JP2017101148A - 潤滑剤用基油 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、摩擦摺動する機械要素等の潤滑に用いられる潤滑剤の基油に関する。
潤滑剤は、液体潤滑剤、半固体状潤滑剤および固体潤滑剤に大別される。このうち、液体潤滑剤としては金属加工油、機械油、各種エンジン用潤滑油などが挙げられ、半固体状潤滑剤としてはグリースなどが挙げられる。近年の潤滑剤においては、安全性の向上の点から引火点の高い基油が求められている。具体的には、日本国消防法の危険物に非該当である点から、引火点が250℃以上であることが望ましい。また、省エネルギー化の点から摩擦損失の小さい低粘度な基油が求められている。近年の動向として具体的には、温度40℃における動粘度が14mm2/sec以下のものが求められている。一般に、分子量の増大により引火点の上昇は達成されるが、動粘度の上昇を招くという課題がある。また、潤滑剤用基油は長時間の使用においても蒸発損失の小さいことが好ましい。したがって、引火点が高く、動粘度が低く、蒸発損失の小さい潤滑剤用基油が求められている。
これまでに潤滑剤用基油として、脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを使用する方法(例えば特許文献1、2)が報告されており、具体的にはポリオキシエチレンモノメチルエーテルのオレイン酸エステルやポリオキシプロピレンモノメチルエーテルのオレイン酸エステルなどが記載されている。このような潤滑剤用基油は、引火点が250℃以上と高く、40℃における動粘度が14mm2/sec以下と低いが、蒸発損失が大きかった。
また、α−オレフィンを原料として得られる特定の飽和脂肪族炭化水素化合物を使用する方法(例えば特許文献3)が報告されている。このような潤滑剤用基油は、引火点が250℃以上と高く、蒸発損失も小さいが、40℃における動粘度が約40mm2/secと高かった。さらに、特定の触媒を用いて得られるデセンオリゴマーの水素化物を使用する方法(例えば特許文献4)が報告されている。このような潤滑剤用基油は、蒸発損失が小さく、実施例には40℃の動粘度が14mm2/sec以下のものが記載されているが、引火点が250℃未満と低かった。
このように、引火点が高く、動粘度が低く、蒸発損失の小さい潤滑剤用基油は未だ得られていない。
このように、引火点が高く、動粘度が低く、蒸発損失の小さい潤滑剤用基油は未だ得られていない。
本発明が解決しようとする課題は、引火点が高く、動粘度が低く、蒸発損失の小さい潤滑剤用基油を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定鎖長の不飽和末端を有するオキシアルキレン基と、ヨウ素価で定義される特定の不飽和度の脂肪酸の酸残基とから構成され、分子全体としても特定の不飽和度を有するエステル化合物を含有する潤滑剤用基油によって、上記の課題を解決することの知見を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は次の〔1〕である。
本発明の潤滑剤用基油は、引火点が高く、動粘度が低く、蒸発損失が小さいため、安全性が高く、省エネルギー化および省資源化の点から有効に使用できる。
本発明の潤滑剤用基油は、下記の式(1)で示され、ヨウ素価が70〜160 I2g/100gであり、平均分子量が440〜600である化合物を含有する。
式(1)におけるR1は炭素数3〜5の不飽和の炭化水素基である。具体的には、アリル基、メタリル基、イソプレニル基等が挙げられる。
R1は、好ましくはアリル基またはメタリル基であり、より好ましくはアリル基である。R1の炭素数が5より大きい場合は動粘度が高くなる。また、R1がメチル基、エチル基等の炭素数が3より小さい場合や飽和の炭化水素基の場合は蒸発損失が大きくなる。
R1は、好ましくはアリル基またはメタリル基であり、より好ましくはアリル基である。R1の炭素数が5より大きい場合は動粘度が高くなる。また、R1がメチル基、エチル基等の炭素数が3より小さい場合や飽和の炭化水素基の場合は蒸発損失が大きくなる。
式(1)におけるAOは炭素数2〜4の1種以上のオキシアルキレン基である。AOが2種以上である場合はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。
式(1)におけるnは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜6である。nが1より小さい場合は引火点が低下し、6より大きい場合は動粘度が高くなる。nは好ましくは2〜4である。(AO)nに占める炭素数2のオキシアルキレン基の割合は、引火点の上昇に有利である点から50モル%以上であることがより好ましい。
式(1)におけるnは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜6である。nが1より小さい場合は引火点が低下し、6より大きい場合は動粘度が高くなる。nは好ましくは2〜4である。(AO)nに占める炭素数2のオキシアルキレン基の割合は、引火点の上昇に有利である点から50モル%以上であることがより好ましい。
式(1)におけるR2は、ヨウ素価が70〜150 I2g/100gである1種または2種以上の混合脂肪酸由来の炭化水素基である。
ここで、混合脂肪酸とは、1種又は2種以上の脂肪酸を含む脂肪酸組成物として特定の性質を有するものであり、混合脂肪酸由来の炭化水素基とは、この混合脂肪酸のカルボキシル基が、不飽和結合を有する1価のアルコールのアルキレンオキシド付加物の水酸基と脱水縮合反応して生成したエステル結合により構成された炭化水素基である。すなわち、式(1)におけるR2は、ヨウ素価が70〜150 I2g/100gである1種または2種以上の混合脂肪酸のカルボキシル基を除いた残基で構成される。
ここで、混合脂肪酸とは、1種又は2種以上の脂肪酸を含む脂肪酸組成物として特定の性質を有するものであり、混合脂肪酸由来の炭化水素基とは、この混合脂肪酸のカルボキシル基が、不飽和結合を有する1価のアルコールのアルキレンオキシド付加物の水酸基と脱水縮合反応して生成したエステル結合により構成された炭化水素基である。すなわち、式(1)におけるR2は、ヨウ素価が70〜150 I2g/100gである1種または2種以上の混合脂肪酸のカルボキシル基を除いた残基で構成される。
混合脂肪酸のヨウ素価は、70〜150 I2g/100gであり、好ましくは110〜140 I2g/100gである。混合脂肪酸のヨウ素価が70 I2g/100gより小さい場合は、蒸発損失が大きくなる。一方、混合脂肪酸のヨウ素価が150 I2g/100gより大きい場合は、繰り返し使用時や長期保管時において着色が著しく高くなる。
また、混合脂肪酸は、炭素数8〜22の脂肪酸を80質量%以上含む脂肪酸組成物であることが好ましく、より好ましくは、炭素数14〜18の脂肪酸を85質量%以上含む脂肪酸組成物である。
さらに好ましくは、リノール酸とリノレン酸の含有率の合計が20〜70質量%である脂肪酸組成物である。
さらに好ましくは、リノール酸とリノレン酸の含有率の合計が20〜70質量%である脂肪酸組成物である。
式(1)で示される化合物のヨウ素価は70〜160 I2g/100gであり、好ましくは90〜140 I2g/100gであり、特に好ましくは100〜135 I2g/100gである。ヨウ素価が70 I2g/100gより小さい場合は蒸発損失が高くなり、160 I2g/100gより大きい場合は、繰り返し使用時や長期保管時において着色が著しく高くなる。
式(1)で示される化合物の分子量は440〜600であり、好ましくは450〜580である。分子量が440より小さい場合は引火点が低く、分子量が600より大きい場合は動粘度が高くなる。本発明における「平均分子量」は、数平均分子量であり、基準油脂分析試験法2.3.2−1996に従って試料1g中の遊離酸の中和及びエステルのけん化に要する水酸化カリウムのmg量で測定されるけん化価から、次式によって算出される。
平均分子量=1000×56.1/けん化価
平均分子量=1000×56.1/けん化価
式(1)で示される化合物は、特定量の不飽和結合を有しているために、動粘度が低く引火点が高いが、それと同時に意外にも加熱条件下において低い動粘度を保ちながら、蒸発損失が小さくなる。
式(1)で示される化合物は、不飽和結合を有する1価アルコールのアルキレンオキシド付加物を、必要に応じて触媒の存在下において脂肪酸とエステル化する方法、脂肪酸アルキルエステルとエステル交換する方法、または油脂とエステル交換する方法によって得られる。
不飽和結合を有する1価アルコールのアルキレンオキシド付加物は、触媒の存在下において不飽和結合を有する1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加する方法により得られ、より引火点を上昇させるために蒸留により低分子量成分を除去したものを用いたり、蒸留して低分子量成分を除去したものにさらに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加したものを用いてもよい。
本発明の潤滑剤用基油は、各種潤滑油や半固体状潤滑剤の基油として用いることができる。具体的な潤滑油の用途として、金属加工油、機械油、ガソリンエンジン用潤滑油、ディーゼルエンジン用潤滑油、エンジン用を除く各種車両用潤滑油、船舶エンジン用潤滑油、離型油、プロセス油、印刷インキ油などが挙げられ、半固体状潤滑剤の用途としてグリースが挙げられる。さらに具体的な金属加工油の用途として、切削油、研削油が挙げられ、機械油の用途として油圧油、摺動面油などが挙げられる。本発明の潤滑剤用基油の好ましい用途は、切削油、研削油、油圧油、摺動面油、離型油、プロセス油、印刷インキ油、グリースであり、より好ましい用途は、切削油、研削油、油圧油、摺動面油、グリースである。さらに好ましい用途は切削油、研削油である。
本発明の潤滑剤用基油は、単独で基油として使用することができるが、鉱物油、ポリアルファオレフィン、1価アルコール脂肪酸エステル系基油、多価アルコール脂肪酸エステル系基油、ポリアルキレングリコール誘導体系基油などの1種以上を配合して使用することもできる。
本発明の潤滑剤用基油は、単独で基油として使用することができるが、鉱物油、ポリアルファオレフィン、1価アルコール脂肪酸エステル系基油、多価アルコール脂肪酸エステル系基油、ポリアルキレングリコール誘導体系基油などの1種以上を配合して使用することもできる。
本発明の潤滑剤用基油は、各種添加剤を配合して使用することができる。具体的には、酸化防止剤として、ジチオリン酸亜鉛、有機硫黄化合物、ヒンダートフェノール、芳香族アミンなどが挙げられる。油性向上剤として、長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコール、アルキルアミンなどが挙げられる。摩耗防止剤として、リン酸エステルなどが挙げられる。極圧剤として、有機硫黄、リン化合物、有機ハロゲン化合物が挙げられる。金属不活性剤として、ベンゾトリアゾール、N,N’−ジサリシリデン−1,2−ジアミノプロパンなどが挙げられる。消泡剤として、ポリメチルシロキサン、有機フッ素化合物、金属石鹸、リン酸エステル、高級アルコール、ポリアルキレングリコール系化合物などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
<合成例1>
5L容量オートクレーブ中にアリルアルコール291g(5.0モル)および水酸化カリウム1.06g(仕込み原料の合計に対して0.1質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりエチレンオキシド772g(17.5モル)を4時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出して、撹拌羽根および窒素導入管を備えた2L容量4つ口フラスコに移し、キョーワード700SL(協和化学工業(株)製)10.4g(生成物に対して1.0質量%)を加えて窒素を吹き込みながら80℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、アリルアルコールのエチレンオキシド3.5モル付加物を得た。
<合成例1>
5L容量オートクレーブ中にアリルアルコール291g(5.0モル)および水酸化カリウム1.06g(仕込み原料の合計に対して0.1質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりエチレンオキシド772g(17.5モル)を4時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出して、撹拌羽根および窒素導入管を備えた2L容量4つ口フラスコに移し、キョーワード700SL(協和化学工業(株)製)10.4g(生成物に対して1.0質量%)を加えて窒素を吹き込みながら80℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、アリルアルコールのエチレンオキシド3.5モル付加物を得た。
撹拌羽根、冷却管および窒素導入管を備えた1L容量4つ口フラスコに、脂肪酸としてNAA−300(日油(株)製、質量比パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸:リノレン酸:その他=3:1:50:37:7:2、ヨウ素価129 I2g/100g、中和価199mgKOH/g、中和価から算出される平均分子量282)を425g(1.50モル)、アリルアルコールのエチレンオキシド3.5モル付加物を325g(1.53モル、モル比カルボキシル基:水酸基=1:1.02)およびパラトルエンスルホン酸0.750g(仕込み原料の合計に対して0.1質量%)を仕込み、窒素を吹き込みながら140℃で4時間撹拌し、さらに−0.095Mpa(ゲージ圧、50mmHg)以下に減圧して140℃で6時間撹拌した。その後、キョーワード700SLおよびKW−2000(協和化学工業(株)製)を各11.3g(仕込み原料の合計に対して1.5質量%)、水を37.5g(仕込み原料の合計に対して5.0質量%)加えて80℃で1時間撹拌し、さらに−0.095Mpa(ゲージ圧、50mmHg)以下に減圧して110℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、メタノールのエチレンオキシド4モル付加物とNAA−300とのエステル化物a1を得た。得られたエステル化物の酸価は0.01mgKOH/g、水酸基価は3.5mgKOH/g、けん化価は118mgKOH/g、ヨウ素価は130 I2g/100gであった。また、エステル化物の平均分子量をけん化価から次式により算出したところ475であった。
平均分子量=1000×56.1/けん化価
平均分子量=1000×56.1/けん化価
<合成例2>
合成例1に記載の方法と同様に、メタリルアルコールにエチレンオキシドを3モル付加してメタリルアルコールのエチレンオキシド3モル付加物を合成し、さらにNAA−300とエステル化して、メタリルアルコールのエチレンオキシド3モル付加物とNAA−300とのエステル化物a2を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は2.9mgKOH/g、けん化価は120mgKOH/g、ヨウ素価は131 I2g/100g、平均分子量は468であった。
合成例1に記載の方法と同様に、メタリルアルコールにエチレンオキシドを3モル付加してメタリルアルコールのエチレンオキシド3モル付加物を合成し、さらにNAA−300とエステル化して、メタリルアルコールのエチレンオキシド3モル付加物とNAA−300とのエステル化物a2を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は2.9mgKOH/g、けん化価は120mgKOH/g、ヨウ素価は131 I2g/100g、平均分子量は468であった。
<合成例3>
合成例1に記載の方法と同様に、イソプレノール((株)クラレ製)にエチレンオキシドを5モル付加してイソプレノールのエチレンオキシド5モル付加物を合成し、さらにNAA−300とエステル化して、イソプレノールのエチレンオキシド5モル付加物とNAA−300とのエステル化物a3を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は1.4mgKOH/g、けん化価は98mgKOH/g、ヨウ素価は108 I2g/100g、平均分子量は571であった。
合成例1に記載の方法と同様に、イソプレノール((株)クラレ製)にエチレンオキシドを5モル付加してイソプレノールのエチレンオキシド5モル付加物を合成し、さらにNAA−300とエステル化して、イソプレノールのエチレンオキシド5モル付加物とNAA−300とのエステル化物a3を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は1.4mgKOH/g、けん化価は98mgKOH/g、ヨウ素価は108 I2g/100g、平均分子量は571であった。
<合成例4>
5L容量オートクレーブ中にアリルアルコール291g(5.0モル)および水酸化カリウム3.73g(仕込み原料の合計に対して0.3質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりエチレンオキシド662g(15.0モル)を3時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。次に滴下装置よりプロピレンオキシド291g(5.0モル)を2時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出して、撹拌羽根および窒素導入管を備えた2L容量4つ口フラスコに移し、キョーワード700SL(協和化学工業(株)製)12.4g(生成物に対して1.0質量%)を加えて窒素を吹き込みながら80℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド1モルブロック付加物を得た。
5L容量オートクレーブ中にアリルアルコール291g(5.0モル)および水酸化カリウム3.73g(仕込み原料の合計に対して0.3質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりエチレンオキシド662g(15.0モル)を3時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。次に滴下装置よりプロピレンオキシド291g(5.0モル)を2時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出して、撹拌羽根および窒素導入管を備えた2L容量4つ口フラスコに移し、キョーワード700SL(協和化学工業(株)製)12.4g(生成物に対して1.0質量%)を加えて窒素を吹き込みながら80℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド1モルブロック付加物を得た。
さらに合成例1と同様の方法で、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド1モルブロック付加物をNAA−300とエステル化して、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド1モルブロック付加物とNAA−300とのエステル化物a4を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は2.6mgKOH/g、けん化価は109mgKOH/g、ヨウ素価は120 I2g/100g、平均分子量は515であった。
<合成例5>
5L容量オートクレーブ中にアリルアルコール291g(5.0モル)および水酸化カリウム4.60g(仕込み原料の合計に対して0.3質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりエチレンオキシド662g(15.0モル)およびプロピレンオキシド581g(10.0モル)を5時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出して、撹拌羽根および窒素導入管を備えた2L容量4つ口フラスコに移し、キョーワード700SL(協和化学工業(株)製)15.3g(生成物に対して1.0質量%)を加えて窒素を吹き込みながら80℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド2モルランダム付加物を得た。
5L容量オートクレーブ中にアリルアルコール291g(5.0モル)および水酸化カリウム4.60g(仕込み原料の合計に対して0.3質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりエチレンオキシド662g(15.0モル)およびプロピレンオキシド581g(10.0モル)を5時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出して、撹拌羽根および窒素導入管を備えた2L容量4つ口フラスコに移し、キョーワード700SL(協和化学工業(株)製)15.3g(生成物に対して1.0質量%)を加えて窒素を吹き込みながら80℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド2モルランダム付加物を得た。
さらに合成例1と同様の方法で、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド2モルランダム付加物をNAA−300とエステル化して、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド2モルランダム付加物とNAA−300とのエステル化物a5を得た。得られたエステル化物の酸価は0.03mgKOH/g、水酸基価は2.5mgKOH/g、けん化価は99mgKOH/g、ヨウ素価は107 I2g/100g、平均分子量は569であった。
<合成例6>
5L容量オートクレーブ中にアリルアルコール291g(5.0モル)および水酸化カリウム3.07g(仕込み原料の合計に対して0.3質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりプロピレンオキシド291g(5.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。次に滴下装置よりエチレンオキシド441g(10.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出して、撹拌羽根および窒素導入管を備えた2L容量4つ口フラスコに移し、キョーワード700SL(協和化学工業(株)製)10.2g(生成物に対して1.0質量%)を加えて窒素を吹き込みながら80℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、アリルアルコールのプロピレンオキシド1モル・エチレンオキシド2モルブロック付加物を得た。
5L容量オートクレーブ中にアリルアルコール291g(5.0モル)および水酸化カリウム3.07g(仕込み原料の合計に対して0.3質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりプロピレンオキシド291g(5.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。次に滴下装置よりエチレンオキシド441g(10.0モル)を1時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出して、撹拌羽根および窒素導入管を備えた2L容量4つ口フラスコに移し、キョーワード700SL(協和化学工業(株)製)10.2g(生成物に対して1.0質量%)を加えて窒素を吹き込みながら80℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、アリルアルコールのプロピレンオキシド1モル・エチレンオキシド2モルブロック付加物を得た。
さらに合成例1と同様の方法で、アリルアルコールのプロピレンオキシド1モル・エチレンオキシド2モルブロック付加物をNAA−300とエステル化して、アリルアルコールのプロピレンオキシド1モル・エチレンオキシド2モルブロック付加物とNAA−300とのエステル化物a6を得た。得られたエステル化物の酸価は0.03mgKOH/g、水酸基価は3.1mgKOH/g、けん化価は120mgKOH/g、ヨウ素価は132 I2g/100g、平均分子量は468であった。
<合成例7>
合成例1に記載の方法と同様に、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル付加物を合成し、さらにオレイン酸(日油(株)製EXTRA OLEIN 99、オレイン酸含有率99%以上、ヨウ素価90 I2g/100g、中和価199mgKOH/g、中和価から算出される平均分子量283)とエステル化して、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル付加物とオレイン酸とのエステル化物a7を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は2.1mgKOH/g、けん化価は123mgKOH/g、ヨウ素価は112 I2g/100g、平均分子量は456であった。
合成例1に記載の方法と同様に、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル付加物を合成し、さらにオレイン酸(日油(株)製EXTRA OLEIN 99、オレイン酸含有率99%以上、ヨウ素価90 I2g/100g、中和価199mgKOH/g、中和価から算出される平均分子量283)とエステル化して、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル付加物とオレイン酸とのエステル化物a7を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は2.1mgKOH/g、けん化価は123mgKOH/g、ヨウ素価は112 I2g/100g、平均分子量は456であった。
<合成例8>
合成例1に記載の方法と同様に、アリルアルコールのエチレンオキシド4.6モル付加物を合成し、さらにNAA−34(日油(株)製、質量比ミリスチン酸:パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸:リノレン酸:その他=2:4:1:73:7:2:11、ヨウ素価89I2g/100g、中和価201mgKOH/g、中和価から算出される平均分子量279)とエステル化して、アリルアルコールのエチレンオキシド4.6モル付加物とNAA−34とのエステル化物a8を得た。得られたエステル化物の酸価は0.03mgKOH/g、水酸基価は2.4mgKOH/g、けん化価は107mgKOH/g、ヨウ素価は96 I2g/100g、平均分子量は524であった。
合成例1に記載の方法と同様に、アリルアルコールのエチレンオキシド4.6モル付加物を合成し、さらにNAA−34(日油(株)製、質量比ミリスチン酸:パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸:リノレン酸:その他=2:4:1:73:7:2:11、ヨウ素価89I2g/100g、中和価201mgKOH/g、中和価から算出される平均分子量279)とエステル化して、アリルアルコールのエチレンオキシド4.6モル付加物とNAA−34とのエステル化物a8を得た。得られたエステル化物の酸価は0.03mgKOH/g、水酸基価は2.4mgKOH/g、けん化価は107mgKOH/g、ヨウ素価は96 I2g/100g、平均分子量は524であった。
<比較合成例1>
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤(株)製メチルポリグリコール)および混合脂肪酸a(質量比パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸=3:10:70:17、ヨウ素価94 I2g/100g、中和価200mgKOH/g、中和価から算出される平均分子量281)を用い、合成例1と同様の方法でエステル化して、メタノールのエチレンオキシド4.2モル付加物と混合脂肪酸aとのエステル化物b1を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は1.2mgKOH/g、けん化価は117mgKOH/g、ヨウ素価は55 I2g/100g、平均分子量は479であった。
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤(株)製メチルポリグリコール)および混合脂肪酸a(質量比パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸=3:10:70:17、ヨウ素価94 I2g/100g、中和価200mgKOH/g、中和価から算出される平均分子量281)を用い、合成例1と同様の方法でエステル化して、メタノールのエチレンオキシド4.2モル付加物と混合脂肪酸aとのエステル化物b1を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は1.2mgKOH/g、けん化価は117mgKOH/g、ヨウ素価は55 I2g/100g、平均分子量は479であった。
<比較合成例2>
5L容量オートクレーブ中にメタノール160g(5.0モル)および水酸化カリウム3.55g(仕込み原料の合計に対して0.3質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりプロピレンオキシド872g(15.0モル)を5時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出して、撹拌羽根および窒素導入管を備えた2L容量4つ口フラスコに移し、キョーワード700SL(協和化学工業(株)製)10.3g(生成物に対して1.0質量%)を加えて窒素を吹き込みながら80℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、メタノールのプロピレンオキシド3モル付加物を得た。
5L容量オートクレーブ中にメタノール160g(5.0モル)および水酸化カリウム3.55g(仕込み原料の合計に対して0.3質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりプロピレンオキシド872g(15.0モル)を5時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出して、撹拌羽根および窒素導入管を備えた2L容量4つ口フラスコに移し、キョーワード700SL(協和化学工業(株)製)10.3g(生成物に対して1.0質量%)を加えて窒素を吹き込みながら80℃で1時間撹拌し、ろ過を行い、メタノールのプロピレンオキシド3モル付加物を得た。
さらに合成例1と同様の方法で、メタノールのプロピレンオキシド3モル付加物を混合脂肪酸aとエステル化して、メタノールのプロピレンオキシド3モル付加物と混合脂肪酸aとのエステル化物b2を得た。得られたエステル化物の酸価は0.03mgKOH/g、水酸基価は1.3mgKOH/g、けん化価は120mgKOH/g、ヨウ素価は56 I2g/100g、平均分子量は469であった。
<比較合成例3>
合成例1に記載の方法と同様に、n−ブタノールにエチレンオキシドを3.2モル付加してn−ブタノールのエチレンオキシド3.2モル付加物を合成し、さらにNAA−34とエステル化して、n−ブタノールのエチレンオキシド3.2モル付加物とNAA−34とのエステル化物b3を得た。得られたエステル化物の酸価は0.03mgKOH/g、水酸基価は1.2mgKOH/g、けん化価は118mgKOH/g、ヨウ素価52 I2g/100g、平均分子量は475であった。
合成例1に記載の方法と同様に、n−ブタノールにエチレンオキシドを3.2モル付加してn−ブタノールのエチレンオキシド3.2モル付加物を合成し、さらにNAA−34とエステル化して、n−ブタノールのエチレンオキシド3.2モル付加物とNAA−34とのエステル化物b3を得た。得られたエステル化物の酸価は0.03mgKOH/g、水酸基価は1.2mgKOH/g、けん化価は118mgKOH/g、ヨウ素価52 I2g/100g、平均分子量は475であった。
<比較合成例4>
合成例1に記載の方法と同様に、アリルアルコールにエチレンオキシドを8.5モル付加してアリルアルコールのエチレンオキシド8.5モル付加物を合成し、さらにNAA−34とエステル化して、アリルアルコールのエチレンオキシド8.5モル付加物とNAA−34とのエステル化物b4を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は1.5mgKOH/g、けん化価は81mgKOH/g、ヨウ素価72 I2g/100g、平均分子量は693であった。
<比較合成例5>
合成例1に記載の方法と同様に、アリルアルコールにエチレンオキシドを8.5モル付加してアリルアルコールのエチレンオキシド8.5モル付加物を合成し、さらにNAA−34とエステル化して、アリルアルコールのエチレンオキシド8.5モル付加物とNAA−34とのエステル化物b4を得た。得られたエステル化物の酸価は0.02mgKOH/g、水酸基価は1.5mgKOH/g、けん化価は81mgKOH/g、ヨウ素価72 I2g/100g、平均分子量は693であった。
<比較合成例5>
アリルアルコールを用い、合成例1に記載の方法と同様にNAA−34とエステル化して、アリルアルコールとNAA−34とのエステル化物b5を得た。得られたエステル化物の酸価は0.03mgKOH/g、水酸基価は0.2mgKOH/g、けん化価は176mgKOH/g、ヨウ素価157 I2g/100g、平均分子量は319であった。
<比較合成例6>
合成例1に記載の方法と同様に、アリルアルコールにエチレンオキシド3モルおよびプロピレンオキシド1モルを付加してアリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド1モルランダム付加物を合成し、さらにラウリン酸とエステル化して、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド1モルランダム付加物とラウリン酸とのエステル化物b6を得た。得られたエステル化物の酸価は0.03mgKOH/g、水酸基価は1.4mgKOH/g、けん化価は130mgKOH/g、ヨウ素価は59 I2g/100g、平均分子量は432であった。
合成例1に記載の方法と同様に、アリルアルコールにエチレンオキシド3モルおよびプロピレンオキシド1モルを付加してアリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド1モルランダム付加物を合成し、さらにラウリン酸とエステル化して、アリルアルコールのエチレンオキシド3モル・プロピレンオキシド1モルランダム付加物とラウリン酸とのエステル化物b6を得た。得られたエステル化物の酸価は0.03mgKOH/g、水酸基価は1.4mgKOH/g、けん化価は130mgKOH/g、ヨウ素価は59 I2g/100g、平均分子量は432であった。
<比較合成例7>
合成例1に記載の方法と同様に、ゲラニオール(関東化学(株)製試薬鹿1級)にエチレンオキシド5モルを付加してゲラニオールのエチレンオキシド5モル付加物を合成し、さらにNAA−34とエステル化して、ゲラニオールのエチレンオキシド5モル付加物とNAA−34とのエステル化物b7を得た。得られたエステル化物の酸価は0.04mgKOH/g、水酸基価は1.9mgKOH/g、けん化価は88mgKOH/g、ヨウ素価は119 I2g/100g、平均分子量は638であった。
合成例1に記載の方法と同様に、ゲラニオール(関東化学(株)製試薬鹿1級)にエチレンオキシド5モルを付加してゲラニオールのエチレンオキシド5モル付加物を合成し、さらにNAA−34とエステル化して、ゲラニオールのエチレンオキシド5モル付加物とNAA−34とのエステル化物b7を得た。得られたエステル化物の酸価は0.04mgKOH/g、水酸基価は1.9mgKOH/g、けん化価は88mgKOH/g、ヨウ素価は119 I2g/100g、平均分子量は638であった。
合成例1〜8、比較合成例1〜7により得られた化合物を表1、表2にまとめた。
表1、表2中に注記した、潤滑剤用基油として用いた化合物の合成に用いた混合脂肪酸の詳細は次の通りである。
i)日油(株)製「NAA−300」
<質量比>パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸:リノレン酸:その他=3:1:50:37:7:2
<ヨウ素価>129 I2g/100g
<中和価>199mgKOH/g
<平均分子量>282
i)日油(株)製「NAA−300」
<質量比>パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸:リノレン酸:その他=3:1:50:37:7:2
<ヨウ素価>129 I2g/100g
<中和価>199mgKOH/g
<平均分子量>282
ii)日油(株)製「NAA−34」
<質量比>ミリスチン酸:パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸:リノレン酸:その他=2:4:1:73:7:2:11
<ヨウ素価>89 I2g/100g
<中和価>201mgKOH/g
<平均分子量>279
<質量比>ミリスチン酸:パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸:リノレン酸:その他=2:4:1:73:7:2:11
<ヨウ素価>89 I2g/100g
<中和価>201mgKOH/g
<平均分子量>279
iii)混合脂肪酸a
<質量比>パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸=3:10:70:17
<ヨウ素価>94 I2g/100g
<中和価>200mgKOH/g
<平均分子量>281
<質量比>パルミチン酸:ステアリン酸:オレイン酸:リノール酸=3:10:70:17
<ヨウ素価>94 I2g/100g
<中和価>200mgKOH/g
<平均分子量>281
iv)オレイン酸(日油(株)製「EXTRA OLEIN 99」)
<オレイン酸含有率>99%以上
<ヨウ素価>90 I2g/100g
<中和価>199mgKOH/g
<平均分子量>283
<オレイン酸含有率>99%以上
<ヨウ素価>90 I2g/100g
<中和価>199mgKOH/g
<平均分子量>283
[実施例1]
<引火点の評価>
合成例1で得られた化合物の引火点を測定し、以下の基準で評価した。
◎:引火点が260℃以上である
○:引火点が250℃以上260℃未満である
×:引火点が250℃未満である
<引火点の評価>
合成例1で得られた化合物の引火点を測定し、以下の基準で評価した。
◎:引火点が260℃以上である
○:引火点が250℃以上260℃未満である
×:引火点が250℃未満である
<動粘度の評価>
合成例1で得られた化合物の40℃における動粘度を測定し、以下の基準で評価した。なお、動粘度の測定方法は、JIS K2283に準じる。
◎:動粘度が12.0mm2/sec以下である
○:動粘度が12.0mm2/secより大きく14.0mm2/sec以下である
×:動粘度が14.0mm2/secより大きい
合成例1で得られた化合物の40℃における動粘度を測定し、以下の基準で評価した。なお、動粘度の測定方法は、JIS K2283に準じる。
◎:動粘度が12.0mm2/sec以下である
○:動粘度が12.0mm2/secより大きく14.0mm2/sec以下である
×:動粘度が14.0mm2/secより大きい
<蒸発損失量の測定および蒸発損失量の評価>
ターンテーブルを有する恒温槽を用い、合成例1で得られた化合物50gを150℃で200時間 静置し、試験前後の質量から蒸発損失率を次式により算出した。
蒸発損失率(%)=100×(試験前の質量−試験後の質量)/試験前の質量
さらに、蒸発損失を以下の基準で評価した。
○:蒸発損失率が3.0%以下である
×:蒸発損失率が3.0%より大きい
ターンテーブルを有する恒温槽を用い、合成例1で得られた化合物50gを150℃で200時間 静置し、試験前後の質量から蒸発損失率を次式により算出した。
蒸発損失率(%)=100×(試験前の質量−試験後の質量)/試験前の質量
さらに、蒸発損失を以下の基準で評価した。
○:蒸発損失率が3.0%以下である
×:蒸発損失率が3.0%より大きい
[実施例2〜8]
実施例1に記載の方法と同様に、合成例2〜8の化合物の引火点、40℃における動粘度および蒸発損失率を測定し評価した。
実施例1に記載の方法と同様に、合成例2〜8の化合物の引火点、40℃における動粘度および蒸発損失率を測定し評価した。
[比較例1〜7]
実施例1に記載の方法と同様に、比較合成例1〜7の化合物の引火点、40℃における動粘度および蒸発損失率を測定し評価した。
実施例、比較例の潤滑剤用基油の性能評価結果を、表3、表4に示す。
実施例1に記載の方法と同様に、比較合成例1〜7の化合物の引火点、40℃における動粘度および蒸発損失率を測定し評価した。
実施例、比較例の潤滑剤用基油の性能評価結果を、表3、表4に示す。
表3の結果から、実施例1〜8で用いた化合物は、引火点が十分に高く、40℃の動粘度が十分に低く、蒸発損失が小さいことが分かる。
これに対し、比較例1、2および3は、本発明の式(1)で示される化合物を用いていないために、蒸発損失が大きい。比較例4は、式(1)で示される化合物のオキシアルキレン基の付加モル数が本発明の範囲より大きいために、40℃の動粘度が高い。
比較例5は、式(1)で示される化合物のオキシアルキレン基の付加モル数が本発明の範囲より小さいために、引火点が低い。比較例6は、式(1)で示される化合物のヨウ素価が本発明の範囲より小さく、分子量が本発明の範囲より小さいために、引火点が低く、蒸発損失が小さい。比較例7は、式(1)で示される化合物の不飽和炭化水素基の炭素数が本発明の範囲より大きく、分子量が本発明の範囲より大きいために、40℃の動粘度が高い。
Claims (1)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015235153A JP2017101148A (ja) | 2015-12-01 | 2015-12-01 | 潤滑剤用基油 |
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JP2015235153A JP2017101148A (ja) | 2015-12-01 | 2015-12-01 | 潤滑剤用基油 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL2031693A (en) * | 2021-04-26 | 2022-06-27 | Runtai New Mat Co Ltd | Coalescing agent for aqueous coating, coalescing agent composition and aqueous coating |
JP7270877B1 (ja) | 2022-08-29 | 2023-05-11 | 築野グループ株式会社 | 金属加工油用組成物 |
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-
2015
- 2015-12-01 JP JP2015235153A patent/JP2017101148A/ja active Pending
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