JP2017106004A - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ペン先乾燥を抑制するなどのためにグリセリンやエチレングリコールなどの高沸点有機溶剤を添加したインキ組成物では、これらの溶剤の親水性が高いことによって筆跡の乾燥性が悪くなり、また、手脂で汚染された紙面に対してはじかれてしまい線飛びが発生してしまう傾向があるなどの問題があった。
疎水性であるが水に溶解可能な溶剤や添加剤を添加すると、筆跡の乾燥性や、手脂が付着した面への筆記性は向上するものの、多糖類の溶解安定性が低下して顔料の分散性や剪断減粘性が不安定となって、経時的に顔料凝集などが発生したり、書き味が悪くなったりして、安定した性能を発揮することが難しいものであった。
また、手脂による線飛び現象を防止する手段として、インキ組成物中に、架橋型ポリN−ビニルカルボン酸アミドとアルキルベンゼンスルホン酸塩とを併用し、ボールとボール受座の摩擦抵抗を減少させ、ボールが回転し易くしてインキ組成物を吐出させるようにし、手脂で汚染された紙面上でもボールがスリップせずに良好に回転し、筆跡を形成できるとした例(特許文献2)や、インキ組成物中に、不飽和度が4以上の不飽和脂肪酸を使用して紙面の手脂成分にインキ組成物がはじかれにくくした例(特許文献3)などが知られている。
特許文献2に記載の発明によるインキ組成物では、架橋型ポリN−ビニルカルボン酸アミドと、アルキルベンゼンスルホン酸塩自体は親水性のため、特に手脂の汚染度が高い紙面では、疎水性の手脂成分にはじかれてしまい、インキ組成物が紙面にうまく乗らずに線飛び現象が発生してしまうことがあった。
特許文献3に記載の発明によるインキ組成物では、手脂が付着した面への筆記性は良好であるが、不飽和度が4以上の不飽和脂肪酸が水中での分散が不安定であり、時間が経つと不飽和度が4以上の不飽和脂肪酸の凝集により、長時間にわたる手脂が付着した面への筆記の安定性が損なわれるものであった。
また、酸価が1以上100未満のスチレン−アクリル酸樹脂エマルションを併用した2−メチルペンタン−2,4−ジオールの被筆記面の手脂の付着した部分を含む筆記面への吸着作用によって、多糖類が取り込んでいる溶剤を多糖類から引き出す現象が起こるものと推察され、多糖類を使用しつつも筆跡においてはその乾燥性が速くなる。
また、スチレン−アクリル酸樹脂エマルションの固形分酸価が50以上100未満であると、水と2−メチルペンタン−2,4−ジオールとの相溶性が更に良好となり、筆跡の乾燥性、手脂が付着した面へ筆記した際の筆跡の安定性が更に良好なものとなる。
また、前記2−メチルペンタン−2,4−ジオールに対する前記スチレン−アクリル酸樹脂エマルションのインキ組成物中の重量比率であるスチレン−アクリル酸樹脂エマルション固形分/2−メチルペンタン−2,4−ジオールの値が0.02以上0.08以下であると、水と2−メチルペンタン−2,4−ジオールとの相溶性が更に良好となり、筆跡の乾燥性、手脂が付着した面へ筆記した際の筆跡の安定性が更に良好なものとなる。
また、一般式(化1)で示されるリン酸誘導体は、長鎖アルキル基を持ち、2−メチルペンタン−2,4−ジオールとは相溶性が良いので、固形分酸価が1以上100未満のスチレン−アクリル酸樹脂エマルションと2−メチルペンタン−2,4−ジオールの混合溶剤に溶解した状態で多糖類の網目構造中に取り込まれ、溶解して3次元的により大きく拡がった均一な細孔の網目構造を形成するので、筆跡が紙の裏にまで浸透する裏抜け現象が更に抑制される。また、一般式(化1)で示されるリン酸誘導体によっても手脂の付着した面への吸着が起こるので筆跡の線飛び現象が更に抑制されたものとなる。
更に、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールは、2−メチルペンタン−2,4−ジオールと固形分酸価が1以上100未満であるスチレン−アクリル酸樹脂エマルションとも良好に相溶し、経時においても組成が安定し、筆跡の乾燥性、手脂が付着した面へ筆記した際の筆跡の安定性を維持し続けることができる。
染料も併用することができる。具体例としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料等のいずれも用いることができる。その一例を挙げれば、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)等の酸性染料、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料が挙げられる。これらの顔料及び染料は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
更に、インキとしての種々の品質、例えば、低温時でのインキ凍結防止、ペン先でのインキ乾燥防止等の目的で従来公知の有機溶剤を併用することが可能である。有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン、ベンジルグリコール、ベンジルジグリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類、ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール系溶剤やプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらの有機溶剤の使用量は、インキ組成物全量に対し、0.05重量%以上10.0重量%以下が好ましい、理由は不明であるが特に2−メチルペンタン−2,4−ジオールと水と多価アルコールを、インキ組成物全量に対し、2.5重量%以上10.0重量%以下の量で併用すると多糖類の3次元網目構造をより均一化するためにより早く、均一にむらなく乾燥する。特に、
特に、キサンタンガムは2−メチルペンタン−2,4−ジオールと固形分酸価1以上100未満のスチレン−アクリル酸樹脂エマルションを併用したとき、長時間にわたる手脂筆記安定性を維持できるので好ましい。キサンタンガムはキサントモナスの培養液から分離精製されるグルコース、マンノース、グルクロン酸からなる多糖類である。具体例を挙げると、ケルザン、同S、同T、同ST、同ASX、同ASXT、同AR、同HP、同G、ケトロールCG、同CG−T、同CG−SFT(以上、三晶株式会社製)、サンエース、同S、同C、同C−S、同B−S、同NF、同G、同E−S、同NXG−S、同NXG−C、ビストップD−3000−DF、同D−3000−DF−C(以上、三栄源エフ・エス・アイ株式会社製)、等がある。多糖類の使用量は、インキ組成物全量に対し、0.05重量%以上5.0重量%以下が好ましいが、ボールペンとしての性能を保持するため、インキ全量に対して0.1重量%以上2.0重量%以下がより好ましい。インキ組成物全量に対し、0.05重量%未満では、静置時のインキ粘度が低すぎて、インキが漏れる傾向となる。一方、インキ組成物全量に対し、5.0重量%を越えた場合、筆記時の粘度が高くなり過ぎるため、ペン先部からのインキ吐出が悪くなったり、書き味が悪くなったりする傾向がある。
一般式(化1)のリン酸誘導体は、長鎖アルキル基の働きにより、固形分酸価が1以上100未満のスチレン−アクリル酸樹脂エマルションと2−メチルペンタン−2,4−ジオールとは相溶性が良いので、混合溶剤に溶解した状態で多糖類の網目構造中に取り込まれ、溶解してより大きく拡がった網目構造となり、筆跡の紙への裏抜けがより発生しにくくなる上、手脂の付着した部分の紙への吸着が更に強力になるので、著しく手脂で汚染された紙に筆記しても線飛び現象がなくなる。一般式(化1)のリン酸誘導体としてフォスファノール RB−410(東邦化学株式会社社、4オキシエチレンオレイルエーテルリン酸)、同RL−310(3オキシエチレンステアリルエーテルリン酸)、同RL−210(2オキシエチレンステアリルエーテルリン酸)、同RD−720N(7オキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム)、NIKKOLDOP−8NV(日光ケミカルズ株式会社社製、8オキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム)が挙げられる。理由は不明であるが、特に4オキシエチレンオレイルエーテルリン酸は乾燥がより速くなり、裏抜けもしにくい。尚、これらリン酸誘導体はナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アミン塩などあらかじめ塩にしたものをインキに用いても、これらリン酸誘導体をインキ配合時に併用することによってインキ中で塩にして用いてもよく、その場合のアルカリの具体的な例としては水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。その使用量は固形分として、リン酸誘導体の使用量は、インキ組成物全量に対し、0.3重量%以上5.0重量%以下が好ましい。0.3重量%未満では十分な効果がない場合があり、5.0重量%を超えて添加してもその効果の向上は見られず添加することの意味がない。
特に、アルミナは、多糖類の網目構造中に取り込まれることで多糖類が拡がった網目構造になり、筆跡の紙への裏抜けがより発生しにくくなるので好ましい。アルミナの平均粒子径が0.1μm以上10μm以下の場合、アルミナが被筆記物の隙間(例えば紙面繊維間の隙間)に入り込みやすくなり、筆跡の紙への裏抜けを発現しやすくなる。
また、これらの調製工程において、発生した分散熱をそのまま利用して撹拌したり、熱をかけたり、冷却して撹拌することができる。脱泡機による泡の除去やろ過機による粗大物のろ過等を必要に応じて行っても良い。更に、多糖類の分散性を十分にするためにインキ調整後にエージング工程を行っても良い。これらの種々の混合工程、分散工程、ろ過工程、加熱工程又は冷却工程は、それぞれ単独で行ってもよく、あるいは、2種以上の工程を並行して行ってもよい。
インキ逆流防止体を液状の組成物で構成する場合は、不揮発性液体難揮発性液体からなる。具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらの不揮発性液体難揮発性液体は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
前記不揮発性液体および/または難揮発性液体は、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。そのうち、脂肪酸金属石鹸、脂肪酸デキストリン、アマイド変性ポリエチレンワックスがゲルの耐溶剤性に優れるため好適に用いられる。その他、アルコール系溶剤やグリコール系溶剤、界面活性剤、樹脂、金属酸化物等の微粒子を添加してインキ逆流防止組成物に必要な機能(ゲル化、着色防止、逆流防止)を向上させることもできる。また、インキ逆流防止組成物の中に更に逆流防止体であるフロートを入れて耐衝撃性を向上させても良い。
図2に示すように、筆記具100は、筆記部としてのボールペンチップ1と、ボールペンチップ1(筆記部)に供給されるインキ7が貯留されるインキ収容部としてのインキ収容管6と、を備える。
前記軸筒18内には、ボールペンリフィル200が前後移動可能に配置されている。そのボールペンリフィル200の前方には、コイルスプリングなどからなる弾発部材24が配置されており、ボールペンリフィル200を後方に向けて付勢している。ボールペンリフィル200の後端部は前記回転子23の先端部に当接している。つまり、前記ノック22の押圧操作によってボールペンリフィル200が軸筒18の先端開口部から出没する出没式筆記具となっている。
また、インキ収容管6内にはインキ7が収容されており、インキ組成物7の後端界面に接して、インキ7と相溶しないインキ逆流防止体8が配置されている。なお、リフィル20のインキ収容管6の後端にインキ組成物7の洩れ出しを防止する尾栓等を配置して、外装体30を使用しないボールペン体とすることもできる。
図3に示す実施形態では、ボールホルダ3は、金属製の円柱材にドリル等によりインキ通路として貫通孔を形成しており、この貫通孔は、ボールが突出する先端側よりボールハウス部11、中孔12、後孔13を有している。ボールハウス部11と後孔13との間には、内方突出部14が形成されている。ボールハウス部11の先端開口部15は、かしめ加工にて縮径化されており、この縮径化された先端開口部15と、内方突出部14にてボール2の前後左右方向へ移動し得る範囲を規定している。そして、内方突出部14が複数本、環状に等間隔に配置されることによって、隣り合った内方突出部の間が、放射状溝16となっており、後孔13から中孔12を通じてインキ組成物7をボールハウス部11内に供給するインキ組成物の通路となっている。この放射状溝16は、ボールハウス部11、中孔12、後孔13を加工した後に切削により形成する。本例においては、放射状溝16は、内方突出部14を軸線方向に貫通し、後孔13まで連通することで、ボールハウス部11へのインキ7の供給を確保しているものであるが、内方突出部14を軸線方向に貫通させない状態で中孔12に通じるものとしても良い。
下記表1〜7に示す組成を有する実施例1〜35及び比較例1〜15のインキ組成物を作製した。
表1〜7に示す各組成物の材料としては、具体的には下記のものを使用した。
CB−1:FUJI SP BLACK 8041(黒色顔料分散体、カーボンブラック、冨士色素株式会社製)
CB−2:FUJI SP BLACK 8031(黒色顔料分散体、カーボンブラック、冨士色素株式会社製)
OP−1:FUJI SP RED 5657(赤色顔料分散体、有機顔料、冨士色素株式会社製)
OP−2:FUJI SP RED 5653(赤色顔料分散体、有機顔料、冨士色素株式会社製)
OP−3:FUJI SP BLUE 6474(青色顔料分散体、有機顔料、冨士色素株式会社製)
OP−4:FUJI SP BLUE 6062(青色顔料分散体、有機顔料、冨士色素株式会社製)
OP−5:FUJI SP VIOLET 9011(紫色顔料分散体、有機顔料、冨士色素株式会社製)
OP−6:FUJI SP RED 5543(赤色顔料分散体、有機顔料、冨士色素株式会社製)
OP−7:FUJI SP VIOLET 9602(紫色顔料分散体、有機顔料、冨士色素株式会社製)
OP−8:FUJI SP VIOLET 6401(青色顔料分散体、有機顔料、冨士色素株式会社製)
主溶剤:イオン交換水
<有機溶剤>
SOL−1:2−メチルペンタン−2,4−ジオール
SOL−2:エチレングリコール
SOL−3:3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール
SOL−4:2−エチルペンタン−2,4−ジオール
SOL−5:グリセリン
SOL−6:1,2−ペンタンジオール
SOL−7:1,2−ヘキサンジオール
SOL−8:1,2−オクタンジオール
SOL−9:ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル
SOL−10:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
LU−1:フォスファノール RB−410(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(アルキル基C18、酸化エチレン付加モル数4)、東邦化学工業製株式会社製)の20重量%水溶液。
LU−2:フォスファノール RS−710(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(アルキル基C13、酸化エチレン付加モル数10)、東邦化学工業製株式会社製)の20重量%水溶液。
LU−3:フォスファノール RL−310(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(アルキル基C18、酸化エチレン付加モル数3)、東邦化学工業製株式会社製)の20重量%水溶液。
LU−4:フォスファノール ML−240(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(アルキル基C12、酸化エチレン付加モル数4)、東邦化学工業製株式会社製)の20重量%水溶液。
LU−5:フォスファノール LB−400(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(アルキル基C18、酸化エチレン付加モル数4)、東邦化学工業製株式会社製)の20重量%水溶液。
ACT−1:ネオペレックスNo.25(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王株式会社製)
ACT−2:キシメニン酸(不飽和度4で三重結合を持つ不飽和脂肪酸)
ACT−3:クレペニン酸(不飽和度4で三重結合を持つ不飽和脂肪酸)
ベンゾトリアゾールの20重量%エチレングリコール溶液
AO−1:AKP20(アルミナ、住友化学工業株式会社製)の0.67重量%グリセリン分散液
AO−2:アルミナ#8000(アルミナ、フジミインコーポレーテッド株式会社製)
<防黴剤>
プロクセルGXL(防黴剤、アビシア株式会社製)
AC−1:ジョンクリル 734(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.08μm、酸価87、BASFジャパン株式会社製)
AC−2:ジョンクリル PDX7323(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.08μm、酸価87、BASFジャパン株式会社製)
AC−3:ジョンクリル 780(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.10μm、酸価46、BASFジャパン株式会社製)
AC−4:ジョンクリル PDX7362(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.25μm、酸価38、BASFジャパン株式会社製)
AC−5:ジョンクリル PDX7145(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.16μm、酸価56、BASFジャパン株式会社製)
AC−6:ジョンクリル 711(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.09μm、酸価100、BASFジャパン株式会社製)
AC−7:ジョンクリル PDX7440(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.25μm、酸価1、BASFジャパン株式会社製)
AC−8:ジョンクリル 74J(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.08μm、酸価51、BASFジャパン株式会社製)
AC−9:ジョンクリル 450(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.16μm、酸価100、BASFジャパン株式会社製)
AC−10:ジョンクリル PDX7630A(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.16μm、酸価200、BASFジャパン株式会社製)
AC−11:ジョンクリル 537J(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.07μm、酸価40、BASFジャパン株式会社製)
AC−12:ジョンクリル 390(スチレン−アクリル酸樹脂エマルション、平均粒子径0.09μm、酸価54、BASFジャパン株式会社製)
<樹脂>
樹脂−1:GX−205(架橋型ポリN−ビニルアセトアミド、昭和電工株式会社製)
樹脂−2:PVA224E(ポリビニルアルコール、株式会社クラレ製)
<多糖類>
多糖類−1:ケルザンAR(多糖類、キサンタンガム分散液、三晶株式会社製)の6重量%水溶液
多糖類−2:アルカシーラン(多糖類、伯東株式会社製)の0.4重量%水分散液
<pH調整剤>
pH調整剤−1:NaOH
pH調整剤−2:トリエタノールアミン
pH調整剤−3:ジエタノールアミン
ただし、pH調整剤は、インキ組成物のpHが8.0以上8.6以下になるように添加した。
<実施例1〜9、13〜35及び比較例1〜3、7〜13、15>
多糖類としてのケルザンARの6重量%水溶液の全量と、主溶剤としてのイオン交換水の全量と、2−メチルペンタン−2,4−ジオールを除く有機溶剤の全量とを、ホモミキサーで1時間攪拌してキサンタンガム水溶液を作製し、次いで2−メチルペンタン−2,4−ジオールの全量を添加し、その後、カーボンブラック又は有機顔料を添加し、最後に、残りの配合物の全量を加え、ホモミキサーにて1時間攪拌してインキ組成物を得た。
多糖類としてのアルカシーランの0.4重量%水分散液の全量と、主溶剤としてのイオン交換水の全量と、2−メチルペンタン−2,4−ジオールを除く有機溶剤の全量とを、ホモミキサーで1時間攪拌してアルカシーラン分散液を作製し、次いで2−メチルペンタン−2,4−ジオールを添加し、その後、カーボンブラック又は有機顔料を添加し、最後に、残りの配合物の全量を加え、ホモミキサーにて1時間攪拌してインキ組成物を得た。
樹脂全量と、主溶剤としてのイオン交換水の全量と、2−メチルペンタン−2,4−ジオールを除く有機溶剤の全量とを、ホモミキサーで1時間攪拌して樹脂分散液を作製し、次いで2−メチルペンタン−2,4−ジオールを添加し、その後、カーボンブラック又は有機顔料を添加し、最後に、残りの配合物の全量を加え、ホモミキサーにて1時間攪拌してインキ組成物を得た。
以上のようにして得られた実施例1〜35及び比較例1〜15について、以下の物性値を測定した。測定した物性値及び測定方法は下記のとおりである。また、各物性値の測定結果を下記表1〜7に示す。
各実施例及び比較例のインキ組成物のpH(表においてpHと表記)を計測した。上記pH測定は、HORIBA製「LAQUA twin」Model:AS 712を用い、温度25℃で測定した。
<粘度>
各実施例及び比較例の温度25℃、剪断速度0.35sec−1における粘度(表において粘度@0.35と表記)、及び、温度25℃、剪断速度35sec−1における粘度(表において粘度@35と表記)を計測した。表に示す測定結果の単位は[mPa・s]である。上記粘度測定は、REOLOGICA Instruments社製「VAR−100」を用い、測定条件は、温度25℃、40mmコーンプレート(1°)にて剪断速度と粘度を測定した。
実施例及び比較例に係るインキ組成物を評価するため、試験用のボールペンチップを3種類作製した。それぞれの試験用ボールペンチップにおける寸法の実測値を表8に示すとともに、各寸法の測定該当位置を図4、図4のII−II’線断面矢視図である図5に示す。
試験用ボールペンチップは、内方突出部14(図3参照)の表面を平滑にしてボールの回転を良好にする目的で内方突出部14にテーパー状のピン(図示せず)(第1、第2のボールペンチップ)を打ち込むか、内方突出部14にボール2を押圧してボール2とほぼ同じ曲率を有したボール受座17を形成している。
図4にはボール2を先端開口部15に当接させた状態のボール2を点線にて示しており、実線と点線のずれの差はボール2の前後方向の移動量Eを示している。なお、ボール2及びコイルスプリング9は省略して記載している。
図5はボール2がボール受座17に着座した際のボールペンチップからインキが吐出する先端開口部15の大きさを示している。クリーナー径G及び放射状溝径Nは、各々の矢印部の曲率の半径(各々の矢印部の仮想内接円の半径)を意味する。
試験用第1〜第3のボールペンチップの各部の寸法値を表8に示す。
の材質はステンレス(商品名:SF20T、ビッカース硬度(HV)は240、下村特殊精工株式会社製)を使用した。
また、ボール2の後方にコイルスプリングを配置して、ボール2をボールホルダ3の先端開口部の内縁に押し当てることで、非使用時のインキ通孔を密閉し、ボールペンチップ先端からのインキのにじみ出しを防止したり、落下による衝撃やペン先を上向きに放置した時のインキの移動を防止している。スプリング材質はSUS304ステンレス線とし、ボール2を押圧する荷重は0.3Nとしている。
50.0重量%のモービルSHF1003(α−オレフィンオリゴマー、基材、モービル石油株式会社製)と、45.3重量%のルーカントHC−100(エチレン−α−オレフィンオリゴマー、基材、三井石油化学株式会社製)と、3.5重量%のアエロジルR972(微粒子シリカ、ゲル化剤、日本アエロジル株式会社製)と、1.2重量%のレオパールKL(デキストリン脂肪酸エステル、千葉製粉株式会社製)とを、混合し、ホットスターラーで150℃にて2時間攪拌して逆流防止体組成物を得た。この逆流防止体の25℃における粘度は30000mPa・sであった。
比較例1、2及び13〜15には第1のボールペンチップ、比較例3〜7には第2のボールペンチップ、比較例8〜12には第3のボールペンチップをそれぞれ組合せ比較用の試験サンプルボールペンを得た。
以下の配合で作製した人工手脂配合1で調製した手脂を、アセトンで30重量%に希釈した溶液(以下、30重量%手脂希釈溶液という)を作成する。
この30重量%手脂希釈溶液を、JIS S 6061の7.3に示される試験用紙に、スプレーにて均一に噴霧した後、室温にて2時間乾燥させアセトンを除去し、手脂で汚染された手脂用紙を作成した。また、同様にアセトンで60パーセントに希釈した60重量%手脂希釈溶液を作成し、手脂で著しく汚染された手脂用紙2を作成した。
(人工手脂配合)
スクワラン 10重量%
イソプロピルミリステート 20重量%
オリーブ油 40重量%
コレステロール 2重量%
パルミチン酸 2重量%
オレイン酸 13重量%
イソステアリン酸 13重量%
上記成分を攪拌混合して手脂を得た。
試験サンプルボールペンを用いて、手脂用紙1に株式会社トリニティーラボ製のTribo−master(Type:TL201Sa)にて、筆記速度7cm/sec、筆記角度70°、筆記荷重100gfの筆記条件で、15cmの直線を筆記した。筆記終了後、直線中の線飛びした距離を測定し、15cmの直線中の線飛びした距離の合計を筆跡の線飛び長(表において手脂1と表記)さとした。
(手脂用紙2による手脂筆記性試験2)
試験サンプルボールペンを用いて、手脂用紙2に株式会社トリニティーラボ製のTribo−master(Type:TL201Sa)にて、筆記速度7cm/sec、筆記角度70°、筆記荷重100gfの筆記条件で、15cmの直線を筆記した。筆記終了後、直線中の線飛びした距離を測定し、15cmの直線中の線飛びした距離の合計を筆跡の線飛び長さ(表において手脂と表記)とした。
(手脂用紙1による経時後手脂筆記性試験3)
経時後手脂試験用ボールペンを用いて、手脂用紙1に株式会社トリニティーラボ製のTribo−master(Type:TL201Sa)にて、筆記速度7cm/sec、筆記角度70°、筆記荷重100gfの筆記条件で、15cmの直線を筆記した。筆記終了後、直線中の線飛びした距離を測定し、15cmの直線中の線飛びした距離の合計を筆跡の線飛び長さ(表において手脂3と表記)とした。
(手脂用紙2による経時後手脂筆記性試験4)
経時後手脂試験用ボールペンを用いて、手脂用紙2に株式会社トリニティーラボ製のTribo−master(Type:TL201Sa)にて、筆記速度7cm/sec、筆記角度70°、筆記荷重100gfの筆記条件で、15cmの直線を筆記した。筆記終了後、直線中の線飛びした距離を測定し、15cmの直線中の線飛びした距離の合計を筆跡の線飛び長さ(表において手脂4と表記)とした。
室温25℃、湿度65%の環境下で、JIS S 6061の7.3に示される試験用紙に、2cm×2cmの大きさの枡中に「永」の文字を筆記し、消しゴム(ハイポリマー、ぺんてる株式会社製)を荷重500gfで1回擦った時に、紙面が汚れなくなるまでの時間(表において乾燥性と表記)を求めた。
室温25℃、湿度65%の環境下で、JIS S 6061の7.3に示される試験用紙に、2cm×2cmの大きさの枡中に「永」の文字を筆記し、カッターで筆跡部分の断面を作成し、デジタル顕微鏡(株式会社KEYENCE社製、VHX−1000、倍率200倍)を用いて、インキ浸透深さ(表において裏抜けと表記)を測定した。インキ組成物における裏抜け抑制効果は、インキ浸透深さが12μm以下の場合に特に良好であり、12μmより大きく20μm以下の場合に良好であり、20μを超える場合に良好でないと評価した。
また、各インキ組成物の乾燥性を、計測した上述の時間で評価した。インキ組成物の乾燥性は、上述の時間が4秒以下の場合に良好であり、4秒より長く16秒以下の場合に良好であり、16秒を超える場合に良好でないと評価した。
特に、実施例1〜6、13〜18、27〜29、33〜35は、一般式(化1)のリン酸誘導体を含有することにより、紙への浸透深さが更に少なく筆跡乾燥性が良好だった。実施例13〜18、33〜35は、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを含有することにより、著しく手脂が塗布された紙に対して、長期経時後も、線飛びすることなく良好な筆跡が得られた。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 ボール
3 ボールホルダ
4 貫通孔
5 チップホルダ
6 インキ収容管
7 インキ
8 インキ逆流防止体
9 コイルスプリング
10 フロート
11 ボールハウス部
12 中孔
13 後孔
14 内方突出部
15 先端開口部
16 放射状溝
17 ボール受座
18 軸筒
19 前軸
20 後軸
21 頭冠
22 ノック
23 回転子
24 弾発部材
25 クリップ
200 リフィル
300 外挿体
100 筆記具
A ボール径
B 先端開口部径
C 先端開口部隙間幅
D ボール突出長さ
E ボール前後方向移動量
F ボールハウス部径
G クリーナー径
H 中孔径
I 中孔部長さ
J 後孔径
K 放射状溝幅
L 先端部外径
M 球面受け座外径
N 放射状溝径
O 放射状溝深
α カシメ角度
β ボール受け座開き角度
Claims (6)
- 少なくともカーボンブラック及び/または有機顔料と、水と、多糖類と、2−メチルペンタン−2,4−ジオールと、固形分酸価が1以上100未満であるスチレン−アクリル酸樹脂エマルションを含有するボールペン用水性インキ組成物。
- 前記スチレン−アクリル酸樹脂エマルションの固形分酸価が50以上100未満である請求項1に記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 前記2−メチルペンタン−2,4−ジオールに対する前記スチレン−アクリル酸樹脂エマルションのインキ中の重量比率であるスチレン−アクリル酸樹脂エマルション固形分/2−メチルペンタン−2,4−ジオールの値が0.02以上0.08以下である請求項1または2に記載の水ボールペン用水性インキ組成物。
- 3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを含有する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 前記2−メチルペンタン−2,4−ジオールに対する前記3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールのインキ中の重量比率である3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール/2−メチルペンタン−2,4−ジオールの値が0.05以上0.2以下である請求項5に記載のボールペン用水性インキ組成物。
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