JP6892784B2 - 金属加工用潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、金属加工用潤滑油組成物に関する。
金属又はその合金の板あるいは箔を圧延等の金属加工する際に用いられる金属加工用潤滑油組成物には、生産性向上の見地から、圧延性能等の金属加工性能が要求される。同時に、加工後の金属表面の品質、特に、表面仕上げが良好であることが要求される。
従来、アルミニウム又はアルミニウム合金、銅又は銅合金等の非鉄金属の板もしくは箔の圧延加工には、鉱油や合成系炭化水素油に、アルコール類、脂肪酸エステル類、脂肪酸等の油性剤や極圧剤を配合した潤滑油が用いられてきた。
しかしながら、近年、特にアルミニウムの圧延加工品においては、電子材料への用途の拡大もあり、圧延の際に発生し圧延後の製品表面に残る圧延摩耗粉(以下、「製品表面上摩耗粉」ともいう)が少ないことが求められるようになった。電子材料用途では高純度のアルミニウムが用いられることが多く、軟らかいため摩耗粉が生じやすい。圧延時に発生するアルミニウム等の金属摩耗粉は、圧延後に板表面に不均一な汚れを生じ、焼鈍後にステインを生じる原因となり、表面品質を低下させる。圧延時に発生する摩耗粉量が少なくなれば、製品の表面品質を向上できるとともに、さらに圧延板の洗浄工程や圧延油の浄化に費やすコストや労力を少なくすることができる。
このような状況において、種々の金属加工用潤滑油が開発されている。例えば、特許文献1は、特定の含酸素化合物を含み、圧延潤滑性向上により圧延時に発生する摩耗粉量を低減する潤滑油を開示している。特許文献2は、特定のグリセリン誘導体を含み、ロールコーティングの発生を抑制して製品の表面品質を改善する潤滑油を開示している。特許文献3には、特定の含酸素化合物を含み、金属せっけんの生成を抑制し、摩耗粉の増加を抑制する潤滑油が記載されている。特許文献4には、特定のアルコール混合物を用いることにより、潤滑油の除去性、低臭気性、安全性及び安定性に優れた潤滑油が記載されている。特許文献5は、特定の鉱油を用いることにより、油剤除去性、被加工材の損傷や臭気、肌荒れ等を防止するアルミニウム加工用潤滑油を開示している。特許文献6は、特定のアミノ酸誘導体を用いて、油剤除去性、低臭気性、安全性及び安定性を向上させた金属加工油を開示している。
特開2003-96482号公報 特開2008-88428号公報 特開2001-329287号公報 特開2006-225595号公報 特開2004-315669号公報 特開2009-221448号公報
上記文献に具体的に記載された潤滑油は、種々の改善効果をもたらすものの、板状製品、箔状製品などの製品の表面品質に直接影響を与える、製品表面上摩耗粉量の低減効果については、さらなる改良が望まれる。
このような状況下、金属又はその合金の板あるいは箔、特に、アルミニウム等の非鉄金属の板あるいは箔を金属加工する際に、製品表面上摩耗粉量を低減することよって、より表面品質に優れる製品を得ることができる金属加工用潤滑油組成物の開発が望まれている。
本発明者らは、摩耗粉の潤滑油中への分散性を向上することによって、製品表面上摩耗粉量を低減させるという新規な着想に基づき鋭意検討した結果、特定の基油に、特定の含酸素化合物を添加することにより、所望の金属加工用潤滑油が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下に示す、金属加工用潤滑油組成物及び金属加工方法を提供する。
[1] (A)終留点が300℃以下である基油と、(B)炭素数が14以上で、酸素数が2以上であり、かつ、ヒドロキシル基、エーテル結合及びエステル結合のいずれか1以上を有する含酸素化合物を組成物全量基準で0.1〜3質量%、及び(C)油性剤を組成物全量基準で0.1〜10質量%を含む金属加工用潤滑油組成物。
[2] 上記[1]に記載の潤滑油組成物の存在下、金属材料を加工することによって、摩耗粉を潤滑油中に分散させて加工後の製品の摩耗粉汚れを低減する方法。
本発明によれば、摩耗粉の分散性に優れ、製品表面上摩耗粉量を低減することができる金属加工用潤滑油組成物を提供することができる。このような潤滑油組成物によれば、加工装置内に沈殿・蓄積する摩耗粉量を減らすことができ、圧延油の残存やボタ落ちによる板状製品や箔状製品の表面の汚れを抑制し、製品表面の清浄度を保つことができる。本発明の好ましい態様によれば、さらに焼鈍性においても優れた金属加工用潤滑油組成物を提供することができる。
このような潤滑油組成物は、例えば、金属又はその合金の板あるいは箔の加工、特に、アルミニウム又はアルミニウム合金等の非鉄金属の圧延,絞り,打抜き,引抜き,冷間鍛造等の塑性加工及び金属の切削,研削加工等の金属加工に有効に使用できる。
以下、本発明の潤滑油組成物などについて具体的に説明する。
本発明の潤滑油組成物は、(A)終留点が300℃以下である基油と、(B)炭素数が14以上で、酸素数が2以上であり、かつ、ヒドロキシル基、エーテル結合及びエステル結合のいずれか1以上を有する含酸素化合物を組成物全量基準で0.1〜3質量%、及び(C)油性剤を組成物全量基準で0.1〜10質量%を含むことを特徴とする。
以下、本発明で用い得る、(A)基油、(B)含酸素化合物、(C)油性剤、その他の添加剤などについて述べる。
[基油]
本発明の潤滑油組成物において用いられる基油は、合成油及び/又は鉱油である。 このうち鉱油としては、種々のものを挙げることができる。例えば、パラフィン基系原油,中間基系原油あるいはナフテン基系原油を常圧蒸留するか、あるいは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、またはこれを常法にしたがって精製することによって得られる精製油、例えば、溶剤精製油,水添精製油,脱ロウ処理油,白土処理油等を挙げることができる。
また、合成油としては、炭素数6〜30の直鎖オレフィン(好ましくはα−オレフィン)、分岐オレフィン(例えば、ポリブテン,ポリプロピレン等)、それらのオレフィンの水素添加物、ポリオールエステル〔例えば、TMP(トリメチロールプロパン)脂肪酸エステル,PE(ペンタエリスリトール)脂肪酸エステル等〕等のエステル系化合物などを用いることができる。特に、低分子量ポリブテン、低分子量ポリプロピレン及びこれらの水素添加物、並びに炭素数10〜16のα−オレフィンが好ましく用いられ、炭素数10〜16のα−オレフィンがより好ましく用いられる。α−オレフィンを用いると、加工性をさらに向上することができる。
本発明の潤滑油組成物においては、基油として、前記鉱油を1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また前記合成油を1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、鉱油1種以上と合成油1種以上とを組み合わせて用いてもよい。なお、α−オレフィンを用いる場合には、その含有量は、コスト及び性能などの観点から、組成物全量基準で、通常1〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲が有利である。
本発明において用いられる基油は、300℃以下の終留点を有する。この範囲の終留点を有する基油を用いると、摩耗粉の分散性、焼鈍性などにおいて好ましい。本発明において用いられる基油の好ましい終留点は、300℃以下、より好ましくは290℃以下、さらに好ましくは270℃以下である。基油の好ましい終留点の下限値は、100℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは160℃以上である。
本発明において用いられる基油の好ましい初留点は、100℃以上であり、より好ましくは、150℃以上であり、さらに好ましくは160℃以上である。基油の好ましい初留点の上限値は、260℃以下であり、より好ましくは250℃以下であり、さらに好ましくは240℃以下である。このような範囲の初留点を有する基油を用いると、摩耗粉の分散性、焼鈍性などにおいて好ましい。
なお、終留点、初留点などの留出温度は、JIS K 2254:1998に記載の方法に準拠して測定した値である。
本発明の好ましい態様によれば、基油の初留点と終留点との差は、80℃以下であり、より好ましくは60℃以下であり、さらに好ましくは40℃以下である。また、初留点と終留点との差は、好ましくは5℃以上であり、より好ましくは7℃以上であり、さらに好ましくは10℃以上である。
本発明の一実施態様で用いられる基油の97%留出温度は、好ましくは、200℃以上であり、より好ましくは210℃以上であり、さらに好ましくは220℃以上である。該97%留出温度の上限値は、好ましくは300℃以下であり、より好ましくは275℃以下であり、さらに好ましくは、250℃以下である。
本発明の一実施態様で用いられる基油の95%留出温度は、好ましくは、200℃以上であり、より好ましくは210℃以上であり、さらに好ましくは220℃以上である。該95%留出温度の上限値は、300℃以下であり、より好ましくは275℃以下であり、さらに好ましくは250℃以下である。
本発明の一実施態様で用いられる基油の5%留出温度は、好ましくは、200℃以上であり、より好ましくは210℃以上であり、さらに好ましくは220℃以上である。該5%留出温度の上限値は、好ましくは300℃以下であり、より好ましくは275℃以下であり、さらに好ましくは250℃以下である。
本明細書中、97%留出温度、95%留出温度、5%留出温度は、それぞれ、JIS K 2254:1998に記載の方法に準拠して測定した値である。
本発明において好ましく用いられる基油の%Cは、40%以下であり、より好ましくは30%以下であり、さらいに好ましくは20%以下である。基油の%Cの下限値は特に限定されないが、好ましくは3%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上である。
本発明において好ましく用いられる基油の%Cは、65%以下であり、より好ましくは55%以下であり、さらに好ましくは45%以下である。基油の%Cの下限値は特に限定されないが、好ましくは15%以上であり、より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは25%以上である。
本発明において好ましく用いられる基油の%Cは、80%以下であり、より好ましくは70%以下であり、さらに好ましくは60%以下である。基油の%Cの下限値は特に限定されないが、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。
本明細書中、「%C」、「%C」及び「%C」は、それぞれn−d−M法(環分析)により求められる値を意味する。
本発明において好ましく用いられる基油の引火点は、185℃以下であり、より好ましくは175℃以下であり、さらに好ましくは165℃以下である。基油の引火点の下限値は特に限定されないが、好ましくは80℃以上であり、より好ましくは90℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。本明細書中、引火点は、JIS K2265:2007に記載の方法に準拠して測定した値である。
本発明において好ましく用いられる基油の密度(15℃)は、0.95g/cm以下、より好ましくは0.90g/cm以下、さらに好ましくは0.84g/cm以下である。該密度(15℃)の下限値は、0.65g/cm以上、より好ましくは0.75g/cm以上、さらに好ましくは0.78g/cm以上である。 本発明において好ましく用いられる基油の密度(15℃)は、0.65g/cm以上、0.95g/cm以下である。なお、密度(15℃)は、JIS K 2249:2011に準拠して測定した値である。
本発明の好ましい態様によれば、40℃における動粘度が、通常0.5〜30mm2/s程度、好ましくは1.0〜15mm2/s、特に1.5〜5mm2/sの基油が好適に用いられる。本明細書中、「40℃における動粘度」は、JIS K2283:2000に記載の方法に準拠して測定した値である。
上記のような性状の基油を用いると、摩耗粉の分散性、焼鈍性などにおいて好ましい。
本発明の潤滑油組成物においては、(A)成分の基油として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その含有量は、組成物全量基準で、85質量%以上、99.9質量%以下の範囲で選定される。(A)成分の好ましい含有量は、85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは94質量%以上である。(A)成分の好ましい含有量の上限値は、99.9質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、さらに好ましくは99質量%以下である。
[含酸素化合物]
本発明の潤滑油組成物においては、(B)成分として、炭素数が14以上で、酸素数が2以上であり、かつ、ヒドロキシル基、エーテル結合及びエステル結合のいずれか1以上を有する含酸素化合物が添加される。このような含酸素化合物は、上記基油と組み合わせて用いた場合に、摩耗粉の分散性改善効果、摩耗粉量の低減効果において好ましい。本明細書中、「酸素数」とは、分子内の酸素原子の総数をいう。
本発明において好ましく使用される含酸素化合物の炭素数は、14以上であり、より好ましくは18以上であり、さらに好ましくは22以上である。また、炭素数の上限値は特に限定されないが、好ましくは60以下であり、より好ましくは42以下であり、さらに好ましくは30以下であり、さらに好ましくは24以下である。
本発明の好ましい態様において使用される含酸素化合物の酸素数は、2以上であり、より好ましくは3以上で、さらに好ましくは4以上である。酸素数の上限値は特に限定されないが、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下であり、さらに好ましくは6以下である。
本発明の一実施態様において用いられる含酸素化合物は14〜60の炭素数及び2〜10の酸素数を有する。
本発明の好ましい態様において使用される含酸素化合物の分子量は、150以上、より好ましくは220以上、さらに好ましくは250以上である。分子量の上限値は特に限定されないが、好ましくは1100以下、より好ましくは1000以下、さらに好ましくは700以下である。本発明の一実施態様において用いられる含酸素化合物の分子量は、150〜1100である。
本発明において好ましく用いられる含酸素化合物としては、例えば、ソルビタンカルボン酸エステル、アセチレングリコール系化合物(例えば、アセチレングリコール又はそのエチレンオキシド付加物(EO付加物))、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルなどが挙げられる。
ソルビタンカルボン酸エステルとしては、例えば、ソルビタンと炭素数8〜24のカルボン酸とのエステル(モノエステル、ジエステル又はトリエステル)などが挙げられる。ここで好ましく用いられるカルボン酸は、例えば、炭素数14〜22(より好ましくは炭素数16〜20)のカルボン酸が挙げられる。ここで用いられるカルボン酸は、モノカルボン酸でもポリカルボン酸(二塩基酸等)でもよい。ここで用いられるカルボン酸としては、脂肪酸が好ましく、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよい。また、ここで用いられる脂肪酸は、直鎖構造のものに限定されず、分岐型異性体も含む。
本発明で具体的に用いられるカルボン酸は、これに限定されるものではないが、例えば、カプリル酸(オクタン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸、イソノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ネオデカン酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸 (テトラデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、アラキジン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、オクテン酸、デセン酸、ドコセン酸、オレイン酸、ノナン二酸、ウンデカン二酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。
本発明において好ましく用いられるアセチレングリコール系化合物としては、下記一般式(1)の化合物が挙げられる。
Figure 0006892784
(一般式(1)中、R、R、R、及びRは各々独立して主鎖の炭素原子数が1〜8の直鎖または分岐のアルキル基を表し、A及びAは各々独立して、単結合、または繰り返し単位数が1〜20のアルキレンオキサイド基(ただしアルキレンオキサイド基の片末端の酸素原子は水素原子に結合し、片末端の炭素原子は酸素原子に結合するものとする)を表す。)
一般式(1)において、R、R、R、及びRで表されるアルキル基の主鎖の炭素原子数は1〜6が好ましく、炭素原子数1〜4がさらに好ましい。特にR及びRがメチル基であって、R及びRがそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびイソブチル基からなる群から選択されるいずれかであることが好ましく、R及びRがメチル基であって、R及びRがイソブチル基であることが最も好ましい。
一般式(1)におけるA及びAで表されるアルキレンオキサイド基としては、エチレンオキサイド基やプロピレンオキサイド基が好ましく、プロピレンオキサイド基は直鎖状であっても分岐状であってもよい。また繰り返し単位数が1〜20の範囲であるならば、エチレンオキサイド基とプロピレンオキサイド基とは隣接していてもよい。例えばA及びAがエチレンオキサイド基であってもよいし、Aがエチレンオキサイド基であり且つAがプロピレンオキサイド基であってもよいし、Aがエチレンオキサイド基とプロピレンオキサイド基が連結した基であり且つAがエチレンオキサイド基であってもよい。
一般式(1)で表される具体的な化合物としては、例えば、R及びRがメチル基であり、R及びRがイソブチル基であり、A及びAが単結合である化合物;R及びRがメチル基であり、R及びRがイソブチル基であり、A及びAが繰り返し単位数1〜20のエチレンオキサイド基である化合物;R及びRがメチル基であり、R及びRがイソブチル基であり、Aがエチレンオキサイド基とプロピレンオキサイド基が連結した基であり且つAがエチレンオキサイド基である化合物などが挙げられる。一般式(1)で表される化合物は、単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
中でも、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールEO1.3モル付加物が好ましい。
本発明において好ましく用いられるポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルとしては、エチレンオキサイド構造及び/又はプロピレンオキサイド構造を有することが好ましい。なかでも、エチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)などのアルキレンオキサイドの平均付加モル数は、1〜20が好ましく、1.5〜10がより好ましく、2〜5がさらに好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるアルキル基の炭素数、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルにおけるアルケニル基の炭素数は、8〜24が好ましく、14〜22がより好ましく、16〜20がさらに好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルとしては、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル等が挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが好ましい。
本発明において好適に用いられる具体的な含酸素化合物としては、ソルビタンモノオレート;ソルビタンジオレート;ソルビタントリオレート;ソルビタンモノステアレート;ソルビタンジステアレート;ソルビタントリステアレート;ソルビタンモノラウレート;2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール;2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールEO1.3モル付加物;3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール;トリオキシエチレン オレイルエーテルなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の潤滑油組成物においては、(B)成分の含酸素化合物として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その含有量は、組成物全量基準で、0.01〜3質量%の範囲で選定される。この範囲であれば、摩耗粉の分散性の改善効果において好ましい。(B)成分の好ましい含有量は、0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。(B)成分の好ましい含有量の上限値は、2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。
[油性剤]
本発明の潤滑油組成物において、(C)成分の添加剤として用いられる油性剤としては特に制限はなく、従来金属加工油において油性剤として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような油性剤としては、例えばアルコール類、脂肪酸類及び脂肪酸エステル類などを挙げることができる。
アルコール類としては、脂肪族アルコールを挙げることができる。アルコール類は、通常、炭素数1〜36のものを用いるが、炭素数6〜30のものが好ましく、炭素数8〜22のものがより好ましく、12〜18のものがさらに好ましい。アルコール類は、一価アルコールであってもよいし、多価アルコールであってもよいが、一価アルコールが好ましい。また、アルコール類は、直鎖状のものであってもよく、分岐鎖状のものであってもよいが、直鎖状のものが好ましい。さらに、アルコール類は、飽和、不飽和のいずれであってもよい。
このようなアルコール類としては、1-オクタノール (カプリルアルコール)、2-エチルヘキサノール、1-ノナノール(ペラルゴンアルコール)、1-デカノール (カプリンアルコール)、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール (1-テトラデカノール)、ペンタデシルアルコール、セタノール (1-ヘキサデカノール)、パルミトレイルアルコール (シス-9-ヘキサデセン-1-オール)、1-ヘプタデカノール、ステアリルアルコール (1-オクタデカノール)、イソステアリルアルコール (16-メチルヘプタデセン-1-オール)、エライジルアルコール (9E-オクタデセン-1-オール)、オレイルアルコール (シス-9-オクタデセン-1-オール)、リノレイルアルコール (9Z, 12Z-オクタデカジエン-1-オール)、エライドリノレイルアルコール (9E, 12E-オクタデカジエン-1-オール)、リノレニルアルコール (9Z, 12Z, 15Z-オクタデカトリエン-1-オール)、エライドリノレニルアルコール (9E, 12E, 15-E-オクタデカトリエン-1-オール)、リシノレイルアルコール (12-ヒドロキシ-9-オクタデセン-1-オール)、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール (1-エイコサノール)、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール (1-ドコサノール)、エルシルアルコール (シス-13-ドコセン-1-オール)、リグノセリルアルコール (1-テトラコサノール)、セリルアルコール (1-ヘキサコサノール)、1-ヘプタコサノール、モンタニルアルコール (1-オクタコサノール)、1-ノナコサノール、ミリシルアルコール (1-トリアコンタノール)、1-ドトリアコンタノール、ゲジルアルコール (1-テトラトリアコンタノール)、セテアリルアルコールなどが挙げられる。これらの中で、オレイルアルコール、ラウリルアルコールが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、油性剤としては、炭素数10以上の1価のアルコールが好ましく用いられる。
また、脂肪酸類としては、脂肪酸を挙げることができる。脂肪酸類は、通常、炭素数1〜36のものを用いるが、炭素数6〜30のものが好ましく、炭素数8〜22のものがより好ましく、12〜18のものがさらに好ましい。脂肪酸類は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、脂肪酸類は、直鎖状のものであってもよく、分岐鎖状のものであってもよい。さらに、脂肪酸類は、モノカルボン酸でもポリカルボン酸(二塩基酸等)でもよい。
このような脂肪酸類としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸;α-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、ドコサペンタエン酸、パルミトレイン酸、バクセン酸、パウリン酸、オレイン酸、エライジン、エルカ酸、ネルボン酸、サピエン酸等の不飽和脂肪酸などが挙げられる。これらの中で、オレイン酸、ラウリン酸が好ましい。
さらに脂肪酸エステル類としては、炭素数6〜22の脂肪族カルボン酸と炭素数1〜18の脂肪族アルコールとからなるエステルを挙げることができる。ここで、炭素数6〜22の脂肪族カルボン酸は、一塩基酸であってもよいし、二塩基酸以上の多塩基酸であってもよく、また、飽和、不飽和のいずれであってもよい。さらに、直鎖状のものであってもよく、分岐鎖状のものであってもよい。このような脂肪族カルボン酸の例としては、直鎖状又は分岐鎖状である、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ヒドロキシオクタデカン酸、イコサン酸、オクテン酸、デセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オクタデセン酸、ヒドロキシオクタデセン酸、イコセン酸、オクタン二酸、デカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン二酸、オクテン二酸、デセン二酸、ドデセン二酸、テトラデセン二酸、ヘキサデセン二酸、オクタデセン二酸、イコセン二酸などが挙げられる。
本発明の潤滑油組成物においては、(C)成分の油性剤として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、0.1〜10質量%の範囲で選定される。この範囲であれば、摩耗粉の分散性、摩耗粉量の低減効果などにおいて好ましい。この含有量が上記の範囲にあれば、前記(B)成分の含酸素化合物と共に作用し、所望の効果を発揮することができる。好ましい含有量は0.5〜9質量%であり、より好ましくは1〜8質量%である。
[各種添加剤]
本発明の潤滑油組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により各種添加剤、例えば極圧剤、摩耗防止剤、酸化防止剤、防錆剤、腐蝕防止剤、消泡剤、粘度指数向上剤、帯電防止剤などを適宜含有させることができる。
極圧剤としては、例えば硫化オレフィン、ジアルキルポリスルフィド、ジアリールアルキルポリスルフィド、ジアリールポリスルフィドなどの硫黄系化合物、リン酸エステル、チオリン酸エステル、亜リン酸エステル、アルキルハイドロゲンホスファイト、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン塩などのリン系化合物等が挙げられ、摩耗防止剤としては、例えばジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、ジチオカルバミン酸亜鉛(ZnDTC)、硫化オキシジチオリン酸モリブデン(MoDTP)、硫化オキシジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばアルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化−α−ナフチルアミンなどのアミン系、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール系、及び2,6−ジ−t−ブチル−4−[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]フェノール、ジラウリルチオジプロピオネートなどの硫黄系等が挙げられる。
防錆剤や腐蝕防止剤としては、例えばソルビタンエステル、中性アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属フェネート、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属サリチレート、チアジアゾール、ベンゾトリアゾールなどが、消泡剤としては、例えばジメチルポリシロキサン、フルオロエーテルなどが挙げられる。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)などが挙げられる。
帯電防止剤としては非金属系帯電防止剤であるアミン誘導体、コハク酸誘導体、ポリ(オキシアルキレン)グリコール又は多価アルコールの部分エステルなどが好ましく挙げられる。
本発明の潤滑油組成物は、上記基油に、上記成分を、適宜・適量添加することによって調製することができる。
[本発明の潤滑油組成物の使用方法]
本発明は、上述した潤滑油組成物の金属加工のための使用にも関する。本発明の一実施態様に係る発明は、上記に記載の潤滑油組成物の存在下、金属材料を加工することによって、摩耗粉を潤滑油中に分散させて加工後の製品の摩耗粉汚れを低減する方法に関する。本発明の方法において用いられる金属材料は、特に限定されることはなく、鉄、アルミニウム又はアルミニウム合金などの非鉄金属材料を含む。本発明の方法は、好ましくはアルミニウム又はその合金の板あるいは箔を製造するのに好適に用いられ、特に、アルミニウム又はアルミニウム合金等の非鉄金属の圧延、絞り、打抜き、引抜き、冷間鍛造(例えば、冷間圧延)等の塑性加工及び金属の切削、研削加工等の金属加工に好適に用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、留出温度、%C、%C、%C、引火点、密度(15℃)、40℃における動粘度などは以下に示す測定方法によって測定した。
<測定方法・算出方法>
(1)終留点、初留点、97%留出温度、95%留出温度、5%留出温度などの留出温度
JIS K 2254:1998に記載の方法に準拠して測定した。なお、常圧法では熱分解を起こし,蒸留性状を求めることが困難な試料(40℃における動粘度が6mm2/s未満)の場合には減圧法を採用した。
(2)%C、%C、%C
n−d−M法(環分析)により求めた。
(3)引火点
JIS K2265:2007に記載の方法に準拠して測定した。なお、ナフテン系鉱油1、パラフィン系鉱油2はペンスキーマルテンス密閉法で測定し、ナフテン系鉱油2、パラフィン系鉱油1はクリーブランド開放法で測定した。
(4)密度(15℃)
JIS K 2249:2011に記載の方法に準拠して測定した。
(5)40℃における動粘度
JIS K2283:2000に記載の方法に準拠して測定した。
各例で得られた潤滑油組成物(金属加工油)について、以下に示す条件にて圧延実験を行い、諸特性を求めた。また、焼鈍性を評価した。
<圧延実験条件>
(1)圧延材
アルミニウム材1N30、0.2mm×70mmコイル
(2)圧延機
形式;4段
ワークロール:径135mm、表面粗さRa0.15μm
ロールクラウン:2/100mm
(3)圧延条件
(条件a)圧延速度:150m/min、目標板厚:0.09mm、目標圧下率:55%、張力:入側245N(25kgf)、出側137N(14kgf),圧延油:30kg、給油温度:40℃
(条件b)目標板厚:0.08mm、目標圧下率:60%、とした以外は、条件aと同じ。
<評価項目>
(1)摩耗粉の分散性
前記(a)の圧延条件で圧延実験終了後の油を500mL瓶(内径8cm、高さ16cmの円筒状のガラス瓶)に採取して、168時間(1週間)常温で、静置した。その結果、摩耗粉が沈降しなかったもの(沈殿が見られなかったもの)を「3」、72時間で沈降したものを「2」、24時間で沈降したものを「1」と評価した。
(2)箔上アルミニウム摩耗粉量
前記(a)の圧延条件で得られた圧延箔2mの上下面をガーゼで拭取り後、ガーゼに付着したアルミニウム粉を塩酸に溶解してICP分析により、溶液中のアルミニウム濃度を求め、用いた塩酸の量からアルミニウム摩耗粉量(mg)を求めた。ふき取りの面積から箔上アルミニウムの単位面積当たりのアルミニウム量(mg/mm)を求めた。
(3)焼鈍性
蓋付きのアルミニウム製容器(JIS A1050製、直径80mm)中に金属加工油30mgを採取し、空気雰囲気中、330℃で30分間加熱する。室温に戻した後に,アルミニウム製容器に生成するステイン痕の有無を確認した。焼鈍性の評価結果が良好なものを「3」、やや不良なものを「2」、不良なものを「1」と評価した。
実施例1〜11及び比較例1〜9
表1に示す組成の金属加工油を調製し、その諸特性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例及び比較例で使用した基材は次のとおりであり、実施例及び比較例で使用した基油の性状を表2に示す。
(1) 基材1: ソルビタンカルボン酸エステル; ソルビタンモノオレート; C24H44O6
(2) 基材2: ソルビタンカルボン酸エステル;ソルビタンジオレート; C42H76O7
(3) 基材3: ソルビタンカルボン酸エステル;ソルビタントリオレート; C60H108O8
(4) 基材4: アセチレングリコール系化合物; 2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール; C14H26O2
(5) 基材5: アセチレングリコール系化合物; 2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールEO1.3モル付加物; C14H24(OCH2CH2)1.3OH
(6) 基材6: ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル; トリオキシエチレンオレイルエーテル; C18H35(OCH2CH2)3OH
(7) 比較基材1: 1,4-ブタンジオール; C4H10O2
(8) 比較基材2: 1,12-ドデカンジオール; C12H26O2
Figure 0006892784
Figure 0006892784
表1に示す結果から明らかなように、本発明の金属加工油(実施例1〜11)は、摩耗粉の分散性及び焼鈍性において優れ、箔上の摩耗粉量も低減されていた。
これに対し、比較例1〜9では、実施例1〜11に比較して、摩耗粉の分散性、焼鈍性、箔上の摩耗粉量のいずれか1以上の評価項目において満足できるものではなかった。
本発明の金属加工用潤滑油組成物は、特にアルミニウム等の非鉄金属の板あるいは箔を金属加工する際、摩耗粉の分散性に優れ、製品表面上摩耗粉量を低減することができ、ひいては表面品質に優れる金属加工製品を製造することを可能とする。
なお、本発明は、次の態様にも関する。
(1)(A)終留点が300℃以下である基油と、(B)炭素数が14以上で、酸素数が2以上であり、かつ、ヒドロキシル基、エーテル結合及びエステル結合のいずれか1以上を有する含酸素化合物を組成物全量基準で0.1〜3質量%、及び(C)油性剤を組成物全量基準で0.1〜10質量%を含む金属加工用潤滑油組成物。
(2)基油が、260℃以下の初留点を有する、上記(1)記載の潤滑油組成物。
(3)基油が有する初留点と終留点の差が80℃以下である、上記(1)又は(2)記載の潤滑油組成物。
(4)基油の密度が、0.65g/cm 以上、0.95g/cm 以下である、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
(5)基油の40℃における動粘度が、0.5〜30mm 2 /sである、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
(6)含酸素化合物が、14〜60の炭素数及び2〜10の酸素数を有する、上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
(7)含酸素化合物が、150〜1100の分子量を有する、前記上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
(8)含酸素化合物が、ソルビタンモノオレート;ソルビタンジオレート;ソルビタントリオレート; 2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール;2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールEO1.3モル付加物;及びトリオキシエチレン オレイルエーテルから選択される、上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
(9)油性剤がアルコール類、脂肪酸類及び脂肪酸エステル類のいずれか1以上のものである、上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
(10)金属加工が、非鉄金属材料の冷間圧延である上記(1)〜(9)のいずれかに記載の金属加工用潤滑油組成物。
(11)非鉄金属材料がアルミニウム材又はアルミニウム合金材である上記(10)に記載の金属加工用潤滑油組成物。
(12)上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の潤滑油組成物の存在下、金属材料を加工することによって、摩耗粉を潤滑油中に分散させて加工後の製品の摩耗粉汚れを低減する方法。

Claims (11)

  1. (A)終留点が300℃以下である基油と、(B)炭素数が14以上で、酸素数が2以上であり、かつ、ヒドロキシル基、エーテル結合及びエステル結合のいずれか1以上を有する含酸素化合物を組成物全量基準で0.1〜3質量%、及び(C)油性剤を組成物全量基準で0.1〜10質量%を含み、前記含酸素化合物が、ソルビタンモノオレート;ソルビタンジオレート;ソルビタントリオレート; 2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール;2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールEO1.3モル付加物;及びトリオキシエチレン オレイルエーテルから選択される、金属加工用潤滑油組成物。
  2. 基油が、260℃以下の初留点を有する、請求項1記載の潤滑油組成物。
  3. 基油が有する初留点と終留点の差が80℃以下である、請求項1又は2記載の潤滑油組成物。
  4. 基油の密度が、0.65g/cm以上、0.95g/cm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  5. 基油の40℃における動粘度が、0.5〜30mm2/sである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  6. 含酸素化合物が、14〜60の炭素数及び2〜10の酸素数を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  7. 含酸素化合物が、150〜1100の分子量を有する、前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  8. 油性剤がアルコール類、脂肪酸類及び脂肪酸エステル類のいずれか1以上のものである、請求項1〜のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  9. 金属加工が、非鉄金属材料の冷間圧延である請求項1〜のいずれかに記載の金属加工用潤滑油組成物。
  10. 非鉄金属材料がアルミニウム材又はアルミニウム合金材である請求項に記載の金属加工用潤滑油組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の潤滑油組成物の存在下、金属材料を加工することによって、摩耗粉を潤滑油中に分散させて加工後の製品の摩耗粉汚れを低減する方法。
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