JP2003064391A - 水系潤滑剤 - Google Patents

水系潤滑剤

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JP2003064391A
JP2003064391A JP2001252751A JP2001252751A JP2003064391A JP 2003064391 A JP2003064391 A JP 2003064391A JP 2001252751 A JP2001252751 A JP 2001252751A JP 2001252751 A JP2001252751 A JP 2001252751A JP 2003064391 A JP2003064391 A JP 2003064391A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い潤滑性を有すると同時に、廃水処理性も
優れた水系潤滑剤を提供すること。 【解決手段】 本発明は、分子中に少なくとも1つの1
級アミノ基を有し、かつ水に不溶性のポリオキシアルキ
レン化合物を、有機カルボン酸又はその塩で水に分散又
は可溶化させた懸濁液又は水溶液を必須成分として含有
する水系潤滑油である。このポリオキシアルキレン化合
物としては、下記の一般式(1)のものが好ましい。 【化1】 (式中、R1はモノオール又はポリオールから水酸基を
除いた残基を表わし、R2はアルキレン基を表わし、A
Oはオキシアルキレン基を表わし、aは1以上の数を表
わし、bはR1の水酸基の数と同一の数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエーテル化合
物を有機カルボン酸により水に分散又は可溶化させた水
系潤滑剤、及びそれを用いた水系難燃性作動油、水系金
属加工油剤若しくは水系ラップ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】水系難燃性作動油や水系金属加工油のよ
うな水系潤滑油においては、潤滑性の向上剤や増粘剤と
して従来から水溶性のポリエーテル化合物が使用されて
いる。水溶性のポリエーテル化合物を配合した水系潤滑
剤は外観が透明であり、不燃性で高温での安定性が高
く、分離や腐敗の心配が無い等の利点がある。しかし、
水溶性のポリエーテル化合物は、水に対して親和力が強
く生分解されないため、このようなポリエーテルを含ん
だ廃水の処理の際に媒体(通常は水)から分離すること
が困難であり、凝集沈殿法や活性汚泥法等の一般的な廃
水処理方法では、CODが下がらず、河川等を汚染する
可能性があった。
【0003】これに対して、廃水処理性の良いポリエー
テル化合物として、希釈分液又は凝集沈殿により分離可
能な特定の構造を有するポリオキシアルキレンジエーテ
ル(特開昭57−14969号公報、特開平6−279
980号公報、特開平10−183163号公報等)、
凝集沈殿により分離可能な酸性リン酸エステル基を含有
するポリエーテル化合物(特開昭59−38295号公
報、特開平7−53985号公報等)、凝集沈殿により
分離可能なカルボキシル基を含有するポリエーテル化合
物(特開平8−283772号公報、特開平9−409
90号公報等)等が提案されている。また、潤滑性の改
良等を目的として、ポリオキシアルキレンジアミン化合
物の脂肪酸変性物(米国特許4795581号公報)、
ポリオキシアルキレンジアミン化合物(特開平9−67
590号公報、特開平9−324188号公報)等をを
配合した水系作動油が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ポ
リオキシアルキレンジエーテル類は、水層との分離が不
十分であるために廃液処理性が不十分である。また、酸
性リン酸エステル基を含有するポリエーテル化合物は、
徐々に加水分解を受けて、無機のリン酸とリン酸エステ
ル基を有せず凝集沈殿が困難なポリエーテル化合物成分
になるために、長期間保存又は長期間使用すると、pH
が低下し金属部材を腐食したり、無機のリン酸により微
生物が発生して腐敗したり、凝集沈殿による廃水処理性
が低下する欠点があった。また、カルボキシル基を含有
するポリエーテル化合物は、その製法に起因して、粗生
成物中に副生成物又は未反応物として、凝集沈殿しない
ポリエーテル化合物が多量に存在することとなり、その
結果廃水処理性が低下するが、これらのポリエーテル化
合物の除去、精製が工業的には非常に困難であった。ま
た、特開平9−40990号公報に記載の方法のように
ハロゲン化合物を用いてカルボキシル基を含有するポリ
エーテル化合物を製造した場合には、微量に残存するハ
ロゲン元素により、水系作動油に使用した場合には、ポ
ンプ等の潤滑部分が腐食しやすいという欠点があった。
【0005】また、米国特許4795581号公報で
は、ポリオキシアルキレン基中にオキシエチレン基を7
0〜99重量%含むポリオキシアルキレンジアミン化合
物の脂肪酸変性物を開示しているが、これは水溶性が高
く廃水処理性は不十分であった。特開平9−67590
号公報では、ポリオキシエチレンジアミン化合物を0.
2重量%〜5重量%含有する水系作動油を開示している
が、このポリオキシエチレンジアミン化合物は水溶性が
高く廃水処理性は不十分であった。また、特開平9−3
24188号公報では、潤滑剤基油を界面活性剤を用い
て水に分散させ、ジカルボン酸のアルカリ金属塩等とポ
リオキシエチレンジアミン化合物を含有する廃水処理性
の良いw/o型の水系作動油を開示しているが、これは
w/o型であるため作動油中の水分量が少なく十分な難
燃性が得られず、また、ポリオキシエチレンジアミン化
合物は水溶性が高いため凝集沈殿等の方法では、廃水中
から除去が困難であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水系潤滑
剤におけるこのような現状に鑑み、高い潤滑性を有し、
廃水処理性も良好な水系潤滑剤を得るべく鋭意検討した
結果、1級アミノ基を有し、水に不溶性のポリオキシア
ルキレン化合物を、有機カルボン酸で水に分散又は可溶
化させることによりかかる水系潤滑剤が得られることを
見出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、分子中に少なくとも1つ
の1級アミノ基を有し、かつ水に不溶性のポリオキシア
ルキレン化合物を、有機カルボン酸又はその塩で水に分
散又は可溶化させた懸濁液又は水溶液を必須成分として
含有する水系潤滑剤である。また、本発明は、分子中に
少なくとも1つの1級アミノ基を有し、かつ水に不溶性
のポリオキシアルキレン化合物を、有機カルボン酸又は
その塩で水に分散又は可溶化させた懸濁液又は水溶液を
必須成分として含有する水系作動油である。また、本発
明は、分子中に少なくとも1つの1級アミノ基を有し、
かつ水に不溶性のポリオキシアルキレン化合物を、有機
カルボン酸又はその塩で水に分散又は可溶化させた懸濁
液又は水溶液を必須成分として含有する水系金属加工油
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の分子中に少なくとも1つ
の1級アミノ基を有し、かつ水に不溶性のポリオキシア
ルキレン化合物は、分子中に少なくとも1つの1級アミ
ノ基とポリオキシアルキレン基を有する、水に対して不
溶性の化合物であれば使用することができる。ただし、
有機カルボン酸又はその塩で水に分散又は可溶化するこ
とができることが必要であり、そのため、この化合物の
分子量は50,000以下の範囲であり、好ましくは3
0,000以下である。このようなポリオキシアルキレ
ン化合物としては、例えば、下記の一般式(1)で表わ
される化合物が挙げられる。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1はモノオール又はポリオール
から水酸基を除いた残基を表わし、R2はアルキレン基
を表わし、AOはオキシアルキレン基を表わし、aは1
以上の数を表わし、bはR1の水酸基の数と同一の数を
表す。)
【0011】尚、ここで「水に不溶性」とは、室温(2
0℃)の水に対して溶解度が2重量%以下であであるも
のを言う。より好ましくは、室温(20℃)の水に対し
て溶解度が1重量%以下である。
【0012】一般式(1)において、R1はモノオール
又はポリオールから水酸基を除いた残基を表わし、bは
1の水酸基の数と同一の数を表す。モノオールとして
は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2級
ブタノール、ターシャリブタノール、ペンタノール、イ
ソペンタノール、2級ペンタノール、ネオペンタノー
ル、ターシャリペンタノール、ヘキサノール、2級ヘキ
サノール、ヘプタノール、2級ヘプタノール、オクタノ
ール、2―エチルヘキサノール、2級オクタノール、ノ
ナノール、2級ノナノール、デカノール、2級デカノー
ル、ウンデカノール、2級ウンデカノール、ドデカノー
ル、2級ドデカノール、トリデカノール、イソトリデカ
ノール、2級トリデカノール、テトラデカノール、2級
テトラデカノール、ヘキサデカノール、2級ヘキサデカ
ノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコ
ール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノー
ル、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ミリシルア
ルコール、ラッセロール、テトラトリアコンタノール、
2―ブチルオクタノール、2―ブチルデカノール、2―
ヘキシルオクタノール、2―ヘキシルデカノール、2―
オクチルデカノール、2―ヘキシルドデカノール、2―
オクチルドデカノール、2―デシルテトラデカノール、
2―ドデシルヘキサデカノール、2―ヘキサデシルオク
タデカノール、2―テトラデシルオクタデカノール、シ
クロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタ
ノール、メチルシクロペンタノール、メチルシクロヘキ
サノール、メチルシクロヘプタノール、ベンジルアルコ
ール等の1価のアルコール;及び、フェノール、クレゾ
ール、ジメチルフェノール、エチルフェノール、プロピ
ルフェノール、ターシャリブチルフェノール、ペンチル
フェノール、ヘキシルフェノール、ヘプチルフェノー
ル、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニル
フェノール、デシルフェノール、ウンデシルフェノー
ル、ドデシルフェノール、フェニルフェノール、ベンジ
ルフェノール、スチレン化フェノール、p―クミルフェ
ノール等の1価のフェノールが挙げられる。
【0013】又、ポリオールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、イソプレングリコール(3−メチル−1,3−
ブタンジオール)、1,2−ヘキサンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、1,2−オクタンジオール、オクタンジオール
(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)、2−ブチ
ル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,5−
ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,2−デカン
ジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラ
デカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,
2−オクタデカンジオール、1,12−オクタデカンジ
オール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、水素化ビスフェノールA、ソルバイド、2,5
−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3,6
−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,
4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオ
ール、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、N−メチル
ジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等
の2価アルコール;グリセリン、1,2,3−ブタント
リオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル
−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペン
タントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、
1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタ
ントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオ
ール、トリメチロールエタン、2,3,4−ヘキサント
リオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオー
ル、トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,
5−ヘプタントリオール、ペンタメチルグリセリン
(2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオー
ル)、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールア
ミン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,
2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘ
キサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロー
ル、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリ
ン、ジトリメチロールプロパン、ソルビタン、N,N,
N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレ
ンジアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒド
ロキシエチル)エチレンジアミン等の4価アルコール;
アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグレ
セリン等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、
ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトー
ル、ダルシトール、タロース、アロース等の6価アルコ
ール;蔗糖等の8価アルコール;ビスフェノールA、臭
素化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS等の2価のフェノール;トリス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、1,1,3−トリス(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−6−メチルフェニルブタン等の3価のフェノ
ール等が挙げられる。
【0014】これらの中でも、R1として好ましいの
は、2価以上のアルコールが好ましく、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン及びペンタエリス
リトールが特に好ましい。
【0015】一般式(1)において、R2はアルキレン
基を表わす。アルキレン基としては例えば、メチレン、
エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセ
ン、ヘプテン、オクテン等が挙げられ、これらの中でも
炭素数2〜4のアルキレン基であることがより好まし
い。
【0016】又、一般式(1)において、AOはオキシ
アルキレン基を表わす。オキシアルキレン基としては、
例えば、オキシプロピレン、オキシブチレン等が挙げら
れ、オキシプロピレン又はオキシブチレンが好ましく、
オキシプロピレンが最も好ましい。aは1以上の数であ
り、1〜150が好ましく、5〜100がより好まし
く、10〜80が最も好ましい。aが150よりも大き
い場合には、1級アミノ基の分子に占める含量が相対的
に低下して、潤滑性が低下することがある。
【0017】(AO)aで表される基は、単一のオキシ
アルキレン基からなるポリオキシアルキレン基、2種以
上のオキシアルキレン基の混合からなるポリオキシアル
キレン基のいずれでも良い。(AO)aで表される基
が、2種以上のオキシアルキレン基の混合からなるポリ
オキシアルキレン基である場合は、その1種はオキシエ
チレン基でもよい。ただし、(AO)aで表されるポリ
オキシアルキレン基中のオキシエチレン基の割合が多い
と一般式(1)で表される化合物が水溶性が高くなり廃
水処理性が悪化することから、(AO)aで表されるポ
リオキシアルキレン基中のオキシエチレン基の割合は、
50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下
であることがさらに好ましい。一方、一般式(1)で表
わされる化合物は、分子量が大きくなるにつれて、有機
カルボン酸又はその塩で分散または溶解することが困難
になる傾向があるため、一般式(1)で表わされる化合
物の分子量が3000以上の場合には、(AO)aで表
されるポリオキシアルキレン基中のオキシエチレン基の
割合はある程度高くすることが好ましく、その割合は5
〜40重量%であることが好ましく、10〜40重量%
であることがより好ましい。
【0018】前記一般式(1)で表される化合物は、例
えば、(A)次の反応式で示すように、水酸基を有する
ポリエーテル化合物の水酸基にアルリロニトリルを付加
してニトリル化合物とした後、水素添加して、一級アミ
ノ基とする方法
【0019】
【化3】
【0020】;(B)次の反応式で示すように、水酸基
を有するポリエーテル化合物の水酸基に、エチレンイミ
ン等の環状イミンを付加して一級アミノ基とする方法
【0021】
【化4】
【0022】;(C)次の反応式で示すように、水素雰
囲気下で、水酸基を有するポリエーテル化合物とアンモ
ニアを反応させて水酸基を一級アミノ基に還元する方法
【0023】
【化5】
【0024】等により製造することができる。この中
で、一般式(1)で表される化合物としては、(C)の
方法により製造さたものが、一級アミノ基の含有量が高
く、副生成物の含有量が低いことから好ましい。(C)
の方法の具体的な条件は、米国特許3654370号公
報、特開平1−125350号公報等に開示されてい
る。
【0025】本発明の水系潤滑油に用いる有機カルボン
酸としては、例えば、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペ
ンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、
オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、
ノナン酸、イソノナン酸、デカン酸、イソデカン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;グリコ
ール酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、クエン酸、1
2−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、サリチル
酸等のヒドロキシカルボン酸;ポリ乳酸オリゴマー、1
2−ヒドロキシステアリン酸脱水縮合物、リシノール酸
脱水縮合物等のヒドロキシカルボン酸オリゴマー;シュ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ドデカン二酸、アルケニルコハク酸、ダイマー酸、フタ
ル酸等のジカルボン酸;トリマー酸、ナフテン酸、9
(又は10)−(4−ヒドロキシフェニル)オクタデカ
ン酸、安息香酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が
挙げられ、これらの有機カルボン酸うちの1種を用いて
も良いし、2種以上を併用して用いても良い。これら脂
肪酸のうち、潤滑性の面からは、これらの有機カルボン
酸のうち炭素数6〜36の有機カルボン酸が好ましく、
炭素数10〜18の脂肪酸、炭素数10〜18のヒドロ
キシカルボン酸又は炭素数6〜18の脂肪族ジカルボン
酸が更に好ましい。
【0026】又、本発明のポリオキシアルキレン化合物
は、その分子中のオキシエチレン基含量が低いものほ
ど、又は高分子量になるにしたがって、水に分散又は溶
解しにくくなるが、この場合、有機カルボン酸としてヒ
ドロキシカルボン酸を使用することによってポリオキシ
アルキレン化合物の水に対する分散性又は溶解性を向上
させることができるため好ましく、炭素数10〜22の
ヒロロキシ脂肪酸が更に好ましく、リシノール酸又は1
2−ヒドロキシステアリン酸が最も好ましい。また、有
機カルボン酸は、その一部又は全部がアルカリ金属又は
アンモニウムとの塩となっているものを用いても良い。
有機カルボン酸の塩を用いた場合は、本発明のポリオキ
シアルキレン化合物が容易に分散又は可溶化される場合
がある。
【0027】以上のように、本発明の水系分散剤は、分
子中に少なくとも1つの1級アミノ基を有する、水に不
溶性のポリオキシアルキレン化合物を使用すること、及
びポリオキシアルキレン化合物を有機カルボン酸又はそ
の塩で水に分散又は可溶化させた懸濁液又は水溶液の状
態とすることを特徴としたものであり、水に不溶性とい
う特性と水に分散又は可溶化できるという特性の両者を
同時に満足するように、上記のポリオキシアルキレン基
の種類(オキシエチレン基の割合の含有割合など)と大
きさ、モノオールまたはポリオール残基の種類、及び有
機カルボン酸の種類を選択したものである。
【0028】本発明においてポリオキシアルキレン化合
物を有機カルボン酸又はその塩で水に分散又は可溶化さ
せた場合には、予め本発明のポリオキシアルキレン化合
物と有機カルボン酸とを混合してから水に添加しても良
いし、それぞれを別々に若しくは同時に水に添加しても
良い。
【0029】本発明の水系潤滑油において、分子中に少
なくとも1つの1級アミノ基を有し水に不溶性のポリオ
キシアルキレン化合物の含有量は、水系潤滑油としては
通常0.1〜60重量%であり、好ましくは1〜50重
量%であり、また、分子中に少なくとも1つの1級アミ
ノ基を有しかつ水に不溶性のポリオキシアルキレン化合
物と、有機カルボン酸又はその塩との重量の合計が、水
を除く全成分の重量の合計に対して、20〜100重量
%、好ましくは30〜90重量%である具体的には、例
えば、水系作動油では通常5〜60重量%であり、好ま
しくは15〜50重量%であり、水系金属加工油では
0.1〜50重量%であり、好ましくは1〜10重量%
である。なお、この含有量は、いわゆる原液状態の含有
量であり、使用目的に応じて、原液のまま使用すること
ができ、又、原液を水で2〜200倍程度に希釈して使
用することも可能である。有機カルボン酸は、分子中に
少なくとも1つの1級アミノ基を有し水に不溶性のポリ
オキシアルキレン化合物を分散又は可溶化させるのに十
分な量を適宜添加すれば良いが、概ね、有機カルボン酸
は、本発明のポリオキシアルキレン化合物のアミノ基に
対して、0.5〜2当量、好ましくは0.8〜1.5当
量配合することが好ましい。
【0030】本発明の水系潤滑油は、分子中に少なくと
も1つの1級アミノ基を有し水に不溶性のポリオキシア
ルキレン化合物を、有機カルボン酸で水に分散又は可溶
化させたことを特徴としている。本発明の水系潤滑油
は、高い潤滑性を示すが、これは、1級アミノ基及びオ
キシアルキレン基を有するといった、特定の構造からな
るポリエーテル化合物を使用したことにあると推察され
る。また、本発明の水系潤滑油は、水に不溶性のポリオ
キシアルキレン化合物を、有機カルボン酸で水に分散又
は可溶化さているために、容易に廃水中のポリオキシア
ルキレン化合物が凝集して沈降するため、凝集沈殿法等
の簡便な方法により有機物を効果的に除去することが可
能であり、優れた廃水処理性を発揮する。
【0031】本発明の水系潤滑剤の廃液処理方法として
は、凝集剤を添加する凝集沈澱法が最も一般的な方法と
して挙げられる。凝集剤としては、例えば、硫酸アルミ
ニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二
鉄、塩酸第一鉄、塩酸第二鉄、アルミン酸ナトリウム、
アンモニウム明ばん、カリ明ばん、酸価マグネシウム、
消石灰等が挙げられる。また、廃液に硫酸等を添加して
有機カルボン酸を遊離させることにより分離する方法;
廃液に塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等を多量に添加
して、塩析現象を利用して分離する方法;廃液を加熱
し、いわゆる曇点現象を利用して分離する方法等も、廃
水処理方法として有用である。なお、これらの方法で濃
厚な廃液を処理した場合には、本発明の分子内に少なく
とも一つのアミノ基を有しかつ水に不溶性のポリオキシ
アルキレン化合物を分離回収できる場合がある。分離回
収したポリオキシアルキレン化合物は、必要に応じて精
製し、リサイクル使用してもよい。
【0032】本発明の水系潤滑油は、分子中に少なくと
も1つの1級アミノ基を有し水に不溶性のポリオキシア
ルキレン化合物が有機カルボン酸により可溶化され、外
観が半透明または透明である、いわゆるソリューション
タイプでも良いし、乳化若しくは分散された、外観が不
透明なエマルジョンタイプでも良い。このうち、外観が
半透明または透明である、いわゆるソリューションタイ
プは、水系潤滑剤の使用中の劣化の程度やコンタミの混
入の有無等の管理が容易であることから好ましい。
【0033】本発明の水系潤滑剤は、更に他の成分、例
えば、油性剤、摩擦緩和剤、極圧剤、酸化防止剤、清浄
剤、分散剤、消泡剤、凝固点降下剤、乳化剤、界面活性
剤、防錆剤、防腐剤、防食剤、溶剤、塩基性化合物、研
摩若しくは切断加工用砥粒等を含有することができる。
【0034】油性剤としては、油性剤としては、例え
ば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パル
ミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルア
ルコール等のアルコール;ラウリルアミド、ミリスチル
アミド、パルミチルアミド、ステアリルアミド、オレイ
ルアミド等のアミドおよびそのエチレンオキサイド付加
物等が挙げられる。なお、これらの化合物のなかには、
乳化性能、可溶化性能を有するものもある。
【0035】摩擦緩和剤としては、例えば、ヘキサン酸
(モノ、ジ、トリ)グリセリド、オクタン酸(モノ、
ジ、トリ)グリセリド、デカン酸(モノ、ジ、トリ)グ
リセリド、ラウリン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、
ミリスチン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、パルミチ
ン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、ステアリン酸(モ
ノ、ジ、トリ)グリセリド、オレイン酸(モノ、ジ、ト
リ)グリセリド、ソルビタンの脂肪酸エステル等のエス
テル類、硫化オキシモリブデンジアルキルジチオカーバ
メート、硫化オキシモリブデンジアルキルジチオホスフ
ェート、ジンクジアルキルジチオホスフェート、ジンク
ジアルキルジチオカーバメート等の金属塩類等が挙げら
れる。なお、これらの化合物のなかには、防錆性能、乳
化性能、可溶化性能を有するものもある。
【0036】界面活性剤としては、例えば、ポリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコールモノアルキル
(アリール)エーテル、ポリエチレングリコールジアル
キル(アリール)エーテル、ポリオキシエチレン/ポリ
オキシプロピレン共重合体、ポリオールエステル、ポリ
エーテルポリオール、アルカノールアミド、アルキルス
ルホン酸、(アルキル)ベンゼンスルホン酸、石油スル
ホネート等が挙げられ、これら界面活性剤は油性剤、増
粘剤としても作用することがある。
【0037】溶剤としては、例えば、メタノール、エタ
ノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
グリセリン、ソルビトール、低分子ポリエーテル等が挙
げられる。これら溶剤は、凝固点降下剤としても作用す
ることがある。
【0038】塩基性化合物としては、例えば、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ
リ金属水酸化物;アンモニア;メチルアミン、ジメチル
アミン、エチルアミン、ジエチルアミン、(イソ)プロ
ピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミン、ブチルアミ
ン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシル
アミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、
イソノニルアミン等の(シクロ)ヒドロカルビルアミン
類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレ
ンヘキサミン等のポリアルキレンポリアミン類;ピリジ
ン、ピペラジン等の環状アミン類;モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
プロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロ
パノールアミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチ
ル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキ
ス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のア
ルカノールアミン類等が挙げられる。尚、これらの塩基
性化合物は、過剰の有機カルボン酸等を中和しpHを上
げて微生物の増殖による本発明の水系潤滑油の腐敗を防
ぐ等の効果がある。またアミン類は、防錆剤、防食剤と
して作用する場合もある。なお、アミン類を多量に用い
る場合は、凝集沈殿法等による除去が困難であり、廃水
のCODを上げる原因となることから、塩基性化合物と
しては、金属水酸化物が好ましい。
【0039】本発明の水系潤滑油は、従来、水系潤滑油
が使われてきた用途のうち、特に、水系切削油、水系研
磨油、水系ダイキャスト油、水系圧延油、及び水系鍛造
油等の水系金属加工油、水系作動油、水系熱伝送油、水
系ラップ剤(砥粒が分散された研磨もしくは切断加工
液)等に好適に使用することができる。水系潤滑油の形
態は特に限定されず、エマルジョン系、ソリューション
系でも良いが、水系潤滑油の保守管理が容易であること
から、ソリューションがより好ましい。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。尚、以下の実施例中、部及び%は特に記載が無
い限り重量基準である。
【0041】(i)合成例−PEA1の合成:窒素ガス導
入管及び攪拌装置を備えた1リットルオートクレーブ
に、ジエチレングリコールのエチレンオキシド及びプロ
ピレンオキシドのランダム共重合物(分子量2500、
エチレンオキシド/プロピレンオキシド=10/90重
量比)450g及びラネー・ニッケル触媒45gを仕込
み、系内を水素で置換した後、アンモニア75gを入れ
た。オートクレーブに水素を導入し、28℃で2.4M
Paまで圧力を上昇させた。温度を60分かけて245
℃まで昇温させ、240〜250℃に30分間保持した
後、速やかに室温まで冷却した。冷却後のオートクレー
ブの圧力は28℃で1.1MPaであった。内容物を濾
過後、100℃で減圧して低沸点物を留去し、下記の一
般式(1)および表1に示す、分子中に2つの1級アミ
ノ基を有するポリオキシアルキレン化合物「PEA1」
を得た。
【0042】同様にして、表1に示す種々のベース化合
物及びアルキレンオキサイドを用いて、PEA2〜7を
得た。PEA1〜7の構造、分子量及び水溶性試験結果
を表1に示す。なお、分子量はアミノ化前のポリオキシ
アルキレン化合物の水酸基価より換算した数平均分子量
をそのまま用いた。また、水溶性は水に1重量%添加し
て、室温で透明に溶解するものを「溶解」とし、白濁又
は水と分離するものを「不溶」とした。この他、比較の
ために、表2に示す種々のベース化合物及びアルキレン
オキサイドを用いて、PE1〜6及びPEA8、9を公
知の方法により合成した。
【0043】
【化6】
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】(ii) 一般水系潤滑剤としての評価:PE
A1〜7及びPEA8については、これらが水に不溶性
であるため、有機カルボン酸を加えて水に溶解して、表
3に示す組成の本発明の実施例の水系潤滑剤を調製し
た。PE1〜6及びPEA9については、これらが水溶
性であるた水性の透明な溶液であるが、PEA1〜7及
びPEA8を用いた本発明の実施例と同一の条件で比較
するために,同量の有機カルボン酸(カプリン酸)を添
加し、このカプリン酸が溶解しないため更にトリエタノ
ールアミンを加えて、表3に示す組成の比較例の水系潤
滑剤を調製した。これらの水系潤滑剤について、以下の
方法で潤滑性及び廃水処理性を評価した。これらの測定
結果を表3に示す。
【0047】<潤滑性試験> 下記の試験条件で、試料の各水系潤滑剤での摩擦係数
(μ)を測定した。 試験条件: 試験機器:曽田式振子型摩擦試験機NII型(神鋼造機社
製) 全荷重 :0.5kg 測定温度:40℃
【0048】<廃水処理性試験>試料の各水系潤滑剤の
1%水溶液について、それぞれに硫酸バンド0.5%を
加えた後、高分子凝集剤(ミズフロック200水澤化学
工業(株)製)を10ppm添加し、室温で1時間静置
後した後、沈澱物をろ過した。各試料の廃水処理前のC
ODと廃水処理のろ過後CODを測定し、次の式によっ
て廃水処理性(%)を求めた。 廃水処理性(%)=100×(B−A)/B A:廃水処理、ろ過後の水溶液のCOD(ppm) B:廃水処理前の1%水溶液のCOD(ppm)
【0049】
【表3】
【0050】(iii)水系作動油としての評価:PEA
6、7及びPE2、3、PEA9を用いて表4に示す配
合組成の本発明品及び比較品の種々の水系作動油組成物
を調製した。これらの水系作動油にてについて、以下の
試験条件及び評価方法にてスラッジの付着と摩耗量を求
め、(i)と同様にしてCODを測定し、水系作動油とし
ての評価を行なった。これらの結果を表4に示す。 試験条件 試験機 :ベーンポンプ(ベッカーズ社製、V−104
C) 回転数 :1,200rpm 吐出圧力:140kg/cm2 ポンプ入口温度:50℃ 運転時間:1,000時間 評価方法 スラッジの付着:試験後のベーン及びカムリングに付着
したスラッジを下記の基準にて判定した。 ○:スラッジの付着がない、又はほとんどない。 △:スラッジがやや付着している。 ×:スラッジが多い。 摩耗量:ベーン及びカムリングの試験前後の重量を測定
し、その減少量の合計を摩耗量とした。
【0051】
【表4】
【0052】(iv)切削油としての評価:PEA1〜3、
5及びPE1、5、6、PEA8、9を用いて表5に示
す配合組成の本発明品及び比較品の種々の切削油組成物
を調製した。これらの切削油にてについて、ファレック
ス型摩擦試験機を使用して下記の条件でピンの摩耗量を
測定し、(i)と同様にしてCODを測定し、水系切削油
としての評価を行なった。これらの結果を表5に示す。 試験条件(ASTM D2670準拠) 試験機:ファレックス型摩擦試験機 ピン(試験片)の材質 :AISI 3135 ブロック(試験片)の材質:AISI C−1137 回転数:290rpm 荷重:600lb(272kg)
【0053】
【表5】
【0054】(v) ラップ剤としての評価:PEA1〜3
及びPE1、5、6を用いて、表6に示す配合組成物を
調製し、これらの配合組成物の100mlをそれぞれ共
栓付き100mlのメスシリンダーに取り、アルミナ砥
粒(フジミインコーポレーテッド、FO#1200)を
それぞれに20g加えて、これらの共栓付きメスシリン
ダーを100回、上下に振蕩してアルミナ砥粒を分散、
懸濁させて本発明品及び比較品の種々のラップ剤組成物
を調製した。なお、後述するように、振蕩してアルミナ
砥粒を分散、懸濁させたラップ剤は、引き続き砥粒分散
性試験に用いた。
【0055】
【表6】
【0056】これらのラップ剤について、下記の方法と
条件で砥粒分散性試験及びシリコンウェーハの研磨試験
を行ない、(i)と同様にしてCODを測定し、水系ラッ
プ剤としての評価を行なった。これらの結果を表7に示
す。
【0057】<砥粒分散性試験>アルミナを加え、振蕩
してアルミナ砥粒を分散、懸濁させた直後の本発明品及
び比較品の種々のラップ剤が入ったメスシリンダーを静
置し、沈降固相が最高高さに達するまでの時間により砥
粒分散性を評価した。なお、砥粒分散性の評価判定は、
以下の基準で行なった。 ◎:静置後60分以上で完全に沈降した。 ○:静置後41〜60分で沈降した。 △:静置後21〜40分で沈降した。 ×:静置後20分以内で沈降した。
【0058】<研磨試験>各ラップ剤について、それぞ
れ直径102mmのシリコンウェーハ約200枚野」研
磨加工を行ない、研磨後のシリコンウェーハについて、
擦り傷、割れ、ウエハ表面の微小なクラックの発生率
(%)を求めた。
【0059】
【表7】
【発明の効果】本発明の効果は、高い潤滑性を有し、凝
集沈殿法等の廃水処理方法により容易に廃水のCODを
下げることができる廃水処理性の良好な水系潤滑剤を提
供したことにある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 133/08 C10M 133/08 149/14 149/14 // C10N 10:02 C10N 10:02 20:00 20:00 Z 30:00 30:00 Z 40:08 40:08 40:20 40:20 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に少なくとも1つの1級アミノ基
    を有し、かつ水に不溶性のポリオキシアルキレン化合物
    を、有機カルボン酸又はその塩で水に分散又は可溶化さ
    せた懸濁液又は水溶液を必須成分として含有する水系潤
    滑油。
  2. 【請求項2】 分子中に少なくとも1つの1級アミノ基
    を有しかつ水に不溶性のポリオキシアルキレン化合物に
    対する、有機カルボン酸又はその塩の割合が、ポリオキ
    シアルキレン化合物のアミノ基に対して、0.5〜2当
    量であることを特徴とする、請求項1に記載の水系潤滑
    油。
  3. 【請求項3】 分子中に少なくとも1つの1級アミノ基
    を有しかつ水に不溶性のポリオキシアルキレン化合物
    と、有機カルボン酸又はその塩との重量の合計が、水を
    除く全成分の重量の合計に対して、20〜100重量%
    であることを特徴とする、請求項1又は2の何れか1項
    に記載の水系潤滑油。
  4. 【請求項4】 前記分子中に少なくとも1つの1級アミ
    ノ基を有し、かつ水に不溶性のポリオキシアルキレン化
    合物が、下記の一般式(1) 【化1】 (式中、R1はモノオール又はポリオールから水酸基を
    除いた残基を表わし、R2はアルキレン基を表わし、A
    Oはオキシアルキレン基を表わし、aは1以上の数を表
    わし、bはR1の水酸基の数と同一の数を表す。)で表
    されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に
    記載の水系潤滑油。
  5. 【請求項5】 有機カルボン酸がヒドロキシ脂肪酸であ
    ることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載
    の水系潤滑油。
  6. 【請求項6】 分子中に少なくとも1つの1級アミノ基
    を有しかつ水に不溶性のポリオキシアルキレン化合物
    を、有機カルボン酸又はその塩で水に分散又は可溶化さ
    せた懸濁液又は水溶液を必須成分として含有する請求項
    1〜5の何れか1項に記載の水系作動油。
  7. 【請求項7】 分子中に少なくとも1つの1級アミノ基
    を有しかつ水に不溶性のポリオキシアルキレン化合物
    を、有機カルボン酸又はその塩で水に分散又は可溶化さ
    せた懸濁液又は水溶液を必須成分として含有する請求項
    1〜5の何れか1項に記載の水系金属加工油。
  8. 【請求項8】 分子中に少なくとも1つの1級アミノ基
    を有しかつ水に不溶性のポリオキシアルキレン化合物
    を、有機カルボン酸又はその塩で水に分散又は可溶化さ
    せた懸濁液又は水溶液を必須成分として含有する請求項
    1〜5の何れか1項に記載の水系ラップ剤。
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