JP2014159529A - 固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液及び切削加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑性および浸透性に優れた固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液、これを用いた切削加工方法の提供。
【解決手段】ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)と水とを含有し、前記(A)は重量平均分子量が1200〜6600であり、一般式:R1O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2(R1は炭素数8〜20のアルキル基、アルケニル基又はアシル基、R2は炭素数8〜20のアシル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレン基、l、m、nはそれぞれの平均重合度を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は対応アルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され付加順序は問わない。)で表され、(A)中に占めるR1とR2との合計の割合が4〜38質量%、EOの割合が6〜48質量%、POの割合が31〜87質量%、BOの割合が0〜8質量%である固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
【選択図】なし
【解決手段】ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)と水とを含有し、前記(A)は重量平均分子量が1200〜6600であり、一般式:R1O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2(R1は炭素数8〜20のアルキル基、アルケニル基又はアシル基、R2は炭素数8〜20のアシル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレン基、l、m、nはそれぞれの平均重合度を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は対応アルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され付加順序は問わない。)で表され、(A)中に占めるR1とR2との合計の割合が4〜38質量%、EOの割合が6〜48質量%、POの割合が31〜87質量%、BOの割合が0〜8質量%である固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
【選択図】なし
Description
本発明は、固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液及びこれを用いた切削加工方法に関する。
近年、ワイヤに砥粒を固定させた固定砥粒ワイヤソーが開発され、シリコンインゴット等の切削加工に用いられるようになっている。固定砥粒ワイヤソーを用いて切削加工を行う際には、潤滑、冷却、洗浄等のために、加工液が用いられている。該加工液としては従来、鉱油、合成油、油脂などの潤滑性基油を含む加工油が主に用いられてきた。しかし、加工油には環境問題や安全性の問題があるために、最近は水含有率の高い水系の加工液が望まれている。
このような要望に対し、例えば、特許文献1〜3には、グリコール類、カルボン酸、塩基性化合物および水を含有する水溶性加工液が開示されている。特許文献4では、有機アミンのアルキレンオキシド付加物、脂肪族カルボン酸、塩基性物質および水を含有する水溶性加工油剤が開示されている。特許文献5では、数平均分子量500以下のポリオキシアルキレン付加物および炭素数4〜10の1価〜2価の脂肪族カルボン酸またはその塩を含む水溶性切削液が開示されている。
このような要望に対し、例えば、特許文献1〜3には、グリコール類、カルボン酸、塩基性化合物および水を含有する水溶性加工液が開示されている。特許文献4では、有機アミンのアルキレンオキシド付加物、脂肪族カルボン酸、塩基性物質および水を含有する水溶性加工油剤が開示されている。特許文献5では、数平均分子量500以下のポリオキシアルキレン付加物および炭素数4〜10の1価〜2価の脂肪族カルボン酸またはその塩を含む水溶性切削液が開示されている。
しかし、特許文献1〜5に開示されるような加工液は、水分を多く(たとえば90質量%以上に)した場合に潤滑性や浸透性が低下して切削性能が低下する問題がある。加工液の潤滑性が低いと、被加工材料の加工部位とワイヤとの間の摩擦が増大し、固定砥粒の剥離、ワイヤの磨耗が生じやすい。また、浸透性が低いと、加工液がワイヤや加工部位に到達しにくくなり、潤滑性、冷却効率、洗浄性等が不十分となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、潤滑性および浸透性に優れた固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液およびこれを用いた切削加工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
(1)ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)と、水と、を含有し、
前記ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)は、重量平均分子量が1200〜6600であり、下記一般式(I):
R1O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I)
(式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基、アルケニル基またはアシル基を表し、R2は炭素数8〜20のアシル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、BOはオキシブチレン基を表し、l、m、nはそれぞれEO、PO、BOの平均重合度を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
で表され、当該ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)中に占める前記R1と前記R2との合計の割合が4〜38質量%、前記EOの割合が6〜48質量%、前記POの割合が31〜87質量%、前記BOの割合が0〜8質量%である、固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
(2)前記水を90〜99.99質量%含有する、(1)に記載の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
(3)脆性材料の切削加工に用いられるものである、(1)または(2)に記載の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
(4)前記脆性材料がシリコンである、(3)に記載の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
(1)ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)と、水と、を含有し、
前記ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)は、重量平均分子量が1200〜6600であり、下記一般式(I):
R1O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I)
(式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基、アルケニル基またはアシル基を表し、R2は炭素数8〜20のアシル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、BOはオキシブチレン基を表し、l、m、nはそれぞれEO、PO、BOの平均重合度を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
で表され、当該ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)中に占める前記R1と前記R2との合計の割合が4〜38質量%、前記EOの割合が6〜48質量%、前記POの割合が31〜87質量%、前記BOの割合が0〜8質量%である、固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
(2)前記水を90〜99.99質量%含有する、(1)に記載の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
(3)脆性材料の切削加工に用いられるものである、(1)または(2)に記載の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
(4)前記脆性材料がシリコンである、(3)に記載の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
(5)脆性材料を固定砥粒ワイヤソーにより、固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液を用いて切削加工する方法であって、
前記固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液が、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)と、水と、を含有し、
前記ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)は、重量平均分子量が1200〜6600であり、下記一般式(I):
R1O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I)
(式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基、アルケニル基またはアシル基を表し、R2は炭素数8〜20のアシル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、BOはオキシブチレン基を表し、l、m、nはそれぞれEO、PO、BOの平均重合度を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
で表され、当該ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)中に占める前記R1と前記R2との合計の割合が4〜38質量%、前記EOの割合が6〜48質量%、前記POの割合が31〜87質量%、前記BOの割合が0〜8質量%であることを特徴とする切削加工方法。
(6)前記脆性材料がシリコンである、(5)に記載の切削加工方法。
前記固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液が、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)と、水と、を含有し、
前記ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)は、重量平均分子量が1200〜6600であり、下記一般式(I):
R1O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I)
(式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基、アルケニル基またはアシル基を表し、R2は炭素数8〜20のアシル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、BOはオキシブチレン基を表し、l、m、nはそれぞれEO、PO、BOの平均重合度を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
で表され、当該ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)中に占める前記R1と前記R2との合計の割合が4〜38質量%、前記EOの割合が6〜48質量%、前記POの割合が31〜87質量%、前記BOの割合が0〜8質量%であることを特徴とする切削加工方法。
(6)前記脆性材料がシリコンである、(5)に記載の切削加工方法。
本発明によれば、潤滑性および浸透性に優れた固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液およびこれを用いた切削加工方法を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液(以下、単に「水溶性加工液」ともいう。)は、固定砥粒ワイヤソーにより被加工材料を切削加工する際に用いられるものである。
本発明において「水溶性」とは、本発明の水溶性加工液を水で希釈した場合に水に溶解することを意味する。
本発明の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液(以下、単に「水溶性加工液」ともいう。)は、固定砥粒ワイヤソーにより被加工材料を切削加工する際に用いられるものである。
本発明において「水溶性」とは、本発明の水溶性加工液を水で希釈した場合に水に溶解することを意味する。
本発明の水溶性加工液は、特定のポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)(以下、「(A)成分」ともいう。)と、水と、を含有する。
水を含有することで安全性が向上し、環境に対する悪影響が少なくなる。
水に加えて(A)成分を含有することで、浸透性が高まるとともに潤滑性が向上し、水の含有率が多い場合でも、優れた浸透性、潤滑性が発揮される。そのため切削加工時に、固定砥粒ワイヤソーや被加工材料の加工部位に水溶性加工液が到達しやすくなり、また、固定砥粒ワイヤソーの固定砥粒の剥離、ワイヤの磨耗等が抑制される。そのため、切削加工時の冷却効率等が向上し、優れた切削性で切削加工を行うことができる。また、浸透性に優れることから、切削加工時に生じる切り屑の洗浄性も向上する。
水を含有することで安全性が向上し、環境に対する悪影響が少なくなる。
水に加えて(A)成分を含有することで、浸透性が高まるとともに潤滑性が向上し、水の含有率が多い場合でも、優れた浸透性、潤滑性が発揮される。そのため切削加工時に、固定砥粒ワイヤソーや被加工材料の加工部位に水溶性加工液が到達しやすくなり、また、固定砥粒ワイヤソーの固定砥粒の剥離、ワイヤの磨耗等が抑制される。そのため、切削加工時の冷却効率等が向上し、優れた切削性で切削加工を行うことができる。また、浸透性に優れることから、切削加工時に生じる切り屑の洗浄性も向上する。
〔(A)成分〕
本発明の水溶性加工液に含まれる(A)成分は、重量平均分子量が1200〜6600であり、1300〜6500であることが好ましい。重量平均分子量が1200以上であると潤滑性に優れ、6600以下であると洗浄性に優れる。
本発明において(A)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリエチレングリコールを標準物質として測定される値である。GPCによる測定は、市販の装置(例えば東ソー(株)製高速GPC HLC−8220型)を用いて常法により実施できる。溶媒としては、通常、テトラヒドロフラン(THF)が用いられる。
本発明の水溶性加工液に含まれる(A)成分は、重量平均分子量が1200〜6600であり、1300〜6500であることが好ましい。重量平均分子量が1200以上であると潤滑性に優れ、6600以下であると洗浄性に優れる。
本発明において(A)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリエチレングリコールを標準物質として測定される値である。GPCによる測定は、市販の装置(例えば東ソー(株)製高速GPC HLC−8220型)を用いて常法により実施できる。溶媒としては、通常、テトラヒドロフラン(THF)が用いられる。
(A)成分は、下記一般式(I)で表される。
R1O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I)
(式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基、アルケニル基またはアシル基を表し、R2は炭素数8〜20のアシル基を表し、EOはオキシエチレン基(C2H4O)を表し、POはオキシプロピレン基(C3H6O)を表し、BOはオキシブチレン基(C4H8O)を表し、l、m、nはそれぞれEO、PO、BOの平均重合度を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
R1O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I)
(式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基、アルケニル基またはアシル基を表し、R2は炭素数8〜20のアシル基を表し、EOはオキシエチレン基(C2H4O)を表し、POはオキシプロピレン基(C3H6O)を表し、BOはオキシブチレン基(C4H8O)を表し、l、m、nはそれぞれEO、PO、BOの平均重合度を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
R1におけるアルキル基、アルケニル基またはアシル基の炭素数は8〜20であり、10〜18が好ましい。炭素数が8以上であると潤滑性が良好で、20以下であると洗浄性が良好である。
アルキル基、アルケニル基はそれぞれ、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
アシル基としては、脂肪族カルボン酸が有するカルボキシ基から−OHを除いた基が挙げられ、R−C(=O)−で表すことができる。式中、Rは脂肪族基であり、例えばアルキル基、アルケニル基等が挙げられる。脂肪族基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
R2におけるアシル基としては、R1におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
R1およびR2がともにアシル基である場合、各アシル基は同一でも異なってもよい。
アルキル基、アルケニル基はそれぞれ、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
アシル基としては、脂肪族カルボン酸が有するカルボキシ基から−OHを除いた基が挙げられ、R−C(=O)−で表すことができる。式中、Rは脂肪族基であり、例えばアルキル基、アルケニル基等が挙げられる。脂肪族基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
R2におけるアシル基としては、R1におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
R1およびR2がともにアシル基である場合、各アシル基は同一でも異なってもよい。
式(I)中のl、m、nは、上述した重量平均分子量および下記の要件(1)〜(4)を満たす範囲内の値であり、lおよびmは正の数、nは0以上の数である。
(1)(A)成分(100質量%)中に占めるR1とR2との合計(R1+R2)の割合が4〜38質量%(好ましくは6〜34質量%)である。
(2)(A)成分中に占めるEOの割合が6〜48質量%(好ましくは10〜46質量%)である。
(3)(A)成分中に占めるPOの割合が31〜87質量%(好ましくは33〜80質量%)である。
(4)(A)成分中に占めるBOの割合が0〜8質量%(好ましくは0質量%)である。
(1)(A)成分(100質量%)中に占めるR1とR2との合計(R1+R2)の割合が4〜38質量%(好ましくは6〜34質量%)である。
(2)(A)成分中に占めるEOの割合が6〜48質量%(好ましくは10〜46質量%)である。
(3)(A)成分中に占めるPOの割合が31〜87質量%(好ましくは33〜80質量%)である。
(4)(A)成分中に占めるBOの割合が0〜8質量%(好ましくは0質量%)である。
(A)成分中に占めるR1+R2の割合が4質量%以上であると潤滑性が良好で、38質量%以下であると洗浄性が良好である。該割合は、(A)成分の重量平均分子量に対する(R1およびR2を構成する原子の原子量の総和)の割合として求められる。
(A)成分中に占めるEOの割合が6質量%以上であると洗浄性が良好で、48質量%以下であると浸透性が良好である。該割合は、(A)成分の重量平均分子量に対する(C2H4Oを構成する原子の原子量の総和×l)の割合として求められる。
(A)成分中に占めるPOの割合が31質量%以上であると浸透性が良好で、87質量%以下であると洗浄性が良好である。該割合は、(A)成分の重量平均分子量に対する(C3H6Oを構成する原子の原子量の総和×m)の割合として求められる。
(A)成分中に占めるBOの割合が8質量%以下であると洗浄性が良好である。該割合は、(A)成分の重量平均分子量に対する(C4H8Oを構成する原子の原子量の総和×n)の割合として求められる。
(A)成分中に占めるEOの割合が6質量%以上であると洗浄性が良好で、48質量%以下であると浸透性が良好である。該割合は、(A)成分の重量平均分子量に対する(C2H4Oを構成する原子の原子量の総和×l)の割合として求められる。
(A)成分中に占めるPOの割合が31質量%以上であると浸透性が良好で、87質量%以下であると洗浄性が良好である。該割合は、(A)成分の重量平均分子量に対する(C3H6Oを構成する原子の原子量の総和×m)の割合として求められる。
(A)成分中に占めるBOの割合が8質量%以下であると洗浄性が良好である。該割合は、(A)成分の重量平均分子量に対する(C4H8Oを構成する原子の原子量の総和×n)の割合として求められる。
[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)のブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。
つまり、[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EOブロックとPOブロックとが結合してなる基、またはEOブロックとPOブロックとBOブロックとが結合してなる基であり、EOブロック、POブロック、BOブロックはそれぞれ複数存在してもよく、各ブロックの[(EO)l/(PO)m/(BO)n]内における結合順序は問わない。
つまり、[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EOブロックとPOブロックとが結合してなる基、またはEOブロックとPOブロックとBOブロックとが結合してなる基であり、EOブロック、POブロック、BOブロックはそれぞれ複数存在してもよく、各ブロックの[(EO)l/(PO)m/(BO)n]内における結合順序は問わない。
[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、本発明の効果に優れることから、[(EO)p(PO)q(EO)r]、または[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]であることが好ましい。
[(EO)p(PO)q(EO)r]は、(EO)p、(PO)q、(EO)rの3つのブロックがこの順に結合していることを示す。
[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]は、(PO)a、(EO)b、(PO)d、(EO)e、(PO)fの5つのブロックがこの順に結合していることを示す。
p、r、b、eはそれぞれEOの平均重合度を表し、q、a、d、fはそれぞれPOの平均重合度を表す。
[(EO)p(PO)q(EO)r]は、(EO)p、(PO)q、(EO)rの3つのブロックがこの順に結合していることを示す。
[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]は、(PO)a、(EO)b、(PO)d、(EO)e、(PO)fの5つのブロックがこの順に結合していることを示す。
p、r、b、eはそれぞれEOの平均重合度を表し、q、a、d、fはそれぞれPOの平均重合度を表す。
(A)成分は、HO[(EO)l/(PO)m/(BO)n]Hで表されるブロック付加共重合体であるポリアルキレングリコールの両末端がそれぞれR1、R2で修飾された構造の化合物であり、末端を修飾するR1の違いにより、以下の二種の形態がある。
(A1):R1がアシル基であるジエステル体(ポリアルキレングリコールの脂肪酸ジエステル)。
(A2):R1がアルキル基またはアルケニル基であるエーテル・エステル体(高級アルコールアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル)。
(A1):R1がアシル基であるジエステル体(ポリアルキレングリコールの脂肪酸ジエステル)。
(A2):R1がアルキル基またはアルケニル基であるエーテル・エステル体(高級アルコールアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル)。
すなわち、ジエステル体は、下記一般式(I−1):
R21O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I−1)
(式中、R21は炭素数8〜20のアシル基を表し、R2、EO、PO、BO、l、m、nはそれぞれ前記と同じ意味を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
で表され、当該ジエステル体中に占める前記R21と前記R2との合計の割合が4〜38質量%、前記EOの割合が6〜48質量%、前記POの割合が31〜87質量%、前記BOの割合が0〜8質量%である。
R21におけるアシル基としてはR1におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
R21O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I−1)
(式中、R21は炭素数8〜20のアシル基を表し、R2、EO、PO、BO、l、m、nはそれぞれ前記と同じ意味を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
で表され、当該ジエステル体中に占める前記R21と前記R2との合計の割合が4〜38質量%、前記EOの割合が6〜48質量%、前記POの割合が31〜87質量%、前記BOの割合が0〜8質量%である。
R21におけるアシル基としてはR1におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
また、エーテル・エステル体は、下記一般式(I−2):
R22O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I−1)
(式中、R22は炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を表し、R2、EO、PO、BO、l、m、nはそれぞれ前記と同じ意味を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
で表され、当該エーテル・エステル体中に占める前記R22と前記R2との合計の割合が4〜38質量%、前記EOの割合が6〜48質量%、前記POの割合が31〜87質量%、前記BOの割合が0〜8質量%である。
R22におけるアルキル基、アルケニル基としてはそれぞれR1におけるアルキル基、アルケニル基と同様のものが挙げられる。
R22O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I−1)
(式中、R22は炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を表し、R2、EO、PO、BO、l、m、nはそれぞれ前記と同じ意味を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
で表され、当該エーテル・エステル体中に占める前記R22と前記R2との合計の割合が4〜38質量%、前記EOの割合が6〜48質量%、前記POの割合が31〜87質量%、前記BOの割合が0〜8質量%である。
R22におけるアルキル基、アルケニル基としてはそれぞれR1におけるアルキル基、アルケニル基と同様のものが挙げられる。
<(A1):ジエステル体>
前記ジエステル体は、HO[(EO)l/(PO)m/(BO)n]Hで表されるブロック付加共重合体であるポリアルキレングリコールと、炭素数8〜20の脂肪酸もしくは脂肪酸ハライドとを反応させて両末端の水酸基を直接エステル化する方法、又は前記ポリアルキレングリコールと、炭素数8〜20の脂肪酸の低級アルコールエステルとを用いてエステル交換反応をする方法により合成が可能である。また別の合成方法として、炭素数8〜20の脂肪酸にエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド、場合によりブチレンオキサイドを付加反応させた反応物の末端の水酸基を、上記のように直接エステル化するか、又はエステル交換反応をする方法によっても合成が可能である。これら合成法の違いにより固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液としての性能が左右されることはない。
なお、ジエステル体の合成に際して、一方の末端に水酸基が残った形のポリアルキレングリコールの脂肪酸モノエステル(以下、モノエステル体と略す。)が副生してくるが、本発明において用いられるジエステル体は、モノエステル体の含有量が50質量%以下であることが好ましい。モノエステル体の含有量が50質量%を超えると、切削性の低下と、水溶性加工液の泡立ちが多くなることが懸念される。
前記ジエステル体は、HO[(EO)l/(PO)m/(BO)n]Hで表されるブロック付加共重合体であるポリアルキレングリコールと、炭素数8〜20の脂肪酸もしくは脂肪酸ハライドとを反応させて両末端の水酸基を直接エステル化する方法、又は前記ポリアルキレングリコールと、炭素数8〜20の脂肪酸の低級アルコールエステルとを用いてエステル交換反応をする方法により合成が可能である。また別の合成方法として、炭素数8〜20の脂肪酸にエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド、場合によりブチレンオキサイドを付加反応させた反応物の末端の水酸基を、上記のように直接エステル化するか、又はエステル交換反応をする方法によっても合成が可能である。これら合成法の違いにより固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液としての性能が左右されることはない。
なお、ジエステル体の合成に際して、一方の末端に水酸基が残った形のポリアルキレングリコールの脂肪酸モノエステル(以下、モノエステル体と略す。)が副生してくるが、本発明において用いられるジエステル体は、モノエステル体の含有量が50質量%以下であることが好ましい。モノエステル体の含有量が50質量%を超えると、切削性の低下と、水溶性加工液の泡立ちが多くなることが懸念される。
前記エステル化反応又はエステル交換反応において使用されるポリアルキレングリコールとしては、ポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドを付加させたポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドを付加させ、さらにプロピレンオキサイドを付加させたポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコールにプロピレンオキサイドを付加させたポリアルキレングリコール、これらのポリアルキレングリコールの合成の際にポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールの一部をポリブチレングリコールに換えたポリアルキレングリコール、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの一部をブチレンオキサイドに換えて合成したポリアルキレングリコールなどのブロック共重合体が用いられる。
これらポリアルキレングリコールとしては、ポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドを付加させたポリアルキレングリコール、またはポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドを付加させ、さらにプロピレンオキサイドを付加させたポリアルキレングリコールが、消泡性と溶解性の点で好ましい。
これらポリアルキレングリコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
これらポリアルキレングリコールとしては、ポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドを付加させたポリアルキレングリコール、またはポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドを付加させ、さらにプロピレンオキサイドを付加させたポリアルキレングリコールが、消泡性と溶解性の点で好ましい。
これらポリアルキレングリコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
前記エステル化反応又はエステル交換反応において使用される炭素数8〜20の脂肪酸としては、例えば、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸などの直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪酸;オクテン酸、デセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オレイン酸などのオクタデセン酸、エイコデセン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸などの直鎖状又は分岐鎖状の不飽和脂肪酸;が挙げられる。
該脂肪酸は、植物もしくは動物由来の天然脂肪酸でも合成脂肪酸でもよい。植物由来の脂肪酸としては、とうもろこし油、綿実油、ひまし油、パーム油、パーム核油、落花生油、菜種油、ゴマ油、大豆油、サフラワー油、ヤシ油などから得られる分解脂肪酸が挙げられる。動物由来の脂肪酸としては、豚油、牛脂油、ニシン油、イカ油、鯨油などから得られる分解脂肪酸が挙げられる。
該脂肪酸としてはオクタデカン酸が、動摩擦係数を低減する点で好ましい。
これら脂肪酸は1種を単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
該脂肪酸は、植物もしくは動物由来の天然脂肪酸でも合成脂肪酸でもよい。植物由来の脂肪酸としては、とうもろこし油、綿実油、ひまし油、パーム油、パーム核油、落花生油、菜種油、ゴマ油、大豆油、サフラワー油、ヤシ油などから得られる分解脂肪酸が挙げられる。動物由来の脂肪酸としては、豚油、牛脂油、ニシン油、イカ油、鯨油などから得られる分解脂肪酸が挙げられる。
該脂肪酸としてはオクタデカン酸が、動摩擦係数を低減する点で好ましい。
これら脂肪酸は1種を単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
前記エステル化反応において使用される脂肪酸ハライドとしては、上記の炭素数8〜20の脂肪酸ハライド、特に脂肪酸クロライドが好ましい。
前記エステル交換反応において使用される炭素数8〜20の脂肪酸の低級アルコールエステルとしては、上記炭素数8〜20の脂肪酸のメチルエステルまたはエチルエステルが好ましい。
前記エステル交換反応において使用される炭素数8〜20の脂肪酸の低級アルコールエステルとしては、上記炭素数8〜20の脂肪酸のメチルエステルまたはエチルエステルが好ましい。
本発明において使用されるジエステル体としては、下記一般式(II)または(III)で表されるものが好ましい。
R3O[(EO)p(PO)q(EO)r]R4 …(II)
R5O[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]R6 …(III)
R3O[(EO)p(PO)q(EO)r]R4 …(II)
R5O[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]R6 …(III)
式(II)中、EO、POは前記と同じ意味を表し、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数8〜20のアシル基を表し、p、rはそれぞれEOの平均重合度、qはPOの平均重合度を表し、p、q、rはそれぞれ正の数である。該ジエステル体中に占めるR3とR4との合計の割合は4〜38質量%、EOの割合は6〜48質量%、POの割合は31〜87質量%である。
R3、R4におけるアシル基としてはR1、R2におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
[(EO)p(PO)q(EO)r]についての説明は前記のとおりである。
p+rの好ましい範囲は前記lの好ましい範囲と同様であり、qの好ましい範囲は前記mの好ましい範囲と同様である。
R3、R4におけるアシル基としてはR1、R2におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
[(EO)p(PO)q(EO)r]についての説明は前記のとおりである。
p+rの好ましい範囲は前記lの好ましい範囲と同様であり、qの好ましい範囲は前記mの好ましい範囲と同様である。
式(III)中、EO、POは前記と同じ意味を表し、R5、R6はそれぞれ独立に炭素数8〜20のアシル基を表し、b、eはそれぞれEOの平均重合度、a、d、fはそれぞれPOの平均重合度を表し、a、b、d、e、fはそれぞれ正の数である。該ジエステル体中に占めるR5とR6との合計の割合が4〜38質量%、EOの割合が6〜48質量%、POの割合が31〜87質量%である。
R5、R6におけるアシル基としてはR1、R2におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]についての説明は前記のとおりである。
b+eの好ましい範囲は前記lの好ましい範囲と同様であり、a+d+fの好ましい範囲は前記mの好ましい範囲と同様である。
R5、R6におけるアシル基としてはR1、R2におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]についての説明は前記のとおりである。
b+eの好ましい範囲は前記lの好ましい範囲と同様であり、a+d+fの好ましい範囲は前記mの好ましい範囲と同様である。
<(A2):エーテル・エステル体>
前記エーテル・エステル体は、例えば、炭素数8〜20の高級アルコールにエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド、場合によりブチレンオキサイドをブロック付加した化合物(以下、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体と略す。)に、炭素数8〜20の脂肪酸もしくは脂肪酸ハライドとを反応させて直接エステル化する方法、あるいは前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体と炭素数8〜20の脂肪酸の低級アルコールエステルとを用いてエステル交換反応をする方法により合成が可能である。また、別の合成方法として、特開平8−169860号公報、特開平8−169861号公報に開示されているように、複合金属酸化物触媒の存在下、炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基と炭素数8〜20のアシル基とを有する脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを反応させる方法によっても合成が可能である。これら合成方法の違いにより固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液としての性能が左右されることはない。
なお、エーテル・エステル体の合成に際して、エステル化されない未反応の高級アルコールアルキレンオキサイド付加物(以下、エーテル体と略す。)が残存してくるが、本発明に用いるエーテル・エステル体は、エーテル体の含有量が50質量%以下であることが好ましい。エーテル体の含有量が50質量%を超えると、切削性の低下と、水溶性加工液の泡立ちが多くなることが懸念される。
前記エーテル・エステル体は、例えば、炭素数8〜20の高級アルコールにエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド、場合によりブチレンオキサイドをブロック付加した化合物(以下、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体と略す。)に、炭素数8〜20の脂肪酸もしくは脂肪酸ハライドとを反応させて直接エステル化する方法、あるいは前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体と炭素数8〜20の脂肪酸の低級アルコールエステルとを用いてエステル交換反応をする方法により合成が可能である。また、別の合成方法として、特開平8−169860号公報、特開平8−169861号公報に開示されているように、複合金属酸化物触媒の存在下、炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基と炭素数8〜20のアシル基とを有する脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを反応させる方法によっても合成が可能である。これら合成方法の違いにより固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液としての性能が左右されることはない。
なお、エーテル・エステル体の合成に際して、エステル化されない未反応の高級アルコールアルキレンオキサイド付加物(以下、エーテル体と略す。)が残存してくるが、本発明に用いるエーテル・エステル体は、エーテル体の含有量が50質量%以下であることが好ましい。エーテル体の含有量が50質量%を超えると、切削性の低下と、水溶性加工液の泡立ちが多くなることが懸念される。
前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体の製造に使用される炭素数8〜20の高級アルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコール、エイコシルアルコールなどの飽和脂肪族アルコール;オクテニルアルコール、デセニルアルコール、ドデセニルアルコール、テトラデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、オレイルアルコールに代表されるオクタデセニルアルコール、エイコデセニルアルコールなどの不飽和脂肪族アルコールが挙げられる。
該高級アルコールとしてはドデシルアルコールが消泡性の点で好ましい。
これら高級アルコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
該高級アルコールとしてはドデシルアルコールが消泡性の点で好ましい。
これら高級アルコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体の製造に使用される炭素数8〜20の脂肪酸、脂肪酸ハライド、炭素数8〜20の脂肪酸の低級アルコールエステルとしては、それぞれ、前記ジエステル体の説明で、該ジエステル体を製造するときに使用される炭素数8〜20の脂肪酸、脂肪酸ハライド、炭素数8〜20の脂肪酸の低級アルコールエステルとして例示した化合物が問題なく使用できる。
前記エーテル・エステル体の製造においては、使用する高級アルコール、脂肪酸、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド、場合により用いるブチレンオキサイドの種類と使用量によって、得られるエーテル・エステル体中に占めるアルキル基、アルケニル基およびアシル基の合計(R22+R2)の割合を4〜38質量%、EOの割合を6〜48質量%、POの割合を31〜87質量%、BOの割合を0〜8質量%に調整する。
本発明において使用されるエーテル・エステル体としては、下記一般式(V)または(VI)で表されるものが好ましい。
R9O[(EO)p(PO)q(EO)r]R10 …(V)
R11O[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]R12 …(VI)
R9O[(EO)p(PO)q(EO)r]R10 …(V)
R11O[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]R12 …(VI)
式(V)中、EO、POは前記と同じ意味を表し、R9は炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を表し、R10は炭素数8〜20のアシル基を表し、p、rはそれぞれEOの平均重合度、qはPOの平均重合度を表し、p、q、rはそれぞれ正の数である。該エーテル・エステル体中に占めるR9とR10との合計の割合は4〜38質量%、EOの割合は6〜48質量%、POの割合は31〜87質量%である。
R9におけるアルキル基、アルケニル基としてはそれぞれR1におけるアルキル基、アルケニル基と同様のものが挙げられる。
R10におけるアシル基としてはR2におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
[(EO)p(PO)q(EO)r]についての説明は前記のとおりである。
p+rの好ましい範囲は前記lの好ましい範囲と同様であり、qの好ましい範囲は前記mの好ましい範囲と同様である。
R9におけるアルキル基、アルケニル基としてはそれぞれR1におけるアルキル基、アルケニル基と同様のものが挙げられる。
R10におけるアシル基としてはR2におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
[(EO)p(PO)q(EO)r]についての説明は前記のとおりである。
p+rの好ましい範囲は前記lの好ましい範囲と同様であり、qの好ましい範囲は前記mの好ましい範囲と同様である。
式(VI)中、EO、POは前記と同じ意味を表し、R11は炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を表し、R12は炭素数8〜20のアシル基を表し、b、eはそれぞれEOの平均重合度、a、d、fはそれぞれPOの平均重合度を表し、a、b、d、e、fはそれぞれ正の数である。該エーテル・エステル体中に占めるR11とR12との合計の割合が4〜38質量%、EOの割合が6〜48質量%、POの割合が31〜87質量%である。
R11におけるアルキル基、アルケニル基としてはそれぞれR1におけるアルキル基、アルケニル基と同様のものが挙げられる。
R12におけるアシル基としてはR2におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]についての説明は前記のとおりである。
b+eの好ましい範囲は前記lの好ましい範囲と同様であり、a+d+fの好ましい範囲は前記mの好ましい範囲と同様である。
R11におけるアルキル基、アルケニル基としてはそれぞれR1におけるアルキル基、アルケニル基と同様のものが挙げられる。
R12におけるアシル基としてはR2におけるアシル基と同様のものが挙げられる。
[(PO)a(EO)b(PO)d(EO)e(PO)f]についての説明は前記のとおりである。
b+eの好ましい範囲は前記lの好ましい範囲と同様であり、a+d+fの好ましい範囲は前記mの好ましい範囲と同様である。
前記(A1)のジエステル体、(A2)のエーテル・エステル体は、いずれか一方を用いても両方を併用してもよい。ジエステル体、エーテル・エステル体はそれぞれ1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の水溶性加工液中の(A)成分の含有量((A)成分を2種以上含む場合はそれらの総量)は、水溶性加工液の総質量に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜2質量%が特に好ましい。(A)成分の含有量が0.01質量%未満では泡立ちと潤滑性不足により充分な切削性を発揮できない懸念があり、10質量%を超えると水溶性加工液の粘度上昇により充分な切削性を保持することが困難になる懸念がある。
〔水〕
本発明の水溶性加工液が含有する水は、特に制限はないが、精製水、特に脱イオン水が好ましい。
水溶液加工液中、水の含有率は、安全性、環境、本発明の有効性などを考慮すると、水溶性加工液の総質量に対し、90〜99.99質量%が好ましく、93〜99.9質量%が特に好ましい。
本発明の水溶性加工液が含有する水は、特に制限はないが、精製水、特に脱イオン水が好ましい。
水溶液加工液中、水の含有率は、安全性、環境、本発明の有効性などを考慮すると、水溶性加工液の総質量に対し、90〜99.99質量%が好ましく、93〜99.9質量%が特に好ましい。
本発明の水溶性加工液は、(A)成分と水とからなるものでもよく、必要に応じて、他の成分をさらに含むものであってもよい。
該他の成分としては、防錆剤、消泡剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、pH調整剤、および殺菌剤・防腐剤など、従来用いられている添加剤を配合することができる。例えば、防錆剤としては、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステルなどが挙げられる。消泡剤としては、シリコーン油、フルオロシリコーン油およびフルオロアルキルエーテルなどが挙げられる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤などが挙げられる。金属不活性化剤としては、イミダソリン、ピリジン誘導体、チアジアゾール、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。pH調整剤としては、酢酸、ホウ酸、クエン酸、炭酸、重曹、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。殺菌剤・防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、p−トルエンスルホン酸およびそれらの塩類、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
これらの添加剤の配合量は、本発明の目的に反しない範囲で、その目的により量を決定すればよいが、通常、水溶性加工液全量に対して0.01〜5質量%程度である。
該他の成分としては、防錆剤、消泡剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、pH調整剤、および殺菌剤・防腐剤など、従来用いられている添加剤を配合することができる。例えば、防錆剤としては、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステルなどが挙げられる。消泡剤としては、シリコーン油、フルオロシリコーン油およびフルオロアルキルエーテルなどが挙げられる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤などが挙げられる。金属不活性化剤としては、イミダソリン、ピリジン誘導体、チアジアゾール、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。pH調整剤としては、酢酸、ホウ酸、クエン酸、炭酸、重曹、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。殺菌剤・防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、p−トルエンスルホン酸およびそれらの塩類、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
これらの添加剤の配合量は、本発明の目的に反しない範囲で、その目的により量を決定すればよいが、通常、水溶性加工液全量に対して0.01〜5質量%程度である。
本発明の水溶性加工液は、pHが4〜10であることが好ましく、5〜8であることが特に好ましい。pHが4未満では加工装置を錆びさせる懸念があり、pHが10を超えると被加工材料のシリコンを腐食させる懸念がある。
このpHの調整には、pH調整剤を添加してもよい。なお、該pHは20℃における値である。
このpHの調整には、pH調整剤を添加してもよい。なお、該pHは20℃における値である。
本発明の水溶性加工液は、水を90〜99.99質量%含有することが好ましいが、(A)成分の含有量を多くして、水の含有量が少ない原液を調整しておき、使用する時に、各成分の含有量が好ましい含有量になるように水で希釈して切削加工に用いることにも問題はない。
本発明の水溶性加工液は、固定砥粒ワイヤソーにより被加工材料を切削加工する際に用いられる。本発明の水溶性加工液は、潤滑性および浸透性に優れているため、固定砥粒ワイヤソーにより被加工材料を切削加工する際に優れた切削性を発揮し、高い加工精度で切削加工を行うことができる。
固定砥粒ワイヤソーとしては、公知のものが使用できる。
切削加工は、加工液として本発明の水溶性加工液を用いる以外は、公知の方法により実施できる。
被加工材料としては、固定砥粒ワイヤソーによる切削加工が可能なものであればよく、特に限定はされないが、脆性材料が好適である。すなわち、本発明の水溶性加工液は、脆性材料、特にシリコンインゴットの切削加工において優れた切削性を発揮することから、脆性材料を固定砥粒ワイヤソーにより切削加工する方法に好適に用いられる。
本発明の水溶性加工液は、シリコンインゴットをワイヤソーで切削加工する際に好適に用いられるが、シリコン以外の脆性材料である水晶、カーボン、ガラス等を切削加工する際にもそのまま用いることができる。
固定砥粒ワイヤソーとしては、公知のものが使用できる。
切削加工は、加工液として本発明の水溶性加工液を用いる以外は、公知の方法により実施できる。
被加工材料としては、固定砥粒ワイヤソーによる切削加工が可能なものであればよく、特に限定はされないが、脆性材料が好適である。すなわち、本発明の水溶性加工液は、脆性材料、特にシリコンインゴットの切削加工において優れた切削性を発揮することから、脆性材料を固定砥粒ワイヤソーにより切削加工する方法に好適に用いられる。
本発明の水溶性加工液は、シリコンインゴットをワイヤソーで切削加工する際に好適に用いられるが、シリコン以外の脆性材料である水晶、カーボン、ガラス等を切削加工する際にもそのまま用いることができる。
以下に、本発明について実施例でもって更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。以下、「部」は、特に限定しない限り、質量部を示す。
後述する実施例および比較例で使用した原料、試験方法をまとめて以下に示す。
後述する実施例および比較例で使用した原料、試験方法をまとめて以下に示す。
[使用原料]
A1−1〜A1−3:前記一般式(II)で表され、式中のR3、R4、q、p+r、重量平均分子量がそれぞれ表1に示す基または値であるジエステル体(ポリアルキレングリコールの脂肪酸ジエステル)。
A1−4〜A1−5:前記一般式(III)で表され、式中のR5、R6、a+f、b+e、d、重量平均分子量がそれぞれ表2に示す基または値であるジエステル体(ポリアルキレングリコールの脂肪酸ジエステル)。
A2−1〜A2−3:前記一般式(V)で表され、式中のR9、R10、q、p+r、重量平均分子量がそれぞれ表3に示す基または値であるエーテル・エステル体(高級アルコールアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル)。
A2−4〜A2−5:前記一般式(VI)で表され、式中のR11、R12、a+f、b+e、d、重量平均分子量がそれぞれ表4に示す基または値であるエーテル・エステル体(高級アルコールアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル)。
A1−1〜A1−3:前記一般式(II)で表され、式中のR3、R4、q、p+r、重量平均分子量がそれぞれ表1に示す基または値であるジエステル体(ポリアルキレングリコールの脂肪酸ジエステル)。
A1−4〜A1−5:前記一般式(III)で表され、式中のR5、R6、a+f、b+e、d、重量平均分子量がそれぞれ表2に示す基または値であるジエステル体(ポリアルキレングリコールの脂肪酸ジエステル)。
A2−1〜A2−3:前記一般式(V)で表され、式中のR9、R10、q、p+r、重量平均分子量がそれぞれ表3に示す基または値であるエーテル・エステル体(高級アルコールアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル)。
A2−4〜A2−5:前記一般式(VI)で表され、式中のR11、R12、a+f、b+e、d、重量平均分子量がそれぞれ表4に示す基または値であるエーテル・エステル体(高級アルコールアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル)。
A1−1〜A1−5、A2−1〜A2−5はそれぞれ後述の合成例1〜10で合成した。
A1−1〜A1−5、A2−1〜A2−5それぞれにおけるアルキル基、アルケニル基およびアシル基の合計の割合(質量%)、EOの割合(質量%)、POの割合(質量%)をそれぞれ表1〜4に併記する。
なお、「アルキル基、アルケニル基およびアシル基の合計の割合」は、前記一般式(II)または(III)で表されるジエステル体の場合はアシル基の割合(「R3+R4」または「R5+R6」)、前記一般式(V)または(VI)で表されるエーテル・エステル体の場合はアルキル基またはアルケニル基とアシル基との合計の割合(「R9+R10」または「R11+R12」)を示す。
A1−1〜A1−5、A2−1〜A2−5それぞれにおけるアルキル基、アルケニル基およびアシル基の合計の割合(質量%)、EOの割合(質量%)、POの割合(質量%)をそれぞれ表1〜4に併記する。
なお、「アルキル基、アルケニル基およびアシル基の合計の割合」は、前記一般式(II)または(III)で表されるジエステル体の場合はアシル基の割合(「R3+R4」または「R5+R6」)、前記一般式(V)または(VI)で表されるエーテル・エステル体の場合はアルキル基またはアルケニル基とアシル基との合計の割合(「R9+R10」または「R11+R12」)を示す。
D−1:ジエチレングリコール。
D−2:プロピレングリコール。
D−3:ジエチレングリコールモノメチルエーテル。
D−4:後述の比較合成例1で合成したポリアルキレングリコール。
D−5:後述の比較合成例2で合成した高級アルコールアルキレンオキサイド付加体。
D−2:プロピレングリコール。
D−3:ジエチレングリコールモノメチルエーテル。
D−4:後述の比較合成例1で合成したポリアルキレングリコール。
D−5:後述の比較合成例2で合成した高級アルコールアルキレンオキサイド付加体。
<合成例1>
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム1gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド1798g(31モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド484g(11モル)を徐々に導入付加して、ポリアルキレングリコールを得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記ポリアルキレングリコールを全量仕込み、オクタデカン酸568g(2モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量3000のジエステル体(A1−1)を得た。
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム1gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド1798g(31モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド484g(11モル)を徐々に導入付加して、ポリアルキレングリコールを得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記ポリアルキレングリコールを全量仕込み、オクタデカン酸568g(2モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量3000のジエステル体(A1−1)を得た。
<合成例2>
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム0.5gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド290g(5モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド616g(14モル)を徐々に導入付加して、ポリアルキレングリコールを得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記ポリアルキレングリコールを全量仕込み、オクタン酸288g(2モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量1300のジエステル体(A1−2)を得た。
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム0.5gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド290g(5モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド616g(14モル)を徐々に導入付加して、ポリアルキレングリコールを得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記ポリアルキレングリコールを全量仕込み、オクタン酸288g(2モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量1300のジエステル体(A1−2)を得た。
<合成例3>
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム1gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド1798g(31モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド880g(20モル)を徐々に導入付加して、ポリアルキレングリコールを得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記ポリアルキレングリコールを全量仕込み、オレイン酸282g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量6200のジエステル体(A1−3)を得た。
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム1gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド1798g(31モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド880g(20モル)を徐々に導入付加して、ポリアルキレングリコールを得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記ポリアルキレングリコールを全量仕込み、オレイン酸282g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量6200のジエステル体(A1−3)を得た。
<合成例4>
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム0.5gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド870g(15モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド528g(12モル)を徐々に導入付加し、さらにプロピレンオキサイド464g(8モル)を徐々に導入付加して、ポリアルキレングリコールを得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記ポリアルキレングリコールを全量仕込み、ドデカン酸428g(2モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量2400のジエステル体(A1−4)を得た。
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム0.5gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド870g(15モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド528g(12モル)を徐々に導入付加し、さらにプロピレンオキサイド464g(8モル)を徐々に導入付加して、ポリアルキレングリコールを得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記ポリアルキレングリコールを全量仕込み、ドデカン酸428g(2モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量2400のジエステル体(A1−4)を得た。
<合成例5>
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム1gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド1682g(29モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド1672g(38モル)を徐々に導入付加し、さらにプロピレンオキサイド1856g(32モル)を徐々に導入付加して、ポリアルキレングリコールを得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記ポリアルキレングリコールを全量仕込み、オクタデカン酸568g(2モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量5900のジエステル体(A1−5)を得た。
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム1gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド1682g(29モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド1672g(38モル)を徐々に導入付加し、さらにプロピレンオキサイド1856g(32モル)を徐々に導入付加して、ポリアルキレングリコールを得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記ポリアルキレングリコールを全量仕込み、オクタデカン酸568g(2モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量5900のジエステル体(A1−5)を得た。
<合成例6>
オクタデカノール270g(1モル)および水酸化カリウム0.3gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでエチレンオキサイド242g(5.5モル)を徐々に導入付加した後、プロピレンオキサイド1972g(34モル)を徐々に導入付加し、さらにエチレンオキサイド242g(5.5モル)を徐々に導入付加して、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を全量仕込み、オクタデカン酸284g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸3gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量3000のエーテル・エステル体(A2−1)を得た。
オクタデカノール270g(1モル)および水酸化カリウム0.3gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでエチレンオキサイド242g(5.5モル)を徐々に導入付加した後、プロピレンオキサイド1972g(34モル)を徐々に導入付加し、さらにエチレンオキサイド242g(5.5モル)を徐々に導入付加して、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を全量仕込み、オクタデカン酸284g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸3gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量3000のエーテル・エステル体(A2−1)を得た。
<合成例7>
オクタデカノール270g(1モル)および水酸化カリウム0.3gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでエチレンオキサイド330g(7.5モル)を徐々に導入付加した後、プロピレンオキサイド580g(10モル)を徐々に導入付加し、さらにエチレンオキサイド330g(7.5モル)を徐々に導入付加して、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を全量仕込み、ヘキサデカン酸256g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸3gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量1800のエーテル・エステル体(A2−2)を得た。
オクタデカノール270g(1モル)および水酸化カリウム0.3gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでエチレンオキサイド330g(7.5モル)を徐々に導入付加した後、プロピレンオキサイド580g(10モル)を徐々に導入付加し、さらにエチレンオキサイド330g(7.5モル)を徐々に導入付加して、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を全量仕込み、ヘキサデカン酸256g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸3gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量1800のエーテル・エステル体(A2−2)を得た。
<合成例8>
ドデカノール186g(1モル)および水酸化カリウム0.3gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでエチレンオキサイド880g(20モル)を徐々に導入付加した後、プロピレンオキサイド3190g(55モル)を徐々に導入付加し、さらにエチレンオキサイド880g(20モル)を徐々に導入付加して、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を全量仕込み、オレイン酸282g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸3gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量5400のエーテル・エステル体(A2−3)を得た。
ドデカノール186g(1モル)および水酸化カリウム0.3gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでエチレンオキサイド880g(20モル)を徐々に導入付加した後、プロピレンオキサイド3190g(55モル)を徐々に導入付加し、さらにエチレンオキサイド880g(20モル)を徐々に導入付加して、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を全量仕込み、オレイン酸282g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸3gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量5400のエーテル・エステル体(A2−3)を得た。
<合成例9>
オクタデカノール270g(1モル)および水酸化カリウム0.3gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド290g(5モル)、エチレンオキサイド330g(7.5モル)、プロピレンオキサイド1160g(20モル)、エチレンオキサイド330g(7.5モル)、プロピレンオキサイド290g(5モル)をこの順で徐々に導入付加して、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を全量仕込み、オクタデカン酸284g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸4gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量3000のエーテル・エステル体(A2−4)を得た。
オクタデカノール270g(1モル)および水酸化カリウム0.3gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド290g(5モル)、エチレンオキサイド330g(7.5モル)、プロピレンオキサイド1160g(20モル)、エチレンオキサイド330g(7.5モル)、プロピレンオキサイド290g(5モル)をこの順で徐々に導入付加して、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を全量仕込み、オクタデカン酸284g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸4gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量3000のエーテル・エステル体(A2−4)を得た。
<合成例10>
オクタデセノール268g(1モル)および水酸化カリウム0.4gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド870g(15モル)、エチレンオキサイド880g(20モル)、プロピレンオキサイド1740g(30モル)、エチレンオキサイド880g(20モル)、プロピレンオキサイド870g(15モル)をこの順で徐々に導入付加して、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を全量仕込み、オレイン酸282g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量5800のエーテル・エステル体(A2−5)を得た。
オクタデセノール268g(1モル)および水酸化カリウム0.4gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド870g(15モル)、エチレンオキサイド880g(20モル)、プロピレンオキサイド1740g(30モル)、エチレンオキサイド880g(20モル)、プロピレンオキサイド870g(15モル)をこの順で徐々に導入付加して、高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を得た。
次に、温度計、窒素導入装置、コンデンサーおよび攪拌装置を備えた四つ口フラスコに前記高級アルコールアルキレンオキサイド付加体を全量仕込み、オレイン酸282g(1モル)およびパラトルエンスルホン酸5gを加えて加熱昇温して、180〜200℃で6時間反応し、酸価を5以下とした。
得られた反応生成物に水酸化カリウムを加えて触媒のパラトルエンスルホン酸を中和し、脱水、濾過し、濾取物として重量平均分子量5800のエーテル・エステル体(A2−5)を得た。
<比較合成例1>
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム1gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド1798g(31モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド1320g(30モル)を徐々に導入付加して、重量平均分子量3,300のポリアルキレングリコール(D−4)を得た。
トリプロピレングリコール192g(1モル)をオートクレーブに仕込み、水酸化カリウム1gを加えた後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、140〜160℃、200〜300kPaでプロピレンオキサイド1798g(31モル)を徐々に導入付加した後、エチレンオキサイド1320g(30モル)を徐々に導入付加して、重量平均分子量3,300のポリアルキレングリコール(D−4)を得た。
<比較合成例2>
オクタデカノール270g(1モル)および水酸化カリウム0.3gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでエチレンオキサイド880g(20モル)を徐々に導入付加して、重量平均分子量1,100の高級アルコールアルキレンオキサイド付加体(D−5)を得た。
オクタデカノール270g(1モル)および水酸化カリウム0.3gをオートクレーブに仕込んだ後、系内の空気を窒素ガスで充分に置換してから加熱昇温して、150〜170℃、200〜300kPaでエチレンオキサイド880g(20モル)を徐々に導入付加して、重量平均分子量1,100の高級アルコールアルキレンオキサイド付加体(D−5)を得た。
[試験方法]
<往復摩擦試験>
表面試験機(トライボステーションType32、新東科学(株)製)を用い、該表面試験機の取扱説明書に従い、下記試験条件で500往復の動摩擦試験を行い、摩擦係数(動摩擦係数)を測定した。
該動摩擦係数が小さいほど、潤滑性が高いことを示す。固定砥粒ワイヤソー用の加工液用途において、該動摩擦係数は、好ましくは0.05〜0.20、より好ましくは0.07〜0.15である。動摩擦係数が大きすぎると潤滑性が不足し、動摩擦係数が小さすぎると切削時にワイヤの滑り等が生じ、切削性が低下するおそれがある。
(試験条件)
・球:直径6mmのSUJ2
・荷重:400g
・摺動距離:10mm
・摺動速度:500mm/分
・試験板:単結晶シリコン
・測定温度:20℃
<往復摩擦試験>
表面試験機(トライボステーションType32、新東科学(株)製)を用い、該表面試験機の取扱説明書に従い、下記試験条件で500往復の動摩擦試験を行い、摩擦係数(動摩擦係数)を測定した。
該動摩擦係数が小さいほど、潤滑性が高いことを示す。固定砥粒ワイヤソー用の加工液用途において、該動摩擦係数は、好ましくは0.05〜0.20、より好ましくは0.07〜0.15である。動摩擦係数が大きすぎると潤滑性が不足し、動摩擦係数が小さすぎると切削時にワイヤの滑り等が生じ、切削性が低下するおそれがある。
(試験条件)
・球:直径6mmのSUJ2
・荷重:400g
・摺動距離:10mm
・摺動速度:500mm/分
・試験板:単結晶シリコン
・測定温度:20℃
<表面張力試験>
100mLのガラスビーカーに、調製した固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液を50mL入れて、SURFACE TENSIOMETER CBVP−A3(協和界面科学社製)を用いて20℃における表面張力(mN/m)を測定した。
該表面張力が小さいほど、浸透性が高いことを示す。該表面張力は、好ましくは50mN/m以下、より好ましくは40mN/m以下である。
100mLのガラスビーカーに、調製した固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液を50mL入れて、SURFACE TENSIOMETER CBVP−A3(協和界面科学社製)を用いて20℃における表面張力(mN/m)を測定した。
該表面張力が小さいほど、浸透性が高いことを示す。該表面張力は、好ましくは50mN/m以下、より好ましくは40mN/m以下である。
<切断性試験>
切断装置(マルチウェーハメーカー PV500D、コマツNTC株式会社製)を用い、下記の試験条件でワークの切断試験を行い、ウェーハを作製した。得られたウェーハの精度(Ra、Rz、SORI)を表面粗さ測定機(サーフコーダSE500−18D(株)小坂研究所製)により測定した。
Ra、Rz、SORIは、それぞれの値が小さいほどウェーハ精度が高いことを示す。Raは、1μm以下であることが必要であり、0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下がより好ましい。
Rzは、4μm以下であることが必要であり、2μm以下が好ましい。
SORIは、70μm以下であることが必要であり、40μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
(試験条件)
・ワイヤー:芯線直径120μm、ダイヤ径15−20μm
・切断装置:コマツNTC株式会社製マルチウェーハメーカー PV500D
・ワーク:単結晶シリコンインゴット(125mm×125mm×190mmの直方体)
・ワイヤー線速度:900m/min
・フィード速度:1mm/min
・ワイヤー張力:25N
切断装置(マルチウェーハメーカー PV500D、コマツNTC株式会社製)を用い、下記の試験条件でワークの切断試験を行い、ウェーハを作製した。得られたウェーハの精度(Ra、Rz、SORI)を表面粗さ測定機(サーフコーダSE500−18D(株)小坂研究所製)により測定した。
Ra、Rz、SORIは、それぞれの値が小さいほどウェーハ精度が高いことを示す。Raは、1μm以下であることが必要であり、0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下がより好ましい。
Rzは、4μm以下であることが必要であり、2μm以下が好ましい。
SORIは、70μm以下であることが必要であり、40μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
(試験条件)
・ワイヤー:芯線直径120μm、ダイヤ径15−20μm
・切断装置:コマツNTC株式会社製マルチウェーハメーカー PV500D
・ワーク:単結晶シリコンインゴット(125mm×125mm×190mmの直方体)
・ワイヤー線速度:900m/min
・フィード速度:1mm/min
・ワイヤー張力:25N
[実施例1]
A1−1の0.5部に水の99.5部を加えて均一に混合溶解することにより水溶性加工液を調製した。
この水溶性加工液を用いて上記往復摩擦試験、表面張力試験および切断性試験を行った。その結果、動摩擦係数は0.14、表面張力は32.9mN/m、Raは0.268、Rzは1.588、SORIは14であった。
A1−1の0.5部に水の99.5部を加えて均一に混合溶解することにより水溶性加工液を調製した。
この水溶性加工液を用いて上記往復摩擦試験、表面張力試験および切断性試験を行った。その結果、動摩擦係数は0.14、表面張力は32.9mN/m、Raは0.268、Rzは1.588、SORIは14であった。
[実施例2〜14、比較例1〜7]
表5〜7に示す配合比となるように、使用する原料の種類および配合量(部)を変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜14、比較例1〜7の水溶性加工液を調製した。
得られた水溶性加工液について、上記往復摩擦試験、表面張力試験および切断性試験を行った。結果を表5〜7に示す。
表5〜7に示す配合比となるように、使用する原料の種類および配合量(部)を変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜14、比較例1〜7の水溶性加工液を調製した。
得られた水溶性加工液について、上記往復摩擦試験、表面張力試験および切断性試験を行った。結果を表5〜7に示す。
上記結果に示すとおり、実施例1〜14の水溶性加工液は、水を大量に含んでいても適度な潤滑性と良好な浸透性を有していた。従って、これらの水溶性加工液を用いることにより、固定砥粒ワイヤソーによる切断加工を良好な切削性で行うことができ、実際、これらの水溶性加工液を用いた切断性試験では高精度なウェーハが得られた。また、洗浄性にも優れ、切り屑の除去を良好に行うことができる。また、該水溶性加工液は、水を大量に含むことから、作業環境や安全性の点でも優れた状態で切削加工を行うことができる。
一方、比較例1〜5の水溶性加工液はそれぞれ、動摩擦係数が0.20以上、表面張力が45.0mN/m以上でいずれも実施例1〜14より大きく、特に水を90質量%以上含む比較例3〜5は動摩擦係数が0.38以上、表面張力が45.0mN/m以上となっていた。
(A)成分の代わりにD−4、D−5を用いた比較例6、7の水溶性加工液は、固定砥粒ワイヤソーによる切断加工中に多量の泡が発生し、切削加工を続けることができなかった。
一方、比較例1〜5の水溶性加工液はそれぞれ、動摩擦係数が0.20以上、表面張力が45.0mN/m以上でいずれも実施例1〜14より大きく、特に水を90質量%以上含む比較例3〜5は動摩擦係数が0.38以上、表面張力が45.0mN/m以上となっていた。
(A)成分の代わりにD−4、D−5を用いた比較例6、7の水溶性加工液は、固定砥粒ワイヤソーによる切断加工中に多量の泡が発生し、切削加工を続けることができなかった。
本発明の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液は、固定砥粒ワイヤソーによるシリコンインゴット等の脆性材料の切削加工において良好な切削性を示し、切り屑の洗浄性にも優れる。また、本発明の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液は、水分を大量に含むことが可能で、この場合、作業環境や安全性の点でも優れた状態での切削加工を可能になる。
Claims (6)
- ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)と、水と、を含有し、
前記ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)は、重量平均分子量が1200〜6600であり、下記一般式(I):
R1O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I)
(式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基、アルケニル基またはアシル基を表し、R2は炭素数8〜20のアシル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、BOはオキシブチレン基を表し、l、m、nはそれぞれEO、PO、BOの平均重合度を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
で表され、当該ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)中に占める前記R1と前記R2との合計の割合が4〜38質量%、前記EOの割合が6〜48質量%、前記POの割合が31〜87質量%、前記BOの割合が0〜8質量%である、固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。 - 前記水を90〜99.99質量%含有する、請求項1に記載の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
- 脆性材料の切削加工に用いられるものである、請求項1または2に記載の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
- 前記脆性材料がシリコンである、請求項3に記載の固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液。
- 脆性材料を固定砥粒ワイヤソーにより、固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液を用いて切削加工する方法であって、
前記固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液が、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)と、水と、を含有し、
前記ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)は、重量平均分子量が1200〜6600であり、下記一般式(I):
R1O[(EO)l/(PO)m/(BO)n]R2 …(I)
(式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基、アルケニル基またはアシル基を表し、R2は炭素数8〜20のアシル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、BOはオキシブチレン基を表し、l、m、nはそれぞれEO、PO、BOの平均重合度を表す。[(EO)l/(PO)m/(BO)n]は、EO、PO、BOそれぞれに対応するアルキレンオキサイドのブロック付加によって形成され、その付加順序は問わない。)
で表され、当該ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(A)中に占める前記R1と前記R2との合計の割合が4〜38質量%、前記EOの割合が6〜48質量%、前記POの割合が31〜87質量%、前記BOの割合が0〜8質量%であることを特徴とする切削加工方法。 - 前記脆性材料がシリコンである、請求項5に記載の切削加工方法。
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JP2013031304A JP2014159529A (ja) | 2013-02-20 | 2013-02-20 | 固定砥粒ワイヤソー用水溶性加工液及び切削加工方法 |
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CN105537704A (zh) * | 2015-12-23 | 2016-05-04 | 天津中澳星环保科技发展有限公司 | 环保电火花加工液的制备方法 |
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CN115678656A (zh) * | 2022-09-26 | 2023-02-03 | 晶科能源股份有限公司 | 一种硅晶体线切割液及制备方法 |
-
2013
- 2013-02-20 JP JP2013031304A patent/JP2014159529A/ja active Pending
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