JP3810895B2 - 油性マーキングペン用インキ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油性マーキングペン用インキ組成物に関し、詳しくは、金属、プラスチック等の非吸収面に筆記した際の塗膜の定着性に優れた油性マーキングペン用インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油性マーキングペン用インキ組成物における溶剤としては、キシレンなどの非極性溶剤が用いられてきたが、近年、安全性などの点からアルコール系やグリコールエーテル系の極性溶剤の使用へと移行している。
【0003】
しかし、非極性溶剤から極性溶剤への使用移行に伴い、油性マーキングペンに要求される、金属、プラスチックなどの非吸収面に筆記した際の塗膜(印字や画像などの筆跡)の定着性が低下する傾向にある。これは、非極性溶剤を用いていた際には塗膜の定着性において作用していたと考えられる非吸収面へのエッチング作用や水素結合などが、極性溶剤の使用により弱まったため、非吸収面表面に対する塗膜の密着性、定着性が損なわれることに起因すると考えられる。
【0004】
そこで、極性溶剤を含有する油性マーキングペン用インキ組成物に、樹脂などを添加することにより、非吸収面に対する塗膜の定着性向上を図っている。このような試みとして、例えば、特開平3−97773号にはホルムアルデヒド及びトルエンスルホアミドの縮合樹脂を含有するインキ組成物が提案され、特開平3−172366号には酢酸ビニル系樹脂を含有するインキ組成物が開示され、特開平3−250073号にはポリアミド樹脂とアルコール可溶性樹脂(フェノール樹脂など)とを含有するインキ組成物が開示されている。また、特開平4−139273号には、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂などの親水基を有する樹脂と、ケトン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂などの疎水基を有する樹脂とを併用したインキ組成物が開示されている。特開平4−168169号には、ロジン変性マレイン酸樹脂、飽和ポリエステル樹脂などの酸価度が10以下の樹脂と、ケトン樹脂、ポリアミド樹脂などの酸価度が80以上の樹脂とを併用したインキ組成物が提案されている。特開平4−227670号には、ポリビニルアルキルエーテル及びスチレン−アクリル酸共重合体を含有したインキ組成物が開示され、特開平4−239071号には、アルデヒドと尿素との縮合樹脂及びカチオン界面活性剤を含むインキ組成物が提案され、特開平4−266975号には、ロジン、ロジン変性樹脂、ケトン樹脂等と水添ロジンのメチルエステル、水素添加のトリエチレングリコールエステルなどを含むインキ組成物が開示されている。さらに、特開平5−17717号には、エタノールに可溶な軟化点60〜100℃のケトン樹脂および軟化点60〜100℃のフェノール樹脂を含むインキ組成物が提案され、特開平5−279616号には、ケトン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂を用いたインキ組成物が開示され、特開平7−118590号には、ケトン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂と、フタル酸エステルとを含むインキ組成物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらのインキ組成物であっても、塗膜(印字や画像などの筆跡)と、金属やプラスチックなどの非吸収面との定着性は低く、未だ満足の得られるような定着性を有するインキ組成物は得られていない。
【0006】
従って、本発明の課題は、溶剤として極性有機溶剤を使用しても、塗膜の定着性が高い油性マーキングペン用インキ組成物を提供することにある。
本発明の他の課題は、極性有機溶剤を使用しても、キシレン等の非極性有機溶剤を使用した場合と同等又はそれ以上の塗膜の定着性を、金属やプラスチック等の非吸収面で確保できる油性マーキングペン用インキ組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
従来のアルコール系やグリコールエーテル系溶剤を用いたマーキングペン用インキ組成物において、このインキ組成物による塗膜(筆跡)と、非吸収面との定着性の向上が必ずしも十分でないことについて鋭意検討した結果、塗膜中の樹脂や染料等の固形分と、非吸収面表面との密着性及び定着性の改善だけに求めていた点が問題であることに着目した。もちろん、塗膜中の樹脂や染料などの固形分と非吸収面表面との密着性及び定着性は塗膜の定着性向上に重要な役割を果たしていることに相違はない。
【0008】
しかし、これらの方法では、非吸収面表面に対する塗膜の密着性及び定着性の向上は、同時に塗膜表面に接触する他の物質が塗膜表面に付着するし易さにつながる。すなわち、塗膜表面に接触する他の物質が塗膜表面に付着するし易さと、非吸収面表面に対する塗膜の密着性及び定着性とは比例する。従って、塗膜と非吸収面との定着性、密着性の向上対策として、様々な樹脂との組み合わせなどを行うと、塗膜と非吸収面との密着性、定着性は向上するが、同時に塗膜表面への他の物質の付着性も強くなり、手指、布、紙などで擦過された場合に塗膜が付着しやすくなり、実質的な定着性の向上にならない。
【0009】
本発明者は、かかる知見に基づき鋭意検討した結果、着色剤、極性有機溶剤及び樹脂を含むインキ組成物に、ポリオキシプロピレン変性シリコーンを含有させると、塗膜と非吸収面との定着性を改善できることを見いだし本発明を完成した。ポリオキシプロピレン変性シリコーンは、極性有機溶剤と完全には相溶せず、またポリオキシプロピレン変性シリコーンの特異的な界面活性のため、インキとして非吸収面へ筆記された際には、ポリオキシプロピレン変性シリコーンは塗膜表面に移行する。その結果、ポリオキシプロピレン変性シリコーンは、塗膜と非吸収面表面との定着性には影響をほとんど及ぼさず、塗膜表面においてその特徴である他の物質への難付着性を発現する。したがって、塗膜が手指、布、紙などで擦過された場合にも塗膜が付着しにくく、その結果として、実質的な非吸収面上の定着性が向上する。すなわち、ポリオキシプロピレン変性シリコーンを含有させたインキ組成物による塗膜は、塗膜と非吸収面表面との密着性、定着性と塗膜表面の他の物質への難付着性を同時に高いレベルで有する。請求項1の発明は、着色剤と、極性有機溶剤と、油溶性樹脂と、ポリオキシプロピレン変性シリコーンとを含む油性マーキングペン用インキ組成物である。
【0010】
特に、本発明のインキ組成物は、極性有機溶剤を使用しているにもかかわらず、ポリオキシプロピレン変性シリコーンを用いているため、溶剤としてキシレンなどの非極性溶剤を用いた場合と同等又はそれ以上の塗膜の定着性を、金属、プラスチックなどの非吸収面で確保できる。
【0011】
ポリオキシプロピレン変性シリコーンとしては、数平均分子量が2000〜20000のものが最適に使用できる。請求項2の発明は、ポリオキシプロピレン変性シリコーンの数平均分子量が2000〜20000である請求項1記載の油性マーキングペン用インキ組成物である。
【0012】
前記ポリオキシプロピレン変性シリコーンの使用量としては、インキ組成物全量に対して0.01〜10重量%程度が好適に使用できる。請求項3の発明は、ポリオキシプロピレン変性シリコーンを、インキ組成物全量に対して0.01〜10重量%含む請求項1又は2記載の油性マーキングペン用インキ組成物である。
【0013】
また、より具体的には、極性有機溶剤には、アルコール系又はグリコールエーテル系有機溶剤が含まれる。これらの極性有機溶剤は、人体に対してだけでなく、使用方法においても安全性が高い。請求項4記載の発明は、極性有機溶剤がアルコール系溶剤又はグリコールエーテル系溶剤である請求項1及至3のいずれかの項に記載の油性マーキングペン用インキ組成物である。
【0014】
また、油溶性樹脂(以下、単に「樹脂」と称する場合がある)には、ケトン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ロジン樹脂、スチレン−有機酸共重合体、ポリアクリル酸エステルなどが含まれる。請求項5の発明は、樹脂がケトン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ロジン樹脂、スチレン−有機酸共重合体およびポリアクリル酸エステルから選択された少なくとも一種である請求項1及至4のいずれかの項に記載の油性マーキングペン用インキ組成物である。
【0015】
【発明の実施の形態】
(ポリオキシプロピレン変性シリコーン)
本発明の特色は、油性マーキングペン用インキ組成物として、ポリエーテル変性シリコーンであって、ポリエーテルがポリオキシプロピレンのみで構成されているポリエーテル変性シリコーン(「ポリオキシプロピレン変性シリコーン」と称する)を含有しているインキ組成物を用いている点にある。前述のように、ポリオキシプロピレン変性シリコーンは、塗膜(筆跡)表面で他の物質に対して難付着性を示すため、塗膜の定着性を向上することができる。このような難付着性表面層形成物質としては、シリコーン系高分子界面活性剤、特にポリエーテル変性シリコーンの中でも、ポリオキシプロピレン変性シリコーンが極めて高い難付着性を発現する。
【0016】
ポリエーテル変性シリコーンのポリエーテルとしては、通常、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレンが用いられており、ポリエーテル中のポリオキシエチレンの含有量が多くなるにつれて親水性が高くなり、一方、ポリオキシプロピレンの含有量が多くなるにつれて疎水性が高くなる傾向がある。すなわち、ポリエーテル中のポリオキシプロピレンの含有量が増加するにつれて、ポリエーテル変性シリコーンは極性有機溶剤(アルコール系溶剤やグリコールエーテル系溶剤など)に対して、親和性が低くなる。そのため、ポリエーテル変性シリコーンの中でも、ポリオキシプロピレンの含有量が多い変性シリコーンを極性有機溶剤含有インキ組成物に添加すると、このインキ組成物による塗膜は、極性有機溶剤の蒸発又は揮発に伴い、前記変性シリコーンが塗膜表面に移行する。
【0017】
従って、本発明において、ポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリエーテル中のポリオキシプロピレンの含有量が多いポリエーテル変性シリコーン、例えば、ポリエーテル中のポリオキシプロピレンの含有量が50重量%以上(好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上)であるポリエーテル変性シリコーンも使用可能であるが、ポリオキシプロピレン変性シリコーンが特に好ましい。すなわち、ポリオキシプロピレン変性シリコーンが、最も高い難付着性効果を発現することができる。
【0018】
ポリオキシプロピレン変性シリコーンは、特に限定されず、市販のポリオキシプロピレン変性シリコーンオイルを使用できる。このようなポリオキシプロピレン変性シリコーンオイルとしては、例えば、東芝シリコーン社から商品名「TSF4460」が市販されており、また、共栄社化学社から商品名「グラノール115」が市販されている。
【0019】
ポリオキシプロピレン変性シリコーンの分子量(数平均分子量)は、特に制限されず、例えば、1,000〜30,000、好ましくは2,000〜20,000、さらに好ましくは5,000〜20,000程度である。分子量が低すぎると耐水性が低下し、高すぎると塗膜表面に移行しにくくなり、難付着性が低く、定着性が低下する場合がある。
【0020】
ポリオキシプロピレン変性シリコーンの使用量は、その種類や他の成分(着色剤、樹脂など)の種類に応じて、例えば、インキ全量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.2〜4.0重量%程度である。これらの範囲を越えると、ポリオキシプロピレン変性シリコーンは塗膜の表面のみならず、塗面近くにも移行し、かえって塗面に対する付着性の阻害などの副次的作用が生じる。一方、これらの範囲より少ないと、塗膜の難付着性が低く、定着性が低下する。
【0021】
(着色剤)
着色剤は特に限定されるものではない。着色剤としては、安全性が高いものが好ましい。また、後述する極性有機溶剤に可溶な着色剤、又は溶解助剤(可溶化剤)を用いて極性有機溶剤に溶解させることができる着色剤を好適に使用できる。着色剤には、例えば、油溶性黒色ニグロシン染料(中央合成化学社製、商品名:オイルブラック2030など)、油溶性黒色染料(オリエント化学社製、商品名:バリファストブラック3810など)、油溶性赤色染料(オリエント化学社製、商品名:バリファストレッド1308など)、油溶性青色染料(BASF社製、商品名:ネオザポンブルー807など)、油溶性黄色染料(保土谷化学社製、商品名:スピンイエローC−GNHなど)などの油溶性染料が含まれる。着色剤は、単独で又は複数混合して使用できる。着色剤の使用量は、インキ全量に対して1〜15重量%、好ましくは3〜12重量%である。着色剤の使用量が過多であると粘度が上昇し、筆記性が低下する。一方、過小であると筆跡濃度が低い。
【0022】
(極性有機溶剤)
極性有機溶剤は、従来安全性の点で問題があったベンゼン、トルエンなど非極性溶剤に代わるもので、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤を例示できるが、格別限定されるものではない。アルコール系溶剤としては、特に炭素数が1〜4の脂肪族アルコール、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、ターシャルブチルアルコールが好ましい。グリコールエーテル系溶剤としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。好ましいグリコールエーテル系溶剤には、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが含まれる。
【0023】
極性有機溶剤は、単独で又は複数混合して使用でき、その使用量はインキ全量に対して50〜96重量%、好ましくは64〜92重量%程度である。極性有機溶剤の使用量が多すぎると、筆跡の濃度が低下する。一方、少なすぎると粘度が上昇して筆記性が低くなり、また、着色剤、油溶性樹脂などの溶解性が低い。
【0024】
(樹脂)
樹脂は、前記極性有機溶剤に可溶な樹脂であれば特に限定されない。好ましくは安全であることが求められる。樹脂としては、例えば、ケトン系樹脂、フェノール系樹脂(例えば、アルキルフェノール樹脂、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂など)、キシレン系樹脂(例えば、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、ロジン変性キシレン樹脂など)、ロジン樹脂、スチレン−有機酸共重合体(例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)、ポリアクリル酸エステルなどが好適に使用される。樹脂は、単独でまたは複数混合して用いることができる。樹脂の使用量は、例えば、インキ全量に対して3〜25重量%、好ましくは5〜20重量%程度である。樹脂の使用量がこれらの範囲を越えると粘度が上昇し、筆記性が低下する。一方、これらの範囲より少ないと塗膜(筆跡)の塗面に対する密着性が低い。
【0025】
その他、本発明のインキ組成物には、粘度調整剤、構造粘性付与剤、染料可溶化剤、乾燥性付与剤などの各種の添加剤などを配合することが可能である。各種添加剤は特に限定されるものではなく、公知のものを広く利用できる。
【0026】
(製造方法)
本発明のインキ組成物は、前記成分(着色剤、極性有機溶剤、樹脂、ポリオキシプロピレン変性シリコーンなど)を混合して調製できる。インキ組成物の調製方法としては、特に限定されないが、例えば、極性有機溶剤と樹脂とを、加熱下で(例えば、50℃で)で攪拌して混合し、続けて、着色剤と、必要に応じて各種の添加剤を加え、加熱下で(例えば、50℃で)攪拌混合する。攪拌混合後、加熱をやめて、ポリオキシプロピレン変性シリコーンを加え、攪拌混合して調製する方法等が例示できる。
【0027】
本発明のインキ組成物は、インキとして非吸収面(ブリキ板などの金属板、ポリエチレンやポリプロピレンなどで形成されたフィルムやシートなどのプラスチックフィルムやシートなどの筆記面であって、油性インキをほとんど吸収しない面)に筆記された際の塗膜の定着性が優れているので、油性マーキングペン用インキ組成物として有用である。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(原料)
原料として、以下の着色剤、極性有機溶剤、油溶性樹脂、ポリオキシプロピレン変性シリコーンなどを用いた。
(着色剤)
油溶性黒色ニグロシン染料:
商品名「オイルブラック2030」(中央合成化学社製)
油溶性赤色染料:
商品名「バリファストレッド1308」(オリエント化学社製)
油溶性青色染料:
商品名「ネオザポンブルー807」(BASF社製)
油溶性黄色染料:
商品名「スピロンイエローC−GNH」(保土谷化学社製)
(極性有機溶剤)
エタノール
イソプロピルアルコール
プロピレングリコールモノメチルエーテル:
商品名「ダワノールPM」(ダウ・ケミカル社製)
エチレングリコールモノブチルエーテル:
商品名「ダワノールEB」(ダウ・ケミカル社製)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル:
商品名「ダワノールDPM」(ダウ・ケミカル社製)
(油溶性樹脂)
アルキルフェノール樹脂:
商品名「タマノル510」(荒川化学工業社製)
ケトン樹脂:
商品名「ハイラック111」(日立化成社製)
アルキルフェノール変性キシレン樹脂:
商品名「ニカノールHP−100」(三菱瓦斯社製)
スチレン−マレイン酸樹脂:
商品名「アラスター700」(荒川化学工業社製)
ポリアクリル酸エステル:
商品名「ダイヤナールBR101」(三菱レイヨン社製)
アクリル−スチレン樹脂:
商品名「ジョンクリル683」(ジョンソンポリマー社製)
ロジン樹脂:
商品名「ロジンWW」(徳島精油社製)
(ポリオキシプロピレン変性シリコーン)
シリコーン1:
商品名「グラノール115」(共栄社化学社製)
シリコーン2:
商品名「TSF4460」(東芝シリコーン社製)
(その他)
ニグロシン染料可溶化剤(オレイン酸)
【0029】
(実施例1〜5及び比較例1〜6)
各実施例および各比較例では、それぞれ表1又は表2に示す割合(表1、表2中の各種成分の配合量はいずれも重量部である)で配合して油性マーキングペン用インキ組成物を得た。具体的には、各実施例および各比較例について、極性有機溶剤と油溶性樹脂を50℃で1時間加熱攪拌混合し、続けて、着色剤(油溶性染料)と、各種の添加剤を投入し、さらに50℃、30分間加熱攪拌混合する。混合後、加熱をやめて、ポリオキシプロピレン変性シリコーンを投入し、10分間攪拌混合して油性マーキングペン用インキ組成物を得た。
【0030】
【表1】
Figure 0003810895
【0031】
【表2】
Figure 0003810895
【0032】
(定着性試験)
実施例1〜5および比較例1〜6で得られた油性マーキングペン用インキ組成物を、フェルトをペン先として使用した筆記具(サクラクレパス社製油性マーカー、商品名「ペンタッチ」)に充填し、これを用いて非吸収面(ブリキ板、ポリエチレン板)に直線を筆記して、30分乾燥した後、塗膜を綿棒で500g荷重にて擦過した。擦過により完全に非吸収面が露出するものを×、塗膜にきずが付く程度のものを△、全く塗膜に変化が生じないものを○として塗膜の定着性を評価した。評価結果をそれぞれ表1、表2に示す。
【0033】
本発明の油性マーキングペン用インキ組成物は、ポリオキシプロピレン変性シリコーン非含有のアルコール系油性マーキングペン用インキ組成物より、塗膜(筆跡)の非吸収面に対する定着性が高い。
【0034】
【発明の効果】
本発明のインキ組成物は、着色剤と、極性有機溶剤と、樹脂と、ポリオキシプロピレン変性シリコーンとを含有する油性マーキングペン用インキ組成物であるので、極性有機溶剤を含有しているにもかかわらず、塗膜と非吸収面との定着性が高い。
また、キシレンなどの非極性溶剤を用いた場合と同等以上の塗膜の定着性を、金属、プラスチックなどの非吸収面で確保できる。そのため、塗膜の非吸収面に対する定着性が優れるとともに、安全性が高いインキ組成物を提供できる。

Claims (3)

  1. 着色剤と、極性有機溶剤(脂肪族炭化水素及び/又は脂環族炭化水素の有機溶剤を除く。)と、油溶性樹脂と、ポリエーテル変性シリコーンとを含み、
    前記極性有機溶剤がアルコール系溶剤又はグリコールエーテル系溶剤であり、
    前記ポリエーテル変性シリコーンのポリエーテルが、ポリオキシプロピレンのみで構成されているポリオキシ変性シリコーンであって、
    前記着色剤をインキ全量に対して1〜15重量%、
    前記極性有機溶剤をインキ組成物全量に対して50〜96重量%含み、
    前記油溶性樹脂をインキ全量に対して3〜25重量%、
    前記ポリオキシプロピレン変性シリコーンを、インキ組成物全量に対して0.01〜10重量%含む、
    油性マーキングペン用インキ組成物。
  2. 前記ポリオキシプロピレン変性シリコーンの数平均分子量が2000〜20000である請求項1記載の油性マーキングペン用インキ組成物。
  3. 着色剤と、極性有機溶剤(脂肪族炭化水素及び/又は脂環族炭化水素の有機溶剤を除く。)と、油溶性樹脂と、ポリエーテル変性シリコーンとを含み、
    前記極性有機溶剤がアルコール系溶剤又はグリコールエーテル系溶剤であり、
    前記ポリエーテル変性シリコーンのポリエーテルが、ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンを用いるポリエーテルであって、そのポリエーテル中のポリオキシプロピレンの含有量が50重量%以上であり、
    前記着色剤をインキ全量に対して1〜15重量%、
    前記極性有機溶剤をインキ組成物全量に対して50〜96重量%含み、
    前記油溶性樹脂をインキ全量に対して3〜25重量%、
    前記ポリオキシプロピレン変性シリコーンを、インキ組成物全量に対して0.01〜10重量%含む、
    油性マーキングペン用インキ組成物。
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