JP2008115210A - ボールペン用水性インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】直径が0.3mm以下のボールペンに使用しても筆記できる距離が長く、滲みが少ない筆跡が得られるボールペン用水性インキをつくる。
【解決手段】キサンタンガムとN−アシルアミノ酸アミンを添加し、応力をX、インキの複素弾性率をYとしたとき、Xが0.1Paから1.0Paの範囲で、Y=AlnX+Bの近似直線式においてAの値が−0.3から0.3の範囲である、ボールペン用水性インキ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、直径が0.3mm以下のボールペンに使用する水性インキに関し、筆記距離が長く、滲みが少ない筆跡が得られるボールペン用水性インキに関する。
ボールペンは、主に、ボールホルダーの先端から一部突出したボールの回転に伴って、ボール表面に付着したインキが紙などの被筆記面に転写され筆跡を形成するものである。
水を主溶剤として、水溶性高分子化合物を溶かして粘弾性を調整した所謂水性ゲルインキは、インキの転写性が良いのでカスレやボテがない筆跡となるため、広く使用されている。中でも、水溶性高分子化合物にキサンタンガムを使用したインキは、靜置時は粘度が高いので中空のインキタンクでも保持しやすく、筆記時はボールの回転力で粘度が下がり軽く書けるので、ボールペンに適している。
しかし、ボールペンは筆記の際にボールとボール受座の接触部分に力が集中するので、短い筆記距離でもボールに比べて軟らかいボール受座が摩耗してボール沈みが生じ、ついにはインキ流路が塞がれて全くインキが出ない筆記不能という問題があった。特に直径が小さなボールを使用したボールペンでは、ボールとボール受座との接触部分に多大な応力がかかるので、この問題は顕著であった。
この受座摩耗によって筆記不能になる問題を解決するために、従来からボール受座の摩耗を極力抑えるような物質をインキに添加している。
例えば、水溶性シリコンオイルと脂肪酸を併用したインキ(特許文献1)や、N−アシルアミノ酸及び/またはその塩を使用したインキ(特許文献2)がある。

特開平10−212444号公報 実施例6 特開2003−192972号公報 実施例3〜5
しかしながら、水溶性シリコンオイルと脂肪酸を添加したインキは、ボールの受座摩耗防止が不十分で、直径0.3mm以下のボールを使用したボールペンでは短い筆記距離で筆記不能になるという問題があった。
N−アシルアミノ酸は、水に溶けにくいためそのまま加えても受座摩耗防止に対して十分な効果はないので、水性インキに添加する際は一般的に水に溶ける塩にして添加する。上記特許文献2の実施例3〜5のようにN−アシルアミノ酸ナトリウムにすると水に易溶で、ボール受座の摩耗を防止する優れた潤滑性が認められ、筆記距離を長くすることが出来る。しかし、N−アシルアミノ酸ナトリウムは紙面の繊維に沿って拡がり易いという性質をもつため、特に細い筆跡に得るために使用する直径が0.3mm以下のボールを使用したボールペンでは、筆跡が滲んで太くなりすぎる問題があった。これはN−アシルアミノ酸ナトリウムがインキ中に溶解していて、筆跡中のN−アシルアミノ酸ナトリウムが紙面の繊維に直接接してしまうので、滲みとなるものである。
以上のように、キサンタンガムと従来公知の潤滑剤の組合せでは、直径0.3mm以下のボールペンの受座摩耗防止と滲まない筆跡は両立しないものであった。
本発明者らは鋭意研究の結果、筆跡中の潤滑剤が直接紙面に接しないようにすれば筆跡が滲まないとの考えに立ち、ついに本発明を行ったものである。
即ち、本発明は、ボール径0.3mm以下のボールペンに使用する、少なくともキサンタンガムとN−アシルアミノ酸アミンと着色剤と水とからなり、応力をX、インキの複素弾性率をYとしたとき、Xが0.1Paから1.0Paの範囲で、Y=AlnX+Bの近似直線式においてAの値が−0.3以上0.3以下であることを特徴とするボールペン用水性インキを要旨とする。
潤滑剤であるN−アシルアミノ酸モノエタノールアミン、N−アシルアミノ酸ジエタノールアミン、N−アシルアミノ酸トリエタノールアミンの水溶液は、アミノ基が外側を向く微小なミセルを形成するため、インキの溶液に溶解するのでなく、インキ中に乳化状態で存在する。
キサンタンガムは分子量が数100万の水溶性高分子量化合物で、水溶液中では分子鎖の絡み合いで3次元網目構造を形成している。
キサンタンガム水溶液と前記N−アシルアミノ酸アミンのミセルを混合すると、キサンタンガムが形成する3次元の網目の中にカルボキシル基とN−アシルアミノ酸アミンのミセルが電気的引力で保持される。
キサンタンの網目にN−アシルアミノ酸アミンが入るとあたかも風船が入った網目になって弾性が高くなる。
N−アシルアミノ酸アミンのミセルがキサンタンガムの網目構造に完全にかつ濃度分布に偏りなく取り込まれた状態と推測される。このインキは、筆記の際はボールとボール受座の隙間は非常に狭くなるため、キサンタンガムの網目に取り込まれたN−アシルアミノ酸アミンは金属に直接接して潤滑効果を発揮し、インキに弾性があるのでキサンタンガムの網目が復元して、紙面に転写されたインキ中のN−アシルアミノ酸アミンは、キサンタンガムの網の中に保持されたままになり、紙面の繊維に直接接しないので、筆跡が滲む不具合がない。
応力をX、インキの複素弾性率をYとしたとき、Xが0.1Paから1.0Paの範囲で、Y=AlnX+Bの近似直線式においてAの値が−0.3から0.3の範囲である インキを得るためには、例えば強力な撹拌力でキサンタンガム水溶液と前記N−アシルアミノ酸アミンのミセルを混合する。すると、キサンタンガムの3次元網目構造が激しく伸び縮みを繰り返し、N−アシルアミノ酸アミンのミセルがキサンタンガムの網目構造に完全にかつ濃度分布に偏りなく取り込まれる。
さらに本発明に係わるインキは、ペン先を上向きで落下させるとペン先から空気が入ってかすれてしまう、所謂落下カスレが起きにくい。インキに付与された、応力をX、インキの複素弾性率をYとしたとき、Xが0.1Paから1.0Paの範囲で、Y=AlnX+Bの近似直線式においてAの値が−0.3から0.3の範囲である、ゴムの性質の効果と推測する。
キサンタンガムはインキの粘弾性を調整する水溶性高分子化合物の一種であるが、特に筆記の際の高剪断力を負荷した状態で低粘化する性質があるため、軽い書き味を与えることが出来るものである。
キサンタンガムの一例としては、ケルザン、ケルザンS、ケルザンF、ケルザンAR、ケルザンM、ケルザンD(以上、三晶(株)製)、コージン、コージンF、コージンT、コージンK(以上、(株)興人製)、ノムコート(日清製油(株)製)、イナゲルV−7、イナゲルV−7T(以上伊那食品工業(株)製)等がある。キサンタンガムのグレードは1種または複数種を混合して使用することもできるが、その使用量は剪断力3.83/secでの粘度が500mPa〜3000mPaになる量が好ましい。
N−アシルアミノ酸アミンはボールとチップ受け座の間の摩擦力を低減するために用いる。N−アシルアミノ酸アミンはN−アシルアミノ酸とモノエタンールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの1種または2種以上を水中で混合することで得られる。本発明ではN−アシルアミノ酸とアミンの混合水溶液のpHが7.5〜10.0の範囲になるようにアミンの添加量を調節して使用した。N−アシルアミノ酸としては、ラウロイルサルコシン、ミリストイルサルコシン、パルミトイルサルコシン、オレオイルサルコシン、ステアロイルサルコシン、ココイルサルコシン、ラウロイルメチルアラニンが挙げられる。アミンにはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが使用できる。添加量はN−アシルアミノ酸としてインキ全量の0.5〜10重量%が望ましい。0.5%未満でも潤滑効果を発揮するが、受座摩耗を防止するには不十分であり、10%より多く入れても効果が上がらない。
着色剤は、従来水性インキ組成物に用いられている各種公知の染料、顔料が使用可能である。
染料の例を挙げると、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトエロー4、同26、同44、同50、ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199)などの直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56などの酸性染料、C.I.フードエロー3、C.I.フードレッド14、C.I.アシッドブルー74、C.I.アシッドグリーン5などの食用染料、C.I.42000、C.I.44045、C.I.42535、C.I.45160、C.I.45160などの塩基性染料がある。
顔料の例を挙げると、ファーネストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等の無機顔料、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、真鍮粉、錫粉等の金属粉顔料、雲母系顔料、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194、同206、同207、同209、同216、同245、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173、C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36等がある。これらは、1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。また、顔料を水性媒体に分散した分散顔料の例を挙げると、チバスペシャリティケミカルズ(株)製のunisperseシリーズ、クラリアントジャパン(株)製のHostfineシリーズ、大日本インキ化学工業(株)製のDisperseシリーズ、Ryudyeシリーズ、富士色素(株)製のFuji.SPシリーズ、山陽色素(株)製のEmacolシリーズ、Sandyeシリーズ、オリエント化学工業(株)製のMicroPigmoシリーズ、MicroJetシリーズ、東洋インキ(株)製のRio Fastシリーズ、EM Colorシリーズ、住化カラー(株)製のPoluxシリーズ、(以上、無機、有機顔料の分散体)、日本蛍光化学(株)製のNKWシリーズ、東洋ソーダ(株)製のコスモカラーシリーズ、シンロイヒ(株)製のシンロイヒ・カラーベースシリーズ(以上、蛍光顔料の分散体)等がある。これらは1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。
尚、上記染料、顔料、分散顔料は混合して使用することもできる。
水はインキの主溶媒である。
インキの溶媒としては、例えば低温時でのインキ組成物の凍結防止、ペン先でのインキ組成物の乾燥防止、染料の可溶化、顔料の分散媒等の目的で、従来公知の水溶性有機溶剤が使用できる。具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独或は混合して使用することができる。その使用量はインキ組成物全量に対して10重量%以上60重量%以下が好ましい。
色材を紙面に定着させるためなどで各種樹脂を併用することもできる。例えば、セラック、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などが挙げられる。
黴の発生を防止するために、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、モルホリン、モルホリン誘導体などの防腐防黴剤を適宜加えることもできる。
染料等の溶解促進や顔料等の分散安定性向上のために脂肪酸類、高級アルコール硫酸エステル類、液体脂肪酸硫酸エステル類、アルキルアリルスルホン酸類などのアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン系界面活性剤や、カチオン系界面活性剤や両性界面活性剤や尿素を、表面張力調整や消泡のためにシリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を、ペン先の乾燥抑制のためにソルビット、キシリット等の糖アルコール等を、ペン先の防錆のためにベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸などを、さらに各種の香料などを必要に応じて1種又は2種以上混合して用いることもできる。これらの物質を添加する際には筆跡の滲みが生じないよう、少量添加することが肝要である。
インキ組成物の製造方法としては従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ニーダー等の装置を使用して作ることが出来る。特にキサンタンガムとN−アシルアミノ酸アミンを混合した後にホモジナイザーやヘンシェルミキサーなどの強力な攪拌機を使用して、攪拌時間10分当たり20℃以上昇温するような攪拌力で攪拌混合を行うことは好ましい。この際、実際には水などで冷却して昇温させなくても差し支えない。
更に濾過や遠心分離を行い粗大粒子や気体を除いても良い。製造時に加熱や冷却や加圧や減圧や不活性ガス置換をしても良い。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良い。
本発明のボールペン用水性インキ組成物を使用するボールペンの形態として、インキ組成物を収容するインキタンクは、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等のインキ組成物の残量を確認できる透明又は半透明な高分子化合物を使用しても良いが、不透明高分子化合物や金属を使用しても差し支えない。また、インキ組成物がインキタンクの内壁に付着することを抑制するためなど、必要に応じてインキタンク内面にシリコン樹脂やフッ素樹脂などを塗布して撥水処理をすることもできる。後端開口するインキタンクの場合には、インキの洩れや乾燥を抑制するために、収容されているインキ組成物の後端界面に接触して逆流防止体を配置してもよい。逆流防止体は不揮発性液体をゲル化したものやスポンジ状のものやプラスチック製のフロートなど各種公知のものを単独あるいは複数組み合わせて使用できる。
ボールペンチップとしてはボールホルダーに洋白、真鍮、ステンレス等の金属を使用した金属チップや、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ナイロン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアクリレート樹脂等の合成樹脂を使用した樹脂チップが使用できる。
ボールの材質としては、タングステンカーバイド、炭化珪素、窒化硼素、ステンレス、ルビーなどが使われ、ボールペンチップより硬い材料が選択される。また、ペン先の密閉性を高めるために、ボールホルダー内にコイルスプリング等の弾性体を配置しても良い。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。各実施例中単に「部」とあるのは「重量部」を表す。
実施例1
C.I.アシッドブラック 2(黒色染料) 6.0部
水 59.2部
グリセリン 10.0部
エチレングリコール 20.0部
ケルザン(キサンタンガム、増粘剤、三晶(株)) 0.8部
サルコシネートOH(オレオイルサルコシン、N-アシルアミノ酸、日光ケミカルズ(株)) 1.5部
トリエタノールアミン 1.4部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防黴剤) 0.1部

(1) トリエタノールアミン 6部と水 10部を混合し、サルコシネートOH 1.5部を徐々に加えて透明な状態になるまで攪拌してオレオイルサルコシンアミンのミセルを得る。
(2) 水10部を攪拌し、その中にケルザンを徐々に加えて1時間攪拌する。
(3) (2)の中に(1)と残りの材料を加え、プロペラ攪拌機で1時間攪拌する。更にホモジナイザーを用い6000rpmで10分攪拌したところ、温度は35℃上がった。その後は水冷して攪拌を続け、計20分攪拌して止めた。室温まで冷却した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色ボールペン用水性インキを得た。
実施例2
実施例1に於いて、サルコシネートOHの代わりにサルコシネートLH(ラウロイルサルコシネート、N−アシルアミノ酸、日光ケミカルズ)にした以外は同様になして、黒色ボールペン用水性インキを得た。ホモジナイザー攪拌時、10分間の温度上昇は32℃であった。
実施例3
FUJI SP ブラック 8922(界面活性剤分散カーボンブラック水性インキベース、冨士色素(株)) 20.0部
水 44.0部
グリセリン 15.0部
プロピレングリコール 15.0部
ケルザンS(キサンタンガム、増粘剤、三晶(株)) 0.4部
サルコシネートOH(オレオイルサルコシン、N-アシルアミノ酸、日光ケミカルズ(株)) 3.0部
モノエタノールアミン 2.0部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防黴剤) 0.1部

(1) モノエタノールアミン 2.0部と水10部を混合し、サルコシネートOH 3.0部を徐々に加えて透明な状態になるまで攪拌してオレオイルサルコシンアミンのミセルを得る。
(1) 水10部を攪拌し、その中にケルザンSを徐々に加えて1時間攪拌する。
(3) (2)の中に(1)と残りの材料を加え、プロペラ攪拌機で1時間攪拌した。更にホモジナイザーを用い6000rpmで10分攪拌したところ、温度が21℃上がった。室温まで冷却した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色ボールペン用水性インキを得た。
実施例4
実施例1に於いて、ホモジナイザー攪拌時の回転数を8000rpmにした以外は同様になして黒色ボールペン用水性インキを得た。予備試験でホモジナイザー攪拌時の10分間の温度上昇は43℃であることを確認した。実施例5のインキは水冷しながら作製したもので、ホモジナイザー攪拌時の温度上昇は20分後でも10℃以下であった。
実施例5
実施例1に於いて、ケルザンを1.2部、水を58.8部にした以外は同様になして黒色ルペン用水性インキを得た。ホモジナイザー攪拌時の10分間の温度上昇は40℃であった。
比較例1
C.I.アシッドブラック 2(黒色染料) 6.0部
水 62.0部
グリセリン 10.0部
エチレングリコール 20.0部
ケルザン(キサンタンガム、増粘剤、三晶(株)) 0.8部
シリコンオイル(KF−353、水溶性シリコンオイル、信越化学) 0.1部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防黴剤) 0.1部

(1) 水10部を攪拌し、その中にケルザンを徐々に加えて1時間攪拌する。
(2) (1)の中に残りの材料を加え、プロペラ攪拌機で1時間攪拌する。更にホモジナイザーを用い4000rpmで10分攪拌したところ、温度は33℃上がった。その後は水冷して攪拌を続け、計20分攪拌して止めた。室温まで冷却した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色ボールペン用水性インキを得た。
比較例2
C.I.アシッドブラック 2(黒色染料) 6.0部
水 60.6部
グリセリン 10.0部
エチレングリコール 20.0部
ケルザン(キサンタンガム、増粘剤、三晶(株)) 0.8部
サルコシネートLN(ラウロイルサルコシンナトリウム、N-アシルアミノ酸ナトリウム塩、日光ケミカルズ(株)) 1.5部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防黴剤) 0.1部

(1) 水10部を攪拌し、その中にケルザンを徐々に加えて1時間攪拌する。
(2) (1)の中に残りの材料を加え、プロペラ攪拌機で1時間攪拌する。更にホモジナイザーを用い6000rpmで10分攪拌したところ、温度は29℃上がった。そのまま後は水冷して攪拌を続け、計20分攪拌して止めた。室温まで冷却した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色ボールペン用水性インキを得た。
比較例3
実施例1に於いて、ホモジナイザーの回転数を2000rpmにした以外は同様になして、黒色ボールペン用水性インキを得た。ホモジナイザー攪拌時、10分間の温度上昇は11℃であった。
比較例4
実施例1に於いて、ホモジナイザーの代わりにプロペラ攪拌機を使用して2000rpmで攪拌した以外は同様になして、黒色ボールペン用水性インキを得た。10分間の温度上昇は1℃であった。
以上、実施例1〜4、比較例1〜4で得たインキ組成物について、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
試験用ボールペンの作成
上記実施例、比較例で得たインキをステンレス製のボールホルダーにタングステンカーバイト製の直径0.3mmのボールを抱持したボールペンチップを備えるボールペン(ぺんてる(株)製テクニカ(製品符号KFGN3))のリフィルに0.6g充填し、ボールペンチップを外向きにして遠心機にて300gの遠心力を10分間加えてインキを脱気して、試験用ボールペンを作成した。
複素弾性率
ジャスコインターナショナル(株)VAR−100型レオメータを使用して1Hzの正弦波をかけて、応力をX、インキの複素弾性率をYとしたとき、Xが0.1Paから1.0Paの範囲で表1のように測定し、最小自乗法で得たY=AlnX+Bの近似直線式から、傾きAを求めた。
筆記距離
自転式連続螺旋筆記試験機(TS−4C−10、精機工業研究所製)にて、筆記用紙(NS−55カエデ、リンテック(株))に筆記速度7cm/秒、筆記角度70゜、筆記荷重100gの条件で、1000m筆記した。途中でインキがなくなったときは補充した。また、インキが全く出なくなったときは、その時点の筆記距離を記録して中止した。
1000m筆記出来れば筆記可能な距離が長いと判断する。
筆跡の滲み
15人のアンケート調査を行った。自由に筆記して、筆跡が滲んでいるか、滲んでないか、2者択一で評価した。
受座摩耗量
受座摩耗量の代用特性であるボール沈み量(筆記前と筆記後のボール高さの差)を測定した。ボール沈み量が少ないほど受座摩耗が少ない。
落下カスレ
ペン先を開放状態にして、高さ100mmからペン先を上向きにして落下させ、すぐに、上質紙(JIS S6062の表5の仕様に適合する試験用紙)に荷重100g、筆記角度70°、筆記速度7cm/秒程度で30cm直線筆記し、その中の連続しない筆記線の長さを測定した。
インキ粘度
東機産業(株)製TV−20型粘度計を使用して、25℃、剪断力3.83/secの粘度を測定した。
以上のように、本発明のボールペン用水性インキは、直径が0.3mm以下のボールペンに使用しても、長距離筆記ができ、滲みが少ない筆跡が得られる優れたものである。

Claims (3)

  1. ボール径が0.3mm以下のボールペンに使用する、少なくともキサンタンガムとN−アシルアミノ酸アミンと着色剤と水とからなり、応力をX、インキの複素弾性率をYとしたとき、Xが0.1Paから1.0Paの範囲で、Y=AlnX+Bの近似直線式においてAの値が−0.3以上0.3以下であることを特徴とするボールペン用水性インキ。
  2. N−アシルアミノ酸アミンがN−アシルアミノ酸モノエタノールアミン、N−アシルアミノ酸ジエタノールアミン、N−アシルアミノ酸トリエタノールアミンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載のボールペン用水性インキ。
  3. 10分当たり20℃以上昇温するような撹拌力で混合したことを特徴とする請求項1〜2記載のボールペン用水性インキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013133353A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Pilot Corporation 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン
JP2017082068A (ja) * 2015-10-27 2017-05-18 株式会社パイロットコーポレーション 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン

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