JPH07150161A - 難燃性油圧作動油 - Google Patents

難燃性油圧作動油

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JPH07150161A
JPH07150161A JP30246893A JP30246893A JPH07150161A JP H07150161 A JPH07150161 A JP H07150161A JP 30246893 A JP30246893 A JP 30246893A JP 30246893 A JP30246893 A JP 30246893A JP H07150161 A JPH07150161 A JP H07150161A
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和明 阿部
Takamichi Seiki
啓通 清木
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光弘 岩田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性,熱安定性,酸化安定性に優れ、ピン
ホール火災の恐れがなく、また環境汚染のない難燃性油
圧作動油を提供すること。 【構成】 (A)ネオペンチルグリコール,2,2 −ジメ
チル−3−ヒドロキシプロピル−2',2' −ジメチル−3'
−ヒドロキシプロピオネート,グリセリン及びトリメチ
ロールプロパンから選ばれた少なくとも一種のポリオー
ルと、(B)全カルボン酸中15〜85モル%のオレイ
ン酸及び全カルボン酸中15〜85モル%のイソステア
リン酸からなるカルボン酸、または該カルボン酸に更に
全カルボン酸中85モル%以下の炭素数6〜22のモノ
カルボン酸(但し、オレイン酸,イソステアリン酸を除
く)を含むカルボン酸、との反応生成物であって、40
℃における動粘度が40〜80cSt 、引火点が290℃
以上である合成エステルを主成分とする作動油基油を含
有することを特徴とする難燃性油圧作動油である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄鋼,非鉄分野における
圧延機、ダイカストマシン等、あるいは建築分野におけ
る油圧機器等に用いられる難燃性油圧作動油に関し、更
に詳しくは、難燃性,熱安定性,酸化安定性に優れると
ともに、使用現場においてピンホール火災の恐れがな
く、かつ環境汚染を惹起しない難燃性油圧作動油に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に難燃性の油圧作動油に必要な性質
としては、例えば、 圧力、動力伝達の面から、粘度−温度特性が優れるこ
と、 圧力、動力損失を少なくする面から、適切な粘度を有
すること、 寿命の面から、熱安定性,酸化安定性及び潤滑性に優
れること、 水分混入の可能性の面から、抗乳化性に優れること、 火災の危険性のある場所で使用される恐れがある点か
ら、引火点が高く、万一着火しても継続燃焼性のないこ
と 等の特性が要求される。このような難燃性の油圧作動油
としては、従来、エマルジョン系,水−グリコール系,
リン酸エステル系あるいは脂肪酸エステル系のものなど
が用いられている。しかしながら、エマルジョン系,水
−グリコール系の油圧作動油は、熱安定性,酸化安定
性,潤滑性あるいは廃液処理性に問題があり、また、リ
ン酸エステル系の油圧作動油には、粘度−温度特性,耐
加水分解性,シール材の劣化,塗装の剥離あるいは廃液
処理性などの問題がある。一方、脂肪酸エステル系の油
圧作動油には、上記の問題はなく、広く用いられている
が、耐火性や難燃性については不充分であるという問題
がある。このような脂肪酸エステル系の油圧作動油にお
ける問題点の解消については、種々の検討がなされてお
り、例えば、特開昭55−18467号公報,同59−
226096号公報,同63−125598号公報,特
開平2−214795号公報,同3−21697号公報
などには、脂肪酸エステル系の難燃性油に関する技術が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の公報に開示されているものはいずれも引火点で難燃性
を規定しているだけである。すなわち、難燃性の油圧作
動油において最も問題にされるのは、ピンホール火災に
よる災害であり、具体的にはピンホールから油圧作動油
が噴出しても、着火しにくいこと、また、万一着火した
場合でも、火源を取り除けば、継続して燃焼しないこと
などの点である。このような問題は、単に引火点を規定
しただけでは対応することはできない。本発明者らは、
上記の継続燃焼性に着目し、種々の難燃性油について高
圧噴霧燃焼試験を行なったところ、難燃性を有するとい
われていた従来の脂肪酸エステル系の難燃性油(特に、
オレイン酸のみを用いた脂肪酸エステル)においても、
充分に満足できる難燃性がないことが判った。そこで、
継続燃焼性をもたず、熱安定性,酸化安定性,流動性に
優れた脂肪酸エステル系の燃焼性作動油を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、特定のポリオールと、オレイン酸
とイソステアリン酸、あるいはオレイン酸,イソステア
リン酸および他のモノカルボン酸を特定の比率で反応さ
せて得られる脂肪酸エステルを含有せしめることによっ
て、目的とする難燃性の油圧作動油が得られることを見
出した。本発明はかかる知見に基いて完成させたもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)ネオペンチルグリコール,2,2 −ジメチル−3−
ヒドロキシプロピル−2',2' −ジメチル−3'−ヒドロキ
シプロピオネート,グリセリン及びトリメチロールプロ
パンから選ばれた少なくとも一種のポリオールと、
(B)全カルボン酸中15〜85モル%のオレイン酸及
び全カルボン酸中15〜85モル%のイソステアリン酸
からなるカルボン酸、または該カルボン酸に更に全カル
ボン酸中85モル%以下の炭素数6〜22のモノカルボ
ン酸(但し、オレイン酸,イソステアリン酸を除く)を
含むカルボン酸、との反応生成物であって、40℃にお
ける動粘度が40〜80cSt 、引火点が290℃以上で
ある合成エステルを主成分とする作動油基油を含有する
ことを特徴とする難燃性油圧作動油を提供するものであ
る。
【0005】以下に、本発明を更に詳細に説明する。先
ず、本発明の難燃性油圧作動油では、作動油基油とし
て、脂肪酸エステルを主成分とするものが用いられる。
本発明では、この脂肪酸エステルとして、(A)成分の
ポリオールと、(B)成分のオレイン酸およびイソステ
アリン酸との反応によって得られる合成エステル、ある
いは(A)成分のポリオールと、(B)成分のオレイン
酸,イソステアリン酸および炭素数6〜22のモノカル
ボン酸(但し、オレイン酸,イソステアリン酸を除く)
との反応によって得られる合成エステル、を用いること
を特徴とするものである。ここで、この合成エステルの
生成反応に供される(A)成分のポリオールは、ネオペ
ンチルグリコール,2,2 −ジメチル−3−ヒドロキシプ
ロピル−2',2' −ジメチル−3'−ヒドロキシプロピオネ
ート,グリセリン及びトリメチロールプロパンから選ば
れた少なくとも一種のポリオールである。これらのポリ
オールは、それぞれ単独で用いてもよく、また、二種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0006】一方、この合成エステルの生成反応に供さ
れる(B)成分のカルボン酸は、オレイン酸及びイソス
テアリン酸を必須成分とし、更に好ましくはオレイン酸
とイソステアリン酸を除いた炭素数が6〜22のモノカ
ルボン酸を含むカルボン酸である。(B)成分のカルボ
ン酸は、(A)成分のポリオールとのエステル化反応に
あたっては、オレイン酸が全カルボン酸の15〜85モ
ル%、イソステアリン酸が全カルボン酸の15〜85モ
ル%の配合割合で用いられ、炭素数が6〜22のモノカ
ルボン酸が用いられる場合は85モル%以下、好ましく
は70モル%以下の配合割合で用いられる。このカルボ
ン酸の配合割合において、オレイン酸の割合が15モル
%未満では流動性が悪くなり、また85モル%を超える
と難燃性が不充分となり好ましくない。そして、イソス
テアリン酸の割合が15モル%未満では難燃性が不充分
となり、また85モル%を超えると、流動性が悪くなり
好ましくない。ここで、炭素数が6〜22のモノカルボ
ン酸としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、カプロン酸,エナント酸,カプリル酸,ペラルゴン
酸,カプリン酸,ウンデカン酸,ラウリン酸,トリデカ
ン酸,ミリスチン酸,ペンタデカン酸,パルミチン酸,
ヘプタデカン酸,ステアリン酸,ノナデカン酸,アラキ
ン酸,ベヘン酸などの直鎖飽和脂肪酸、ウンデセン酸,
エライジン酸,セトレイン酸,エルカ酸,ブラシジン酸
などの直鎖不飽和脂肪酸、イソミリスチン酸,イソパル
ミチン酸,2,2 −ジメチルブタン酸,2,2 −ジメチルペ
ンタン酸,2,2 −ジメチルオクタン酸,2−エチル−2,
3,3 −トリメチルブタン酸,2,2,3,4 −テトラメチルペ
ンタン酸,2,5,5 −トリメチル−2−t−ブチルヘキサ
ン酸,2,3,3−トリメチル−2−エチルブタン酸,2,3
−ジメチル−2−イソプロピルブタン酸,3,5,5−トリ
メチルヘキサン酸,2−エチルヘキサン酸などの分岐飽
和脂肪酸などが挙げられる。これらのモノカルボン酸
は、それぞれ単独で用いてもよく、また、二種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0007】本発明の難燃性油圧作動油の作動油基油
は、前記の(A)成分のポリオールと(B)成分のカル
ボン酸とを、通常のエステル化反応またはエステル交換
反応によって生成する合成エステルを主成分とするもの
である。この(A)成分のポリオールと(B)成分のカ
ルボン酸とのエステル化反応またはエステル交換反応に
あたっては、それぞれ(A)成分と(B)成分との仕込
み比を調節することによって、所望の粘度に調節するこ
とができ、また、引火点が290℃以上になるように、
充分に軽質分をカットすることが望ましい。そして、得
られた合成エステルを作動油基油として用いる場合は、
反応生成物をそのまま用いてもよく、あるいはそれぞれ
の反応生成物をブレンドし、所望の粘度が得られるよう
にして用いてもよい。
【0008】本発明において、作動油基油として用いる
合成エステルは、粘度が、温度40℃における動粘度で
40〜80cSt 、好ましくは45〜65cSt である。粘
度が高すぎると流動性が悪くなり、また装置の効率も悪
くなる。一方、粘度が低すぎると、作動油が噴出した時
にミストになり易くなり燃焼し易くなる。また、引火点
は290℃以上のものが好ましい。引火点が290℃未
満では、着火し易くなるからである。酸化安定性の目安
となるヨウ素価は65以下のものが好ましい。ヨウ素価
が65を越える場合、オレフィンの含量が多くなり、酸
化寿命も短くなり、また燃焼しやすくなるからである。
【0009】本発明の難燃性油圧作動油は、かくして得
られた合成エステルを主成分とした作動油基油を含有す
るが、更に数平均分子量10,000〜400,000の高
分子化合物を含有することが好ましい。このような高分
子化合物としてはポリオレフィン,ポリアクリレート,
ポリメタクリレート,ポリアルキレングリコール,ポリ
アルキレングリコールアルキルエーテル,スチレン−オ
レフィン共重合体,スチレン−マレイン酸エステル共重
合体,ポリエステル等が挙げられ、特にポリメタクリレ
ート系ポリマーまたはスチレン−マレイン酸エステル共
重合体が好ましく用いられる。上記高分子化合物は、ミ
スト化しにくくなった基油を更にミスト化しにくくする
という目的で添加されるものであり、このような観点か
らその分子量は数平均分子量で10,000〜400,00
0であることが好ましい。分子量がこれより小さい場合
は上記の効果がほとんど期待されず、またこれより大き
い場合は使用中に剪断による劣化をうけその効果も薄
れ、更に粘度低下を引き起こしてしまうこととなり好ま
しくない。本発明においては、上記高分子化合物は油圧
作動油中に0.01〜2.0重量%含有されることが好まし
い。この範囲より少ない含有量では本発明の効果が少な
く、また多すぎても剪断劣化の可能性が増し好ましくな
い。
【0010】本発明の難燃性油圧作動油は、その他必要
に応じて、潤滑油添加剤として通常使用されている酸化
防止剤,極圧剤,防錆剤,消泡剤,抗乳化剤などを配合
することができる。ここで用いられる酸化防止剤として
は、例えば、2,6 −ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール,4,4'−メチレンビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、N
−フェニル−α−ナフチルアミン,N−フェニル−β−
ナフチルアミン,フェノチアジン,モノオクチルジフェ
ニルアミン等のアミン系酸化防止剤あるいはアルキルジ
スルフィド,ベンゾチアゾール等の硫黄系酸化防止剤、
ジアルキルジチオリン酸亜鉛などが挙げられる。また、
極圧剤としては、例えば、ジアルキルジチオリン酸亜
鉛,ジアルキルポリスルフィド,トリアリールフォスフ
ェート,トリアルキルフォスフェート等が挙げられる。
そして、防錆剤としては、例えば、アルケニルコハク
酸,ソルビタンモノオレエート,ペンタエリスリトール
モノオレエート,アミンフォスフェート等が挙げられ
る。さらに、消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシ
ロキサンやジエチルシリケート等が挙げられる。その
他、抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン
グリコール,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル,
ポリオキシアルキレンアルキルアミド,ポリオキシアル
キレン脂肪酸エステル等が挙げられる。上記のごとく得
られた本発明の難燃性油圧作動油は、CEC法に基づく
生分解性試験による生分解率が67%以上であることが
好ましい。
【0011】かくして得られる本発明の難燃性油圧作動
油は、(A)成分のポリオールと(B)成分のカルボン
酸との反応によって生成する合成エステルを主成分とす
る作動油基油を含有することによって、難燃性,熱安定
性,酸化安定性に優れ、ピンホール火災の恐れのないも
のとなる。したがって、難燃性の油圧作動油として、例
えば、各種油圧装置,建設機械,射出成形機,工作機
械,油圧駆動ロボット等に好適に使用することができ
る。また、エンジン油,ギヤ油,その他の工業用潤滑剤
としても使用することができる。また、生分解性を有し
ているので、環境保護の面からも好適な潤滑油として使
用することができる。
【0012】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 容積5リットルの4つ口フラスコに攪拌機,温度計,ア
ルゴン吹き込み管および冷却器付きのディーンスターク
水分離装置を取り付けた。上記フラスコに、トリメチロ
ールプロパン603g(4.5モル),オレイン酸2,49
0g(8.8モル)およびイソステアリン酸1,340g
(4.7モル)を仕込み、アルゴン気流下、マントルヒー
ターで加熱し、エステル化反応を行った。内温が160
℃になった時点(約1時間)で水の留出が始まった。徐
々に温度を上げて行き、ほぼ3時間で水240ミリリッ
トルがトラップされた。この時、内温は240℃であっ
た。さらに、反応を完結させるため、温度を260℃に
上げ、3時間加熱攪拌を行った。その後、水分離装置を
蒸留ヘッドと付け替え、260℃で減圧(2mmHg)
にて軽質分の留去を3時間行った。得られた脂肪酸エス
テルは、4,092gであった。
【0013】実施例2〜5および比較例1〜4 エステル化反応において、各成分を第1表に記載のよう
に替えて仕込んだ以外は、実施例1と同様にして実施例
2〜5及び比較例1〜4を実施し、各々脂肪酸エステル
を得た。実施例1〜5および比較例1〜3で得られた脂
肪酸エステルの各々について、その品質評価として、各
種物性の測定、高圧噴霧燃焼試験及び生分解性試験を行
った。その結果を第1表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】なお、表中の各記号は、次の通りである。 TMP :トリメチロールプロパン ESG :2,2 −ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2',
2' −ジメチル−3'−ヒドロキシプロピオネート NPG :ネオペンチルグリコール glyc:グリセリン 第1表より、高圧噴霧燃焼試験による継続燃焼時間をみ
ると、実施例1〜5ではいずれも非常に短く、難燃性に
優れたものであることが判る。一方、比較例1〜4で
は、いずれも「継続燃焼性有り」と判定され、単に引火
点が高いのみでは、充分な難燃性は得られないことが判
る。また、CEC法による生分解性試験を行った結果、
実施例1〜5で得られた脂肪酸エステルについてはいず
れも99%以上の生分解率であった。
【0017】なお、各種物性の測定および高圧噴霧燃焼
試験は、下記に従った。 1)動粘度 JIS K−2283に準拠して測定した。 2)酸化安定性 JIS K−2514の3.3項に規定される回転ボンベ
式酸化安定度試験に準拠し、試験温度150℃の条件で
酸化寿命を測定した。なお、この酸化安定度試験におい
て、比較例2を除き、試料油に添加剤として、N−フェ
ニル−α−ナフチルアミンを1重量%配合したものを用
いた。 3)ヨウ素価 JIS K−0070に準拠して測定した。 4)引火点 JIS K−2274に準拠し、クリーブランド開放式
(COC)試験器により測定した。 5)高圧噴霧燃焼試験 高圧により噴霧された試料油にバーナーで着火し、10
秒間予備燃焼させた後、バーナーの火を取り去り、その
後の継続燃焼時間を測定し、難燃性の指標とした。な
お、30秒以上継続燃焼したものについては、その時点
で試験を打ち切り、「継続燃焼性有り」と判定した。 試験条件 噴霧圧力:70kg/cm2 G(窒素加圧) 試料油温:60℃ ノズル :Monarch 60°PL2.25(ホロウコーンタ
イプ) ノズルバーナー間:10cm 予備燃焼時間:10秒 オートクレーブ容量:1リットル 6)生分解性試験 CEC法により、CEC−L−33−T−82に準拠し
て行った。
【0018】実施例6〜12 実施例1,2または3で得られた脂肪酸エステルに第2
表に示すような高分子化合物を添加したものの各々につ
いて、実施例1と同様にして高圧噴霧燃焼試験を行っ
た。結果を第2表に示す。
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】第2表より明らかなように、脂肪酸エステ
ル基油への高分子化合物の添加により、継続燃焼時間は
大幅に短くなった。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明の難燃性油圧作動
油は、難燃性,熱安定性,酸化安定性に優れ、ピンホー
ル火災の恐れのないものである。従って、本発明の難燃
性油圧作動油は、高出力の油圧装置の作動油、例えば、
各種油圧装置,建設機械,射出成形機,工作機械,油圧
駆動ロボット等に好適に用いられる。また、エンジン
油,ギヤ油,その他の工業用潤滑剤としても問題なく用
いることができる。また、生分解性を有しているので、
環境保護の面からも好適な潤滑油として使用することが
できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 20:00 Z 20:02 30:00 Z 30:08 30:10 40:08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ネオペンチルグリコール,2,2 −
    ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2',2' −ジメチル
    −3'−ヒドロキシプロピオネート,グリセリン及びトリ
    メチロールプロパンから選ばれた少なくとも一種のポリ
    オールと、(B)全カルボン酸中15〜85モル%のオ
    レイン酸及び全カルボン酸中15〜85モル%のイソス
    テアリン酸からなるカルボン酸との反応生成物であっ
    て、40℃における動粘度が40〜80cSt 、引火点が
    290℃以上である合成エステルを主成分とする作動油
    基油を含有することを特徴とする難燃性油圧作動油。
  2. 【請求項2】 (B)成分のカルボン酸が更に、全カル
    ボン酸中85モル%以下の炭素数6〜22のモノカルボ
    ン酸(但し、オレイン酸,イソステアリン酸を除く)を
    含むことを特徴とする請求項1記載の難燃性油圧作動
    油。
  3. 【請求項3】 ヨウ素価が65以下であることを特徴と
    する請求項1記載の難燃性油圧作動油。
  4. 【請求項4】 更に、数平均分子量10,000〜400,
    000の高分子化合物を0.01〜2.0重量%含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の難燃性油圧作動油。
  5. 【請求項5】 高分子化合物が、ポリメタクリレート系
    ポリマー及びスチレン−マレイン酸エステル系共重合体
    から選ばれることを特徴とする請求項4記載の難燃性油
    圧作動油。
  6. 【請求項6】 CEC法に基づく生分解性試験による生
    分解率が67%以上であることを特徴とする請求項1記
    載の難燃性油圧作動油。
  7. 【請求項7】 CEC法に基づく生分解性試験による生
    分解率が67%以上であることを特徴とする請求項2記
    載の難燃性油圧作動油。
  8. 【請求項8】 CEC法に基づく生分解性試験による生
    分解率が67%以上であることを特徴とする請求項3記
    載の難燃性油圧作動油。
  9. 【請求項9】 CEC法に基づく生分解性試験による生
    分解率が67%以上であることを特徴とする請求項4記
    載の難燃性油圧作動油。
  10. 【請求項10】 CEC法に基づく生分解性試験による
    生分解率が67%以上であることを特徴とする請求項5
    記載の難燃性油圧作動油。
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