JP2016190935A - 樹脂組成物の粉体及びそれを用いた染色方法 - Google Patents

樹脂組成物の粉体及びそれを用いた染色方法 Download PDF

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慎介 清水
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諒 寺西
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Yuta HAGIWARA
悠太 萩原
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Abstract

【課題】
色相が鮮やかで、発色性に優れる染色を行うことができる樹脂組成物の粉体、及び樹脂組成物の粉体を用いた物質の染色方法、特には疎水性繊維の染色方法の提供。
【解決手段】
いずれも昇華性を有する少なくとも2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体であって、少なくとも1種類の染料が蛍光性を有するマゼンタ染料であり、少なくとも1種類の染料が蛍光性を有しないマゼンタ染料である樹脂組成物の粉体により、前記の課題を解決できた。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物の粉体、及びそれを用いる物質の染色方法に関する。
近年、電子写真による無製版印刷を行なう記録方法が提案され、布等を含めた繊維の捺染においても静電捺染(電子写真)方式が使用されている。従来のスクリーン印刷等の捺染方法と比較して、電子写真印刷による捺染は、無製版であること;省資源であること;省エネルギーであること;及び高精細表現が容易であること;等、様々な利点がある。
ポリエステル繊維等の疎水性繊維布は、一般に水に不溶性の色材により染色される。従って、静電捺染方法により疎水性繊維を捺染するためのトナーとしては、一般に水不溶性色材を樹脂中に分散し、熱安定性等の性能が良好なトナーを用いる必要がある。
捺染・印捺に用いられる前記のトナーは、記録画像の耐水性が要求される場合;疎水性繊維を静電捺染方法により直接染色(ダイレクト捺染等と呼称される)する場合;または、紙等の中間媒体に電子写真記録を行った後、この中間媒体に記録された画像を、熱により、疎水性繊維又は樹脂フィルム等の目的物に昇華転写して着色する場合;等に使用されることが多い。
分散染料を用いた静電捺染においては、通常、イエロー、マゼンタ、及びシアンの3色、若しくは、これにブラックを加えた4色のトナーセットが基本色として用いられている。しかしながら、例えばスポーツアパレル等の衣料用途等に静電捺染が用いられ、その用途が拡大するのに伴い、静電捺染に用いるトナー組成物の性能としては、保存安定性や堅牢性に加え、彩度や明度が高く、色再現範囲の拡大と共に、生体や環境への安全性が要求されるようになってきた。
色のり等を用いる従来の捺染方法は、目的とする色を再現するために使用する染料の種類や数に制限は無く、例えば複数種類の同じ色相の染料を配合すること等も自由に行うことができた。
これに対して静電捺染は、通常3〜4色の基本色となるトナーセットで様々な色を再現しなくてはならず、色再現範囲の拡大は、1つの大きな課題である。この要求に対する提案の1つとして、基本色以外の色相のトナーを追加して5色以上のトナーセットとすることにより、色再現範囲を拡大することが行われている。この基本色以外の色は、一般に「特色」等と呼称される。
静電捺染に用いられるマゼンタ染料としては、下記特許文献1〜3に記載の染料が知られている。
蛍光性を有するマゼンタ染料としてはC.I.Vat Red 41等が、蛍光性を有しないマゼンタ染料としてはC.I.Disperse Red 60等が知られている。
特許4818102号公報 特許5473114号公報 特表2013−515826号公報
本発明は、色相が鮮やかで、発色性に優れる染色を行うことができる樹脂組成物の粉体、及び樹脂組成物の粉体を用いた物質の染色方法、特には疎水性繊維の染色方法の提供を課題とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の蛍光性を有する染料、及び蛍光性を有しない染料を含有する樹脂組成物の粉体により、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の1)〜15)に関する。
1)
いずれも昇華性を有する少なくとも2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体であって、少なくとも1種類の染料が蛍光性を有するマゼンタ染料であり、少なくとも1種類の染料が蛍光性を有しないマゼンタ染料である樹脂組成物の粉体。
2)
蛍光性を有するマゼンタ染料が、C.I.Vat Redから選択される染料である、前記1)に記載の樹脂組成物の粉体。
3)
蛍光性を有するマゼンタ染料であるC.I.Vat Redが、分子内にチオインジゴ構造を有する染料である、前記2)に記載の樹脂組成物の粉体。
4)
蛍光性を有するマゼンタ染料が、C.I.Vat Red 41である前記1)〜3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体。
5)
蛍光性を有しないマゼンタ染料が、C.I.Disperse Redから選択される染料である、前記1)に記載の樹脂組成物の粉体。
6)
蛍光性を有しない染料であるC.I.Disperse Redから選択される染料が、分子内にアントラキノン構造を有する染料である前記5)に記載の樹脂組成物の粉体。
7)
蛍光性を有しないマゼンタ染料が、C.I.Disperse Red 60である前記1)、5)又は6)に記載の樹脂組成物の粉体。
8)
前記1)〜7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を電子写真プリンタにより、疎水性樹脂を含有する繊維、フィルム及びシートから選択される物質に付着させる工程Aと、該工程により付着させた樹脂組成物の粉体中の染料を熱により該物質に固着させる工程Bと、該物質中又は該物質の表面に残存する未固着の染料を洗浄する工程Cとを含む、物質の染色方法。
9)
1種類以上の糊材を少なくとも含有する水溶液を、樹脂組成物の粉体を付着させる前の疎水性樹脂を含有する繊維に付与する、繊維の前処理工程をさらに含む前記8)に記載の物質の染色方法。
10)
前記1)〜7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を、電子写真プリンタにより中間記録媒体に付着させた後、該中間記録媒体の樹脂組成物の粉体の付着面と、疎水性樹脂を含有する繊維、フィルム及びシートから選択される物質とを接触させて加熱することにより、中間記録媒体に付着した樹脂組成物の粉体中の染料を、繊維に昇華転写させて染色を行う物質の染色方法。
11)
前記8)〜10)のいずれか一項に記載の染色方法により得られる染色された物質。
12)
前記1)〜7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を含有する塗料。
13)
前記1)〜7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を含有するインク組成物。
14)
前記1)〜7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を含有するトナー。
15)
樹脂組成物の粉体が、スチレン又はスチレン誘導体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環式炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、及びパラフィンワックスよりなる群から選択される、少なくとも1種類を樹脂として含有する、前記1)〜7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体。
本発明により、色相が鮮やかで、発色性に優れる染色を行うことができる樹脂組成物の粉体、及びこの樹脂組成物の粉体を用いた物質の染色方法、特には疎水性繊維の染色方法を提供することができた。
本明細書においては実施例等を含めて、特に断りの無い限り「部」及び「%」は、いずれも質量基準である。
前記樹脂組成物の粉体が含有する樹脂としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から使用目的に応じて適宜選択することができる。
その具体例としては、例えば、スチレン又はスチレン誘導体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環式炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
前記した樹脂は、いずれも単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
前記スチレン又はスチレン誘導体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等が挙げられる。
前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体等)、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
前記樹脂の市販品の一例としては、ポリエステルとして知られる三菱レーヨン株式会社製のダイヤクロン FC−684、ダイヤクロン FC−1224、ダイヤクロン FC−316等;スチレン−アクリル酸エステル共重合体として知られる三井化学株式会社製のCPR−100、CPR−250、CPR−390等;等が挙げられる。
前記の昇華性を有する染料としては、例えば「乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法[JIS L 0879:2005](2010年 確認、平成17年1月20日 改定、 財団法人日本規格協会 発行)」における、感熱処理試験(C法)汚染(ポリエステル)の試験結果が、好ましくは3−4級以下;より好ましくは3級以下;の染料が挙げられる。
前記樹脂組成物の粉体が含有する、蛍光性を有する染料としては、例えば、前記特許文献1及び2に開示された染料等が挙げられる。
蛍光性を有する染料としては、有機溶剤を用いて25,000倍に希釈した染料の有機溶剤溶液を試料とし、分光蛍光光度計を用いて測定した蛍光ピークの最大強度が1000以上、検出される染料が好ましい。有機溶剤としては特に制限されないが、アセトンが好ましい。蛍光ピークの最大強度の上限は特に制限されないが、大きすぎると目視したときに、ぎらつきや、目がちかちかする感覚が得られる。このため、最大強度が強すぎる染料を用いるときは、併用する蛍光性を有しない染料の比率を大きくし、最大強度の大きさを調整するのが好ましい。このように調整するときの最大強度の上限は通常6500、好ましくは6000、より好ましくは5500、さらに好ましくは5000、場合により好ましくは4500、特に好ましくは4000程度である。
蛍光性を有する染料の総質量と、蛍光性を有しない染料の総質量の比は特に制限されない。しかし、蛍光性を有する染料を含有すると、ときにより蛍光色が強調され過ぎ、目視において、ぎらつくように視認されたり、目がちかちかするように視認されることがある。このようになると、例えばイエロー、シアン、及びブラック等の他の色を併用してフルカラーの捺染を行ったときに、マゼンタ部分のみが強調され過ぎて、他の色相部分との違和感が生じてしまう。このようなときは、蛍光性を有する染料の総質量と、蛍光性を有しない染料の総質量との比は通常50/50、好ましくは60/40、より好ましくは75/25とすることにより、マゼンタ部分と他の色相部分との違和感が解消される。
蛍光性を有する染料のうち、前記樹脂組成物の粉体は、昇華性を有する染料を少なくとも1種類含有する。そのような染料としては、C.I.Vat Red(以下「VR」という。)から選択される染料が好ましい。
また、VRの中では分子内にチオインジゴ構造を有する染料が、より好ましい。それらの染料の中では、VR 41が特に好ましい。ここで、「C.I.」とは、「カラーインデックス」を意味する。
前記樹脂組成物の粉体が含有する、蛍光性を有しない染料は、昇華性を有する染料であれば特に制限されない。後記するC.I.Disperse Red(以下「DiR」という。)及びC.I.Solvent Red(以下「SoR」という。)の中から、適宜、選択することができる。それらの中では分子内にアントラキノン構造を有する染料が好ましく、DiR 60が特に好ましい。
前記樹脂組成物の粉体は、本発明の効果を阻害しない範囲で前記以外の染料を、さらに含有することができる。これにより、樹脂組成物の粉体を用いて染色を行うとき、得られる染色物の色を、望みの色調に微調整等することができる。前記以外の染料としては、「C.I.Disperse」及び「C.I.Solvent」として、カラーインデックス番号が付与されている染料が挙げられる。これらの中では、Red、Orange及びVioletから選択される染料が好ましい。
また、そのような染料の中でも昇華転写染色を行うときは、昇華性を有する染料が好ましい。
Red染料としては、DiR 1〜4、5:1、5〜13、15〜30、30:1、31〜36、38、40、41、43:1、46、48、50、52、53、54:1、55、55:1、56、58、59、60、61、63〜65、69、70、72〜74、74:1、75〜78、80〜82、84〜86、86:1、87、88、90〜94、96〜98、100、102〜111、113、115〜118、120〜123、125〜146、148〜167、167:1、168〜189、190:1、191、191:1、192〜211、214〜222、224〜272、274〜301、302:1、302〜336、338〜350、352〜354、356〜364、366〜390;SoR 1〜24、24:1、25〜27、29〜36、36:1、37〜49、49:1、50〜83、83:1、84、84:1、85〜87、89、90、90:1、91、92、96〜100、102、103、105、106、108〜119、122〜142、144〜146、148〜151、153〜157、160、161、163、164:1、164:2、164〜191、194〜237、241〜254;等が挙げられる。ここで、例えば「1〜4」と記載したときは、連番の整数「1、2、3、4」を意味し、本明細書においては特に断りの無い限り、同様に用いる。
これらの中でアントラキノン構造を有する染料としては、DiR 3、4、9、11、15、22、53、55、55:1、59、60、69、70、75、86、86:1、87、91〜94、96、104、116、121、127、132、133、146、150、159、162、164、165、178、189、190、190:1.192、198、204、207〜209、217、218、228〜232、234、242、245、253、259〜264、269、280、283〜285、288〜290、299〜302、302:1、318、347、350、361、381、384;SoR 52、53、87、111、114、136〜139、144、145、148〜151、155、156、168〜172、175、177、181、190、191、194、199〜201、207、221、222、227、230、235、245、247;等が挙げられる。
前記のうち、昇華性を有する染料としては、DiR 11、50、53、55、55:1、59、60、65、70、75、93、146、158、190、190:1、207、239、240;等が挙げられる。
Orange染料としては、C.I.Disperse Orange 1、1:1、2、3、3:1、5〜25、25:1、27〜29、30〜41、41:1、42〜58、60〜91、93、94、96〜98、100〜143、145〜151、153〜157;C.I.Solvent Orange 1〜3、4:1、4〜6、7:1、7〜37、37:1、38、39、40:1.40、41、43〜66、68〜77、79〜87、90〜99、101〜116;等が挙げられる。
これらの中ではC.I.Disperse Orange 1、1:1、3、5、7、11、13、17、20、21、23、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、86、89、90、91、93、96、97、118、119、127、130、139、142等が好ましい。
前記のうち、昇華性を有する染料としては、C.I.Disperse Orange 1、1:1、5、20、25、25:1、33、56、76が挙げられる。
Violet染料としては、C.I.Disperse Violet 1〜11、11:1、12〜17、20〜29、33〜36、38〜89、91、92、93:1、93〜100、102〜108;C.I.Solvent Violet 1、2、4、5、7〜19、21:1、21〜24、26、28〜42、45〜51、57〜62;等が挙げられる。
これらの中ではC.I.Disperse Violet 57等が好ましい。
前記のうち、昇華性を有する染料としては、C.I.Disperse Violet 8、17、23、27、28、29、36、57;等が挙げられる。
前記前記樹脂組成物の粉体は、マゼンタ着色剤として使用するのが好ましい。また、フルカラーの表現を実現するために、イエロー、シアン、及び、必要に応じてブラックの各染料を含有する樹脂組成物の粉体を調製し、4色の樹脂組成物の粉体のセットとすることができる。
イエロー染料としては、C.I.Disperse Yellow 1〜11、11:1、12〜17、20〜28、31〜35、38、39、42〜44、47、49、50、51、54、56、57〜184、184:1、185〜232、234〜243、245〜251;C.I.Solvent Yellow 1、2、3:1、3〜24、25:1、25〜30、30:1、31〜44、44:1、45〜52、55〜62、64、65、68〜74、76〜82、83:1、83〜91、93〜126、128〜141、143〜160、160:1.161〜165、167〜195、197、198等が挙げられる。
これらの中ではC.I.Disperse Yellow 3、4、5、7、8、9、13、23、24、30、33、34、39、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、186、192、198、199、200、202、204、210、211、215、216、218、224、237;C.I.Solvent Yellow 43;等が好ましい。
これらのうち、昇華性を有する染料としては、C.I.Disperse Yellow 3、7、8、23、39、51、54、60、71、82、86;C.I.Solvent Yellow 43、114、163;等が挙げられる。
シアン染料としては、C.I.Disperse Blue 1、1:1、2、3、3:1、4〜9、9:1、10〜12、13:1、13〜24、26、26:1、27〜36、38、40、42〜45、47〜49、51〜56、58、60、60:1、61、62、64、64:1、65、68、70、72、72:1、73、75〜77、79〜81、81:1、82〜85、85:1、86、87:1、87〜98、100〜106、106:1、107〜109、111〜119、121〜128、130〜134、136〜156、158〜165、165:1、165:2、165:3、166〜171、173〜177、179、180、180:1、181〜183、183:1、184〜194、196〜279、280:1、280〜347、349〜356、358、359、361、363〜381;C.I.Solvent Blue 1〜28、30〜46、48〜59、59:1、63〜72、74〜76、78〜139、141〜148、266;等が挙げられる。
これらの中ではC.I.Disperse Blue 60、77、79:1、165等が好ましい。
前記のうち、昇華性を有する染料としてはC.I.Disperse Blue 19、26、26:1、35、55、56、58、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、131、141、145、359、360;C.I.Solvent Blue 3、63、83、105、111;等が挙げられる。
ブラック染料としては、C.I.Disperse BlacK 1〜4、6〜15、22、24〜37;C.I.Solvent Black 1〜4、5:1、5:2、5〜13、15〜21、22:1、22、23、25〜43、45〜58;C.I.Disperse Blue 79:1、79:2、79:3、360;等が挙げられる。
これらの中ではC.I.Disperse Blue 79:1、360が好ましい。
前記のうち、昇華性を有する染料としてはC.I.Disperse Blue 360が挙げられる。
なお、前記した全ての染料は、1種類又は2種類以上を併用することができる。
前記の染料は、様々な形態と品質のものが市販されており、製造方法、製品中の染料の含有量、不純物の種類等がそれぞれ異なる。このため、必要に応じて入手した染料を精製してから樹脂組成物の粉体の調製に使用することができる。
前記樹脂組成物の粉体は、保存安定性、及び電子写真プリンタ等のプリンタからの印刷精度等への悪影響を少なくする目的で、不純物、中でも無機不純物の含有量の少ないものが好ましい。
無機不純物としては、金属陽イオンの塩化物、例えば塩化ナトリウム;硫酸塩、例えば硫酸ナトリウム;等が挙げられる。
染料からこれらの無機不純物を除去する方法としては、逆浸透膜を用いる方法;染料の乾燥品あるいはウエットケーキ等を、アセトン、メタノール、ジメチルスルホキシド等の水溶性有機溶剤、又は含水したこれらの水溶性有機溶剤中に加え、懸濁精製又は晶析する方法;等が挙げられる。
前記樹脂組成物の粉体の用途としては特に制限は無く、例えば紫外線硬化型インク、熱硬化型インク、インクジェットインク、グラビアインク、オフセットインク等の印刷インクや液体トナーが含有する着色剤;転写式ハロゲン化銀感光材料;感熱転写方式の記録材料;記録ペン、光記録媒体材料、接着剤等が含有する着色剤;粉体塗料、粉体トナー等が含有する着色剤;等の用途が挙げられる。これらの用途の中では、紫外線硬化型インク、熱硬化型インク、インクジェットインク、グラビアインク、オフセットインク等の印刷インクや液体トナー;粉体塗料、粉体トナー;等が含有する、各着色剤としての用途が好ましく、液体トナー、粉体塗料、粉体トナー等の用途がより好ましく、粉体トナーとしての用途がさらに好ましい。
前記樹脂組成物の粉体が含有する染料の総含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その目安としては、該粉体の総質量に対して通常1〜40%、好ましくは2〜35%である。
染料の総含有量が1%未満であると着色剤として十分な性能が発揮できない。また、40%を超えると、保存安定性等の物理的な性質の維持が難しくなる;捺染において白地汚染等が生じ、染色性が悪化する;等の問題が生じやすい。
前記樹脂組成物の粉体は、前記の通り各種の用途に使用することができる。このため、該樹脂組成物の粉体は、その使用用途に応じて樹脂以外の添加剤を含有しすることができる。そのような添加剤としては、用途に応じた公知の各種の添加剤が挙げられる。
例えば、樹脂組成物の粉体を粉体トナーに用いるときの添加剤としては、ワックス、荷電制御剤、外添剤等が挙げられる。これらの種類、樹脂組成物の粉体の総質量中における含有量、及び、これらの添加剤を含有する粉体トナーの製造方法等については、いずれも公知の先行技術文献に記載されている。前記樹脂組成物の粉体を粉体トナーとして用いるときは、公知の先行技術文献に基づき粉体トナーとして調製することができ、他の用途に使用するときも、その用途に応じて同様に調製することができる。
粉体トナーに用いるとき、樹脂組成物の粉体は、スチレン系共重合体、及びポリエステルから選択される、少なくとも1種類を樹脂として含有するのが好ましく、後者を含有するのがより好ましい。
ワックスとしては、特に制限はなく、公知のワックスの中から適宜選択することができる。それらの中では、融点が通常50℃〜160℃、好ましくは50℃〜150℃、より好ましくは50〜120℃のワックスが好ましい。前記樹脂組成物の粉体は、このようなワックスを含有することにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(例えばオイルのような離型剤を、定着ローラに塗布しない方法)で使用したときでもホットオフセット性が良好となる。
ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;等の天然ワックスが挙げられる。
また、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;等の合成ワックスも挙げられる。
さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、等をワックスとして用いることもできる。
ワックスの含有量は通常0.1〜20%、好ましくは0.5〜10%である。
ワックスの含有量が0.1%未満のときは定着ローラへのオフセットが生じやすく、20%を超えると中間記録媒体に対する樹脂組成物の粉体の定着不良が生じる。
ワックスの入手方法は特に制限されず、公知の方法で合成することも、市販品として入手することもできる。市販品の一例としては、例えば、カルナウバワックスとしては株式会社加藤洋行製のカルナウバワックスC1等;モンタンワックスとしてはクラリアント社製のLicowax KP等;等が挙げられる。
荷電制御剤としては、特に制限はなく、公知の荷電制御剤の中から適宜選択することができる。
例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は前記の樹脂の種類、他の添加剤の有無等により変動し、一概に規定することは困難である。荷電制御剤の含有量の目安としては、前記の樹脂組成物の粉体を構成する、少なくともポリエステル樹脂を含有する樹脂の総質量に対して通常0.1〜10%、好ましくは0.2〜5%程度である。
荷電制御剤の含有量が0.1%未満のときは、帯電制御性能が得られないことがあり、10%を超えると樹脂組成物の粉体の帯電性が大きくなりすぎ、荷電制御剤の効果を減退させて、樹脂組成物の粉体と現像ローラとの静電的吸引力が増大し、該粉体の流動性の低下や、画像濃度の低下を生じることがある。
荷電制御剤の市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のボントロンE−82、サリチル酸系金属錯体のボントロンE−84、フェノール系縮合物のボントロンE−89(以上、オリエント化学工業社製);第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製);第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージNEG VP2036、コピーチャージNX VP434(以上、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製);銅フタロシアニン;ペリレン;キナクリドン;アゾ系顔料;又は、スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する、高分子系の化合物;等が挙げられる。
外添剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
これらの外添剤は、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で疎水化処理を行うこともできる。また、必要に応じてシリコーンオイルで処理することも可能であり、加熱下に処理を行うこともできる。シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等が挙げられる。
外添剤の添加量は、外添剤で処理するトナーの総質量に対して通常0.1〜5%程度である。
外添剤の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nm がより好ましい。また、前記外添剤のBET法による比表面積としては、20〜500m/gが好ましい。
外添剤の市販品としては、例えば、シリカとしては日本アエロジル株式会社製のAEROSIL R812、AEROSIL RX50、AEROSIL RX200、AEROSIL RX300、キャボットジャパン株式会社製のTG−6110G、TG−810G、TG−811F、クラリアントジャパン株式会社製のH2000/4、H2000T、H05TM、H13TM、H20TM、H30TM等;アルミナとしては日本アエロジル株式会社製のAEROXIDE Alu C 805等;酸化チタンとしてはチタン工業株式会社製のSTT−30A、EC−300、日本アエロジル株式会社製のAEROXIDE TiO T805、AEROXIDE TiO NKT90等;チタン酸ストロンチウムとしてはチタン工業株式会社製のSW−100、SW−350等;等が挙げられる。これらの中では、AEROSIL RX300、H05TM、TG−811F、SW−100、SW−350等が好ましい。
外添剤の使用量は、外添剤で処理する前記の樹脂組成物の粉体の総質量に対して通常0.01〜5%、好ましくは0.01〜4%である。
前記した全ての添加剤は、1種類を使用することも、2種類以上を併用することもできる。
前記の各成分等を必要に応じて加熱や溶融混練した後、粉砕・分級を行うことにより、粉体トナー用途の樹脂組成物の粉体をを得ることができる。この粉砕・分級のときに、例えば粉砕によって生じた樹脂組成物の粒子を、気流中、流動状態で加熱処理することにより、角の尖った粒子や歪な形状の粒子を、より球に近い形状にする、いわゆる「球形化」の処理を行うこともできる。
前記繊維の捺染方法は、2つの種類に大別される。
1つ目の方法は、ダイレクトプリント又はダイレクト捺染等と呼称される方法であり、前記樹脂組成物の粉体を、電子写真プリンタにより疎水性樹脂を含有する繊維、フィルム及びシートから選択される物質に付着させることにより、文字及び絵柄等の画像情報を該物質に形成する工程Aと、
前記工程Aにより付着させた樹脂組成物の粉体中の染料を熱により該物質に固着させる工程Bと、
該物質中又は該物質の表面に残存する未固着の染料を洗浄する工程Cと、の3工程を少なくとも含む、物質の捺染方法である。 工程Bは、一般的には公知のスチーミング又はベーキングによって行われる。
スチーミングとしては、例えば高温スチーマーで通常170〜180℃、通常10分程度;また、高圧スチーマーで通常120〜130℃、通常20分程度;それぞれ疎水性樹脂を含有する繊維、フィルム及びシートから選択される物質を処理する方法により、染料を物質に染着する(湿熱固着とも呼称される)方法が挙げられる。
ベーキング(サーモゾル)としては、例えば通常190℃〜210℃、通常60秒〜120秒程度、前記の物質を処理する方法により、染料を物質に染着する(乾熱固着とも呼称される)方法が挙げられる。
工程Cは、得られた染色された物質を、温水、及び必要に応じて水により洗浄する工程である。洗浄に使用する温水や水は、界面活性剤を含むことができる。
洗浄後の物質を、通常50〜120℃で、5〜30分乾燥することも好ましく行われる。
また、この工程Cにより、物質に付着させた樹脂組成物の粉体も、物質から除去することができる。
この1つ目の方法において、染色される物質としては疎水性樹脂を含有する繊維が好ましい。
2つ目の方法は、昇華転写プリント、昇華転写捺染等と呼称される方法であり、
前記樹脂組成物の粉体を、電子写真プリンタにより中間記録媒体に付着させることにより、文字及び絵柄等の画像情報が記録された中間記録媒体を得た後、該中間記録媒体における、樹脂組成物の粉体の付着面に疎水性樹脂を含有する繊維、フィルム及びシートから選択される物質とを接触させて加熱することにより、中間記録媒体に付着した樹脂組成物の粉体中の染料を該物質に昇華転写することにより、文字及び絵柄等の画像情報を物質に染色を行う染色方法である。
中間記録媒体としては、中間記録媒体に付着した樹脂組成物の粉体中の染料が、その表面で凝集せず、且つ前記の物質へ画像情報の転写を行うときに、染料の昇華を妨害しないものが好ましい。
そのような中間記録媒体の一例としては、シリカ等の無機微粒子でインク受容層が表面に形成されている紙、及び昇華転写捺染用の専用紙等が挙げられる。
中間記録媒体から繊維へ画像情報を転写するときの熱処理としては、通常190〜210℃程度での乾熱処理が挙げられる。
前記2つの捺染方法においては、前記樹脂組成物の粉体が含有する、いずれも昇華性を有する少なくとも2種類の染料のうち、少なくとも1種類が蛍光性を有する染料であり、少なくとも1種類の染料が蛍光性を有しない染料であれば、該樹脂組成物の粉体はそれら以外の染料として、昇華性を有する染料と、昇華性を有しない染料とから選択される、任意の染料をさらに含有することができる。
ダイレクトプリントにおいては、昇華性を有しない染料を使用しても物質の染色を行うことができるため、「さらに含有することができる」染料としては、前記任意の染料のいずれも好ましい。
昇華転写プリントにおいては、昇華性を有しない染料を使用すると、物質の染色を行うことが困難なことから、「さらに含有することができる」染料としては前記任意の染料のうち、昇華性を有する染料が好ましい。
前記の染色方法において、物質として繊維を使用するときは、にじみ等を防止する目的で、繊維の前処理工程をさらに含むことができる。この前処理工程としては、1種類以上の糊材、アルカリ性物質、還元防止剤及びヒドロトロピー剤を少なくとも含む水溶液を、インク組成物を付着させる前の繊維に付与する工程が挙げられる。
前処理を施す工程としては、糊剤、及び、必要に応じてアルカリ性物質、還元防止剤及びヒドロトロピー剤等を含む前処理剤の水溶液を前処理液として用い、繊維を前処理液に含浸させて付与するのが好ましい。
前記糊剤としては、グアー、ローカストビーン等の天然ガム類、澱粉類、アルギン酸ソーダ、ふのり等の海藻類、ペクチン酸等の植物皮類、メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体、カルボキシメチル澱粉等の加工澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊等が挙げられる。これらの中ではアルギン酸ソーダが好ましい。
前記アルカリ性物質としては、例えば無機酸または有機酸のアルカリ金属塩;アルカリ土類金属の塩;並びに加熱した際にアルカリを遊離する化合物が挙げられ、無機又は有機の、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム化合物及びカリウム化合物等が挙げられる。具体例としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム等の無機化合物のアルカリ金属塩;蟻酸ナトリウム、トリクロル酢酸ナトリウム等の有機化合物のアルカリ金属塩;等が挙げられる。これらの中では、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
前記還元防止剤としては、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
前記ヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素等の尿素類等が挙げられ、これらの中では尿素が好ましい。
前記糊剤、アルカリ性物質、還元防止剤、及びヒドロトロピー剤は、いずれも、1種類の化合物を使用することも、複数の化合物を併用することもできる。
前処理液の総質量中における各前処理剤の混合比率は、繊維の材質等により一概に決めることは困難である。その目安としては、例えば、糊剤が0.5〜5%、アルカリ性物質が0.5〜5%、還元防止剤が0〜5%、ヒドロトロピー剤が1〜20%、残部が水である。
前処理剤を繊維へ付与する方法としては、たとえばパディング法が挙げられる。パディングの絞り率は40〜90%程度が好ましく、より好ましくは60〜80%程度である。
前記の疎水性樹脂としては、ポリエステル、ナイロン、トリアセテート、ジアセテート、ポリアミド、及びこれらの樹脂を2種類以上含有する樹脂が挙げられる。
疎水性樹脂を含有する繊維としては、前記の樹脂からなる繊維、及び、これらの繊維とレーヨン等の再生繊維、木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡繊維も、本明細書においては疎水性樹脂を含有する繊維に含まれる。
これらの疎水性繊維としては、インク受容層(滲み防止層)を有するものも知られており、そのような疎水性繊維も同様に含まれる。インク受容層の形成方法は公知技術であり、インク受容層を有する繊維も市販品として入手が可能である。インク受容層の材質や構造等は特に限定されず、目的等に応じて適宜使用することができる。
疎水性樹脂を含有する繊維の構造物である布帛の具体例としては、例えば、サテン、トロピカル、ダブルピケ、マイクロファイバー等が挙げられる。
疎水性樹脂を含有するフィルム、及びシートとしては、PETフィルム、PETシート;疎水性樹脂がコーティングされた布帛、ガラス、金属、陶器;等が挙げられる。なお、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」を意味する。
前記の中間記録媒体としては、特に制限はなく、「紙・板紙及びパルプ用語[JIS P 0001:1998(2008年 確認、平成10年3月20日 改正、財団法人日本規格協会 発行)]」中、第28頁〜第47頁の「3.分類 f)紙・板紙の品種及び加工製品」に記載された紙・板紙の品種及び加工製品(番号6001〜6284。但し、番号6235の「耐油性」、6263「フルート,段」、6273「パルプ成型品」、6276「カーボン紙」、6277「マルチコピーフォーム用紙」、6278「裏カーボンフォーム用紙」を除く);及び、セロハン(以下、「紙・板紙の品種及び加工製品;及び、セロハン」を「紙等」という。)の中から適宜選択することができる。
これらの紙等のうち、昇華転写に使用できるものであれば、いずれも中間記録媒体として使用することができる。
なお、前記したように、昇華転写を行うときは通常190℃〜210℃程度の加熱処理を行う。従って、前記の中間記録媒体のうち、加熱処理のときに安定なものが好ましい。
本発明の樹脂組成物の粉体、及びこれを用いた染色方法は、掃きムラ、画像メモリ、染色濃度、白地汚染、染めムラ、染色再現性、ビルドアップ性、染着性、均染性等の性能に優れる。また、樹脂組成物の粉体の耐熱安定性、経時安定性が極めて高いため、各種の用途に応用が可能である。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例中、平均粒子径は、精密粒度分布測定装置「Mulitisizer 3(ベックマン・コールター株式会社製)」を用いて測定した。
また、測色を行うときは、GRETAG−MACBETH社製、商品名:SpectroEyeを用いた。
[実施例1]
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(95部)、C.I.ディスパースレッド60(日本化薬株式会社製:2.5部)、C.I.バットレッド41(日本化薬株式会社製:2.5部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.8μmのトナー母粒子を得た。
(工程2)
実施例1(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業株式会社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、実施例1のマゼンタトナーを調製した。
[比較例1]
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(105部)、C.I.ディスパースレッド60(日本化薬株式会社製:5.0部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.5μmのトナー母粒子を得た。
(工程2)
比較例1(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、染料を1種類しか含まない比較用のマゼンタトナーを得た。
[比較例2]
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(96部)、C.I.バットレッド41(日本化薬株式会社製:5.0部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.8μmのトナー母粒子を得た。
(工程2)
比較例2(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、染料を1種類しか含まない比較用のマゼンタトナーを得た。
[染布の調製]
実施例1のトナー組成物を使用して乾式非磁性1成分現像方式印刷機(桂川電気株式会社製:KIPc7800)に、上記実施例及び比較例で得た各トナーをそれぞれ充填した。中間記録媒体としてA0判のボンド紙を用いて、解像度:600pixel/inch、定着温度:140℃、現像バイアス:200Vの条件でベタ画像を印刷した中間記録媒体をそれぞれ得た。この印刷された転写紙におけるトナーの付着部分を10cm×10cmに裁断した。この裁断後の転写紙のインク付着面と、同じ大きさのポリエステル布(ポンジ)とを重ね合わせた後、太陽精機株式会社製トランスファープレス機TP−600A2を用いて200℃×60秒の条件にて熱処理し、転写紙からポリエステル布へ昇華転写染色を行った。このようにして得られた染色されたポリエステル布を、染布1とする。
実施例1のトナーの代わりに、実施例2のトナーを用いる以外は前記と同様にして、染布2を得た。
[比較用の染布の調製]
実施例1のトナーの代わりに、比較例1〜2のトナーを用いる以外は前記と同様にして、染色されたポリエステル布を得た。得られた染色されたポリエステル布を、比較染布1〜2とする。
得られた染布、及び比較染布を試験染布として用い、下記する評価試験を行った。
[色相評価1]
各実施例及び比較例で得た各試験片のa*及びb*を、前記の測色機により測色し、彩度C*を下記の計算式により算出した。結果を下記表1に示す。彩度は、より数値の大きいものが高鮮明であることを意味し、性能として優れる。
C*=[(a*)+(b*)1/2
[評価基準]
A:彩度が74.0以上であり、非常に鮮やかなマゼンタ色である。
B:彩度が73.0以上、74.0未満であり、鮮やかなマゼンタ色である。
C:彩度が73.0未満であり、通常のマゼンタ色である。
[色相評価2]
試験布の色相を目視にて観察し、以下の2段階の基準で評価した。結果を下記表1に示す。
[評価基準]
A:ぎらつきや、目がちかちかする感覚は得られない。
B:ややぎらつき感はあるが、目がちかちかする感覚は得られない。
C:ぎらつきや、目がちかちかする感覚を強く感じる。
[発色性評価]
各試験染布について、発色性を評価した。発色性の評価はマゼンタの反射濃度であるDM値を測色することにより行った。
[評価基準]
A:マゼンタ濃度が1.40以上あり、高発色性のマゼンタである。
B:マゼンタ濃度が1.25以上、1.40未満あり、発色性が中程度のマゼンタである。
C:マゼンタ濃度が1.25未満であり、発色性の低いマゼンタである。
Figure 2016190935
[蛍光性試験]
アセトンを用いて25000倍に稀釈した染料を試料として、株式会社島津製作所製F−7000型分光蛍光光度計にて蛍光ピークの最大強度を測定した。結果を下記表2に示す。
Figure 2016190935
本発明のトナー組成物は、マゼンタの色相と発色性が極めて良好な染布の提供が可能であり、電子写真記録用、特に静電捺染用マゼンタトナーとして極めて有用である。

Claims (15)

  1. いずれも昇華性を有する少なくとも2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体であって、少なくとも1種類の染料が蛍光性を有するマゼンタ染料であり、少なくとも1種類の染料が蛍光性を有しないマゼンタ染料である樹脂組成物の粉体。
  2. 蛍光性を有するマゼンタ染料が、C.I.Vat Redから選択される染料である、請求項1に記載の樹脂組成物の粉体。
  3. 蛍光性を有するマゼンタ染料であるC.I.Vat Redが、分子内にチオインジゴ構造を有する染料である、請求項2に記載の樹脂組成物の粉体。
  4. 蛍光性を有するマゼンタ染料が、C.I.Vat Red 41である請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体。
  5. 蛍光性を有しないマゼンタ染料が、C.I.Disperse Redから選択される染料である、請求項1に記載の樹脂組成物の粉体。
  6. 蛍光性を有しない染料であるC.I.Disperse Redから選択される染料が、分子内にアントラキノン構造を有する染料である請求項5に記載の樹脂組成物の粉体。
  7. 蛍光性を有しないマゼンタ染料が、C.I.Disperse Red 60である請求項1、5又は6に記載の樹脂組成物の粉体。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を電子写真プリンタにより、疎水性樹脂を含有する繊維、フィルム及びシートから選択される物質に付着させる工程Aと、該工程により付着させた樹脂組成物の粉体中の染料を熱により該物質に固着させる工程Bと、該物質中又は該物質の表面に残存する未固着の染料を洗浄する工程Cとを含む、物質の染色方法。
  9. 1種類以上の糊材を少なくとも含有する水溶液を、樹脂組成物の粉体を付着させる前の疎水性樹脂を含有する繊維に付与する、繊維の前処理工程をさらに含む請求項8に記載の物質の染色方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を、電子写真プリンタにより中間記録媒体に付着させた後、該中間記録媒体の樹脂組成物の粉体の付着面と、疎水性樹脂を含有する繊維、フィルム及びシートから選択される物質とを接触させて加熱することにより、中間記録媒体に付着した樹脂組成物の粉体中の染料を、繊維に昇華転写させて染色を行う物質の染色方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の染色方法により得られる染色された物質。
  12. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を含有する塗料。
  13. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を含有するインク組成物。
  14. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を含有するトナー。
  15. 樹脂組成物の粉体が、スチレン又はスチレン誘導体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環式炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、及びパラフィンワックスよりなる群から選択される、少なくとも1種類を樹脂として含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体。
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