JP2016145284A - 油性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の油性ボールペンインキの欠点を改良するべく、長期間の保管によっても、先漏れが発生せず、かつ滑らかで軽い筆記感を得ることのできる油性ボールペンインキを提供する。
【解決手段】少なくとも着色剤、極性有機溶媒、シリカおよび該シリカの補強剤を含有する油性ボールペン用インキ組成物であって、前記シリカの炭素含有率が1.5質量%以下(0を含む)であり、前記補強剤が、前記シリカの表面と相互作用する基と極性有機溶媒に対して親和性を有する基とを有していることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、油性ボールペン用インキ組成物に関する。さらに詳しくは、長期間の保管によっても先漏れが発生せず、かつ滑らかで軽い筆記感を得ることのできる油性ボールペン用インキ組成物に関する。
従来より油性ボールペンはインキの粘性が高いために筆記感が重いという欠点があり、特に25℃でのインキ粘度が8,000〜10,000mPa・s前後のものは、その傾向が顕著であった。25℃でのインキ粘度を1,000〜5,000mPa・s前後にすることで筆記感を改善することはできるが、粘度を下げることにより、ペン先を下向きに長期保管した際の先漏れが問題となっていた。
この問題に対し、比表面積が特定の範囲にある親水性または疎水性シリカ微粒子を0.05〜1.0重量%と、ポリビニルピロリドンを0.01〜10重量%含有させることにより、低粘度で軽い筆記感を持ちながら、長期保管時の先漏れを解消する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。これは、シリカ微粒子がその表面に持っているシラノール基(SiOH)の水素結合によって相互に結びつき、この結合により粘度が上昇しかつ網目構造を構成することにより、ペン先からのインキの漏れ出しを防ぐことを期待していると同時に、ポリビニルピロリドンは、上記網目構造をより効果的に形成し、且つ筆記による剪断力が加わることでその構造を非常に容易に崩し易い状態にすることを期待したものである。
しかしながら、特許文献1等に提案されている油性ボールペン用インキは、配合された極性有機溶剤、ポリビニルピロリドン、着色剤などが吸湿することにより、インキの中に水分が混入する。この水分の混入によって、水と相互作用して溶媒和してしまうために、シリカ間のシラノール結合が阻害されると共に、網目構造を効果的に形成させているはずのポリビニルピロリドンが、水分に対しても相溶性を示すために、本来の増強効果を失い先漏れが発生してしまうという問題がある。また、長期間の保管により、シリカ微粒子同士が凝集、沈降することで、網目構造を形成することができなくなり、先漏れが発生してしまうという問題もある。
インキの先漏れを解消するために、インキにチクソトロピー性を付与することは従来から行われているが、それによりインキの吐出性が悪くなり、特に書き始めの筆記描線のカスレが発生しやすくなる。このカスレを減少させるための対策として、特許文献5〜6には、変性シリコーン化合物を添加したインキが提案されている。特許文献6に開示されたインキは、有機溶剤、樹脂、着色剤及び反応性のアミノ変性シリコーンを加熱撹拌し溶解させた液の濾液に、チクソトロピー性付与剤として微粒子シリカ(アエロジル)を添加し、3本ロールで十分に分散させてインキを得ている。しかし、こうして得られたインキは、アミノ変性シリコーンが反応性が高く経時的にゲル化するため、長期安定性に劣る。
特開平10−204368号公報 特開平11−286642号公報 特開平10−195365号公報 特開平10−204368号公報 特開昭61−012773号公報 特開2001−089691号公報
本発明の目的は、これら従来の油性ボールペンインキの欠点を改良することである。すなわち、長期間の保管によっても、先漏れが発生せず、かつ滑らかで軽い筆記感を得ることのできる油性ボールペンインキを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、シリカ微粒子を極性有機溶媒に安定的に分散させる際に、シリカ表面と相互作用する基と極性有機溶媒に対して親和性を有する基とを有するシリカ補強剤を配合することにより、炭素含有率が特定の範囲内にあるシリカに対して、先漏れの抑制をより安定的、効果的に発現させ得ることを見出した。
シリカ補強剤が、シリカ表面と相互作用する基と、極性有機溶媒に対して親和性を有する基とを有することで、シリカに対する吸着性と溶媒に対する分散性が発現するだけでなく、溶媒に対して親和性を有する基同士が水素結合して構造粘性を示すことにより、シリカの凝集を防止し、分散安定性を向上させることができる。そして、安定した分散状態が維持されることにより、シリカ微粒子と溶媒を固液分散させたときよりも、先漏れの抑制をより安定的、効果的に発現させることが可能なことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、少なくとも着色剤、極性有機溶媒、シリカおよび該シリカの補強剤を含有する油性ボールペン用インキ組成物であって、前記シリカの炭素含有率が1.5質量%以下(0を含む)であり、前記シリカの補強剤が、前記シリカの表面と相互作用する基と極性有機溶媒に対して親和性を有する基とを有していることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物を提供する。
本発明によれば、長期間の保管によっても、先漏れが発生せず、かつ滑らかで軽い筆記感を得ることができる油性ボールペン用インキ組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物は、少なくとも着色剤、極性有機溶媒、シリカおよび該シリカの補強剤を含有する油性ボールペン用インキ組成物であって、前記シリカの炭素含有率が1.5質量%以下(0を含む)であり、前記シリカの補強剤(以下、補強剤という。)が該シリカ表面と相互作用する基と極性有機溶媒に対して親和性を有する基とを有している。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物に用いるシリカは、炭素含有率が1.5質量%以下(0を含む)のものである。シリカとしては、親水性シリカ、疎水化処理された疎水性シリカが該当する。シリカの炭素含有率が1.5質量%を超える場合は、シリカの粒子径にもよるが、シリカの表面が疎水性基で修飾される。そのため、シリカ表面のシラノール基が減少し、シリカに対する補強剤の吸着力が低下し、シリカの凝集防止効果が発揮され難くなることにより、先漏れ防止効果が不十分となるものと推察される。
なお、炭素含有率は、検体となるシリカを酸素雰囲気中800℃以上(検体によって異なるため、望ましくは800〜1,000℃)で加熱して表面疎水基が含有する炭素をCOに転じ、微量炭素分析装置により検体表面に存在する炭素含有量を算出することにより求められる値である。
シリカは、一次平均粒子径が7〜20nmの微粒子状のものが好ましい。一次平均粒子径が7nm以上であれば、粒子の凝集によるインキの粘度上昇を抑制する効果が高く、また、20nm以下であれば、ペン先での目詰まりや書き始めの筆記描線のカスレ発生を抑制する効果が高い。このような一次平均粒子径を有するシリカにおいては、炭素含有率が1.5質量%以下であれば、補強剤による効果が顕著になる。なお、一次平均粒子径は透過型電子顕微鏡(TEM)などによる画像解析法などで測定可能である。また、シリカの比表面積は、90〜380m/gの範囲が好ましい。
親水性シリカは、通常、表面処理が施されていない。表面のシラノール基が多いため、補強剤が有している官能基(アミノ基)との相互作用により、補強剤の吸着力が高くなり、極性有機溶媒中でのシリカの分散安定性が向上することにより、先漏れ防止効果が発揮される。親水性シリカ微粒子の市販品としては、例えば、日本アエロジル株式会社製 アエロジル#200、#300等が挙げられる。
一方、疎水性シリカは、補強剤との吸着力は親水性シリカより劣る。しかし、補強剤が吸着することによって、アミノ基の水分捕捉作用によりシリカ自身が吸湿することを防止し、吸湿による水分の混入に対してシリカが溶媒和されて凝集することを防止できることにより、顕著な先漏れ抑制効果が発揮される。疎水性シリカの表面を処理する疎水性化合物としては、シリコーンオイル、シランカップリング剤等が挙げられ、具体的には、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、アミノアルキルシリル基、アルキルシリル基、メタクリルシリル基等が挙げられる。特に好ましいのは、ジメチルジクロロシランで表面処理した疎水性シリカである。
疎水性シリカ微粒子の市販品としては、例えば、日本アエロジル株式会社製 アエロジルR974、R972、R972CF等が挙げられる。
シリカの含有量は、油性ボールペン用インキ組成物全量に対して0.01〜3.0質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜2.0質量%、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%である。0.01質量%未満では顕著な先漏れ防止効果が得られにくく、3.0質量%を超えるとインキ粘度が高くなったり、粒子が凝集して筆記不能を発生させる要因となったりすることがある。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物に用いる補強剤は、シリカ表面と相互作用する基と、極性有機溶媒に対して親和性を有する基とを有するものであれば良い。かかる補強剤の好ましい例としては、シリカ表面への吸着作用を司るブロックと、極性有機溶媒への相溶性を司るブロックとからなる、ブロックコポリマーが挙げられる。ブロックコポリマーは、シリカに対して親和性を示す部位と極性有機溶媒に対して親和性を示す部位とが、ポリマーの構造上、明確に分かれて存在することとなり、シリカへの吸着性と溶媒への分散性を効果的に発現させることができるだけでなく、溶媒への親和性を有する極性基同士の水素結合による構造粘性により、シリカ同士の凝集を防止して分散安定性を向上させることができる。ブロックコポリマーの中でも、極性有機溶媒との親和性の点より、アクリル系ブロックコポリマーが特に好ましい。
シリカ表面への吸着作用を司るブロックを構成する好ましい官能基は、シリカのシラノール基に対する強い相互作用を示す観点から、アミノ基及び含窒素ヘテロ環から選ばれる少なくとも1種の官能基であり、より好ましい官能基はアミノ基である。また、極性有機溶媒への相溶性を司るブロックを構成する好ましい官能基はヒドロキシル基である。
補強剤は、後記する先漏れ試験において、チップ先端からのインキの漏れ出しが無いこと、及び極性有機溶媒に対して室温で溶解性を有していることの観点から選択される。ブロックコポリマーは、例えば、アミノ基あるいは含窒素ヘテロ環を有するアクリル系モノマーと、ヒドロキシル基を有するアクリル系モノマーとの共重合、ヒドロキシル基を含有するアクリル系ポリマーのアミノ変性によって得られるもの等を使用できる。市販品としては、DISPERBYK2008(ビックケミー・ジャパン社製)等を挙げることができる。
補強剤の含有量は、シリカに対して0.3〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0質量%である。0.3質量%未満では顕著な先漏れ防止効果が得られにくく、5.0質量%を超えるとシリカと吸着しない遊離したブロックコポリマーが存在し、単独で網目構造を作ることで、意図しない粘度増加等が発生することがある。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物に用いる極性有機溶媒としては、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、セロソルブ類などの、後記する着色剤、樹脂、添加剤に対し、油性ボールペン用インキ組成物に求められる溶解能や分散能を発揮する公知の溶剤を使用でき、極性を有する有機溶媒が好ましい。
具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、グリセリン等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、フェニルセロソルブ等のセロソルブ類;等が挙げられる。これらの極性有機溶媒のなかでも、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル,プロピレングリコールモノメチルエーテル等が好ましい。極性有機溶媒は、単独で、または2種以上を組合せて使用できる。
極性有機溶媒の含有量は、インキ粘度、シリカの分散性等を考慮すると、油性ボールペン用インキ組成物全量に対し、30.0〜90.0質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは50.0〜70.0質量%の範囲である。極性有機溶媒は、油性ボールペン用インキとしての基本性能を確保するために必要なものであり、シリカ微粒子、着色剤、樹脂を分散もしくは溶解させることは勿論、適度な筆記線の乾燥性を得るために必要なものである。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物に用いる着色剤としては、通常、筆記具や塗料用インキに使用される公知の染料や顔料を使用することが可能である。着色剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
染料としては、アルコール可溶性染料、油溶性染料、含金染料、塩基性染料、酸性染料、直接染料、及び各種造塩タイプの染料が使用可能である。例えば、ニグロシンベース、スピロンブラックGMHスペシャル、スピロンブルー#111、スピロンバイオレットC−RH、同#510、スピロンレッド#530、同C−GH、同C−BH、スピロンオレンジ#6、同GRH、スピロンイエロー2GH、同C−GH、同#510、同#530、バリファストブラック#1802、同#1805、同#3820、バリファストブルー#1601、バリファストバイオレット#1701、バリファストイエローAUM、同#3104、バリファストレッド#2320、同#1320、オーラミン、ローダミン、メチルバイオレッドベース、ビクトリアブルーベースなどが挙げられる。
顔料としては、無機顔料や有機顔料をそのまま用いることが可能であり、樹脂や界面活性剤などで表面改質した加工顔料や分散トナーを使用することも可能である。例えば、酸化チタン、カーボンブラック、金属粉、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、アンスラキノン顔料、キクナドリン顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。着色剤として顔料を配合する場合は、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂の他、界面活性剤などの分散剤を添加することができる。
着色剤の含有量は、特に制限はなく、着色剤の溶解度や分散力に応じた量或いは所望の色相や濃度に適した量であれば良い。着色剤の好ましい含有量は、インキ全量に対し5〜40質量%である。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物では、ケトン樹脂、ロジン樹脂、スルフォアミド樹脂、マレイン酸樹脂、エステルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラールなどの樹脂を、インキの増粘剤として、単独で用いても良いし、2種以上を混合しても良い。樹脂は、インキの保存安定性の観点より、配合する極性有機溶剤に溶解可能な樹脂であることが好ましい。樹脂の好ましい含有量は、インキ全量に対し0.1〜30.0質量%である。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物には、その他必要に応じて、本発明による効果を阻害しない限度において、界面活性剤、防腐剤、防錆剤、潤滑剤、pH調整剤など、油性ボールペン用インキに使用されている各種添加剤を用いることが可能である。
油性ボールペン用インキ組成物の粘度は、特に限定されるものでないが、軽い筆記感を得るためには25℃において500〜4,000mPa・sの範囲が好ましく、この粘度範囲では上記した作用により、長期保管による先漏れを発生することがない。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物を製造する場合は、従来公知の各種方法を採用できる。例えば、上記の各成分を適度な温度範囲で配合し、ミキサー、ホモジナイザー、ディスパー、ロール等の分散機により撹拌する方法を用いることができる。
本発明のボールペンは、インキ収容管、ボール、チップホルダー、ボールを押圧するためのスプリング、それらを組み付けてインキ収容管と接合させるためのジョイント、ペン軸などから構成され、該インキ収容管に前記した本発明のボールペン用インキ組成物を充填したものであるが、ボールペンの構成はこれに限定されるものではない。インキ収容管はリフィールであっても良い。
以下、本発明を実施例及び比較例によって詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜5)
表1に示す配合組成に従い、油性ボールペン用インキ組成物を調製した。フェニルグリコール、親水性シリカ微粒子もしくは疎水性シリカ微粒子(下記(*S1)〜(*S3))をビーズミルに入れ、20〜25℃、5,000rpmで2時間運転させてシリカの分散体を得た。この時、シリカの粒度分布測定による平均粒子径は0.1μm程度に調整した。その後、上記シリカ分散体に、補強剤として変性アクリル系ブロックコポリマー(DISPERBYK−2008(ビックケミー・ジャパン社、アミン価66mgKOH/g)を添加、溶解させた補強化シリカ分散体を得た。更にベンジルアルコール、染料、ポリビニルピロリドン(BASF社製、ルビテックK90)、ケトン樹脂(エボニック社製、バリプラスSK)、リン酸エステル界面活性剤(東邦化学社製、フォスファノール)を必要量添加し、溶解、混合させて、油性ボールペン用インキを得た。
(実施例6〜7)
表1に示す配合組成に従い、油性ボールペン用インキ組成物を調製した。フェニルグリコール、ベンジルアルコール、カーボンブラック、分散剤としてポリビニルブチラール樹脂をビーズミルに5,000rpmで2時間運転させて、色材分散体を得た。この時、この色材分散体は高濃度で作製した。一方、フェニルグリコール、親水性シリカ微粒子もしくは疎水性シリカ微粒子(下記(*S1)〜(*S2))をビーズミルに入れ、5,000rpmで2時間運転させて、シリカの分散体を得た。更に補強剤として変性アクリル系ブロックコポリマー(DISPERBYK−2008(ビックケミー・ジャパン社、アミン価66mgKOH/g)を添加、溶解させた補強化シリカ分散体を得た。上記の高濃度色材分散体、補強化シリカ分散体、ベンジルアルコール残量、染料、ポリビニルピロリドン(同上)、ケトン樹脂(同上)、リン酸エステル界面活性剤(同上)を必要量添加し、溶解、混合させて油性ボールペン用インキを得た。
(比較例1〜6)
実施例1〜6において、アミン価を有する変性アクリル系ブロックコポリマーの代わりに、フェニルグリコールを用いた以外は、実施例1〜6と同様の方法で油性ボールペン用インキを得た。
(比較例7)
実施例1において、疎水性シリカとして下記(*S4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で油性ボールペン用インキを得た。
実験で使用したシリカの物性値を以下に示す。
(*S1)親水性シリカ;アエロジル#200(日本アエロジル(株))
比表面積(BET法) 約200m/g
一次平均粒子径 12nm
炭素含有率 0%
シラノール基密度(NaOH滴定)0個/nm
(*S2)疎水性シリカ;アエロジルR974(日本アエロジル(株))・・・アエロジル#200のジメチルジクロロシラン表面処理品
比表面積(BET法) 約170m/g
一次平均粒子径 12nm
炭素含有率 1.1%
(*S3)疎水性シリカ;アエロジルR972(日本アエロジル(株))・・・アエロジル#130のジメチルジクロロシラン表面処理品
比表面積(BET法) 約110m/g
一次平均粒子径 16nm
炭素含有率 0.9%
シラノール基密度(NaOH滴定)1.75個/nm
(*S4)疎水性シリカ;アエロジルRX200(日本アエロジル(株))・・・アエロジル#200のトリメチルシリル基表面修飾品
比表面積(BET法) 約140m/g
一次平均粒子径 12nm
炭素含有率 2.5%
シラノール基密度(NaOH滴定)0.09個/nm
実施例及び比較例で得た油性ボールペン用インキの試験方法は以下の通りである。評価結果を表1に示す。
Figure 2016145284
[粘度]油性ボールペン用インキ組成物の粘度は、東機産業株式会社製 TV−22型粘度計を用いて測定した。測定温度:25℃、ローターNo.01、回転速度10rpm。
[書き味試験];JIS P 3201 に規定される筆記用紙Aを用いて、手書きによる官能試験を行い、その時の書き味の重さ、軽さを評価した。
[先漏れ試験];スプリングを内部に挿入したチップを持つノック式のボールペンの形態で、ペン先を下向きとし、40℃80%環境下に2週間静置した後のチップ先端からのインキの漏れ出しが有るか、無いかを評価した。
[保存後の筆記性];油性ボールペン用インキ組成物を50℃、Dry、4週間静置した後に、JIS P 3201 に規定される筆記用紙Aに筆記した際のカスレ発生の有無を評価した。
表1の結果から、親水性及び疎水性のシリカ微粒子と、補強剤を使用した実施例のインキ組成物は、低粘度で筆記感が軽い上に、先漏れがなく、保存後の筆記性に優れていることがわかる。インキ組成物中のシリカ配合量を増やすことにより、低粘度で筆記感が非常に軽くなることが認められた。
一方、炭素含有率が高い比較例7の疎水性シリカ微粒子を配合した場合は、補強剤による効果が発現されなかった。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物を用いることにより、長期間の保管によっても先漏れが発生せず、しかも水性ボールペンのような軽い筆記感を有する油性ボールペンを提供することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも着色剤、極性有機溶媒、シリカおよび該シリカの補強剤を含有する油性ボールペン用インキ組成物であって、
    前記シリカの炭素含有率が1.5質量%以下(0を含む)であり、
    前記シリカの補強剤が、前記シリカの表面と相互作用する基と極性有機溶媒に対して親和性を有する基とを有している
    ことを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物。
  2. 前記シリカが、親水性シリカまたは表面処理シリカである請求項1に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  3. 前記シリカの含有量が、油性ボールペン用インキ組成物全量に対して、0.01〜3.0質量%である請求項1または2に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  4. 前記シリカの補強剤の含有量が、シリカに対して0.3〜5.0質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  5. 25℃における粘度が500〜4,000mPa・sである請求項1〜4のいずれかに記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の油性ボールペン用インキ組成物を充填したインキ収容管を有することを特徴とする油性ボールペン。
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