JP2002212584A - 水溶性切削油剤組成物 - Google Patents
水溶性切削油剤組成物Info
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Abstract
れた潤滑性、切削性、冷却性を発揮する水溶性切削油剤
を提供することを目的とするものである。さらに本発明
は、かかる水溶性切削油剤を工具刃先に極微量スプレー
塗布(霧状、ミスト状にして)することにより、潤滑
性、切削性、冷却性に優れたる切削加工方法を提供する
ことを目的とするものである。 【解決手段】 本発明にかかる水溶性切削油剤組成物
は、成分(A)としてアルキレンオキサイドブロック付加
型非イオン界面活性剤を10〜90重量%、成分(B)と
してカルボン酸塩を10〜90重量%を含有することを
特徴とする水溶性切削油剤組成物である。さらには成分
(A)を5〜90重量%、成分(B)を5〜90重量%とと
もに成分(C)として水5〜50重量%を含有する水溶性
切削油剤組成物である。本発明にかかる切削加工方法
は、該組成物の原液を霧状(ミスト状)で切削部位に供
給することを特徴とする。
Description
工方法に適した水溶性切削油剤組成物に関する。また本
発明は、該組成物の原液を霧状(ミスト状)で切削部位
に供給することを特徴とする切削加工方法に関する。
様々な加工油剤が使用されている。特に火災の心配が無
く後工程での洗浄が容易に行える等の理由から水溶性切
削油剤が用いられており、水で適当な濃度に希釈されて
使用されている。一般的に、これらの水溶性切削油剤に
は、高級脂肪酸、塩素化脂肪酸等のアミン塩やアルカリ
金属塩等を含む組成物である。一方これらの脂肪酸塩を
含む水溶性切削油剤は、水で希釈した場合微生物により
腐敗しやすく、切削性、防錆性の低下などの問題が生じ
る。そこで切削性を保つために水溶性切削油剤の濃度管
理を行うことが非常に重要となりかかる管理に多大な労
力とコストが必要であった。かかる問題点や環境保護の
観点から全く切削油剤を使用しない完全なドライ切削加
工法の検討もなされており、この場合上記濃度管理や劣
化液の廃水処理等の労力とコストを大幅に削減可能であ
る。しかしこの完全なドライ切削では従来の湿式切削加
工法よりも工具寿命が短い、仕上げ面が不充分である等
の点で劣る。
切削加工法に適した優れた潤滑性、切削性、冷却性を発
揮する水溶性切削油剤を提供することを目的とするもの
である。さらに本発明は、かかる水溶性切削油剤を工具
刃先に極微量スプレー塗布(霧状、ミスト状にして)す
ることにより、潤滑性、切削性、冷却性に優れた切削加
工方法を提供することを目的とするものである。
した問題点のない水溶性切削油剤およびそれを用いた切
削加工方法を開発すべく鋭意研究した結果、特定の非イ
オン界面活性剤とカルボン酸塩とを含む水溶性切削油剤
を、工具刃先に極微量スプレー塗布(霧状、ミスト状に
して)して使用することで(セミドライ切削加工方
法)、湿式切削加工方法に伴う濃度管理等の問題点、さ
らには完全ドライ切削方法に伴う不充分な切削結果等の
問題点を解決できることを見出し本発明を完成した。
組成物は、成分(A)としてアルキレンオキサイドブロッ
ク付加型非イオン界面活性剤を10〜90重量%、成分
(B)としてカルボン酸塩を10〜90重量%を含有する
ことを特徴とする水溶性切削油剤組成物である。さらに
は成分(A)を5〜90重量%、成分(B)を5〜90重量
%とともに成分(C)として水5〜50重量%を含有する
水溶性切削油剤組成物である。
は、成分(A)が下記一般式(1)で表されるアルキレン
オキサイドブロック付加型非イオン界面活性剤であるこ
とを特徴とする。
基又はアラルキル基を表し、EOはオキシエチレン基、
POはオキシプロピレン基、aは1〜20の整数、bは
1〜20の整数を表す。)
は、成分(B)が炭素数8〜22の脂肪族カルボン酸、脂
環式カルボン酸及び芳香族カルボン酸の塩からなる群よ
り選ばれる少なくとも1種であるカルボン酸の塩である
ことを特徴とする。
物は、成分(B)が、下記一般式(2)で表されるヘテロ
原子含有アルキレンジカルボン酸の塩であることを特徴
とする。 MOOC−R1−X−R2−COOM (2) (式中、R1及びR2はそれぞれ飽和炭化水素基、不飽和
炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基を
表し、R1とR2の炭素数の合計が2〜20であり、Xは
チオ基、ジチオ基、スルフィニル基又はスルホニル基を
表し、Mはアルカリ金属、無機アミン又は有機アミンを
表す。)
かかる水溶性切削油剤組成物(そのままで、または適当
な濃度に水で希釈して)を少量霧状(ミスト状)で切削
部位に供給して行うことを特徴とする。以下、本発明を
発明の実施の形態に即して詳細に説明する。
として(A)アルキレンオキサイドブロック付加型非イオ
ン界面活性剤化合物を含む。本発明においてはこの成分
(A)はアルコール、アルキルフェノールなどにアルキレ
ンオキサイドをブロック付加した非イオン界面活性剤で
あれば特に制限なく使用できる。特に本発明では下記一
般式(1)で表される化合物の使用が好ましい。
基又はアラルキル基を表し、EOはオキシエチレン基、
POはオキシプロピレン基、aは1〜20の整数、bは
1〜20の整数を表す。)
ール又はアルキルフェノールにエチレンオキサイドを付
加した後、プロピレンオキサイドを付加することにより
得られる。ここでエチレンオキサイドを付加した後にプ
ロピレンオキサイドを付加することにより末端がPOで
あることが特徴であり、非イオン性界面活性剤に特有な
発泡性を抑制し、かつ優れた冷却性、潤滑性、切削性を
得るために特に有効である。 プロピレンオキサイドを
付加した後にエチレンオキサイドを付加した場合には、
発泡性を抑制する能力が弱くなる。またエチレンオキサ
イドとプロピレンオキサイドをランダムに付加した場合
には、発泡性を抑制できず、十分な耐摩耗性や切削性が
得られない。
〜22のアルキル基、炭素数8〜22アルケニル基又は
炭素数8〜22のアラルキル基を表し、好ましくは、炭
素数10〜16のアルキル基、炭素数10〜16アルケ
ニル基又は炭素数14〜15のアラルキル基を表す。こ
れらのアルコール類としては、例えば、オクチルアルコ
ール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリス
チルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコ
ール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコールなどの
天然アルコール類、オキソアルコール、チーグラーアル
コールなどの合成アルコール類、ノニルフェノール、オ
クチルフェノールなどのアルキルフェノール類が好適に
用いられる。
ンオキサイド及びプロピレンオキサイドの重合度を表
し、それぞれ1〜20の範囲であることが好ましい。さ
らに好ましくは、aが1〜10、bが1〜10の範囲で
ある。またアルキレンオキシドの全重合度(a+b)は
2〜40の範囲であり、好ましくは2〜20の範囲であ
る。全重合度が40以上になれば成分(A)自体が粘稠に
なることから、冷却性、潤滑性、切削性が低下する場合
がある。前記一般式(1)のaとbの比a/bは1/1
0〜10/1の範囲であることが好ましく、特に2/8
〜8/2の範囲であることが好ましい。a/bの比を変
えることにより成分(A)を水溶性にも油溶性にもするこ
とができる。油溶性のものを水溶性切削油剤として使用
する場合には、他の界面活性剤を添加して水溶性とする
ことができる。
その必須成分としてさらに成分(B)として特定のカルボ
ン酸の塩を含む。かかる成分(B)は、潤滑成分として作
用し、かつ成分(A)を可溶化する可溶化剤として作用す
るものであれば特に制限はない。本発明のカルボン酸の
塩は、カルボン酸を例えばアルカリ金属水酸化物、無機
アミン、有機アミンで中和して得ることができる。アル
カリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウムなどが挙げられ、無機アミンと
してはアンモニア水が、有機アミンとしてはモノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ンなどのアルカノールアミン類、脂肪族アミン類、脂環
式アミン類、芳香族アミン類が挙げられる。本発明にお
いては特にアルカノールアミン類が好ましい。
2のカルボン酸が好ましく、脂肪族カルボン酸、脂環式
カルボン酸、芳香族カルボン酸、モノカルボン酸、ジカ
ルボン酸、トリカルボン酸などが挙げられる。脂肪族カ
ルボン酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノレイン
酸、ベヘニン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、脂
環式カルボン酸としては、テトラヒドロフタル酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、
ドデセニルコハク酸、4−メチルテトラヒドロフタル
酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられ、芳
香族カルボン酸としては、パラターシャリブチル安息香
酸が挙げられる。
般式(2)で表されるヘテロ原子(X)含有アルキレン
ジカルボン酸が挙げられる。 MOOC−R1−X−R2−COOM (2) ここでヘテロ原子含有基には、チオ基、ジチオ基、スル
フィン基、スルホン基が挙げられる。また、R1とR2の
炭素数の合計が2〜20、好ましくはR1とR2が炭素数
2〜8のアルキレン基であることが好ましく、R1とR2
の炭素数は同一でもよく、異なっていてもよい。これら
のカルボン酸として、例えば、チオジプロピオン酸、ジ
チオジプロピオン酸、スルフィニルジプロピオン酸、ス
ルホニルジプロピオン酸などが挙げられる。
機アミン、有機アミンのいずれか1種以上で中和して用
いられ、本発明の水溶性切削油剤組成物においては、特
にアルカノールアミン類が好ましく、潤滑成分として用
いる場合には1種以上を配合して用いてもよい。これら
のカルボン酸塩は、潤滑性と切削性と防錆性の向上を目
的に、或いは乳化剤又は可溶化を目的に1種以上を配合
して用いることができる。
した成分(A)と成分(B)とを配合することにより、それ
ぞれ単独で用いた場合より優れた発泡抑制性と潤滑性、
切削性が得られる。成分(A)と成分(B)の配合割合は、
成分(A)10〜90重量%に対し成分(B)が90〜10
重量%の範囲が好ましく、特に成分(A)40〜90重量
%に対し成分(B)60〜10重量%の範囲が好ましい。
物は、成分(A)と成分(B)とともにさらに成分(C)とし
て水を混合したものを含むものである。成分(C)を加え
ることによりさらに優れた冷却性を得ることができる。
成分(C)の配合量は特に制限されないが、成分(A)5〜
90重量%、成分(B)5〜90重量%の範囲である場合
に成分(C)が5〜50重量%の範囲であることが好まし
い。より冷却性を効果的に得る配合割合としては、成分
(A)と成分(B)の合計50〜95重量%に対して、成分
(C)が50〜5重量%の配合が好ましく、特に成分(A)
と成分(B)の合計70〜95重量%に対して、成分(C)
が30〜5重量%が好ましい。
る水溶性切削油剤組成物を、希釈することなくそのまま
の濃度(原液)で、または適当な濃度に水で希釈して、
その少量を霧状(ミスト状)で切削部位に供給しつつ行
うことを特徴とする。霧状(ミスト状)で切削部位に供
給する方法およびそのための装置については特に制限は
なく通常のスプレー手段が好ましく使用できる。かかる
霧状(ミスト状)で切削部位に供給する方法により、水
溶性切削油剤組成物の極微量の使用で十分な潤滑性、抑
泡性、切削性、冷却性を有する優れた切削加工方法とな
る。
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら
限定されるものではない。
めに、表1に示す成分組成の組成物を調整し、以下に示
す性能試験を行った。 (i) 潤滑性 FALEX試験機を使用し、ピン試験片に荷重をかけながら
回転させ、その際のピン試験片の重量減少(mg)で潤
滑性を評価した。試験条件は次の通りである。 荷重範囲:300〜1000lb(100lb毎に1分
間計8分保持) 滑り速度:5.88m/min 油剤濃度:原液使用 (ii)起泡性 試験液20gを100ml共栓付きメスシリンダーに採
り、上下に100回激しく振とうし、振とう直後の泡高
さ(mm)を測定する。 (iii) 切削性 SS材のエンドミル加工における仕上げ面粗さ(Rz、
単位μm)から切削性を評価した。試験条件は次の通り
である。 切削マシン:立形マシニングセンターMC−510VF
(松浦機械製作所製)、ミスト供給装置使用 被削材:SS41 切削速度:V=150mm/min 送り速度:f=0.1mm/rev 切込み:d=3mm 油剤濃度:原液使用 (iv) 冷却性 上記の加工条件で1時間切削加工後の被削材の表面温度
(℃)を測定し、冷却性を評価した。得られた結果を表
1にまとめた。
発明の水溶性切削油剤組成物の(A)成分を(B)成分とと
もに含むことによりによりに優れた潤滑性を発揮するこ
とがわかる。さらに成分(A)のうちでも末端がPOのアル
キレンオキサイドブロック付加型非イオン界面活性剤化
合物(実施例2、3、5)の方が、末端がEOのアルキ
レンオキサイドブロック付加型非イオン界面活性剤化合
物(実施例1、4、6、7)よりも極めて良好な起泡性
(抑泡性)を発揮することがわかる。さらに、実施例5
と実施例8、9、10の結果から、成分(C)を含むこと
により優れた冷却性を発揮することがわかる。
は、成分(A)としてアルキレンオキサイドブロック付加
型非イオン界面活性剤を10〜90重量%、成分(B)と
してカルボン酸塩を10〜90重量%を含有することを
特徴とする水溶性切削油剤組成物である。さらには成分
(A)を5〜90重量%、成分(B)を5〜90重量%とと
もに成分(C)として水5〜50重量%を含有することを
特徴とすることから、セミドライ切削加工法に適した優
れた潤滑性、切削性、冷却性を発揮する。さらに本発明
にかかる切削加工法は、かかる水溶性切削油剤を工具刃
先に極微量スプレー塗布(霧状、ミスト状にして)する
ことにより、潤滑性、切削性、冷却性に優れる。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)アルキレンオキサイドブロック付
加型非イオン界面活性剤10〜90重量%、(B)カルボ
ン酸塩10〜90重量%を含有する水溶性切削油剤組成
物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の水溶性切削油剤組成物
であり、成分(A)を5〜90重量%、成分(B)を5〜9
0重量%、さらに成分(C)として水を5〜50重量%含
有することを特徴とする水溶性切削油剤組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかに記載の水溶
性切削油剤組成物であって、成分(A)が、下記一般式
(1)で表されることを特徴とする水溶性切削油剤組成
物。 【化1】 (式中、Rは炭素数8〜22のアルキル基、アルケニル
基又はアラルキル基を表し、EOはオキシエチレン基、
POはオキシプロピレン基、aは1〜20の整数、bは
1〜20の整数を表す。) - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性
切削油剤組成物であって、成分(B)が、炭素数8〜22
の脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸及び芳香族カル
ボン酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であ
ることを特徴とする水溶性切削油剤組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性
切削油剤組成物であって、成分(B)が、下記一般式
(2)で表されるヘテロ原子含有アルキレンジカルボン
酸の塩であることを特徴とする水溶性切削油剤組成物。 MOOC−R1−X−R2−COOM (2) (式中、R1及びR2はそれぞれ飽和炭化水素基、不飽和
炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基を
表し、R1とR2の炭素数の合計が2〜20であり、Xは
チオ基、ジチオ基、スルフィニル基又はスルホニル基を
表し、Mはアルカリ金属、無機アミン又は有機アミンを
表す。) - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の水溶性
切削油剤組成物を霧状で切削部位に供給することを特徴
とする切削加工方法。
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