JP2016126329A - 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】該電子写真用部材は、導電性の基体および該基体上の導電性の樹脂層を有し、該樹脂層が、特定のカチオン構造を分子内に有する樹脂と、特定のアニオンと、を含む。
【選択図】図1
Description
該樹脂層は、下記式(1)〜(13)および(29)からなる群から選択される少なくとも1つのカチオン構造を分子内に有する樹脂と、アニオンと、を含み、
該アニオンは、フッ化スルホニルイミドアニオン、フッ化アルキルスルホニルイミドアニオン、フッ化スルホニルメチドアニオン、フッ化アルキルスルホニルメチドアニオン、フッ化スルホン酸アニオン、フッ化アルキルスルホン酸アニオン、フッ化カルボン酸アニオン、フッ化ホウ酸アニオン、フッ化リン酸アニオン、フッ化ヒ酸アニオン、フッ化アンチモン酸アニオン、ジシアナミドアニオンおよびビス(オキサラト)ホウ酸アニオンからなる群から選択される少なくとも1つである、電子写真用部材が提供される:
R21、R22およびR48は、各々独立に、水素原子、または炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を表す。式(10)〜(13)において、2つのNのうち一方はN+である:
式(1)〜(13)、(29)中、X1〜X34は、各々独立に、下記式(A)、(b)または(c)で示される構造を表す:
該樹脂層は、下記式(14)〜(26)および(28)からなる群から選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と、グリシジル基と反応可能な化合物との反応により得られる樹脂を含む電子写真用部材が提供される:
式(14)〜(26)および(28)中、Y1〜Y34は、各々独立に、下記式(27)で示される構造を表す:
本発明に係る電子写真用部材は、導電性の基体および該基体上の導電性の樹脂層を有する。本発明に係る電子写真用部材を、導電性ローラとして用いた場合の一実施形態を図1に示す。本発明に係る電子写真用部材1は、図1(a)に示すように、導電性の基体2と、その外周に設けられた弾性層3とからなることができる。この場合弾性層3は、本発明に係る樹脂層である。また、図1(b)に示すように、弾性層3の表面に表面層4を形成してもよい。この場合、本発明に係る樹脂層は、弾性層3、表面層4のいずれにも適用可能である。
基体2は、電子写真用部材1の電極および支持部材として機能する、中実円柱状または中空円筒状のものであることができる。基体2は、例えばアルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロム、又はニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。
弾性層3は、電子写真用部材1と感光体との当接部において、所定の幅のニップを形成するために必要な弾性を電子写真用部材1に与えるものである。
本発明において、樹脂層は、前記式(1)〜(13)および(29)からなる群から選択される少なくとも1つのカチオン構造を分子内に有する樹脂と、アニオンと、を含み、該アニオンは、フッ化スルホニルイミドアニオン、フッ化アルキルスルホニルイミドアニオン、フッ化スルホニルメチドアニオン、フッ化アルキルスルホニルメチドアニオン、フッ化スルホン酸アニオン、フッ化アルキルスルホン酸アニオン、フッ化カルボン酸アニオン、フッ化ホウ酸アニオン、フッ化リン酸アニオン、フッ化ヒ酸アニオン、フッ化アンチモン酸アニオン、ジシアナミドアニオンおよびビス(オキサラト)ホウ酸アニオンからなる群から選択される少なくとも1つである。
本発明に係る樹脂は、例えばグリシジル基を少なくとも2個有する含窒素複素環カチオンと、前記アニオンとからなるイオン化合物と、グリシジル基と反応可能な化合物とを反応させることにより得られる。具体的には、本発明に係る樹脂は、前記式(14)〜(26)および(28)からなる群から選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と、グリシジル基と反応可能な化合物との反応により得られる反応物である。
本発明において、該樹脂は含窒素複素環構造中のカチオン部位の近傍に少なくとも2個以上の水酸基を有することを特徴とする。該水酸基は、カチオンのグリシジル基が反応した残基に由来するものである。カチオン近傍に存在する複数の水酸基は、酸素原子の非共有電子対により、カチオンのプラス電荷の安定性に寄与する。本発明に係るカチオン構造では、1つのカチオンに対して少なくとも2個以上の水酸基による安定化が図れるため、より高いイオン化率とすることができる。
さらに本発明に係るアニオンは、その化学構造に起因して、ハロゲンアニオンや硫酸アニオン、硝酸アニオンと比べて化学的に非常に安定であり、イオン化率が高い。すなわちアニオンが分子内に強力な電子吸引性基を有し、アニオンの負電荷を安定化させるため、広い温度域で高いイオン化率を示し、低温でも高い導電性の発現に寄与しているものと考えられる。本発明では、該カチオンと該アニオンとを組み合わせることにより、低温でも高い導電性を示すものと考えられる。
本発明に係るカチオン構造は、式(1)〜(13)および(29)からなる群から選択される少なくとも1つである。
式(23)〜(26)および(28)中、R39〜R42およびR45は、各々独立に、式(23)〜(26)および(28)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するのに必要な炭化水素基を表す。
本発明に係るアニオンは、フッ化スルホニルイミドアニオン、フッ化アルキルスルホニルイミドアニオン、フッ化スルホニルメチドアニオン、フッ化アルキルスルホニルメチドアニオン、フッ化スルホン酸アニオン、フッ化アルキルスルホン酸アニオン、フッ化カルボン酸アニオン、フッ化ホウ酸アニオン、フッ化リン酸アニオン、フッ化ヒ酸アニオン、フッ化アンチモン酸アニオン、ジシアナミドアニオンおよびビス(オキサラト)ホウ酸アニオンからなる群から選択される少なくとも1つである。
前記式(14)〜(26)および(28)からなる群から選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と反応させる、グリシジル基と反応可能な化合物としては、水酸基、アミノ基又はカルボキシル基を有する化合物を挙げることができる。水酸基、アミノ基又はカルボキシル基を有する化合物としては公知の樹脂を用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。これらは1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアルキレンイミン樹脂、アクリル樹脂等。
本発明に係るプロセスカートリッジは、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、電子写真用部材の少なくとも1つが、本発明に係る電子写真用部材である。図2は、本発明に係るプロセスカートリッジの一例を示す断面図である。図2に示したプロセスカートリッジ17は、現像部材16、現像ブレード21、及び現像装置22、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、および、帯電部材24が一体化され、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている。本発明に係る電子写真用部材は、例えば現像部材16、現像ブレード21、帯電部材24に適用できる。現像装置22は、トナー容器20を含み、トナー容器20中には、トナー15が充填されている。トナー容器20中のトナー15は、トナー供給部材19によって現像部材16の表面に供給され、現像ブレード21によって、現像部材16の表面に所定の厚みのトナー15の層が形成される。
本発明に係る電子写真画像形成装置は、電子写真感光体を備える電子写真画像形成装置であって、電子写真用部材の少なくとも1つが、本発明に係る電子写真用部材である。図3は、本発明に係る電子写真用部材を現像部材16として用いた電子写真画像形成装置の一例を示す断面図である。図3の電子写真画像形成装置には、現像部材16、トナー供給部材19、トナー容器20および現像ブレード21からなる現像装置22が脱着可能に装着されている。また、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電部材24からなるプロセスカートリッジ17が脱着可能に装着されている。また、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電部材24は電子写真画像形成装置本体に配備されていてもよい。感光体18は矢印方向に回転し、感光体18を帯電処理するための帯電部材24によって一様に帯電され、感光体18に静電潜像を書き込む露光手段であるレーザー光23により、その表面に静電潜像が形成される。上記静電潜像は、感光体18に対して接触配置される現像装置22によってトナー15を付与されることにより現像され、トナー像として可視化される。
(イオン化合物IP−1の合成)
カチオン原料として、イミダゾール(東京化成工業社製)50.0gをジクロロメタン50.0gに溶解させた。これに、ジクロロメタン50.0gに溶解させた3級化剤であるクロロメチルオキシラン(東京化成工業社製)74.8gを室温下30分かけて滴下し、4時間加熱還流した。次に反応溶液を室温まで冷却し、炭酸ナトリウム5質量%水溶液200mlを加えて30分撹拌した後分液し、ジクロロメタン層を、イオン交換水120gを用いて2回洗浄した。次に減圧下ジクロロメタンを留去して残留物を得た。
カチオン原料、3級化剤、4級化剤、アニオン交換試薬、及び配合量を表1に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物IP−1の合成と同様にして、イオン化合物IP−2、3、4、5、15、16、24、25、27を得た。
4−ブロモ−1−ブテン(関東化学社製)67.5gをエタノール60.0gに溶解し、3−クロロ過安息香酸(東京化成工業社製)94.9gを加えた後、3時間加熱還流した。次に反応溶液を室温まで冷却し、溶液を分液した後、有機層を、イオン交換水60.0gを用いて3回洗浄した。続いて減圧下エタノールを留去し、1−ブロモ−3,4−エポキシブタン(化合物Z−1)を得た。
6−クロロ−1−ヘキセン(関東化学社製)59.3gをエタノール60.0gに溶解し、60℃で3−クロロ過安息香酸(東京化成工業社製)94.9gを加えた後、93時間加熱還流した。次に反応溶液を室温まで冷却し、溶液を分液した後、有機層を、イオン交換水60.0gを用いて3回洗浄した。続いて減圧下エタノールを留去し、1−クロロ−5,6−エポキシヘキサン(化合物Z−2)を得た。
カチオン原料として、1−メチルイミダゾール(関東化学社製)50.0gをジクロロメタン50.0gに溶解させた。これに、ジクロロメタン50.0gに溶解させたグリシジル化試薬である1−ブロモ−3,4−エポキシブタン(化合物Z−1)71.4g及び触媒としての塩化アルミニウム4.01gからなる混合溶液を加えた後、5時間加熱還流した。
カチオン原料、グリシジル化試薬、4級化剤、アニオン交換試薬、及び配合量を表2に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物IP−6の合成と同様にして、イオン化合物IP−7、8、9、13、14、17、19、21を得た。
カチオン原料として、イミダゾール(東京化成工業社製)50.0gをジクロロメタン50.0gに溶解させた。これに、ジクロロメタン50.0gに溶解させたグリシジル化試薬であるクロロメチルオキシラン(東京化成工業社製)74.8g及び触媒としての塩化アルミニウム3.8gからなる混合溶液を加えた後、6時間加熱還流した。
カチオン原料、グリシジル化試薬、3級化剤、4級化剤、アニオン交換試薬、及び配合量を表3に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物IP−18の合成と同様にして、イオン化合物IP−22を得た。
カチオン原料として、ピロリジン(東京化成工業社製)50.0gをジクロロメタン30.0g、アセトニトリル30.0gに溶解させた。この溶液に、ジクロロメタン80.0gに溶解させた3級化/4級化剤としてのクロロメチルオキシラン(東京化成工業社製)143.7gを室温で30分かけて滴下し、6時間加熱還流した。次に反応溶液を室温まで冷却し、炭酸ナトリウム5質量%水溶液200mlを加えて30分撹拌した後分液し、ジクロロメタン/アセトニトリル層を、イオン交換水120gを用いて2回洗浄した。次に減圧下ジクロロメタン/アセトニトリルを留去して残留物を得た。
カチオン原料、3級化/4級化剤、アニオン交換試薬、及び配合量を表4に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物IP−10の合成と同様にして、イオン化合物IP−11、12、26を得た。
カチオン原料として、ピロール(東京化成工業社製)50.0gをジクロロメタン50.0gに溶解させた。この溶液に、ジクロロメタン50.0gに溶解させたグリシジル化試薬であるクロロメチルオキシラン(東京化成工業社製)75.9g及び触媒としての塩化アルミニウム4.2gからなる混合溶液を加えた後、6時間加熱還流した。次に反応溶液を10℃まで冷却し、4mol/l塩酸50.0gを加えて30分撹拌した。その後、ジクロロメタン層を分液し、さらにイオン交換水120gを用いて2回洗浄操作を行った。
テトラヒドロフラン120.0gに溶解させたクロロメチルオキシラン(東京化成工業社製)127.2gに金属リチウム3.8gを加え、1時間加熱還流した。次にカチオン原料として、ピリダジン(東京化成工業社製)50.0gを室温で30分かけて滴下し、6時間加熱還流した。次に反応溶液を10℃まで冷却し、4mol/l塩酸50.0gを加えて30分撹拌した。その後、ジクロロメタン120.0gを加え、有機層を分液した。さらにイオン交換水120gを用いて2回洗浄操作を行った。次に減圧下ジクロロメタンを留去して残留物を得た。
(基体2の用意)
基体2として、SUS304製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名:DY35−051;東レダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを用意した。
<シリコーンゴム弾性ローラの作製>
上記で用意した基体2を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名:SE6724A/B;東レ・ダウコーニング社製)100.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300;東海カーボン社製)15.0質量部
・白金触媒0.1質量部。
下記に示す種類と量の各材料を加圧式ニーダーで混合してA練りゴム組成物を得た。
・NBRゴム(商品名:Nipol DN219;日本ゼオン社製)100.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300;東海カーボン社製)40.0質量部
・炭酸カルシウム(商品名:ナノックス#30;丸尾カルシウム社製)20.0質量部
・ステアリン酸(商品名:ステアリン酸S;花王社製)1.0質量部。
・硫黄(商品名:Sulfax 200S;鶴見化学工業社製)1.2質量部
・テトラベンジルチウラムジスルフィド(商品名:TBZTD;三新化学工業社製)4.5質量部。
窒素雰囲気下、反応容器中でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR−200;日本ポリウレタン工業社製)84.1質量部に対し、ポリエーテルポリポリオール(商品名:PTG−L1000;保土谷化学工業社製)100.0質量部を反応容器内を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2.5時間反応させ、メチルエチルケトン80.0質量部を加えた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量5.4質量%のイソシアネート基末端プレポリマーB−1を得た。
上記電子写真用部材の電気抵抗値の測定は、温度23℃、相対湿度45%の環境(以下「N/N」と記す)に6時間置いたものについて、同環境下で行った。また、温度0℃の環境下に6時間置いたものについて、温度0℃の環境下で行った。
(0℃ゴーストの評価)
次に、上記のようにして0℃環境中で抵抗の測定を行った電子写真用部材について、以下の評価を行った。レーザープリンター(商品名、LBP7700C;キヤノン社製)に本実施例の電子写真用部材を現像部材として装填し、0℃環境中に設置後2時間放置した。次いでゴースト画像の評価を行った。
A:ゴーストが全く認められない。
B:極軽微なゴーストが認められる。
C:顕著なゴーストが認められる。
イオン化合物、グリシジル基と反応可能な化合物および硬化剤の種類と量を表6に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真用部材を作製し、評価した。結果を表7に示す。
ダイフェラミンMAU−5022:商品名、大日精化工業社製、カルボキシル基含有ウレタン樹脂
コロネート4078:商品名、日本ポリウレタン工業社製、ポリイソシアネート。
ポリエチレンイミン(商品名:エポミンSP−012;日本触媒社製)12.8質量部、ポリイソシアネート(商品名:コロネート4078;日本ポリウレタン工業社製)124.5質量部、イオン化合物IP−10 3.0質量部、シリカ(商品名:AEROSIL200;日本アエロジル社製)15.0質量部、及びウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400;根上工業社製)15.0質量部を撹拌混合した。以下、実施例1と同様にして、電子写真用部材を作製し、評価した。結果を表7に示す。
イオン化合物を表6に記載の通りに変更した以外は、実施例10と同様にして電子写真用部材を作製し、評価した。結果を表7に示す。
カルボキシル基含有ウレタン樹脂(商品名:ダイフェラミンMAU−5022;大日精化工業社製)64.7質量部、ポリイソシアネート(商品名:コロネート4078;日本ポリウレタン工業社製)50.5質量部、イオン化合物IP−15 5.0質量部、シリカ(商品名:AEROSIL200;日本アエロジル社製)15.0質量部、及びウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400;根上工業社製)15.0質量部を撹拌混合した。以下、実施例1と同様にして、電子写真用部材を作製し、評価した。結果を表7に示す。
イオン化合物を表6に記載の通りに変更した以外は、実施例15と同様にして電子写真用部材を作製し、評価した。結果を表7に示す。
イオン化合物を表6に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真用部材を作製し、評価した。結果を表7に示す。
イオン化合物を表6に記載の通りに変更した以外は、実施例10と同様にして電子写真用部材を作製し、評価した。結果を表7に示す。
イオン化合物を表6に記載の通りに変更した以外は、実施例15と同様にして電子写真用部材を作製し、評価した。結果を表7に示す。
先に作製した弾性ローラD−2を、実施例1で調製した表面層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラD−2の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。以下実施例1と同様にして本発明に係るローラ形状の電子写真用部材を作製した。
表面層形成用塗料を実施例18で調製したものに変更した以外は、実施例24と同様にしてローラ形状の電子写真用部材を作製した。
表面層形成用塗料を比較例1で調製したものに変更した以外は、実施例24と同様にしてローラ形状の電子写真用部材を作製した。
上記各実施例および比較例に係る電子写真用部材の電気抵抗値の測定は、温度23℃、相対湿度45%の環境(以下「N/N」と記す)に6時間置いた導電性ローラについて、同環境下で行った。また、温度0℃の環境下に6時間置いた導電性ローラについて、温度0℃の環境下で行った。
(0℃環境での横スジ画像評価)
帯電部材の抵抗が上昇することにより、ハーフトーン画像に細かいスジ状の濃度ムラが発生することがある。これを横スジ画像と呼ぶ。この横スジ画像は抵抗が上昇するほど発生する傾向にあり、長期利用に伴い目立つ傾向がある。そこで、作製した電子写真用部材を帯電部材として組込み以下の評価を行った。
A:横スジが全く発生しない。
B:横スジが画像端部のみに軽微に発生する。
C:横スジが画像のほぼ半分の領域に発生し、目立つ。
図5に本実施例で作製した電子写真用部材の断面図を示す。基体41として、厚さ0.08mmのSUSシート(日新製鋼社製)を、長さ200mm、幅23mmの寸法にプレス切断した。次に、切断したSUSシートの長手側端部からの長さ43が1.5mmになるように、切断したSUSシートを実施例11の表面層形成用塗料に浸漬して、当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度140℃にて1時間加熱処理することで、SUSシートの長手側端部表面に膜厚44が10μmの樹脂層42を設け、本発明に係る電子写真用部材としてのブレード部材を作製した。
表面層形成用塗料を実施例21で調製したものに変更した以外は、実施例26と同様にしてブレード部材を作製した。
表面層形成用塗料を比較例2で調製したものに変更した以外は、実施例26と同様にしてブレード部材を作製した。
実施例26、27および比較例6に係るブレード部材の電気抵抗値の測定は、温度23℃、相対湿度45%の環境(以下「N/N」と記す)に6時間置いた各ブレード部材について同環境下で行った。また、温度0℃の環境下に6時間置いた各ブレード部材について温度0℃の環境下で行った。
(規制不良評価)
評価対象としての電子写真用部材を、図3に示す構成を有するレーザープリンター(商品名:LBP7700C;キヤノン社製)に現像ブレードとして装填した。レーザープリンターを0℃環境中に設置して2時間以上放置した後、黒色で、印字率1%の画像を100枚連続出力した。その後、新しいコピー用紙に白ベタ画像を出力した。これらの画像を出力した後、現像部材表面のトナーコートの状態観察を行い、トナーへの帯電異常に起因する静電的トナー凝集(規制不良)の有無を目視で観察した。この観察結果を以下の基準で評価した。
A:トナーコート上に規制不良が存在しない。
B:トナーコート上には規制不良が存在するが、画像に出ていない。
C:規制不良が画像に現れる。
Claims (13)
- 導電性の基体、および
該基体上の導電性の樹脂層を有する電子写真用部材であって、
該樹脂層は、
下記式(1)〜(13)および(29)からなる群から選択される少なくとも1つのカチオン構造を分子内に有する樹脂と、
アニオンと、を含み、
該アニオンは、
フッ化スルホニルイミドアニオン、フッ化アルキルスルホニルイミドアニオン、フッ化スルホニルメチドアニオン、フッ化アルキルスルホニルメチドアニオン、フッ化スルホン酸アニオン、フッ化アルキルスルホン酸アニオン、フッ化カルボン酸アニオン、フッ化ホウ酸アニオン、フッ化リン酸アニオン、フッ化ヒ酸アニオン、フッ化アンチモン酸アニオン、ジシアナミドアニオンおよびビス(オキサラト)ホウ酸アニオンからなる群から選択される少なくとも1つである、
ことを特徴とする電子写真用部材:
式(1)〜(4)中、R1〜R8は、各々独立に、式(1)〜(4)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するのに必要な炭化水素基を表す。R9及びR10は、各々独立に、水素原子、または炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を表す。2つのNのうち一方はN+である:
式(5)〜(9)中、R11〜R15は、各々独立に、式(5)〜(9)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するのに必要な炭化水素基を表す。R16は、水素原子、または炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を表す:
式(10)〜(13)および(29)中、R17〜R20およびR47は、各々独立に、式(10)〜(13)および(29)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するのに必要な炭化水素基を表す:
R21、R22およびR48は、各々独立に、水素原子、または炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を表す。式(10)〜(13)において、2つのNのうち一方はN+である:
式(1)〜(13)および(29)中、X1〜X34は、各々独立に、下記式(A)、(b)または(c)で示される構造を表す:
式(A)、(b)、(c)中、記号「*」は、式(1)〜(13)および(29)中の含窒素複素環中の窒素原子または含窒素複素環中の炭素原子との結合部位を示し、記号「**」は、該樹脂を構成するポリマー鎖中の炭素原子との結合部位を示す。n1、n2及びn3は、各々独立に、1以上4以下の整数を表す。 - 前記樹脂が式(3)、(4)、(8)、(9)、(12)、(13)および(29)から選ばれる少なくとも一つのカチオン構造を分子内に有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
- 導電性の基体、および
該基体上の導電性の樹脂層を有する電子写真用部材であって、
該樹脂層は、下記式(14)〜(26)および(28)からなる群から選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と、グリシジル基と反応可能な化合物との反応物である樹脂を含むことを特徴とする電子写真用部材:
式(14)〜(17)中、R23〜R30は、各々独立に、式(14)〜(17)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するのに必要な炭化水素基を表す。R31及びR32は、各々独立に、水素原子、または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。2つのNのうち一方はN+である:
式(18)〜(22)中、R33〜R37は、各々独立に、式(18)〜(22)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するのに必要な炭化水素基を表す。R38は、水素原子、または炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を表す:
式(23)〜(26)および(28)中、R39〜R42およびR45は、各々独立に、式(23)〜(26)および(28)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するのに必要な炭化水素基を表す:
R43、R44およびR46は、各々独立に、水素原子、または炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を表す。式(23)〜(26)において、2つのNのうち一方はN+である:
式(14)〜(26)および(28)中、Y1〜Y34は、各々独立に、下記式(27)で示される構造を表す:
式(27)中、nは1以上4以下の整数を表す。 - 前記イオン化合物が、フッ化スルホニルイミドアニオン、フッ化アルキルスルホニルイミドアニオン、フッ化スルホニルメチドアニオン、フッ化アルキルスルホニルメチドアニオン、フッ化スルホン酸アニオン、フッ化アルキルスルホン酸アニオン、フッ化カルボン酸アニオン、フッ化ホウ酸アニオン、フッ化リン酸アニオン、フッ化ヒ酸アニオン、フッ化アンチモン酸アニオン、ジシアナミドアニオンおよびビス(オキサラト)ホウ酸アニオンからなる群から選択される少なくとも1つのアニオンを有する請求項10に記載の電子写真用部材。
- 電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、電子写真用部材の少なくとも1つが、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電子写真用部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 電子写真感光体を備える電子写真装置であって、電子写真用部材の少なくとも1つが、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電子写真用部材であることを特徴とする電子写真装置。
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