JP6954757B2 - 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 - Google Patents
筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6954757B2 JP6954757B2 JP2017072632A JP2017072632A JP6954757B2 JP 6954757 B2 JP6954757 B2 JP 6954757B2 JP 2017072632 A JP2017072632 A JP 2017072632A JP 2017072632 A JP2017072632 A JP 2017072632A JP 6954757 B2 JP6954757 B2 JP 6954757B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink composition
- water
- pigment
- writing
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Pens And Brushes (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
本発明において、着色剤は従来知られている顔料、染料から任意に選択することができ、好ましく用いることができる。顔料としては、金属酸化物または金属塩などの無機顔料、有機色素顔料またはレーキ顔料などの有機顔料、ならびにアルミニウム顔料などの、光沢のある光輝性顔料が挙げられ、染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料、反応染料、バット染料、硫化染料、含金染料、カチオン染料、分散染料が挙げられる。その中でも、顔料を用いることが好ましい。これは、染料は溶媒に溶解するため、被筆記体の繊維内部に入り込みやすく、筆跡の発色性に影響がでやすいためである。さらに、顔料は金属酸化物を用いることが好ましく、特に酸化チタンを用いることが好ましく、このような顔料を用いることにより、後述する補色顔料などと組み合わせることで、多様な色彩を実現できるためである。
本発明の水性インキ組成物は、顔料分散剤を含むことが好ましい。顔料分散剤と顔料とを組み合せることによって、顔料同士が凝集することを抑制し、インキの安定性を高めることが可能である。本発明に用いられる顔料分散剤は、顔料の分散性を高める効果を奏するものであれば特に限定されないが、無機酸化物で表面処理された顔料を用いる場合は、顔料の分散安定性を考慮すると、アニオン性吸着基またはカチオン性吸着基を有する顔料分散剤を用いることが好ましい。
カチオン性吸着基を有する顔料分散剤としては、具体的にDISPERBYK−184、DISPERBYK−2055(以上、ビックケミー株式会社製)を挙げることができ、好ましく用いられる。本発明に用いられるカチオン性吸着基を有する顔料分散剤はこれらに限定されるものではない。顔料分散剤は、1種または複数種を用いることが可能である。
顔料の分散性をより考慮すれば、カチオン性吸着基を有する顔料分散剤は、DISPERBYK−184が特に好ましい。
アニオン性吸着基を有する顔料分散剤としては、具体的にDISPERBYK−190、DISPERBYK−194N、DISPERBYK−2010(以上、ビックケミー株式会社製)を挙げることができ、好ましく用いられる。本発明に用いられるアニオン性吸着基を有する顔料分散剤はこれらに限定されるものではない。顔料分散剤は、1種または2種以上を用いることが可能である。顔料の分散性をより考慮すれば、アニオン性吸着基を有する顔料分散剤は、DISPERBYK−190が特に好ましい。
本発明の水性インキ組成物は、浸透剤を含んでなる。前記浸透剤は、ぬれ性の改善効果やインキ組成物への溶解安定性を考慮すると、4〜18のHLB値を有する界面活性剤であることが好ましく、6〜15のHLB値であることがより好ましく、7〜11のHLB値であることが特に好ましい。ここで、本実施形態において用いられる界面活性剤のHLB値は、グリフィンが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、下記の式(1)によって算出される値をいう。グリフィン法によるHLB値は、0〜20の範囲内の値を示し、数値が大きい程、化合物が親水性であることを示す。
HLB値=20×(親水基の質量%)=20×(親水基の式量の総和/界面活性剤の分子量) ・・・(1)
本発明に用いられる浸透剤としては、構造中にアセチレン結合を有する界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、およびコハク酸系界面活性剤の中から、1種以上選択して用いることが好ましい。水性インキ組成物に上記のような界面活性剤を含有させることで、表面張力を下げて、フィルムなど非浸透性の記録媒体に対する水性インキ組成物のぬれ性を改善し、該非浸透性の記録媒体に対する筆跡カスレ・中抜けなどを良好として、筆記性を向上させることができる。
本発明による水性インキ組成物は、βプロピオラクトン化合物を含んでなることが重要である。本発明におけるβプロピオラクトン化合物は、βプロピオラクトン環を有する化合物であり、インキ組成物において着色剤粒子や後述するポリオレフィン粒子や補色顔料と吸着し、着色剤の嵩高い凝集体を形成することにより、紙、布等の、繊維間に大きな隙間を有する被筆記体へ筆記した際、着色剤が前記繊維間の隙間を通って被筆記体内部へ浸透することを防ぎ、被筆記体の表面において着色剤を繊維に付着し易くして、筆跡の発色性を良好とするものである。また、非浸透面へ筆記した際は被筆記面へ吸着して、筆跡の定着性を向上させることができる。
また、βプロピオラクトン化合物は滑り止め効果を有するので、組成物により形成された筆跡上に筆記する際、筆跡上に手脂等の潤滑性物質が付着している場合においても、筆記体のインキ吐出部がスリップすることが抑制されるため、βプロピオラクトン化合物は、筆記の際に、筆跡が途切れることを抑制する効果をも有する。
本発明では、前記浸透剤と、βプロピオラクトン化合物を併用して用いることで、該非浸透性の記録媒体に対して、筆記性が向上するだけでなく、筆跡の定着性が向上すると同時に、紙、布等の繊維間の隙間が大きい被筆記体においても、優れた発色性や筆跡の高い定着性を奏する筆記具用インキ組成物とすることができ、該非浸透面や浸透面のどちらにも良好に筆記することが可能である。
本発明に用いられるβプロピオラクトン化合物は、嵩高い凝集体の形成性と分散性をより考慮すれば、炭素数18の脂肪酸を構成原料に含むアルキルケテンダイマーであることが特に好ましい。
また、そのようなアルキルケテンダイマーは、平均粒子径0.1μm〜2.0μmを有することが好ましく、0.3μm〜1.5μmを有することがより好ましい。平均粒子径が該数値範囲内であれば、アルキルケテンダイマーは、着色剤等と共に嵩高い凝集体を形成し易く、また、良好なインキ吐出性を奏しやすい。
上記のアルキルケテンダイマーはエマルションとして用いられることが好ましく、高い経時安定性を維持することが可能である。
本発明による水性インキ組成物は、難水溶性樹脂を含んでなることが好ましい。難水溶性樹脂とは、水への溶解度(水100gに対する溶質の量)が、1.0g未満である樹脂であり、インキ組成物において、前記の、嵩高い凝集体、着色剤、および後述するポリオレフィン粒子に対して結合し、筆記の際、被筆記面へ接着することで、筆跡の、定着性や耐擦性を向上させ、筆跡の発色性を向上させるものである。そのため、本発明の水性インキ組成物においては、βプロピオラクトン化合物と、難水溶性樹脂とを併用することで、より筆跡の定着性と発色性が向上するため、両者を併用することが好ましい。
本発明において難水溶性樹脂は、エマルション、またはディスパーションとして用いることが好ましく、これによって難水溶性樹脂は安定した分散状態をとることができる。
筆跡の発色性や筆跡の定着性、耐擦性の向上を考慮すれば、本発明の組成物はポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、およびポリエステル樹脂から1種以上を選択して含むことがより好ましい。上記筆跡性能をより考慮すれば、組成物はポリオレフィン樹脂またはアクリル樹脂を含むことがさらに好ましく、ポリオレフィン樹脂を含むことが特に好ましい。
本発明のインキ組成物は、ポリオレフィン樹脂またはアクリル樹脂を含むことにより、良好な発色性と、高い、筆跡の定着性および耐擦性を両立することができ、このような効果は、βプロピオラクトン化合物と上記難水溶性樹脂を併用することにより効果的に発現する。
本発明に好適なポリオレフィン樹脂の具体例としては、エチレンとアクリル酸との共重合物をアルカリ中和し、自己乳化型としたポリオレフィン樹脂(住友精化株式会社製、製品名:ザイクセン Aタイプ、Lタイプ、Nタイプ)や、変性ポリオレフィン樹脂(ユニチカ株式会社製、製品名:アローベース Cシリーズ、Dシリーズ、Sシリーズ)を挙げることができる。
溶媒としては、水、および水と有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。水としては、イオン交換水、蒸留水および水道水などの慣用の水を用いることができる。また、水と有機溶媒との混合溶媒を用いる場合、有機溶剤としては、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールなどを用いることができる。グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの比較的沸点の高いジオール類またはトリオール類を用いることができるが、その配合量は少ないことが好ましい。なお、有機溶媒の含有率は、溶媒の総質量に対して、1質量%〜30質量%であることが好ましく、1質量%〜20質量%であることがより好ましい。特にジオール類またはトリオール類の含有率は1質量%〜10質量%であることが好ましい。有機溶媒の含有率が溶媒の総質量に対して上記数値範囲内であれば、良好な、ドライアップ性能と筆跡乾燥性を両立させることができる。
また、本発明のインキ組成物はポリオレフィン樹脂粒子を用いることによって、筆跡により高い、定着性や耐擦性を付与することができる。ポリオレフィン樹脂粒子とは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ならびにそれらの混合物から成る、表面潤滑性を有する微粒子であり、筆跡が擦過等の外力を受けた際、筆跡に過剰な力が加わることを抑制するものであって、上述の難水溶性樹脂とは異なる種類のポリオレフィン樹脂である。
ポリオレフィンは、直鎖状ポリオレフィン、分岐鎖を有するポリオレフィン、官能基が導入された変性ポリオレフィンなどであってもよい。例えば、ポリオレフィンとしてポリエチレンを用いる場合には、低密度ポリエチレン、直鎖状低分子ポリエチレン、高密度ポリエチレン、変性ポリエチレン、変性高密度ポリエチレンなどを用いることができる。これらのポリオレフィンの分子量は特に限定されないが、例えば質量平均分子量が500〜100,000であるポリオレフィンが好ましく、重量平均分子量が800〜5,000であることがさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂粒子の質量平均分子量が上記数値範囲内であれば、この水性インキ組成物をマーカーなどの筆記具に用いて筆記を行った場合に、形成される筆記線に対し、より高い滑性と、それに伴う高い耐擦性を付与することができ、良好な筆跡を得ることができる。ポリオレフィン樹脂粒子は、必要に応じてポリオレフィン以外の材料を含んでいてもよい。
そのため、前記難水溶性樹脂とポリオレフィン樹脂を併用して用いることで、筆跡の発色性や筆跡の定着性、耐擦性のより向上しやすいため、好ましく、特に、非浸透性の記録媒体に筆記する場合も、良好に筆記しやすい。
本発明による水性インキ組成物は、得られる筆記線の色彩を調整するため、補色顔料を含んでいてもよい。特に、主たる顔料粒子として白色の酸化チタンを選択した場合、補色顔料との組み合わせにより種々の発色を実現できる。補色顔料は、特に限定されず、赤、青、黄、緑、白、黒など様々な色の顔料を用いることができ、また、該顔料を溶媒に分散させ、顔料分散体としたものを用いることが可能である。補色顔料としては、例えば、SPシリーズ(冨士色素株式会社製)、SANDYESUPERCOLOURシリーズ(山陽色素株式会社製)、EMACOLシリーズ(山陽色素株式会社製)、ルミコールシリーズ(日本蛍光化学株式会社製)MICROPIGMOシリーズ(オリヱント化学工業株式会社製)、WAシリーズ(大日精化工業株式会社製)などが挙げられる。
また、水性インキ組成物は、必要に応じて、体質材、防腐剤、消泡剤、防錆剤、pH調整剤、気泡抑制剤、気泡吸収剤、剪断減粘性付与剤および粘度調整剤などを含んでいてもよい。
本発明による水性インキ組成物の粘度は低いことが好ましい。組成物の粘度の測定はE型回転粘度計(ブルックフィールド社製)を用いて行うことができる。具体的には、20℃における水性インキ組成物の粘度は、回転数が100rpm(剪断速度380sec−1)の条件で測定した場合、1〜100mPa・sであることが好ましく、2〜70mPa・sであることがより好ましい。さらに好ましくは5〜40mPa・sである。また、回転数が10rpm(剪断速度38sec−1)の条件で測定した場合、1〜600mPa・sであることが好ましく、5〜200mPa・sであることがより好ましい。さらに好ましくは、10〜100mP・sである。回転数が1rpm(剪断速度3.8sec−1)においては、1〜3000mPa・sであることが好ましく、10〜1500mPa・sであることがより好ましい。さらに好ましくは、20〜400mP・sである。水性インキ組成物の粘度が上記数値範囲内であれば、マーカーなどの筆記用具に使用した場合のインキ吐出性を向上させることができ、またフィルムなど非浸透性の記録媒体への筆記性が向上する。
なお、表面張力は、20℃環境下において、協和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、白金プレートを用いて、垂直平板法によって測定して求められる。
本発明において、pHの値は、例えばIM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)により20℃にて測定することができる。
しかしその一方で、分散の際に、着色剤の溶媒濡れが容易となって、着色剤が微細な粒子へ解砕されるために、紙、布等の繊維間の隙間が大きい被筆記体に筆記した際には、着色剤が紙、布等の繊維間の隙間を通って被筆記部分周辺や被筆記体内部に入り込み、筆跡の発色性が低下してしまう。
本発明の水性インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップなどのペン芯またはボールペンチップなどをペン先としたマーキングペンやボールペン、金属製のペン先を用いた万年筆などの筆記具に用いることができる。その中でも、フィルムなど非浸透性の記録媒体に対する筆記性を良好にするには、ペン先が、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップから成るペン芯やボールペンチップであることが好ましい。さらには、マーキングペンまたはボールペンに用いることがより好ましい。特には、ボールペンに本発明の水性インキ組成物を用いた場合、該ボールペンで本発明の組成物によって形成された筆跡上に筆記する際に、筆跡上に手脂等が付着している場合においても、βプロピオラクトン化合物の有する滑り止め効果によりボールペンチップのボールが滑りにくくなり、筆跡途切れが抑制されるため、本発明の組成物はボールペンに特に好ましく用いられる。
前記ペン芯の気孔径は、嵩高い凝集体が通過できる程度の気孔径であれば任意に設定することが可能で有り、気孔率は、50〜80%とすることが好ましい。前記ペン芯の気孔率が上記数値範囲内であれば、前記顔料の目詰まりがなく、適切なインキ吐出量を維持することができる。
(実施例1)
下記原材料および配合量にて、室温で1時間攪拌混合することにより、筆記具用インキ組成物を得た。得られた水性インキ組成物の粘度をE型回転粘度計(DV−II+Pro、コーン型ローターCPE−42、ブルックフィールド社製)により測定し、その粘度を元に粘性指数を算出した。具体的には、20℃、剪断速度380sec−1(回転速度10rpm)における粘度は47.1mPa・sであり、剪断速度38sec−1(回転速度1rpm)における粘度は172mPa・sであった。
さらに、IM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃にて水性インキ組成物のpHを測定した結果、pHは8.3であった。
また、得られた水性インキ組成物の表面張力を、表面張力計測器(20℃環境下、垂直平板法、協和界面科学株式会社製)により測定したところ、29.5mN/mであった。
・着色剤 30質量%
(シリカ、アルミナにより表面処理された酸化チタン、平均粒子径0.26μm、堺化学工業株式会社製、商品名:GTR−100)
・浸透剤 0.4質量%
(アセチレン結合を有する界面活性剤、日信化学工業株式会社製、商品名:ダイノール604、HLB:8)
・顔料分散剤 1.5質量%
(カチオン性吸着基を有する顔料分散剤、固形分含有量52%、ビックケミー株式会社製、商品名:DISPER BYK−184)
・βプロピオラクトン化合物 10質量%
(炭素数18の脂肪酸を構成原料としたアルキルケテンダイマー、20%分散体、星光PMC株式会社製、商品名:サイズ剤AD1612)
・難水溶性樹脂 10質量%
(自己乳化型ポリオレフィンディスパージョン、固形分含有量25%、住友精化株式会社製、商品名:ザイクセンL)
・ジエチレングリコール 2質量%
・消泡剤 0.3質量%
(ビックケミー株式会社製、商品名BYK−024)
・防腐剤 0.2質量%
(ロンザジャパン株式会社製、商品名:プロキセルXL−2)
・イオン交換水 45.60質量%
実施例1に対して、配合する成分の種類や添加量を表1〜3に示したとおりに変更して、実施例2〜24、比較例1〜4のインキ組成物を得た。
実施例1〜24、比較例1〜4のインキ組成物における、顔料表面電荷数値の正負符号は以下の通りであった。
・実施例1〜8、11〜24(負の値)
・比較例1〜4(負の値)
・実施例9〜10、(正の値)
上記実施例で使用した材料の詳細は以下の通りである。
・顔料(1)シリカ、アルミナにより表面処理された酸化チタン(平均粒子径:0.26μm、堺化学工業株式会社製、商品名:GTR−100)
・顔料(2)シリカ、アルミナにより表面処理された酸化チタン(平均粒子径:0.25μm、テイカ株式会社製、商品名:JR−707)
・顔料(3)シリカ、アルミナ、酸化亜鉛により表面処理された酸化チタン(平均粒子径:0.27μm、テイカ株式会社製、商品名:JR−701)
・顔料(4)アルミナにより表面処理された酸化チタン(平均粒子径:0.23μm、堺化学工業株式会社製、商品名:R−32)
・顔料(5)アルミナにより表面処理された酸化チタン(平均粒子径:0.21μm、テイカ株式会社製、商品名:JR−405)
・浸透剤(1)アセチレン結合を有する界面活性剤(日信化学工業株式会社製、商品名:ダイノール604、HLB:8)
・浸透剤(2)アセチレン結合を有する界面活性剤(日信化学工業株式会社製、商品名:サーフィノール61、HLB:6)
・顔料分散剤(1)カチオン性吸着基を有する顔料分散剤(固形分含有量52%、ビッグケミー株式会社製、商品名:DISPER BYK−184)
・顔料分散剤(2)アニオン性吸着基を有する顔料分散剤(固形分含有量40%、ビックケミー株式会社製、商品名:DISPER BYK−190)
・βプロピオラクトン化合物(1)アルキルケテンダイマー(構成原料:炭素数18の脂肪酸、20%分散体、星光PMC株式会社製、商品名:サイズ剤AD1612)
・βプロピオラクトン化合物(2)アルキルケテンダイマー(構成原料:炭素数18の脂肪酸と炭素数16の脂肪酸、25%分散体、星光PMC株式会社製、商品名:サイズ剤AD1608)
・難水溶性樹脂(1)自己乳化型ポリオレフィン樹脂ディスパージョン(固形分含有量25%、住友精化株式会社製、商品名:ザイクセンL)
・難水溶性樹脂(2)アクリル樹脂エマルション(固形分含有量42%、BASF株式会社製、商品名:JONCRYL PDX−7370)
・粘度調整剤 セルロース誘導体(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、10%水溶液、信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ65SH−50)
・ポリオレフィン樹脂粒子(1)変性ポリエチレンワックス(平均粒子径:8μm、固形分:100%、ビックケミー株式会社製、商品名:CERAFLOUR929)
・ポリオレフィン樹脂粒子(2)変性ポリエチレンワックス(平均粒子径:6μm、固形分:100%、ビックケミー株式会社製、商品名:CERAFLOUR925)
・ポリオレフィン樹脂粒子(3)低密度ポリエチレン(平均粒子径:6μm、40%ディスパージョン、三井化学株式会社製、商品名:ケミパールM200)
・ポリオレフィン樹脂粒子(4)低分子ポリエチレン(平均粒子径:0.6μm 40%ディスパージョン 三井化学株式会社製、商品名:ケミパールW4005)
・ジエチレングリコール
・補色顔料(1)SandyeSuperColour BLUE GLL−E(有機顔料水分散体、固形分含有量32%、山陽色素株式会社製)
・補色顔料(2)SandyeSuperColour RED 1321−E(有機顔料水分散体、固形分含有量35%、山陽色素株式会社製)
また、評価試験で用いるマーキングペンは、以下のようなマーキングペンを作成し用いた。
マーキングペン:ペン先を具備したマーキングペンのインキ収容体(内寸:長さ80mm、直径16mm)に、直径8mmの金属材からなる球状体の撹拌体、及び容積6cm3のインキ組成物を内蔵し、実施例1〜24および、比較例1〜4で得られた水性インキ組成物を充填し、ペン先に水性インキ組成物を染み込ませ、ペン先には、気孔率60%の砲弾型ポリエステル繊維芯のペン芯を用いたマーキングペンとして、筆記を行った。
上記マーキングペンにより、筆記試験を行った。その際の筆跡の発色性を目視により観察した。なお、筆記試験用の媒体としてプラスチックフィルム(ポリプロピレン製)を用いた。
A:はじき、かすれもなく、筆跡が良好なもの
B:若干、はじき、かすれはあるものの実用上問題がないもの
C:はじき、かすれがあるが、実用可能なもの
D:はじき、かすれがひどく、実用上懸念があるもの
E:はじき、かすれがひどく、筆跡の認識ができず、実用不可能なもの
ペン先には、気孔率60%の砲弾型ポリエステル繊維芯のチップを用いた。このマーカーにより、筆記試験媒体に筆記を行った。その際の筆跡の発色性を目視により観察した。なお、筆記試験用の媒体として綿布(日清紡製、60番手、コットンローン)及びプラスチックフィルム(ポリプロピレン製)を用いた。
A:筆跡に色ムラが無く、鮮明なもの
B:若干筆跡に色ムラがあるが、実用上問題のないもの
C:筆跡に色ムラがあり、濃度が薄い。実用上懸念があるもの
上記マーキングペンにより、綿布(日清紡製、60番手、コットンローン)及びプラスチックフィルム(ポリプロピレン製)上に筆記を行った。この筆記線を1日放置後、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業社製)を用いて、荷重200g下・綿布(日清紡製、60番手、コットンローン)にて50往復擦り、擦った後の筆跡を初期の筆跡と比べて、下記基準に従って、耐擦性を評価した。
A:筆跡剥離がないもの
B:筆跡剥離が若干あるものの実用上問題がないもの
C:筆跡剥離があるが、実用可能なもの
D:筆跡剥離があり、実用上懸念があるもの
E:筆跡剥離が多く、実用不可能なもの
Claims (7)
- 顔料と、アセチレン結合を有する界面活性剤と、βプロピオラクトン化合物と、溶媒とを含み、前記アセチレン結合を有する界面活性剤が6〜15のHLB値を有し、前記βプロピオラクトン化合物が炭素数14〜20の脂肪酸を構成原料としたアルキルケテンダイマーである、筆記具用水性インキ組成物。
- 前記顔料が金属酸化物である、請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記顔料が、シリカまたはアルミナを含む無機酸化物で表面処理された金属酸化物である、請求項1または2に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記金属酸化物が酸化チタンである、請求項2または請求項3に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 難水溶性樹脂をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記難水溶性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、およびポリエステル樹脂から1種以上選択されたものである、請求項5に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物を収容してなることを特徴とする、筆記具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017072632A JP6954757B2 (ja) | 2017-03-31 | 2017-03-31 | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017072632A JP6954757B2 (ja) | 2017-03-31 | 2017-03-31 | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018172584A JP2018172584A (ja) | 2018-11-08 |
JP6954757B2 true JP6954757B2 (ja) | 2021-10-27 |
Family
ID=64108304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017072632A Active JP6954757B2 (ja) | 2017-03-31 | 2017-03-31 | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6954757B2 (ja) |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2619682B2 (ja) * | 1988-04-19 | 1997-06-11 | タイホー工業株式会社 | 水性記録用インク |
JPH0726179A (ja) * | 1993-06-24 | 1995-01-27 | Canon Inc | インク、係るインクを用いた記録方法、及び、機器 |
JP2005022212A (ja) * | 2003-07-01 | 2005-01-27 | Ricoh Co Ltd | 画像形成方法 |
JP4426378B2 (ja) * | 2004-05-24 | 2010-03-03 | パイロットインキ株式会社 | ボールペン用可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン |
JP2009019191A (ja) * | 2007-06-14 | 2009-01-29 | Pilot Ink Co Ltd | 出没式ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容した出没式ボールペン |
JP2009185167A (ja) * | 2008-02-06 | 2009-08-20 | Pilot Corporation | 水性ボールペン用インキ組成物 |
JP2014189725A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Pentel Corp | 水性顔料インキ組成物 |
JP6247074B2 (ja) * | 2013-10-30 | 2017-12-13 | 花王株式会社 | インクジェット記録方法 |
JP6107646B2 (ja) * | 2013-12-27 | 2017-04-05 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 水性インクジェットインキ |
JP6509649B2 (ja) * | 2015-06-26 | 2019-05-08 | 株式会社パイロットコーポレーション | 筆記具用水性インキ組成物 |
-
2017
- 2017-03-31 JP JP2017072632A patent/JP6954757B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018172584A (ja) | 2018-11-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI494386B (zh) | W / O type emulsion ink compositions and writing utensils for writing utensils | |
TWI811255B (zh) | 水性原子筆用墨水組合物及使用其之水性原子筆 | |
JP5062875B2 (ja) | 水性ボールペン | |
JP2017155081A (ja) | 筆記具用水性インク組成物 | |
JP6998676B2 (ja) | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 | |
JP7194582B2 (ja) | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 | |
JP7412896B2 (ja) | 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン | |
JP6626373B2 (ja) | 筆記具用水性インク組成物 | |
JP7378222B2 (ja) | 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン | |
JP6861510B2 (ja) | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 | |
JP6954757B2 (ja) | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 | |
JP2021008595A (ja) | ボールペン用水性インキ組成物、およびそれを用いたボールペン | |
JP2019011397A (ja) | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 | |
JP7098406B2 (ja) | 着色樹脂粒子分散体およびその製造方法、ならびにその着色樹脂粒子分散体を含んでなる筆記具用水性インキ組成物および筆記具 | |
JPS63243180A (ja) | 水性白色インキ | |
JP2018172585A (ja) | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 | |
JP6744716B2 (ja) | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 | |
JP7430105B2 (ja) | ボールペン用インキ組成物およびそれを用いたボールペン | |
JP4836816B2 (ja) | 水性ボールペン | |
JP6585437B2 (ja) | 筆記具用水性インク組成物 | |
JP7210264B2 (ja) | 筆記具用水性インキ組成物 | |
JP7210265B2 (ja) | 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン | |
JP2021006627A (ja) | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 | |
JP2017155162A (ja) | 筆記具用水性インク組成物 | |
JP2003231855A (ja) | ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200121 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200907 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200915 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210112 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210215 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210412 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210907 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210930 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6954757 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |