JP2016132769A - 水溶性金属加工油 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離を起こすことなく安定であり、起泡性が十分に低く、金属への濡れ性の高い水溶性金属加工油を提供することである。
【解決手段】式(1)で示される化合物を含有する水溶性金属加工油を提供する。R−O−(EO)−(PO)−H ・・・(1) (Rは3,5,5−トリメチルヘキシル基である。EOはオキシエチレン基である。POはオキシプロピレン基である。mはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1〜10である。nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、1〜5である。m/(m+n)は0.40〜0.90である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属への濡れ性の高い水溶性金属加工油に関する。
水溶性金属加工油は切削、研削、圧延、焼入れなど塑性加工の分野において広く使用されている。このうち水溶性切削油は、不水溶性の鉱物油、油脂、脂肪酸エステルに乳化剤を併用したものや水溶性のポリアルキレングリコール誘導体を基油とし、カルボン酸、有機アミンなどを配合し、水に希釈して使用される。水溶性切削油には、工具と被加工物の間の摩擦を低減させるための潤滑性、工具と被加工物の摩擦により生じる加工熱の冷却性が要求される。高い潤滑性および冷却性を発現するためには水溶性切削油の加工点への濡れ広がりが重要である。しかしながら、近年の仕上精度の向上や工具寿命の延長の要求の高まりから、従来用いられてきた水溶性金属加工油は濡れ性が十分でない場合がある。また近年の加工速度の高速化により、従来の要求性能であった発生した気泡の短時間での低減のみならず、起泡性自体が低いことが要求されている。この他、水溶性切削油には、構成成分が分離することなく均一であることが要求される。
これまでに水溶性金属加工油に関する多くの報告がなされている。ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレントリブロック共重合体を基油として使用する方法が報告されている(例えば特許文献1)。このような水溶性金属加工油は起泡性が低いが、近年の高度な金属への濡れ性の要求に対しては十分でない場合がある。
非イオン性界面活性剤とアセチレングリコールのアルキレンオキシド付加物を使用する方法が報告されている(例えば特許文献2)。このような水溶性金属加工油は、気泡の発生が低いが、近年の高度な金属への濡れ性の要求に対しては十分でない場合がある。
分岐アルキル基を有するエステル型非イオン性界面活性剤を添加する方法が報告されており、具体例としてイソステアリン酸のアルキレンオキシド付加物が報告されている(例えば特許文献3)。このような水溶性金属加工油は金属への濡れ性に優れ、気泡の短時間での低減に優れるが、起泡性が高い場合があり、また経時的に耐加水分解する問題がある。
特定の炭素数のアルコールのエチレンオキシド・プロピレンオキシド付加物を使用する水溶性のベルトコンベア用潤滑剤が報告されており、具体例としてラウリルアルコールのエチレンオキシド・プロピレンオキシド付加物などが報告されている(例えば特許文献4)。このような化合物を水溶性金属加工油に用いた場合、金属への濡れ性に優れるが、起泡性が高い場合があり、また気泡の短時間での低減が十分ではない場合がある。
特定のアルコールのエチレンオキシドブチレンオキシド付加物を用いる方法が報告されている(例えば特許文献5)。このような化合物からなる水溶性金属加工油は、水への溶解性が低く、親水性の低い基油を使用した場合には分離が生じることがある。また、このような化合物は、たとえオキシエチレン基およびオキシブチレン基の付加モル数の調整により親水性を向上させた場合にも、発生した気泡の消失性は高いが起泡性が高い場合がある。
このように、分離を起こすことなく安定であり、起泡性が十分に低く、金属への濡れ性の高い水溶性金属加工油は未だ得られていない。
特開平8−231977号公報 特開2012−201750号公報 特開2002−80882号公報 特開2009−191126号公報 特開2013−23662号公報
本発明の課題は、分離を起こすことなく安定であり、起泡性が十分に低く、金属への濡れ性の高い水溶性金属加工油を提供することにある。
本発明は、式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする、水溶性金属加工油に係るものである。

−O−(EO)−(PO)−H ・・・(1)
(Rは3,5,5−トリメチルヘキシル基である。EOはオキシエチレン基である。POはオキシプロピレン基である。mは炭素数2〜3のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜10である。nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、1〜5である。m/(m+n)は0.40〜0.90である。)
本発明の水溶性金属加工油は、分離を起こすことなく安定であり、起泡性が十分に低く、金属への濡れ性が高いため、金属加工の仕上精度の向上や工具寿命の延長を達成することができる。
本発明の金属への濡れ性の高い水溶性金属加工油は、式(1)で示される化合物からなる。
−O−(EO)−(PO)−H ・・・(1)
式(1)におけるRは3,5,5−トリメチルヘキシル基である。Rの炭素数が9より小さい場合は、金属への濡れ性が不十分であり、9より大きい場合は起泡性が高くなる。また、Rの炭素数が9であっても、3,5,5−トリメチルヘキシル基でない場合(例えばイソノニル基やn−ノニル基の場合)、金属への濡れ性が不十分であり、起泡性が高くなる。
式(1)におけるEOはオキシエチレン基である。EOの炭素数が2より大きい場合は親水性が低下する。
式(1)におけるPOはオキシプロピレン基である。POの炭素数が3より小さい場合は起泡性が高く、3より大きい場合は水溶性金属加工油の親水性が低下する。
式(1)におけるmは炭素数2〜3のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜10である。mが1より小さい場合は親水性が低下し、10より大きい場合は金属への濡れ性が不十分である。mは好ましくは2以上である。また、mは好ましくは8以下であり、より好ましくは5以下である。
式(1)におけるnはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、1〜5である。nが1より小さい場合は金属への濡れ性が不十分であり起泡性が高く、5より大きい場合は親水性が低下する。nは好ましくは3以上である。また、nは好ましくは4以下である。nが3〜4の場合、連続したオキシプロピレン基の疎水性により水酸基と水との相互作用が低下して泡膜の安定性が低下し、起泡性が低くなる。
式(1)におけるm/(m+n)は0.40〜0.90である。m/(m+n)が0.40より小さい場合は親水性が低下し、0.90より大きい場合は水溶性金属加工油の親水性が低下する。m/(m+n)は好ましくは0.40〜0.75であり、より好ましくは0.40〜0.60である。
式(1)で示される化合物は、従来公知のアルキレンオキシド付加反応により得ることができる。例えば、アルカリ触媒の存在下において3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールにエチレンオキシドを付加重合させ、次いでプロピレンオキシドを付加重合させることにより得られる。
本発明の水溶性金属加工油は切削、研削、塑性加工等に用いられる水溶性の潤滑油であり、具体的には、切削油、研削油、圧延油、鍛造油、焼入油等が挙げられる。好ましくは切削油、研削油および圧延油であり、より好ましくは切削油である。
本発明の金属加工油は、(a)式(1)で示される化合物のほか、(b)式(2)で示される化合物、(c)水を含有することが好ましい。
Z−[O−(AO)−(PO)−H ・・・(2)
(Zは1〜6価のアルコールの水酸基を除いた残基であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基であり、AO中のオキシエチレン基の割合は70〜100重量%である。POはオキシプロピレン基である。aは炭素数2〜3のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜20である。bはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、3〜40である。cは1〜6である。a×cは3〜30であり、b×cは10〜70であり、a/(a+b)は0.05〜0.55である。分子量は1000〜5000である。)
式(2)におけるZは1〜6価のアルコールの水酸基を除いた残基である。Zを残基とする化合物として具体的には、1価アルコールとしてメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、イソデカノール、ドデカノール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、フェノール等が挙げられ、2価アルコールとしてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA等が挙げられ、3価アルコールとしてグリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、4価アルコールとしてペンタエリスリトール、ジグリセリン、メチルグルコシド等が挙げられ、5価アルコールとしてキシリトール、トリグリセリン等が挙げられ、6価アルコールとしてソルビトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。好ましくは2〜3価のアルコールであり、より好ましくはエチレングリコールである。
式(2)で示される化合物のAOは、炭素数2〜3のオキシアルキレン基であり、具体的にはオキシエチレン基、オキシプロピレン基が挙げられる。AO中のオキシエチレン基の割合は70〜100重量%である。ただし、AOを構成するオキシエチレン基とオキシプロピレン基との合計量を100重量%とする。
AOの炭素数が3より大きい場合は親水性が低下する。AO中のオキシエチレン基の割合が70重量%より小さい場合は親水性が低下する。AO中のオキシエチレン基の割合は好ましくは80重量%以上である。AOは、オキシエチレン基が100重量%を占めていることが特に好ましい。AOが2種以上である場合は、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がポリオキシプロピレン基・ポリオキシエチレン基の順にブロック状に付加していても、ランダム状に付加していてもよく、ランダム状に付加していることが好ましい。
式(2)で示される化合物のaは炭素数2〜3のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜20である。aが1より小さい場合は親水性が低下し、20より大きい場合は親水性が高くなり曇点が上昇し、金属面への析出量が低下して加工性が低下する。aは好ましくは2以上であり、よりこ好ましくは3以上である。また、aは、好ましくは18以下であり、より好ましくは15以下である。
式(2)で示される化合物のbはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、3〜40である。bが3より小さい場合は起泡性が高く、40より大きい場合は親水性が低下する。
式(2)で示される化合物のcは1〜6である。cが6より大きい場合は取り扱い性が低下する。cは好ましくは1〜3であり、より好ましくは2〜3である。
式(2)で示される化合物のa×cは3〜30である。a×cが3より小さい場合は親水性が低下し、30より大きい場合は親水性が高くなり曇点が上昇し、金属面への析出量が低下して加工性が低下する。a×cは、好ましくは5以上であり、より好ましくは7以上である。また、a×cは、好ましくは25以下であり、より好ましくは23以下である。
式(2)で示される化合物のb×cは10〜70である。b×cが10より小さい場合は起泡性が高く、70より大きい場合は親水性が低下する。b×cは、好ましくは15以上であり、より好ましくは20以上である。また、b×cは、好ましくは60以下であり、より好ましくは50以下である。
式(2)で示される化合物のa/(a+b)は0.05〜0.55である。a/(a+b)が0.05より小さい場合は親水性が低下し、0.55より大きい場合は親水性が高くなり曇点が上昇し、金属面への析出量が低下して加工性が低下する。a/(a+b)は、好ましくは0.10以上であり、より好ましくは0.15以上である。また、a/(a+b)は、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.35以下である
式(2)で示される化合物の分子量は1000〜5000である。分子量が1000より小さい場合は加工性が低下し、5000より大きい場合は粘度が高く取り扱いが困難である。式(2)で示される化合物の分子量は、好ましくは1200以上であり、より好ましくは1500以上である。また、式(2)で示される化合物の分子量は、好ましくは4000以下であり、より好ましくは3500以下である。
さらに本発明の水溶性切削油は、防錆剤、消泡剤、防腐剤、金属不活性化剤、摩擦調整剤などの添加剤を併用することができる。防錆剤としては、カルボン酸のアルカノールアミン塩、ジカルボン酸のアルカノールアミン塩、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸誘導体が挙げられる。消泡剤としては、シリコーン油、フルオロシリコーン油、フルオロアルキルエーテル、ポリアルキレングリコール系消泡剤等が挙げられる。金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール、チアゾール、イミダゾリン、ピリミジン誘導体等が挙げられる。摩擦調整剤としては、脂肪酸、脂肪酸エステル、アルコール等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
<合成例1>
5L容量オートクレーブに、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール(商品名:ノナノール、KHネオケム(株)製)433g(3モル)および水酸化カリウム6gを仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃に昇温した。次に滴下装置にてエチレンオキシド1058g(24モル)を滴下し、1時間撹拌した。さらに、滴下装置にてプロピレンオキシド523g(9モル)を滴下し、2時間撹拌した。その後、オートクレーブから反応物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するために、6.7kPa以下に減圧して、100℃で1時間処理した。さらに処理後に生成した塩を除去するためにろ過を行い、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールのエチレンオキシド8モル・プロピレンオキシド3モルブロック共重合体を得た。H−NMR分析により合成した化合物の構造を同定した。合成した化合物A1の構造を表1に示す。
<水溶性切削油の調製>
300mL容量4ツ口フラスコに、水134g(67重量%)、カプリル酸10g(5重量%)、セバシン酸4g(2重量%)、トリエタノールアミン30g(15重量%)を入れ、60℃で30分間撹拌した。これを25℃まで冷却して、化合物A1(1重量%)、ポリアルキレングリコール誘導体20g(10重量%)を加え、30分間撹拌し、水溶性切削油を調製した。
なお、本例で用いるポリアルキレングリコール誘導体はポリプロピレンオキシド・ポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキシドトリブロック共重合体であり、プロピレンオキシドの付加モル数の合計は28モル、エチレンオキシドの付加モル数は11モルであり、分子量は2100であり、1%水溶液の曇点は33℃である。
調製した水溶性切削油の組成を表2に示す。
<25℃での分離の有無の評価>
調製した水溶性切削油100gを100mL容量ガラス瓶に入れ、25℃に調温したときの分離の有無を以下の基準で評価した。分離しなかったものについては、25℃の恒温槽で3ヶ月間静置した後、分離の有無を同様の基準で評価した。結果を表3に示す。

○:分離することなく均一である
×:分離している
<濡れ性の評価>
水溶性切削油を水で10倍に希釈して10倍希釈液を調製した。この10倍希釈液のアルミニウム板(JIS H4100に定めるA1050P)に対する接触角を測定し、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。

◎:接触角30°未満
○:接触角30°以上40°未満
×:接触角50°以上
<低起泡性の評価>
水溶性切削油の10倍希釈液30gを100mLガラス瓶に入れ、25℃に調温した後、手で10秒間振とうした。振とう直後の液面からの泡の高さを測定し、以下の基準で低起泡性を評価した。結果を表3に示す。

◎:泡立ち5mm未満
○:泡立ち5mm以上10mm未満
×:泡立ち30mm以上
<気泡の消失性の評価>
水溶性切削油の10倍希釈液30gを100mLガラス瓶に入れ、25℃に調温した後、手で10秒間振とうした。5分間静置後の液面からの泡の高さを測定し、以下の基準で気泡の消失性を評価した。結果を表3に示す。

◎:泡立ち5mm未満
○:泡立ち5mm以上10mm未満
×:泡立ち30mm以上
[実施例2〜6]
実施例1と同様の方法で、表1に示す式(1)で示される化合物A2〜A5を合成し、表2に示すように、実施例2〜6の各水溶性切削油を調製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例1]
式(1)で示される化合物を添加しないこと以外は実施例1と同様の方法で、表2に示す水溶性切削油を調製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例2〜8]
実施例1と同様の方法で、表1に示す式(1)で示される化合物a1〜a7を合成し、表2に示す水溶性切削油の調製、評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例9]
式(1)で示される化合物の代わりに、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールのエチレンオキシド8モル・ブチレンオキシド2モルブロック共重合体a8を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、表2に示す水溶性切削油を調製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例10]
式(1)で示される化合物の代わりに、イソステアリン酸のエチレンオキシド7モル・プロピレンオキシド2モルブロック共重合体a9を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、表2に示す水溶性切削油を調製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例11]
式(1)で示される化合物の代わりに、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキシド10モル付加物a10を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、表2に示す水溶性切削油を調製し、評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2016132769

Figure 2016132769

Figure 2016132769

表3の結果から、実施例1〜6の水溶性切削油は、分離を起こすことなく安定であり、金属への濡れ性が高く、気泡の消失性が高く、さらに起泡性が十分に低いことがわかる。実施例1〜6の水溶性切削油を用いて切削を行った結果、金属加工の精度を向上させることができ、工具寿命を延長させることができた。
これに対して比較例1は、本発明の式(1)で示される化合物を用いていないため、金属への濡れ性が不十分であった。
比較例2は、式(1)で示される化合物の炭素数2〜3のオキシアルキレン基の平均付加モル数が本発明の範囲より大きいため、金属への濡れ性が不十分であった。
比較例3は、式(1)で示される化合物のオキシプロピレン基の平均付加モル数が本発明の範囲より大きいため、水溶性切削油が分離した。
比較例4は、式(1)で示される化合物の炭素数2〜3のオキシアルキレン基とオキシプロピレン基の合計に占める炭素数2〜3のオキシアルキレン基の割合が本発明の範囲より大きいため、金属への濡れ性が不十分であり、起泡性が高い。
比較例5は、式(1)で示される化合物の炭素数2〜3のオキシアルキレン基とオキシプロピレン基の合計に占める炭素数2〜3のオキシアルキレン基の割合が本発明の範囲より小さいため、水溶性切削油が分離した。
比較例6は、式(1)で示される化合物のアルキル基の炭素数が本発明の範囲より小さいため、金属への濡れ性が不十分であった。
比較例7は、式(1)で示される化合物のアルキル基の炭素数が本発明の範囲より大きいため、起泡性が高く、気泡の消失性が低くなった。
比較例8は、式(1)で示される化合物のアルキル基として、3,5,5−トリメチルヘキシル基の代わりに、同一炭素数のイソノニル基を用いたものであるが、起泡性が高くなった。
比較例9は、式(1)で示される化合物の代わりに3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールのエチレンオキシド8モル・ブチレンオキシド2モルブロック共重合体を用いているので、水溶性切削油が分離した。
比較例10は、式(1)で示される化合物の代わりに、イソステアリン酸のエチレンオキシド7モル・プロピレンオキシド2モルブロック共重合体を用いているので、水溶性切削油が経時的に分離し、起泡性が高くなった。
比較例11は、式(1)で示される化合物の代わりに、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキシド10モル付加物を用いているので、金属への濡れ性が不十分であった。

Claims (2)

  1. 式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする、水溶性金属加工油。

    −O−(EO)−(PO)−H ・・・(1)

    (式(1)において、Rは3,5,5−トリメチルヘキシル基である。
    EOはオキシエチレン基である。
    POはオキシプロピレン基である。
    mはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1〜10である。
    nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、1〜5である。
    m/(m+n)は0.40〜0.90である。)
  2. (a)前記式(1)で示される化合物、(b)式(2)で示される化合物および(c)水を含有することを特徴とする、請求項1記載の水溶性金属加工油。

    Z−[O−(AO)−(PO)−H ・・・(2)

    (式(2)において、
    Zは1〜6価のアルコールの水酸基を除いた残基である。
    AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基であり、AO中のオキシエチレン基の割合は70〜100重量%である。
    POはオキシプロピレン基である。
    aは炭素数2〜3のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜20であり、bはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、3〜40であり、cは1〜6であり、a×cは3〜30であり、b×cは10〜70であり、a/(a+b)は0.05〜0.55である。
    式(2)の化合物の分子量は1000〜5000である。)
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