JP2007231143A - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期経時しても滑らかな軽い書き味を有し、線切れやかすれのない良好な筆跡が得られるボールペン用水性インキ組成物を提供する。
【解決手段】 水と、水溶性有機溶剤と、着色剤と、フタル酸基を有するセルロース誘導体とを少なくとも含み、更にpHを7.5以上に調整したボールペン用水性インキ組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主溶剤として水を使用した、ボールペン用の水性インキ組成物に関するもので、更に詳しくは、長期経時しても滑らかな軽い書き味を有し、線切れやかすれのない良好な筆跡が得られるボールペン用水性インキ組成物に関する。
ボールペン用の水性インキ組成物は、主溶剤である水に、ペン先乾燥を抑制する効果のある水溶性有機溶剤を混合した液体に着色剤である染料や顔料を混合したものである。
そして、ボールペンのペン先は、基本的に、超硬合金などの金属製のボールと、そのボールを先端開口部より一部突出して回転可能な状態で抱持する、真鍮や洋白やステンレスなどの金属製のボールホルダーで構成されているものが知られている。これらの材質で構成されたペン先に水性インキをそのまま用いた場合、ボールとボールホルダーの間に、両者を充分に分離するだけの厚みを持った、インキやインキ成分による潤滑性を付与する皮膜を形成することができないため、ボールとボールホルダーとが直接に接触しあい、ボールの回転に対する摩擦抵抗が大きく、円滑に回転しなくなる場合があり、書き味が重くなったり、インキ吐出が安定せずに線切れやかすれが生じたり、ボール受け座の摩耗が発生して、ボールがボール受け座の底面に設けられているインキ流通溝まで沈み込むことによってインキ流通溝を塞ぎ、インキが吐出せずに筆記不能になる等の問題があった。このような問題を解決するために、インキに各種界面活性剤や、各種脂肪酸及び/またはそれらの誘導体を添加して、ボールとボール受け座の摩擦抵抗を下げることが行われている。例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル(特許文献1参照)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸エステル(特許文献2参照)、不飽和脂肪酸エマルジョン(特許文献3参照)、特定の構造の界面活性剤RO(CHCHO)nSOM(式中Rは炭素数8〜20の飽和または不飽和炭化水素、nは3〜30の整数、Mはアルカリ金属またはアンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミンを示す)(特許文献4参照)等を添加することが知られている。
特開平08−302266号公報 特開昭55−066979号公報 特開平10−060358号公報 特開2000−191973公報
しかしながら、前記した従来のボールペン用水性インキ組成物は、各種界面活性剤や、各種脂肪酸及び/またはそれらの誘導体を添加することにより、ボールとボール受け座との間の潤滑性が向上して軽い書き味で滑らかに筆記できるものの、長期間経時した後には、空気中の酸素や水分の影響でこれらの潤滑性を付与する成分が酸化や分解したり、ボールとボール受け座の表面が腐食することにより潤滑効果が低下して、ボールの回転に対する摩擦抵抗が増し、ボールの回転が阻害されて書き味が重くなり、線切れやかすれ等の不具合やボール受け座の摩耗によるインキ流通溝の障塞が生じてしまう欠点を持っていた。
本発明は、水と、水溶性有機溶剤と、着色剤と、フタル酸基を有するセルロース誘導体とを少なくとも含み、更にpHを7.5以上に調整したボールペン用水性インキ組成物を要旨とするものである。
フタル酸基をもつセルロース誘導体のフタル酸基には極性部分があり、種々の金属と化学的に吸着する性質を持っている。そのため、フタル酸基を有するセルロース誘導体は、金属製のボールやボール室の表面に吸着し、長い分子構造を持つセルロース誘導体の皮膜を形成することができる。この皮膜はボールとボール受け座が直接接触することを防止して、ボールの回転に対する摩擦抵抗を低く抑え、重い書き味やボール受け座の摩耗を防止する働きをもっている。更に、フタル酸基をもつセルロース誘導体は、親水基である未置換水酸基を残しているため、水を主溶剤とする水性インキとの親和性を備えている。これにより、フタル酸基をもつセルロース誘導体が吸着したボールとボール室は水性インキとの濡れが良く、常にインキで濡れた状態が維持されるため、ボールとボール室の隙間に常にインキの層を存在させることができ、インキが途切れることなく安定した吐出が行われるため、軽い書き味で筆記することができ、筆跡の線切れやかすれ、ボール受け座の摩耗を抑制し得るものと推察される。更にフタル酸基をもつセルロース誘導体は、未置換の水酸基による水素結合や、セルロース部分の高分子鎖のからみ合いにより、分子同士が結合構造をつくり易い性質を持っている。そのため、フタル酸基をもつセルロース誘導体同士が強く結びつけられることから強い耐久性を持っており、上記効果を長期間維持することができるものと推察される。
また、フタル酸基をもつセルロース誘導体は、酸性溶液中では溶解し難い性質を持っているため、ボールペン用水性インキ組成物のpHを7.5以上に調整することで、フタル酸基をもつセルロース誘導体の溶解安定性を長期間維持し、良好な経時安定性を実現する
以下、本発明を詳細に説明する。
着色材としては、染料及び/又は顔料が使用できる。
染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料などのいずれも用いることができるが、ボールペンペン先のボールやボールホルダーの素材は、その種類によっては、pHが低いと腐食することがある為、pHが中性からアルカリ性で安定に溶解する直接染料、酸性染料を用いることが好ましい。その一例を挙げる。
直接染料としては、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同71、同86、同106、同199等が挙げられる。
酸性染料としては、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドエロー7:1、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同72、同61、同78、同110、同141、同135、同127、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同103、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27等が挙げられる。
塩基性染料としては、C.I.ベーシックイエロー1、同2、C.I.ベーシックオレンジ14、C.I.ベーシックレッド1、同9、同12、C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同10、同14、C.I.ベーシックブルー1、同5、同7、同9、同26、C.I.ベーシックグリーン1、同4、C.I.ベーシックブラウン1などが挙げられる。
顔料としては、従来公知の顔料が使用でき、具体例としては、Special Black 6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex 150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2、同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、#2400B、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#900、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11、#50、#52、#45、#44、#40、#33、#32、#30、CF9、#20B、#4000B、(以上、三菱化成工業(株)製)、MONARCH 1300、同100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGUL L、REGAL 400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX 8、同12、BLACK PEARLS 2000(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、Raven7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22、同16、同14、同825oil Beads、同H20、同C、Conductex 975、同900、同SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、KA−10、同10P、同15、同20、同30、同35、同60、同80、同90、KR−310、同380、同460、同480(以上、チタン工業(株)製)、P25(日本アエロジル(株)製)などの酸化チタン、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔料、また、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロムなどの無機顔料、ハンザエロー−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、パーマネントレッド4R、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミンBS、ピラゾロンレッド、レーキレッドC、キナクリドンレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサジンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーンなどの有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウムなどの無機蛍光顔料が挙げられる。
本発明に係るボールペン用水性インキ組成物では、着色剤に顔料を用いる場合、分散剤を併用することが好ましい。
更に、顔料を水性媒体に分散した水性インキベースを用いることは、顔料インキ製造上有利なことである。具体的には、Fuji SP Black 8031、同8119、同8167、同8276、同8381、同8406、同8556、同8922、Fuji SP RED 5096、同5111、同5193、同5220、同5543、同5544、Fuji SP Bordeaux 5500、Fuji SP Blue 6062、同6133、同6134、同6401、Fuji SP Green 7051、Fuji SP Yellow 4060、同4178、Fuji SP Violet 9011、Fuji SP Pink 9524、同9527、Fuji SP Orange 534、Fuji SP Brown 3074(以上、冨士色素(株)製)、Emacol Black CN、Emacol Blue FBB、同FB、同KR、Emacol Green LXB、Emacol Violet BL、Emacol Brown 3101、Emacol Carmmine FB、Emacol RED BS、Emacol Orange R、Emacol Yellow FD、同IRN、同3601、同FGN、同GN、同GG、同F5G、同F7G、同10GN、Sandye Super Black K、同C、Sandye Super Grey B、Sandye Super Brown SB、同FRL、同RR、Sandye Super Navy Blue HRL、同GLL、同HB、同FBL−H、同FBL−160、同FBB、Sandye Super Violet BL H/C、同BL、同BL−P、同BLN、同1105、Sandye Super Bordeaux FR、Sandye Super Pink FBL、同F5B、Sandye Super Rubine FR、Sandye Super Carmine FB、Sandye Super Red FFG、同RR、同BS、Sandye Super Orange FL、同R、同BO、Sandye Gold Yellow 5GR、同R、同3R、Sandye Yellow GG、同F3R、同IRC、同FGN、同GN、同GRS、同GSR−130、同GSN−130、同GSN、同10GN(以上、山陽色素(株)製)、Rio Fast Black Fx 8012、同8313、同8169、Rio Fast Red Fx 8209、同8172、Rio Fast Red S Fx 8315、同8316、Rio Fast Blue Fx 8170、Rio Fast Blue Fx 8170、Rio Fast Blue S Fx 8312、Rio Fast Green S Fx 8314(以上、東洋インキ(株)製)、NKW−2101、同2102、同2103、同2104、同2105、同2106、同2107、同2108、同2117、同2127、同2137、同2167、同2101P、同2102P、同2103P、同2104P、同2105P、同2106P、同2107P、同2108P、同2117P、同2127P、同2137P、同2167P、同2102E、同2104E、同2105E、同2107E、同2108E、同2167E、同2105PE、同2108PE、同2117PE、同3002、同3003、同3004、同3005、同3007、同3077、同3008、同3402、同3404、同3405、同3407、同3408、同3477、同3602、同3603、同3604、同3605、同3607、同3677、同3608、同3702、同3703、同3704、同3705、同3777、同3708、同6013、同6038、同6559、同75、同75E(以上、日本蛍光(株)製)、コスモカラーS 1000Fシリーズ(東洋ソーダ(株)製)、ビクトリアエロー G−11、同G−20、ビクトリアオレンジ G−16、同G−21、ビクトリアレッド G−19、同G−22、ビクトリアピンク G−17、同G−23、ビクトリアグリーン G−18、同G−24、ビクトリアブルー G−15、同G−25(以上、御国色素(株)製)、ポルックスブルー PC5T−1020、ポルックスブラック PC8T−135、ポルックスレッド IT−1030、ポルックスグリーンPC−4T1021等のポルックスシリーズ(以上、住化カラー(株)製)などが挙げられる。
上記の染料及び顔料といった着色剤は、単独或いは、他との組み合わせにより使用でき、その使用量は色調などによっても異なるが、少ない場合はインキの発色が悪くなり、多い場合は着色剤が溶解不良や分散不足となり各種不具合が発生するため、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して0.1重量%以上40重量%以下が好ましい。
本発明のボールペン用水性インキ組成物には分散剤として、従来一般に用いられている高分子分散剤や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤などで一般に顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。一例として、高分子分散剤として、スチレン−アクリル酸共重合体の塩、スチレン−アクリル酸アルキルエステルを主成分とした共重合体の塩、スチレン−マレイン酸共重合体の塩、スチレン−マレイン酸アルキルエステルを主成分とした共重合体の塩などの水溶性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。これら水溶性高分子及び界面活性剤は、その1種または2種以上を選択し、併用しても使用できる。その使用量は、少ない場合は添加する目的である分散効果が弱く、多い場合はボールペン用水性インキ組成物中の各組成物の溶解バランスを崩してしまい各種不具合が発生する懸念があるため、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して0.1重量%以上15重量%以下が好ましい。
溶剤又は分散媒として主要剤である水の他に各種の水溶性有機溶剤を使用する。水溶性有機溶剤は、水性インキとしての種々の品質、例えば、ペン先でのインキ乾燥防止、低温時でのインキ凍結防止、顔料の分散媒等の目的で使用するものである。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、テトラリン、グリセリンなどのグリコール類やエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のエーテル類、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンなどが使用でき、またこれらは1種又は2種以上選択して併用できるものである。そして、その使用量は、少ない場合はボールペン用水性インキ組成物中の各組成物の溶解不足や分散不足により不溶・凝集物が発生し、多い場合はボールペン用水性インキ組成物中の各組成物の濃度が小さくなってその効果が小さくなり、各種不具合が発生するため、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して5重量%以上40重量%以下が好ましい。
本発明のボールペン用水性インキ組成物に使用するフタル酸基を有するセルロース誘導体は、金属製のボールとボール室に吸着して保護膜を生成させ、長期間放置しても筆記時のボールの回転に対する摩擦抵抗を緩和する働きをさせる目的で添加するものであるが、添加量によりインキ粘度を調整したり、定着性向上としても作用するものである。具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルヒドロキシエチルセルロースフタレート、メチルセルロースフタレート、セルロースプロピオネートフタレート、セルロースベンゾエートフタレート、セルロースアセテートフタレート、ポリオキシエチルセルロースフタレートなどが挙げられる。その中でも特にヒフドロキシプロピルメチルセルロースフタレートがより好適であり、具体的には、HPMCP HP−50、同HP−55、同HP−55S(以上、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。その使用量は0.5〜10重量%が好ましく、量が少ないと目的の効果が得られず、量が多すぎるとインキ粘度が高くなりすぎてしまい、ボールペンとしての滑らかな書き味が損なわれてしまったり、溶解安定性が悪くなって経時で析出物を生じてしまい、かすれや筆記不能の原因となる。
本発明のボールペン用水性インキ組成物は、フタル酸基を有するセルロース誘導体の溶解安定性を長期間維持ためにpHを7.5以上に調整する必要がある。インキ組成物のpHを調整するためには、主溶剤である水に溶解し、アルカリ性を示す種々の物質が使用できる。具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどの水酸化アルカリ類の他、炭酸ナトリウム、アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオールなどが使用でき、またこれらは1種又は2種以上選択して併用できる。
また、本発明のボールペン用水性インキ組成物には粘度調整のためや顔料などの分散安定化等のために、所望により本発明の作用効果に対して悪影響を及ぼさない範囲で増粘性の水溶性高分子を併用することもできる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルモノマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂のアルカリ金属塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体、天然系のアラビアガム、トラガカントガム、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、デキストラン、半合成系のメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、及びこれらの誘導体などが挙げられる。これら増粘性の水溶性高分子を加える場合は、少ない場合は増粘効果が得られず、多い場合はゲル化や顔料などの凝集等の問題を生じるため、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して0.05重量%以上5.0重量%以下が好ましい。
また、黴の発生によるインキ通路におけるインキの流出阻害を抑制するためにデヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸エステル、安息香酸ナトリウムなどの防腐防黴剤を所望により本発明の作用効果に対して悪影響を及ぼさない範囲で加えることもできる。これら防腐防黴剤を加える場合は、少ない場合は防腐防黴効果が不足し、多い場合は結晶の析出・溶解不良等の不具合が生じるため、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して0.01重量%以上5重量%以下が好ましい。
更に、ペン先等の金属の腐食防止のためにベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸などの防錆剤等の各種添加剤を使用することができる。
本発明のボールペン用水性インキ組成物を製造するには、従来より知られている種々の方法を適用することできる。例えば、着色剤に染料を用いた場合には各種成分を配合したのち、攪拌機で攪拌して混合溶解することにより、また、着色剤として顔料を用いた場合には各種成分を配合してニーダー、ロールミル、サンドミル等の分散機により分散混練することにより容易に得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
UNISPERSE Black C−S(着色剤、黒色顔料分散液、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 18.0重量部
エチレングリコール(水溶性有機溶剤) 12.0重量部
プロピレングリコール(保湿溶剤、水溶性有機溶剤) 6.0重量部
エマルゲン707(界面活性剤、花王(株)製) 0.02重量部
HPMCP HP55(フタレート基を有するセルロース誘導体、(信越化学工業(株)製) 1.0重量部
プリベントールD7(防腐剤、バイエル(株)製) 0.15重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.2重量部
25重量%水酸化ナトリウム水溶液(pH調整剤) 0.7重量部
イオン交換水 61.93重量部
上記各成分のうち、エチレングリコールとプロピレングリコールとイオン交換水とベンゾトリアゾールとHPMCP HP55を混合し、25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、攪拌機で4時間攪拌した後、残りの各成分を加えて、更に2時間攪拌を行った後、480メッシュのナイロンメッシュを通過させて粗大粒子を除去し、pHが8.8のボールペン用水性黒色顔料インキ組成物を得た。
(実施例2)
C.I.Acid RED 92(着色剤、赤色染料) 3.5重量部
C.I.Acid RED 87(着色剤、赤色染料) 2.0重量部
エチレングリコール(水溶性有機溶剤) 11.0重量部
ジプロピレングリコール(水溶性有機溶剤) 11.0重量部
HPMCP HP50(フタレート基を有するセルロース誘導体、(信越化学工業(株)製) 4.0重量部
バイオタック(防腐剤、ケイ・アイ化成(株)製) 0.2重量部
ベンゾトリアゾール(前述) 0.15重量部
イオン交換水 68.15重量部
上記各成分を混合し、攪拌機で2時間攪拌した後、モノエタノールアミン(pH調整剤)を加えて、pHを8.5になるように調整し、更に4時間攪拌した後、480メッシュのナイロンメッシュを通過させて不溶解物を除去し、pHが8.5のボールペン用水性赤色染料インキ組成物を得た。
(実施例3)
Sandye super Blue GLL(着色剤、青色顔料分散液、山陽色素(株)製) 10.0重量部
Fuji SP Violet 9586(着色剤、紫色顔料分散液、冨士色素(株)製)
3.0重量部
エチレングリコール(前述) 12.0重量部
ジプロピレングリコール(前述) 9.0重量部
HPMCP HP55(前述) 1.5重量部
PVP−K90(粘度調整剤、ポリビニルピロリドン、ISPジャパン(株)製
0.15重量部
サンバックP−100(防腐剤、三愛石油(株)製) 0.05重量部
ベンゾトリアゾール(前述) 0.4重量部
25重量%水酸化ナトリウム(前述) 0.7重量部
イオン交換水 63.2重量部
上記各成分のうち、エチレングリコールとジプロピレングリコールとイオン交換水とベンゾトリアゾールとHPMCP HP55を混合し、25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、攪拌機で4時間攪拌した後、残りの各成分を加えて、更に2時間攪拌を行った後、480メッシュのナイロンメッシュを通過させて粗大粒子を除去し、pHが9.2のボールペン用水性青色顔料インキ組成物を得た。
(実施例4)
MICROJET Black M−800(着色剤、黒色顔料分散液、オリエント化学工業(株)製) 28.0重量部
プロピレングリコール(前述) 9.0重量部
エチレングリコール(前述) 7.0重量部
JAGUAR HP−120(増粘剤、変性グァーガム、三晶(株))0.6重量部
HPMCP HP55(前述) 8.0重量部
ノナール205(界面活性剤、東邦化学工業(株)製) 0.01重量部
バイオクリーンP−1487(防腐剤、ケイ・アイ化成(株)製) 0.2重量部
ベンゾトリアゾール(前述) 0.1重量部
トリエタノールアミン(前述) 1.2重量部
水 45.89重量部
上記各成分のうち、エチレングリコールとプロピレングリコールとイオン交換水とベンゾトリアゾールとHPMCP HP55を混合し、トリエタノールアミンを加えてから、攪拌機で4時間攪拌した後、残りの各成分を加えて、更に2時間攪拌を行った後、480メッシュのナイロンメッシュを通過させて粗大粒子を除去し、pHが7.9のボールペン用水性黒色顔料インキ組成物を得た。
(実施例5)
C.I.Acid BLUE 9(着色剤、青色染料) 5.7重量部
エチレングリコール(前述) 18.0重量部
グリセリン(前述) 4.0重量部
ケルザン(増粘剤、三晶(株)) 0.38重量部
HPMCP HP55S(フタレート基を有するセルロース誘導体、信越化学工業(株))
6.0重量部
バイオタック(前述) 0.1重量部
ベンゾトリアゾール(前述) 0.15重量部
25重量%水酸化ナトリウム水溶液 0.8重量部
イオン交換水 64.82重量部
上記各成分を混合し、攪拌機で5時間攪拌した後、480メッシュのナイロンメッシュを通過させて不溶解物を除去して、pHが8.2のボールペン用水性青色染料インキ組成物を得た。
(実施例6)
NKW−2102E(着色剤、蛍光黄緑色顔料分散液、日本蛍光化学(株)製)
38.0重量部
ジプロピレングリコール(前述) 10.0重量部
エチレングリコール(前述) 6.5重量部
ケルザン(前述) 0.48重量部
HPMCP HP55(前述) 0.7重量部
サンバックP−100(前述) 0.2重量部
ベンゾトリアゾール(前述) 0.15重量部
トリエタノールアミン(前述) 0.5重量部
イオン交換水 43.47重量部
上記各成分のうち、ジプロピレングリコールとエチレングリコールとイオン交換水とベンゾトリアゾールとHPMCP HP55を混合し、トリエタノールアミンを加えてから、攪拌機で4時間攪拌した後、残りの各成分を加えて、更に2時間攪拌を行った後、480メッシュのナイロンメッシュを通過させて粗大粒子を除去し、pHが7.7のボールペン用水性蛍光黄緑色顔料インキ組成物を得た。
(実施例7)
カーボンブラック#1000(着色剤、黒色顔料、三菱化学(株)製)
8.5重量部
エチレングリコール(前述) 20.0重量部
ジョンクリル60(分散剤、スチレンアクリル樹脂水溶液、ジョンソンポリマー(株)製)
9.0重量部
デモールEP(分散助剤、界面活性剤、花王(株)製 0.4重量部
HPMCP HP50(前述) 3.0重量部
JAGUAR HP−120(前述) 0.55重量部
バイオタック(前述) 0.25重量部
ベンゾトリアゾール(前述) 0.2重量部
25重量%水酸化ナトリウム水溶液(前述) 0.6重量部
イオン交換水 57.5重量部
上記各成分のうち、カーボンブラック#1000とエチレングリコールとイオン交換水とジョンクリル60と、デモールEPと、ベンゾトリアゾールを混合し、攪拌機で3時間攪拌してから、サンドミルで5時間分散して、黒色顔料分散液とした。その黒色顔料液に、残りの各成分を加えてから攪拌機で5時間攪拌を行った後、480メッシュのナイロンメッシュを通過させて粗大粒子を除去して、pHが8.1のボールペン用水性黒色顔料インキ組成物を得た。
(比較例1)
実施例1において、HPMCP HP55の全量を、水に置き換えた以外は、実施例1と同様になしてボールペン用水性黒色顔料インキ組成物を得た。
(比較例2)
実施例1において、HPMCP HP55の全量を、アルスコープ N−3T(界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンの35.5重量%水溶液、東邦化学工業(株)製)に置き換えた以外は、実施例1と同様になしてボールペン用水性黒色顔料インキ組成物を得た。
(比較例3)
実施例2において、HPMCP HP50の全量を、水に置き換えた以外は、実施例2と同様になしてボールペン用水性赤色染料インキ組成物を得た。
(比較例4)
実施例3において、HPMCP HP55の全量(1.5重量部)とイオン交換水の6.0重量部を、20重量%のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸水溶液(DNPP−4(界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、日光ケミカルズ(株)製)20重量部を60重量部のイオン交換水に混合し、攪拌しながら、25重量%水酸化ナトリウム水溶液を、DNPP−4が溶解するまで加えた後、イオン交換水を加えて計100重量部とした水溶液)7.5重量部に置き換えた以外は、実施例3と同様になしてボールペン用水性青色顔料インキ組成物を得た。
(比較例5)
実施例4において、HPMCP HP55の全量を、BL−9EX(界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、日光ケミカルズ(株)製)に置き換えた以外は、実施例4と同様になして、ボールペン用水性黒色顔料インキ組成物を得た。
(比較例6)
実施例5において、HPMCP HP55の全量を、メトローズ 65SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)に置き換えた以外は、実施例5と同様になして、ボールペン用水性青色染料インキ組成物を得た。
(比較例7)
実施例6において、トリエタノールアミンの全量を、水に置き換えた以外は、実施例6と同様になしてpHが6.0のボールペン用水性蛍光黄緑色顔料インキ組成物を得た。
(比較例8)
実施例7において、HPMCP HP50の全量を、水に置き換えた以外は、実施例7と同様になしてボールペン用水性黒色顔料インキ組成物を得た。
(比較例9)
実施例7において、HPMCP HP50の全量を、10重量%リノール酸分散液(リノール酸10.0重量部を、ノニオンOT−221(乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、日本油脂(株)製)1.5重量部と水88.5重量部の混合液に加えて分散した分散液)に置き換えた以外は、実施例7と同様になして、ボールペン用水性黒色顔料インキを得た。
実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例4に記載のボールペン用水性インキ組成物を、市販のボールペン(マイクロボールMR205、ぺんてる(株)製)に充填した。マイクロボールMR205は、インキ吸蔵体を収納したボールペン軸の先端に、タングステンカーバイド合金であるいわゆる超硬製ボール(ボール径φ0.5mm)と、このボールを先端開口部より一部突出して回転自在に抱持する洋白製のボールホルダーとより構成されたボールペンペン先を備えたペン先ホルダーが装着された構造のキャップ式ボールペンである。ボールペン軸内に収納されるインキ吸蔵体は、合成樹脂繊維の束を合成樹脂フィルムで棒状に巻いたもので、一般に中綿と呼称されるものである。この中綿の長手方向のペン先側端面には、合成樹脂繊維に液状の樹脂を含浸させて繊維同士を焼結させたインキ誘導芯が挿入されており、そのインキ誘導芯のもう一方の端はペン先後端に挿入されている。インキ吸蔵体に充填されたボールペン用水性インキ組成物は、インキ誘導芯を通ってペン先まで供給され、ボールの回転にともない、ペン先から吐出する構造である。
このボールペンのインキ吸蔵体にそれぞれ実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例4に記載のボールペン用水性インキ組成物を1.6g充填して20分間放置した後、ペン先先端部に、その一端に注射筒を挿入したゴム管を取り付ける。注射筒のピストンを引いてペン先部を負圧にしてインキ誘導体まで浸透してきたインキを吸出してペン先内部に存在する気体を除去して、それぞれ実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例4のボールペン試料とした。
また、実施例4〜実施例6及び比較例5〜比較例9に記載のボールペン用水性インキ組成物を、市販のボールペン(ハイブリッド テクニカノックKN125、ぺんてる(株)製)にそれぞれ充填した。ハイブリッド テクニカノックKN125は、半透明な合成樹脂製のパイプをインキ収納筒とし、その先端にタングステンカーバイド合金であるいわゆる超硬製ボール(ボール径φ0.5mm)とそれを保持するステンレス製のボールホルダーとより構成されたボールペンペン先を備えたペン先ホルダーが装着された構造のボールペンリフィルを用いたノック式ボールペンである。インキ収納筒の内部には、ペン先側に水性インキが、後端側にインキ追従体組成物が互いに接触して直接充填されるものである。
このボールペンのインキ収納筒にそれぞれ実施例4〜実施例6及び比較例5〜比較例9に記載のインキを0.85g充填し、更にインキの上部にインキ追従体組成物各々を0.1g充填した後、ペン先の方向に遠心力が働くように配置して、遠心分離機(国産遠心器(株)製:卓上遠心機H−103N)で遠心処理を施し、筆記具内に存在する気体を除去して、実施例4〜実施例6及び比較例5〜比較例9のボールペン試料とした。
これら実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例9のボールペン試料で書き味試験、筆記抵抗値試験、かすれ試験、ボール受け座摩耗試験を行った。これら試験をボールペン試料の組み立て直後(初期)と、温度50℃、湿度80%の条件下で2ヶ月経時した後(経時後)に行った結果を表1に示す。書き味試験、筆記抵抗値試験、かすれ試験に関しては、組み立て直後(初期)の試験を行ったボールペン試料を2ヶ月経時させて、経時後の試験も行った。ボール受け座摩耗試験に関しては各実施例、比較例のボールペン試料を予め2本ずつ用意し、一方のボールペン試料で組み立て直後(初期)の試験を行い、もう一方のボールペン試料で2ヶ月経時した後(経時後)の試験を行った。
Figure 2007231143
書き味試験
筆記用紙(旧JIS P3201に規定する筆記用紙A;化学パルプ100%を原料に抄造された上質紙、坪量範囲40〜157(g/m)、白色度75.0%以上)に手書きで直径20mmの丸を螺旋状に10個連続筆記したときの書き味の軽さの評価を官能で行った。評価の基準は、各実施例、比較例のボールペン試料のなかで最も書き味の軽いと感じたレベルを5とし、インキを充填しないで組み立てたペンで筆記した最も書き味の重いと感じたレベルを1として判定し、5段階のレベル評価を行った。書き味のレベル評価は、無作為に抽出した49人のモニターに評価してもらい、その平均値を求めた。
筆記抵抗値試験
自動筆記抵抗測定機(SEIKI KOGYO LAB製)にて、筆記荷重 100gf、筆記角度 70°、筆記速度 7cm/sの条件にて筆記用紙(旧JIS P3201に規定する筆記用紙A;化学パルプ100%を原料に抄造された上質紙、坪量範囲40〜157(g/m)、白色度75.0%以上)に直線を連続筆記したときの筆記抵抗値を40秒間測定した値を平均化して、各実施例、比較例のボールペン試料の筆記抵抗値とした。筆記抵抗値が小さくなるほど、軽い筆記感となる。
かすれ試験
上記の筆記抵抗値試験で得られた筆跡を目視で観察し、線切れやかすれなどの筆跡の異常の有無を確認した。かすれの生じた筆跡については、かすれの長さを定規で測定した。
ボール受け座摩耗試験
螺旋式筆記試験機(SEIKI KOGYO LAB製)にて、筆記荷重 150gf、筆記角度 70°、筆記速度 7cm/sの条件にて筆記用紙(旧JIS P3201に規定する筆記用紙A;化学パルプ100%を原料に抄造された上質紙、坪量範囲40〜157(g/m)、白色度75.0%以上)に螺旋状筆記線を600m連続筆記したとき、試験前のボール露出量(ボールペンをペン先方向を上向きに立て、ボールペンの軸方向に対し垂直方向から観察したときの、ボールホルダーのペン先側上端面からボール頂点までの長手方向の長さ)から、試験後のボール露出量を除してボール沈み量を求め、ボール受け座の摩耗量とした。

Claims (2)

  1. 水と、水溶性有機溶剤と、着色剤と、フタル酸基を有するセルロース誘導体とを少なくとも含み、更にpHを7.5以上に調整したボールペン用水性インキ組成物。
  2. 前記フタル酸基を有するセルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートである請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
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