JP6744716B2 - 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 - Google Patents

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本発明は、筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具に関するものである。
従来、非浸透性の記録媒体に、筆記線を残すことができる筆記具用水性インキ組成物として、特許文献1のような、着色剤、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤などの剥離剤、および濡れ剤を含むインキ組成物が知られている。また、特許文献2には、着色剤、水、ヒダントインなどを含んでなり、更に、表面張力調整剤としてフッ素系界面活性剤を含有させたインキ組成物が開示されている。
また、光輝性を有する筆記線を、非浸透性の記録媒体上に残すことができる筆記具用水性インキ組成物として、特許文献3には、金属粉顔料、着色剤、水、水溶性有機溶剤、天然多糖類およびセルロース誘導体を含むインキ組成物が開示されている。
しかしながら、上記したような従来のインキ組成物を筆記具に用いて筆記した場合、その筆記線はかすれたり、滲んでしまうなどの可能性が高く、非浸透性の記録媒体に対する筆記性は十分とは言えるものではなかった。特に、前記インキ組成物を用いて、すでにある筆記線の上に重ねて筆記した場合、それらの筆記線が縮んでしまったり、筆記線の色が混じりあったりしてしまうなど、良好な筆記線を得ることが難しく、非浸透性記録媒体に対する重ね書き性において課題を有していた。
また、上記の特許文献1〜3のような従来のインキ組成物を用いて形成させた筆記線の定着性は低く、摩擦などにより剥がれてしまうなど、耐擦性において改良の余地があった。
特開平09−143417号公報 特開2001−152067号公報 特開平11−29734号公報
本発明者は、今般、水性インキ組成物に特定の成分を配合することにより、非浸透性の記録媒体において、重ね書きを行った際、良好な筆記線を得ることができ、その筆記線の定着性および耐擦過性をも改良することができるとの知見を得た。
本発明はこのような知見に基づくものであり、その目的は、非浸透性の記録媒体に対する筆記性、特には、重ね書き性が良好で、かつ、定着性、および耐擦性が優れるインキ組成物およびそれを用いた筆記具を提供することである。
本発明による筆記具用水性インキ組成物は、着色剤と、エラストマーと、フッ素系界面活性剤と、を含んでなり、前記エラストマーが、スチレンーブタジエンエラストマーまたはアクリル系エラストマーから1種以上選択されたことを特徴とするものである。
また、本発明による筆記具は、上記筆記具用水性インキ組成物を収容してなることを特徴とするものである。
本発明によれば、非浸透性の記録媒体に対する筆記性、特には、重ね書き性が良好で、かつ、得られる筆記線の定着性、耐擦性が優れるインキ組成物およびそれを用いた筆記具を提供することができる。
本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準である。
本発明による筆記具用水性インキ組成物(以下、場合により、「水性インキ組成物」と表す。)は、着色剤と、フッ素系界面活性剤と、エラストマーと、溶媒と、を含んでなる。以下、本発明による水性インキ組成物を構成する各成分について説明する。
(着色剤)
着色剤としては、従来の水性インキで用いられる各種公知の染料、顔料が使用可能である。染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料等が挙げられる。顔料としては、カーボンブラック、金属酸化物顔料、金属顔料などの無機顔料、および、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系などの有機顔料が挙げられる。これらの染料および顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。本発明においては、筆記線の耐水性・耐光性が良好である顔料が好ましく用いられる。前記顔料の中でも良好な発色性をもたらすことができる無機顔料としては、光輝性を有する光輝性顔料粒子、隠蔽性及び白色性をもたらす隠蔽性顔料粒子、例えば、酸化チタン顔料粒子などが挙げられるが、本発明において、より発色性と非浸透性の記録媒体に対する筆記性および、重ね書き性を考慮すれば、光輝性顔料粒子を用いることは効果的である。
前記光輝性顔料粒子としては、一般に金属顔料粒子が挙げられ、金属顔料粒子の材料としては、特に限定されないが、アルミニウム、真鍮、ステンレ鋼、ブロンズ、およびこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、アルミニウムは、筆記線に優れた光輝性をもたらし、かつ、補色顔料などと組み合わせることで多様な色彩を表現し、優れた発色性をももたらすことができるため好ましい。また、比重が小さく、光輝性顔料粒子の沈降、およびそれに伴うハードケーキ化ならびに再分散性の低下を防止することができるという点からも、本発明においてアルミニウムを用いることは好ましい。
前記光輝性顔料粒子の形状は、任意に選択できるが、光をより拡散し光輝性を向上させることができるため針状、板状または方形であることが好ましい。
前記光輝性顔料粒子は、シリカ、リン酸塩、モリブデン、またはケイ酸塩などの被覆材により被覆された上記金属顔料粒子であることが好ましい。金属顔料粒子がシリカなどの被覆材により被覆されていることにより、水性インキ組成物中の光輝性顔料粒子が経時的に沈降し、ハードケーキ化してしまうことを防止することができる。上記被覆の中でも、溶媒との反応性が低く安定性が高いという点からは、シリカ被覆が好ましく、また、コストを抑えることができるという点からは、リン酸塩被覆およびモリブデン被覆が好ましい。
上記シリカなどによる光輝性顔料粒子の被覆量、すなわち光輝性顔料粒子100質量部に対するシリカ等の被覆材の質量の割合は、3〜20質量部であることが好ましく、11〜20重量部であることがより好ましい。被覆量が上記数値範囲内であれば、光輝性顔料粒子の光輝性を損なうこと無く、水性インキ組成物のハードケーキ化を十分に防止することができる。
着色剤として顔料を用いた場合、平均粒子径は、0.01〜30μmであることが好ましい。顔料の平均粒子径が上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物中において沈降しても、その再分散性を向上させることができる。また、着色剤に光輝性顔料粒子を用いた場合は、1〜30μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましく、3〜10μmであることがさらに好ましい。前記光輝性顔料粒子の平均粒子径が上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物、およびそれを用いて形成された筆記線の光輝性を維持することができるとともに、その再分散性を向上させることができる。平均粒子径が上記数値範囲内の顔料を含む水性インキ組成物を、マーキングペンなどの筆記具に使用した場合、インキ吐出性を向上させることもできる。なお、顔料の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320−X100」、日機装株式会社)を用いてレーザー回折法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。本明細書では、顔料の「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指すものとする。
着色剤に光輝性顔料粒子を用いた場合、該光輝性顔料粒子の平均粒子径をDμm、平均厚みをdμm、とした場合、前記光輝性顔料粒子のアスペクト比(D/d)は、1〜100であることが好ましく、10〜50であることがより好ましい。光輝性顔料粒子のアスペクト比(D/d)が上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物、およびそれを用いて形成させた筆記線に光輝性顔料粒子の高い光輝性を与えることができる。また、水性インキ組成物をマーキングペンなどの筆記具に使用した場合、ペン先でのインキ詰まりを抑制することができる。
水性インキ組成物における着色剤の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.1〜25質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。着色剤の含有量が上記数値範囲内である水性インキ組成物を筆記具に用いた場合、ペン先からのインキ吐出性の低下を防止することができる。また、前記着色剤に光輝性顔料粒子を用いた場合、該光輝性顔料粒子の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、1〜15質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることがより好ましい。光輝性顔料粒子の含有量が上記数値範囲内である場合、上記効果とともに、水性インキ組成物、およびそれを用いて形成させた筆記線の光輝性をも維持することができる。
また、その他の着色剤としては、補色顔料を用いても良いが、具体的には、着色剤に光輝性顔料粒子や隠蔽性顔料粒子を用いた場合、得られる筆記線の色彩を調整するために、補色顔料を用いても良い。補色顔料としての顔料粒子は、特に限定されず、赤、青、黄、緑、白、黒など様々な色の顔料粒子などを用いることができる。補色顔料としては、例えば、SP4359、SP5658、およびSP9604(富士色素株式会社製)などが挙げられる。前記補色顔料の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
(フッ素系界面活性剤)
水性インキ組成物は、フッ素系界面活性剤を含んでなる。フッ素系界面活性剤は、水性インキ組成物の表面張力を下げて、フィルムなどの非浸透性の記録媒体に対するぬれ性を改善し、該非浸透性の記録媒体に対する筆記性を向上させることができる。また、フッ素系界面活性剤は、少量で効果を発揮することができるため、経時安定性などの筆記具用インキ組成物としての性能を維持しながら、前記効果を十分に発揮することができる。更に、本発明の水性インキ組成物を筆記具に用いて、記録媒体上にすでにある筆記線などの上から重ね書きを行った場合、それらの筆記線などが色わかれしたり、かすれたり、色が混じり合ったり、線縮みを起こしたりすることなどなく、良好に筆記することが可能になる、すなわち、重ね書き性能を向上させることができる。特に、本発明はフッ素系界面活性剤を含んでなるため、非浸透性の記録媒体に対する重ね書き性を効果的に向上させることができる。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロ基ブチルスルホン酸塩、パーフルオロ基含有カルボン酸塩、パーフルオロ基含有リン酸エステル、パーフルオロ基含有リン酸エステル型配合物、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロ基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロ基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロ基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられる。その中でも、フッ素系界面活性剤の構造式中にエチレンオキシドがあると、親水性が高く、水に対して溶解しやすく、経時安定性が高い傾向にあり、フッ素系界面活性剤の効果を長期に渡り保つことができるため、好ましい。特に、本発明においては、表面張力を低減しやすく、よりぬれ性の改善効果を発揮することで上記のような重ね書き性能を向上させやすい、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物を用いることが、さらに好ましい。
また、非浸透性の記録媒体に対する筆記性や、重ね書き性を考慮すると、グリフィン法によって求められるフッ素系界面活性剤のHLB値は、5〜15であることが好ましく、より考慮すれば、フッ素系界面活性剤のHLB値は、5〜9であることがより好ましい。尚、グリフィン法によって求められるHLB値は「20×親水部の式量の総和/分子量」で定義される。
また、フッ素系界面活性剤0.1%水溶液の表面張力は、20mN/m以下であることが好ましい。尚、表面張力は、23℃条件下において、ウィルヘルミー法にて測定することができる。
水性インキ組成物における前記フッ素系界面活性剤の含有量は、水性インキ組成物の表面張力を下げて、非浸透性の記録媒体に対するぬれ性を改善し、該非浸透性の記録媒体に対する筆記性や重ね書き性を向上することを考慮すれば、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.005〜1.5質量%であることが好ましく、より重ね書き性の向上やインキ経時安定性を考慮すれば、0.005〜0.5質量%であることがより好ましく、より考慮すれば、0.008〜0.3質量%であることが好ましい。
水性インキ組成物は、前記フッ素系界面活性剤の他の界面活性剤を更に含んでなることが好ましい。前記界面活性剤としては、アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびコハク酸系界面活性剤などが挙げられるが、中でも、アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤またはコハク酸系界面活性剤から1種以上選択して含んでなることが好ましい。その中でも、アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤を選択することが好ましい。これは、アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤は、非常に安定性が高く、よりぬれ性の改善効果を持続的に発揮することができるため、非浸透性の記録媒体に対する筆記性や、重ね書き性をさらに向上させることができるため、好ましい。
前記アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤としては、例えば、アセチレンアルコール系界面活性剤、およびアセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。特に、アセチレングリコール系界面活性剤は、筆記後の筆記線の揮発性、すなわち乾燥性に優れることで、短時間で耐擦性を付与することができるため、好ましい。
さらに、アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤のHLB値については、ぬれ性をより向上させることを考慮すれば、HLB値が7以上であることが好ましい。さらにHLB値が10以上であると、水性インキ組成物中での親水性が強くなり、水に対して溶解しやすく、経時安定性が安定する傾向にあり、長期に渡り、アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤の効果を保つことができるため、好ましい。
前記コハク酸系界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸、ジアルキルスルホコハク酸塩である、アルキルスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸塩などが挙げられる。
水性インキ組成物が、界面活性剤を2種以上含んでなる場合、異なるHLB値を示す界面活性剤を選択して用いると、非浸透性の記録媒体に対する筆記性および重ね書き性を、より向上させることができるため、より好ましい。これは、異なるHLB値を示す界面活性剤を、水性インキ組成物に用いることで、水性インキ組成物の親水性と親油性のバランスが良好に保たれ、異なる表面状態の記録媒体面(例えば、フィルム自体の表面とフィルム上にある筆記線などの表面)をまたいで筆記した場合においても、記録媒体上に良好な筆記線を残すことができるためと推測する。異なるHLB値について、具体的には、上記効果を考慮すれば、HLB値1〜9の範囲の界面活性剤と、HLB値10〜20の範囲の界面活性剤とをそれぞれ含むことが好ましく、より考慮すれば、HLB値5〜9の範囲の界面活性剤と、HLB値10〜15の範囲の界面活性剤とをそれぞれ含むことが好ましい。
本発明において、特には、フッ素系界面活性剤とアセチレン結合を構造中に有した界面活性剤とを併用し、更に、着色剤に光輝性顔料粒子を用いる場合、上記効果を強く発現できるため、好ましい。
水性インキ組成物における前記界面活性剤の総含有量は、非浸透性の記録媒体に対するぬれ性を改善し、該非浸透性の記録媒体に対する筆記性や重ね書き性を向上することを考慮すれば、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.01〜2質量%であることが好ましく、より重ね書き性の向上やインキ経時安定性を考慮すれば、0.1〜1.5質量%であることがより好ましく、より考慮すれば、0.1〜1.2質量%であることがより好ましい。
(エラストマー)
水性インキ組成物は、エラストマーを含んでなり、前記エラストマーが、スチレンーブタジエンエラストマーとアクリル系エラストマーの中から1種以上選択して含んでなる。前記スチレン−ブタジエンエラストマーおよびアクリル系エラストマーは、水性インキ組成物の定着性を向上させ、フィルムなどの非浸透性の記録媒体に対する筆記線の耐擦性を向上させることができる。筆記線に弾力性をもたらし、筆記した記録媒体を折り曲げるなどしても、筆記線割れを抑制しやすい(曲げ強度)効果も付与できるという点からは、スチレンーブタジエンエラストマーを含むことが好ましい。また、前記エラストマーは、そのままインキ中に含有させても良く、予め溶媒中に安定に分散させたエマルジョンとして、含有させても良い。
スチレン−ブタジエンエラストマーについては、筆記線の定着性や経時安定性、および、着色剤に顔料を用いた場合の前記顔料の再分散性を考慮すれば、スチレン−ブタジエンエラストマーの平均粒子径は300nm以下であるものが好ましく、より好ましくは200nm以下である。スチレン−ブタジエンエラストマーの平均粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
スチレン−ブタジエンエラストマーのpHは、5〜10であることが好ましく、さらには、6〜9であることが好ましい。スチレンブタジエン−エラストマーのpHが上記数値範囲内であれば、着色剤に顔料を用いた場合、該顔料の分散性の低下を防止することができる。また、着色剤に光輝性顔料粒子を用いた場合には、該光輝性顔料粒子の腐食をも防止することができる。
スチレン−ブタジエンエラストマーを、溶媒中に安定に分散させたエマルジョンとして用いる場合は、該スチレン−ブタジエンエラストマーエマルジョンの粘度は、25℃において、100〜350mPa・sであることが好ましい。スチレン−ブタジエンエラストマーエマルジョンの粘度が、上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物をマーキングペンなどの筆記具に使用した場合、前記インキ組成物が、ペン先の筆記先端部に供給到達されるまでの時間が短くなるため、インキ吐出性が向上し、浸透性および非浸透性の両記録媒体に対する筆記性を向上させることができる。また、スチレン−ブタジエンエラストマーを構成する全体量に対して、スチレンの含有量は60mol%以下のものが好ましく、50mol%以下であるものがより好ましい。
前記エラストマーの分子量は特に限定されず、目的とする水性インキ組成物の物性に応じて、例えば重量平均分子量が1,000以上であるものが好ましい。また、一方で重量平均分子量は1,000,000以下であるものを用いることができる。
前記エラストマーのガラス転移温度(Tg)は、1〜70℃であることが好ましく、2〜60℃であることがより好ましく、さらには、2〜20℃であることが好ましい。前記エラストマーのガラス転移温度が上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物、およびそれを用いて形成された筆記線の発色性、筆記線の定着性および耐擦性を向上させることができる。なお、エラストマーのTgは、示差走査熱量測定により求めることができる。
水性インキ組成物における前記エラストマーの含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.1〜15.0質量%であることが好ましく、0.1〜8.0質量%であることがより好ましく、0.1〜6.5%であることがさらに好ましい。エラストマーの含有量が上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物のハードケーキ化を防止し、着色剤に顔料を用いた場合、該顔料の再分散性を向上させることができる。特に、比重が高い金属類を含んだ酸化チタン顔料粒子や光輝性顔料粒子を用いた場合、その効果を強く発現できるため好ましい。また、上記配合比である水性インキ組成物をマーキングペンなどの筆記具に使用した場合、フィルムなどの非浸透性の記録媒体に対する筆記性を向上させ、筆記線の定着性および曲げ強度をも向上させることができる。
(セルロース誘導体)
水性インキ組成物は、セルロース誘導体を含んでなることが好ましい。セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロースおよびそれらの塩などが挙げられる。これらのうちカルボキシメチルセルロースは、着色剤に顔料を用いた場合、水性インキ組成物のハードケーキ化ならびに、前記顔料の再分散性の低下を防止することができるため好ましく、特に、比重が高い金属類を含んだ酸化チタン顔料粒子や光輝性顔料粒子を用いた場合、その効果を強く発現できるため好ましい。これは、カルボキシメチルセルロースに含まれるカルボキシル基が、前記顔料に吸着しやすく、該顔料同士の凝集を阻害することが理由であると考えられる。さらに、カルボキシメチルセルロースは、水性インキ組成物中での溶解性が良好でもあるため好ましい。
さらに、より水性インキ組成物のハードケーキ化ならびに前記顔料の再分散性の低下を防止することを考慮すれば、カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量は50,000以下であるものが好ましく、より考慮すれば、前記重量平均分子量は35000以下であることが好ましい。さらに、前記セルロール誘導体のセルロース鎖の平均重合度については、筆記性と水性インキ組成物のハードケーキ化ならびに、前記顔料の再分散性を考慮すれば、前記平均重合度は50〜300であることが好ましい。これは、前記平均重合度が300以下であると、インキ粘度が高くなりやすくなることを防ぎ、非浸透性の記録媒体に対する筆記性を良好に保つことができる。前記平均重合度が50以上であると、水性インキ組成物のハードケーキ化を防止し、前記顔料の再分散性を良好に保つことができる。より上記を考慮すれば、前記平均重合度は100〜250であることが好ましい。
また、インキ中での溶解安定性を考慮すれば、カルボキシメチルセルロースのエーテル化度は、0.65〜0.0.85であるものを用いることが好ましい。
水性インキ組成物におけるセルロース誘導体の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.1〜10.0質量%であることが好ましく、0.5〜5.0質量%であることがより好ましい。セルロース誘導体の含有量が上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物のハードケーキ化を防止し、前記顔料の再分散性を向上することができる。また、上記配合比のインキ組成物をマーキングペンなどの筆記具に使用した場合、非浸透性の記録媒体において、色わかれやかすれることなどなく良好な筆記線を得ることができるとともに、得られる筆記線の耐擦性を向上させることができる。
本発明においては、前記エラストマーと前記セルロース誘導体を併用することが特に好ましい。エラストマーとセルロース誘導体を併用した水性インキ組成物では、水性インキ組成物のハードケーキ化を防止し、着色剤に顔料を用いた場合、前記顔料の再分散性を更に向上することができるともに、前記水性インキ組成物をマーキングペンなどの筆記具に使用した場合、非浸透性の記録媒体に対する筆記性を更に向上させることが可能となる。
前記エラストマーと前記セルロース誘導体の総含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.01〜25質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましく、0.1〜10質量%であることがさらに好ましい。エラストマーとセルロース誘導体の総含有量が上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物のハードケーキ化を防止し、着色剤に顔料を用いた場合、前記顔料の再分散性を向上させることができる。特に、比重が高い金属類を含んだ酸化チタン顔料粒子や光輝性顔料粒子を用いた場合、その効果を強く発現することができるため、好ましい。
さらに、前記エラストマーと前記セルロース誘導体の総含有量が上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物の粘度を、20℃、剪断速度380sec−1、回転速度100rpmにおいて、1〜50mPa・sに設定しやすく、前記インキ組成物をマーキングペンなどの筆記具に使用した場合、前記インキ組成物がペン先の筆記先端部に供給到達されるまでの時間が短くなり、インキ吐出性が向上する。そのため、非浸透性の録媒体に対する筆記性を向上させることができる。
また、前記セルロース誘導体に対する、前記エラストマーの配合比は、質量基準で、0.1〜10倍であることが好ましく、0.3〜5倍であることがより好ましく、さらに好ましくは、1〜3倍である。セルロース誘導体に対する、エラストマーの配合比が、上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物をマーキングペンなどの筆記具に用いた場合、非浸透性の記録媒体に対する筆記線の耐擦性を向上させることができる。
また、着色剤に光輝性顔料粒子を用いた場合、前記光輝性顔料粒子に対する、前記エラストマーとセルロース誘導体の総量との配合比は、質量基準で、0.01〜5.0倍である。より好ましくは、0.1〜2.5倍であり、さらに好ましくは、0.5〜2.0倍である。配合比が上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物のハードケーキ化を防止し、前記顔料粒子の再分散性を向上させることができる。さらに、配合比が上記数値範囲内であれば、前記エラストマーによって、前記光輝性顔料粒子の光輝性が遮られることなく、水性インキ組成物、およびそれを用いて形成された筆記線に高い光輝性を与えることができる。また、前記光輝性顔料粒子の非浸透性の記録媒体に対する定着性を向上することができるため、筆記線の耐擦性をも向上することができる。
(溶媒)
溶媒としては、水、および水と有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。水としては、イオン交換水、蒸留水および水道水などの慣用の水を用いることができる。また、水と有機溶剤との混合溶媒を用いる場合、有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ミネラルスピリットなどを用いることができる。なお、有機溶剤の含有率は、溶媒の総質量に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
水性インキ組成物における溶媒の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、20〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。溶媒の含有量は、上記数値範囲内であれば、前記水性インキ組成物の安定性を保つことができるとともに、良好な筆記性能を得ることができる。
(ポリオレフィン樹脂粒子)
水性インキ組成物は、ポリオレフィン樹脂を含んでなることが好ましい。水性インキ組成物が、ポリオレフィン樹脂を含むことで、この水性インキ組成物をマーキングペンなどの筆記具に用いて筆記を行った場合に、形成される筆記線に対し、より高い滑性と、それに伴う高い耐擦性を付与することができる。特に、非浸透性の記録媒体に対する筆記線の耐擦性の向上に効果的である。また、本発明で用いられるエラストマーは、筆記線の定着性を向上させる効果もあるため、本発明において、ポリオレフィン樹脂粒子と併用することは、より筆記線の耐擦性を向上させることができるため、特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂粒子の材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。ポリエチレンを用いる場合には、低密度ポリエチレン、直鎖状低分子ポリエチレン、高密度ポリエチレン、変性ポリエチレン、変性高密度ポリエチレンなどを用いることができる。これらのポリオレフィンの分子量は特に限定されないが、例えば重量平均分子量が500〜10000であるポリオレフィンが好ましく、重量平均分子量が3000〜8000であることがさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂粒子の重量平均分子量が上記数値範囲内であれば、この水性インキ組成物をマーキングペンなどの筆記具に用いて筆記を行った場合に、形成される筆記線に対し、より高い滑性と、それに伴う高い耐擦性を付与することができる。ポリオレフィン樹脂粒子は、必要に応じてポリオレフィン以外の材料を含んでいてもよい。
ポリオレフィン樹脂粒子の形状は、特に限定されず、球状、針状、板状、方形など任意の形状をとることができるが、球状形状であると、摩擦抵抗が小さくなる傾向にあることから、より高い滑性を筆記線に付与しやすいため、球状であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子径は、0.1〜35μmであることが好ましい。ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子径が上記数値範囲内であれば、この水性インキ組成物をマーキングペンなどの筆記具に用いて筆記を行った場合に、形成される筆記線に対し、より高い滑性と、それに伴う高い耐擦性を付与することができる。また、着色剤に光輝性顔料粒子を用いた場合、高い耐擦性を付与しつつ、水性インキ組成物、およびその筆記線の光輝性も維持することができる。このような観点からは、ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子径は、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.5μm〜10μmであることがさらに好ましく、0.5μm〜5μmであることが特に好ましい。ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子径は、コールターカウンター法により測定することができる。
水性インキ組成物におけるポリオレフィン樹脂粒子の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましく、0.1〜1.5質量%であることがさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂粒子の含有量が上記数値範囲内であれば、ペン先からのインキ吐出性を維持することができるとともに、筆記線に対し、より高い滑性を付与することができる。また、着色剤に光輝性顔料粒子を用いた場合には、上記効果を維持しつつ、水性インキ組成物、およびそれを用いて形成された筆記線の光輝性を維持することができるため、好ましい。
また、着色剤に光輝性顔料粒子を用いた場合、前記光輝性顔料粒子に対する、ポリオレフィン樹脂粒子の配合比は、質量基準で0.01〜1.0倍であることが好ましく、0.05〜0.5倍であることがより好ましい。配合比が上記数値範囲内であれば、水性インキ組成物、およびそれを用いて形成された筆記線の光輝性を維持することができるとともに、筆記線に対し、さらに高い滑性を付与することができる。
(水溶性アクリルポリマー)
水性インキ組成物は、水溶性アクリルポリマーを含んでなることが好ましい。本発明において水溶性アクリルポリマーとは、繰り返し単位にアクリル酸またはメタクリル酸を含み、側鎖に水溶性基を有するものである。この水溶性基は、アクリル酸またはメタクリル酸に由来するカルボキシル基であっても、またそれ以外の水溶性基であってもよい。水性インキ組成物に水溶性アクリルポリマーを含有させることにより、筆記線の定着性を向上させ、筆記線の耐擦性をさらに向上させることができる。さらに、水溶性アクリルポリマーがカルボキシル基を有することが好ましい。これは、このような水溶性アクリルポリマーは、着色剤に顔料を用いた場合、前記顔料に吸着して該顔料同士の凝集を阻害するので、それらのハードケーキ化ならびに再分散性の低下を防止することができるためである。特に、比重が高い金属類を含んだ酸化チタン顔料粒子や光輝性顔料粒子を用いた場合、その効果を強く発現できるため好ましい。特に、上記したエラストマーと前記水溶性アクリルポリマーを併用することで、その効果が強く発現するため好ましい。
水溶性アクリルポリマーとしては、水溶性アクリル樹脂、および水溶性スチレン−アクリル樹脂などを用いることができる。これらのポリマーの分子量は特に限定されないが、例えば重量平均分子量が1000〜100000であるものが好ましい。
水性インキ組成物における水溶性アクリルポリマーの含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.1〜7質量%であることが好ましく、0.3〜5質量%であることがより好ましい。
(消泡剤)
水性インキ組成物は、消泡剤を含んでなることが好ましい。これは、水性インキ組成物を製造する際、巻き込こんだ気泡を抜けやすくし、筆跡に気泡を残さず、ピンホールの発生を防止することができるためである。消泡剤としては、シリコーン系、ポリエーテル系、アセチレングリコール系、アクリル系重合物系などが挙げられるが、ポリエーテル系やシリコーン系の消泡剤を含んでなることが好ましい。さらには、表面張力や水との界面張力とも低く、泡膜に進入し拡散しやすく、優れた消泡効果を発揮しやすいシリコーン系消泡剤を含んでなることがより好ましい。
本発明において、着色剤に光輝性顔料粒子を用いる場合、前記光輝性顔料粒子の金属粉の形状が、針状、板状、方形などのものがあり、インキ製造時に気泡を巻き込みやすく、抜けにくい傾向があるため、消泡剤を含んでなることで前記効果を顕著に得ることができるため、好ましい。
水性インキ組成物における消泡剤の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.0001〜0.1質量%であることが好ましく、0.0005〜0.05質量%であることがより好ましく、0.001〜0.01質量%であることがさらに好ましい。消泡剤の含有量が上記数値範囲内であれば、インキ中に気泡を巻き込んでしまった場合でも、消泡剤の効果が効果的に働き、筆記線に気泡が残らず、良好な筆記線を得ることができる。
(その他)
また、水性インキ組成物は、必要に応じて、防菌剤、防錆剤、pH調整剤、剪断減粘性付与剤、および粘度調整剤などを含んでいてもよい。
(筆記具用水性インキ組成物)
本発明による水性インキ組成物の粘度は、20℃、剪断速度380sec−1、回転速度100rpmにおいて、1〜50mPa・sであることが好ましく、3〜30mPa・sであることがより好ましい。水性インキ組成物の粘度が上記数値範囲内であれば、マーキングペンなどの筆記具に使用した場合、ペン先の筆記先端部に、前記インキ組成物が供給到達されるまでの時間が短くなり、インキ吐出性を向上させることができる。特にフィルムなどの非浸透性の記録媒体に対する筆記性の向上を考慮すると、5〜15mPa・sであることがより好ましい。なお、粘度の測定はE型回転粘度計(ブルックフィールド社製)を用いて行うことができる。
本発明による水性インキ組成物の20℃における粘性指数nは、0.7〜1.0であることが好ましく、0.80〜1.00であることが好ましく、さらに0.85〜0.98であることが好ましい。ここで、粘性指数nは、S=αDで示される粘性式中のnを指す。なお、Sは剪断応力(dyn/cm=0.1Pa)、Dは剪断速度(s−1)、αは粘性係数を示す。粘性指数nは、E型回転粘度計(DV−II+Pro、コーン型ローターCPE−42、ブルックフィールド社製)を用いてインキ粘度を測定して、算出することができる。水性インキ組成物の粘性指数nが上記数値範囲内であれば、マーキングペンなどの筆記具に使用した場合のインキ吐出性を向上させることができ、フィルムなど非浸透性の記録媒体への筆記性を向上させることができる。
水性インキ組成物のpHは、6.0〜10.0であることが好ましく、7.0〜9.0で あることがより好ましい。水性インキ組成物のpHが上記数値範囲内であれば、インキ中で着色剤、エラストマー、フッ素系界面活性剤などが安定し、さらに着色剤に光輝性顔料粒子を用いた場合、該顔料粒子が腐食してしまったり、分散性が低下してしまったりすることを防止することができる。本発明において、pHの値は、例えばIM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)により20℃にて測定することができる。
水性インキ組成物の表面張力は、20℃環境下において、10〜35mN/mが好ましい。これは、35mN/m以下であれば、筆記線の滲みや、紙への裏抜けを防ぐことができる傾向にあり、10mN/m以上であれば、非浸透性の記録媒体への筆記時に、かすれたり、色わかれしたりすることがなく、良好な筆記線が得られるとともに、筆記線の乾燥性を向上させることができる傾向にある。よりその傾向を考慮すれば、水性インキ組成物の表面張力は、22〜33mN/mが好ましい。特に、本発明においては、アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤とフッ素系界面活性剤を併用することで、水性インキ組成の表面張力の値を上記範囲に設定しやすいため、より好ましい。
なお、表面張力は、20℃環境下において、協和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、白金プレートを用いて、垂直平板法によって測定して求められる。
(水性インキ組成物の製造方法)
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、プロペラ攪拌、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
(筆記具)
本発明の水性インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップなどのペン芯またはボールペンチップなどをペン先としたマーキングペンやボールペン、金属製のペン先を用いた万年筆などの筆記具に用いることができる。その中でも、フィルムなど非浸透性の記録媒体に対する筆記性を良好にするには、ペン芯が繊維チップ、フェルトチップであることが好ましい。特には、マーキングペンに用いることが好ましい。また、前記ペン芯の気孔率は、50〜80%とすることが好ましい。前記ペン芯の気孔率が上記数値範囲内であれば、シリカ被覆金属顔料粒子の目詰まりがなく、適切なインキ吐出量および筆記線の光輝性を維持することができる。
特に、前記ペン芯の気孔率を50〜80%とし、水性インキ組成物に、アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤、またはコハク酸系界面活性剤から、1種以上選択して用い、水性インキ組成物の粘度を、20℃、剪断速度380sec−1、回転速度100rpmにおいて、1〜50mPa・sとした場合では、水性インキ組成物が、ペン先の筆記先端部へ供給到達されるまでの時間が短くなり、非浸透性の記録媒体に対する筆記性を向上させることができるため、好ましい。
本発明の筆記具は、水性インキ組成物を直に充填する構成のものであってもよく、水性インキ組成物を充填することのできるインキ収容体またはインキ吸蔵体を備えるものであってもよい。
本発明の筆記具は特に限定されず、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式筆記具であってもよく、ペン先を軸筒内に収容可能な出没式筆記具であってもよい。前記出没式筆記具のペン先の出没機構は、ノック式、回転式およびスライド式などが挙げられる。
また、筆記具におけるインキ供給機構についても特に限定されるものではなく、例えば、(1)繊維束などからなるインキ誘導芯をインキ流量調節部材として備え、水性インキ組成物をペン先に供給する機構、(2)櫛溝状のインキ流量調節部材を備え、これを介在させ、水性インキ組成物をペン先に供給する機構、(3)弁機構によるインキ流量調節部材を備え、水性インキ組成物をペン先に供給する機構、および(4)ペン先を具備したインキ収容体または軸筒より、水性インキ組成物を直接、ペン先に供給する機構などを挙げることができる。
一実施形態において、筆記具は、マーキングペンであり、ペン先は、特に限定されず、例えば、繊維チップ、フェルトチップまたはプラスチックチップなどであってよく、さらに、その形状は、砲弾型、チゼル型または筆ペン型などであってよい。
一実施形態において、筆記具は、ボールペンであり、インキ逆流防止体を備えてなることが好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
下記原材料および配合量にて、25℃で20分間、攪拌機を用いて、混合、溶解することにより、筆記具用水性インキ組成物を得た。得られた水性インキ組成物の粘度をE型回転粘度計(DV−II+Pro、コーン型ローターCPE−42、ブルックフィールド社製)により測定した。具体的には、20℃、剪断速度380sec−1(回転速度100rpm)における粘度は8.58mPa・sであった。さらに、IM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃にて水性インキ組成物のpHを測定した結果、pHは8.0であった。
また、実施例1のシリカ被覆金属顔料粒子に対する、前記凝集コントロール剤の配合比が、質量基準で1.1倍であった。
また、得られた水性インキ組成物の表面張力を、表面張力計測器(20℃環境下、垂直平板法、協和界面科学株式会社製)により測定したところ、29.6mN/m
であった。

・着色剤(光輝性顔料粒子) 12質量%
(シリカ被覆板状アルミニウム粒子、平均粒子径:7μm、アスペクト比:25、シリカ被覆量:14質量部、固形分:40%、東洋アルミ株式会社製、商品名:EMR−D6390)
・エラストマー 7.5質量%
(スチレン−ブタジエンエラストマー、固形分:46%、Tg:5℃、旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:L−1924)
・セルロース誘導体 1.75質量%
(カルボキシメチルセルロース、固形分:100%、エーテル化度:0.70〜0.80、第一工業製薬株式会社製、商品名:セロゲン5A)
・ポリオレフィン樹脂粒子 1質量%
(低分子ポリエチレン、球状粒子、平均粒子径:1μm、固形分:40%、重量平均分子量:6000、三井化学株式会社製、商品名:ケミパールW401)
・水溶性アクリルポリマー 3質量%
(固形分:30%、富士色素株式会社製、商品名:A−29 NH3)
・界面活性剤 0.01質量%
(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物フッ素系界面活性剤、有効成分:100%、HLB値:8.5、表面張力16.8mN/m、DIC社製)
・界面活性剤 0.5質量%
(アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学工業株式会社製、商品名:オルフィンEXP4200、有効成分75%)
・防菌剤 0.5質量%
ロンザジャパン株式会社製、商品名:プロキセルXL−2)
・消泡剤 0.005質量%
(東レ・ダウコーニング社、商品名:アンチフォーム013A、有効成分25%)
・水道水 73.735質量%
(実施例2〜18、比較例1〜3)
実施例1に対して、配合する成分の種類や添加量を表1に示したとおりに変更して、実施例2〜18、比較例1〜3のインキ組成物を得た。これらの例で使用した材料の詳細は以下の通りである。
また、実施例11、15で得られた水性インキ組成物の粘度を、実施例1と同様にE型回転粘度計(DV−II+Pro、コーン型ローターCPE−42、ブルックフィールド社製)により測定した。
実施例11:剪断速度380sec−1(回転速度100rpm)における粘度は9.22mPa・sであり、剪断速度456sec−1(回転速度120rpm)における粘度は9.00mPa・sであった。これらの粘度から粘性指数は0.87と算出された。
実施例15:剪断速度380sec−1(回転速度100rpm)における粘度は8.13mPa・sであり、剪断速度456sec−1(回転速度120rpm)における粘度は7.95mPa・sであった。これらの粘度から粘性指数は0.88と算出された。
また、実施例9で得られた水性インキ組成物の表面張力を、実施例1と同様に、表面張力計測器(20℃環境下、垂直平板法、協和界面科学株式会社製)により測定したところ、16.1mN/mであった。

<着色剤(光輝性顔料粒子)>
Rotosafe Aqua 260 003 Silver(エカルト社製、固形分95 %、活性剤処理、平均粒子径:10μm)
<着色剤(補色顔料)>
SP4359(富士色素株式会社製、固形分:23%)
SP5658(富士色素株式会社製、固形分:23%)
<エラストマー>
ジョンクリルPDX−7341(BASFジャパン株式会社製、アクリル系エラストマー、Tg:15℃、固形分:49%)
<セルロース誘導体>
サンヘックL(株式会社三晶社製、ヒドロキシエチルセルロース、固形分100%)
<界面活性剤>
メガファックF410(DIC社製、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩フッ素系界面活性剤、有効成分:100%、表面張力23.7mN/m)
エアロゾールOT−100 (サイテックインダストリージャパン社製、ジオクチル スルホコハク酸ナトリウム、有効成分:100%)
<経時試験>
実施例1〜18および比較例1〜3の水性インキ組成物を、直径15mmの密開閉ガラス試験管に入れて、常温にて14日間放置した。その後、一度沈降した各ガラス試験管を上下に振とうして、水性インキ組成物の再分散状態を目視により観察した。下記基準に従って、凝集状態を評価した。得られた評価結果を表1〜表3にまとめた。評価の基準は以下の通りとした。
A:振とうにより、容易に、顔料が再分散されたもの
B:振とうにより、顔料が再分散されたもの
C:振とうにより、時間をかけて、顔料が再分散されたもの
D:振とうしても、顔料が十分に再分散しないもの
<ペン先の筆記先端部へのインキ到達性試験>
ペン先を具備したマーキングペンのインキ収容体に、実施例1〜18、および比較例1〜3で得られた水性インキ組成物を充填し、ペン先に水性インキ組成物を染み込ませたときの、ペン先先端までのインキ到達時間を下記、基準に従って、評価した。評価結果を表1〜表3にまとめた。なお、ペン先には、気孔率65%の砲弾型ポリエステル繊維芯のペン芯を用いた。
A:ペン先の筆記先端部に、容易に、インキが到達したもの
B:ペン先の筆記先端部に、インキが到達したもの
C:ペン先の筆記先端部に、時間をかけて、インキが到達したもの
D:ペン先の筆記先端部に、インキが到達しなかったもの
<重ね書き性試験>
市販の水性顔料マーキングペン(白色系インキのマーキングペン)を用いて、ポリプロピレン製シート上に筆記を行い、得られた筆記線の上から、ペン先の筆記先端部へのインキ到達性試験にて使用したマーキングペンにより、重ね書きを行い、得られた筆記線を目視により、下記基準に従って、評価した。評価結果を表1〜表3にまとめた。
A:筆記線が、色が混じり合ったり、線縮みを起こしたりすることなどがなく、良好に重ね書きが可能なもの
B:筆記線が、若干、色が混じり合ったり、線縮みを起こしたりすることなどがあるが、実用上問題がないもの
C:筆記線が、色が混じり合ったり、線縮みを起こしたりすることなどがあるが、実用可能なもの
D:筆記線が、色が混じり合ったり、線縮みを起こしたりすることなどがあり、実用上懸念があるもの
<筆記性試験>
ペン先の筆記先端部へのインキ到達性試験にて使用したマーキングペンにより、筆記試験用紙及びポリプロピレン製シート上に筆記を行い、それぞれの筆記線を目視により、下記基準に従って、評価した。評価結果を表1〜表3にまとめた。なお、筆記試験用紙としてJISP3201筆記用紙Aを用いた。
A:筆記線が、かすれ、色薄、色わかれなく、良好なもの
B:筆記線が、若干、かすれ、色薄、色わかれがあるが、実用上問題がないもの
C:筆記線が、かすれ、色薄、色わかれがあるが、実用可能なもの
D:筆記線が、かすれ、色薄、色わかれ別れがあるが、実用上懸念があるもの
E:インキがペン先より出ず、筆記不可能なもの
<耐擦性試験>
ペン先を具備したマーキングペンのインキ収容体に、実施例1〜18、および比較例1〜3でで得られた水性インキ組成物を充填し、ペン先に水性インキ組成物を染み込ませた。ペン先には、気孔率65%の砲弾型ポリエステル繊維芯のペン芯を用いた。このマーキングペンにより、筆記試験用紙及びポリプロピレン製シート上に筆記を行った。この筆記線を1日放置後、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業社製)を用いて、荷重200g下・綿布にて50往復擦り、擦った後の筆記線を初期の筆記線と比べて、下記基準に従って、耐擦性を評価した。評価結果も表1〜表3にまとめた。なお、筆記試験用紙としてJISP3201筆記用紙Aを用いた。
評価の基準は以下の通りとした。
A:筆記線の剥離がないもの
B:筆記線の剥離が若干あるものの実用上問題がないもの
C:筆記線の剥離があるが、実用可能なもの
D:筆記線の剥離があり、実用上懸念があるもの
E:筆記線の剥離が多く、実用上非常に懸念があるもの
Figure 0006744716
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Claims (9)

  1. 着色剤と、フッ素系界面活性剤と、エラストマーと、溶媒と、ポリオレフィン樹脂粒子と、を含んでなり、前記エラストマーが、スチレン−ブタジエンエラストマーまたはアクリル系エラストマーから1種以上選択されたことを特徴とする、筆記具用水性インキ組成物。
  2. セルロース誘導体を更に含んでなる、請求項1に記載の組成物。
  3. 界面活性剤(フッ素系界面活性剤は除く)を更に含んでなり、前記界面活性剤が、アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤とコハク酸系界面活性剤から1種以上選択された、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記フッ素系界面活性剤のHLB値が、5〜15である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 水溶性アクリルポリマーを更に含んでなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記エラストマーのガラス転移温度(Tg)が、1〜70℃である、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記着色剤が、光輝性顔料粒子である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 粘度が、20℃、剪断速度380sec−1、回転速度100rpmで、1〜50mPa・sである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物を収容してなることを特徴とする、筆記具。
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