JP7106385B2 - 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Description
*―[(CH2)n-O]m―
(記号「*」は、該カチオン性含窒素複素環構造を構成している炭素原子または窒素原子との結合部を示し、nは2以上18以下の整数を示し、mは9以上の整数を示す。)。
1.イミダゾリウム環構造およびピリジニウム環構造の少なくとも一方のカチオン性含窒素複素環構造。
2.該カチオン性含窒素複素環構造を構成している炭素原子および窒素原子から選ばれる少なくとも2個の原子に結合している下記構造式(1)で示される構造。
*―[(CH2)n-O]m―
(記号「*」は、該カチオン性含窒素複素環構造を構成している炭素原子または窒素原子との結合部を示し、nは2以上18以下の整数を示し、mは9以上の整数を示す。)。
本発明の一実施形態に係る電子写真用部材は、導電性の基体と、該基体上の少なくとも一層の導電性の樹脂層を有する。
なお、電子写真用ローラ1Aの層構成は、樹脂層3が電子写真用ローラ1Aの最表層に存在するものに限定されるものではない。電子写真用ローラ1Aの具体例としては、基体2とその外周に設けられた導電性の樹脂層3の上にさらに表面層を有するものや、樹脂層3を中間層5として有するものが挙げられる。
基体2は、電子写真用部材の支持部材、および場合によっては電極として機能する。基体2は、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロムまたはニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材料で構成される。電子写真用部材がブレード形状である場合、基体2は、薄板形状であり、電子写真用部材がローラ形状である場合、基体2は、中実円柱状または中空円筒状である。
弾性層4は、特に、電子写真用部材がローラ形状である場合(電子写真用ローラ1A)には、電子写真用ローラ1Aと感光体との当接部において、所定の幅のニップを形成するために必要な弾性を電子写真用ローラ1Aに与えるものである。弾性層4は、ゴム材料の成形体であることが好ましい。ゴム材料としては、以下のものが挙げられる。エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム、アクリルニトリル-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム。これらは1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、圧縮永久歪みおよび柔軟性の観点から、シリコーンゴム、ウレタンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、付加硬化型のシリコーンゴムの硬化物が挙げられる。
以下、本発明の一実施形態における樹脂層3の構成について、詳細に説明する。本発明の一実施形態に係る樹脂層は、重量平均分子量が12000以上200000以下である第1の樹脂と、アニオンと、を含む。
第1の樹脂は、イミダゾリウム環構造およびピリジニウム環構造の少なくとも一方のカチオン性含窒素複素環構造を有する。また、該カチオン性含窒素複素環構造を構成している炭素原子および窒素原子から選ばれる少なくとも2個の原子に、下記構造式(1)で示される構造が結合している。
*―[(CH2)n-O]m―
(記号「*」は、該カチオン性含窒素複素環構造を構成している炭素原子または窒素原子との結合部を示し、nは2以上18以下の整数を示し、mは9以上の整数を示す。)。
・ハロアルキル基を2個以上有し、イミダゾリウム環構造またはピリジニウム環構造の少なくとも一方の構造を有するイオン化合物
・構造式(1)で示される構造を有するポリエーテルジオール
1,3-ビス(2-ハロエチル)イミダゾリウムカチオン、2-メチル-1,3-ビスハロメチルイミダゾリウムカチオン、2-メチル-1,3-ビス(2-ハロエチル)イミダゾリウムカチオン、4-メチル-1,3-ビス(2-ハロエチル)イミダゾリウムカチオン、2-エチル-1,3-ビス(2-ハロエチル)イミダゾリウムカチオン、4-エチル-1,3-ビス(2-ハロエチル)イミダゾリウムカチオン、2-n-ブチル-1,3-ビス(2-ハロエチル)イミダゾリウムカチオン、4-n-ブチル-1,3-ビス(2-ハロエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3-ビス(3-ハロプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,3-ビス(4-ハロブチル)イミダゾリウムカチオン、1,3-ビス(6-ハロヘキシル)イミダゾリウムカチオン、
1,2-ビス(2-ハロエチル)ピリジニウムカチオン、1,3-ビス(2-ハロエチル)ピリジニウムカチオン、1,4-ビス(2-ハロエチル)ピリジニウムカチオン、1,2-ビス(3-ハロプロピル)ピリジニウムカチオン、1,3-ビス(3-ハロプロピル)ピリジニウムカチオン、1,4-ビス(3-ハロプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2-ビス(4-ハロブチル)ピリジニウムカチオン、1,3-ビス(4-ハロブチル)ピリジニウムカチオン、1,4-ビス(4-ハロブチル)ピリジニウムカチオン、1,2-ビス(6-ハロヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,3-ビス(6-ハロヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,4-ビス(6-ハロヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,2,4-トリス(2-ハロエチル)-6-メチルピリジニウムカチオン;およびこれらの誘導体が挙げられる。
・1位と3位の2個の窒素原子が構造(1)と結合したもの
・1位または3位のいずれか一方の窒素原子と、他の3個の炭素原子のうち1個の炭素原子が構造(1)と結合したもの
・3個の炭素原子のうち2個の炭素原子が構造(1)と結合したもの
・1位と3位の2個の窒素原子、および3個の炭素原子のうち1個の炭素原子が構造(1)と結合したもの
・1位または3位のいずれか一方の窒素原子と、他の3個の炭素原子のうち2個の炭素原子が構造(1)と結合したもの
・3個の炭素原子が全て構造(1)と結合したもの
・窒素原子と、他の5個の炭素原子のうち1個の炭素原子が構造(1)と結合したもの
・5個の炭素原子のうち2個の炭素原子が構造(1)と結合したもの
・窒素原子と、他の5個の炭素原子のうち2個の炭素原子が構造(1)と結合したもの
・5個の炭素原子のうち3個の炭素原子が構造(1)と結合したもの
ポリエチレングリコール、ポリ1,3-プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ1,5-ペンタンジオール、ポリ1,6-ヘキサンジオール、ポリ1,8-オクタンジオール、ポリ1,12-ウンデカンジオール、ポリ1,18-オクタデカンジオール、またはこれらのエーテル単量体混合物の共重合体。これらのポリエーテルの中でも、導電性の観点から、ポリエチレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールが好ましく、ポリエチレングリコールがより好ましい。
本発明に係る樹脂層は、カチオン性含窒素複素環構造、および構造式(1)で示される構造を有する第1の樹脂とともに、アニオンを含有することを特徴とする。アニオンとしては、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロスルホネートアニオン、フルオロアルキルカルボン酸アニオン、フルオロアルキルメチドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、フルオロリン酸アニオン、ジシアナミドアニオン、チオシアネートアニオン、ビスオキサラトホウ酸アニオン、過塩素酸アニオン、およびこれらの誘導体が挙げられる。
フルオロスルホニルイミドアニオンとしては、具体的には、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンが挙げられる。
フルオロアルキルカルボン酸アニオンとしては、具体的には、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロプロピオン酸アニオン、パーフルオロ酪酸アニオン、パーフルオロ吉草酸アニオン、パーフルオロカプロン酸アニオンが挙げられる。
フルオロリン酸アニオンしては、具体的には、例えばヘキサフルオロリン酸アニオンが挙げられる。
本発明において、樹脂層は、前記第1の樹脂とは異なる、第2の樹脂を含んでもよい。第2の樹脂は、第1の樹脂を担持するバインダー樹脂として、第1の樹脂より大きい比率で樹脂層に含まれていることが好ましい。バインダー樹脂として機能する第2の樹脂としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を用いることができる。第2の樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、さらにこれらの共重合物が挙げられる。皮膜の強度およびトナー帯電性の観点から、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、ポリエステルポリオールとしては、以下のものが挙げられる。1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,4-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールの如きジオール成分、または、トリメチロールプロパンの如きトリオール成分と、アジピン酸、無水フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロキシフタル酸の如きジカルボン酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオール。
また、ポリカーボネートポリオールとしては、以下のものが挙げられる。1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如きジオール成分と、ホスゲン、ジメチルカーボネートの如きジアルキルカーボネート、または、エチレンカーボネートの如き環状カーボネートとの縮合反応により得られるポリカーボネートポリオール。
樹脂層は、必要に応じて、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛および炭酸カルシウムの如き非導電性充填剤を含有してもよい。これらの非導電性充填剤は、樹脂層形成用塗料に添加することにより、樹脂層の形成工程において該塗料をコーティングする際に、成膜助剤としての機能を発揮する。かかる非導電性充填剤の含有率は、樹脂層を形成する樹脂100質量部に対して、10質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
樹脂層の形成方法は、特に限定されるものではないが、樹脂層の原材料が塗料状の場合は、スプレー塗工、浸漬塗工またはロールコート法が挙げられる。これらの中でも、特開昭57-5047号公報に記載されているような、浸漬槽の上端から塗料をオーバーフローさせる浸漬塗工方法は、樹脂層を形成する方法として簡便かつ生産安定性に優れているため、好ましく用いられる。
本発明に係る電子写真装置は、帯電部材、現像部材、トナー供給部材およびクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つの電子写真用部材を具備する。本発明に係る上記電子写真用部材は、電子写真装置における帯電ローラなどの帯電部材、現像ブレード、現像ローラなどの現像部材、トナー供給ローラなどのトナー供給部材、およびクリーニングブレードなどのクリーニング部材として好適に用いることができる。本発明に係る電子写真用部材は、磁性一成分トナーや非磁性一成分トナーを用いた非接触型現像装置および接触型現像装置、ならびに二成分トナーを用いた現像装置のいずれの現像装置にも適用することができる。
また、電子写真感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電ローラ24からなるプロセスカートリッジ17が脱着可能に装着されている。なお、電子写真感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電ローラ24は電子写真装置本体に配備されていてもよい。
本発明に係るプロセスカートリッジは、帯電部材、現像部材、トナー供給部材およびクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つの電子写真用部材を具備する。本発明に係る上記電子写真用部材は、プロセスカートリッジにおける帯電ローラなどの帯電部材、現像ブレード、現像ローラなどの現像部材、トナー供給ローラなどのトナー供給部材、およびクリーニングブレードなどのクリーニング部材として好適に用いることができる。図4は、本発明の一態様に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略断面図である。図4において、上記電子写真用部材は、現像ローラ16として搭載されている。プロセスカートリッジ17は、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている。プロセスカートリッジ17は、現像ローラ16と現像ブレード21とを備える現像装置22、電子写真感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、および帯電ローラ24が一体化されたものである。現像装置22は、さらにトナー容器20を含み、トナー容器20内には、トナー15が充填されている。トナー容器20内のトナー15は、トナー供給ローラ19によって現像ローラ16の表面に供給され、現像ブレード21によって、現像ローラ16の表面に所定の厚みのトナー15の層が形成される。
第1の樹脂は、公知の手段により合成することができる。以下に合成方法の一例を示す。
4-(2-Chloroethyl)pyridine(Aldlab Chemicals社製)30.0g、および1,2-Dichloroethane(Aldrich社製)23.1gをジクロロエタン120mlに溶解させ、3時間加熱還流した。得られた反応溶液について、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にTHF80mlを加え、懸濁洗浄を行い、再び上澄みを除去した。得られた液状物を減圧乾燥し、1,4-ビス(2-クロロエチル)ピリジニウムクロライドを得た。
次に、窒素雰囲気下、乾燥THF450mlに溶解させたポリエチレングリコール(商品名:PEG-400、三洋化成工業社製)93.3gに、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)20.5gを加え、1時間加熱還流した。次に、乾燥THF230mlに溶解させた上記1,4-ビス(2-クロロエチル)ピリジニウムクロライド51.0gを30分かけて滴下し、5時間加熱還流した(本工程の反応時間を、以後、「ポリマー化反応時間」と記す。)。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返した。
次に、THF180mlに溶解させたリチウム N,N-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF-N115、三菱マテリアル電子化成社製)66.9gを30分かけて滴下し、30℃で6時間攪拌した。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返し、得られた液状物を減圧乾燥し、イオン性樹脂IC-1を得た。下記方法により測定したイオン性樹脂IC-1の重量平均分子量は、12100であった。
本実施例中における重量平均分子量(Mw)の測定に用いた装置および条件は、以下の通りである。
・測定機器:HLC-8120GPC(商品名、東ソー社製)
・カラム:TSKgel SuperHZMM(商品名、東ソー社製)×2本
・溶媒:THF
・温度:40℃
・THFの流速:0.6ml/min
検量線作成用の標準試料として、TSK標準ポリスチレン(商品名:A-1000、A-2500、A-5000、F-1、F-2、F-4、F-10、F-20、F-40、F-80、F-128、東ソー社製)を用いて検量線の作成を行った。これを基に得られた測定サンプルの保持時間から重量平均分子量を求めた。
ポリエーテルおよびその配合量、ポリマー化反応時間、アニオン原料およびその配合量を表1に記載の通りに変更した以外は、イオン性樹脂IC-1の合成と同様にして、イオン性樹脂IC-2~IC-4を得た。
1-(2-Chloroethyl)imidazole(Alchem Pharmtech社製)30.0g、および1,2-Dichloroethane(Aldrich社製)25.0gをジクロロエタン80mlに溶解させ、3時間加熱還流した。得られた反応溶液について、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にTHF80mlを加え、懸濁洗浄を行い、再び上澄みを除去した。得られた液状物を減圧乾燥し、1,3-ビス(2-クロロエチル)イミダゾリウムクロライドを得た。
次に、乾燥THF1.6Lに溶解させたポリエチレングリコール(商品名:PEG-1000、三洋化成工業社製)241.4gに、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)21.2gを加え、1時間加熱還流した。次に、乾燥THF180mlに溶解させた上記1,3-ビス(2-クロロエチル)イミダゾリウムクロライド52.7gを30分かけて滴下し、5時間加熱還流した(ポリマー化反応時間)。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返した。
次に、THF20mlに溶解させたアニオン原料:リチウム N,N-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF-N115、三菱マテリアル電子化成社製)72.6gを30分かけて滴下し、30℃で6時間攪拌した。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返し、得られた液状物を減圧乾燥し、イオン性樹脂IC-5を得た。イオン性樹脂IC-5の重量平均分子量は25500であった。
ポリエーテルおよびその配合量、ポリマー化反応時間、アニオン原料およびその配合量を表2に記載の通りに変更した以外は、イオン性樹脂IC-5の合成と同様にして、イオン性樹脂IC-6およびIC-7を得た。
1-(4-Chlorobutyl)imidazole(Aldlab Chemicals社製)30.0gを、1,4-Dichlorobutane(Aldrich社製)26.4gをジクロロエタン120mlに溶解させ、3時間加熱還流した。得られた反応溶液について、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にTHF130.0mlを加え、懸濁洗浄を行い、再び上澄みを除去した。得られた液状物を減圧乾燥し、1,3-ビス(4-クロロブチル)イミダゾリウムクロライドを得た。
次に、乾燥THF3.3Lに溶解させたポリエチレングリコール(商品名:PEG-4000、三洋化成工業社製)802.5gに、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)16.7gを加え、1時間加熱還流した。次に、乾燥THF230mlに溶解させた上記1,3-ビス(4-クロロブチル)イミダゾリウムクロライド54.0gを30分かけて滴下し、8時間加熱還流した(ポリマー化反応時間)。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返した。
次に、THF90mlに溶解させたチオシアン酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬工業社製)16.9gを30分かけて滴下し、30℃で6時間攪拌した。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返し、得られた液状物を減圧乾燥し、イオン性樹脂IC-8を得た。イオン性樹脂IC-8の重量平均分子量は80700であった。
ポリエーテルおよびその配合量、ポリマー化反応時間、アニオン原料およびその配合量を表3に記載の通りに変更した以外は、イオン性樹脂IC-8の合成と同様にして、イオン性樹脂IC-9~IC-13を得た。
Pyridine,2,4-bis(2-Bromoethyl)-6-methyl(Shanghai Chemhere社製)30.0g、および1,2-Dichloroethane(Aldrich社製)10.6gをジクロロエタン120mlに溶解させ、3時間加熱還流した。得られた反応溶液について、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にTHF45mlを加え、懸濁洗浄を行い、再び上澄みを除去した。得られた液状物を減圧乾燥し、2,4-ビス(2-ブロモエチル)-1-(2-クロロエチル)-6-メチルピリジニウムクロライドを得た。
次に、乾燥THF1.3Lに溶解させたポリテトラメチレングリコール(商品名:PTMG1500、三菱ケミカル社製)149.5gに、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)8.8gを加え、1時間加熱還流した。次に、乾燥THF230mlに溶解させた上記2,4-ビス(2-ブロモエチル)-1-(2-クロロエチル)-6-メチルピリジニウムクロライド36.2gを30分かけて滴下し、8時間加熱還流した(ポリマー化反応時間)。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返した。
次に、THF130mlに溶解させたノナフルオロブタンスルホン酸カリウム(商品名:KFBS、三菱マテリアル電子化成社製)36.3gを30分かけて滴下し、30℃で6時間攪拌した。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返し、得られた液状物を減圧乾燥し、イオン性樹脂IC-14を得た。イオン性樹脂IC-14の重量平均分子量は83300であった。
ポリエーテルおよびその配合量、ポリマー化反応時間、アニオン原料およびその配合量を表4に記載の通りに変更した以外は、イオン性樹脂IC-14の合成と同様にして、イオン性樹脂IC-15およびIC-16を得た。
乾燥THF960mlに溶解させたポリエチレングリコール(商品名:PEG-2000、三洋化成工業社製)319.6gに、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)14.1gを加え、1時間加熱還流した。次に、乾燥THF180mlに溶解させたBis(2-chloroethyl)-dimethylammonium chloride(Atomax Chemicals社製)30.0gを30分かけて滴下し、8時間加熱還流した。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返した。
次に、THF30gに溶解させたトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(商品名:EF-15、三菱マテリアル電子化成社製)12.9gを30分かけて滴下し、30℃で6時間攪拌した。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返し、得られた液状物を減圧乾燥し、アンモニウムカチオン構造を有するイオン性樹脂IC-17を得た。イオン性樹脂IC-17の重量平均分子量は14900であった。
1-(2-Chloroethyl)imidazole(Alchem Pharmtech社製)30.0g、および1,2-Dichloroethane(Aldrich社製)30.0gをジクロロエタン200mlに溶解させ、3時間加熱還流した。得られた反応溶液について、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にTHF130mlを加え、懸濁洗浄を行い、再び上澄みを除去した。得られた液状物を減圧乾燥し、1,3-ビス(2-クロロエチル)イミダゾリウムクロライドを得た。
次に、乾燥THF400mlに溶解させたポリエチレングリコール(商品名:PEG-300、三洋化成工業社製)72.4gに、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)21.2gを加え、1時間加熱還流した。次に、乾燥THF60mlに溶解させた上記1,3-ビス(2-クロロエチル)イミダゾリウムクロライド12.9gを30分かけて滴下し、8時間加熱還流した。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返した。
次に、THF280mlに溶解させたアニオン原料:トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(商品名:EF-15、三菱マテリアル電子化成社製)35.9gを30分かけて滴下し、30℃で6時間攪拌した。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返し、得られた液状物を減圧乾燥し、イオン性樹脂IC-18を得た。イオン性樹脂IC-18の重量平均分子量は7300であった。
1-(2-Chloroethyl)imidazole(Alchem Pharmtech社製)30.0g、および1,2-Dichloroethane(Aldrich社製)30.0gをジクロロエタン30.0gに溶解させ、3時間加熱還流した。得られた反応溶液について、減圧下で溶媒を留去した。さらに得られた残渣にTHF30.0gを加え、懸濁洗浄を行い、再び上澄みを除去した。得られた液状物を減圧乾燥し、1,3-ビス(2-クロロエチル)イミダゾリウムクロライドを得た。
次に、乾燥THF5.5Lに溶解させたポリエチレングリコール(商品名:アルコックスL-6、明成化学工業社製)1427.5gに、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)2.1gを加え、1時間加熱還流した。次に、乾燥THF150mlに溶解させた上記1,3-ビス(2-クロロエチル)イミダゾリウムクロライド5.2gを10分かけて滴下し、10時間加熱還流した。その後、反応溶液に水450mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返した。
次に、THF30gに溶解させたアニオン原料:トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(商品名:EF-15、三菱マテリアル電子化成社製)3.5gを30分かけて滴下し、30℃で6時間攪拌した。その後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返し、得られた液状物を減圧乾燥し、イオン性樹脂IC-19を得た。イオン性樹脂IC-19の重量平均分子量は229000であった。
1-(2-Hydroxyethyl)imidazole(Alchem Pharmtech社製)30.0g、および2-Chloroethanol(Aldrich社製)30.0gをTHF30.0gに溶解させ、3時間加熱還流した。得られた反応溶液について、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にTHF30.0gを加え、懸濁洗浄を行い、再び上澄みを除去した。得られた液状物を減圧乾燥し、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムクロライドを得た。
次に、THF30gに溶解させたアニオン原料:トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(商品名:EF-15、三菱マテリアル電子化成社製)12.9gを30分かけて滴下し、30℃で6時間攪拌した。
次に、乾燥THF30gに溶解させたポリエチレングリコール(商品名:PEG-600、三洋化成工業社製)21.8g、モノメリックMDI(商品名:ミリオネートMT、東ソー社製)21.8gを加え、5時間加熱還流した。
減圧下で溶媒を留去した後、反応溶液に水200mlを加えて60℃に加温後、上澄みを除去した。本操作を3回繰り返し、得られた液状物を減圧乾燥し、イオン性樹脂IC-20を得た。イオン性樹脂IC-20は、イミダゾリウム環構造がウレタン結合を介してポリエーテルと結合した構造を有する。イオン性樹脂IC-20の重量平均分子量は12500であった。
<現像ブレードの作製>
(基体の用意)
基体として、厚さ0.08mmのステンレス鋼(SUS-304-CSP-1/2H材)を、長さ200mm、幅23mmの寸法にプレス切断して、ステンレス鋼製のシート(以下、「SUSシート」という。)を用意した。
樹脂層の材料として、熱可塑性ポリアミド樹脂(商品名:Pebax MV1074、アルケマ社製)100質量部に、イオン性樹脂IC-1:40質量部を加え、2軸混練押出機(商品名:TEM-26SX、東芝機械社製)を用いて直径3mmの円柱状に押出し、切断機により3mm角のペレット状に切断し、樹脂材料を作製した。
押し出し用金型112で被覆された樹脂層を冷却機114により固化し、基体の当接支持面、先端面、および当接支持面の反対面が樹脂層の樹脂材料103にて被覆された部材を得た。得られた部材を、搬送ローラ115を用いて切断機116に搬送し、切断機116にて長手方向の長さ226mmで切断し、図2(a)に示す構成を有する、実施例1に係る現像ブレードを作製した。
イオン性樹脂の種類および配合量を、表6に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2~10に係る現像ブレードを作製した。
熱可塑性アクリル樹脂(商品名:クラリティLA4285、クラレ社製)100部に、イオン性樹脂IC-11:10部を加え、2軸混練押出機(商品名:TEM-26SX、東芝機械社製)を用いて直径3mmの円柱状に押し出し、切断機により3mm角のペレット状に切断し、樹脂材料を作製した。基体には、ステンレス鋼(SUS-304-CSP-1/2H材)の短手方向15.2mm、厚さ0.08mmの長尺シートを使用した。
イオン性樹脂の種類および配合量を、表6に記載の通りに変更した以外は実施例11と同様にして、実施例12および13に係る現像ブレードを作製した。
樹脂層の材料として、熱可塑性ポリウレタン樹脂(商品名:レザミンP-1000、大日精化工業社製)100質量部にイオン性樹脂IC-14:10質量部を加え、2軸混練押出機(商品名:TEM-26SX、東芝機械社製)を用いて直径3mmの円柱状に押し出し、切断機により3mm角のペレット状に切断し、樹脂材料を作製した。基体には、ステンレス鋼(SUS-304-CSP-1/2H材)の短手方向15.2mm、厚さ0.08mmの長尺シートを使用した。以降は、実施例1と同様にして実施例14に係る現像ブレードを作製した。
イオン性樹脂の種類および配合量を、表6に記載の通りに変更した以外は実施例11と同様にして、実施例15および16に係る現像ブレードを作製した。
イオン性樹脂の種類および配合量を、表7に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1~5に係る現像ブレードを作製した。
得られた実施例1~16および比較例1~5に係る現像ブレードについて、以下の評価を行った。評価結果を表6および表7に示す。
変形回復性の評価は、現像ブレードを切断し、その断面をデジタルマイクロスコープ(商品名:VHX-6000、キーエンス社製)を用いて1000倍で観察することにより行った。まず、図8(a)に示す樹脂層3の厚さを測定し、初期の厚さT1とした。なお、樹脂層3の厚さの測定は、現像ブレードの長手方向中央部、およびブレード長手方向両端部から長手方向中央部側に20mmの位置の合計3点に関して行い、3点の算術平均を初期の厚さT1とした。測定は、温度23℃、相対湿度55%の環境中に6時間以上放置した現像ブレードを用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境下で行った。
次に、上記のようにして予め測定を行った現像ブレードを、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のシアンカートリッジに、現像ブレードの先端が現像ローラと当接するように組み込んだ。ただし、現像ローラを直径12mmの金属製ローラに変更し、現像ブレードの当接圧力を0.6N/cmに調整し、通常よりも、より変形し易い設定に変更した。
各測定位置において、金属製ローラとの当接位置における、高温高湿環境下での当接前後での現像ブレードの樹脂層の厚さの変化(T1-T2)を求めた。得られた現像ブレードの樹脂層の厚さの変化3点の算術平均を残留変形量[μm]とした。
レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)のシアンカートリッジに、上記残留変形量の測定を終えた現像ブレードを組み込み、画像出力試験用カートリッジを作製した。この画像出力試験用カートリッジを、上記レーザープリンターに装填し、ベタ画像の出力を行い、得られたベタ画像の濃度を測定した。なお、残留変形量の測定からベタ画像の出力までは1時間とした。
ベタ画像の濃度は、反射濃度計(商品名:GreatagMacbeth RD918、マクベス社製)を用いて、ベタ画像の、現像ブレードの長手方向の中央部の幅3cmに対応する部分の任意の5点、および現像ブレードの両端部から3cmに対応する部分の任意の5点で測定した。中央部5点の画像濃度の算術平均を中央部濃度とし、両端部5点の画像濃度の算術平均を端部濃度とし、該中央部濃度と該端部濃度の差を画像濃度差として算出した。求めた画像濃度差について、下記基準により評価を行った。
ランクA:画像濃度差が0.1未満
ランクB:画像濃度差が0.1以上0.3未満
ランクC:画像濃度差が0.3以上0.4未満
ランクD:画像濃度差が0.4以上
〔イソシアネート基末端プレポリマーの合成〕
(イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーB-1の合成)
窒素雰囲気下、反応容器中でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR-200、東ソー社製)84.1質量部に対し、PTMG800(商品名、三菱ケミカル社製)100.0質量部を、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2.5時間反応させて、メチルエチルケトン80.0質量部を加えた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量5.4質量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーB-1を得た。
(基体の用意)
ステンレス鋼(SUS304)製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名:DY39-012、東レ・ダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを基体として用意した。
上記で用意した基体を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名:SE6905A/B、東レ・ダウコーニング社製):100.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300、東海カーボン社製):15.0質量部
・白金触媒:0.1質量部
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリエーテルポリオール(商品名:PTG-L1000、保土谷化学工業社製):43.4質量部
・イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーB-1:80.9質量部
・イオン性樹脂IC-1:1.0質量部
・カーボンブラック(商品名:Special Black 250、オリオンエンジニアドカーボンズ社製):15.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールJB-400T、根上工業社製):15.0質量部
イオン性樹脂の種類および配合量を、表8に記載の通りに変更した以外は実施例17と同様にして、実施例18~29に係る現像ローラを作製した。
イオン性樹脂の種類および配合量を、表9に記載の通りに変更した以外は実施例17と同様にして、比較例6~10に係る現像ローラを作製した。
得られた実施例17~29および比較例6~10に係る現像ローラについて、以下の評価を行った。評価結果を表8および表9に示す。
変形回復性の評価は、図9に示す装置を用いて行った。本測定装置は、基体2を基準に回転する基体受け(不図示)、基体2の回転を検知するエンコーダー(不図示)、基準板41、LED発光部42および受光部43からなる寸法測定機(商品名:LS-7000、キーエンス社製)を備えている。
まず、現像ローラ16の表面と基準板41との隙間量44を測定することにより、現像ローラ16の中心から表面までの距離を求めた。なお、現像ローラ16の表面と基準板41との隙間量44の測定は、現像ローラ16の長手方向中央部、および両端部から長手方向中央部側に20mmの位置の合計3点に関して行った。測定は、温度23℃、相対湿度55%の環境中に6時間以上放置した現像ローラ16を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境下で行った。
次に、該カートリッジを、高温高湿環境(温度50℃、相対湿度90%)中に60日間放置した。その後、現像ローラ16を該カートリッジから取り外し、温度23℃、相対湿度55%の環境中に6時間放置した。その後、現像ローラの中心から表面までの距離を、当接前と同様にして、温度23℃、相対湿度55%の環境下で測定した。測定は、上記高温高湿環境下に放置する前の測定箇所と同じ3点について行った。
各測定位置において、現像ブレード当接位置同位相での、高温高湿環境下での当接前後での現像ローラの中心から表面までの距離の変化を求めた。得られた現像ローラの中心から表面までの距離の変化の平均値を残留変形量[μm]とした。
レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のシアンカートリッジに、上記残留変形量の測定を終えた現像ローラを組み込み、画像出力試験用カートリッジを作製した。この画像出力試験用カートリッジを、上記レーザープリンターに装填し、ハーフトーン画像の出力を行った。得られたハーフトーン画像について、以下の基準に従って評価した。なお、残留変形量の測定からハーフトーン画像の出力までは1時間とした。
A:均一な画像が得られた
B:現像ローラの変形に起因する濃度ムラが極めて軽微に見られた
C:画像の端部に現像ローラの変形に起因する濃度ムラが見られた
D:画像の全体に現像ローラの変形に起因する濃度ムラが見られた
<帯電ローラの作製>
(弾性層の形成)
下記材料を加圧式ニーダーで混合して、A練りゴム組成物を得た。
・NBRゴム(商品名:Nipol DN219、日本ゼオン社製):100.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300、東海カーボン社製):40.0質量部
・炭酸カルシウム(商品名:ナノックス#30、丸尾カルシウム社製):20.0質量部
・ステアリン酸(商品名:ステアリン酸S、花王社製):1.0質量部
・硫黄(商品名:Sulfax 200S、鶴見化学工業社製):1.2質量部
・テトラベンジルチウラムジスルフィド(商品名:TBZTD、三新化学工業社製):4.5質量部
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・溶液型ウレタン樹脂(商品名:レザミンME-8105LP、大日精化工業社製):100質量部
・イオン性樹脂IC-1:10.0質量部
・カーボンブラック(商品名:Special Black 250、オリオンエンジニアドカーボンズ社製):5.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:ダイミックビーズUCN-5070D、大日精化工業社製):8.0質量部
イオン性樹脂の種類および配合量を、表10に記載の通りに変更した以外は実施例30と同様にして、実施例31~33に係る帯電ローラを作製した。
イオン性樹脂の種類および配合量を、表11に記載の通りに変更した以外は実施例30と同様にして、比較例11~15に係る帯電ローラを作製した。
得られた実施例30~33および比較例11~15に係る帯電ローラについて、以下の評価を行った。評価結果を表10および表11に示す。
変形回復性の評価は、図9に示す装置を用いて、現像ローラと同様にして行った。
帯電ローラの局部的な変形により、ハーフトーン画像に細いスジ状の濃度ムラが発生することがある。これを横スジ画像と呼ぶ。本発明の帯電ローラを用いて、以下の評価を行った。
電子写真式のレーザープリンター(商品名:HP ColoR LaseRjet EnteRpRise CP4515dn、HP社製)に、実施例30~33および比較例11~15で得られた帯電ローラを装填し、温度15℃、相対湿度10%RH環境下、印字濃度4%で画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔50ドットの横線を描く画像)を連続画像出力する耐久試験を行った。また、24000枚の画像出力後に、画像チェックのためにハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力した。得られた画像を目視にて観察し、以下の基準で横スジを評価した。
ランクA:横スジが全く発生しなかった
ランクB:横スジが画像端部のみに軽微に発生した
ランクC:横スジが画像のほぼ半分の領域に発生した
ランクD:横スジが画像の全域に顕著に発生した
1B 電子写真用ブレード
2 基体
3 樹脂層
16 現像ローラ
19 トナー供給ローラ
21 現像ブレード
Claims (8)
- 導電性の基体と、該基体上の樹脂層と、を有する電子写真用部材であって、
該樹脂層は、重量平均分子量が12000以上200000以下である第1の樹脂と、アニオンと、を含み、
該第1の樹脂は、
イミダゾリウム環構造およびピリジニウム環構造の少なくとも一方のカチオン性含窒素複素環構造を有し、かつ、
該カチオン性含窒素複素環構造を構成している炭素原子および窒素原子から選ばれる少なくとも2個の原子に、下記構造式(1)で示される構造が結合している、ことを特徴とする電子写真用部材:
構造式(1)
*―[(CH2)n-O]m―
(記号「*」は、該カチオン性含窒素複素環構造を構成している炭素原子または窒素原子との結合部を示し、nは2以上18以下の整数を示し、mは9以上の整数を示す。)。 - 前記構造式(1)中のmが20以上70以下の整数である、請求項1に記載の電子写真用部材。
- 前記第1の樹脂の重量平均分子量が80000以上120000以下である、請求項1または2に記載の電子写真用部材。
- 前記樹脂層が、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂をさらに含み、該第2の樹脂が熱可塑性樹脂である、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
- 前記樹脂層における前記第1の樹脂の含有量が、前記第2の樹脂100質量部に対して1質量部以上40質量部以下である、請求項4に記載の電子写真用部材。
- 前記樹脂層における前記第1の樹脂の含有量が、前記第2の樹脂100質量部に対して3質量部以上20質量部以下である、請求項5に記載の電子写真用部材。
- 電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、帯電部材、現像部材、トナー供給部材およびクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つの電子写真用部材を具備し、該電子写真用部材が、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子写真用部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 帯電部材、現像部材、トナー供給部材およびクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つの電子写真用部材を具備し、該電子写真用部材のうち少なくとも1つが請求項1~6のいずれか一項に記載の電子写真用部材である電子写真装置。
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