JP6486188B2 - 電子写真用部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真用部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は電子写真装置に用いられる電子写真用部材、該電子写真用部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真装置(電子写真方式を用いた複写機やファクシミリやプリンター等)においては、電子写真感光体(以降、「感光体」ともいう)が帯電ローラにより帯電され、レーザー等により露光され、その結果、感光体上に静電潜像が形成される。次いで、現像容器内のトナーがトナー供給ローラ及びトナー規制部材により現像ローラ上に塗布される。次に現像ローラによってトナーが現像領域に搬送される。現像領域に搬送されたトナーによって、感光体と現像ローラとの接触部又は近接部で、感光体上の静電潜像の現像が行われる。その後、感光体上のトナーは、転写手段により記録紙に転写され、熱と圧力により定着され、感光体上に残留したトナーはクリーニングブレードによって除かれる。
電子写真装置において現像ローラや帯電ローラに用いられる、導電層を備えた電子写真用部材は、電気抵抗値を10〜10Ω程度に制御する必要がある。また導電性は部材全体にわたって均一で、経時的に安定である必要がある。かかる導電層に所定の導電性を付与するために用いられる導電剤として、カーボンブラック等の導電性粒子や、4級アンモニウム塩などのイオン導電剤がある。カーボンブラック等の導電性粒子が添加されてなる電子導電性ローラは、接触する他部材を汚染する可能性が少ないという長所を有している。しかし一方で、カーボンブラック等の導電性粒子は均一分散が難しく、局所的に低抵抗な部位が発生することを防ぐことは容易ではない。イオン導電剤が添加されてなるイオン導電性ローラは、電子導電性ローラと比較すると、導電剤の分散ムラに起因する電気抵抗値のムラを低減させることができ、局所的に低抵抗な部位は生じにくい。そのため、現像ローラにおいては感光体に均一に現像剤を現像でき、帯電ローラにおいては感光体表面の均一な帯電が可能になる。
その一方で、イオン導電剤は移行性があるため、長期の使用によって、イオン導電剤が導電層中を移動して表面に浸みだし易い。また、イオン導電剤が導電層中を移動することにより、電子写真用部材の導電性が経時的に変化してしまうことがある。また、表面に浸みだしたイオン導電剤が、電子写真用部材に当接している感光体などの表面に付着し、電子写真画像の品位を低下させることがある。
この課題に対し、特許文献1では、水酸基を二つ持ったイオン液体を用いることで、イオン液体をウレタン樹脂組成物に固定し、イオン導電剤の浸みだし抑制を図っている。
また、特許文献2では、活性水素含有イオン液体がウレタン結合されているか不飽和エチレン基含有イオン液体の重合物が含有されていることで、樹脂全体に帯電防止能があり、耐久性の帯電防止樹脂が得られることが開示されている。
特開2011−118113号公報 特開2011−32397号公報
本発明者らの検討によれば、水酸基を二つ持ったイオン導電剤を用いた導電層は、イオン導電剤が導電層に固定されるため、導電層からのイオン導電剤の浸みだしが抑制された。しかしながら、イオン導電剤の固定により導電層の導電性が低下し、電子写真用部材に必要な導電性が得られず、電子写真画像の品位が劣る場合があった。
本発明の目的は、イオン導電剤の浸みだしが少なく、かつ導電性が高い、高品位な電子写真画像の形成に資する電子写真用部材を提供することにある。
また本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を安定して出力できる電子写真装置及びその電子写真装置に用いられるプロセスカートリッジを提供することにある。
本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。その結果、特定の構造を有するイオン導電剤を用いて合成された導電層を有する電子写真用部材は、イオン導電剤の浸みだしが少なく、高い導電性を有することを見出し、本発明を為すに至った。
すなわち、本発明の一態様によれば、導電性の軸芯体と導電層とを有する電子写真用部材であって、該導電層が、含窒素複素芳香環カチオンと、該含窒素複素芳香環カチオンと反応可能な化合物とから合成された樹脂、及びアニオンを含み、該含窒素複素芳香環カチオンが、水酸基と結合している置換基を二つ有しており、該含窒素複素芳香環カチオン中の含窒素複素芳香環が窒素原子を一つのみ有する場合、該置換基のうち、一方が該含窒素複素芳香環の窒素原子と結合し、他方が該含窒素複素芳香環の炭素原子と結合しており、
該含窒素複素芳香環カチオン中の含窒素複素芳香環が窒素原子を二つ以上有する場合、いずれの該置換基も該含窒素複素芳香環の二つの窒素原子と結合していることを特徴とする電子写真用部材が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、導電性の軸芯体と導電層とを有する電子写真用部材であって、該導電層が、下記構造式(1)で示される構造を有する樹脂と、アニオンと、を有することを特徴とする電子写真用部材が提供される。
Figure 0006486188
構造式(1)中、Zは、カチオン性の含窒素複素芳香環を含むカチオン骨格を表す。A及びAはそれぞれ独立して連結基であって、該カチオン性の含窒素複素芳香環が窒素原子を一つのみ有する場合、A及びAのうち、一方が該カチオン性の含窒素複素芳香環の窒素原子と結合し、他方が該カチオン性の含窒素複素芳香環の炭素原子と結合しており、該カチオン性の含窒素複素芳香環が窒素原子を二つ以上有する場合、A及びAはいずれも該カチオン性の含窒素複素芳香環の二つの窒素原子と結合している。B及びBはそれぞれ独立して水酸基の水素原子と、水酸基の水素原子と反応可能な化合物とが反応した残基である。
また、本発明の他の態様によれば、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている、帯電部材及び現像剤担持体のいずれか一方を少なくとも備えているプロセスカートリッジであって、該帯電部材又は該現像剤担持体が上記の電子写真用部材であることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
さらに本発明の他の態様によれば、電子写真感光体と、帯電部材及び現像剤担持体を備えている電子写真装置であって、該帯電部材又は該現像剤担持体が上記の電子写真用部材であることを特徴とする電子写真装置が提供される。
本発明によれば、特定の構造を有するカチオンと、カチオンと反応可能な化合物とから合成された樹脂を導電層内に設けることで、導電性が高く、イオン導電剤の浸みだしが少ない、高品位の電子写真画像の形成に資する電子写真用部材を得ることができる。また本発明によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成することのできるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を得ることができる。
(a)本発明の電子写真用部材の一例を示す概念図である。(b)本発明の電子写真用部材の他の例を示す概念図である。(c)本発明の電子写真用部材のさらに他の例を示す概念図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成図である。 (a)本発明の電子写真用部材の電流値を測定する測定装置において電子写真用部材が従動回転する構成の一例を示す概略構成図である。(b)本発明の電子写真用部材の電流値を測定する測定装置の構成の一例を示す概略図である。
本発明に係る電子写真用部材は、導電性の軸芯体と導電層とを有し、該導電層が、含窒素複素芳香環カチオンと、該含窒素複素芳香環カチオンと反応可能な化合物とから合成された樹脂と、アニオンとを含み、該含窒素複素芳香環カチオンが、水酸基と結合している置換基を二つ有しており、該含窒素複素芳香環カチオン中の含窒素複素芳香環が窒素原子を一つのみ有する場合、該置換基のうち、一方が該含窒素複素芳香環の窒素原子と結合し、他方が該含窒素複素芳香環の炭素原子と結合しており、該含窒素複素芳香環カチオン中の含窒素複素芳香環が窒素原子を二つ以上有する場合、いずれの該置換基も該含窒素複素芳香環の二つの窒素原子と結合していることを特徴とする。
本発明に係る電子写真用部材の一実施形態を図1に示す。本発明に係る電子写真用部材1は、図1(a)に示すように、導電性の軸芯体2と、その外周に設けられた弾性層3とからなることができる。この場合弾性層3は、本発明に係る樹脂からなる導電層である。また、図1(b)に示すように、弾性層3の表面に表面層4を形成してもよい。この場合、本発明の導電層は、弾性層3、表面層4のいずれにも適用可能である。
更に図1(c)に示すように、弾性層3と表面層4の間に中間層5を配置した3層構造、又は、中間層5を複数配置した多層構成であってもよい。この場合、本発明の導電層は弾性層3、中間層5、表面層4のいずれにも適用可能である。
<軸芯体>
軸芯体2は、電子写真用部材1の電極及び支持部材として機能するもので、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属又は合金;クロム又はニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成され、中実であってもよく、中空であってもよい。
<導電層>
本発明に係る電子写真用部材の導電層は、含窒素複素芳香環カチオンおよび当該カチオンと反応可能な化合物から合成された樹脂と、アニオンと、を含む。本発明において、導電層に含まれる樹脂はイオン導電剤を用いて合成する。イオン導電剤とは、導電層に含まれる樹脂を合成するための材料の一つを指し、カチオンと反応可能な化合物と反応する前の状態のものを言う。また、カチオンとは、イオン導電剤に含まれるカチオンを指し、下記構造式(2)で示される。
Figure 0006486188
構造式(2)中のZは、カチオン性の含窒素複素芳香環を含むカチオン骨格を表す。A及びAはそれぞれ独立して連結基である。該カチオン性の含窒素複素芳香環が窒素原子を一つのみ有する場合、A及びAのうち、一つが該カチオン性の含窒素複素芳香環の窒素原子と結合し、もう一つが該カチオン性の含窒素複素芳香環の炭素原子と結合している。該カチオン性の含窒素複素芳香環が窒素原子を二つ以上有する場合、A及びAはいずれも該カチオン性の含窒素複素芳香環の二つの窒素原子と結合している。Hは水酸基の水素原子である。
水酸基と結合している置換基は、前記水酸基の水素原子と、前記窒素原子との間にオキシアルキレン構造を有することが好ましい。
また、オキシアルキレン構造が、下記式(I)または(II)で示される構造であることが好ましい。
Figure 0006486188
Figure 0006486188
式(I)および(II)において、*は前記水酸基の水素原子との結合部を表し、**は、前記窒素原子との結合部を表し、aは1以上9以下の整数であり、bは1以上4以下の整数である。
構造式(2)中、Zは、好ましくは、カチオン性のイミダゾリウム骨格及びカチオン性のピリジニウム骨格から選ばれる少なくとも一つを含む。
構造式(2)に示される構造のカチオンと、カチオンと反応可能な化合物とは、下記構造式(1)に示される構造の樹脂を得るための、必須の材料である。下記構造式(1)に示す構造は、本発明に係るカチオンと、カチオンと反応可能な化合物とが反応した後の構造である。本発明に用いる導電層は、下記構造式(1)で示される構造を有する樹脂と、アニオンとを有している。
Figure 0006486188
構造式(1)中、Zは、カチオン性の含窒素複素芳香環を含むカチオン骨格を表す。A及びAはそれぞれ独立して連結基であって、該カチオン性の含窒素複素芳香環が窒素原子を一つのみ有する場合、A及びAのうち、一方が該カチオン性の含窒素複素芳香環の窒素原子と結合し、他方が該カチオン性の含窒素複素芳香環の炭素原子と結合しており、該カチオン性の含窒素複素芳香環が窒素原子を二つ以上有する場合、A及びAはいずれも該カチオン性の含窒素複素芳香環の二つの窒素原子と結合している。B及びBはそれぞれ独立して水酸基の水素原子と、水酸基の水素原子と反応可能な化合物とが反応した残基である。
及びBは、それぞれウレタン結合及びエーテル結合から選ばれる少なくとも一つの構造を含んでいることが好ましい。本発明においてカチオン性有機基とは、構造式(2)に示すカチオンが反応した後の樹脂に含まれる、構造式(1)中のZを指す。
構造式(1)中のA及びAの連結基は、好ましくは、それぞれ独立して、オキシアルキレン構造を有する。
また、前記オキシアルキレン構造は、下記式(III)または(IV)で示される構造であることが好ましい。
Figure 0006486188
Figure 0006486188
式(III)および(IV)において、***は前記残基との結合部を表し、****は、前記窒素原子との結合部を表し、cは1以上9以下の整数であり、dは1以上4以下の整数である。
構造式(1)中のZは、好ましくは、イミダゾリウムカチオン(カチオン性のイミダゾリウム骨格)及びピリジニウムカチオン(カチオン性のピリジニウム骨格)から選ばれる少なくとも一つである。
構造式(1)中のB又はBは、好ましくは、水酸基の水素原子と、イソシアネート化合物及びメラミン化合物から選ばれる少なくとも一つとが反応した残基を含む。
構造式(1)で示される構造の樹脂を含有することによって、導電層の導電性の向上に顕著な効果が見られる理由について、本発明者らは以下のように推測している。
まず、導電層の導電性は、主にアニオンの移動により支配されると推測される。なぜなら、カチオン性有機基Zは樹脂に固定されており、アニオンが移動しにくくなるのに対し、アニオンは樹脂と結合せず、移動し易いと考えられるためである。さらに、このアニオンの移動のし易さは、正電荷を有するZとの静電的な相互作用により、影響を受けると考えられる。つまり、Zとアニオンの相互作用が強いと、アニオンは樹脂に固定されたZに引き寄せられ、移動しにくくなり、導電層の導電性が低くなると考えられる。逆に、Zとアニオンの相互作用が弱いと、アニオンはZに引き寄せられにくく、移動しやすくなり、導電層の導電性が高くなると考えられる。
本発明者らは、構造式(1)におけるZ(カチオン性の含窒素複素芳香環を含むカチオン骨格)の種類による作用と、A、Aが結合しているZ中の原子の種類による作用という二つの作用により、本発明の効果が発現すると推定している。以下に、それぞれ導電層の導電性に影響を与える理由について詳しく説明する。
一つ目に、Zの種類が導電性に影響を与える理由を説明する。Zがカチオン性の含窒素複素芳香環を含むカチオン骨格ではない場合(四級アンモニウムカチオンや、ピロリジニウムカチオン等)と比較して、Zが含窒素複素芳香環カチオン性有機基の場合(イミダゾリウムカチオンや、ピリジニウムカチオン等)は、共役によって、窒素原子上にあった正電荷が、窒素原子を中心として芳香環上の他の原子にも分布する。そのためZとアニオンの静電的な相互作用が小さくなる。その結果アニオンが移動しやすくなり、導電性が高くなるのではないかと考えられる。
次に、二つ目の、A、Aが結合しているZ中の原子の種類が、導電層の導電性に影響を与える理由について説明する。カチオンと、カチオンと反応可能な化合物とが反応すると、カチオンは樹脂に固定され、樹脂の一部分になる。反応後の樹脂の中で、Zは、A、Aを介して、樹脂の他の部分(B、B及びその先)と結合している。従ってA、Aが結合しているZ中の原子の周囲に、A、Aを介して結合されている樹脂の他の部分(B、B及びその先)による立体障害が生じる。
含窒素複素芳香環カチオン等の、窒素原子上に正電荷を有するカチオンでは、炭素や水素原子上よりも、窒素原子上の正電荷の密度が大きい。そのため窒素原子の周りに上述の立体障害が生じるようにすると、Zの正電荷に対してアニオンを近づきにくくできる。その結果、Zの束縛を受けにくくなったアニオンは導電層中を移動しやすくなり、導電性が高くなると考えられる。
それに対し、Z中の窒素原子以外の原子がA、Aと結合していた場合、上述の立体障害が、窒素原子以外の、正電荷の密度が小さい原子の周りに生じることになり、正電荷の密度の大きい窒素原子の周りの立体障害が減じてしまう。そのため窒素原子にアニオンが引き寄せられ、アニオンが移動しにくくなり、導電層の導電性が低くなると考えられる。
以上に述べたように、Zの芳香族性により窒素原子上の正電荷が他の原子に分布する点と、正電荷の密度が比較的大きい窒素原子上に立体障害が生じる点の両方に、Zとアニオンの相互作用を弱める効果がある。その結果アニオンがZに引き寄せられずに移動しやすくなり、導電層は高い導電性を示すと考えられる。
<イオン導電剤>
導電層を形成するために用いるイオン導電剤は、カチオンとアニオンとを有している。カチオンの構造は、構造式(2)で示される。
Figure 0006486188
構造式(2)中、Zはカチオン性の含窒素複素芳香環を含むカチオン骨格を表す。A−HとA−Hで示される部分はそれぞれ水酸基と結合している置換基である。該カチオン性の含窒素複素芳香環が窒素原子を一つのみ有する場合、A及びAのうち、一つが該カチオン性の含窒素複素芳香環の窒素原子と結合し、もう一つが該カチオン性の含窒素複素芳香環の炭素原子と結合している。該カチオン性の含窒素複素芳香環が窒素原子を二つ以上有する場合、A及びAはいずれも該カチオン性の含窒素複素芳香環の二つの窒素原子と結合している。Hは水酸基の水素原子である。
カチオン骨格は、窒素原子を含む複素芳香環式カチオンであればよく、例えば、イミダゾリウム、ピラゾリウム、ピリジニウムや、これらの含窒素複素環に一つ又は複数の芳香環が縮合したベンゾイミダゾリウム、キノリニウム等の縮合環カチオンが挙げられる。またオキサゾリウム、チアゾリウム、ベンゾオキサゾリウム、ベンゾチアゾリウム等のように窒素原子以外の一つ又は複数のヘテロ原子を有していてもよい。この中でも、得られる導電層の導電性が比較的高い点で、イミダゾリウムカチオン及びピリジニウムカチオンが好ましい。また、カチオン骨格は、水酸基を有しない置換基(例えば、炭素数1〜30の炭化水素基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、アミド基、シアノ基などのヘテロ原子を含む置換基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基等)を一つ又は複数含んでいてもよい。
本発明において水酸基と結合している置換基は、炭化水素基やポリアルキレンエーテル基等と、水酸基からなり、水酸基の水素原子は連結基を介してカチオン骨格と結合している。水酸基の酸素原子と共に連結基中に含まれる炭化水素基は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、フェニレン基等の炭素数1〜30の直鎖状又は環状、飽和又は不飽和の炭化水素基であって、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を一つ又は複数有していてもよく、その他の水酸基を有しない置換基(例えば、炭素数1〜30の炭化水素基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、アミド基、シアノ基などのヘテロ原子を含む置換基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基等)を一つ又は複数含んでいてもよい。連結基中に含まれるポリアルキレンエーテル基と水酸基の酸素原子と共に構成されるオキシアルキレン基は、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)等が挙げられる。
検討の結果、本発明者らは、水酸基の水素原子とカチオン骨格を連結する連結基(A、A)の長さは、カチオン骨格から水酸基の水素原子までの最短の距離で数えた原子数が10以下(カチオン骨格から水酸基までの最短距離で数えた原子の数が9以下)のものが好ましいことを見出した。例えば、A、Aが炭化水素基と水酸基の酸素原子によって構成される場合では、炭化水素基がノニル基であるとき、カチオン骨格から水酸基までの最短距離で数えた原子の数が9となる。すなわち、連結基が下記式(V)で示される構造である場合である。
Figure 0006486188
式(V)において、*は水酸基の水素原子との結合部を表し、**はカチオン骨格の窒素原子との結合部を表し、Oは水酸基の酸素原子を表す。
また、A、Aがポリテトラメチレングリコール基の場合では、繰り返し数2であるとき、カチオン骨格から水酸基までの最短距離で数えた原子の数が9のものに相当する。
Figure 0006486188
式(VI)において、*は水酸基の水素原子との結合部を表し、**はカチオン骨格の窒素原子との結合部を表し、*と結合している酸素原子は水酸基の酸素原子である。
カチオン骨格から水酸基までの最短距離で数えた原子の数が9以下であると、水酸基と反応した樹脂による立体障害が大きくなるため、カチオン性有機基に対してよりアニオンが近づきにくくなる。そのためアニオンが移動しやすくなり、導電性に優れる導電層が得られる。
イオン導電剤のアニオンは、例えばフッ化スルホン酸アニオン、フッ化カルボン酸アニオン、フッ化スルホニルイミドアニオン、フッ化スルホニルメチドアニオン、フッ化アルキルフルオロホウ酸アニオン、フッ化アルキルフルオロリン酸アニオン、ハロゲン化物イオン、カルボン酸アニオン、スルホン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ヘキサフルオロヒ酸アニオン、ヘキサフルオロアンチモン酸アニオン、ジシアンアミドアニオン、ビス(オキサラト)ホウ酸アニオン、硝酸アニオン、過塩素酸アニオンが挙げられる。
フッ化スルホン酸アニオンとしては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、フルオロメタンスルホン酸アニオン、パーフルオロエチルスルホン酸アニオン、パーフルオロプロピルスルホン酸アニオン、パーフルオロブチルスルホン酸アニオン、パーフルオロペンチルスルホン酸アニオン、パーフルオロヘキシルスルホン酸アニオン、パーフルオロオクチルスルホン酸アニオン等が挙げられる。
フッ化カルボン酸アニオンとしては、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロプロピオン酸アニオン、パーフルオロ酪酸アニオン、パーフルオロ吉草酸アニオン、パーフルオロカプロン酸アニオン等が挙げられる。
フッ化スルホニルイミドアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン、パーフルオロエチルスルホニルイミドアニオン、パーフルオロプロピルスルホニルイミドアニオン、パーフルオロブチルスルホニルイミドアニオン、パーフルオロペンチルスルホニルイミドアニオン、パーフルオロヘキシルスルホニルイミドアニオン、パーフルオロオクチルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオンの如きアニオン、及びシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドの如き環状アニオン等が挙げられる。
フッ化スルホニルメチドアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホニルメチドアニオン、パーフルオロエチルスルホニルメチドアニオン、パーフルオロプロピルスルホニルメチドアニオン、パーフルオロブチルスルホニルメチドアニオン、パーフルオロペンチルスルホニルメチドアニオン、パーフルオロヘキシルスルホニルメチドアニオン、パーフルオロオクチルスルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
フッ化アルキルフルオロホウ酸アニオンとしては、トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸アニオン、パーフルオロエチルトリフルオロホウ酸アニオン等が挙げられる。
フッ化アルキルフルオロリン酸アニオンとしては、トリス−トリフルオロメチル−トリフルオロリン酸アニオン、トリス−パーフルオロエチル−トリフルオロリン酸アニオン等が挙げられる。
ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等が挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、酢酸アニオン、プロピオン酸アニオン、酪酸アニオン、ヘキサン酸アニオン等のアルキルカルボン酸アニオン、安息香酸アニオン等の芳香族カルボン酸アニオンが挙げられ、アニオンが炭素数1〜30の炭化水素基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、アミド基、シアノ基などのヘテロ原子を含む置換基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基等の置換基を一つ又は複数有していてもよい。
スルホン酸アニオンとしては、メタンスルホン酸アニオン、エタンスルホン酸アニオン等のアルキルスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸アニオン等の芳香族スルホン酸アニオンが挙げられ、炭素数1〜30の炭化水素基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、アミド基、シアノ基などのヘテロ原子を含む置換基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基等の一つ又は複数の置換基によって置換されていてもよい。
以上に挙げたアニオンの中でも、イオン導電剤のアニオンとしては、フッ化スルホン酸アニオン、フッ化カルボン酸アニオン、フッ化スルホニルイミドアニオン、フッ化スルホニルメチドアニオン、フッ化アルキルフルオロホウ酸アニオン、フッ化アルキルフルオロリン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ヘキサフルオロヒ酸アニオン、ヘキサフルオロアンチモン酸アニオン、ジシアンアミドアニオン、ビス(オキサラト)ホウ酸アニオンが、得られる導電層の導電性が高くなる点で、好ましい。
イオン導電剤の配合量は、導電層100質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下であることが好ましい。0.01質量部以上であると導電性の高い導電層が得られる。20質量部以下であるとイオン導電剤の浸みだしが少ない導電層が得られる。
<カチオンと反応可能な化合物>
カチオンと反応可能な化合物とは、水酸基と反応する官能基を二個以上含む化合物をいう。カチオンと反応可能な化合物は、イオン導電剤のカチオンが有する水酸基だけでなく、後述するポリオール、又はその他の導電層に含まれる化合物が有する水酸基と反応してもよい。カチオンと反応可能な化合物としては、例えば、イソシアネート基を有するイソシアネート化合物、グリシジル基を有するエポキシド化合物、アルコキシ基、イミノ基、メチロール基を有するメラミン化合物等が挙げられる。イソシアネート化合物の例としては、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートの如き脂環式ポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネート及びこれらの共重合物やイソシアヌレート体、TMPアダクト体、ビウレット体、それらのブロック体等のイソシアネート化合物が挙げられる。エポキシド化合物の例としては、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族ジエポキシド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等の芳香族ジエポキシドが挙げられる。メラミン化合物の例としては、例えばメチル化型メラミン、ブチル化型メラミン、イミノ型メラミン、メチルブチル混合型メラミン、メチロール型メラミンを用いることができる。
この中でも、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネート、メチル化型メラミン、ブチル化型メラミン、イミノ型メラミン、メチルブチル混合型メラミン、メチロール型メラミンなどのメラミン化合物が好ましい。これらの化合物は、カチオンが有する水酸基との反応性が高く、樹脂に結合していないカチオンの割合が減る。そのためイオン導電剤の浸みだしの少ない導電層が得られる。
導電層に含まれる樹脂は、カチオンと反応可能な化合物と、ポリオールとから合成された樹脂を含んでいてもよい。ポリオールは複数の水酸基を分子内に有しており、水酸基は前記カチオンと反応可能な化合物と反応する。ポリオールとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。またポリエステルポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,4−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールの如きジオール成分や、トリメチロールプロパンの如きトリオール成分と、アジピン酸、無水フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロキシフタル酸等のジカルボン酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。該ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールは必要に応じてあらかじめ2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、1,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)の如きイソシアネートにより鎖延長したプレポリマーとしてもよい。
導電層は、本発明の効果が損なわれない程度に、必要によって本発明に係る樹脂以外の一般的な樹脂、ゴム材料、配合剤、導電性付与剤、非導電性充填剤、架橋剤、触媒を添加してもよい。添加する樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。ゴム材料としてはエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。配合剤としては、樹脂に対して一般的に用いられる充填剤、軟化剤、加工助剤、粘着付与剤、粘着防止剤、発泡剤等が挙げられる。導電性付与剤としては、カーボンブラック;アルミニウム、銅の如き導電性金属;導電性酸化亜鉛、導電性酸化錫、導電性酸化チタンの如き導電性金属酸化物の微粒子を用いることができる。非導電性充填剤としては、シリカ、石英粉末、酸化チタン、及び炭酸カルシウムが挙げられる。架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、テトラエトキシシラン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジクミルパーオキサイドが挙げられる。
電子写真用部材の表面層に、本発明に係る導電層が適用され、表面層として表面粗度が必要な場合は、導電層に粗さ制御のための微粒子を添加してもよい。特に現像ローラの表面層に用いられる場合、粗さ制御用微粒子としては、体積平均粒径が3〜20μmであることが、現像剤を搬送する能力に優れる現像ローラが得られるため好ましい。また、導電層に添加する微粒子添加量は、導電層の樹脂固形分100質量部に対し、1〜50質量部であることが、本発明の効果を損なわないため好ましい。粗さ制御用微粒子には、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂の微粒子を用いることができる。
導電層の形成方法としては特に限定されるものではないが、塗料によるスプレー、浸漬、及びロールコートが挙げられる。特開昭57−5047号公報に記載されているような浸漬槽上端から塗料をオーバーフローさせる浸漬塗工方法は、導電層を形成する方法として、簡便で生産安定性に優れている。また図1(a)に示す弾性層3に本発明に係る導電層を適用する際の導電層の形成方法としては、電子写真用部材において公知の方法を用いることができる。例えば、軸芯体と、導電層用の材料とを共に押出して成型する方法や、導電層形成用材料が液状であれば、円筒状のパイプと、このパイプの両端に配設された軸芯体を保持するための駒と、軸芯体とを配設した金型にこの材料を注入し、加熱硬化する方法等が挙げられる。
本発明の電子写真用部材は、帯電部材(ローラ)、現像剤担持体(現像ローラ)、転写部材(ローラ)、クリーニングブレードなどの電子写真用部材に適用できる。
本発明に係る電子写真用部材を現像装置内の現像ローラに適用する場合、現像剤は磁性又は非磁性のものであってもよく、一成分又は二成分のものでもよい。現像装置は非接触型又は接触型のものであってもよい。
<プロセスカートリッジ、電子写真装置>
図2は本発明に係るプロセスカートリッジの断面図である。図2に示したプロセスカートリッジ17は、現像剤担持体としての現像ローラ16、現像ブレード(トナー規制ブレード)21、及び電子写真感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、及び、帯電部材としての帯電ローラ24が一体化されている。また、当該プロセスカートリッジは、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている。現像装置22は、トナー容器20を含み、トナー容器20中には、トナー15が充填されている。トナー容器20中のトナー15は、トナー供給ローラ19によって現像ローラ16の表面に供給され、現像ブレード21によって、現像ローラ16の表面に所定の厚みのトナーの層が形成される。
図3は、本発明に係る電子写真用部材を現像剤担持体としての現像ローラ16として用いた電子写真装置の断面図である。図3の電子写真装置には、現像ローラ16、トナー供給ローラ19、トナー15を収容可能なトナー容器20及び現像ブレード21からなる現像装置22が脱着可能に装着されている。また、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電ローラ24からなるプロセスカートリッジ17が脱着可能に装着されている。現像装置22は、現像装置22単体で脱着可能に装着されていてもよいが、プロセスカートリッジ17と一体形成され、これと共に脱着可能に装着されていてもよい。また、現像装置22、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電ローラ24は電子写真装置本体に配備されていてもよい。すなわち、本発明のプロセスカートリッジは、帯電手段である帯電ローラ24及び現像手段である現像ローラ16のいずれか一方を少なくとも有し、電子写真装置本体に脱着可能に装着されているプロセスカートリッジであればいかなるものであってもよい。
感光体18は矢印方向に回転し、感光体18を帯電処理するための帯電ローラ24によって一様に帯電され、感光体18に静電潜像を書き込む露光手段であるレーザー光23により、その表面に静電潜像が形成される。上記静電潜像は、感光体18に対して接触配置される現像装置22によってトナーを付与されることにより現像され、トナー像として可視化される。
現像は、露光部にトナー像を形成する所謂反転現像を行っている。可視化された感光体18上のトナー像は、転写部材である転写ローラ29によって、記録媒体である紙34に転写される。紙34は、給紙ローラ35及び吸着ローラ36を経て装置内に給紙され、エンドレスベルト状の転写搬送ベルト32により感光体18と転写ローラ29の間に搬送される。転写搬送ベルト32は、従動ローラ33、駆動ローラ28、テンションローラ31により稼働している。転写ローラ29及び吸着ローラ36には、バイアス電源30から電圧が印加されている。トナー像を転写された紙34は、定着装置27により定着処理され、装置外に排紙されプリント動作が終了する。
一方、紙34に転写されずに感光体18上に残存したトナーは、クリーニングブレード26により掻き取られ、廃トナー収容容器25に収納される。
現像装置22は、一成分現像剤としてトナー15を収容したトナー容器20と、トナー容器20内の長手方向に延在する開口部に位置し感光体18と対向設置された現像剤担持体としての現像ローラ16とを備えている。この現像装置22は感光体18上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。なお、バイアス電源30から現像ローラ16および現像ブレード21にそれぞれ電圧が印加されている。
以下に、図1(b)に示すように、電子写真用部材1の表面層4に本発明に係る導電層を適用した具体的な実施例及び比較例について示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(弾性ローラD−1の作成)
SUS304製の直径6mm、全長278.9mmの芯金に、プライマー(商品名、DY35−051;東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、温度180℃に加熱したオーブンで20分間焼きつけ軸芯体とした。
上記で用意した軸芯体を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名、SE6724A/B;東レ・ダウコーニング社製)100質量部、
・カーボンブラック(商品名、トーカブラック#4300;東海カーボン社製)15質量部、
・耐熱性付与剤としてのシリカ粉体 0.2質量部、
・白金触媒 0.1質量部。
続いて、金型を15分間150℃に加熱して、シリコーンゴムを加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された軸芯体を金型から脱型した後、当該軸芯体を、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。こうして、軸芯体の外周に直径12mmのシリコーンゴム弾性層が形成された弾性ローラD−1を作成した。
(弾性ローラD−2の作成)
快削鋼の表面に無電解ニッケルメッキ処理を施した全長252mm、外径6mmの丸棒を用意した。次に前記丸棒の両端部11mmずつを除く230mmの範囲に全周にわたって、接着剤を塗布し、軸芯体とした。接着剤は、導電性のホットメルトタイプのものを使用した。また、塗布にはロールコーターを用いた。
次に、下記に示す種類と量の各材料を加圧式ニーダーで混合して、A練りゴム組成物を得た。
・NBRゴム(商品名:Nipol DN219;日本ゼオン社製)100.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300;東海カーボン社製)40.0質量部
・炭酸カルシウム(商品名:ナノックス#30;丸尾カルシウム社製)20.0質量部
・ステアリン酸(商品名:ステアリン酸S;花王社製) 1.0質量部、
さらに、前記A練りゴム組成物166.0質量部と下記に示す種類と量の各材料をオープンロールにて混合し未加硫ゴム組成物を調製した。
・硫黄(商品名:Sulfax 200S;鶴見化学工業社製) 1.2質量部
・テトラベンジルチウラムジスルフィド(商品名:TBZTD;三新化学工業社製)4.5質量部
次に、軸芯体の供給機構と、未加硫ゴムローラの排出機構とを有するクロスヘッド押出機に、内径16.5mmのダイスを取付け、押出機とダイス(クロスヘッド)を80℃に、導電性の軸芯体の搬送速度を60mm/secに調整した。この条件で、押出機より未加硫ゴム組成物を供給して、クロスヘッド内にて導電性の軸芯体に未加硫ゴム組成物を弾性層として被覆した。次にこれを、170℃の熱風加硫炉に投入し、60分間加熱した。冷却した後、弾性層の端部を切除、除去し、弾性層の表面を回転砥石で研磨することで、軸方向の中央部から両端部側へ各90mmの位置における各直径が8.4mm、中央部直径が8.5mmの弾性ローラD−2を作製した。
(表面層の調製)
以下に本発明に用いる表面層を得るための合成例を示す。
<イオン導電剤の合成>
本発明に用いるイオン導電剤は、例えばメンシュトキン反応等の、公知の求核置換反応を一段階又は複数の段階用いて前駆体を合成した後、公知のイオン交換反応を行うことによって得ることができる。
従って、求核剤には、例えばイミダゾール化合物、ピリジン化合物、ピラゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、及びキノリン化合物等の、求核性の窒素原子を有する化合物を用いることができる。
また、求電子剤には、例えば水酸基を置換したハロゲン化アルキル化合物等を用いることができる。
更に、イオン交換反応に用いるアルカリ金属塩には、例えばフッ化アルキルスルホン酸リチウム塩、及びフッ化アルキルスルホニルイミドカリウム塩などの、前述した本発明のアニオンを含むアルカリ金属塩を用いることができる。
求核置換反応に用いる求核剤、求電子剤、及びイオン交換反応に用いるアルカリ金属塩を所望の組み合わせに変更することで、目的のイオン導電剤を公知の方法の組み合わせによって合成することができる。イオン導電剤を合成する例を以下に示す。用いた求核剤、求電子剤、及びイオン交換反応に用いるアルカリ金属塩を表1、表2、及び表9に示す。
(イオン導電剤前駆体P−1の合成)
ジムロート冷却器を取り付けたナスフラスコに撹拌子とテトラヒドロフラン(以下THF、関東化学社製)50mlを入れ、水素化ナトリウム(関東化学社製)12.5g(0.52mol)を分散させ、ナスフラスコを氷浴で冷却した。求核剤であるN−1(イミダゾール、東京化成工業社製)8.94g(0.13mol)をTHF50mlに溶解させた溶液をゆっくり滴下した後、氷浴を取り外し室温で2時間撹拌した。求電子剤であるQ−1(2−ブロモエタノール)(東京化成工業社製)41.1g(0.33mmol)を室温で加えた後、70℃で7時間加熱還流した。反応後の反応液をろ過し、不溶分をTHFで洗い流し、得られたろ液の溶媒を減圧留去した。再びジクロロメタンに溶解させ、ろ過し、ろ液を回収後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、減圧下乾燥し、イオン導電剤前駆体P−1を28g得た。
Figure 0006486188
Figure 0006486188
(イオン導電剤前駆体P−2、P−7、P−16の合成)
原料となる求核剤、求電子剤の種類及び配合量を、表3に記載の通り変更した以外は、イオン導電剤前駆体P−1の合成と同様にして、イオン導電剤前駆体P−2、P−7、P−16を得た。
Figure 0006486188
(イオン導電剤前駆体P−3の合成)
ジムロート冷却器を取り付けたフラスコに、求核剤であるN−1(イミダゾール、東京化成工業社製)6.17g(0.09mol)、求電子剤であるQ−2(2−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]エタノール、東京化成工業社製)23g(0.14mol)、炭酸カリウム(関東化学社製)25g(0.18mol)、アセトン200mlを加え、65℃で一晩加熱還流させた。反応後、反応液をろ過し、ろ液の溶媒を減圧留去した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、求核剤が三級化された化合物を得た。続いて、得られた化合物をジクロロメタン50mlに溶解させ、求電子剤であるQ−4(4−ブロモ−1−ブタノール、東京化成工業社製)20.8g(0.14mol)を加え、40℃で18時間加熱還流した。反応後溶媒を減圧留去し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥後白色粉末として四級化されたイオン導電剤前駆体P−3を得た。
(イオン導電剤前駆体P−4、P−5、P−6の合成)
原料となる求核剤、求電子剤の種類及び配合量を、表4に記載の通り変更した以外は、イオン導電剤前駆体P−3の合成と同様にして、イオン導電剤前駆体P−4、P−5、P−6を得た。
Figure 0006486188
(イオン導電剤前駆体P−8の合成)
丸底フラスコに、蒸留したTHF500mlと2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(Sigma Aldrich社製)1gを入れ、窒素雰囲気下0℃に冷却した。続いて、トリフルオロメタンスルホン酸メチル(東京化成工業社製)3.6g(22mmol)を開始剤として添加した。重合を停止させるため求核剤N−3(2−メチルベンズイミダゾール、東京化成工業社製)5.87g(44.5mmol)を加え、水中とジエチルエーテル中でポリマーを沈殿精製し、減圧乾燥後白色粉末としてテトラメチレングリコール置換されたイミダゾールを得た。続いてこれを四級化させるため、得られたポリマーをジクロロメタン200mlに溶解させ、求電子剤Q−3(6−ブロモ−1−ヘキサノール、東京化成工業社製)12.1g(67mmol)を加え、40℃で18時間加熱還流した。反応後溶媒を減圧留去し、ジエチルエーテルで洗浄後乾燥し、白色粉末を得た。アニオンを塩化物イオンに交換するため、得られたポリマーをイオン交換樹脂Dowex(和光純薬工業社製)を分散させたメタノール中で2〜3時間撹拌した。イオン交換樹脂をろ過で除去し、乾燥後、四級化されたイオン導電剤前駆体P−8を得た。P−8のアニオンは塩化物イオンである。
(イオン導電剤前駆体P−9の合成)
反応に用いる求核剤をN−1(イミダゾール、東京化成工業社製)2.87g(42mmol)、求電子剤をQ−8(12−ブロモ−1−ドデカノール、東京化成工業社製)16.8g(63mmol)に変更した以外は、イオン導電剤前駆体P−8の場合と同様に、イオン導電剤前駆体P−9を合成した。
(イオン導電剤前駆体P−10の合成)
求核剤であるN−4(2−ピリジンエタノール、東京化成工業社製)12.0g(0.15mol)をジクロロメタン200mlに溶解させ、求電子剤であるQ−1(2−ブロモエタノール、東京化成工業社製)38g(0.3mol)を加え、40℃で18時間加熱還流した。反応後溶媒を減圧留去し、ジエチルエーテルで洗浄後白色粉末として四級化されたイオン導電剤前駆体P−10を得た。
(イオン導電剤前駆体P−11、P−12、P−14の合成)
反応に用いる求核剤、求電子剤の種類及び配合量を表5に記載の通り変更した以外は、イオン導電剤前駆体P−10の場合と同様に、イオン導電剤前駆体P−11、P−12、P−14を合成した。
Figure 0006486188
(イオン導電剤前駆体P−13の合成)
丸底フラスコに、蒸留したTHF 500mlと2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(Sigma Aldrich社製)1.2gを入れ、不活性雰囲気下0℃に冷却した。続いて、トリフルオロメタンスルホン酸メチル4.92g(30mmol)を開始剤として添加した。重合を停止させるため求核剤N−4(2−ピリジンエタノール、東京化成工業社製)7.3g(59mmol)を加え、水中とジエチルエーテル中でポリマーを沈殿精製し、減圧乾燥後白色粉末としてテトラメチレングリコール置換されたピリジニウム塩を得た。アニオンを塩化物イオンに交換するため、得られたポリマーを、イオン交換樹脂Dowex(和光純薬工業社製)を分散させたメタノール中で2〜3時間撹拌した。イオン交換樹脂をろ過で除去し、乾燥後、四級化されたイオン導電剤前駆体P−13を得た。P−13のアニオンは塩化物イオンである。
(イオン導電剤前駆体P−15の合成)
求電子剤Q−6(10−ブロモ−1−デカノール、東京化成工業社製)19g(80mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド中イミダゾールの存在下tert−ブチルジメチルシリルクロリドを室温で3時間反応させ、酢酸エチル/水中で分液し乾燥後水酸基をシリル化した化合物を得た。蒸留したTHF400mlに、不活性雰囲気下求核剤N−7(3−ブロモピリジン、東京化成工業社製)8.55g(54mmol)を溶解させ、ドライアイス/メタノール浴で−78℃に冷却した。続いてn−ブチルリチウム/ヘキサン2.6mol/l溶液(関東化学社製)23ml(60mmol)をゆっくり滴下し、30分撹拌した。続いてシリル化したQ−6のTHF溶液50mlをゆっくり滴下した。−78℃で3時間、室温で一晩反応させた後、反応溶液に塩酸を加え、室温で1時間撹拌し脱シリル化させる。溶媒を減圧留去した後、ジクロロメタン/水で分液し、乾燥後3−(10−ヒドロキシデシル)ピリジンを白色粉末として得た。これをジクロロメタン50mlに溶解させ、四級化のための求電子剤であるQ−8(12−ブロモ−1−ドデカノール、東京化成工業社製)15.8g(60mmol)を加え、40℃で18時間加熱還流した。反応後溶媒を減圧留去し、ジエチルエーテルで洗浄後乾燥し、白色粉末として四級化されたイオン導電剤前駆体P−15を得た。P−15のアニオンは臭化物イオンである。
(イオン導電剤前駆体P−17、P−18、P−19の合成)
反応に用いる求核剤、求電子剤を表6に記載の通り変更した以外は、イオン導電剤前駆体P−15の場合と同様に、イオン導電剤前駆体P−17、P−18、P−19を合成した。
Figure 0006486188
(イオン導電剤前駆体P−20の合成)
ナスフラスコにジムロート冷却器を取り付け、求核剤N−12(ジブチルアミン、東京化成工業社製)14.5g(0.11mol)、求電子剤Q−1(2−ブロモエタノール、東京化成工業社製)35.5g(0.28mol)をアセトニトリル200mlに溶解させ、炭酸カリウム69g(0.5mol)を添加した。90℃で一晩沸点還流し、反応液を酢酸エチル/水で分液し、有機層を回収し、溶媒を減圧留去し白色固体として四級化されたイオン導電剤前駆体P−20を得た。得られた前駆体のアニオンは臭化物イオンである。
(イオン導電剤前駆体P−21、P−22、P−23の合成)
反応に用いる求核剤、求電子剤を表7に記載の通り変更した以外は、イオン導電剤前駆体P−20の場合と同様に、イオン導電剤前駆体P−21、P−22、P−23を合成した。
Figure 0006486188
(イオン導電剤前駆体P−24の合成)
求核剤であるN−16(4,5−ジブロモイミダゾール、Sigma Aldrich社製)15.5g(73mmol)、求電子剤であるQ−12(1−ブロモブタン、東京化成工業社製)15.2g(0.11mol)、炭酸カリウム(関東化学社製)27.8g(0.2mol)、アセトン100mlを加え、65℃で一晩加熱還流させた。反応後、反応液をろ過し、ろ液の溶媒を減圧留去した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、求核剤が三級化された化合物を得た。続いて得られた化合物をジクロロメタン50mlに溶解させ、求電子剤であるQ−11(ヨードエタン、東京化成工業社製)17.1g(0.11mmol)を加え、40℃で18時間加熱還流した。反応後溶媒を減圧留去し、ジエチルエーテルで洗浄後白色粉末として4,5−ジブロモエチルブチルイミダゾリウムヨージドを得た。続いてこの化合物を窒素雰囲気下、蒸留したTHF300mlに溶解させ、ドライアイス/メタノール浴で−78℃に冷却した。続いてn−ブチルリチウム/ヘキサン2.6M溶液(関東化学社製)80mlをゆっくり滴下し、30分撹拌した。続いて求核剤Q−9(2−ブロモエトキシ−tert−ブチルジメチルシラン、Sigma Aldrich社製)52.3g(0.22mmol)のTHF溶液100mlをゆっくり滴下した。−78℃で3時間、室温で一晩反応させた後、反応溶液に塩酸を加え、室温で1時間撹拌し脱シリル化させた。溶媒を減圧留去した後、酢酸エチル/水で分液した後、白色粉末としてイオン導電剤前駆体P−24を得た。P−24のアニオンはヨウ化物イオンである。
(イオン導電剤前駆体P−25、P−26、P−27、P−28の合成)
反応に用いる求核剤、求電子剤を表8に記載の通り変更した以外は、イオン導電剤前駆体P−24の場合と同様に、イオン導電剤前駆体P−25、P−26、P−27、P−28を合成した。なお、イオン導電剤前駆体P−24の合成におけるQ−12が求電子剤A、Q−11が求電子剤B、Q−9が求電子剤Cをそれぞれ表す。
Figure 0006486188
上記の方法で合成したイオン導電剤前駆体P−1〜P−28のアニオンは塩化物イオンや臭化物イオンなどのハロゲン化物イオンである。これらのアニオンを目的のアニオンに交換するため、下記に示すイオン交換反応により目的のイオン導電剤を合成した。使用するアニオン交換塩を表9に示す。
(イオン導電剤C−1の合成)
イオン導電剤前駆体P−1、7.7g(33mmol)をジクロロメタン50mlに溶解させた後、アニオン交換塩であるA−1(ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドリチウム、東京化成工業社製)10.3g(36mmol)を溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドアニオンであるイオン導電剤C−1を得た。
Figure 0006486188
(イオン導電剤C−2〜C−11、C−13〜C−30の合成)
反応に用いるイオン導電剤前駆体、アニオン交換塩の種類及び配合量を表10に記載の通り変更した以外は、イオン導電剤C−1の場合と同様に、イオン導電剤C−2〜C−11、C−13〜C−30を合成した。イオン導電剤C−12は、イオン導電剤前駆体P−11を、イオン交換せずにそのまま用いた。
Figure 0006486188
合成したイオン導電剤C−1〜C−8、C−10、C−26〜C−28の構造を構造式(3)及び表11に、C−11〜C−17、C−29、C−30の構造を構造式(4)及び表12に、C−9、C−18〜C−25の構造を構造式(5)〜(13)に示す。
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
なお、構造式(5)中のnは2である。
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
(イソシアネート基末端プレポリマーB−1の合成)
窒素雰囲気下、反応容器中でイソシアネートD−1ポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR200;(東ソー(旧:日本ポリウレタン工業)社製)38質量部に対し、ポリオールF−1(ポリ(テトラメチレングリコール)(商品名:PTMG2000;三菱化学社製))100質量部を反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、メチルエチルケトン(MEK)50質量部で希釈し、イソシアネート基含有量3.4%のイソシアネート基末端プレポリマーB−1の溶液を得た。
(イソシアネート基末端プレポリマーB−2〜B−4の合成)
反応に用いるイソシアネートとポリオールの種類及び配合量を、表13〜表15に記載の通りに変更した以外は、イソシアネート基末端プレポリマーB−1の場合と同様にして、イソシアネート基末端プレポリマーB−2〜B−4を合成した。
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
(実施例1)
以下に、本発明の電子写真用部材の製造法について説明する。
表面層の材料として、以下の材料を撹拌混合した。
・反応性化合物
イソシアネート基末端プレポリマーB−1 66.4質量部
・ポリオール
ポリオールE−1(ポリ(テトラメチレングリコール)(三菱化学社製)) 30.6質量部
・イオン導電剤
イオン導電剤C−1 3.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製)90.0質量部
次に、混合物に総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトン(以下、MEKという)を加えた後、サンドミルにて混合した。ついで、更に、MEKで混合物粘度を10〜13cpsに調整して表面層形成用塗料を調製した。
先に作成した弾性ローラD−1を、表面層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラD−1の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度160℃にて1時間加熱処理することで弾性層の外周に膜厚15μmの表面層を設け、実施例1に係る電子写真用部材を作成した。
表面層中の樹脂が、構造式(1)で示される構造を含むことは、例えば熱分解GC/MS、発生ガス分析(EGA−MS)、FT−IR又はNMRによる分析等により確認することが可能である。
本実施例で得られた表面層については、熱分解装置(商品名:パイロホイルサンプラーJPS−700、日本分析工業社製)及びGC/MS装置(商品名:Focus GC/ISQ、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用い、熱分解温度を590℃、キャリアガスとしてヘリウムを使用し、分析を行った。その結果、得られたフラグメントピークから、表面層が、それを構成する樹脂に、前記構造式(1)に示される構造を有していることが確認された。
こうして得られた実施例1に係る電子写真用部材を現像ローラ(現像剤担持体)として、以下の項目について評価を行った。
[現像ローラ電流値の測定]
現像ローラ電流値の測定は、温度23℃、相対湿度45%RH(以下N/Nと記す)の環境中に6時間以上現像ローラを放置し、N/N環境下で行った。
図4に、ローラ電流値評価冶具の概略構成図を示す。導電層の導電性が高い(抵抗が小さい)と、ローラに流れる電流値が大きくなる。そのため、一定電圧印加時の現像ローラに流れる電流値を測定することで、導電層の導電性を評価できる。
まず、図4(a)において、導電性の軸受け38を介して、電子写真用部材1の導電性の軸芯体2の両端を各々4.9Nの荷重で押しながら、直径40mmの円柱形金属37を回転させ、現像ローラとしての電子写真用部材1を60rpmの速度で従動回転させる。
次に、図4(b)において、高圧電源39によって電圧50Vを印加し、円柱形金属37とグランドとの間に配設した既知の電気抵抗(現像ローラの電気抵抗に対して2桁以上電気抵抗が低いもの)を有する抵抗器の両端の電位差を計測した。当該電位差の計測には、電圧計40(FLUKE社製 189TRUE RMS MULTIMETER)を用いた。測定した電位差と抵抗器の電気抵抗から、現像ローラとしての電子写真用部材1を介して円柱形金属に流れた電流を計算により求めた。ここで、該電位差の計測は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値をローラ電流値とした。
[ゴーストの評価]
次に、上記のようにして予め電流値の測定を行った現像ローラを、温度15℃、相対湿度10%(以下、L/Lと記す)の環境中に6時間以上放置した後、以下の評価を行った。
図3に示す構成を有する電子写真装置であるレーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン製)をL/L環境中に設置し、本実施例で得られた電子写真用部材を現像ローラとして装填し、ゴースト画像の評価を行った。
ゴースト画像の評価には、ブラックトナーを用い、画像パターンとしてA4サイズの用紙の1枚内で先端部に15mm×15mm角のベタ黒画像、その後に全面ハーフトーンの画像を印字した。次に、得られた印刷物において、ハーフトーン画像部分に現れる現像ローラの回転周期の濃度ムラを目視評価し、以下の基準でゴーストの評価とした。
(L/L環境下でのゴースト評価の基準)
A:ゴーストが全く認められない
B:極軽微なゴーストが認められる
C:軽微なゴーストが認められる
D:顕著なゴーストが認められる
(実施例8)
以下に、本発明の別の電子写真用部材の製造法について説明する。
表面層の材料として、以下の材料を撹拌混合した。
・反応性化合物
反応性化合物R−2(ビスフェノールAジグリシジルエーテル(東京化成工業社製)) 18.0質量部
・ポリオール
ポリオールE−4(ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製)) 72.0質量部
・イオン導電剤
イオン導電剤C−8 10.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製) 90.0質量部
次に、混合物に総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトン(以下、MEKという)を加えた後、サンドミルにて混合した。ついで、更に、MEKで混合物の粘度を10〜13cpsに調整して表面層形成用塗料を調製した。
先に作成した弾性ローラD−1を、表面層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラD−1の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度180℃にて2時間加熱処理することで弾性層外周に膜厚15μmの表面層を設け、実施例8に係る電子写真用部材を作製した。
(実施例9)
以下に、本発明の別の電子写真用部材の製造法について説明する。
表面層の材料として、以下の材料を撹拌混合した。
・反応性化合物
反応性化合物R−3(2,4,6−トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン(東京化成工業社製)) 15.0質量部
・ポリオール
ポリオールE−4(ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製) 82.0質量部
・イオン導電剤
イオン導電剤C−9 3.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製) 90.0質量部
次に、混合物に総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトン(以下、MEKという)を加えた後、サンドミルにて混合した。ついで、更に、MEKで混合物の粘度を10〜13cpsに調整して表面層形成用塗料を調製した。
先に作成した弾性ローラD−1を、表面層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラD−1の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度180℃にて20分間加熱処理することで弾性層外周に膜厚15μmの表面層を設け、実施例9に係る電子写真用部材を作製した。
(実施例2〜7、10〜21)
実施例1から、表面層の材料である反応性化合物、ポリオールおよびイオン導電剤として、下記表16〜表18に記載の材料を用いるように変更した以外は実施例1と同様に表面層形成用塗料を作成した。なお、ウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製)については、いずれにおいても実施例1,8および9と同様に90.0質量部用いた。そして、各塗料を弾性ローラD−1に対して、実施例1と同様にして塗布、乾燥及び加熱を行って実施例2〜7、10〜21に係る電子写真用部材を作製した。
Figure 0006486188
Figure 0006486188
Figure 0006486188
(比較例1)
表面層の材料として、ポリオールE−1(ポリ(テトラメチレングリコール)(三菱化学社製))30.0質量部に対し、イオン導電剤C−22 3.0質量部、イソシアネート基末端プレポリマーB−1 67.0質量部、及びウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製)90.0質量部、を撹拌混合した。
以降は、実施例1に係る表面層形成用塗料の調製方法と同様にして比較例1に係る表面層形成用塗料を調製した。この表面層形成用塗料を実施例1と同様にして弾性ローラD−1のシリコーンゴム弾性層の表面に塗工、乾燥させて表面層を形成し、比較例1の電子写真用部材を作製した。
(比較例2〜9)
実施例1から、表面層の材料である反応性化合物、ポリオールおよびイオン導電剤として、下記表19に記載の材料を用いるように変更した以外は実施例1と同様に表面層形成用塗料を作製した。なお、ウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製)については、いずれにおいても実施例1と同様に90.0質量部用いた。そして、各塗料を弾性ローラに対して、実施例1と同様にして塗布、乾燥及び加熱を行って比較例2〜9に係る電子写真用部材を作製した。
Figure 0006486188
実施例1〜21および比較例1〜9についてのローラ電流値およびゴースト評価の結果、ならびに各例における樹脂およびアニオンの構成を表20に示す。
Figure 0006486188
実施例1〜21に係る電子写真用部材は、表面層に本発明に係る樹脂を含有しているため、高品質な画像が得られている。
特に、実施例1〜5、8、9、11、12、14、18〜21に係る樹脂は、イオン導電剤のカチオンが有する水酸基と結合している置換基が、末端に水酸基を有し、炭素数が2〜8のオキシアルキレン構造を有する。係る樹脂を含む表面層を備えた電子写真用部材は、導電性が高く、高品質な画像が得られている。
さらに実施例1〜5、8、9、11、12、14に係る樹脂は、カチオンがイミダゾリウム、ピリジニウムのいずれかの構造を有するイオン導電剤を用いている。係る樹脂を含む表面層を備えた電子写真用部材は、特に導電性が高く、高品質な画像が得られている。
上記実施例に対し、比較例1〜4に係る樹脂は、イオン導電剤のカチオンが含窒素複素芳香環カチオンではないため、係る樹脂を含む電子写真用部材の導電性が低く、画像弊害が発生している。
また比較例5〜9に係る樹脂は、イオン導電剤のカチオンに含まれる水酸基と結合している置換基が、カチオン中の含窒素複素芳香環の窒素原子以外の原子と結合している。カチオン中の含窒素複素芳香環が窒素原子を二つ以上有する比較例5〜7では、水酸基と結合している二つの置換基のいずれか一方あるいは双方が窒素原子と結合しておらず、カチオン中の含窒素複素芳香環が窒素原子を一つのみ有する比較例8〜9では、水酸基と結合している二つの置換基の双方が窒素原子と結合していない。そのため、係る樹脂を含む電子写真用部材の導電性が低く、画像弊害が発生している。
(実施例22)
実施例1と同様に表面層形成用塗料を作成した。そして、弾性ローラD−1を弾性ローラD−2に変更した以外は実施例1と同様にして塗布、乾燥及び加熱を行って実施例22に係る電子写真用部材を作製した。
(比較例10)
表面層の材料として、比較例1の材料を用いた以外は実施例22と同様にして、比較例10に係る電子写真用部材を作製した。
実施例22及び比較例10に係る電子写真用部材を帯電部材(帯電ローラ)として、以下の項目について評価を行った。
[帯電ローラの電流値]
帯電ローラ電流値は、N/Nの環境中に帯電ローラとして用いる電子写真用部材を6時間以上放置し、N/N環境下で測定を行った。
図4に、ローラ電流値評価冶具の概略構成図を示す。
図4(a)に示すように、帯電ローラとしての電子写真用部材1の導電性の軸受け38を介して導電性の軸芯体2の両端を、各々4.9Nの荷重で押しながら直径30mmの円柱形金属37を30rpmの速度で回転させ、帯電ローラとしての電子写真用部材1を従動回転させる。
次に、図4(b)において、高圧電源39によって電圧200Vを印加し、円柱形金属37とグランドとの間に配設した既知の電気抵抗(帯電ローラの電気抵抗に対して2桁以上電気抵抗が低いもの)を有する抵抗器の両端の電位差を計測した。当該電位差の計測には、電圧計40(FLUKE社製 189TRUE RMS MULTIMETER)を用いた。測定した電位差と抵抗器の電気抵抗から、帯電ローラとしての電子写真用部材1を介して円柱形金属に流れた電流を計算により求めた。ここで、該電位差の計測は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値をローラ電流値とした。
[横スジ画像評価]
帯電ローラの導電性が低いと、ハーフトーン画像に細かいスジ状の濃度ムラ(横スジ)が発生することがある。これを横スジ画像と呼ぶ。この横スジ画像は導電性が低いほど発生する傾向にある。
電子写真装置であるレーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン製)の帯電ローラとして上記の実施例で得られた電子写真用部材を装着した。そしてハーフトーン画像(感光体の回転方向と該回転方向に対して垂直方向のそれぞれに幅1ドット、間隔2ドットの線を描く画像)を出力した。得られた画像を目視にて観察し、細かいスジ状の濃度ムラ(横スジ)を評価した。評価結果を表21に示す。横スジの評価基準は以下の通りである。
A:横スジが全く発生しないレベル。
B:横スジが画像端部のみに軽微に発生するレベル。
C:横スジが画像のほぼ半分の領域に発生し、目立つレベル。
Figure 0006486188
実施例22に係る電子写真用部材は、表面層に本発明に係る樹脂を含有しているため、導電性が高く、高品質な画像が得られている。
上記実施例に対し、比較例10に係る樹脂は、イオン導電剤のカチオンが含窒素複素芳香環カチオンではないため、係る樹脂を含む電子写真用部材の導電性が低く、画像弊害が発生している。
1:電子写真用部材
2:軸芯体
3:弾性層
4:表面層
5:中間層

Claims (14)

  1. 導電性の軸芯体と導電層とを有する電子写真用部材であって、
    該導電層が、
    含窒素複素芳香環カチオンと、該含窒素複素芳香環カチオンと反応可能な化合物と、から合成された樹脂、及び
    アニオンを含み、
    該含窒素複素芳香環カチオンが、水酸基と結合している置換基を二つ有しており、
    該含窒素複素芳香環カチオン中の含窒素複素芳香環が窒素原子を一つのみ有する場合、該置換基のうち、一方が該含窒素複素芳香環の窒素原子と結合し、他方が該含窒素複素芳香環の炭素原子と結合しており、
    該含窒素複素芳香環カチオン中の含窒素複素芳香環が窒素原子を二つ以上有する場合、いずれの該置換基も該含窒素複素芳香環の二つの窒素原子と結合していることを特徴とする電子写真用部材。
  2. 前記水酸基と結合している置換基が、前記水酸基の水素原子と、前記窒素原子との間にオキシアルキレン構造を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用部材。
  3. 前記オキシアルキレン構造が、下記式(I)または(II)で示される構造であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真用部材:
    Figure 0006486188
    Figure 0006486188
    (式(I)および(II)において、*は前記水酸基の水素原子との結合部を表し、**は、前記窒素原子との結合部を表し、aは1以上9以下の整数であり、bは1以上4以下の整数である。)。
  4. 前記含窒素複素芳香環カチオンが、イミダゾリウムカチオン及びピリジニウムカチオンから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  5. 前記アニオンが、フッ化スルホン酸アニオン、フッ化カルボン酸アニオン、フッ化スルホニルイミドアニオン、フッ化スルホニルメチドアニオン、フッ化アルキルフルオロホウ酸アニオン、フッ化アルキルフッ化リン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ヘキサフルオロヒ酸アニオン、ヘキサフルオロアンチモン酸アニオン、ジシアンアミドアニオン及びビス(オキサラト)ホウ酸アニオンから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  6. 前記含窒素複素芳香環カチオンと反応可能な化合物が、イソシアネート化合物、エポキシド化合物及びメラミン化合物から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  7. 導電性の軸芯体と導電層とを有する電子写真用部材であって、
    該導電層が、
    下記構造式(1)で示される構造を有する樹脂と、アニオンと、を有することを特徴とする電子写真用部材:
    Figure 0006486188
    (構造式(1)中、Zは、カチオン性の含窒素複素芳香環を含むカチオン骨格を表す。A及びAはそれぞれ独立して連結基であって、該カチオン性の含窒素複素芳香環が窒素原子を一つのみ有する場合、A及びAのうち、一方が該カチオン性の含窒素複素芳香環の窒素原子と結合し、他方が該カチオン性の含窒素複素芳香環の炭素原子と結合しており、該カチオン性の含窒素複素芳香環が窒素原子を二つ以上有する場合、A及びAはいずれも該カチオン性の含窒素複素芳香環の二つの窒素原子と結合している。B及びBはそれぞれ独立して水酸基の水素原子と、水酸基の水素原子と反応可能な化合物とが反応した残基である。)。
  8. 前記連結基が、オキシアルキレン構造を有することを特徴とする請求項7に記載の電子写真用部材。
  9. 前記オキシアルキレン構造が下記式(III)または(IV)で示される構造であることを特徴とする請求項8に記載の電子写真用部材:
    Figure 0006486188
    Figure 0006486188
    (式(III)および(IV)において、***は前記残基との結合部を表し、****は、前記窒素原子との結合部を表し、cは1以上9以下の整数であり、dは1以上4以下の整数である。)。
  10. 前記構造式(1)中のZが、カチオン性のイミダゾリウム骨格及びカチオン性のピリジニウム骨格から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  11. 前記アニオンが、フッ化スルホン酸アニオン、フッ化カルボン酸アニオン、フッ化スルホニルイミドアニオン、フッ化スルホニルメチドアニオン、フッ化アルキルフルオロホウ酸アニオン、フッ化アルキルフルオロリン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ヘキサフルオロヒ酸アニオン、ヘキサフルオロアンチモン酸アニオン、ジシアンアミドアニオン及びビス(オキサラト)ホウ酸アニオンから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  12. 前記構造式(1)中のB又はBが、水酸基の水素原子と、イソシアネート化合物、エポキシド化合物及びメラミン化合物から選ばれる少なくとも一つとが反応した残基を含むことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  13. 電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている、帯電部材及び現像剤担持体のいずれか一方を少なくとも備えているプロセスカートリッジであって、該帯電部材又は該現像剤担持体が、請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子写真用部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 電子写真感光体と、帯電部材及び現像剤担持体を備えている電子写真装置であって、該帯電部材又は該現像剤担持体が請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子写真用部材であることを特徴とする電子写真装置。
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