JP3569814B2 - 筆記板用水性マーキングペンインキ - Google Patents
筆記板用水性マーキングペンインキ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3569814B2 JP3569814B2 JP32957995A JP32957995A JP3569814B2 JP 3569814 B2 JP3569814 B2 JP 3569814B2 JP 32957995 A JP32957995 A JP 32957995A JP 32957995 A JP32957995 A JP 32957995A JP 3569814 B2 JP3569814 B2 JP 3569814B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- marking pen
- ink
- weight
- based marking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は筆記板用水性マーキングペンインキに関し、詳細にはホワイトボードと通称されているホーローや合成樹脂製の白板面を有する筆記板面に筆記された筆跡が、軟質の紙や布等からなる乾式消去材により消去されるマーキングペン用の水性インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より筆記板用マーキングペンには有機溶剤ベースの油性インキが適用されているが、使用時の臭気や安全性の問題から近年筆記板マーキングペン用の水性インキについて種々の提案されてきている(例えば、特公平6−4805,特開平1−174577,同2−117975,同3−62863号等)。しかしながら、筆記板用水性マーキングペンインキには以下のような問題点がある。
世間一般での前記ホワイトボードの使用状況は、各種の筆記板用マーキングペンが混用されているのが実情である。
この場合、筆記板用水性マーキングペンでの筆記は、さらの板面又はクリーニングされた板面上では問題ないが、一旦油性マーキングペンが使用され、その筆跡が乾式消去された後の板面では、油性インキ中の油分が板面に薄膜となって付着して残るので、その後の水性マーキングペンでの筆跡ははじいたり、ちぢれたりした不良状態になる傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
筆記板用マーキングペンとして油性マーキングペンが先行して汎用されている現状では、油性マーキングペンと混用されても前記の筆跡の不良化の問題が発生しないような水性マーキングペンが望まれる。本発明はこのような要求を満足する水性マーキングペンに適用される筆記板用水性マーキングペンインキを提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の筆記板用水性マーキングペンインキは、必須成分として着色剤、水溶性樹脂、剥離剤、濡れ剤及び水を含む組成であって、前記濡れ剤は(A)ポリエーテル変性シリコーン及びフッ素系界面活性剤から選ばれる1種以上と(B)アセチレングリコール類及びそれらのエチレンオキサイド付加物から選ばれる1種以上との併用である組成の水性インキである。
ここで、剥離剤とはインキが筆記板面に強固に付着するのを妨げ、その筆跡の乾式消去材での消去を容易にするための成分であり、濡れ剤はインキの筆記板面への「のり」を良好にするための成分である。
【0005】
前記着色剤としてはアゾ系、アンスラキノン系、縮合ポリアゾ系、チオインジゴ系、金属錯塩系、フタロシアニン系、ペリノン・ペリレン系、ジオキサジン系及びキナクリドン系等の有機顔料、カーボンブラック、酸化鉄、チタン白等の無機顔料、及び蛍光顔料等が用いられ、インキ組成中0.5乃至15重量%、好ましくは1乃至10重量%の範囲で用いられる。
【0006】
水溶性樹脂としては部分けん化ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、酢酸ビニル−ビニルアルコール−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−ビニルアルコール−メタクリル酸エステル共重合体等が用いられ、インキ組成中0.1乃至15重量%、好ましくは1乃至10重量%の範囲で用いられる。
【0007】
剥離剤としてはポリアルキレングリコール脂肪酸ジエステル、脂肪酸ポリアルキレングリコールエーテルエステル、ジカルボン酸ビス(ポリアルキレングリコールエーテル)エステル、脂肪酸アルキルエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等があり、インキ中に溶解又は乳化の状態で用いられる。これら剥離剤はインキ組成中0.5乃至15重量%、好ましくは1乃至10重量%の範囲で用いられる。
【0008】
濡れ剤は(A)ポリエーテル変性シリコーン及びフッ素系界面活性剤から選ばれる1種以上と(B)アセチレン誘導体の1種以上との併用である。
ポリエーテル変性シリコーンの市販品の具体例としては、信越化学工業(株)製品KF−351,KF−352,KF−353,KF−615、日本ユニカー(株)製品シルウェットL−77,L−7001,L−7600,L7607、東レダウコーニング(株)製品SH3746,SH3749,SH3771、東芝シリコーン(株)製品TSF−4452,TSF−4445等があげられる。これらポリエーテル変性シリコーンはインキ組成中0.1乃至3重量%好ましくは0.1乃至1.5重量%の範囲で用いられる。
フッ素系界面活性剤の市販品の具体例としては、住友スリーエム(株)製品フロラードFC−129,FC−170C,FC135、旭硝子(株)製品サーフロンS−141、大日本インキ化学工業(株)製品メガファックF−812,F−833、三菱マテリアル(株)製品エフトップEF112,EF105,EF121等があげられる。これらフッ素系界面活性剤はインキ組成中0.01乃至0.5重量%、好ましくは0.01乃至0.3重量%の範囲で用いられる。
【0009】
前記成分(B)のアセチレン誘導体は2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール等のアセチレングリコール及びそれらのエチレンオキサイド付加物であり、それらの市販品の具体例としては川研ファインケミカル(株)製品アセチノールEL,EH,EO、日信化学工業(株)製品サーフィノールTG,61,440等があげられる。これらアセチレン誘導体はインキ組成中0.01乃至2重量%、好ましくは0.05乃至1重量%の範囲で用いられる。
【0010】
その他、必要に応じて顔料の分散、剥離剤の乳化又は可溶化のための助剤として公知の界面活性剤や樹脂を用いたり、筆跡の乾燥を早めるためにエタノール,プロパノール等の低級脂肪アルコールを少量添加してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
所定量の顔料分散体、樹脂水溶液及び水を混合し、生成した混合物をディスパーにかけて1時間攪拌し、次いで剥離剤、濡れ剤を添加して更に1時間攪拌して試料インキを得た。
【0012】
【実施例】
表1に実施例インキ及び比較例インキの組成を示す。組成の数値は重量部で表わされている。
【表1】
表中の原料の内容を注番号に沿って説明する。
(1)カーボンブラック10重量%、ポリビニルアルコール5重量%を含む水性顔料分散体
(2)アゾ系赤色顔料8重量%、ポリビニルアルコール5重量%を含む水性顔料分散体
(3)25%ポリビニルアセタール溶液(積水化学工業(株)製品名エスレックKW−10)
(4)10%ポリビニルアルコール(けん化度78.5〜81.5モル%、重合度500)水溶液
(5)ステアリン酸ブチルグリコールエーテルエステルの乳化物(有効成分30%)
(6)ジグリセリルジオレエートの乳化物(有効成分30%)
(7)ポリエーテル変性シリコーン(日本ユニカー(株)製品シルウエットL−7607)
(8)フッ素系界面活性剤(住友スリーエム(株)製品フロラードFC−170C)
(9)フッ素系界面活性剤(旭硝子(株)製品サーフロンS−141)
(10)川研ファインケミカル(株)製品アセチノールEL
(11)日信化学工業(株)製品サーフィノール440
【0013】
尚、比較例1乃至3インキは、濡れ剤として前記成分(A)又は成分(B)の一方のみを配合したインキである。
前記インキ調製方法によって調製された各試料インキを、下記構造のマーキングペンに所定量充填して試料ペンとし、テストに供した。
前記マーキングペンは、アクリル繊維を樹脂で結束させてなるペン体を固着したペン体ホルダーを、内部にポリエステル繊維束からなるインキ吸蔵体を収容した円筒体の先端に嵌着させた構成である。
【0014】
前記各試料ペンについてクリーンな表面状態のホーローボード及び一旦ホワイトボード用油性マーキングペンで全面にマーキングして、乾式消去して表面に油分の薄膜が付着した状態のホーローボードに所定の文字及び線を描き、それらの筆跡について板面への濡れ性の良否を観察し、次いで100g荷重をかけた布で擦過し、筆跡が完全に消去されるのに要する擦過回数を測定した。
テスト結果を表2に示す。
【表2】
表中の評価の記号の内容は以下のとおり。
インキの板面への濡れ性(筆跡の状態)
○:はじきやちぢみは認められず良好
×:はじき、ちぢみがみられる
筆跡の消去性
○:5回未満の擦過で消去される
【0015】
【発明の効果】
テスト結果にみられるとおり、濡れ剤としてポリエーテル変性シリコーン、フッ素系界面活性剤(成分A)又はアセチレン誘導体(成分B)をそれぞれ単独で用いた比較例インキはいずれも、油性マーキングペンが使用された後の油分の付着した状態の板面では筆跡にはじき、ちぢみ現象が発生するが、本発明の筆記板用水性マーキングペンインキでは前記濡れ剤の両成分(A)及び(B)の相乗作用により前記油分の付着した板面でもはじきやちぢみのない良好な筆跡をもたらす。従って、現在市場に出回っている筆記板用油性マーキングペンと混用されても不具合なく使用できて実用性の高いものである。
Claims (2)
- 必須成分として着色剤、水溶性樹脂、剥離剤、濡れ剤及び水を含む組成であって、前記濡れ剤は(A)ポリエーテル変性シリコーン及びフッ素系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種と(B)アセチレングリコール類及びそれらのエチレンオキサイド付加物から選ばれるアセチレン誘導体の少なくとも1種との併用である筆記板用水性マーキングペンインキ。
- 前記成分(A)としてポリエーテル変性シリコーンが用いられる場合にはインキ組成中0.1乃至3重量%、フッ素系界面活性剤が用いられる場合にはインキ組成中0.01乃至0.5重量%、成分(B)はインキ組成中0.01乃至2重量%の範囲で用いられる請求項1記載の筆記板用水性マーキングペンインキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32957995A JP3569814B2 (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 筆記板用水性マーキングペンインキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32957995A JP3569814B2 (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 筆記板用水性マーキングペンインキ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09143417A JPH09143417A (ja) | 1997-06-03 |
JP3569814B2 true JP3569814B2 (ja) | 2004-09-29 |
Family
ID=18222933
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32957995A Expired - Fee Related JP3569814B2 (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 筆記板用水性マーキングペンインキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3569814B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040031424A (ko) * | 2002-10-07 | 2004-04-13 | (주)네오겟 | 마커펜용 컬러잉크 조성물 |
DE102009032615A1 (de) * | 2009-07-10 | 2011-01-20 | J. S. Staedtler Gmbh & Co. Kg | Tinte für Schreib-, Zeichen- und/oder Malgeräte sowie deren Verwendung |
JP6178180B2 (ja) * | 2013-09-12 | 2017-08-09 | 株式会社サクラクレパス | 油性マーキングペン用インキ組成物 |
JP6396766B2 (ja) * | 2013-11-12 | 2018-09-26 | 株式会社パイロットコーポレーション | マーキングペン |
JP6744716B2 (ja) * | 2015-12-29 | 2020-08-19 | 株式会社パイロットコーポレーション | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 |
-
1995
- 1995-11-24 JP JP32957995A patent/JP3569814B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09143417A (ja) | 1997-06-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4909536B2 (ja) | 水消去性インキ組成物 | |
JP2003221542A (ja) | 筆記板用水性マーキングペン及びそれに用いるインキ組成物 | |
JP3569814B2 (ja) | 筆記板用水性マーキングペンインキ | |
JPH05194903A (ja) | 筆記板用消去性インキ組成物 | |
JP6654604B2 (ja) | 筆記具用の水性顔料インキ組成物及び該インキ組成物を搭載した中綿式サインペン | |
US5981626A (en) | Washable coloring composition suitable for use in dry erase markers | |
JP3810895B2 (ja) | 油性マーキングペン用インキ組成物 | |
JP3160732B2 (ja) | 筆記板用固形筆記体 | |
JPH11124529A (ja) | 筆記板用水性マーキングペンインキ | |
JP3853032B2 (ja) | 油性マーキングペン用インキ組成物 | |
JP3897320B2 (ja) | 油性マーキングペン | |
JP3297820B2 (ja) | 筆記板用水性マーキングペンインキ | |
JP2909775B2 (ja) | 筆記板用水性マーキングペンインキ | |
US6039795A (en) | Ink composition for oil marking pen | |
JP4097634B2 (ja) | 経時消去性インキ組成物 | |
JP4063859B2 (ja) | 水性インキ組成物用水性顔料分散体、その製造方法および水性インキ組成物 | |
JP6396766B2 (ja) | マーキングペン | |
JP2012102174A (ja) | 筆記板用水性インク組成物 | |
JP4701541B2 (ja) | 油性黒色インキ | |
JPH09111177A (ja) | ボールペン用油性インキ組成物 | |
JP2020033497A (ja) | 筆記具用洗浄液 | |
JP2003192975A (ja) | 油性ボールペン用インキ組成物 | |
JP3890130B2 (ja) | 油性マーキングペン用赤色インキ組成物 | |
JPH07207212A (ja) | 筆記板用水性マーキングペンインキ | |
JPH0873796A (ja) | 油性黒色インキ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040506 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040601 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040608 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100702 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120702 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120702 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |