JP3922682B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するためのトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境への配慮から省エネの気運が高まっており、低エネルギーで定着可能な低温定着タイプのトナーの開発が盛んに行なわれている。これに対応して、従来多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂に代えて、低温定着性に優れ、耐熱保存性も比較的良いポリエステル樹脂の使用が試みられている。
しかし、さらなる低温定着化のためには、樹脂そのものの熱特性をコントロールすることが必要となるが、ガラス転移温度を下げると耐熱保存性を悪化させたり、分子量を小さくして樹脂を軟らかくするとホットオフセット発生温度を低下させるなどの問題があった。
【0003】
オフセット発生に対しては、従来では定着ローラーに離型オイルを塗布する方法がとられていた。しかし、省スペースの観点から、オイルタンクを搭載するオイル塗布方法に代わって、トナー中にワックスなどの離型オイルの代わりになるものを含有する場合が多い。
このワックスは定着時にトナー中から染み出すことによって離型性を発現する。そのためにはワックスはトナー中にドメインとして存在することが必要であり、さらに、トナーを構成する結着樹脂とワックスとが互いに非相溶であることが必要となる。
【0004】
互いに非相溶なもの同士を溶融混練する場合には、溶融粘度差が大きすぎると混練ができない。また、混練可能な場合でも均一な混練となりにくい。均一な混練とするためには、溶融粘度が同じ物同士であることが最も好ましい。しかし、トナーを考えた場合、樹脂は耐オフセット性を考慮してある程度高い溶融粘度が必要であり、ワックスはトナー中から染み出して定着部材とトナーとの間に広がるために低い溶融粘度が必要であり、樹脂とワックスとの溶融粘度には差があるのが一般的である。そのためトナー中のワックス分散は不均一になりやすくワックス分散径は大きいものが存在しやすい。
【0005】
樹脂と非相溶なワックスを含有するトナーでは、粉砕時には樹脂とワックスの界面に応力が集中し、ワックスが粒子表面に存在しやすくなることから、ワックス分散径が大きいほど粒子表面のワックス存在量は多くなりやすく、離型性という点からは有利な方向となる。しかし、粒子表面のワックス存在量が多すぎると、トナーの流動性を悪化させたり、キャリアやその他の帯電部材へ融着して良好な画像を得るのを妨げるという問題がある。
【0006】
従来の低温定着性を考慮したものでなければ、混練可能な粘度差であれば、樹脂の混練時の剪断力によってワックスが微分散しやすく、ワックス含有により起こる問題は小さいものである。また、ワックスが微分散しすぎて染み出しが不充分であっても、樹脂自身の凝集力が大きいため離型性は確保しやすい。しかし、低温定着性を考慮した樹脂においては、混練時の剪断力は小さいためワックスが微分散されにくく、ワックス含有による耐久性の悪化、転写性の悪化などの問題が顕著になる。
【0007】
これらの問題点を解決するための従来技術としては、以下の公報に記載ものが挙げられる。
ワックスの分散径を小さくする方法として、特開平5−188636号公報、特開平6−250432号公報、特開平9−127718号公報等には、相溶化剤や界面活性剤のようなワックスの分散をよくする働きをするものをトナー中に含有することが記載されているが、ワックス分散径が小さくなりすぎると、トナーの粒子表面近傍のワックスの存在割合が低くなり、離型剤としての効果が充分に得られない。また、ワックス分散径が小さすぎない場合でも、相溶化させた場合はトナー中の結着樹脂との親和性が強いために、トナー中から染み出しにくく充分な離型効果が得られない場合がある。
【0008】
また、ワックスの分散径がある程度の大きさを持っているが、表面への存在確立を低くする方法として、特開平7−084407号公報には重合法によるワックスを内包したトナーが記載されており、これによれば、耐久性や転写性の悪化などの問題が起こりにくいが、ワックスの分散径が大きくても、ワックスが粒子表面近傍に存在しない場合は、トナー中からワックスが染み出しにくく、離型剤としての効果が得られにくいという問題があった。
【0009】
また、ワックスの分散径がある程度の大きさを持っていて、粒子表面に存在しても、ワックスが表面に存在することにより発生する問題が抑制される方法としては、特開平9−319142号公報にゲル分を多く持つ樹脂と特定範囲の硬度、溶融粘度などをもつポリエチレンワックスを組み合わせたトナーが記載されており、特開平9−304964号公報、特開平9−304971号公報には、樹脂とワックスの粘度を規定したトナーが記載されているが、いずれもワックスが表面に存在することにより発生する問題をプロセス条件で抑制しようとしたものであり、使用条件が限定される。また、2成分現像剤に使用するとキャリアへのトナー融着が発生する場合がある。
【0010】
一方、ポリエステル樹脂やポリオール樹脂は樹脂自身の強度が高いため、トナーの粉砕工程において著しく生産性を落とすという欠点もある。
特開平11−052616号公報には、石油樹脂を70重量%以上含有し、耐熱保存性、低温定着性を両立し、粉砕性に優れたトナーが記載されているが、耐ホットオフセット性が不充分であり、また、トナーが過粉砕されやすく微粉が多く発生したり、現像機中でもトナー粒径が小さくなりやすく、現像性の低下につながるという問題があった。
また、特開平11−072956号公報には、特定の石油樹脂を含有して結着樹脂やワックスへの相溶性のバランスをよくし、低温定着性を維持したまま耐オフセット性、粉砕性、フィルミング性を改善できることが記載されているが、結着樹脂と石油樹脂、ワックスが相溶しすぎると、非相溶の界面がなくなり、かえって粉砕性が低下する場合がある。また、石油樹脂以外にも同様の効果を持つものがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、低温定着性に優れた樹脂にワックスを最適に分散することにより、充分な定着温度幅を確保し、また、ワックスを含有することにより問題となりやすい耐久性の悪化や転写性の悪化を抑制し、耐熱保存性に優れた、生産性の高いトナーを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、互いに相溶しない少なくとも2種類の樹脂と、これら樹脂と相溶しないワックスを用いた場合に、これら樹脂とワックスが特定の相分離構造となり、互いに相溶しない樹脂の一方が、もう一方に均一に分散しやすい状態にすることにより、本発明の課題を解決できることを見い出した。
【0013】
すなわち上記課題は、本発明の(1)「少なくとも樹脂A、樹脂Bおよびワックスを含有し、それらがお互いに非相溶で海島状の相分離構造をとり、連続相である海状の樹脂Aに島状に樹脂Bが分散し、島状樹脂Bの中にワックスが内包されているトナーであり、樹脂Aが互いに相溶するTHF不溶分を含む樹脂A1とTHF不溶分を含まない樹脂A2から構成され、樹脂A2と樹脂Bの軟化温度のうち低いほうの軟化温度から樹脂A1の軟化温度TmA1の温度範囲全域にわたって、樹脂A2と樹脂Bの溶融粘度の対数の差の絶対値が2以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー」、(2)「樹脂A1と樹脂Bのガラス転移点Tgの関係が、樹脂A1のTg<樹脂BのTgであり、樹脂A1と樹脂A2のガラス転移点Tgの関係が、樹脂A1のTg<樹脂A2のTgであることを特徴とする前記第(1)項に記載の静電荷像現像用トナー」、(3)「樹脂Aが主としてポリエステル樹脂又は/及びポリオール樹脂であることを特徴とする前記第(1)項または前記第(2)項に記載の静電荷像現像用トナー」、(4)「樹脂A、樹脂BおよびワックスのSP値(溶解性パラメーター)の関係が、樹脂AのSP値>樹脂BのSP値>ワックスのSP値であることを特徴とする前記第(1)項乃至(3)項の何れか1に記載の静電荷像現像用トナー」、(5)「樹脂A、樹脂Bおよびワックスの含有量が、樹脂A(樹脂A1+樹脂A2)>樹脂B≧ワックスであり、該ワックスが2〜15重量%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」、(6)「混練時の混練品の温度が、トナーを構成する樹脂の最低軟化温度から最高軟化温度までの温度範囲であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」によって解決される。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のトナーの特徴は、少なくとも2種類以上の樹脂及びワックスを含有し、それらがお互いに非相溶で海島状の相分離構造を取り、連続相である海状の樹脂Aに島状に他の樹脂Bが分散し、島状樹脂Bの中にワックスが内包されていることである。
本発明のトナー中のワックスは、実質的に樹脂Bに内包されているものである。少数のワックスであれば、樹脂B中に内包されずに樹脂A中に分散していても、ワックスのトナー粒子表面への存在確率を高くするものではない。
【0015】
一般に、粉砕では非相溶の界面があれば、そこに粉砕応力が集中しやすい。多くのトナーの場合、ワックスがトナー中から染み出すように、樹脂とワックスは非相溶であり、樹脂とワックスの界面で粉砕されやすい。その結果、粉砕されたトナーの表面には添加したワックス以上にワックスが露出し、このことが転写性や耐久性を低下させる原因となっている。
【0016】
本発明のトナーでは、海状の樹脂Aに島状に樹脂Bが分散し、さらに島状樹脂Bの中にワックスが内包されることにより、樹脂Aと樹脂Bの非相溶の界面にも粉砕応力を集中させることができ、粉砕されたトナー表面へのワックス露出量を減少させることができ、転写性、耐久性に優れたトナーとすることができる。トナー表面に露出しないワックスであっても、表面近傍に存在するようになるため、耐オフセット性の低下もほとんどない。
【0017】
このとき、樹脂Bの分散が不均一であり、分散径が大きいなどといった、樹脂Bの樹脂Aへの分散状態が悪いと、樹脂Bに内包されるワックスの分散状態が悪くなる可能性があり、ワックス内包による粒子表面へのトナー露出量の減少効果が現れにくい。さらに樹脂Bの分散状態があまりに悪いと、樹脂Bとワックスだけで構成されたトナーが存在し得る。しかし、樹脂Bの樹脂Aへの分散状態がよければ、ワックスは樹脂Bの分散径以上の大きさになることはない。そのためには樹脂Aと樹脂Bの溶融粘度差がないことが最も好ましいが、差があってもその差が大きすぎなければ樹脂Bの分散状態は悪くならない。したがって、本発明では、樹脂Aの軟化温度TmA(℃)と樹脂Bの軟化温度TmB(℃)との間の温度範囲で、樹脂Aと樹脂Bの溶融粘度の対数の差の絶対値が2以下であることが好ましい。
【0018】
また、本発明のトナーは樹脂Aの軟化温度TmAが樹脂Bの軟化温度TmBより高いものである。ワックスは樹脂中から染み出すときに、高軟化の樹脂よりも低軟化の樹脂からのほうが染み出しやすいので、本発明ではワックスを内包する樹脂Bの軟化温度が樹脂Aの軟化温度より低いことが好ましい。より好ましくは、さらにワックスを染み出しやすくするために、樹脂BはTHF不溶分がないことが好ましく、樹脂Aで耐ホットオフセット性を補うために、樹脂AはTHF不溶分を含有し、樹脂Bの軟化温度と5℃以上の差があることが好ましい。これにより、海を構成する樹脂の剪断力で島状樹脂の分散とワックスの分散がよくなるという効果も期待できる。
【0019】
さらに本発明では、樹脂Aと樹脂Bのガラス転移点Tgの関係を、樹脂AのTg<樹脂BのTgとすることが好ましい。Tgの関係をこのようにすることにより、しない場合よりも溶融粘度差を小さくすることができる。また、樹脂Aと樹脂Bとの界面、樹脂Bとワックスとの界面が、粉砕面となるため、樹脂Bのトナー表面への存在確立は高くなる。このようなときに樹脂BのTgが高ければ、耐熱保存性の点で有利となる。
【0020】
一方、このような構成は非相溶の界面が増えるために、粉砕性の点でも有利となる。そのため、樹脂Aに粉砕性が悪いポリエステル樹脂やポリオール樹脂を使用しても、粉砕性の悪化は少ない。ポリエステルやポリオール樹脂は低温定着性と耐熱保存性に有利な樹脂なので、粉砕性の悪化がないこのような構成のトナーでは、樹脂Aに主としてポリエステル樹脂及び/又はポリオール樹脂を用いることが好ましい。これにより、粉砕性の良すぎる樹脂を用いる場合のような過粉砕による微粉の増加も抑制される。
【0021】
従来のトナーは樹脂の設計の際に低温定着性や耐ホットオフセット性を考慮するだけでなく、粉砕性やワックスの分散性についても考慮する必要があった。しかし、本発明ではメインとなる樹脂Aに関して、粉砕性やワックスの分散性を考慮する必要がなく、樹脂の選択範囲が広がる。また、樹脂Aと非相溶の樹脂Bもあることから、両方を合わせて狙いの樹脂特性を持つものとすることもできる。また、樹脂Aは1種類の樹脂である必要はなく、2種類以上とすることによりさらに狙いの樹脂特性を持つものとしやすい。特にTHF不溶分を含む樹脂A1とTHF不溶分を含まない樹脂A2とで構成することにより、1種類の場合よりも定着温度幅を広げることができる。
【0022】
樹脂Aを構成するA1とA2の樹脂は互いに相溶することが必要であり、樹脂A2と樹脂Bとの低い方の軟化温度から樹脂A1の軟化温度の間の温度範囲で、樹脂A1または樹脂A2のどちらかと、あるいは両方と樹脂Bの溶融粘度の対数の差の絶対値が2以下であることが好ましい。
【0023】
樹脂Aを構成する樹脂のうちで樹脂Bとの溶融粘度差が大きいものがあった場合でも、どれか1種類の樹脂と近い溶融粘度であることにより、樹脂Bの分散状態は悪くならない。しかし、ワックスを内包する樹脂Bは低軟化温度の方が好ましい。したがってTHF不溶分のない樹脂A2と樹脂Bとの溶融粘度差が上記のようになることが好ましい。これにより、樹脂Aを構成する樹脂として、1種類の場合には溶融粘度差がありすぎて使えなかった樹脂でも使用が可能となる。
しかし、相溶する樹脂同士でもあまりにも溶融粘度差が大きすぎると、分散状態が悪くなる可能性もあるため、上記と同じ温度範囲内で樹脂Aを構成する樹脂同士の溶融粘度の対数の差の絶対値が3以下であることが好ましい。
【0024】
樹脂Aを構成する樹脂が2種類以上の場合も、各樹脂のTgの関係を、樹脂A1のTg<樹脂BのTg、樹脂A1のTg<樹脂A2のTgとすることにより、樹脂Aが1種類の場合と同様に溶融粘度差を小さくすることができる。
【0025】
本発明におけるトナー構造を確実に形成し、さらに目的の課題を達成するためには、樹脂A、樹脂B及びワックスのSP値が、樹脂AのSP値>樹脂BのSP値>ワックスのSP値であり、樹脂Aと樹脂BのSP値差が0.8以上であり、トナー中の樹脂及びワックスの含有量が、樹脂A(樹脂A1+樹脂A2)>樹脂B≧ワックスであり、ワックスがトナー中の樹脂およびワックスの合計量に対して、2〜15重量%であることが重要である。
【0026】
また、本発明では混練時の混練品の温度が、トナーを構成する樹脂の最低軟化温度から最高軟化温度までの温度範囲であることが好ましい。
これまでの混練実績から、樹脂の軟化温度より低い温度に混練温度を設定しても、混練時の混練物の温度は、剪断力による自己発熱で軟化温度程度まで上昇している。本発明のトナー構成のように、2種類以上の樹脂を混練する場合は、各樹脂の構成割合にもよるが、自己発熱で上昇する温度として、最も低い軟化温度から最も高い軟化温度までが考えられる。混練時に混練物の温度がこのような温度範囲であれば、本発明のトナー構成と本発明の目的を達成しやすい。この範囲より低い温度の場合は溶融せず混練ができない。高い温度の場合には、溶融粘度が低くなりすぎ剪断力がかからず、本発明のトナー構成が得にくい。それだけでなく、帯電制御剤や着色剤などの分散が不充分で、帯電が低かったり、着色度の低いトナーが得られる場合がある。なお、混練物の温度は混練機内の剪断力がかかっている部分の混練物に接触する熱電対によって測定される値である。
【0027】
本発明における、樹脂の軟化温度(℃)および溶融粘度(Pa・s)は、高架式フローテスター(島津製作所製、CTF−500)を用い、ダイス細孔の径0.5mm、加圧10kg/cm2、昇温速度3℃/minの条件で1cm3の試料を溶融流出させて測定したものである。軟化温度は、流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度であり、溶融粘度は流出開始から流出終了までを1℃毎に測定している。
【0028】
溶融粘度差を調べるにあたり、測定範囲外温度の溶融粘度を知る必要がある。この場合は、測定値の最小2乗法による指数近似から、測定範囲外温度の溶融粘度を知る。なお、測定時、特に高軟化温度の樹脂では、測定終了温度付近の溶融粘度が上昇傾向を示す場合がある。このような時は近似式の相関を悪くする。そこで、本発明では3℃以上続けて1℃低い温度より溶融粘度が高くなった場合には、上昇を始めた温度以降の溶融粘度測定値を除いて近似式を計算するものとする。本発明では樹脂の軟化温度は、樹脂Aが130〜200℃、樹脂Bが100〜150℃であることが好ましい。
【0029】
本発明における樹脂のガラス転移点Tgは、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件で測定したものである。本発明のトナーでは樹脂のガラス転移点は58〜85℃であることが好ましい。
【0030】
本発明におけるTHF不溶分の測定は次のように行なった。樹脂1.0gを秤量し、これにTHF50gを加えて20℃で24時間静置する。これをJIS規格(P3801)5種Cの定量ろ紙を用いて常温でろ過する。乾燥後ろ紙残渣を秤量し、用いた樹脂と、ろ紙残渣の比(重量%)で表わす。
【0031】
本発明では樹脂BのTHF不溶分はないことが好ましい。樹脂AのTHF不溶分は、樹脂Aのトナー中に占める割合や混練時にどの程度の剪断力が加わるかによるが、40重量%以下が好ましい。
【0032】
本発明のカラートナーに用いられる樹脂のSP値(溶解性パラメーター:δ)は、Hildebrand−Scatchardの溶液理論において次式で定義される。
【0033】
【数1】
δ=(ΔEv/V)1/2
ここでΔEvは蒸発エネルギー、Vは分子容、ΔEv/Vは凝集エネルギー密度を示す。
【0034】
SP値(溶解性パラメーター)の求め方は各種あるが、本発明では、主にモノマー組成からFedorらの方法を用いて次式に示す計算により求めた値を用いた。
【0035】
【数2】
SP値=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
ここでΔeiは原子または原子団の蒸発エネルギー、Δviは原子または原子団のモル体積を表わす。
【0036】
本発明に用いられるトナーは、その材料に関しては公知のものを用いることができる。
樹脂としては例えば、スチレン、パラクロルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)タクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリロニトリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、ブタジエン等の単量体の重量体、又は、これらの単量体の2種類以上からなる共重合体、或いはそれらの混合物が挙げられる。その他、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ロジン、変性ロジン、テルベン樹脂、フェノール樹脂、水添石油樹脂、アイオノマー樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
【0037】
離型剤としてのワックス類は、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックスやフィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックスや密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス、等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド等及びこれらの各種変性ワックスが挙げられる。
【0038】
これらは1種または2種以上を併用して用いることができるが、融点が70〜125℃の範囲のものを使用するのが好ましい。融点が70℃以上とすることにより転写性、耐久性が優れたトナーとすることができ、融点を125℃以下とすることにより定着時に速やかに溶融し、確実な離型効果を発揮できる。これらの離型剤の使用量は、トナーに対して2〜15重量%が好適である。2重量%より少ないとオフセット防止効果が不充分であり、15重量%より多いと転写性、耐久性が低下する。さらにワックスの選択において重要な点は樹脂Bに対して非相溶であることである。
【0039】
トナー中のワックスの分散径は、転写性や耐久性の点から最大でもトナーの長軸径の1/2以下であることが好ましい。しかし、ワックスの最大分散粒径が長軸径で0.5μm以下となると定着時にワックスがしみ出しにくくなりオフセット防止効果が不充分となる。
【0040】
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染顔料等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を使用することができる。
【0041】
本発明のトナーは、必要に応じ公知の荷電制御剤をトナー中に含有させることができる。例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報に記載)、塩基性染料(例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド、等の4級アンモニウム塩あるいは、ジブチル又はジオクチルなどのジアルキル錫化合物、ジアルキル錫ボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーの場合は、目的の色を損なう荷電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
【0042】
本発明においては、疎水化処理されたシリカや酸化チタン等の微粒子をトナー母体に外添することが好適に行なわれるが、この他疎水化処理されたアルミナや樹脂微粒子、また、脂肪属金属塩やポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等も併用可能である。特に疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを併用し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより転写性及び湿度に対する帯電の安定性に優れたトナーとすることができる。
【0043】
なお、ここで用いられる疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。この他チタネート系カップリング剤、アルミニューム系カップリング剤も使用可能である。
【0044】
本発明のトナーは一成分現像用、二成分現像用ともに用いることができる。
トナーを二成分現像剤用として用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられる。この場合のキャリアとしては、公知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、ニッケル粉、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで被覆処理した物などが挙げられる。
【0045】
本発明のトナーの製造法は従来公知の方法が適用できる。
トナー構成材料を混練する装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。
【0046】
以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15μmになるように行なうのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、5〜20μmに粒度調整される。必要に応じ、外添剤の母体トナーへ外添が行なわれるが、母体トナーと外添剤とをミキサー類を用いて混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー表面に被覆される。
【0047】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本実施例においては以下のような評価を行なった。
【0048】
<粉砕性>
平均粒径1mm以下に粗粉砕されているトナーを、日本ニューマチック社製のIDS型粉砕機で一定条件下で粉砕したときの、単位時間当たりの処理量により求めた。評価基準は、◎:4kg以上、○:3〜4kg、△:1〜3kg、×:1kg未満、▲:4kg以上だが微粉が多量発生(×、▲以外は許容範囲)で表わす。
【0049】
<ワックス分散径>
トナー粒子を100nmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率1万倍で観察を行ない写真撮影した。
評価基準は、◎:0.5μm〜1μm、○:1μm〜粒径の1/3、△:粒径の1/3〜1/2、×:粒径の2/1より大、▲:0.5μmより小(×、▲以外は許容範囲)で表わす。
【0050】
<耐熱保存性>
トナー約20gを20mlのガラス瓶に入れ、50回タッピングを行ないトナーを密に固めた後、50℃の恒温槽に24時間放置し、その後針入度を測定した。評価基準は、◎:貫通、○:25mmより大、△:15〜25mm、×:15mm以下(×以外は許容範囲)で表わす。
【0051】
<定着性>
定着ローラーとしてテフロンローラーを使用したリコー製複写機 MF−200の定着部を改造し、定着温度を可変とした定着装置を用いて、これにリコー製タイプ6200紙をセットし複写テストを行なった。この定着温度を5℃毎に変えてコールドオフセット発生温度、およびホットオフセット発生温度を調べた。評価基準は、コールドオフセットの場合は、◎:125℃未満、○:125〜140℃、△:140℃〜155℃、×:155℃以上で表わし、ホットオフセットの場合は、◎:200℃より大、○:185〜200℃、△:170〜185℃、×:170℃以下で表わす。
【0052】
<耐久性>
定着性評価と同様の装置および記録紙を用いて、連続して複写テストを行なった。このときの定着温度を、コールドオフセット発生温度が125℃未満のトナーにおいては140℃、それ以外のトナーはコールドオフセット発生温度+20℃に設定した。3万枚複写後のQ/Mおよび画質を初期の状態と比較した。評価基準は、◎:Q/Mの低下ほとんどない、○:Q/Mが低下するが画質の変化はない、△:Q/Mが低下し画質の変化があるが問題ないレベル、×:Q/Mが低下し画質も悪化、で表わす。
【0053】
参考例
トナー構成材料
樹脂A:
スチレン−アクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂 70重量部
(SP値:10.0、Tg:70℃、Tm:166℃、
THF不溶分:2重量%)
樹脂B:
スチレン−アクリル酸ブチル共重合樹脂 20重量部
(SP値:9.0、Tg:64℃、Tm:132℃、
THF不溶分:なし)
離型剤:
ポリエチレンワックス 10重量部
(SP値:8.0、融点:106℃)
着色剤:
カーボンブラック 10重量部
帯電制御剤:
サリチル酸金属塩化合物 2重量部
【0054】
上記材料をヘンシェルミキサーで充分攪拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間溶融混練した。この混練物を室温まで冷却後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて母体トナーの体積平均粒径が7±1μmになるようにした。微粉がやや多いが、粉砕性の非常によいものであった。
この母体トナーの薄膜切片のTEM画像を観察したところ、海島構造を形成した島の内部にワックスが分散しているのが確認できた。非相溶の樹脂同士の溶融粘度が大きく違いすぎないために、島部分の海への分散状態はよく、その中に分散するワックスの分散径は大きすぎるものではなかった。樹脂の溶融粘度差は表1に示す。
この母体トナー100重量部に対して、疎水性シリカ0.4重量部と酸化チタン0.6重量部をヘンシェルミキサーにて混合しトナーとした。このトナーの耐熱保存性はよかった。
このトナー3重量部をキャリア97重量部と混合攪拌して適正帯電の現像剤とし、この現像剤を使用して、画像評価、定着性評価を行ない、その後3万枚の連続複写試験を行なった。低温定着性と耐オフセット性を両立でき、耐久性評価においても問題のないトナーが得られた。評価結果を表2に示す。
【0055】
参考例
トナー構成材料
樹脂A:
ポリエステル樹脂 70重量部
(SP値:10.3、Tg:65℃、Tm:164℃、
THF不溶分:3重量%)
樹脂B:
スチレン−アクリル酸ブチル共重合樹脂 20重量部
(SP値:9.0、Tg:65℃、Tm:132℃、
THF不溶分:なし)
離型剤:
ポリエチレンワックス 10重量部
(SP値:8.0、融点:106℃)
着色剤:
カーボンブラック 10重量部
帯電制御剤:
サリチル酸金属塩化合物 2重量部
【0056】
上記材料を参考例1と同様の処理を行ない、体積平均粒径7±1μmの母体トナーを得た。樹脂Aをポリエステル樹脂にしたことによる粉砕性の悪化は大きいものではなく、参考例1の場合よりも微粉の発生量が少なく、効率よくトナーが粉砕できた。この母体トナーの薄膜切片のTEM画像では、参考例1と同様な海島構造とワックスの分散状態が観察できた。表1に示すように溶融粘度差は大きく違うものではない。
この母体トナーに参考例1と同様に外添剤を混合してトナーとし、このトナーの耐熱保存性を評価した結果、問題ないレベルであった。
さらに、参考例1と同様の方法で、このトナーをキャリアと混合して現像剤とし、この現像剤を使用して画像評価、定着性評価、および耐久性評価を行なった。低温定着性と耐オフセット性を両立できるトナーであり、耐久性も良いことが確認できた。評価結果を表2に示す。
【0057】
参考例
トナー構成材料
樹脂A:
ポリエステル樹脂 54重量部
(SP値:10.8、Tg:62℃、Tm:168℃、
THF不溶分:5重量%)
樹脂B:
スチレン−アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル共重合樹脂 40重量部
(SP値:9.3、Tg:70℃、Tm:140℃、
THF不溶分:なし)
離型剤:
エステルワックス 6重量部
(SP値:8.2、融点:90℃)
着色剤:
カーボンブラック 10重量部
帯電制御剤:
サリチル酸金属塩化合物 2重量部
【0058】
上記材料を参考例1と同様の処理を行ないトナー化した。トナー製造時の粉砕性は良いものであった。この母体トナーの薄膜切片のTEM画像では、海島構造と島中へのワックスの分散が確認できた。このワックスの分散径は、参考例1や2の場合より小さいものであった。樹脂の溶融粘度差を表1に示す。
また、このトナーで使用している樹脂Aはこれまでのトナーに比べるとTgの低いものであるが、耐熱保存性のよいものであった。表面にTgが高い樹脂Bが多く存在することの効果と考えられる。
このトナーを参考例1と同様の方法でキャリアと混合して現像剤とし、これを用いて、画像評価、定着性評価、および耐久性評価を行なった。参考例1や2より離型剤量が少なく分散径も小さいが、充分な耐オフセット性が得られたのは、樹脂自身の特性にもよるが、離型剤が表面近傍に存在し離型性を確保するのに充分な染み出しがあったからと考えられる。また、離型剤分散径が小さくなったことにより、耐久性評価の結果は非常によいレベルであった。評価結果を表2に示す。
【0059】
参考例
トナー構成材料
樹脂A:
ポリエステル樹脂 88重量部
(SP値:11.0、Tg:64℃、Tm:160℃、
THF不溶分:1重量%)
樹脂B:
スチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂 6重量部
(SP値:9.1、Tg:46℃、Tm:136℃、
THF不溶分:なし)
離型剤:
ポリエチレンワックス 6重量部
(SP値:8.0、融点:100℃)
着色剤:
カーボンブラック 10重量部
帯電制御剤:
サリチル酸金属塩化合物 2重量部
【0060】
上記材料を参考例1と同様の処理を行ないトナー化した。海島構造で島の部分にワックスが存在するトナーが得られた。島内部のワックスは、参考例1〜3までのトナーのように島内部に分散した状態ではなく、島内部のほとんどがワックスという状態であった。それでも、ワックス分散径は大きすぎるものではなかった。しかし、ワックス量より樹脂Bの量が少なくなると、樹脂Bがワックスを内包しきれない可能性が考えられ、樹脂B量はワックス量以上であるほうが好ましいことが確認できる。
このトナーは粉砕性、耐熱保存性の問題ないものであり、参考例1と同様にキャリアと混合した現像剤を使用して調べた結果では、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立でき、耐久性の良いものであることが確認できた。樹脂Aと樹脂Bの溶融粘度差を表1に、トナーの評価結果を表2に示す。
【0061】
参考例
参考例3の混練温度130〜140℃を165〜175℃に変える以外は、すべて同じにしてトナーを得た。参考例3では混練時の混練物の温度は、樹脂Aの軟化温度168℃より低い温度であったが、このトナー構成材料混練時の混練物の温度は、樹脂Aの軟化温度168℃より高い170℃であった。
このトナーの薄膜切片のTEM写真の観察から、海島構造と島部分にワックスが分散しているのが確認できた。このワックス分散径は大きすぎるほどではないが、参考例3の場合よりも大きいものであった。この結果より、混練温度が高くなると剪断力が小さくなり、ワックス分散状態が悪くなる方向になるため、混練物の温度が軟化温度以下で混練されるような温度で、混練するほうが好ましいことが確認できる。
【0062】
実施例
トナー構成材料
樹脂A1:
ポリエステル樹脂 50重量部
(SP値:10.8、Tg:62℃、Tm:174℃、
THF不溶分:29重量%)
樹脂A2:
ポリエステル樹脂 36重量部
(SP値:11.1、Tg:62℃、Tm:126℃、
THF不溶分:なし)
樹脂B:
スチレン−アクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂 10重量部
(SP値:9.5、Tg:67℃、Tm:124℃、
THF不溶分:なし)
離型剤:
エステルワックス 4重量部
(SP値:8.1、融点:90℃)
着色剤:
カーボンブラック 10重量部
帯電制御剤:
サリチル酸金属塩化合物 2重量部
【0063】
上記材料を参考例1と同様の方法でトナー化した。このトナーの薄膜切片のTEM写真の観察から、海島構造と島部分にワックスが分散しているのが確認できた。樹脂A1と樹脂Bの溶融粘度差は大きいものであるが、樹脂A2と樹脂Bの溶融粘度差は小さく、このためか離型剤の分散状態のよいトナーが得られた。樹脂の溶融粘度差を表1に示す。
このトナーは粉砕性のよいものであり、耐熱保存性も問題ないレベルであった。参考例1と同様にキャリアと混合して現像剤とし、これを用いて行なった定着性評価の結果、これまでのトナーよりも低温で定着し、定着温度幅は広いものであった。非相溶な樹脂同士では大きすぎる溶融粘度差であっても、相溶同士では分散状態を悪くような差ではないので、THF不溶分の多い高軟化温度の樹脂と低軟化の樹脂を組み合わせることができ、定着温度幅が広がった。トナー評価結果を表2に示す。
【0064】
実施例
実施例の樹脂Bを水添石油樹脂(SP値:9.0、Tg:74℃、Tm:130℃、THF不溶分:なし)に変える以外は実施例と同様の方法で、トナーを作成した。このトナーも実施例と同様に、海島構造と島部分へのワックスの分散が確認でき、分散状態はよいものであった。このトナーの耐熱保存性評価では、実施例のトナーよりもよい結果が得られた。トナー表面に存在しやすい樹脂BのTgが、実施例の場合よりも高くなったことによる効果と考えられる。このトナーを参考例1と同様にキャリアと混合して現像剤とし、これを用いて定着性評価を行なったところ、実施例の場合と同じく、低温で定着し定着温度幅は広いという結果が得られた。樹脂BのTgが高いものであるが、樹脂BのTg上昇分が定着性に影響しないのは、樹脂Bが高軟化の樹脂A1よりも低軟化の樹脂A2に近いような、低い溶融粘度の樹脂であるからと考えられる。
樹脂の溶融粘度差を表1に、トナー評価結果を表2に示す。
【0065】
実施例
トナー構成材料
樹脂A1:
ポリエステル樹脂 50重量部
(SP値:10.8、Tg:62℃、Tm:174℃、
THF不溶分:29重量%)
樹脂A2:
ポリエステル樹脂 35重量部
(SP値:11.3、Tg:70℃、Tm:116℃、
THF不溶分:なし)
樹脂B:
スチレン−アクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂 11重量部
(SP値:9.5、Tg:66℃、Tm:122℃、
THF不溶分:なし)
離型剤:
エステルワックス 4重量部
(SP値:8.3、融点:85℃)
着色剤:
カーボンブラック 10重量部
帯電制御剤:
サリチル酸金属塩化合物 2重量部
【0066】
上記材料を参考例1と同様の方法でトナー化した。このトナーの薄膜切片のTEM写真の観察から、海島構造と島部分にワックスが分散しているのが確認できた。樹脂A1と樹脂A2との軟化温度差は実施例1や2の場合より大きいが、樹脂A2のTgが樹脂A1のTgより高いので、溶融粘度差は軟化温度差のわりには大きくなりすぎず、また樹脂A2と樹脂Bの溶融粘度差も小さく、このためか離型剤の分散状態は、実施例1や2と同等の良い状態のものが得られた。樹脂の溶融粘度差を表1に示す。
このトナーは粉砕性のよいものであり、耐熱保存性も問題ないレベルであった。このトナーを参考例1と同様にキャリアと混合して現像剤とし、これを用いて行なった定着性評価の結果、低温で定着し、定着温度幅は広いものであった。トナー評価結果を表2に示す。
【0067】
比較例1
Figure 0003922682
【0068】
上記材料を参考例1と同様の方法でトナー化した。このトナーの薄膜切片のTEM画像を観察したところ、海島構造が確認できた。しかし、島部分内部の島構成樹脂とワックスとの界面ははっきりしなかった。島を構成する樹脂とワックスのSP値が近いので、両者が相溶していると考えられる。
このトナーを参考例1と同様にキャリアと混合して現像剤とし、これを用いて行なった定着性評価の結果、オフセット発生温度は参考例1〜5、実施例1〜3のトナーに比べ低いものであった。離型剤と樹脂が相溶することにより、離型剤としての効果が充分発揮されなかったと考えられる。また、耐久性評価の結果、3万枚複写後の画像は、地肌汚れが目立ちあまり良い画像ではなかった。離型剤が樹脂Bと相溶化することにより、島部分が軟らかいものとなり、キャリアへ融着しやすくなって、キャリアの帯電能力を劣化させていると考えられる。
【0069】
比較例2
実施例のトナー構成材料から樹脂A2を除き、樹脂Bを46重量部とする以外は、実施例と同じ方法でトナー化を行なった。このトナーの薄膜切片のTEM画像を観察した結果、海島構造と島部分にワックスが分散していることが確認できた。しかし、トナー中の島の分散状態は均一でなく、かなり大きいものがあった。その中に分散するワックスの中にも大きいものがあった。樹脂A1と樹脂Bの溶融粘度差が大きいために、均一な分散にならなかったと考えられる。樹脂の溶融粘度差を表1に示す。
このトナーを参考例1と同様にキャリアと混合して現像剤とし、これを用いて行なった定着性の評価の結果、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立するトナーであることが確認できた。しかし、耐久性評価の結果、3万枚複写後の画像は良いものではなかった。トナー表面のワックス量が多いために、キャリアへ融着しやすく、比較例1と同様の状態になったと考えられる。トナーの評価結果を表2に示す。
【0070】
比較例3
Figure 0003922682
【0071】
上記材料を参考例1と同様にトナー化した。このトナーの薄膜切片のTEM画像観察の結果、海島構造と島部分の内部にワックスが分散していることが確認できた。
このトナーを参考例1と同様にキャリアと混合して現像剤とし、この現像剤を使用して定着性評価と耐久性評価を行なった。低温で定着し、耐久性も良好なものであるが、耐ホットオフセット性は充分なレベルではなかった。ワックスを内包している樹脂Bが高軟化の樹脂であるため、ワックス染み出しが不充分で、含有しただけのワックスの効果が得られなかったと考えられる。
樹脂の溶融粘度差を表1に、トナーの評価結果を表2に示す。
【0072】
【表1−1】
Figure 0003922682
【0073】
【表1−2】
Figure 0003922682
【0074】
【表2】
Figure 0003922682
【0075】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明により、トナー中に離型効果を損なわない大きさでワックスを分散させることができるので、低温定着性に優れた樹脂を使用して充分な定着温度幅を確保でき、また、ワックスのトナー表面への存在確立を従来のトナーより低くできるので、ワックス分散により問題となりやすい耐久性の悪化を抑制できるトナーが得られ、更にまた、Tgが高めの樹脂のトナー表面存在確立が高く、耐熱保存性の良好なトナーが得られ、更にまた、粉砕性が良いが過粉砕とならず、生産効率よくトナーが製造できるという優れた効果を奏する。

Claims (6)

  1. 少なくとも樹脂A、樹脂Bおよびワックスを含有し、それらがお互いに非相溶で海島状の相分離構造をとり、連続相である海状の樹脂Aに島状に樹脂Bが分散し、島状樹脂Bの中にワックスが内包されているトナーであり、樹脂Aが互いに相溶するTHF不溶分を含む樹脂A1とTHF不溶分を含まない樹脂A2から構成され、樹脂A2と樹脂Bの軟化温度のうち低いほうの軟化温度から樹脂A1の軟化温度TmA1の温度範囲全域にわたって、樹脂A2と樹脂Bの溶融粘度の対数の差の絶対値が2以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 樹脂A1と樹脂Bのガラス転移点Tgの関係が、樹脂A1のTg<樹脂BのTgであり、樹脂A1と樹脂A2のガラス転移点Tgの関係が、樹脂A1のTg<樹脂A2のTgであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 樹脂Aが主としてポリエステル樹脂又は/及びポリオール樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 樹脂A、樹脂BおよびワックスのSP値(溶解性パラメーター)の関係が、樹脂AのSP値>樹脂BのSP値>ワックスのSP値であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 樹脂A、樹脂Bおよびワックスの含有量が、樹脂A(樹脂A1+樹脂A2)>樹脂B≧ワックスであり、該ワックスが2〜15重量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 混練時の混練品の温度が、トナーを構成する樹脂の最低軟化温度から最高軟化温度までの温度範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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