JP4552761B2 - ボールペン - Google Patents

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Description

本発明は、直径が0.29mm以下のボールを備えるボールペンに関し、インキ漏れを防止し、カスレなく筆記することができるボールペンに関するものである。
ボールペンは、比較的細い筆跡が得られると共に、繊維製ペン先や樹脂製ペン先を有する筆記具と異なり、長期間使用してもペン先の潰れなどによる筆跡巾の変化が少ないことから、多く使用されている。このようなボ−ルペンに使用される水性インキで、低粘度のものは、そのままでは流動しやすいためにインキ漏れとなるので、インキ吸蔵体として繊維集束体を用いて水性インキを保持している。高粘度にすることによってインキ吸蔵体を使用しなくてもインキ漏れしないものとすることができるが、筆記のためのインキ吐出がし難いものとなるので、剪断減粘性を付与する物質を添加して、筆記部材としてのボールの回転による剪断力にて一時的に粘度を下げて水性インキを流動させて吐出するものが知られている(特許文献1参照)。
特開昭59−074175号公報
しかしながら、水性インキに剪断減粘性を付与する物質を添加したものでも、非筆記時の粘度の設定によってはインキ漏れを抑制できず、水性インキが漏れない程度の高粘度とすると、筆記した際にボール周辺の水性インキは流動するが、インキタンク内の水性インキは流動し難く追従していかないので、結局はインキ吐出が阻害され、筆記線が不連続となるカスレを生じることがあった。
本発明は、筆記部材として直径が0.25mmのボールを有し、筆記時にボールとボール受け座に働く力により押しつぶされて、アスペクト比が1.3以上2.0以下である樹脂エマルジョンを含有し、剪断速度1.92s −1 の粘度(25℃)が400mPa・s以上4000mPa・s以下、剪断速度383s −1 の粘度(25℃)が20mPa・s以上200mPa・s以下である水性インキを備えるボールペンを要旨とする。

本発明のボールペンは、ボールの直径が0.29mm以下のボールペンチップを用いて筆記すると、ボールとボール受け座に働く力により、ボールホルダー内に存在する樹脂エマルション粒子が押しつぶされて、本来球形状である樹脂エマルション粒子が扁平状に変形する。変形した樹脂エマルションがボールペンチップ先端のインキ吐出口(所謂、小口)付近で、ごく弱い目詰まりを起こし、変形した樹脂エマルション粒子の立体障害により、非筆記時に水性インキがインキ吐出口から漏れ出すことを防止できるものと推測される。
尚、筆記時にはボールの回転によって、インキ吐出口に堆積した樹脂エマルション粒子のごく弱い目詰まりが容易に破壊されスムーズに水性インキが吐出するため、カスレのない連続的な筆記線が得られる。
本発明に使用する樹脂エマルション粒子は、重合した高分子等の樹脂が、その樹脂を溶解しない溶媒に分散されている粒子である。樹脂エマルション粒子に用いられる樹脂としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル・アクリル共重合体樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物、ポリメタクリル酸メチル系架橋物、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物等が挙げられる。樹脂エマルション粒子は無色のままでも、着色しても、またはこれらを混合して用いても良い。また、着色樹脂エマルション粒子を用いると着色剤(たとえば染料)の選択やその使用量の選択の自由度が高く、簡便に多様な発色を持たせることができる。したがって、多量の情報を区別するために従来使用されている黒、赤、青、緑だけでなく、オレンジ、ピンク、黄、スカイブルー、紫というような多種多様なインキ色の要求に対応できる。樹脂エマルション粒子を着色する方法として、樹脂エマルション粒子に染料や顔料を含有させたもの、各種エチレン性不飽和単量体を乳化重合させた後に染料や顔料で着色したものや反応と同時に染料や顔料を混合させて着色したものが挙げられる。着色した樹脂エマルション粒子の具体例としては、ルミコールNKW−75、同75E、ルミコールNKW−2101、同2102、同2103、同2104、同2105、同2106、同2107、同2108、同2109、同2117、同2127、同2137、同2167、同2101P、同2102P、同2103P、同2104P、同2105P、同2106P、同2107P、同2108P、同2117P、同2127P、同2137P、同2167P、同2101E、同2102E、同2103E、同2104E、同2105E、同2106E、同2107E、同2108E、同2109E、同2117E、同2127E、同2137E、同2167E、同C2102E、同C2103E、同C2104E、同C2105E、同C2117E、同C2147E、同C2167E、同C2108E、ルミコールNKW−3002、同3003、同3004、同3005、同3007、同3077、同3008、同3202E、同3203E、同3204E、同3205E、同3207E、同3277E、同3208E、同3402、同3404、同3405、同3407、同3408、同3477、同3602、同3603、同3604、同3605、同3607、同3677、同3608、同3702、同3703、同3704、同3705、同3777、同3708、同3902E、同3903E、同3904E、同3905E、同3907E、同3977E、同3908E、ルミコールNKW−6013E、同6038E、同6008E、同6002E、同6004E、同6005E、同6007E、同6047E、同6077E、ルミコールNKW−6202E、同6203E、同6253E、同6204E、同6205E、同6207E、同6217E、同6277E、同6258E、同6200E、6202E−P、同6203E−P、同6253E−P、同6204E−P、同6205E−P、同6207E−P、同6217E−P、同6277E−P、同6258E−P、同6200E−P(以上、日本蛍光(株)製)、シンロイヒ カラーベースSW−11、同SW−12、同SW−13、同SW−14、同SW−15、同SW−16、同SW−17、同SW−27、同SW−47、同SW−18、同SW−07、同SP−13、同SP−14、同SP−15、同SP−16、同SP−17、同SP−27、同SP−37、同SP−47、同SG−501、同SG−502、同SG−503、同SG−504同SG−505、同SG−506、同SG−517、同SG−547、同SG−557、ELX−5151、同5152、同5153、同5154、同5155、同5156(以上シンロイヒ(株)製)、VictoriaYellow G−11、同G−20、同G−30、同R−45、同R−45F、同R−55、同R−70、Victoria Orenge G−16、同G−21、同G−21、同R−46、同R−46F、同R−56、同R−71、VictoriaRed G−19、同G−22、同G−22、同G−32、同R−47、同R−47F、同R−57、同R−72、Victoria Pink G−17、同G−23、同G−33、同R−48、同R−48F、同R−58、同R−58、同R−73、VictoriaGreen G−18、同G−24、同G−34、同R−49、同R−49F、同R−59、同R−74、Victoria Blue G−15、同G−25、同G−35、同R−50、同R−50F、同R−60、同R−75(以上、御国色素(株)製)、コスモカラ−S 1000Fシリ−ズ(東洋ソ−ダ(株)製)、ローペイクHP−91(ロームアンドハースジャパン(株)製)、SX863(A)、SX864(B)、SX865(B)、SX863(P)(以上、JSR(株)製)、エポカラーMAシリーズ、エポカラーFPシリーズ、エポスターシリーズ、同MAシリーズ、同MXシリーズ、同GPシリーズ(以上、(株)日本触媒製)等が挙げられる。また、その使用量は、水性インキ全量に対して、10.0重量%以上60.0重量%以下が好ましい。使用量が少ないと筆記線が不明瞭であるし、また使用量が多くなると経時的に沈降したり、ペン先で乾燥して筆記できなくなる。
また、筆跡をより鮮明にするために着色剤として従来公知の顔料や染料を併用することができる。顔料の具体例として、ファーネストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等の無機顔料、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、真鍮粉、錫粉等の金属粉顔料、雲母系顔料、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194同206、同207、同209、同216、同245、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36等の有機顔料等が挙げられる。また、染料としては、従来公知の酸性染料、塩基性染料、直接染料といった水溶性染料を使用することができる。酸性染料としては、C.I.Acid Black 1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.Acid Yellow 1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.Acid Red 8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.Acid Violet 15、同17、同49、C.I.Acid Blue 1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.Acid Green 3、同9、同16、同25、同27、C.I.Acid Orange 56、塩基性染料としては、C.I.Basic Yellow 11、C.I.Basic Orange 21、C.I.Basic Red 1、同 13、C.I.Basic Violet 3C.I.Basic Blue 1、同 7、C.I.Basic Green 1、C.I.Basic Black 2、同 8、直接染料としては、C.I.Direct Black 17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.Direct Yellow 4、同26、同44、同50、C.I.Direct Red 1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.Direct Blue 1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199等が挙げられる。また、C.I.フードイエロー3等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)も使用できる。これらは、1種もしくは2種以上混合して用いることができる。
樹脂エマルション粒子と併用する着色剤として、顔料を水性媒体に分散した分散顔料の水性インキ組成物ベースを用いることもできる。具体的には、チバスペシャリティケミカルズ(株)製のunisperseシリーズ、クラリアントジャパン(株)製のHostfineシリーズ、大日本インキ化学工業(株)製のDisperseシリーズ、Ryudyeシリーズ、富士色素(株)製のFuji SPシリーズ、山陽色素(株)製のEmacolシリーズ、Sandyeシリーズ、オリエント化学工業(株)製のMicroPigmoシリーズ、MicroJetシリーズ、東洋インキ(株)製のRio Fastシリーズ、EM Colorシリーズ、EMF Colorシリーズ、住化カラー(株)製のPoluxシリーズ、(以上、無機、有機顔料の分散体)等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。
本発明のボールペンは、水性インキに潤滑剤を含有させることにより、筆記時のボールの回転によって、インキ吐出口に堆積した樹脂エマルション粒子のごく弱い目詰まりが容易に破壊されやすくすることができる。潤滑剤としては、非イオン性界面活性剤及び/又は陰イオン性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例として、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ボリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリン・アルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド等、陰イオン性界面活性剤の具体例としてアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸またはその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩等が挙げられる。そして、その使用量は、水性インキ全量に対して、0.05重量%以上10.00重量%以下が好ましい。使用量が少ないと可塑剤として十分な効果が得られないし、また使用量が多くなると筆跡が滲んだりする。
本発明のボールペンは、水性インキの剪断速度1.92s−1の粘度(25℃)が400mPa・s以上4000mPa・s以下、剪断速度383s−1の粘度(25℃)が20mPa・s以上200mPa・s以下とすることにより、非筆記時には水性インキは高粘度でペン先からの水性インキの漏れを防止し、筆記時のボールの回転によって一時的に粘度下げ、インキ吐出口に堆積した樹脂エマルション粒子を流動しやすくすることができる。剪断速度1.92s−1の粘度(25℃)が400mPa・s未満であると静置状態で水性インキが漏れ出し、4000mPa・sより大きいとインキタンク内の水性インキは流動し難く追従していかないので、ペン先部からの水性インキの吐出が悪くなるので好ましくない。
また、剪断速度383s−1の粘度(25℃)が20mPa・s未満であると水性インキの吐出量が多く筆跡が滲むし、200mPa・sより大きいと筆記時に水性インキの追従性が減少しカスレが発生するので好ましくない。
水性インキに剪断減粘性を付与し筆記時のボールの回転によってインキ粘度を低下させるための増粘剤としては、従来公知のものが使用できる。増粘剤の具体例としては、天然系のアラビアガム、トラガントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、ウェランガム、ラムザンガム、キサンタンガム、デキストラン、レオザンガム、アルカシーガム、半合成系のメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、合成系のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル酸とメタクリル酸アルキルの共重合体、アクリル樹脂のアルカリ金属塩などが挙げられる。これらは1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。増粘剤の使用量は、水性インキ全量に対して、0.05重量%以上5.00重量%以下、好ましくは0.10重量%以上1.00重量%以下である。0.05重量%未満では、顔料が経時的に沈降する可能性がある。一方、5.00重量%を越えた場合、水性インキの粘度が高くなりすぎるため、ペン先部からの水性インキの吐出量が悪くなる可能性がある。
水性インキとするための液媒体の主溶剤として水を使用できる。更に、水性インキとしての種々の品質、例えば、低温時での水性インキ凍結防止、ペン先での水性インキ乾燥防止等の目的で従来公知の水溶性有機溶剤を使用することが可能である。水溶性有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独或は混合して使用することができる。その使用量は水性インキ全量に対して10.0重量%以上60.0重量%以下が好ましい。
また、ベンゾチアゾリン系、オマジン系などの防腐剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、顔料などを被筆記面に定着させるためにスチレン−アクリル共重合体のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などの水溶性樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合物などの水不溶性樹脂、トリポリ燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸や燐酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどアルカリ金属の水酸化物やアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等のpH調整剤、シリコーン系エマルジョン等の消泡剤等といった種々の添加剤を必要に応じて使用することもできる。
本発明の水性インキを製造するに際しては、従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ヘンシェルミキサー等の撹拌機に水と溶剤と添加剤と増粘剤を入れ撹拌した後、着色剤や残りの成分を入れ、更に混合撹拌することにより容易に得られる。また、着色剤として顔料を併用する場合は、予め顔料をボールミル、ビーズミル、ロールミル等の分散機により分散し分散顔料状となした後、上記と同様に行えば、容易に得られる。
また、最近では撹拌容器に自転と公転をさせる力を加え、混合および脱泡を同時に行うことができる撹拌・脱泡装置が発売されており、これを撹拌装置として使用することもできる。自転・公転式の攪拌・脱泡装置の具体例としては、(株)キーエンス製のHM−500、(株)アイ・エス・ケイ製のSNBシリーズ、(株)EME製のUFOシリーズ、VMXシリーズ、倉敷紡績(株)製のマゼルスターシリーズ、トミタエンジニアリング(株)製のスーパーミキサーTOMIX−100、(株)シンキー製のあわとり練太郎シリーズが挙げられる。
更に、上記操作後に必要に応じてpH調整、濾過、遠心分離、減圧、加圧、加熱、冷却、不活性ガス置換等を単独、あるいは複合して行っても良い。
本発明に使用するボールペンの形態の一例を図1乃至図2に示す。
図1に示したものは、本発明に用いるボールペンチップの一例の要部拡大図である。筆記部材であるボール1は、ステンレス製のボールホルダー2に一部突出しつつ回転自在に抱持されている。このボールホルダー2は水性インキ3の通路としての内孔4を有しており、ボールホルダー2の先端のインキ吐出口5は、ボール1の直径未満にかしめ加工が施されていて、ボール1の抜け止めがなされている。内孔4には、複数の内方突出部6が放射状に形成されており、ボール1の後方移動位置を規定している。内方突出部6には、ボール1を受けるボール受け座7が形成されており、このボール受け座7は、ボール1が被筆記面と接触することにより受けた筆圧を受ける部分となる。尚、荷重100gで筆記したときにボール1とボール受け座7にかかる力は、ボール1の直径が0.25mmの場合、およそ9000g/mmである。本発明では、このボール1とボール受け座7にかかる力によって、筆記時に水性インキ3中の樹脂エマルション粒子が扁平状に変形し、変形した樹脂エマルションがインキ吐出口5付近でごく弱い目詰まりを起こすことにより、非筆記時に水性インキ3がインキ吐出口5から漏れ出すことを防止できるものと推測される。また、隣り合った内方突出部6の間には、インキ通路の一部となる放射状溝9が形成されている。内方突出部6の中心部分にはインキ通路である中孔8があり、この中孔8は内孔4と放射状溝9に連通している。放射状溝9は、ボール1がボール受け座7と接触して中孔8を塞いだ場合に、インキの通路を確保できるように形成されている。
図2は本発明に用いるボールペンの一例である。図1に示したボールペンチップの後端部分を、継手部材10を介してインキ収容管11に連結してリフィルと成し、該リフィルを軸体12に収納してある。継手部材10内のインキ流路13は、図1に示すボールペンチップ内の内孔4と連通しており、インキ収容管11に充填される水性インキ3が順次インキ流路13を通じてボール1の周辺に供給されるようになっている。水性インキ3の後端部には水性インキの消費とともにインキ収容管内の水性インキを掻き取り、水性インキ残量を明確にするためのインキフォロワー14を充填している。インキ収容管の構造によってはインキフォロワー14を充填する必要はない。なお、図3に例示したボールペンは、水性インキ3の非筆記時の乾燥防止のために、着脱自在なキャップ15を取り付けてある。キャップ15内には、弾性体16が配置されており、キャップ15を軸体12に嵌めた状態で、ボールペンチップのボールホルダー2の先端のインキ吐出口5とボール1とは弾性体16に当接してインキの流出口となる両者の隙間は閉塞される。
ボール材質としては、特に限定されず、超硬等の金属製部材、セラミック部材からなるもの、更にこれらの表面に耐久性、耐腐食性等の向上のために薄膜の被覆部材を施したものものなどが挙げられる。
ボールホルダーの材質としては、洋白、真鍮、ステンレスの金属製、合成樹脂等が挙げられる。
また、インキ収容管としては、水性インキ残量を確認できる透明性又は半透明性の合成樹脂製等が挙げられるが、不透明、金属製であってもよい。
なお、本発明では、上記図1のボールペンチップの構造に限定されるものではなく、ボールの直径が0.29mm以下の超極細チップを使用したものであれば、ボールペンチップを含む水性ボールペン体の構造は特に限定されるものではない。また、ボールホルダー、インキ収容管、継手部材の材質、大きさ(内径、長さ)等はボールペンチップ構造、ボールの直径、水性インキ成分などに応じて適宜設定される。
以下、実施例及び比較例に基づき更に詳細に説明する。実施例、比較例中の各水性インキの粘度は、東機産業(株)製TVE−20H型粘度計でコーンローター(1度34分、R24)を使用し、0.5rpm(剪断速度1.92s−1)および100rpm(剪断速度383s−1)にて測定した。測定した時の温度は25℃であった。
各実施例、比較例の評価用ボールペンに使用した水性インキは以下の通りである。
(インキa)
NKW−6204E-P(橙色着色スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂エマルション粒子、日本蛍光化学(株)製) 50.0重量部
ペミュレンTR−1の2%水溶液(増粘剤、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、
BFGoodlich製) 21.0重量部
ホステンHLP(陰イオン系界面活性剤、ラウリルリン酸、日光ケミカルズ(株)製)
0.4重量部
TAMNO−15(非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン(15)オレイルアミン、日光ケミカルズ(株)製) 1.7重量部
グリセリン 18.3重量部
エチレングリコール 4.0重量部
ベンゾトリアゾール 1.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン20重量%含有、アビシア
社製) 0.2重量部
水 3.4重量部
上記成分中、ペミュレンTR−1の2%水溶液以外を混合し、プロペラ撹拌機で30分間攪拌後、ペミュレンTR−1の2%水溶液を添加しさらに1時間攪拌した。その後2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール水溶液でpHを7.0に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターを通して剪断速度1.92−1の時の粘度が2000mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が160mPa・sである橙色ボールペン用水性インキを得た。
(インキb)
NKW−2105E(蛍光黄色着色スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂エマルション粒子、日本蛍光化学(株)製) 45.0重量部
POLUX BLUE PC−5T1020(青色顔料分散体、住化カラー(株)製)
5.0重量部
ペミュレンTR−1の2%水溶液(増粘剤、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、BFGoodlich製) 16.0重量部
ジャガー8060の1%水溶液(増粘剤、ヒドロキシプロピルグァーガム、三晶(株)製)
4.5重量部
GF−185M(陰イオン性界面活性剤、アルキル燐酸エステル、東邦化学工業(株)製)
1.0重量部
グリセリン 20.4重量部
ベンゾトリアゾール 1.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン20重量%含有、アビシア
社製) 0.2重量部
ジョンクリル61j(水溶性スチレン−アクリル共重合体、固形分30%、ジョンソンポ
リマー(株)製) 0.5重量部
水 6.4重量部
上記成分中、ペミュレンTR−1の2%水溶液とジャガー8060の1%水溶液以外を混合し、プロペラ撹拌機で30分間攪拌後、ペミュレンTR−1の2%水溶液とジャガーHP60の1%水溶液を添加しさらに1時間攪拌した。その後2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール水溶液でpHを7.5に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターを通して剪断速度1.92s−1の時の粘度が1500mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が130mPa・sである緑色ボールペン用水性インキを得た。
(インキc)
NKW−6207E(桃色着色スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂エマルション粒子、日本蛍光化学(株)製) 50.0重量部
ペミュレンTR−1の2%水溶液(増粘剤、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、BFGoodlich製) 21.0重量部
GF−393M(陰イオン性界面活性剤、アルキル燐酸エステル、東邦化学工業(株)製)
1.0重量部
グリセリン 20.0重量部
プロピレングリコール 5.0重量部
ベンゾトリアゾール 1.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン20重量%含有、アビシア
社製) 0.2重量部
水 1.8重量部
上記成分中、ペミュレンTR−1の2%水溶液以外を混合し、プロペラ撹拌機で30分間攪拌後、ペミュレンTR−1の2%水溶液を添加しさらに1時間攪拌した。その後2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール水溶液でpHを7.0に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターを通して剪断速度1.92s−1の時の粘度が1800mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が180mPa・sである桃色ボールペン用水性インキを得た。
(インキd)
NKW−2167E−P(紫色着色スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂エマルション粒子、日本蛍光化学(株)製) 40.0重量部
ペミュレンTR−1の2%水溶液(増粘剤、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、BFGoodlich製) 20.0重量部
サルコシネートOH(陰イオン性界面活性剤、N−アシルアミノ酸、日光ケミカルズ(株)製) 1.0重量部
グリセリン 25.0重量部
エチレングリコール 4.0重量部
ベンゾトリアゾール 1.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン20重量%含有、アビシア
社製) 0.2重量部
ジョンクリル61j(水溶性スチレン−アクリル共重合体、固形分30%、ジョンソンポ
リマー(株)製) 0.5重量部
水 8.3重量部
上記成分中、ペミュレンTR−1の2%水溶液以外を混合し、プロペラ撹拌機で30分間攪拌後、ペミュレンTR−1の2%水溶液を添加しさらに1時間攪拌した。その後トリエタノールアミンでpHを7.0に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターを通して剪断速度1.92s−1の時の粘度が2100mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が150mPa・sである紫色ボールペン用水性インキを得た。
(インキe)
NKW−C2108E(空色着色スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂エマルション粒子、日本蛍光化学(株)製) 46.5重量部
POLUX BLUE PC−5T1020(青色顔料分散体、住化カラー(株)製)
3.5重量部
ペミュレンTR−1の2%水溶液(増粘剤、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、BFGoodlich製) 16.0重量部
ジャガー8060の1%水溶液(増粘剤、ヒドロキシプロピルグァーガム、三晶(株)製)
4.5重量部
サルコシネートOH(陰イオン性界面活性剤、N−アシルアミノ酸、日光ケミカルズ(株)製) 1.0重量部
グリセリン 17.4重量部
ベンゾトリアゾール 1.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン20重量%含有、アビシア
社製) 0.2重量部
ジョンクリル61j(水溶性スチレン−アクリル共重合体、固形分30%、ジョンソンポ
リマー(株)製) 0.5重量部
水 9.4重量部
上記成分中、ペミュレンTR−1の2%水溶液とジャガー8060の1%水溶液以外を混合し、プロペラ撹拌機で30分間攪拌後、ペミュレンTR−1の2%水溶液とジャガーHP60の1%水溶液を添加しさらに1時間攪拌した。その後2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール水溶液でpHを7.5に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターを通して剪断速度1.92s−1の時の粘度が1100mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が140mPa・sである空色ボールペン用水性インキを得た。
(インキf)
NKW−75E(無色スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂エマルション粒子、日本蛍光化学(株)製) 5.0重量部
NKW−6205E(黄色着色スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂エマルション粒子、日本蛍光化学(株)製) 45.0重量部
キサンタンガム(増粘剤、三晶(株)製) 0.3重量部
1.0重量部
グリセリン 25.0重量部
エチレングリコール 4.0重量部
ベンゾトリアゾール 1.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン20重量%含有、アビシア
社製) 0.2重量部
水 19.5重量部
上記成分中、ケルザンと水とグリセリンとエチレングリコールをホモミキサーにて5分間撹拌して得たケルザン水溶液中に、残りの上記各成分を加え、更に1時間プロペラ撹拌機にて混合撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.0に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターを通して剪断速度1.92s−1の時の粘度が890mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が100mPa・sである黄色ボールペン用水性インキを得た。
(インキg)
NKW−6217E(桃色着色スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂エマルション粒子、日本蛍光化学(株)製) 50.0重量部
ペミュレンTR−1の2%水溶液(増粘剤:アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、BFGoodlich製) 21.0重量部
ホステンHLP(陰イオン系界面活性剤:ラウリルリン酸、日光ケミカルズ(株)製)
0.4重量部
TAMNO−15(非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン(15)オレイルアミン、日光ケミカルズ(株)製) 1.7重量部
グリセリン 21.0重量部
プロピレングリコール 5.0重量部
ベンゾトリアゾール 1.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン20重量%含有、アビシア
社製) 0.2重量部
水 1.8重量部
上記成分中、ペミュレンTR−1の2%水溶液以外を混合し、プロペラ撹拌機で30分間攪拌後、ペミュレンTR−1の2%水溶液を添加しさらに1時間攪拌した。その後2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール水溶液でpHを7.0に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターを通して剪断速度1.92s−1の時の粘度が890mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が170mPa・sである桃色ボールペン用水性インキを得た。
(インキh)
エポスターMX100W(白色ポリメタクリル酸メチル系架橋物樹脂エマルション粒子、(株)日本触媒(製)) 5.0重量部
POLUX BLUE PC−5T1020(青色顔料分散体、住化カラー(株)製)
30.0重量部
ペミュレンTR−1の2%水溶液(増粘剤、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、BFGoodlich製) 20.0重量部
GF−185M(陰イオン性界面活性剤、アルキル燐酸エステル、東邦化学工業(株)製)
1.0重量部
グリセリン 20.9重量部
ベンゾトリアゾール 1.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン20重量%含有、アビシア
社製) 0.2重量部
ジョンクリル61j(水溶性スチレン−アクリル共重合体、固形分30%、ジョンソンポ
リマー(株)製) 0.5重量部
水 21.4重量部
上記成分中、ペミュレンTR−1の2%水溶液以外を混合し、プロペラ撹拌機で30分間攪拌後、ペミュレンTR−1の2%水溶液添加しさらに1時間攪拌した。その後2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール水溶液でpHを7.5に調整した後1ミクロン糸巻きフィルターを通して剪断速度1.92s−1の時の粘度が1700mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が180mPa・sである青色ボールペン用水性インキを得た。
(インキi)
インキdにおいて、ペミュレンTR−1の2%水溶液を配合せず、その分水を増加した以外は、インキdと同様になして、剪断速度1.92s−1の時の粘度が200mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が180mPa・sである紫色ボールペン用水性インキを得た。
(インキj)
インキcにおいて、ペミュレンTR−1の2%水溶液を26.0重量部に増量し、その分グリセリンを5.0重量部に減量した以外は、インキcと同様になして、剪断速度1.92s−1の時の粘度が4200mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が300mPa・sである紫色ボールペン用水性インキを得た。
(インキk)
インキaにおいて、NKW−6204Eの代わりに、FUJI SP ブラック 8922(界面活性剤分散カーボンブラック水性インキベース、冨士色素(株))20.0重量部と水を30.0重量部配合した以外は、インキaと同様になして、剪断速度1.92s−1の時の粘度が1000mPa・sであり、剪断速度384s−1の時の粘度が80mPa・sである黒色ボールペン用水性インキを得た。
各実施例、比較例に使用する試験用ボールペンを以下のように作成した。
(直径0.25mmボールを使用したボールペンチップ)
ボール(素材:超硬合金、ボールの直径:0.25mm、インキ吐出口のクリアランス:5μm)を、ステンレス製のボールホルダーの貫通孔に一部突出しつつ回転自在に抱持させた、図1に示す構造のボールペンチップを、ぺんてる(株)製のハイブリッドテクニカKN103のインキ収容管に取り付け、上記のインキa〜hを該インキ収容管に0.5g程度充填し、ボールペンチップを外向きにして遠心機にて300gの遠心力を5分間加え加えて水性インキ中の気泡を脱気して、ボールの直径が0.25mmの試験用ボールペンを作成した。
(直径0.30mmボールを使用したボールペンチップ)
ステンレス製のボールペンチップからなるボールペンとして、ぺんてる(株)製のハイブリッドテクニカKN103(ボール素材:超硬合金、ボールの直径:0.30mm、インキ吐出口のクリアランス:7μm)のリフィルに上記のインキa〜iを0.7g程度充填し、ボールペンチップを外向きにして遠心機にて300gの遠心力を5分間加え加えて水性インキ中の気泡を脱気して、ボールの直径が0.30mmの試験用ボールペンを作成した。
(直径0.5mmボールを使用したボールペンチップ)
ステンレス製のボールペンチップからなるボールペンとして、ぺんてる(株)製のハイブリッドテクニカKN105(ボール素材:超硬合金、ボールの直径:0.50mm、インキ吐出口のクリアランス:10μm)のリフィルに上記のインキa〜iを0.7g程度充填し、ボールペンチップを外向きにして遠心機にて300gの遠心力を5分間加え加えて水性インキ中の気泡を脱気して、ボールの直径が0.50mmの試験用ボールペンを作成した。
これらの試験用ボールペンを用いて、下記の試験1乃至試験3を行った。結果を表1に示す。
試験1
上記で作製した各試験用ボールペンを自転式連続螺旋筆記試験機(MODEL TS−4C−20、精機工業研究所製)にて、上質紙(JIS P3201筆記用紙A)に筆記速度7cm/秒、筆記角度70゜、筆記荷重100gの条件で筆記し、筆記距離1m時点の筆跡を充分乾燥させたものと、各実施例、比較例の水性インキをそれぞれ上質紙にゴム製のヘラを用いて、荷重100g、ヘラが上質紙と接触する幅0.2mm、インキ幅が10mmとなるようにヘラ引きし充分乾燥させたものを、走査型電子顕微鏡(JSM−5310、日本電子(株)製)で筆跡中の任意の20μm四方に存在する樹脂エマルション粒子を観察する。観察範囲内の100個の樹脂エマルション粒子の短径の長さをa、長径の長さをbとしたとき、自転式連続螺旋筆記試験機を用いた筆跡におけるアスペクト比b/aの平均値を表1の「筆跡」の欄に、ヘラ引きした水性インキにおけるアスペクト比b/aの平均値を表1の「ヘラ引き」の欄に示した。アスペクト比b/a=1ならば樹脂エマルション粒子の変形がなく、この数値が多きくなるにつれ樹脂エマルション粒子の変形度が大きい。上記条件でヘラ引きする際に水性インキにかかる単位面積あたりの力はおよそ50g/mm、同荷重で筆記したときにボールとボール受け座にかかる力は、ボールの直径が0.25mmの場合、およそ9000g/mm、ボールの直径が0.3mmの場合、およそ5000g/mm、ボールの直径が0.5mmの場合、およそ1500g/mmである。ボールの直径が0.25mmのボールペンを用いて筆記した時に、樹脂エマルション粒子の変形度が大きくなっていることが確認された。
試験2
上記筆記試験で筆記した各試験用ボールペンを、室温にて、ペン先を下向きにして1時間放置したときにペン先から漏れ出て先端にたまるインキ玉の、ボール先端から重力方向の長さを測定した。
試験3
上記試験2でペン先を下向きにして1時間放置した各試験用ボールペンを、画線機(ぺんてる(株)製、型式TO51)を使用して、筆記角度70°、筆記荷重100g、筆記速度を7cm/secにて筆記し、書き始めの場所からカスレがなく連続した筆記線が得られるまでの距離を測定した。
Figure 0004552761
以上説明したように本発明の水性インキは、0.29mm以下のボール直径をもつボールペンに充填した時、樹脂エマルション粒子の変形により、チップ小口部分に弱い目詰まりを発生させてインキ漏れを防止し、カスレなく筆記することができるものである。
ボールペンチップの要部縦断面拡大図。 ボールペンの縦断面図。
符号の説明
1 ボール
2 ボールホルダー
3 水性インキ
4 内孔
5 インキ吐出口
6 内方突出部
7 ボール受け座
8 中孔
9 放射状溝
10継手部材
11インキ収容管
12軸体
13インキ流路
14インキフォロワー
15キャップ
16弾性体

Claims (1)

  1. 筆記部材として直径が0.25mmのボールを有し、筆記時にボールとボール受け座に働く力により押しつぶされて、アスペクト比が1.3以上2.0以下である樹脂エマルジョンを含有し、剪断速度1.92s −1 の粘度(25℃)が400mPa・s以上4000mPa・s以下、剪断速度383s −1 の粘度(25℃)が20mPa・s以上200mPa・s以下である水性インキを備えるボールペン
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