JP7450993B1 - 組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規の組成物を提供することを課題とするものである。好ましくは、新規の金属加工油用組成物及び/又は潤滑油用組成物を提供することを課題とするものである。【解決手段】本発明は、脂肪酸とアルコールを含有し、前記エステルの構成脂肪酸全体に対する、オレイン酸の割合が、20質量%以上75質量%未満であり、飽和脂肪酸の割合が、0質量%超6質量%以下である組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物に関する。
種々の金属加工油又は潤滑油等が知られている(特許文献1~10)。例えば、特許文献9には、実施例1~3にて、オレイン酸含有率75質量%以上の脂肪酸混合物とC12/C13混合アルコールのエステル化反応を行って得られたエステル含有組成物A~Cが、低動粘度、高引火点及び低流動点の全てを高いレベルで実現させることができる旨が開示されている。また、特許文献10には、炭素数4~22の分岐モノアルコールとリノール酸とのエステル反応物からなるモノエステル(A)、及び炭素数4~22の分岐モノアルコールとオレイン酸とのエステル反応物からなるモノエステル(B)のそれぞれのエステルを混合することにより得られ、質量比((A):(B))が95:5~30:70であることを特徴とする潤滑油用エステル基油が、開示されている。
しかしながら、上記文献には、オレイン酸の含有率が75質量%未満及び飽和脂肪酸を特定割合含む脂肪酸と、アルコールとのエステルを用いることにより、低動粘度の組成物が得られることは開示されていない。
非特許文献1には、エステルを構成する脂肪酸が飽和脂肪酸であるか不飽和脂肪酸であるかはエステルの粘度に影響を与えないことが開示されている(非特許文献1の表3)。したがって、エステルを構成する脂肪酸における飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸の割合を変化させても、エステルの粘度に影響を及ぼさないと考えられていた。
特許第5860269号公報 特開2008-280500号公報 特許第5879263号公報 特許第5480079号公報 特許第6191188号公報 特開2016-176041号公報 特開2008-280500号公報 特開2008-037994号公報 特開2021-42352号公報 特開2022-22793号公報
生分解性エステル系油圧作動油の動向 407~412頁 トライボロジスト 第59巻 第7号 2014年
本発明の目的は、新規の組成物を提供することである。好ましくは、本発明の目的は、金属加工油用組成物又は潤滑油用組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、オレイン酸及び飽和脂肪酸を特定割合含む脂肪酸と、アルコールとのエステルを用いることにより、新規の組成物、好ましくは、金属加工油用組成物又は潤滑油用組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題を解決するためになされた発明は、脂肪酸とアルコールとのエステルを含有し、前記エステルの構成脂肪酸全体に対する、オレイン酸の割合が、20質量%以上75質量%未満であり、飽和脂肪酸の割合が、0質量%超6質量%以下である組成物である。
上記組成物は、例えば、オレイン酸を20質量%以上75質量%未満及び飽和脂肪酸を0質量%超6質量%以下含む混合脂肪酸と、アルコールとをエステル化反応させること等により製造することができる。
さらに詳しくは、本発明は、以下の発明等に関する。
[1]脂肪酸とアルコールとのエステルを含有し、前記エステルの構成脂肪酸全体に対する、オレイン酸の割合が、20質量%以上75質量%未満であり、飽和脂肪酸の割合が、0質量%超6質量%以下である、組成物。
[2]前記飽和脂肪酸として、ステアリン酸及びパルミチン酸を含み、前記飽和脂肪酸全体に対するステアリン酸の割合が、前記飽和脂肪酸全体に対するパルミチン酸の割合よりも大きいことを特徴とする、上記[1]に記載の組成物。
[3]前記アルコールが1~3価のアルコールである、上記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]前記アルコールの炭素数が4~13個である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の組成物。
[5]前記アルコールが分岐のアルコールである、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の組成物。
[6]前記エステルの構成脂肪酸全体に対する、オレイン酸の割合が30質量%以上70質量%未満である、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の組成物。
[7]前記飽和脂肪酸として、ステアリン酸を含み、前記エステルの構成脂肪酸全体に対する、ステアリン酸の割合が4質量%以下である、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の組成物。
[8]前記飽和脂肪酸として、パルミチン酸を含み、前記エステルの構成脂肪酸全体に対する、パルミチン酸の割合が2質量%以下である、上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の組成物。
[9]さらに、構成脂肪酸として、リノレン酸を含み、前記エステルの構成脂肪酸全体に対するリノレン酸の割合が7質量%以上である、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の組成物。
[10]金属加工油用である、上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の組成物。
[11]潤滑油用である、上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の組成物。
本発明によれば、新規の組成物を提供することができる。本発明によれば、好ましくは、新規の金属加工油用組成物又は潤滑油用組成物を提供することができる。当該組成物は、好ましくは40℃での動粘度が低い。より詳細には、当該組成物は、好ましくは、それに含まれるエステルの構成脂肪酸(オレイン酸、飽和脂肪酸(好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸)、好ましくはさらに、リノール酸、リノレン酸)の割合がそれぞれ特定範囲(後述の説明をご参照)であることにより、同じ構成アルコールと、かつ、上記特定範囲外の割合の構成脂肪酸とのエステル又はそれを含む金属加工油用組成物又は潤滑油用組成物よりも、40℃での動粘度が低い。使用後の金属加工油用組成物は、再度利用され得るが、その際に、加工時に発生した金属粉を加工油から素早く取り除くことが、生産性上、求められる。使用後の金属加工油用組成物の40℃での動粘度が低いほど、金属粉は沈殿しやすく、ろ過しやすい。すなわち、金属加工の生産性が向上する。
<組成物>
当該組成物は、脂肪酸とアルコールとのエステルを含有し、前記エステルの構成脂肪酸全体に対する、オレイン酸の割合が、20質量%以上75質量%未満であり、前記エステルの構成脂肪酸全体に対する、飽和脂肪酸の割合が、0質量%超6質量%以下であってもよい。当該組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、オレイン酸及び飽和脂肪酸以外の脂肪酸とアルコールのエステル、及び/又は前記エステル以外の任意成分を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
また、当該組成物は、オレイン酸を20質量%以上75質量%未満及び飽和脂肪酸を0質量%超6質量%以下含む混合脂肪酸と、アルコールとのエステルを含有していてもよい。当該組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、前記エステル以外の任意成分を含有していてもよく、含有していなくてもよい。好ましくは、当該組成物は、金属加工油用組成物又は潤滑油用組成物である。
前記エステルは、モノエステルであっても、ジエステルであっても、トリエステルであってもよい。
当該組成物は、例えば、切削油、摺動面用油、軸受部分用油、油圧機器用油、エンジン油、タービン油、コンプレッサー油、チェーン油、ギヤ油、グリース油、圧延油、軸受油等の金属加工油用組成物、又は潤滑油用組成物として用いることができる。また、当該金属加工油用組成物は、重加工、難加工又は難加工材加工にも好適に用いることができる。金属加工の種類としては、金属加工の種類としては、特に限定されないが、具体的には、切削加工、研削加工、転造加工、鍛造加工、プレス加工、引き抜き加工、圧延加工等が挙げられる。使用量は、金属加工油又は潤滑油として一般的に使用される量であってよい。
以下、各成分について説明する。
(アルコール)
本発明に用いるアルコールは、各種のアルコールを用いることができる。アルコールの炭素数は、特に限定されないが、例えば、下限値が、1以上、2以上、3以上、4以上、6以上、8以上等であってもよい。また、上限値は、例えば、30以下、24以下、18以下、16以下、14以下、13以下、8以下等であっても良い。具体的には、例えば、炭素数が1~30、2~24であってもよく、4~18、4~16、4~13であることが好ましく、6~18、6~16、6~13、6~8、4~8であることがより好ましい。アルコールとして、市販品を使用してもよく、公知の方法により製造してもよい。また、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド等が付加したアルコールを用いてもよい。
また、本発明に用いるアルコールは、1価のアルコールでも、多価であってもよい。また、本発明に用いるアルコールは、直鎖でも分岐構造(例えば、分岐数が1、2又は3)を有していてもよく、一級、二級又は三級アルコールであってもよく、芳香環又は脂環式結合を含んでいてもよい。
1価のアルコールとしては、例えば、3-メチル-ブタノール、2-エチル-ヘキサノール、3-メチル-ヘキサノール、5-メチル-ヘキサノール、メタノール、エタノール、プロパノール(1-プロパノール、2-プロパノール)、ブタノール(1-ブタノール、2-ブタノール)、2-メチル-プロパノール、ペンタノール(1-ペンタノール、2 -ペンタノール、3-ペンタノール)、3-メチル-ブタノール、ヘキサノール(1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール)、2-メチル-ペンタノール、2-エチル-ブタノール、ヘプタノール(1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール)、2-メチル-ヘキサノール、2-エチル-ペンタノール、オクタノール(1-オクタノール、2-オクタノール、3-オクタノール)、2-メチル-ヘプタノール、ノナノール(1-ノナノール、2-ノナノール、3-ノナノール)、2-メチル-オクタノール、2-エチル-ヘプタノール、デカノール(1-デカノール、2-デカノール、3-デカノール)、2-メチル-ノナノール、2-エチル-オクタノール、ウンデカノール、ドデカノール、イソトリデカノール(11-メチル-1-ドデカノール)、2-メチルウンデカン-1-オール、2-エチルデカン-1-オール、2-ブチルオクタン-1-オール、2-ペンチルヘプタン-1-オール、3-メチルウンデカン-1-オール、3-エチルデカン-1-オール、3-ブチルオクタン-1-オール、3-ペンチルヘプタン-1-オール、4-メチルウンデカン-1-オール、4-エチルデカン-1-オール、4-ブチルオクタン-1-オール、4-ペンチルヘプタン-1-オール、2-メチルドデカン-1-オール、2-エチルウンデカン-1-オール、2-ブチルノナン-1-オール、2-ペンチルオクタン-1-オール、3-メチルドデカン-1-オール、3-エチルウンデカン-1-オール、3-ブチルノナン-1-オール、3-ペンチルオクタン-1-オール、4-メチルドデカン-1-オール、4-エチルウンデカン-1-オール、4-ブチルノナン-1-オール、4-ペンチルオクタン-1-オール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、特に限定されないが、通常、2~10価のものが用いられ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等のポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等のトリメチロールアルカン及びこれらの2~8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2~4量体、1,2,4-ブタントリオール、1,3,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,3,4-ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類等が挙げられる。
アルコールとしては、1~3価のアルコールであることが好ましく、1価又は3価のアルコールであることがより好ましく、2-エチル-ヘキサノール、ブタノール又はトリメチロールプロパンであることがより好ましい。
本発明に用いるアルコールは1種又は2種以上を用いてもよい。2種以上のアルコールを用いる場合の組み合わせは、特に限定されず、例えば、上記のアルコールから選択することができ、炭素数が異なるアルコールの組み合わせ(例えば炭素数が12及び13のアルコール)であってもよく、直鎖及び分岐構造のアルコールの組み合わせであってもよいし、2種以上の直鎖構造のアルコールの組み合わせであってもよいし、2種以上の分岐構造のアルコールの組み合わせであってもよい。具体的には、炭素数が12及び13の分岐混合アルコールであってもよい。2種以上のアルコールを用いる場合の各アルコール(以降、任意の異なる2種のアルコールを、アルコール(1)、アルコール(2)と表示することがある)のアルコール全体に対する割合は特に限定されないが、アルコール(1)の含有率の下限としては、アルコール全体に対して、10質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、46質量%以上、46.4質量%以上、50質量%以上であってもよい。アルコール(1)の含有率の上限としては、アルコール全体に対して、100質量%未満、99質量%以下、98質量%以下、97.5質量%以下、90質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、47質量%以下であってもよい。
また、アルコール(2)の含有率の下限としては、アルコール全体に対して、0.1質量%以上、1.0質量%以上、10質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上であってもよい。アルコール(2)の含有率の上限としては、アルコール全体に対して、99質量%以下、90質量%以下、75質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、52質量%以下、51.5質量%以下、51.3質量%以下であってもよい。
2種以上のアルコールを用いる場合の各アルコールの含有率は特に限定されないが、例えば、各アルコールの割合(アルコール(1)/アルコール(2))は、アルコール(1)/アルコール(2)(質量比)の下限として、30/70以上で、40/60以上、45/55以上、47.5/52.5以上、50/50以上、60/40以上、70/30以上、80/20以上であってもよい。アルコール(1)/アルコール(2)(質量比)の上限として、99.9/0.1以下、99/1.0以下、95/5.0以下、90/10以下、50/50以下、48/52以下であってもよい。
アルコールの市販品としては、例えば、商品名「ISALCHEM」(例えば、商品名「ISALCHEM123」)、商品名「ISOFOL」、商品名「SAFOL」(以上、SASOL社)、商品名「2―エチルヘキサノール」、商品名「n―ブタノール」(以上、三菱ケミカル株式会社)、商品名「ネオペンチルグリコール」三菱ガス化学株式会社)、商品名「1-Butanol」、商品名「2-Ethyl-1-hexanol」、商品名「Trimethylolpropane」(以上、東京化成工業株式会社製)等が挙げられる。
(脂肪酸)
使用される脂肪酸は、オレイン酸、飽和脂肪酸等であってもよく、その他の各種の脂肪酸を含んでいてもよく、それらの組み合わせであってもよい。また、エステルを構成する脂肪酸を構成脂肪酸という。
(オレイン酸)
「オレイン酸」とは、(Z)-9-オクタデセン酸を意味する。当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、オレイン酸の割合は、20質量%以上75質量%未満であり、例えば20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、34質量%以上、75質量%未満、70質量%以下、70質量%未満、60質量%以下、55質量%以下のうちいずれかの用量を選択し、適宜組み合わせることにより、好ましい範囲の用量として適用することができる。そのような範囲としては、具体的には、25質量%以上70質量%以下、30質量%以上70質量%未満、30質量%以上60質量%以下、34質量%以上55質量%以下等が挙げられる。
(飽和脂肪酸)
「飽和脂肪酸」は、好ましくは炭素数14~22、より好ましくは炭素数16~18の飽和脂肪酸である。当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、飽和脂肪酸の割合は、0質量%超6質量%以下である。当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、飽和脂肪酸の割合は、0質量%超5.2質量%以下であることが、低流動点をより高いレベルで実現させることができる点で好ましい。当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、飽和脂肪酸の割合の下限としては、0質量%超であればよく、0.1質量%以上であってもよく、1.0質量%以上、1.4質量%以上、1.5質量%以上であってもよい。飽和脂肪酸を上記範囲にすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる点で好ましい。飽和脂肪酸は、直鎖飽和脂肪酸であっても分岐飽和脂肪酸であってもよいが、直鎖飽和脂肪酸であることが好ましい。そのような直鎖飽和脂肪酸として具体的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられ、中でもパルミチン酸、ステアリン酸等が好ましい。分岐飽和脂肪酸の例として、イソステアリン酸、2,2-ジメチルオクタン酸、3-メチルブタン酸等が挙げられる。
(ステアリン酸)
「ステアリン酸」とは、オクタデカン酸を意味する。当該組成物が、前記飽和脂肪酸として、ステアリン酸を含有する場合、上記組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、ステアリン酸の含有率の上限としては、好ましくは4.0質量%以下であり、より好ましくは3.9質量%以下、3.0質量%以下である。上記組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、ステアリン酸の含有率の下限としては、0.1質量%以上であってもよく、0.8質量%以上、1.0質量%以上、1.3質量%以上、2.0質量%以上であってもよい。ステアリン酸を上記範囲にすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる点で好ましい。
(パルミチン酸)
「パルミチン酸」とは、ヘキサデカン酸を意味する。当該組成物が、前記飽和脂肪酸として、パルミチン酸を含有する場合、上記組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、パルミチン酸の含有率の上限としては、好ましくは3.0質量%以下、3.0質量%未満であり、より好ましくは2.5質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以下であり、特に好ましくは1.8質量%以下である。上記組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、パルミチン酸の含有率の下限としては、0.1質量%以上であってもよく、0.5質量%以上であってもよく、1.0質量%以上、1.1質量%以上であってもよい。パルミチン酸を上記範囲にすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる点で好ましい。
当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸中の、飽和脂肪酸全体に対するステアリン酸の割合が、飽和脂肪酸全体に対するパルミチン酸の割合よりも大きいことが好ましい。
オレイン酸及び/又は飽和脂肪酸の合計含有率の下限としては、当該組成物中の構成脂肪酸全体に対して、例えば20質量%超が好ましく、25質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましく、36質量%以上が特に好ましい。オレイン酸及び/又は飽和脂肪酸の合計含有率の上限としては、当該組成物中の構成脂肪酸全体に対して、例えば80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
[エステル(I)]
エステル(I)は、アルコールと、オレイン酸を20質量%以上75質量%未満及び飽和脂肪酸を0質量%超6質量%以下含む混合脂肪酸とのエステルである。
(オレイン酸)
混合脂肪酸中のオレイン酸の含有率は、20質量%以上75質量%未満であり、例えば20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、33質量%以上、50質量%以上、75質量%未満、70質量%以下、70質量%未満、60質量%以下、57質量%以下、55質量%以下、52質量%以下のうちいずれかの用量を選択し、適宜組み合わせることにより、好ましい範囲の用量として適用することができる。そのような範囲としては、具体的には、25質量%以上70質量%以下、30質量%以上70質量%未満、30質量%以上60質量%以下、33質量%以上55質量%以下、33質量%以上52質量%以下等が挙げられる。オレイン酸を前記含有率で含む混合脂肪酸の市販品としては、例えば、商品名「TFA-130R」、商品名「TFA-145WF」(以上、築野オレオケミカルズ株式会社製)、商品名「ハートール HARTALL」の品番 FA-1(ハリマ化成グループ株式会社製)等が挙げられる。
(飽和脂肪酸)
混合脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有率は、0質量%超6質量%以下であり、好ましくは5.2質量%以下である。混合脂肪酸中の飽和脂肪酸を5.2質量%以下にすることで、低流動点をより高いレベルで実現させることができる点で好ましい。上記混合脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有率の下限としては、0質量%超であればよく、0.1質量%以上であってもよく、1.0質量%以上、1.4質量%以上、1.5質量%以上であってもよい。飽和脂肪酸を上記範囲にすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる点で好ましい。
(混合脂肪酸)
「混合脂肪酸」とは、2種以上の脂肪酸を含む混合物であって、少なくともオレイン酸を20質量%以上75質量%未満及び飽和脂肪酸を0質量%超6質量%以下含む。混合脂肪酸を、例えば、脂肪酸混合物と言い換えることもできる。混合脂肪酸に含まれるオレイン酸及び飽和脂肪酸以外の脂肪酸としては、特に限定されないが、例えば、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。上記混合脂肪酸中にリノール酸を含む場合、リノール酸の含有率は、特に限定されないが、上限としては、60.0質量%以下、57.0質量%以下、40質量%以下等であってもよい。上記混合脂肪酸中にリノール酸を含む場合の下限としては、20.0質量%以上、30.0質量%以上、33.0質量%以上、35.0質量%以上等であってもよい。上記混合脂肪酸中にリノレン酸を含む場合、リノレン酸の含有率は、特に限定されないが、上限としては、12.5質量%以下、12.0質量%以下、10.0質量%以下、8.0質量%以下、7.5質量%以下等であってもよい。上記混合脂肪酸中にリノレン酸を含む場合の下限としては、0.1質量%以上、1.0質量%以上、3.0質量%以上、5.0質量%以上、6.0質量%以上、7.0質量%以上等であってもよい。また、混合脂肪酸全体でヨウ素価が125以上であることが好ましい。好ましい混合脂肪酸の市販品としては、例えば、商品名「TFA-130R」、商品名「TFA-145WF」(以上、築野オレオケミカルズ株式会社製)、商品名「ハートール HARTALL」の品番 FA-1(ハリマ化成グループ株式会社製)等が挙げられる。
エステル(I)は、例えば、アルコールと混合脂肪酸とを用い、酸化スズ、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸スズ等を触媒としてエステル化反応を行うことにより得ることができる。構成アルコールがアルコール(1)であるエステル(I)をエステル(i)と表記し、構成アルコールがアルコール(2)であるエステル(I)をエステル(ii)と表記する。
エステル(I)は、エステル(i)を含有していてもよい。エステル(i)は、アルコール(1)と上記混合脂肪酸とのエステルである。
エステル(i)は、例えば、アルコール(1)と上記混合脂肪酸とを用い、酸化スズ等を触媒としてエステル化反応を行うことにより得ることができる。
エステル(i)の含有率の下限としては、当該組成物全体に対して、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上が特に好ましい。エステル(i)の含有率の上限としては、当該組成物全体に対して、100質量%未満が好ましく、99質量%以下がより好ましく、98質量%以下がさらに好ましく、90質量%以下が特に好ましい。エステル(i)の含有率を上記範囲とすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる。
当該組成物は、エステル(i)として、その1種又は2種以上を含有していてもよい。
[エステル(ii)]
エステル(I)は、エステル(ii)を含有していてもよい。エステル(ii)は、アルコール(2)と上記混合脂肪酸とのエステルである。
エステル(ii)は、例えば、アルコール(2)と上記混合脂肪酸とを用い、酸化スズ等を触媒としてエステル化反応を行うことにより得ることができる。
エステル(ii)の含有率の下限としては、当該組成物全体に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上が特に好ましい。エステル(ii)の含有率の上限としては、当該組成物全体に対して、99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、75質量%以下がさらに好ましく、60質量%以下が特に好ましい。エステル(ii)の含有率を上記範囲とすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる。
当該組成物は、エステル(ii)として、1種又は2種以上を含有していてもよい。
アルコール(1)及び/又はアルコール(2)を含むアルコールとしては、オレフィンを原料とするアルコール、すなわち、オレフィンからオキソ反応及び水素化等により製造されたアルコールが好ましい。オレフィンをオキソ反応にてアルデヒドを製造し、2量化、脱水縮合、水素化反応を経て得られるアルコールなどでも良い。
また、アルコールを2量化することによって得られるゲルべアルコールでも良い。
[エステル(iii)]
エステル(I)は、エステル(iii)を含有していてもよい。エステル(iii)は、ブタノールと上記混合脂肪酸とのエステルである。
エステル(iii)は、例えば、ブタノールと上記混合脂肪酸とを用い、酸化スズ、パラトルエンスルホン酸等を触媒としてエステル化反応を行うことにより得ることができる。
エステル(iii)の含有率の下限としては、当該組成物全体に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。エステル(iii)の含有率の上限としては、当該組成物全体に対して、99質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。エステル(iii)の含有率を上記範囲とすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる。
[エステル(iv)]
エステル(I)は、エステル(iv)を含有していてもよい。エステル(iv)は、2-エチルヘキサノールと上記混合脂肪酸とのエステルである。
エステル(iv)は、例えば、2-エチルヘキサノールと上記混合脂肪酸とを用い、酸化スズ等を触媒としてエステル化反応を行うことにより得ることができる。
エステル(iv)の含有率の下限としては、当該組成物全体に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。エステル(iv)の含有率の上限としては、当該組成物全体に対して、99質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。エステル(iv)の含有率を上記範囲とすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる。
[エステル(v)]
エステル(I)は、エステル(v)を含有していてもよい。エステル(v)は、トリメチロールプロパンと上記混合脂肪酸とのエステルである。
エステル(v)は、例えば、トリメチロールプロパンと上記混合脂肪酸とを用い、酸化スズ、シュウ酸スズ等を触媒としてエステル化反応を行うことにより得ることができる。
エステル(v)の含有率の下限としては、当該組成物全体に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。エステル(v)の含有率の上限としては、当該組成物全体に対して、99質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。エステル(vi)の含有率を上記範囲とすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる。
[モノエステル]
構成アルコールが一価のアルコールであって、構成脂肪酸がオレイン酸であるモノエステルをエステル(a)とし、構成アルコールが一価のアルコールであって、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノエステルをエステル(b)とすると、当該組成物は、エステル(a)、エステル(b)として、それぞれ、その1種又は2種以上を含有していてもよい。
エステル(例えば、エステル(a)、エステル(b)等)は、例えば、アルコールと脂肪酸(例えば、オレイン酸、飽和脂肪酸等)とを用い、酸化スズ、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸スズ等を触媒としてエステル化反応を行うことにより得ることができる。
(ヨウ素価)
ヨウ素価とは、油脂100gに吸収されるハロゲンの量をヨウ素のg数で表したもの(I/100g)をいう。不飽和脂肪酸の割合が高いほどヨウ素価は大きくなる。ヨウ素価は、例えば、「基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.3.4.1-1996 ヨウ素価(ウィイス-シクロヘキサン法)」に従って測定することができる。構成脂肪酸全体のヨウ素価又は混合脂肪酸中のヨウ素価は、特に限定されないが、例えば、70以上であり、好ましくは90以上であり、さらに好ましくは、100以上であってもよい。ヨウ素価を上記範囲にすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる点で好ましい。
組成物が、エステル(i)及びエステル(ii)を含む場合、エステル(i)とエステル(ii)との割合としては、エステル(i)/エステル(ii)(質量比)の下限として、30/70以上が好ましく、40/60以上がより好ましく、50/50以上がさらに好ましく、60/40以上が特に好ましく、70/30以上がさらに特に好ましく、80/20以上が最も好ましい。エステル(i)/エステル(ii)(質量比)の上限として、99.9/0.1以下が好ましく、99/1以下がより好ましく、95/5以下がさらに好ましく、90/10以下が特に好ましい。エステル(i)とエステル(ii)との割合を上記範囲とすることで、低動粘度をより高いレベルで実現させることができる。
エステル(I)の含有率の下限としては、当該組成物中のエステル全体に対して、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。エステル(I)の、当該組成物中のエステル全体に対する含有率の上限としては、例えば100質量%以下であり、99質量%以下が好ましい。「エステル」とは、アルコールと脂肪酸とのエステルを意味する。
エステル(a)及び/若しくはエステル(b)の合計含有率、又は、エステル(I)含有率の下限としては、当該組成物全体に対して、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましく、90質量%以上がさらに特に好ましく、95質量%以上が最も好ましい。エステル(a)及び/若しくはエステル(b)の合計、又は、エステル(I)の、当該組成物全体に対する含有率の上限としては、例えば100質量%以下であり、99質量%以下が好ましい。
エステルの構成脂肪酸及び構成アルコールのそれぞれの比率は、当該エステルを加水分解して脂肪酸混合物及びアルコール混合物に分離した後、それぞれをガスクロマトグラフィー分析することで確認できる。ガスクロマトグラフィーの検出器(例えば、水素炎イオン化検出器等)を用いることで、各成分の量を測定することができる。水素炎イオン化検出器で得られたピーク面積の割合(GC%)は、質量百分率(質量%)として読み替えることができる。また、原料の各脂肪酸(混合脂肪酸中の各脂肪酸を含む)が全てエステル化反応に用いられたとみなされる場合で、かつ、組成物に含まれるエステルが当該反応により得られたモノエステルのみである場合には、当該組成物中のエステル中の各構成脂肪酸のエステルの比率は、対応する原料の各脂肪酸の比率と同じであってもよい。また、当該組成物に含まれているエステルがモノエステルのみ場合、エステルの構成脂肪酸の比率は、エステル(a)、(b)、及び後述する(c)の混合比率により確認できる。当該組成物に含まれているエステルがモノエステルのみの場合、エステルの構成脂肪酸の比率又はエステルの構成アルコールの比率を利用して、エステル全体に対する各エステル(例えば、エステル(a)、(b)、後述する(c)、(I)等)の割合、組成物全体に対する各エステル(例えば、エステル(a)、(b)、後述する(c)、(I)、等)の割合等を導き出すことができる。
(任意成分)
当該組成物は、任意成分を1種又は2種以上含有することができる。任意成分としては、例えば、エステル(a)及びエステル(b)以外のモノエステル(以下、「エステル(c)」ともいう)、添加剤等が挙げられる。
[エステル(c)]
エステル(c)としては、例えば、一価のアルコールとオレイン酸及び飽和脂肪酸以外の脂肪酸(例えば、リノール酸、リノレン酸等)とのモノエステル等が挙げられる。
当該組成物が構成脂肪酸としてオレイン酸及び飽和脂肪酸以外の脂肪酸(例えば、リノール酸、リノレン酸等)を含有する場合、当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、オレイン酸及び飽和脂肪酸以外の脂肪酸(例えば、リノール酸、リノレン酸等)の含有率の上限としては、80質量%以下、80質量%未満が好ましく、70質量%以下、65質量%以下、55質量%以下等であってもよい。当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、オレイン酸及び飽和脂肪酸以外の脂肪酸(例えば、リノール酸、リノレン酸等)の含有率の下限としては、例えば0.1質量%以上、19質量%超が好ましく、20質量%超、30質量%以上、40質量%以上等であってもよい。
当該組成物が構成脂肪酸としてリノール酸を含有する場合、当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、リノール酸の含有率の上限としては、80質量%以下、70質量%以下、70質量%未満が好ましく、60質量%以下、57質量%以下、55質量%以下等であってもよい。当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、リノール酸の含有率の下限としては、例えば0.1質量%以上、12質量%以上が好ましく、20質量%以上、30質量%以上、33質量%以上等であってもよい。
当該組成物が構成脂肪酸としてリノレン酸を含有する場合、当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、リノレン酸の含有率の上限としては、20質量%以下が好ましく、10質量%以下、8質量%以下等であってもよい。当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、リノレン酸の含有率の下限としては、例えば0.1質量%以上、5質量%以上が好ましく、6質量%以上、7質量%以上等であってもよい。
当該組成物がエステル(c)を含有する場合、当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、エステル(a)、エステル(b)及びエステル(c)を構成する脂肪酸の合計含有率の下限としては、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。当該組成物に含まれるエステルの構成脂肪酸全体に対する、エステル(b)及びエステル(c)を構成する脂肪酸の合計含有率の上限としては、例えば100質量%以下であり、99.9質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましい。
(添加剤)
添加剤としては、公知の添加剤を用いることができ、例えば、フェノール系の酸化防止剤、ベンゾトリアゾ-ル、チアジアゾール、ジチオカーバメート等の金属不活性化剤、エポキシ化合物、カルボジイミド等の酸捕捉剤、リン系の極圧剤、ポリアルキルメタクリレート(例えば、アクルーブ132、アクルーブ146等)等の流動点降下剤などが挙げられる。
当該組成物が添加剤を含有する場合、添加剤の含有率の上限としては、当該組成物全体に対して、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
当該組成物は、添加剤を実質的に含まず、実質的にエステルからなっていてもよい。したがって、当該組成物を金属加工油又は潤滑油として用いることができる。組成物が「添加剤を実質的に含まない」とは、例えば、添加剤の合計含有率が5質量%未満であることをいう。組成物が「実質的にエステルからなる」とは、例えば、エステルの含有率が95質量%以上であることをいう。
当該組成物の40℃における動粘度の上限としては、45mm/s以下が好ましく、44mm/s以下がより好ましく、43.1mm/s以下がさらに好ましい。当該組成物の40℃における動粘度の下限としては、例えば5.0mm/s以上であり、5.25mm/s以上が好ましい。当該組成物の動粘度を上記範囲とすることで、金属加工等における精度、冷却性などをより改善することができる。
動粘度は、例えば、JIS K-2283に従って測定することができる。
当該組成物の引火点の下限としては、200℃以上が好ましく、205℃以上がより好ましく、207℃以上がさらに好ましく、210℃以上が特に好ましい。当該組成物の引火点の上限としては、例えば350℃以下であり、344℃以下が好ましい。当該組成物の引火点を上記範囲とすることで、安全性をより向上させることができ、使用時において揮発する油による汚れや臭気などの作業環境の悪化をより改善することができる。
引火点は、例えば、JIS K-2265に従い、クリーブランド式オープンカップ法にて測定することができる。
当該組成物の流動点の上限としては、-20℃以下が好ましく、-22.5℃以下がより好ましい。当該組成物の流動点の下限としては、例えば-60℃以上であり、-50℃以上が好ましい。当該組成物の流動点を上記範囲とすることで、低温環境下においてもより固化し難く、加熱用の設備が不要となる。
流動点は、例えば、JIS K-2269に従って測定することができる。
当該組成物は動粘度が低く、引火点が高いことが好ましい。動粘度と引火点の好ましい数値の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば、動粘度が40℃で43.1mm/s以下で、引火点が約344℃以上、動粘度が40℃で8.1mm/s以下で、引火点が約220℃以上、又は、動粘度が40℃で5.25mm/s未満で、引火点が約212℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは、前記に加え、流動点が低い(例えば-20℃以下)ことが好ましい。
当該組成物の水酸基価の上限としては、9mgKOH/gが好ましく、8.6mgKOH/gがより好ましい。当該組成物の水酸基価の下限としては、例えば0mgKOH/gであり、0.06mgKOH/gが好ましい。また、エステル化工程後の脱アルコール工程の途中(例えば、水酸基価が約1~4mgKOH/gの時点)でアルコールの留去を完了させてもよい。
「水酸基価」は、例えば通常の水酸基価の測定方法により求めることができるが、その他に、ガスクロマトグラフィー(GC)、ガスクロマトグラフィー-質量分析法(GC-MS)等により、遊離アルコールの含有量を測定することにより求めることもできる。
[組成物の製造方法]
当該組成物は、例えば、アルコールと、混合脂肪酸とを反応させてエステルを得るエステル化工程を備える製造方法により製造することができる。
また、当該組成物は、例えば、アルコールと、オレイン酸とを反応させてエステルを得るエステル化工程、アルコールと、飽和脂肪酸とを反応させてエステルを得るエステル化工程、並びにこれらの工程で得られたエステルを混合する混合工程を備える製造方法により製造することができる。
当該組成物の製造方法は、エステル化工程後に、得られたエステルから低沸点成分を除去してエステル化粗物を得る工程(以下、「低沸点成分除去工程」ともいう)をさらに備えることが好ましく、低沸点成分除去工程後に、得られたエステル化粗物を処理剤で処理する工程(以下、「処理工程」ともいう)をさらに備えていてもよい。
エステル化工程の後、原料の脂肪酸が全てエステル化反応に用いられたとみなされる状態であってもよい。そのような場合は、得られたエステルにおける各構成脂肪酸の比率と各原料脂肪酸の比率とが一致してもよい。
以下、各工程について説明する。
(エステル化工程)
本工程では、アルコールを含むアルコール成分と、混合脂肪酸、オレイン酸、飽和脂肪酸等の脂肪酸とを混合し、必要に応じて触媒を加え、加熱し、生成した水を除去しながらエステル化反応を行う。
アルコール成分と脂肪酸成分との当量比として、アルコール成分中の水酸基1モルに対し、脂肪酸成分中のカルボキシル基としては、0.8~1.5モルが好ましく、生産効率と経済性の観点から、0.9~1.2モルがより好ましい。アルコール成分中の水酸基のモル数は、水酸基価(JIS K0070)を測定し、算出することができる。
触媒としては、例えば、硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの酸触媒、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スズ、亜鉛等の元素を含む金属触媒などが挙げられる。触媒の使用量としては、アルコール成分及び脂肪酸成分の合計に対して、0.01~10質量%が好ましく、0.05~1質量%がより好ましい。
エステル化反応の温度の下限としては、160℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、215℃以上がさらに好ましく、230℃以上が特に好ましい。エステル化反応の温度の上限としては、例えば240℃以下であり、235℃以下が好ましい。
エステル化反応は、常圧下で行っても、減圧下で行ってもよいが、生成水の除去容易の観点から、減圧下が好ましい。減圧時の圧力の下限としては、例えば0.1Torr以上であり、10Torr以上が好ましく、50Torr以上がより好ましい。減圧時の圧力の上限としては、例えば200Torr以下であり、150Torr以下が好ましい。
エステル化反応の時間の下限としては、10分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、1時間以上がさらに好ましく、2時間以上が特に好ましい。エステル化反応の時間の上限としては、24時間以下が好ましく、12時間以下がより好ましく、8時間以下がさらに好ましく、5時間以下が特に好ましい。
エステル化反応は、例えば、反応液の酸価を測定しながら行うことが好ましく、脂肪酸が全てエステル化反応に用いられたとみなされる反応液の酸価としては、5mgKOH/g以下が好ましく、0~3mgKOH/g以下がより好ましい。酸価は、例えば、JOCS(日本油化学会) 2.3.1に従って測定することができる。
(低沸点成分除去工程)
本工程では、得られたエステルから低沸点成分を除去してエステル化粗物を得る。ここでの「低沸点成分」とは、遊離のアルコール、遊離の脂肪酸を含む。
本工程は、具体的には、170℃~230℃の温度、0Torr超100Torr以下の圧力の減圧下で、低沸点成分を留去する。
(処理工程)
本工程では、得られたエステル化粗物を処理剤で処理する。
処理剤としては、例えば、活性炭、活性白土等が挙げられる。処理剤の使用量としては、例えばエステル化粗物に対して、通常0.01~5質量%であり、0.1~1質量%が好ましい。
処理の方法としては、例えば、エステル化粗物に処理剤を投入し、50℃~100℃で、10分~2時間程度攪拌し、次いで10分~2時間程度減圧下で攪拌した後、処理剤を濾去する方法等が挙げられる。
本開示において、「程度」及び「約」とは、例えば少々逸脱した場合も含ませる意図で使用する用語である。このような範囲は、所与の値又は範囲の測定及び/又は定量に使用される標準の方法に特有である実験誤差内の場合も含まれる。
エステル化粗物中の余剰の遊離の脂肪酸を除去するために、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリによる脂肪酸の中和精製工程を行ってもよいが、行わなくてもよい。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上述の構成を種々組み合わせた態様を含む。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
下記酸価は、JOCS(日本油化学会) 2.3.1に従って測定した。
<組成物の製造>
(脂肪酸)
実施例及び比較例で用いた「混合脂肪酸」の商品名、各構成脂肪酸の含有率、酸価及びヨウ素価を表1に示す。各構成脂肪酸の含有割合(GC%)を下記方法にてガスクロマトグラフィー分析により測定した。
(前処理)
ガスクロマトグラフィー分析の前処理として、混合脂肪酸を下記方法によりメチル化を行った。
・メチル化方法:混合脂肪酸0.1mLに、メチル化試薬である三ふっ化ほう素メタノール錯体メタノール溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製)5mLを加え、100℃のサンドバスで30分加熱した。これに飽和食塩水50mLとヘキサン3mLを加えて攪拌し、上層のヘキサン溶液を抜き出して、これをメチル化した混合脂肪酸とした。
(測定)
上記処理を行った混合脂肪酸中のメチル化した脂肪酸のガスクロマトグラフは、以下の条件で測定した。
・分析装置:株式会社島津製作所製 GC2014
・分析カラム:Sigma-Aldrich株式会社製キャピラリーカラム「SP-2560」 長さ×内径=100m×0.25mm
・昇温条件:180℃で45分保持した後、10℃/分で220℃まで昇温し16分保持。
・検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
・注入試料:1.0μL(ヘキサン溶液)
また、測定結果を下記表1に示す。なお、商品名の後ろの括弧内の数字は、使用したサンプルの番号を意味する。
(アルコール1)C12/C13混合アルコール
実施例1及び2、並びに比較例1及び2で用いた「C12/C13混合アルコール」は、α-オレフィン由来の炭素数12のアルコール(アルコール(1´))及び炭素数13のアルコール(アルコール(2´))の混合物(ISALCHEM123、SASOL社製)である。
(アルコール2)1-ブタノール
実施例3及び4並びに比較例3及び4において、アルコールとしてブタノール(1-Butanol、東京化成工業株式会社製)を用いた。
(アルコール3)2-エチルヘキサノール
実施例5及び比較例5において、アルコールとして2-エチルヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol、東京化成工業株式会社製)を用いた。
(アルコール4)トリメチロールプロパン
実施例6及び比較例6において、アルコールとしてトリメチロールプロパン(Trimethylolpropane、東京化成工業株式会社製)を用いた。
[実施例1]
攪拌器、温度計及び冷却管付きディーンスターク管を備えた1Lの4つ口フラスコに、混合脂肪酸(商品名「TFA-130R」、築野オレオケミカルズ株式会社製)380g、C12/C13混合アルコール(ISALCHEM123、SASOL社製)313.9g、及び触媒としての酸化スズを総量に対し0.1質量%仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温した。230℃到達後、減圧し、留出してくる生成水をディーンスターク管で除去しながら、エステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了した。反応終了後、過剰のアルコールと低沸点成分とを留去して、エステル化粗物を得た。得られたエステル化粗物に対してそれぞれ0.2質量%の活性炭と活性白土を投入し、80℃で30分攪拌した後、1時間減圧下で攪拌した。その後、常圧に戻し、濾過してそれらを除去し、組成物Aを得た。
[実施例2]
攪拌器、温度計及び冷却管付きディーンスターク管を備えた1Lの4つ口フラスコに、混合脂肪酸(商品名「TFA-145WF」、築野オレオケミカルズ株式会社製)380g、C12/C13混合アルコール(ISALCHEM123、SASOL社製)313.9g、及び触媒としての酸化スズを総量に対し0.1質量%仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温した。230℃到達後、減圧し、留出してくる生成水をディーンスターク管で除去しながら、エステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了した。反応終了後、過剰のアルコールと低沸点成分とを留去してエステル化粗物を得た。得られたエステル化粗物に対してそれぞれ0.2質量%の活性炭と活性白土を投入し、80℃で30分攪拌した後、1時間減圧下で攪拌した。その後、常圧に戻し、濾過してそれらを除去し、組成物Bを得た。
[比較例1]
攪拌器、温度計及び冷却管付きディーンスターク管を備えた1Lの4つ口フラスコに、混合脂肪酸(商品名「Evyap Oleo O-1875」、Evyap社製)380g、C12/C13混合アルコール(ISALCHEM123、SASOL社製)313.9g、及び触媒としての酸化スズを総量に対し0.1質量%仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温した。230℃到達後、減圧し、留出してくる生成水をディーンスターク管で除去しながら、エステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了した。反応終了後、過剰のアルコールと低沸点成分とを留去してエステル化粗物を得た。得られたエステル化粗物に対してそれぞれ0.2質量%の活性炭と活性白土を投入し、80℃で30分攪拌した後、1時間減圧下で攪拌した。その後、常圧に戻し、濾過してそれらを除去し、組成物Cを得た。
[比較例2]
混合脂肪酸として、商品名「Evyap Oleo O-1875」(Evyap社製)でなく、商品名「NAS-125」(築野オレオケミカルズ株式会社製)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、組成物Dを得た。
[実施例3]
攪拌器、温度計及び冷却管付きディーンスターク管を備えた1Lの4つ口フラスコに、混合脂肪酸(商品名「TFA-130R」、築野オレオケミカルズ株式会社製)300g、1-ブタノール(東京化成工業株式会社製)120g、及び触媒としてのパラトルエンスルホン酸を総量に対し0.5質量%仕込み、窒素雰囲気下で150℃まで昇温した。留出してくるブタノールと生成水をディーンスターク管で分層させながら、生成水だけを除去し、エステル化反応を行った。酸価が1.5mgKOH/gになったところで反応を終了した。反応終了後、過剰のアルコールと低沸点成分とを留去して、エステル化粗物を得た。得られたエステル化粗物に対して、酸価の1.1当量の25%水酸化ナトリウム水溶液を投入し、40℃で30分攪拌後、1時間減圧脱水した。その後、0.2質量%の活性炭と活性白土を投入し、80℃で30分攪拌した後、1時間減圧下で攪拌した。その後、常圧に戻し、濾過してそれらを除去し、組成物Eを得た。
[実施例4]
混合脂肪酸として、「TFA-130R」でなく、「TFA-145WF」(商品名、築野オレオケミカルズ株式会社製)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、組成物Fを得た。
[比較例3]
脂肪酸として、混合脂肪酸でなく、「Evyap Oleo O-1875」(Evyap社製)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、組成物Gを得た。
[比較例4]
脂肪酸として、混合脂肪酸でなく、「TFA-SR」(築野オレオケミカルズ株式会社製)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、組成物Hを得た。
[実施例5]
攪拌器、温度計及び冷却管付きディーンスターク管を備えた1Lの4つ口フラスコに、混合脂肪酸(商品名「TFA-130R」、築野オレオケミカルズ株式会社製)400g、2-エチルヘキサノール(東京化成工業株式会社製)210g、及び触媒としての酸化スズを総量に対し0.1質量%仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温した。230℃到達後、減圧し、留出してくる生成水をディーンスターク管で除去しながら、エステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了した。反応終了後、過剰のアルコールと低沸点成分とを留去して、エステル化粗物を得た。得られたエステル化粗物に対してそれぞれ0.2質量%の活性炭と活性白土を投入し、80℃で30分攪拌した後、1時間減圧下で攪拌した。その後、常圧に戻し、濾過してそれらを除去し組成物Iを得た。
[比較例5]
脂肪酸として、混合脂肪酸でなく、「Evyap Oleo O-1875」(Evyap社製)を用いたこと以外は、実施例6と同様にして、組成物Jを得た。
[実施例6]
攪拌器、温度計及び冷却管付きディーンスターク管を備えた1Lの4つ口フラスコに、混合脂肪酸(商品名「TFA-130R」、築野オレオケミカルズ株式会社製)485g、トリメチロールプロパン(東京化成工業株式会社製)80g、及び触媒としてのシュウ酸スズを総量に対し0.1質量%仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温した。230℃到達後、減圧し、留出してくる生成水をディーンスターク管で除去しながら、エステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了し、エステル化粗物を得た。得られたエステル化粗物に対してそれぞれ0.2質量%の活性炭と活性白土を投入し、
80℃で30分攪拌した後、1時間減圧下で攪拌した。その後、常圧に戻し、濾過してそれらを除去し組成物Kを得た。
[比較例6]
脂肪酸として、混合脂肪酸でなく、商品名「Evyap Oleo O-1875」(Evyap社製)を用いたこと以外は、実施例7と同様にして、組成物Lを得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた組成物の各種分析は、以下の方法に従って行った。
動粘度:JIS K-2283に従って測定した。
引火点:JIS K-2265に従い、クリーブランド式オープンカップ法にて測定した。
流動点:JIS K-2269に従って測定した。
ヨウ素価:基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.3.4.1-1996 ヨウ素価(ウィイス-シクロヘキサン法)」に従って測定した。
酸価:JOCS(日本油化学会) 2.3.1に従って測定した。
A~Lの各組成物の動粘度(mm/s)、引火点(℃)、流動点(℃)、ヨウ素価(I/100g)及び酸価(mgKOH/g)について、下記表2に示す。
表2の結果より明らかなように、実施例の組成物は、構成アルコールの種類を問わず、低動粘度を実現させることができた。
本発明の組成物は、エステル組成物として有用である。好ましくは、本発明の組成物は、金属加工油又は潤滑油用組成物として有用である。

Claims (8)

  1. 脂肪酸とアルコールとのエステルを含有し、前記エステルの構成脂肪酸全体に対する、オレイン酸の割合が、20質量%以上60質量%以下であり、飽和脂肪酸の割合が、0質量%超6質量%以下であって、前記飽和脂肪酸として、ステアリン酸及びパルミチン酸を含み、前記飽和脂肪酸全体に対するステアリン酸の割合が、前記飽和脂肪酸全体に対するパルミチン酸の割合よりも大きいことを特徴とする、組成物であって、前記エステルの構成脂肪酸全体に対するリノレン酸の割合が5質量%以上10質量%以下であり、前記エステルの構成脂肪酸全体に対するリノール酸の割合が20質量%以上60質量%以下である、組成物(但し、前記アルコールが炭素数2~4のオキシアルキレン基を有するアルキレンオキシド付加物であって、且つ前記エステルが炭素数2~4のオキシアルキレン基を有する場合を除く)
  2. 前記アルコールが1~3価のアルコールである、請求項に記載の組成物。
  3. 前記アルコールの炭素数が4~13個である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記アルコールが分岐のアルコールである、請求項1又は2に記載の組成物。
  5. 記エステルの構成脂肪酸全体に対する、ステアリン酸の割合が4質量%以下である、請求項1又は2に記載の組成物。
  6. 記エステルの構成脂肪酸全体に対する、パルミチン酸の割合が2質量%以下である、請求項1又は2に記載の組成物。
  7. 金属加工油用である、請求項1又は2に記載の組成物。
  8. 潤滑油用である、請求項1又は2に記載の組成物。
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