JP6190287B2 - 水系潤滑剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水系潤滑剤に関する。
金属加工油、作動油等の分野においては、潤滑油の漏洩、発熱の防止や飛散による火災の発生を未然に防止する目的で水系潤滑油が広く使用されている。ソリューション型切削油や水−グリコール系作動油に代表される水系潤滑油では、潤滑性の向上剤や増粘剤として、ポリエーテル化合物が使用されている。このポリエーテル化合物を含む水系潤滑剤は、外観が透明であり、不燃性で高温での安定性が高く、分離や腐敗の心配が無い等の利点がある。
このような用途に用いられるポリエーテル化合物としては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム重合物が一般的である。また、低起泡性のポリエーテル化合物として、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック重合物が使用される場合もある。
例えば、特許文献1には、ポリエチレングリコールにプロピレンオキサイドを付加させてなるリバースブロック型のポリエーテルを含有する金属加工油組成物が開示されている。
また、特許文献2には、PO−EO−PO構造(PO:オキシプロピレン基、EO:オキシエチレン基)のブロック型ポリオキシアルキレン化合物、炭素数8〜10の脂肪酸、及び塩基性化合物を含有する水溶性切削油剤組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載されたような従来から使用されていたポリエーテル化合物は、いずれも潤滑性の向上という観点においては、充分に満足し得るものではなかった。
近年、デンドリティック高分子化合物の研究開発が、その多分岐構造が様々な機能の発現を促し、幅広い応用展開が期待できることから、積極的になされている。このデンドリティック高分子化合物は、デンドリマーとハイパーブランチ型ポリマーに大別される。
ハイパーブランチ型ポリマーの一つとして、例えば、非特許文献1、2には、環状エーテルの開環反応を、分岐点形成、分子鎖成長に利用して得られたハイパーブランチ型ポリエーテルが開示されている。
ハイパーブランチ型ポリマーはポリアルキレングリコール等の直鎖型ポリマーに比べ、水系潤滑剤に使用した時、低粘度で且つ摩擦係数が小さく、潤滑性能に優れることが、特許文献3で知られている。
しかしながら、水系潤滑剤としての幅広く用途展開するためには、未だ潤滑性能が不十分であり、更なる潤滑性能の向上が要求されている。
特開平8−231977号公報 特開平8−239683号公報 特開2010−215734号公報
Reviews in Molecular Biotech. 2002, 90, 257-267 Macromolecules 2006, 39, 7708-7717
本発明は、従来の水系潤滑剤に比べ、低粘度で且つ摩擦係数が小さく、さらに耐摩耗性にも優れた水系潤滑剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の構造を有する直鎖型ポリマー及び分岐型ポリマーを所定の含有量比で含む水系潤滑剤が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[12]に関する。
[1]下記一般式(1)で示す直鎖型ポリマー(A)、及び下記一般式(2)で示す繰り返し単位を有する分岐型ポリマー(B)を含み、且つ直鎖型ポリマー(A)と分岐型ポリマー(B)との含有量比〔(A)/(B)〕が、5/95以上80/20以下である、水系潤滑剤。
〔式(1)中、R1は、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基であり、mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、10≦m≦10000を満たす数である。なお、複数のR1は、同一であってもよく、2種以上のアルキレン基であってもよい。R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。〕
〔式(2)中、nはジオキシプロピレン基の平均付加モル数を示し、10≦n≦10000を満たす数である。〕
[2]直鎖型ポリマー(A)と分岐型ポリマー(B)との含有量比〔(A)/(B)〕が、5/95以上48/52以下である、上記[1]に記載の水系潤滑剤。
[3]前記一般式(1)中のR2及びR3が水素原子である、上記[1]又は[2]に記載の水系潤滑剤。
[4]分岐型ポリマー(B)の末端基がすべて水酸基である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の水系潤滑剤。
[5](A)成分が、前記一般式(1)中のR1がジメチレン基及びプロピレン基から選ばれる1種以上である直鎖型ポリマーであって、且つ、分岐型ポリマー(B)の末端基がすべて水素原子である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の水系潤滑剤。
[6](A)成分の重量平均分子量が、5000〜50000である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の水系潤滑剤。
[7](B)成分の重量平均分子量が、5000〜50000である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の水系潤滑剤。
[8](B)成分が、BF3錯体を触媒として、グリシドールの開環重合により得られた分岐型ポリマーである、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の水系潤滑剤。
[9]前記水系潤滑剤の20℃での粘度が1〜45mPa・sである、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の水系潤滑剤。
[10]水系金属加工剤として用いられる、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の水系潤滑剤。
[11]塑性加工用水系金属加工剤、切削加工用水系金属加工剤、又は研削加工用水系金属加工剤として用いられる、上記[10]に記載の水系潤滑剤。
[12]液圧作動液として用いられる、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の水系潤滑剤。
本発明の水系潤滑剤は、従来の水系潤滑剤に比べ、低粘度で且つ摩擦係数が小さく、耐摩耗性にも優れる。
本発明において、例えば、「(A)成分及び(B)成分を含む水系潤滑剤」と規定された水系潤滑剤は、(A)成分及び/又は(B)成分を合成する際に使用した未反応の原料や触媒等も含まれる。
また、本発明において、水系潤滑剤とは、水溶液型潤滑剤又は水を媒体とするエマルション型潤滑剤を指す。
〔水系潤滑剤〕
本発明の水系潤滑剤は、下記一般式(1)で示す直鎖型ポリマー(A)、及び下記一般式(2)で示す繰り返し単位を有する分岐型ポリマー(B)を含む。
〔式(1)中、R1は、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基であり、mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、10≦m≦10000を満たす数である。なお、複数のR1は、同一であってもよく、2種以上のアルキレン基であってもよい。R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。〕
〔式(2)中、nはジオキシプロピレン基の平均付加モル数を示し、10≦n≦10000を満たす数である。〕
本発明において、直鎖型ポリマー(A)と分岐型ポリマー(B)との含有量比(質量比)〔(A)/(B)〕は、5/95以上80/20以下である。
当該含有量比〔(A)/(B)〕が5/95未満であると、得られる水系潤滑剤について、摩擦係数が大きくなり、潤滑特性が低下すると共に、耐摩耗性が劣るものとなる。
一方、当該含有量比〔(A)/(B)〕が80/20を超えると、得られる水系潤滑剤の粘度が上昇し、摩擦係数が大きくなり、潤滑特性が低下すると共に、耐摩耗性が劣るものとなる。
上記観点から、直鎖型ポリマー(A)と分岐型ポリマー(B)との含有量比(質量比)〔(A)/(B)〕は、好ましくは10/90以上、より好ましくは15/85以上、更に好ましくは20/80以上、より更に好ましくは25/75以上であり、また、好ましくは70/30以下、より好ましくは65/35以下、更に好ましくは50/50以下、より更に好ましくは48/52以下である。
なお、本発明の水系潤滑剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、上記(A)成分及び(B)成分以外に、その他の成分を含む水系潤滑剤としてもよい。
本発明の水系潤滑剤は、水溶液型潤滑剤、又は水を媒体とするエマルション型潤滑剤のいずれであってもよい。なお、上記添加成分として、均一な水溶液型潤滑剤とすることができない成分を用いる場合には、水を媒体とするエマルション型潤滑剤にすればよい。
本発明の水系潤滑剤における水の含有量は、水系潤滑剤の全量(100質量%)に対して、好ましくは2〜98質量%、より好ましくは10〜98質量%、更に好ましくは30〜98質量%、より更に好ましくは50〜98質量%である。
以下、本発明の水系潤滑剤に用いられる各成分について説明する。
<成分(A)成分:一般式(1)で表される直鎖型ポリマー>
本発明の水系潤滑剤は、下記一般式(1)で示す直鎖型ポリマー(A)を含む。
〔式(1)中、R1は、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基であり、mはアルキレン基の平均付加モル数を示し、10≦m≦10000を満たす数である。なお、複数のR1は、同一であってもよく、2種以上のアルキレン基であってもよい。R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。〕
なお、本発明において、(A)成分は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
1として選択し得る炭素数2〜4のアルキレン基としては、例えば、ジメチレン基(−CH2CH2−)、エチレン基(−CH(CH3)−)等の炭素数2のアルキレン基;トリメチレン基(−CH2CH2CH2−)、プロピレン基(−CH(CH3)CH2−)、プロピリデン基(−CHCH2CH3−)、イソプロピリデン基(−C(CH32−)等の炭素数3のアルキレン基;テトラメチレン基(−CH2CH2CH2CH2−)、1−メチルトリメチレン基(−CH(CH3)CH2CH2−)、2−メチルトリメチレン基(−CH2CH(CH3)CH2−)、ブチレン基(−C(CH32CH2−)等の炭素数4のアルキレン基が挙げられる。
なお、複数のR1は、同一であってもよく、2種以上のアルキレン基の組み合わせであってもよい。つまり、R1が2種以上のアルキレン基の組み合わせよりなる場合、前記一般式(1)で示す直鎖型ポリマー(A)は、共重合体となる。
1としては、ジメチレン基(−CH2CH2−)及びプロピレン基(−CH(CH3)CH2−)から選ばれる1種以上であることが好ましい。
2及びR3として選択し得る炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
これらの中でも、R2及びR3としては、少なくとも一方が水素原子又はメチル基であることが好ましく、少なくとも一方が水素原子であることがより好ましく、どちらも水素原子であることが更に好ましい。
(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、低粘度の水系潤滑剤を得る観点、並びに、摩擦係数を低下させて、耐摩耗性が良好な水系潤滑剤を得る観点から、好ましくは5000〜50000、より好ましくは7000〜30000、更に好ましくは9000〜20000である。
なお、前記式(1)中のオキシアルキレン基の平均付加モル数を示すmの値は、上記の(A)成分の重量平均分子量(Mw)の範囲に併せて、10≦m≦10000を満たす範囲で適宜設定されるものとする。
(A)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との含有量比が上述の範囲に含まれるように適宜設定されるが、得られる水系潤滑剤を使用する際に、一定の液膜厚を確保して耐摩耗性を向上させる観点、粘度及び摩擦係数を低下させた水系潤滑剤とする観点から、水系潤滑剤の全量(100質量%)に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜25質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。
<(B)成分:一般式(2)で表される分岐型ポリマー>
本発明の水系潤滑剤は、下記一般式(2)で示す繰り返し単位を有する分岐型ポリマー(B)を含む。
〔式(2)中、nはジオキシプロピレン基の平均付加モル数を示し、10≦n≦10000を満たす数である。〕
分岐型ポリマー(B)としては、上記一般式(2)で示す繰り返し単位を有しつつ、構造中に樹状分岐を有する一方、分岐していない部分も存在するハイパーブランチ型ポリマーが好ましい。
分岐型ポリマー(B)の末端基としては、水酸基又は炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、末端基の少なくとも一つが水酸基であることがより好ましく、すべての末端基が水酸基であることが更に好ましい。
炭素数1〜3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等)等が挙げられる。
なお、(A)成分としては、前記一般式(1)中のR1がジメチレン基(−CH2CH2−)及びプロピレン基(−CH(CH3)CH2−)から選ばれる1種以上である直鎖型ポリマーを用いる場合、(B)成分の分岐型ポリマーの末端基はすべて水酸基であることが好ましい。
(B)成分の重量平均分子量(Mw)は、低粘度の水系潤滑剤を得る観点、並びに、摩擦係数を低下させて、耐摩耗性が良好な水系潤滑剤を得る観点から、好ましくは5000〜50000、より好ましくは7000〜30000、更に好ましくは9000〜20000である。
なお、前記式(2)中のジオキシプロピレン基の平均付加モル数を示すnの値は、上記の(B)成分の重量平均分子量(Mw)の範囲に併せて、10≦n≦10000を満たす範囲で適宜設定されるものとする。
(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との含有量比が上述の範囲に含まれるように適宜設定されるが、得られる水系潤滑剤中にてポリマー同士の絡み合いを少なくし、粘度及び摩擦係数を低下させた水系潤滑剤とする観点から、水系潤滑剤の全量(100質量%)に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜25質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。
なお、本発明で用いる上記(B)成分は、グリシドールの開環重合によって得ることができるが、BF3錯体を触媒として、グリシドールの開環重合により得られた分岐型ポリマーであることが好ましい。
当該開環重合は、モノマーのグリシドール自体には分岐点がなく、開環反応によって分岐点が形成される重合であって、多重分岐重合(multibrnching ring−opening polymerization:MBP又はMBROP)と呼ばれる。グリシドールはエポキシ基を1個、ヒドロキシ基を1個もつため、上記MBPに対する潜在的AB2型モノマーと見なすことができる。
触媒として用いるBF3錯体としては、例えば、BF3・エチルエーテル錯体[(C252O・BF3]、BF3・フェノール錯体[(C65OH)2・BF3]、BF3・モノエチルアミン錯体[C25NH2・BF3]、BF3・n−ブチルエーテル錯体[(n−C492O・BF3]等が挙げられる。これらの中でも、BF3・エチルエーテル錯体が好ましい。
当該開環重合における溶媒としては、反応に不活性であって、触媒、モノマーのグリシドール及び生成物の(B)成分を、充分に溶解し得る有機溶媒であれば特に制限されないが、ジクロロメタンが好ましい。
具体的な製造方法としては、攪拌装置及びグリシドール投入装置を備えた反応装置に、溶媒及び触媒であるBF3錯体を投入し、攪拌しながら、−30〜10℃(好ましくは−25〜0℃)の温度条件の下、グリシドールを添加する方法が好ましい。
BF3錯体の配合量は、溶媒1L当たり、好ましくは1〜30mmol、より好ましくは2〜20mmolである。
また、グリシドールの添加方法としては、滴下が好ましい。グリシドールの滴下速度としては、スケールにより適宜設定されるが、例えば、滴下量が500g以下であれば、好ましくは0.1〜3.0mL/min、より好ましくは0.3〜1.5mL/minである。
グリシドールの配合量は、BF3錯体1モルに対して、好ましくは100〜1800モル、より好ましくは150〜1600モルである。
グリシドールを添加してからの反応時間としては、好ましくは1〜12時間である。
そして、アンモニア水等を反応器内に投入して重合反応を停止後、溶媒を留去し、残渣をメタノール等に溶解し、アセトン/メタノール混合溶媒中で再沈殿することにより、(B)成分を高純度で得ることができる。
<その他の成分>
上記(A)成分及び(B)成分以外のその他の成分としては、例えば、油性剤、摩擦緩和剤、極圧剤、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、消泡剤、界面活性剤、防錆剤、防腐剤、防食剤、塩基性化合物、及び水や上記(A)成分及び(B)成分以外の溶剤(例えば、メタノール、エタノール等の炭素数1〜3のアルコール等)等が挙げられる。
これらの成分は、それぞれ単独で又は2種以上を併用してもよい。
本発明の水系潤滑剤にこれらの成分を含有される場合、これらの成分のそれぞれの含有量は、水系潤滑剤の全量(100質量%)に対して、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.03〜10質量%、更に好ましくは0.05〜5質量%である。
〔水系潤滑剤の特性〕
本発明の水系潤滑剤は、従来の水系潤滑剤に比べ低粘度で且つ摩擦係数が小さく、耐摩耗性にも優れる。
本発明の水系潤滑剤の20℃での粘度は、好ましくは1〜100mPa・s、より好ましくは1〜45mPa・s、更に好ましくは1〜35mPa・s、より更に好ましくは1〜25mPa・sである。
なお、本発明において、水系潤滑剤の粘度は、実施例に記載の方法により測定した値を意味する。
本発明の水系潤滑剤を用いて実施例に記載の方法で測定した摩擦係数は、好ましくは0.0900以下、より好ましくは0.0800以下、更に好ましくは0.0650以下、より更に好ましくは0.0400以下である。
さらに、本発明の水系潤滑剤を用いて実施例に記載の方法で測定した摩耗量は、好ましくは2.50mm以下、より好ましくは2.40mm以下、更に好ましくは1.5mm以下、より更に好ましくは1.00mm以下である。
〔水系潤滑剤の用途〕
本発明の水系潤滑剤は、上述のとおり、従来の水系潤滑剤に比べ低粘度で且つ摩擦係数が小さく、耐摩耗性にも優れる。
そのため、本発明の水系潤滑剤は、例えば、水系金属加工剤や液圧作動液等に好適に使用することができる。
本発明の水系潤滑剤が水系金属加工剤として用いられる場合、当該水系潤滑剤は、金属の塑性加工用水系金属加工剤、切削加工用水系金属加工剤、又は研削加工水系金属加工剤等に用いられることが好ましい。
また、本発明の水系潤滑剤が液圧作動液として用いられる場合、当該水系潤滑油は、建設機械、一般産業機械、工作機械、プラスチック加工機械、自動車組立設備の溶接ロボット、鉄鋼設備、ダイカストマシン等の油圧機器や油圧装置等の油圧システムに用いられる液圧作動油として用いられることが好ましい。
以下の実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で使用した各成分の物性、及び調製した水系潤滑剤の特性は、下記の方法に基づいて測定した。
<ポリマーの重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)の測定>
装置として、送液ポンプ(日本分光社製、製品名「Jasco PU−1580」)、水系SECカラム(東ソー社製、製品名「TSKgel G4000PWXL+G2500PWXL」)、及び屈折率(RI)検出器(Waters社製、製品名「Waters 410」)を、標準物質として、ポリエチレンオキシド(3.4×103〜9.4×105g/mol)を用いて、溶離液:0.2M硝酸ナトリウム水溶液、流速:0.5mL/min、温度:40℃の条件にて、測定した。
<水系潤滑剤の粘度の測定>
レオメータ(Anton Paar社製、製品名「Physica MCR−301」)を用いて、下記測定条件にて、水系潤滑剤の粘度を測定した。
(試験治具)
・外径50mmのパラレル・プレート型の治具(プレート間のギャップ:1mm)
(測定条件)
・温度:20℃
・ひずみ:30%
・角周波数:10〜100rad/sの範囲で変化
なお、角周波数が26.8rad/sの際の粘度を、対象物の粘度として表1に記載している。
<水系潤滑油の耐磨耗性>
ASTM D2174に記載された密閉式のLFW−1試験機を用いて、下記測定条件にて、金属間摩擦係数及び摩耗幅を測定した。なお、測定された摩擦係数及び摩耗幅の値が小さいほど潤滑性に優れた水系潤滑剤であるといえる。
(試験治具)
・ブロック:Falex H−60 Test Block(SAE 01 Steel)
・リング:Falex S−10 Test Ring(SAE 4620 Steel)
(試験条件)
・荷重:300N
・温度:室温〜50℃
・回転数:1000rpm
製造例1(分岐型ポリマーの合成)
ガラス製セパラブルフラスコ(容量:1000mL)内を窒素置換し、乾燥ジクロロメタン(400mL)と、重合開始剤として、BF3・エチルエーテル錯体(三フッ化ホウ素ジエチルエーテル)(0.85mL(6.77mmol))を加え、モーター付き攪拌装置を用いて100rpm(攪拌翼:マックスブレンド)で攪拌した。この溶液を−20℃まで冷却し、−20℃の条件下で、グリシドール(100g(1.35mol))を0.83mL/minの速度で滴下した。滴下終了後、約3時間かけて室温(25℃)まで昇温し、反応溶液にアンモニア水入りメタノールを加え、反応を停止した。溶媒を減圧留去後、残渣をメタノールに溶解し、アセトン/メタノール混合溶媒中での再沈殿によりポリマーを精製し、重量平均分子量(Mw)=12500、分子量分布(Mw/Mn)=3.1のハイパーブランチ型ポリグリセロール(HPB−PGR1)を90g(収率90%)得た。
得られたハイパーブランチ型ポリグリセロール(HPB−PGR1)は、末端基がすべて水酸基で、nが約55である分岐型ポリマーである。
〔実施例1〜2、比較例1〜2〕
表1に示す含有量となるように、直鎖型ポリマー及び分岐型ポリマーを配合し、純水で溶解して、水系潤滑剤を調製した。調製した水系潤滑剤を用いて、上述の方法にて、粘度、摩擦係数、及び摩耗幅を測定した。その結果を表1に示す。
なお、本実施例及び比較例で使用した直鎖型ポリマー及び分岐型ポリマーは、以下のとおりである。
<直鎖型ポリマー>
・「PEG−10000」:商品名、三洋化成工業社製、Mw=11800、分子量分布(Mw/Mn)=1.1のポリエチレングリコール(前記一般式(1)中のR1がジメチレン基(−CH2CH2−)、R2及びR3が水素原子で、mが約250である直鎖型ポリマー)。
<分岐型ポリマー>
・「HPB−PGR1」:製造例1で得た、Mw=12500、分子量分布(Mw/Mn)=3.1のハイパーブランチ型ポリグリセロール(末端基はすべて水酸基で、nが約55である分岐型ポリマー)。
表1に示す評価結果から、実施例1〜2で調製した水系潤滑剤は、比較例1の直鎖型ポリマーのみを含む水系潤滑剤に比べて、低粘度で且つ摩擦係数が小さく、耐摩耗性にも優れる結果となり、比較例2の分岐型ポリマーのみを含む水系潤滑剤に比べても、摩耗係数が小さく、耐摩耗性にも優れる結果となった。
本発明の水系潤滑剤は、例えば、水系金属加工剤や液圧作動液等として好適に使用することができる。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で示す直鎖型ポリマー(A)、及び下記一般式(2)で示す繰り返し単位を有する分岐型ポリマー(B)を含み、且つ直鎖型ポリマー(A)と分岐型ポリマー(B)との含有量比〔(A)/(B)〕が、5/95以上80/20以下である、水系潤滑剤。

    〔式(1)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基であり、mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、10≦m≦10000を満たす数である。なお、複数のRは、同一であってもよく、2種以上のアルキレン基であってもよい。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。〕

    〔式(2)中、nはジオキシプロピレン基の平均付加モル数を示し、10≦n≦10000を満たす数である。〕
  2. 直鎖型ポリマー(A)と分岐型ポリマー(B)との含有量比〔(A)/(B)〕が、5/95以上48/52以下である、請求項1に記載の水系潤滑剤。
  3. 前記一般式(1)中のR及びRが水素原子である、請求項1又は2に記載の水系潤滑剤。
  4. 分岐型ポリマー(B)の末端基がすべて水酸基である、請求項1〜3のいずれかに記載の水系潤滑剤。
  5. (A)成分が、前記一般式(1)中のRがジメチレン基及びプロピレン基から選ばれる1種以上である直鎖型ポリマーであって、且つ、分岐型ポリマー(B)の末端基がすべて水素原子である、請求項1〜のいずれかに記載の水系潤滑剤。
  6. (A)成分の重量平均分子量が、5000〜50000である、請求項1〜5のいずれかに記載の水系潤滑剤。
  7. (B)成分の重量平均分子量が、5000〜50000である、請求項1〜6のいずれかに記載の水系潤滑剤。
  8. (B)成分が、BF錯体を触媒として、グリシドールの開環重合により得られた分岐型ポリマーである、請求項1〜7のいずれかに記載の水系潤滑剤。
  9. 前記水系潤滑剤の20℃での粘度が1〜45mPa・sである、請求項1〜8のいずれかに記載の水系潤滑剤。
  10. 水系金属加工剤として用いられる、請求項1〜9のいずれかに記載の水系潤滑剤。
  11. 塑性加工用水系金属加工剤、切削加工用水系金属加工剤、又は研削加工用水系金属加工剤として用いられる、請求項10に記載の水系潤滑剤。
  12. 液圧作動液として用いられる、請求項1〜9のいずれかに記載の水系潤滑剤。
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