からなる第1の金属粉末と、球状に成形されたM粉末からなる第2の金属粉末と、を混合する混合ステップを有する3D造形用混合粉末の製造方法。【選択図】図4

Description

本発明は、3D造形用混合粉末を製造する製造方法に関する。
3D造形は、切削加工、組成加工等に次ぐ第3の加工法と位置付けられており、構造が複雑な高機能製品の開発や金型などを効率的に製造する次世代技術として、航空・宇宙、自動車、エネルギー、生体材料等、様々な技術分野で技術開発が進められている。開発当初は樹脂造形に限られていたが、レーザーや電子ビーム等の高エネルギーの熱源を用いる造形装置の開発に伴い原料に金属粉末を用いた造形が可能となり、主として産業部品の作製に金属3D造形用粉末の適用が広がっている。
3D造形用粉末の製造方法として、アトマイズ法が知られている(例えば、特許文献1参照)。本発明者等は、CuM混合粉末(ただし、Mはメタルの略であり、高融点の元素である)を原料とするアトマイズ法において、Mの濃度が高くなると、1000数百℃の合金の溶湯内で部分的に分離したM粒子(単体)が凝固してノズルの内壁に付着し、この付着した凝固物が徐々に成長することによってノズル閉塞を引き起こす課題を発見した。ノズル閉塞を引き起こすと、ノズル内における溶湯の通液が阻害されるため、アトマイズできなくなる。
特開2018-178239号公報
本発明者等は、Cu粉末又はM濃度の低いCuM合金粉末をガスアトマイズ法やディスクアトマイズ法などのアトマイズ法で作製し、このCu粉末又はCuM合金粉末に市販のM粉末(非球形の解砕粉)を混合することによりMリッチな3D造形用混合粉末を得る方法について検討した。
しかしながら、この方法では、M粉末の分布が不均一な3D造形用混合粉末しか得られなかった。
本発明は、M粉末がより均一に分布した3D造形用混合粉末を製造することを目的とする。
本発明者等は、上記技術課題を鋭意検討し、市販のM粉末(非球形の解砕粉)に代えて、球状のM粉末を用いることにより、M粉末がより均一に分布した3D造形用の混合粉末が得られることを知見した。
具体的には、本発明に係る3D造形用混合粉末の製造方法は、(1)球状に成形されたCu粉末及び/又はCuM(ただし、Mは1種以上または2種以上の金属元素である)合金粉末からなる第1の金属粉末と、球状に成形されたM粉末からなる第2の金属粉末と、を混合する混合ステップを有する。
(2)前記混合ステップは、3D造形用混合粉末のM濃度が目標濃度となるように、第1の金属粉末及び第2の金属粉末の混合比を決定する混合比決定ステップと、前記決定ステップで決定した混合比に応じて第1の金属粉末及び第2の金属粉末を計量する計量ステップと、前記計量ステップで計量した第1の金属粉末及び第2の金属粉末を混合する狭義の混合ステップとからなることを特徴とする上記(1)に記載の3D造形用混合粉末の製造方法。
(3)前記第1の金属粉末を製造する第1の金属粉末製造ステップを有し、前記第1の金属粉末製造ステップは、溶解されたCuからなる溶湯及び/又はM濃度が15質量%以下であるCuM合金からなる溶湯を得るステップと、この溶湯からアトマイズ法により前記第1の金属粉末を製造するステップと、を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の3D造形用混合粉末の製造方法。
(4)前記第2の金属粉末を製造する第2の金属粉末製造ステップを有し、前記第2の金属粉末製造ステップは、M粉末をプラズマ溶融処理によって製造するステップであることを特徴とする上記(1)乃至(3)のうちいずれか一つに記載の3D造形用混合粉末の製造方法。
(5)前記狭義の混合ステップにおいて、混合された混合粉末の球形度は、0.80以上であることを特徴とする上記(2)に記載の3D造形用混合粉末の製造方法。
本発明によれば、球状のM粉末を、球状のCu粉末又はCuM合金粉末に混合することにより、M粉末がより均一に分布した3D造形用の混合粉末を得ることができる。
純Cr解砕粉のSEM画像である。 球状のCr粉末のSEM画像である。 比較例粉末の写真である。 実施例粉末の写真である。 試料A~Eの吸光率(%)を測定した棒グラフである。 試料Aを原料として造形した3D造形体の写真である。 断面における残存Cr粉の面積比(%)である。
本発明は、球状に成形されたCu粉末及び/又はCuM合金粉末(以下、これらを特に区別する必要がない場合には、「CuM合金粉末等」ともいう)からなる第1の金属粉末と、球状に成形されたM粉末からなる第2の金属粉末とを混合し、M粉末が均一に分散した3D造形用混合粉末を得ることを目的とする。
CuM合金は、Cuに固溶しにくいMとCuからなる二相分離型の複相合金のことである。Mはメタルの略であり、融点が1700℃以上の高融点メタルが含まれる。Mは、例えば、V、Cr、Nb、W、Zr、Mo、Taのうち1種又は2種以上の金属元素であってもよい。
3D造形は、積層造形(Additive Manufacturing)とも呼ばれており、EB(Electron Beam)、レーザーを用いた積層法が良く知られている。これは、造形ステージ上に金属粉末層を形成して、この粉末層の所定部にビームを照射し、その後、上記粉末層の上に新たな粉末層を形成して、その所定部にビームを照射して焼結することで、下層の焼結部と一体となった焼結部を形成する。これを繰り返すことで、粉末から一層ずつ積層的に三次元形状を造形するものであり、従来の加工方法では困難であった複雑な形状を造形することが可能である。これらの手法によって、CAD等の形状データから所望の3次元造形体を成形することができる。
(第1の金属粉末について)
第1の金属粉末は、アトマイズ法によって製造することができる。アトマイズ法として、例えば、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法を用いることができる。ガスアトマイズ法は、真空中で溶解した溶湯を、ノズルから鉛直下方に落下させ、周囲から不活性ガス(アルゴンガス、窒素ガス等)を吹き付けることで、小さな液滴に分断する方法であり、分断された溶融金属は、噴霧チャンバ内で落下する間に表面張力により球形化しながら凝固し、球状の粉末が得られる。ディスクアトマイズ法は、ノズルから溶湯を高速で回転するディスク上に連続的に流下し、ディスク上面に形成させた溶融膜を高速回転により液滴状に飛散させて粉末を製造する方法である。溶湯は高速回転の中心に流れ落ち、ディスク表面に広がるとともに遠心力で外周に引張られ薄い溶融膜を形成する。溶融膜はディスクの周端で支持を失い滴状となり、遠心力によりその融滴が分離・飛散され、微粒化が起こる。微粒化された溶湯は溶湯自らの持つ表面張力により球状化されながら雰囲気ガスもしくは放射冷却により冷却され、球状の粉末が得られる。CuM合金粉末等を、Cu粉末とCuM合金粉末との混合粉末とする場合には、それぞれの粉末をガスアトマイズ法で製造し、これらを混合すればよい。
「球状の粉末」を球形度で規定すると、好ましくは0.80以上である。静的自動画像分析装置を用いて、二次投影像における円相当径が10μm以上の粉末粒子1000個に対し球形度を測定し、これらの算術平均値を第1の金属粉末の球形度と定義することができる。なお、球形度が1に近づくほど真円に近くなる。
原材料には、Cuからなる溶湯及び/又はM濃度が15質量%以下に濃度調整されたCu,Mからなる溶湯が用いられる。原材料としてCuからなる溶湯を用いた場合、アトマイズ法によって、球状に成形されたCu粉末(第1の金属粉末)が製造される。原材料としてCu,Mからなる溶湯を用いた場合、アトマイズ法によって、球状に成形されたCuM合金粉末(第1の金属粉末)が製造される。上述した通り、これらのCu粉末及びCuM合金粉末を混合した混合粉末を第1の金属粉末としてもよい。
3D造形体に求められる目標M濃度は、予め定めておくことができる。第1の金属粉末としてCu粉末(Mを含有しない)を選択した場合には、第2の金属粉末のみによって目標M濃度が達成されるように、ブレンド条件が決定される。第1の金属粉末としてCuM合金粉末、又は、Cu粉末とCuM合金粉末との混合粉末を選択する場合には、目標M濃度と第1の金属粉末のM濃度との差分から、第2の金属粉末のブレンド条件を決定することができる。
ここで、M濃度が増大すると硬さが向上する一方で、導電性が低下するため、硬さ及び導電性はトレードオフの関係にある。3D造形体の用途によって、求められる硬さ及び導電性は変わるため、目標M濃度を一義的に定めることはできないが、好ましくは1質量%以上、より好ましくは15質量%以上75質量%以下、さらに好ましくは25質量以上50質量%以下である。M濃度が増加することによって、レーザー吸光率も向上する。なお、レーザー吸光率が不足する場合には、例えば、レーザー出力を上げることによって、造形することができる。
アトマイズ法によってCuM合金粉末を製造する場合、M濃度が15質量%を超過すると、Mが析出してノズル閉塞を起こすおそれがある。ノズル閉塞を起こすと、溶湯が流れなくなり、アトマイズできなくなる。したがって、アトマイズ法によってCuM合金粉末を製造する場合には、M濃度を15質量%以下に設定するのが望ましい。なお、原材料には不可避的不純物が含まれ得る(以下、同様である)。不可避的不純物には意図的に含有させなくても原料に微量に含まれている金属元素や、合金を得るために溶解や精錬している最中に雰囲気ガスや耐火物煉瓦などの界面より混入する非金属元素がある。この内特に代表的な金属元素としてはSiやFeやNiなどがあげられる。また、非金属介在物を生成する代表的な元素としてはCやOやNなどがあげられる。そして非金属介在物を生成する元素の含有率の上限は、3D造形体に合計で0.1質量%以下とすることが好ましい。
(第2の金属粉末)
第2の金属粉末は、球形ではない不定形状のM粉末を原材料(以下、原料M粉末ともいう)とした球状化処理を行うことによって製造される球形の粒子である。第2の金属粉末を球形度で規定すると、好ましくは0.80以上である。球形度の技術的意義については、上述したから説明を省略する。原料M粉末の製造には、機械的粉砕法、噴霧法、還元法、電解法などを用いることができる。機械的粉砕法において、M塊が比較的大きい場合には、ジョークラッシャー、ハンマーミル、スタンプミル等を用いてM塊を粉砕することによって、原料M粉末を得ることができる。機械的粉砕法において、M塊が比較的小さい場合には、ボールミル、振動ミルなどを用いてM塊を粉砕することによって、原料M粉末を得ることができる。
球状化処理には、例えば、高周波誘導熱プラズマ法を用いることができる。高周波誘導熱プラズマ法は、高周波誘導コイルにより高周波磁場を励磁し、この高周波磁場内にプラズマガスを供給して、誘導的に高周波プラズマフレームを発生させるとともに、この高周波プラズマフレーム内に原料M粉末を供給することによって球状化粒子を製造する技術である。
ただし、球状化処理の方法は高周波誘導熱プラズマ法に限るものではない。例えば、高周波誘導熱プラズマ法に代えて、回転電極法(Rotating Electrode Process)を用いることもできる。回転電極法は、回転する電極を高温プラズマによって溶解させ、電極表面から遠心力によって吹き飛ばされた液滴を、電極周辺に配置したガスノズルから噴出するガスジェットによる空気力学的引張力によって球状化する技術である。なお、ガスアトマイズ法は、Mのような高融点金属を球状化するのに適さない。
(混合方法)
球状のCuM合金粉末等(第1の金属粉末)と、球状のM粉末(第2の金属粉末)とを混合する。この混合ステップは、混合比決定ステップ、計量ステップ及び狭義の混合ステップからなる。
混合比決定ステップでは、3D造形用混合粉末のM濃度が目標M濃度となるように、第1の金属粉末及び第2の金属粉末の混合比を決定する。
計量ステップでは、混合比決定ステップで決定した混合比となるように、第1の金属粉末及び第2の金属粉末をそれぞれ計量する。計量器には、例えば、電子天秤を用いることができる。
狭義の混合ステップでは、計量ステップで計量した第1の金属粉末及び第2の金属粉末を混合する。混合方法は、混合粉末が入った混合容器を作業者が揺らす手混合方式、混合粉末が入った混合容器を機械的に回転させる回転混合方式、攪拌翼を備えた撹拌機により混合粉末を攪拌させる攪拌混合方式など公知の方法を用いることができる。M粉末が均一に分散する理由は、M粉末が球状に成形されているため、流動性が高まるからである。
M粉末が上述の分散性を発現しているか否かは、例えば、M粉末を混合した混合粉末の流動度を測定することによって評価できる。混合粉末の流動度は、例えば、JIS Z 2502に定める規格に従って、50gの混合粉末を漏斗に供給し、オリフィスにおける通過時間を計測することによって評価できる。3D造形用混合粉末の流動度は、粉末の形状以外の条件にっても変化するため、一義的に定義することはできないが、好ましくは30(s/50g)以下であり、より好ましくは12.2(s/50g)以下である。流動度が小さい粉末は、より3D造形に適している。
また、CuM合金粉末等とM粉末とでは金属色が異なるため、混合粉末の画像データから得られる色情報に基づきM粉末の分散性を評価してもよい。具体的には、MがCrである場合、混合粉末全体を観察し、赤銅色が支配的で、かつ、Crを表す青色の粉末群が看取されない場合には、Cr粉末が均一に混合されているものと評価できる。他方、混合粉末中にCrが偏在した青色の粉末群が看取された場合には、Cr粉末が不均一に混合されていると評価できる。勿論、ソフトウェアによる画像解析によって、M粉末が均一に混合されているか否かを判別してもよい。
球状に成形することによってM粉末の流動性が高められているため、混合容器から造形ステージに至るまでの搬送過程において、上述の均一な分布状態は概ね維持される。したがって、M粉末が均一に分散した3D造形用混合粉末を用いて3D造形を行うことができる。
(第1実施例)
次に、実施例を示しながら、本発明についてより具体的に説明する。
Cr塊を解砕した解砕粉(純Cr解砕粉)をCuCrアトマイズ粉に混合してCr濃度が25質量%の混合粉末(以下、比較例粉末ともいう)を得た。解砕粉には市販品を使用した。CuCrアトマイズ粉の組成は、Crが15質量%、残部がCuとした(Cu15Cr合金)。混合粉末のCr濃度を25質量%にするために、Cu15Cr合金粉末と純Cr粉末の混合比を15対2に決定した。混合比を決定した後、Cu15Cr合金粉末と純Cr粉末をそれぞれ計量し、1765gのCu15Cr合金粉末と235gの純Cr粉末を混合した。図1は、解砕粉のSEM(Scanning Electron Microscope)画像である。図1に示すように、球状とは異なる不定形状のCr粒子が確認された。
純Crの解砕粉を球状化処理した第2の金属粉末をCuCrアトマイズ粉に混合して混合粉末(以下、実施例粉末ともいう)を得た。CuCrアトマイズ粉の組成は、比較例粉末と同じにした。第2の金属粉末の添加量は、混合粉末のCr濃度が25質量%となるように調整した。調整方法は、比較例粉末と同じであるから、説明を省略する。第2の金属粉末を得るための球状化処理は、ニイミ産業製のプラズマ球状化処理装置(型番:N-Plasma Melting)を用いて行った。図2は、第2の金属粉末のSEM画像である。図2に示すように、球状のCr粒子が確認された。
図3及び図4はそれぞれ比較例粉末及び実施例粉末の写真である。実施例粉末は、赤銅色が支配的であり、青色の粉末群は確認されなかった。他方、比較例粉末では、点線で囲んだ領域に青色の粉末群(純Cr粉末の偏在領域)が確認された。また、比較例粉末及び実施例粉末それぞれの流動度を測定し、表1の結果を得た。流動度の測定は、実施形態に記載の「JIS Z 2502」にしたがって行った。また、比較例粉末及び実施例粉末それぞれの球形度を測定し、表2の結果を得た。Malvern Instruments製の静的自動画像分析装置 モフォロギG3を用いて、二次投影像における円相当径が10μm以上の粉末粒子1000個に対し球形度を測定し、これらの算術平均値を球形度とした。
図3及び図4の写真を比較参照して、実施例粉末は、比較例粉末と異なりCr粉末が均一に分散していることがわかった。また、表1から、実施例粉末は、比較例粉末よりも流動性が優れていることがわかった。また、表2から、実施例粉末は、比較例粉末よりも球形度が優れている(1.00に近い)ことがわかった。なお、実施例粉末では、第1の金属粉末及び第2の金属粉末のそれぞれの球形度も0.80以上であった。比較例粉末では、第1の金属粉末及び第2の金属粉末のそれぞれの球形度もそれぞれ0.80未満であった。
以上の実験結果から、球状のCr粉末をCuCrアトマイズ粉に添加することによってアトマイズ法では製造できないCr濃度が高く、かつ、Crが均一に分散した3D造形用混合粉末を得られることがわかった。
(第2実施例)
試料A~Eを準備して、それぞれの吸光率(%)を測定した。吸光率(%)は、日本分光株式会社製 紫外可視近赤外分光光度計V-770DSにより測定した。一般的にレーザー式金属積層造形機に広く用いられるファイバーレーザーの波長である1064nmにおけるレーザー光吸収率を比較した。なお、レーザー光吸収率は、測定によって求められる全反射を用いて、「吸収率=1-全反射率」にて算出した。
試料A:ガスアトマイズ法により製造した球状のCu15Cr合金粉末に、球状のCr粉末を混合したCu25Cr混合粉末
なお、試料AにおけるCrの体積率は、13.7%であった。
試料B:ガスアトマイズ法により製造した球状のCu15Cr合金粉末に、Crの解砕粉(不定形状)を混合したCu25Cr混合粉末
試料C:ガスアトマイズ法により製造した球状のCu15Cr合金粉末
試料D:ガスアトマイズ法により製造した球状のCu粉末
試料E:ガスアトマイズ法により製造した球状の純Cu粉末に、球状のCr粉末を混合したCu25Cr混合粉末
なお、試料EにおけるCrの体積率は、29.4%であった。
試料A,EのCr粉末(第2の金属粉末)は、純Crの解砕粉に対して球状化処理を施すことにより製造した。球状化処理には、ニイミ産業製のプラズマ球状化処理装置(型番:N-Plasma Melting)を使用した。
試料A~Eの吸光率を図5に示す。同図から明らかなように、試料A及び試料E(球状のCr粉末を混合した混合粉末)は、3D造形で汎用される鋼の吸光率(50%)以上を備えているため、造形用粉末として適している。また、試料Bも50%以上の吸光率を備えているが、前述の図3及び図4から、試料Bは試料Aと異なり、純Cr粉末が均一に分散していないため、レーザーや電子ビームの照射位置によって吸光率にばらつきが生じる。したがって造形性にもばらつきが生じるため、3D造形用混合粉末には適さない。試料Aを用いて3D造形を行ったところ、図6の立方体が得られた。
また、試料Aについて、レーザーのエネルギー密度を種々変更して、3D造形をした後、3D造形体を切断して、切断面における残存Cr粉の面積比を求めた。その結果を図7に示す。
同図に示すように、切断面における残存Cr粉の面積比は0.5%以下であり、混合粉末におけるCrの体積率(13.7%)より遥かに小さかった。これにより、高融点のCr粉末が溶融していることが確認された。
(第3実施例)
第1実施例及び第2実施例の試験を、他の試料についても行った。その結果を表3に示す。
表3の「第1の金属粉末のM量」とは、第1の金属粉末に含まれるM(メタル)の含有量(質量%)のことであり、「合計M量」とは、混合粉末全体に含まれるMの含有量(質量%)のことである。例えば、試料Fは、V:0.2質量%及び残部がCuからなる第1の金属粉末と、Vからなる第2の混合粉末とを混合した混合粉末であって、Vの総含有量17質量%の混合粉末である。また、試料Hは、Cuのみからなる第1の金属粉末(純Cu粉末)と、Taからなる第2の金属粉末とを混合した混合粉末であって、Taの総含有量が5質量%の混合粉末である。実施例では、アトマイズ粉からなる第1の金属粉末に、球状の第2の金属粉末を添加した。実施例における第2の金属粉末には、ニイミ産業製のプラズマ球状化処理装置(型番:N-Plasma Melting)を用いて解砕粉を球状化した、球状化処理粉を使用した。比較例では、アトマイズ粉からなる第1の金属粉末に、解砕粉である第2の金属粉末を添加した。
流動度、球形度、外観上のM粉末の偏在については、第1実施例と同様の方法で測定及び評価した。混合粉末を5回サンプリングして、それぞれのサンプルの吸光率を測定し、最大値及び最小値の差分を吸光率のバラつきとした。吸光率の測定は、第2実施例と同じにした。それぞれの混合粉末を原料として、3D造形を行うことにより、10mm角のブロックを得た。3D造形時のエネルギー密度は、290J/mmとした。3D造形体を切断して、切断面における残存Mの面積比を求めた。
以上の実験結果から、球状のM粉末をCuMアトマイズ粉又は純Cuアトマイズ粉に添加することによって、アトマイズ法では製造できないM濃度が高く、かつ、Mが均一に分散した3D造形用混合粉末を得られることがわかった。また、実施例の粉末では、吸光率のバラつきを小さくできた。

Claims (6)

  1. 球状に成形されたCu粉末及び/又はCuM(ただし、Mは1種以上または2種以上の金属元素である)合金粉末からなる第1の金属粉末と、球状に成形されたM粉末からなる第2の金属粉末と、を混合する混合ステップを有する3D造形用混合粉末の製造方法。
  2. 前記混合ステップは、3D造形用混合粉末のM濃度が目標濃度となるように、第1の金属粉末及び第2の金属粉末の混合比を決定する混合比決定ステップと、
    前記決定ステップで決定した混合比に応じて第1の金属粉末及び第2の金属粉末を計量する計量ステップと、
    前記計量ステップで計量した第1の金属粉末及び第2の金属粉末を混合する狭義の混合ステップとからなることを特徴とする請求項1に記載の3D造形用混合粉末の製造方法。
  3. 前記第1の金属粉末を製造する第1の金属粉末製造ステップを有し、
    前記第1の金属粉末製造ステップは、溶解されたCuからなる溶湯及び/又はM濃度が15質量%以下であるCuM合金からなる溶湯を得るステップと、この溶湯からアトマイズ法により前記第1の金属粉末を製造するステップと、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の3D造形用混合粉末の製造方法。
  4. 前記第2の金属粉末を製造する第2の金属粉末製造ステップを有し、
    前記第2の金属粉末製造ステップは、M粉末をプラズマ溶融処理によって製造するステップであることを特徴とする請求項1又は2に記載の3D造形用混合粉末の製造方法。
  5. 前記第2の金属粉末を製造する第2の金属粉末製造ステップを有し、
    前記第2の金属粉末製造ステップは、M粉末をプラズマ溶融処理によって製造するステップであることを特徴とする請求項3に記載の3D造形用混合粉末の製造方法。
  6. 前記狭義の混合ステップにおいて、混合された混合粉末の球形度は、0.80以上であることを特徴とする請求項2に記載の3D造形用混合粉末の製造方法。
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