JP6789770B2 - 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6789770B2
JP6789770B2 JP2016223293A JP2016223293A JP6789770B2 JP 6789770 B2 JP6789770 B2 JP 6789770B2 JP 2016223293 A JP2016223293 A JP 2016223293A JP 2016223293 A JP2016223293 A JP 2016223293A JP 6789770 B2 JP6789770 B2 JP 6789770B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
structural formula
membered ring
resin
nitrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016223293A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018081198A (ja
Inventor
小松 宏彰
宏彰 小松
真樹 山田
真樹 山田
文彦 宇津野
文彦 宇津野
秀哉 有村
秀哉 有村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2016223293A priority Critical patent/JP6789770B2/ja
Publication of JP2018081198A publication Critical patent/JP2018081198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6789770B2 publication Critical patent/JP6789770B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、電子写真装置に用いられる電子写真用部材、該電子写真用部材を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置において、現像ローラ、帯電部材、トナー供給ローラ、クリーニングブレードおよび現像ブレードの如き電子写真用部材として、例えば、1×10〜1×10Ωの如き電気抵抗値(以降、「抵抗値」という)を有する導電層を備えた電子写真用部材が用いられている。特許文献1には、特定のカチオン構造を有するイオン液体を導電剤として含むゴム状弾性体からなる導電性ゴム部材をコア部材の周囲に設けた導電性ロールが記載されている。また、特許文献2には、軸体の外周面に形成された弾性層と、該弾性層の外周面に形成されたウレタンコート層を有し、該ウレタンコート層が、ウレタン樹脂と、ピリジニウム系イオン液体およびアミン系イオン液体から選ばれる少なくとも一方のイオン液体とを含む導電性ローラが記載されている。
特開2003−202722号公報 特開2011−53658号公報
近年、電子写真装置には、苛酷な環境下においても高画質、高耐久性を維持できることが求められている。本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る導電性ロールや特許文献2に係る導電性ローラは、特に温度0℃の如き低温環境で使用した場合に抵抗値が上昇することがあった。
本発明は、温度0℃の如き低温環境下での使用によっても抵抗値の上昇が少ない電子写真用部材の提供に向けたものである。また本発明は、高品位な電子写真画像を安定して出力できる電子写真画像形成装置およびそれに用いられるプロセスカートリッジの提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、導電性の基体と樹脂層とを有する電子写真用部材であって、該樹脂層は、第一の樹脂と、第二の樹脂と、アニオンと、を含み、該第一の樹脂は、側鎖に窒素含有基を有し、該第二の樹脂は、構造式(1)〜(4)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する電子写真用部材が提供される:
Figure 0006789770
構造式(1)中、R1は、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。Z1〜Z3のうち、少なくとも1つは構造式(Z101)〜(Z103)からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。
Figure 0006789770
構造式(2)中、R2およびR3は、各々独立に、構造式(2)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。Z4〜Z7のうち、少なくとも1つは構造式(Z101)〜(Z103)からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。含窒素複素環中の2つのNのうち一方はNである。
Figure 0006789770
構造式(3)中、R4は、構造式(3)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。Z8〜Z10のうち、少なくとも1つは構造式(Z101)〜(Z103)からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。
Figure 0006789770
構造式(4)中、R5は、構造式(4)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。Z11〜Z13のうち、少なくとも1つは構造式(Z101)〜(Z103)からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。
Figure 0006789770
構造式(Z101)中、R35は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素鎖を表す。
Figure 0006789770
構造式(Z102)中、R36は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素鎖を表す。
Figure 0006789770
構造式(Z103)中、R37は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素鎖を表す。
構造式(Z101)〜(Z103)中、記号「*」は、該構造式(1)における窒素原子との結合部位、または、該構造式(2)〜(4)における含窒素複素環を構成する窒素原子もしくは炭素原子との結合部位を示し、記号「**」は、該第二の樹脂を構成するポリマー鎖中の炭素原子との結合部位を表す。
また本発明の他の態様によれば、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、上記の電子写真用部材を有するプロセスカートリッジが提供される。
さらに本発明の他の態様によれば、上記の電子写真用部材を有する電子写真装置が提供される。
本発明の一態様によれば、特定の構造を有する樹脂と、特定のカチオン構造を含有する樹脂と、アニオンとの組合せにより、温度0℃の如き低温環境下での使用によっても抵抗値の上昇が少ない電子写真用部材が得られる。また本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して出力できるプロセスカートリッジおよび電子写真装置が得られる。
本発明の一実施形態に係る電子写真用ローラを示す概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子写真用ブレードを示す概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子写真装置を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。 現像ローラの抵抗値を評価するための冶具の概略構成図である。
(1)電子写真用部材
本発明の一実施形態に係る電子写真用部材は、導電性の基体および該基体上の導電性の樹脂層を有する。
電子写真用部材の一例として、ローラ形状の電子写真用部材(電子写真用ローラ)を図1(a)〜(c)に示す。図1(a)に示す電子写真用ローラ1Aは、導電性の基体2と、その外周に設けられた導電性の樹脂層3とからなる。図1(b)に示すように、基体2と樹脂層3との間に、さらに弾性層4が設けられていてもよい。また、電子写真用ローラ1Aは、図1(c)に示すように、弾性層4と樹脂層3の間に中間層5を配置した3層構造であってもよく、中間層5が複数配置された多層構成であってもよい。電子写真用ローラ1Aにおいて、本発明の一実施形態に係る効果をより効果的に奏するためには、図1(a)〜(c)に示すように、樹脂層3が電子写真用ローラ1Aの最表層として存在していることが好ましい。また、電子写真用ローラ1Aは、弾性層4を有することが好ましい。
なお、電子写真用ローラ1Aの層構成は、樹脂層3が電子写真用ローラ1Aの最表層に存在するものに限定されるものではない。電子写真用ローラ1Aの具体例としては、基体2とその外周に設けられた導電性の樹脂層3の上にさらに表面層を有するものや、樹脂層3を中間層5として有するものが挙げられる。
また、電子写真用部材の他の例として、ブレード形状の電子写真用部材(電子写真用ブレード)が挙げられる。図2(a)、(b)は、電子写真用ブレード1Bの概略断面図である。図2(a)に示す電子写真用ブレード1Bは、導電性の基体2と、その外周に設けられた導電性の樹脂層3とから構成されている。図2(b)に示す電子写真用ブレード1Bおいては、基体2と樹脂層3との間にさらに弾性層4が設けられている。
電子写真用部材は、現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ、現像ブレード、およびクリーニングブレードに用いることが可能である。特に、現像ローラ、現像ブレード、帯電ローラおよびトナー供給ローラとして好適に用いることが可能である。以下、本発明の一実施形態に係る電子写真用部材の構成を詳細に説明する。
<基体>
基体2は、電子写真用部材の支持部材、および場合によっては電極として機能する。基体2は、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロムまたはニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。電子写真用部材がローラ形状である場合、基体2は、中実円柱状または中空円筒状であり、電子写真用部材がブレード形状である場合、基体2は、薄板形状である。
<弾性層>
弾性層4は、特に、電子写真用部材がローラ形状である場合において(電子写真用ローラ1A)、電子写真用ローラ1Aと感光体との当接部において、所定の幅のニップを形成するために必要な弾性を電子写真用ローラ1Aに与えるものである。弾性層4は、ゴム材料の成形体であることが好ましい。ゴム材料としては、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム。これらは1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、圧縮永久歪みおよび柔軟性の観点から、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、付加硬化型のシリコーンゴムの硬化物が挙げられる。
弾性層4の成形方法としては、液状ゴム材料を型成形する方法や、混練ゴム材料を押出し成形する方法が挙げられる。弾性層の厚さは、0.3mm以上4.0mm以下であることが好ましい。
弾性層4には、導電性を付与するために、導電性付与剤が適宜配合される。導電性付与剤としては、カーボンブラック;アルミニウム、銅の如き導電性金属;酸化錫、酸化チタンの如き導電性金属酸化物の微粒子を用いることができる。これらの中でも、比較的容易に入手でき、良好な導電性が得られる点から、カーボンブラックが好ましい。導電性付与剤としてカーボンブラックを用いる場合は、ゴム100質量部に対してカーボンブラックを2〜50質量部配合することが好ましい。
弾性層4には、非導電性充填剤、架橋剤、触媒の如き各種添加剤が適宜配合されていてもよい。非導電性充填剤としては、シリカ、石英粉末、酸化チタン、または炭酸カルシウムが挙げられる。架橋剤としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンまたはジクミルパーオキサイドが挙げられる。触媒としては、白金触媒が挙げられる。
<樹脂層>
以下、本発明の一実施形態における樹脂層3の構成について、詳細に説明する。本発明の一実施形態に係る樹脂層は、少なくとも2種類の樹脂(以下、それぞれ「第一の樹脂」、「第二の樹脂」と称す)とアニオンとを含む。第一の樹脂は、側鎖に窒素含有基を有する。樹脂の種類としては、例えば、メタ(アクリレート)樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂が挙げられる。第二の樹脂は、下記構造式(1)〜(4)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する。第二の樹脂は、例えば、カチオン構造中に水酸基、アミノ基、グリシジル基を少なくとも1個有するイオン化合物と、好ましくは、該イオン化合物以外のポリオールと、ポリイソシアネートと、を反応させることにより得られ、導電性を担うイオンキャリアの担持体として機能する。なお、第一の樹脂と第二の樹脂とは架橋していない。
本発明に係る、特定の構造を有する第一の樹脂と、特定のカチオン構造を含有する第二の樹脂と、アニオンとの組合せにより、0℃近辺の低温環境下での抵抗値の上昇が抑制されるという予期せぬ効果を奏する理由について、本発明者らは以下のように推測している。
イオンキャリアの担持体である樹脂は、低温環境下において、分子運動性が低下することにより結晶性を発現する。その結果、イオンキャリアの移動性が阻害されてしまう。また、イオンキャリアの移動性に係るカチオンとアニオンに解離している割合(イオン化率)は、低温ほど低い。これらにより、低温環境下において抵抗値が上昇してしまう。本発明では、以下で説明するアニオンの安定化およびカチオンの安定化によりイオン化率が高まり、0℃近辺の低温環境下における抵抗値の上昇の抑制に奏効していると推測している。
(アニオンの安定化)
本発明に係る第一の樹脂は、側鎖に窒素含有基を有することを特徴とする。窒素原子は電気陰性度が低く、キャリア成分のアニオンの負電荷を安定化させる作用があると考えられる。また、該窒素原子がカチオン化した場合も同様に、キャリア成分のアニオンの負電荷を安定化させる作用があると考えられる。それら窒素含有基を、モノマーではなくポリマーとして配合することで、窒素含有基が密集することとなり、アニオンに対する安定化作用が高まると考えられる。また、第一の樹脂と第二の樹脂は架橋していないため、各々の位置関係の自由度が高まり、該安定化作用を及ぼし得る状態を取りやすいと考えられる。さらに、第一の樹脂は、窒素含有基を主鎖中ではなく側鎖に有することで、該窒素含有基が取ることのできる位置の自由度が高まり、該安定化作用を及ぼし得る状態がより取りやすいと考えられる。
(カチオンの安定化)
本発明に係る第二の樹脂は、構造式(1)〜(4)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有し、該構造に含まれるカチオン部位の近傍に、水酸基、アミノ基またはグリシジル基と、イソシアネート基とが反応した残基に由来する構造を少なくとも1つ有することを特徴とする。ここで、カチオン部位の近傍に存在する構造式(Z101)で示される構造は、カチオンに導入された水酸基と、バインダー樹脂が有するイソシアネート基とが反応して形成される残基である。また、構造式(Z102)で示される構造は、カチオンに導入されたアミノ基と、バインダー樹脂が有するイソシアネート基とが反応して形成される残基である。さらに、構造式(Z103)で示される構造は、カチオンに導入されたグリシジル基と、バインダー樹脂が有する水酸基とが反応して形成される残基である。これら、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造は、水素結合による相互作用によって、カチオンの正電荷の安定化に寄与すると考えられる。
[第一の樹脂]
本発明に係る第一の樹脂は、側鎖に窒素含有基を有する。樹脂の種類としては、例えば、メタ(アクリレート)樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂が挙げられる。なお、第一の樹脂は、第二の樹脂とは架橋していない。本発明に係る第一の樹脂は、例えば、アクリルモノマーやビニルモノマーをラジカル重合反応させることにより得られる。
第一の樹脂は、下記構造式(5)〜(10)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を有することが好ましい。構造式(5)および(6)で示される構造が好ましい理由は、窒素原子の近傍にエステル結合が位置するため、該窒素原子と該エステル結合との間に相互作用が働き、該窒素含有基中のカチオンが安定化することにある。また、構造式(7)〜(10)で示される構造が好ましい理由は、窒素原子に由来する正電荷が環状構造内で非局在化して、該窒素含有基中のカチオンが安定化することにある。
以下、構造式(5)〜(10)で示される各構造について説明する。
Figure 0006789770
構造式(5)中、R6は、水素原子またはメチル基を表す。R7は、炭素数2〜4の炭化水素鎖を表す。該炭化水素鎖としては、アルキレン基が好ましい。R8およびR9は、各々独立に、メチル基またはエチル基を表す。構造式(5)で示される構造は、3級アミノ基を有する、メタ(アクリロイル)モノマーが重合した構造を表す。
構造式(5)で示される構造を与えるモノマーとしては、具体的には、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、が挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレートまたはアクリレートを意味する(以下、同様)。
Figure 0006789770
構造式(6)中、R10は、水素原子またはメチル基を表す。R11は、炭素数2〜4の炭化水素鎖を表す。該炭化水素鎖としては、アルキレン基が好ましい。R12〜R14は、各々独立に、水素原子、または炭素数1〜18の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。構造式(6)で示される構造は、4級アンモニウム塩基を有する、メタ(アクリロイル)モノマーが重合した構造を表す。
構造式(6)で示される構造を与えるモノマーとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸トリメチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチル−n−ブチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸トリエチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチル−n−オクチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジエチル−n−オクチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチルラウリルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチルステアリルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチルトリデシルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸トリブチルアミノエチルカチオン等のハロゲン化物、パラトルエンスルホン酸塩等が挙げられる。
Figure 0006789770
構造式(7)中、R15は、水素原子またはメチル基を表す。R16は、単結合または炭素数1〜3の炭化水素鎖を表す。該炭化水素鎖としては、アルキレン基が好ましい。R17およびR18は、各々独立に、構造式(7)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。R19は、水素原子、または炭素数1〜3の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。構造式(7)で示される構造は、窒素原子を2個含む複素環を有するビニルモノマーが重合した構造を表す。
構造式(7)における含窒素複素環としては、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン;ピラジン、ピリミジン、ピペラジン;ジアゼパンが挙げられる。該含窒素複素環は、5員環または6員環であることが好ましく、イミダゾールがより好ましい。
構造式(7)で示される構造を与えるモノマーの一例として、イミダゾール環構造を有するモノマーを以下に挙げる。
1−ビニルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、1−(3−ブテン−1−イル)−1H−イミダゾール、1−(4−ペンテン−1−イル)−1H−イミダゾール、2−(2−プロペン−1−イル)−1H−イミダゾール、2−(3−ブテン−1−イル)−1−メチル−1H−イミダゾール、2−(3−ブテン−1−イル)−1−エチル−1H−イミダゾール、2−(3−ブテン−1−イル)−1−プロピル−1H−イミダゾール、1−メチル−2−(4−ペンテン−1−イル)−1H−イミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール等。
Figure 0006789770
構造式(8)中、R20は、水素原子またはメチル基を表す。R21は、単結合または炭素数1〜3の炭化水素鎖を表す。該炭化水素鎖としては、アルキレン基が好ましい。R22は、構造式(8)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。R23は、水素原子、または炭素数1〜3の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。構造式(8)で示される構造は、窒素原子を1個含む複素環を有するビニルモノマーが重合した構造を表す。
構造式(8)における含窒素複素環としては、ピロリジン、ピロリン、ピロール;ピリジン、ピペリジン;アゼパン、アゼピンが挙げられる。該含窒素複素環は、5員環または6員環であることが好ましく、ピリジンがより好ましい。
構造式(8)で示される構造を与えるモノマーの一例として、ピリジン環構造を有するモノマーを以下に挙げる。
2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、4−(2−プロペン−1−イル)ピリジン、4−(3−ブテン−1−イル)ピリジン、4−(4−ペンテン−1−イル)ピリジン、3−(2−プロペン−1−イル)ピリジン、3−(2−メチル−2−プロペン−1−イル)ピリジン、3−メチル−5−(2−プロペン−1−イル)ピリジン、4−メチル−3−(2−プロペン−1−イル)ピリジン、2−メチル−5−(2−メチル−2−プロペン−1−イル)ピリジン、4−メチル−3−(2−メチル−2−プロペン−1−イル)ピリジン、3−(3−ブテン−1−イル)ピリジン、3−(3−ブテン−1−イル)−5−メチルピリジン、3−(4−メチル−4−ペンテン−1−イル)ピリジン、5−メチル−2−(2−プロペン−1−イル)ピリジン、2−メチル−6−(2−プロペン−1−イル)ピリジン、5−エチル−2−(2−プロペン−1−イル)ピリジン、3−メチル−2−(2−プロペン−1−イル)ピリジン、2−メチル−6−(2−メチル−2−プロペン−1−イル)ピリジン、5−メチル−2−(2−メチル−2−プロペン−1−イル)ピリジン、4−メチル−2−(2−メチル−2−プロペン−1−イル)ピリジン、2−(3−ブテン−1−イル)ピリジン、2−(3−メチル−3−ブテン−1−イル)ピリジン、2−(3−ブテン−1−イル)−6−メチルピリジン、2−(3−ブテン−1−イル)−5−メチルピリジン、2−(3−ブテン−1−イル)−4−メチルピリジン、2−(3−ブテン−1−イル)−3−メチルピリジン等。
Figure 0006789770
構造式(9)中、R24は、水素原子またはメチル基を表す。R25は、単結合または炭素数1〜3の炭化水素鎖を表す。該炭化水素鎖としては、アルキレン基が好ましい。R26およびR27は、各々独立に、構造式(9)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。R28は、水素原子、または炭素数1〜3の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。R29は、炭素数1〜13の炭化水素基を表す。含窒素複素環中の2つのNのうち一方はNである。構造式(9)で示される構造は、窒素原子1個とカチオン化した窒素原子1個を含む複素環を有するビニルモノマーが重合した構造を表す。
構造式(9)における含窒素複素環としては、イミダゾリウム、イミダゾリニウム、イミダゾリジニウム;ピラジニウム、ピリミジニウム、ピペラジニウム;[1,3]−ジアゼパニウム、[1,4]−ジアゼパニウムが挙げられる。該含窒素複素環は、5員環または6員環であることが好ましく、イミダゾリウムがより好ましい。
構造式(9)で示される構造を与えるモノマーの一例として、イミダゾリウム環構造を有するモノマーを以下に挙げる。
3−アルキル−1−ビニルイミダゾリウムカチオン、1−アルキル−3−ビニルイミダゾリウムカチオン、1−アリル−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、1−アルキル−3−(3−ブテン−1−イル)イミダゾリウムカチオン、1−アルキル−3−(4−ペンテン−1−イル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ジアルキル−2−(2−プロペン−1−イル)イミダゾリウムカチオン、2−(3−ブテン−1−イル)−1−メチル−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、2−(3−ブテン−1−イル)−1−エチル−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、2−(3−ブテン−1−イル)−1−プロピル−3−アルキル−イミダゾリウムカチオン、1−メチル−2−(4−ペンテン−1−イル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、2−メチル−3−アルキル−1−ビニルイミダゾリウムカチオン、カチオン等のハロゲン化物、パラトルエンスルホン酸塩等が挙げられる。なお、各化合物中の「アルキル」は、メチル、エチル、n−ブチル、n−オクチル、ラウリル、トリデシルのいずれかである。
Figure 0006789770
構造式(10)中、R30は、水素原子またはメチル基を表す。R31は、単結合または炭素数1〜3の炭化水素鎖を表す。該炭化水素鎖としては、アルキレン基が好ましい。R32は、構造式(10)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。R33は、水素原子、または炭素数1〜3の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。R34は、炭素数1〜13の炭化水素基を表す。含窒素複素環中の窒素原子がR31と結合し、かつ二重結合を有する場合は、R34は存在しない。構造式(10)で示される構造は、カチオン化した窒素原子を1つ含む複素環を有するビニルモノマーが重合した構造を表す。
構造式(10)における含窒素複素環としては、ピロリジニウム、ピロリニウム、ピロリウム;ピリジニウム、ピペリジニウム;アゼパニウム、アゼピニウムが挙げられる。該含窒素複素環は、5員環または6員環であることが好ましく、ピリジニウムがより好ましい。
構造式(10)で示される構造を与えるモノマーの一例として、ピリジニウム環構造を有するモノマーを以下に挙げる。
1−アルキル−2−ビニルピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−ビニルピリジニウムカチオン、1−アルキル−4−ビニルピリジニウムカチオン、1−アルキル−4−(2−プロペン−1−イル)ピリジニウムカチオン、1−アルキル−4−(3−ブテン−1−イル)ピリジニウムカチオン、1−アルキル−4−(4−ペンテン−1−イル)ピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−(2−プロペン−1−イル)ピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−(2−メチル−2−プロペン−1−イル)ピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−メチル−5−(2−プロペン−1−イル)ピリジニウムカチオン、1−アルキル−4−メチル−3−(2−プロペン−1−イル)ピリジニウムカチオン、1−アルキル−2−メチル−5−(2−メチル−2−プロペン−1−イル)ピリジニウムカチオン、1−アルキル−4−メチル−3−(2−メチル−2−プロペン−1−イル)ピリジニウムカチオン等のハロゲン化物、パラトルエンスルホン酸塩等が挙げられる。なお、各化合物中の「アルキル」は、メチル、エチル、n−ブチル、n−オクチル、ラウリル、トリデシルのいずれかである。
前記構造式(5)〜(10)で示される構造の中でも、構造式(5)および(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を有する第一の樹脂を含む場合、カチオンの化学構造に起因して、低温でもイオン化率が高く、温度0℃の如き低温環境下においても、より抵抗値が上昇しにくくなるため、好ましい。
[第二の樹脂]
本発明に係る第二の樹脂は、例えば、カチオン構造中に水酸基、アミノ基、グリシジル基を少なくとも1個有するイオン化合物と、好ましくは該イオン化合物以外のポリオールと、ポリイソシアネートと、を反応させることにより得られる。ここで、該イオン化合物以外のポリオールと、ポリイソシアネートを反応させて得られる樹脂をバインダー樹脂と称す。
(第二の樹脂に係るイオン化合物に含まれるカチオン)
第二の樹脂に係るイオン化合物は、構造式(1)〜(4)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する。以下、構造式(1)〜(4)で示される各構造について説明する。
Figure 0006789770
構造式(1)中、R1は、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。Z1〜Z3のうち、少なくとも1つは、下記構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は、炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。
構造式(1)で示される構造は、例えば水酸基、アミノ基、グリシジル基を少なくとも1個有するアンモニウムカチオンを表し、該カチオンを含むイオン化合物を、イソシアネートと反応させることにより得られる。
一例として、構造式(1)で示される構造を与える、水酸基を有するアンモニウムカチオンを以下に挙げる。
2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムカチオン、2−ヒドロキシエチルトリエチルアンモニウムカチオン、4−ヒドロキシブチルトリメチルアンモニウムカチオン、4−ヒドロキシブチル−トリ−n−ブチルアンモニウムカチオン、8−ヒドロキシオクチルトリメチルアンモニウムカチオン、8−ヒドロキシオクチル−トリ−n−ブチルアンモニウムカチオン;
ビス(ヒドロキシメチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(3−ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(4−ヒドロキシブチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(8−ヒドロキオクチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(8−ヒドロキオクチル)−ジ−n−ブチルアンモニウムカチオン;
トリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(4−ヒドロキシブチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(8−ヒドロキシオクチル)メチルアンモニウムカチオン;およびこれらの誘導体。
アミノ基、グリシジル基を有するアンモニウムカチオンとしては、これらの水酸基をアミノ基、グリシジル基で置換した構造のカチオンが挙げられる。
Figure 0006789770
構造式(2)中、R2およびR3は、各々独立に、構造式(2)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。Z4〜Z7のうち、少なくとも1つは、下記構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。なお、少なくともZ4またはZ5のいずれか一方が、下記構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であることが好ましい。構造式(2)における含窒素複素環中の2つのNのうち一方はNである。
構造式(2)で示される構造は、例えば水酸基、アミノ基、グリシジル基を少なくとも1個有し、窒素原子を2個含む複素環カチオンを表し、該カチオンを含むイオン化合物を、イソシアネートと反応させることにより得られる。
構造式(2)における含窒素複素環としては、イミダゾリウム、イミダゾリニウム、イミダゾリジニウム;ピラジニウム、ピリミジニウム、ピペラジニウム;[1,3]−ジアゼパニウム、[1,4]−ジアゼパニウムが挙げられる。該含窒素複素環は、5員環または6員環であることが好ましく、イミダゾリウムがより好ましい。
一例として、構造式(2)で示される構造を与える、イミダゾリウム環構造を有し、水酸基を有するカチオンを以下に挙げる。
1−メチル−3−ヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(3−ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(4−ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(6−ヒドロキシヘキシル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(8−ヒドロキシオクチル)イミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1−n−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−(4−ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−4−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン;
1,3−ビスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2−メチル−1,3−ビスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、2−メチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4−メチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2−エチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4−エチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2−n−ブチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4−n−ブチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(3−ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(4−ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(8−ヒドロキシオクチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−2,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3,5−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン;
1,2,3−トリスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリス(3−ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリス(4−ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリス(6−ヒドロキシヘキシル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリス(8−ヒドロキシオクチル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリス(3−ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリス(4−ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリス(6−ヒドロキシヘキシル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリス(8−ヒドロキシオクチル)イミダゾリウムカチオン;およびこれらの誘導体。
アミノ基、グリシジル基を有するカチオンとしては、これらの水酸基をアミノ基、グリシジル基で置換した構造のカチオンが挙げられる。
Figure 0006789770
構造式(3)および(4)中、R4およびR5は、各々独立に、構造式(3)または(4)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。Z8〜Z10のうちの少なくとも1つ、およびZ11〜Z13のうちの少なくとも1つは、各々独立に、下記構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。なお、構造式(3)においては、少なくともZ8またはZ9のいずれか一方が、下記構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であることが好ましい。また、構造式(4)においては、少なくともZ11が、下記構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であることが好ましい。
構造式(3)および(4)で示される構造は、例えば水酸基、アミノ基、グリシジル基を少なくとも1個有し、窒素原子を1個含む複素環カチオンを表し、該カチオンを含むイオン化合物を、イソシアネートと反応させることにより得られる。
構造式(3)および(4)における含窒素複素環としては、ピロリジニウム、ピロリニウム、ピロリウム;ピリジニウム、ピペリジニウム;アゼパニウムが挙げられる。該含窒素複素環は、5員環または6員環であることが好ましく、ピロリジニウムまたはピリジニウムがより好ましい。
一例として、構造式(3)または(4)で示される構造を与える、ピロリジニウム環構造を有し、水酸基を有するカチオンを以下に挙げる。
1−メチル−1,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピロリジニウムカチオン、1−エチル−1,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピロリジニウムカチオン、1−ブチル−1,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピロリジニウムカチオン、1−メチル−1,2−ビス(4−ヒドロキシブチル)ピロリジニウムカチオン;およびこれらの誘導体。
一例として、構造式(4)で示される構造を与える、ピリジニウム環構造を有し、水酸基を有するカチオンを以下に挙げる。
1−ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1−(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1−(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1−(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン、2−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、3−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、4−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、3−エチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、3−n−ブチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−メチル−2−ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1−メチル−3−ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1−メチル−4−ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1−メチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−メチル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−メチル−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−エチル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−n−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、2−メチル−4−n−ブチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン;
1,2−ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,3−ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,4−ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,3−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2−ビス(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,3−ビス(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,4−ビス(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,2−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,2−ビス(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン、1,3−ビス(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン、1,4−ビス(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン、2−メチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、2−エチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、5−メチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、5−エチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン;
1,2,4−トリスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,2,4−トリス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,2,4−トリス(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2,4−トリス(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,2,4−トリス(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,2,4−トリス(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン、1,3,5−トリスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,3,5−トリス(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,3,5−トリス(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン;およびこれらの誘導体。
アミノ基、グリシジル基を有するカチオンとしては、これらの水酸基をアミノ基、グリシジル基で置換した構造のカチオンが挙げられる。
Figure 0006789770
構造式(Z101)中、R35は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素鎖を表す。該炭化水素基は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜8のアルキレン基であることが好ましい。
Figure 0006789770
構造式(Z102)中、R36は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素鎖を表す。該炭化水素基は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜8のアルキレン基であることが好ましい。
Figure 0006789770
構造式(Z103)中、R37は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素鎖を表す。該炭化水素基は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜8のアルキレン基であることが好ましい。なお、構造式(Z101)〜(Z103)中、記号「*」は、構造式(1)における窒素原子との結合部位、または、該構造式(2)〜(4)における含窒素複素環を構成する窒素原子もしくは炭素原子との結合部位を示し、記号「**」は、第二の樹脂を構成するポリマー鎖中の炭素原子との結合部位を表す。
構造式(Z101)は、例えば、カチオンに導入された水酸基と、バインダー樹脂が有するイソシアネート基とが反応して形成される残基である。構造式(Z102)は、例えば、カチオンに導入されたアミノ基と、バインダー樹脂が有するイソシアネート基とが反応して形成される残基である。構造式(Z103)は、例えば、カチオンに導入されたグリシジル基と、バインダー樹脂が有する水酸基とが反応して形成される残基である。
前記構造式(1)〜(4)で示される構造の中でも、構造式(2)で示される構造を有する第二の樹脂を含む場合、カチオンの化学構造に起因して、低温でもイオン化率が高く、0℃近辺の低温環境下における抵抗値がより上昇しにくくなるため、好ましい。
(第二の樹脂に係るバインダー樹脂)
本発明において、樹脂層は、構造式(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも1つで示される構造と、構造式(5)〜(10)からなる群より選択される少なくとも1つで示される構造以外の構造を有する樹脂をバインダー樹脂として含むことが好ましい。
バインダー樹脂として含まれる樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、またはメラミンの如きアミノ樹脂が挙げられる。これらの中でも、皮膜の強度およびトナー帯電性の観点から、ポリウレタン樹脂、メラミン架橋樹脂が好ましい。中でも、熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステルポリウレタン樹脂は、柔軟性を併せ持つため好適に用いられる。
ポリウレタン樹脂は、公知のポリオールとイソシアネートとを反応させることにより得られる。ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオールが挙げられる。これらの中でも、自己膜補強性およびイオン化合物との相溶性の観点から、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオール、およびこれらとイソシアネートを反応させたウレタンプレポリマーポリオールが好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
またポリエステルポリオールとしては、以下のものが挙げられる。1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,4−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールの如きジオール成分、またはトリメチロールプロパンの如きトリオール成分と、アジピン酸、無水フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロキシフタル酸の如きジカルボン酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオール。
また、ポリカーボネートポリオールとしては、以下のものが挙げられる。1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如きジオール成分と、ホスゲン、ジメチルカーボネートの如きジアルキルカーボネート、または、エチレンカーボネートの如き環状カーボネートとの縮合反応により得られるポリカーボネートポリオール。
ポリウレタン樹脂を用いる際、下記構造式(11)〜(14)で示される分岐状のエーテル構造、構造式(15)で示される分岐状のエステル構造を有するポリオールを用いた場合には、バインダー樹脂としての結晶性が低下し、0℃近辺の低温環境下における抵抗値がより低下するため、特に好ましい。
Figure 0006789770
構造式(11)および(12)で示される構造は、例えば、3−メチルテトラヒドロフランを開環重合して得られるポリエーテルポリオールを用いることにより得られる。
構造式(13)および(14)で示される構造は、例えば、プロピレンオキシドを開環重合して得られるポリエーテルポリオールを用いることにより得られる。
構造式(15)で示される構造は、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸等のジカルボン酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオールを用いることにより得られる。または、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとホスゲン、ジメチルカーボネートの如きジアルキルカーボネートとを用いることによっても得られる。
これらのポリオール成分は、必要に応じて、あらかじめ2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)の如きイソシアネート化合物により鎖延長したプレポリマーとしてもよい。
イソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートの如き脂環式ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネート;およびこれらの共重合物やイソシアヌレート体、TMPアダクト体、ビウレット体、そのブロック体を用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネートが好ましい。
ポリオール成分とイソシアネート化合物とは、ポリオール成分中の水酸基1.0に対して、イソシアネート化合物中のイソシアネート基の比率(モル比)が1.0以上2.0以下の範囲となるように混合させることが好ましい。混合比が上記範囲内であれば、未反応成分の残存を抑制することが可能である。
[アニオン]
本発明に係るアニオンは、特に、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロスルホネートアニオン、フルオロアルキルカルボン酸アニオン、フルオロアルキルメチドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、フルオロリン酸アニオン、ジシアナミドアニオンおよびチオシアネートアニオンからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。その理由は、上記アニオンは、その化学構造に起因して、ハロゲンアニオンや硫酸アニオン、硝酸アニオンと比べて化学的に非常に安定であり、イオン化率が高いためである。具体的には、アニオンが分子内に強力な電子求引性基を有し、アニオンの負電荷を安定化させるため、広い温度域で高いイオン化率を示し、低温でも高い導電性の発現に寄与するためと考えられる。なお、アニオンとして、過塩素酸アニオンを用いることもできる。
フルオロアルキルスルホニルイミドアニオンとしては、具体的には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニルイミドアニオン、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ドデカフルオロペンタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(パーフルオロヘキサンスルホニル)イミドアニオンの如き、炭素数1以上6以下のフルオロアルキル基を有するフルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、および、N,N−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルイミドの如き環状のフルオロアルキルスルホニルイミドアニオンが挙げられる。
フルオロスルホニルイミドアニオンとしては、具体的には、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンが挙げられる。
フルオロアルキルスルホネートアニオンとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、フルオロメタンスルホン酸アニオン、パーフルオロエタンスルホン酸アニオン、パーフルオロプロパンスルホン酸アニオン、パーフルオロブタンスルホン酸アニオン、パーフルオロペンタンスルホン酸アニオン、パーフルオロヘキサンスルホン酸アニオン、パーフルオロオクタンスルホン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルキルカルボン酸アニオンとしては、具体的には、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロプロピオン酸アニオン、パーフルオロ酪酸アニオン、パーフルオロ吉草酸アニオン、パーフルオロカプロン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルキルメチドアニオンとしては、具体的には、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロエタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロプロパンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロブタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロペンタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロヘキサンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロオクタンスルホニル)メチドアニオンが挙げられる。
フルオロホウ酸アニオンとしては、具体的には、テトラフルオロホウ酸アニオンが挙げられる。
フルオロリン酸アニオンしては、具体的には、ヘキサフルオロリン酸アニオンが挙げられる。
これらのアニオンの中でも、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、ジシアナミドアニオン、チオシアネートアニオンを用いた場合には、低温環境下における導電性の低下がより抑制されるため、特に好ましい。
(樹脂層形成用塗料の作製)
バインダー樹脂としてウレタン樹脂を用いる場合、例えば以下の材料を混合し、反応させることにより、本発明の樹脂層形成用塗料が得られる。
1.バインダー樹脂を形成する材料として、
・ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等
・ポリイソシアネート
2.第一の樹脂を形成する材料として、側鎖に窒素含有基を有するポリマー
3.第二の樹脂を形成する材料として、カチオン構造中に、水酸基、アミノ基、グリシジル基からなる群より選択される少なくとも1つを含むイオン化合物
なお、これらの反応後の状態は、例えば、熱分解GC/MS、FT−IR、NMR等による公知の手段で分析することにより確認することができる。
樹脂層中における、側鎖に窒素含有基を有するポリマーの含有量は、導電性および通電による抵抗変動抑制の観点から、バインダー樹脂100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
樹脂層中における、前記構造式(5)〜(10)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つで示される構造の含有量は、導電性および通電による抵抗変動抑制の観点から、バインダー樹脂100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(樹脂層の形成方法)
樹脂層の形成方法としては、特に限定されるものではないが、スプレー塗工、浸漬塗工、またはロールコート法が挙げられる。これらの中でも、特開昭57−5047号公報に記載されているような、浸漬槽の上端から塗料をオーバーフローさせる浸漬塗工方法は、樹脂層を形成する方法として簡便かつ生産安定性に優れているため、好ましく用いられる。
樹脂層の厚さは、1.0μm以上20.0μm以下であることが好ましい。
(樹脂層中のその他の成分)
樹脂層は、必要に応じて、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛および炭酸カルシウムの如き非導電性充填剤を含有してもよい。これらの非導電性充填剤は、樹脂層形成用塗料に添加することにより、樹脂層の形成工程において該塗料をコーティングする際に、成膜助剤としての機能を発揮する。かかる非導電性充填剤の含有率は、樹脂層を形成する樹脂100質量部に対して、10質量部以上30質量部以下であることが好ましい。なお、樹脂層を形成する樹脂とは、第一の樹脂、第二の樹脂およびバインダー樹脂を含め、樹脂層に含まれる全ての樹脂を意味する。
また、樹脂層は、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲で、導電性充填剤を含有してもよい。導電性充填剤としては、カーボンブラック;アルミニウム、銅の如き導電性金属;酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンの如き導電性金属酸化物の微粒子を用いることができる。これらの中でも、カーボンブラックは、比較的容易に入手でき、導電付与性と補強性が高いため、特に好ましく用いられる。
樹脂層が最表層である場合において、電子写真用部材としてある程度の表面粗度が求められる場合は、樹脂層に粗さ制御のための微粒子(粗さ制御用微粒子)を添加してもよい。粗さ制御用微粒子としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、またはフェノール樹脂の微粒子を用いることができる。粗さ制御用微粒子の体積平均粒径は、1μm以上15μm以下であることが好ましい。樹脂層中の粗さ制御用粒子の含有量は、樹脂層を形成する樹脂100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
(2)電子写真装置
本発明に係る電子写真用部材は、電子写真装置における現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ、および現像ブレード、クリーニングブレードとして好適に用いることができる。電子写真用部材は、磁性一成分トナーおよび非磁性一成分トナーを用いた非接触型現像装置および接触型現像装置、ならびに二成分トナーを用いた現像装置のいずれの現像装置にも適用することができる。
図3は、本発明に係る電子写真用部材を、一成分トナーを用いた接触型現像装置の現像ローラとして搭載した電子写真装置の一例を示す概略断面図である。現像装置22は、一成分トナーとしてトナー15を収容したトナー容器20と、現像ローラ16と、現像ローラ16へトナーを供給するトナー供給ローラ19と、現像ローラ16上のトナー層の厚さを規制する現像ブレード21とを含む。現像ローラ16は、トナー容器20内の長手方向に延在する開口部に位置し、感光体18に対して接触設置されている。なお、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25および帯電ローラ24は、電子写真装置本体に配備されていてもよい。現像装置22は、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色トナーに用意されており、カラー印刷を可能としている。
以下、電子写真装置のプリント動作を説明する。感光体18は矢印方向に回転し、感光体18を帯電処理するための帯電ローラ24によって一様に帯電される。次いで、露光手段であるレーザー光23により、感光体18の表面に静電潜像が形成される。該静電潜像は、現像装置22によって、感光体18に対して接触配置される現像ローラ16からトナー15が付与されることにより、トナー像として可視化される(現像)。現像は、露光部にトナー像を形成する、いわゆる反転現像である。感光体18上に形成されたトナー像は、転写部材である転写ローラ29によって記録媒体である紙34に転写される。紙34は、給紙ローラ35および吸着ローラ36を経て装置内に給紙され、エンドレスベルト状の転写搬送ベルト32によって、感光体18と転写ローラ29の間に搬送される。転写搬送ベルト32は、従動ローラ33、駆動ローラ28、テンションローラ31により稼働している。現像ローラ16、現像ブレード21および吸着ローラ36には、バイアス電源30から電圧が印加されている。トナー像が転写された紙34は、定着装置27により定着処理された後、装置外に排紙されて、プリント動作が終了する。一方、転写されずに感光体18上に残存した転写残トナーは、感光体表面をクリーニングするためのクリーニング部材であるクリーニングブレード26により掻き取られ、廃トナー収容容器25に収納される。クリーニングされた感光体18は、以上のプリント動作を繰り返し行う。
(3)プロセスカートリッジ
本発明に係る電子写真用部材は、プロセスカートリッジにおける現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ、および現像ブレード、クリーニングブレードとして好適に用いることができる。図4は、本発明の一態様に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略断面図である。図4において、前記電子写真用部材は現像ローラ16として搭載されている。プロセスカートリッジ17は、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている。また、プロセスカートリッジ17は、現像ローラ16と現像ブレード21とを備える現像装置22、電子写真感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、および帯電ローラ24が一体化されたものである。現像装置22は、さらにトナー容器20を含み、トナー容器20内には、トナー15が充填されている。トナー容器20内のトナー15は、トナー供給ローラ19によって現像ローラ16の表面に供給され、現像ブレード21によって、現像ローラ16の表面に所定の厚みのトナー15の層が形成される。
以下に、本発明に係る具体的な実施例および比較例について示す。まず、重合体、イオン化合物、および樹脂を作製するために必要な原料化合物を合成した。
<重合体の合成>
(モノマーM−1)
回転機構を備えたオートクレーブ中で、乾燥テトラヒドロフラン500gに、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(東京化成工業社製)130.5g、および1−ブロモブタン(東京化成工業社製)119.5gを加え、60℃の温度で3時間反応させた。次に、反応混合物を5℃に冷却し、減圧下で溶媒を留去して、N−(2−(メタクリロイルオキシエチル)−N,N−ジメチルブタン−1−アンモニウムブロマイド(モノマーM−1)を得た。
(モノマーM−2)
回転機構を備えたオートクレーブ中で、乾燥テトラヒドロフラン500gに、1−ビニルイミダゾール(東京化成社製)130.0g、ブロモメタン(東京化成工業社製)120.0gを加え、60℃の温度で3時間反応させた。次に、反応混合物を5℃に冷却し、減圧下で溶媒を留去して、3−メチル−1−ビニル−1H−イミダゾリウムブロマイド(モノマーM−2)を得た。
(モノマーM−3)
回転機構を備えたオートクレーブ中で、乾燥テトラヒドロフラン500gに、4−ビニルピリジン(東京化成工業社製)105.5g、1−ブロモブタン(東京化成工業社製)144.5gを加え、60℃の温度で3時間反応させた。次に、反応混合物を5℃に冷却し、減圧下で溶媒を留去して、1−n−ブチル−4−ビニルピリジニウムブロマイド(モノマーM−3)を得た。
(モノマーM−4〜M−8)
モノマーM−4〜M−8として、以下の市販品をそのまま用いた。
モノマーM−4:メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(東京化成工業社製)
モノマーM−5:1−ビニルイミダゾール(東京化成工業社製)
モノマーM−6:4−ビニルピリジン(東京化成工業社製)
モノマーM−7:メタクリル酸メチル(東京化成工業社製)
モノマーM−8:スチレン(東京化成工業社製)
なお、上記で準備したモノマーM−1〜M−8のうち、本発明に係る側鎖に窒素含有基を有するモノマーは、モノマーM−1〜M−6である。
(重合体P−2)
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、乾燥メチルエチルケトン150.0質量部を仕込み、窒素ガス気流下で温度87℃に昇温し、加熱還流した。次に、モノマーM−4:46.7質量部、モノマーM−7:3.3質量部、開始剤(商品名:カヤエステルO、化薬アクゾ社製):0.3質量部の混合物を1時間かけて徐々に滴下し、温度を87℃に保持してさらに3時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下でメチルエチルケトン100.0質量部を留去した。室温まで放冷することにより、重合体P−2を得た。
(重合体P−1、P−3〜P−22)
原料のモノマー種および混合比(質量部)を表1に示すように変更した以外は、重合体P−2の合成例と同様の操作を行い、重合体P−1、P−3〜P−22を得た。なお、表中、「部」は「質量部」を表す。
Figure 0006789770
(重合体P−23)
冷却管およびディーンスターク管を備えた反応容器中で、1,4−ブタンジオール(東京化成工業社製)252.0g、2−(Dimethylamino)propane−1,3−diol(AK Scientific社製)44.0g、アジピン酸(東京化成工業社製)613.2g、およびトルエン250gを、80℃に加熱しながら撹拌混合した。次に、反応物を2時間かけて徐々に180℃まで昇温し、さらに180℃で1時間撹拌して脱水縮合した。次に、反応物を室温まで放冷することにより、重合体P−23を得た。
なお、側鎖に窒素含有基を有するポリマーである重合体P−1〜P−23のうち、重合体P−1〜P−22は、構造式(5)〜(10)からなる群より選択される少なくとも1つの構造を有している。
<イオン化合物の合成>
(イオン化合物I−1)
ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業社製)15.0gをイオン交換水40.0gに溶解させた。次に、イオン交換水60gに溶解させたアニオン交換試薬(以下、「アニオン原料」と称す):リチウム N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)27.9gを30分かけて滴下し、30℃で2時間攪拌した。得られた反応溶液に対し、酢酸エチル100.0gを用いて2回抽出操作を行った。続いて、分液した酢酸エチル層を、イオン交換水60gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下で酢酸エチルを留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンであるイオン化合物I−1を得た。イオン化合物I−1は、下記式で表される化合物である。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−2〜I−5)
アニオン原料およびその配合量を表2に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−1の合成と同様にして、イオン化合物I−2〜I−5を得た。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−6)
イオン化合物I−6として、市販のビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業社製)をそのまま用いた。
(イオン化合物I−7)
トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド50%水溶液(東京化成工業社製)30.0gをイオン交換水50.0gに溶解させた。次に、イオン交換水30gに溶解させたアニオン原料:リチウム N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)26.1gを30分かけて滴下し、30℃で6時間攪拌した。得られた反応溶液に対し、酢酸エチル100.0gを用いて2回抽出操作を行った。続いて、分液した酢酸エチル層を、イオン交換水80gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下で酢酸エチルを留去し、イオン化合物I−7を得た。イオン化合物I−7は、下記式で表される化合物である。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−8〜I−10)
アニオン原料およびその配合量を表3に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−7の合成と同様にして、イオン化合物I−8〜I−10を得た。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−11)
ジエチレントリアミン(東京化成工業社製)15.0gを、テトラヒドロフラン35.0gに溶解させた。次に、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。続いて、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させたヨウ化メチル(東京化成工業社製)45.5gを30分かけて滴下した。反応溶液を12時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール100mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を純水160mlに溶解し、アニオン原料として、リチウム N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)46.0gを加え、室温下で1時間撹拌した。得られた反応溶液に対し、酢酸エチル100.0gを用いて2回抽出操作を行った。次に、分液した酢酸エチル層を、イオン交換水60gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下で酢酸エチルを留去し、イオン化合物I−11を得た。イオン化合物I−11は、下記式で表される化合物である。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−12)
窒素雰囲気下、イミダゾール(日本合成化学社製)15.0g、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)9.2gを、テトラヒドロフラン60.0gに溶解させた。そこへ、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させた2−ブロモエタノール(東京化成工業社製)60.7gを室温で30分かけて滴下した後、85℃で12時間加熱還流した。次いで、反応溶液に水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール200mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を純水200mlに溶解し、アニオン原料として、リチウム N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)69.6gを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル200mlを加え、有機層を、イオン交換水120gを用いて3回洗浄した。次に、減圧下で酢酸エチルを留去して、イオン化合物I−12を得た。イオン化合物I−12は、下記式で表される化合物である。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−13〜I−18)
アニオン原料およびその配合量を表4に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−12の合成と同様にして、イオン化合物I−13〜I−18を得た。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−19)
窒素雰囲気下、(1H−Imidazol−2−yl)ethanol(シグマ・アルドリッチ社製)15.0g、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)9.2gをテトラヒドロフラン60.0gに溶解させた。そこへ、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させた2−ブロモエタノール(東京化成工業社製)42.1gを室温で30分かけて滴下し、85℃で12時間加熱還流した。次いで、反応溶液に水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール200mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を純水200mlに溶解し、アニオン原料として、リチウム N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)48.3gを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル200mlを加え、有機層を、イオン交換水120gを用いて3回洗浄した。次に、減圧下で酢酸エチルを留去して、イオン化合物I−19を得た。イオン化合物I−19は、下記式で表される化合物である。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−20〜I−22の合成)
アニオン原料およびその配合量を表5に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−19の合成と同様にして、イオン化合物I−20〜I−22を得た。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−23)
カチオン原料として、イミダゾール(東京化成工業社製)15.0gをジクロロメタン50.0gに溶解させ、ジクロロメタン50.0gに溶解させたエピクロロヒドリン(東京化成工業社製)44.9gを室温で30分かけて滴下し、6時間加熱還流した。次に、反応溶液を室温まで冷却し、炭酸ナトリウム5質量%水溶液200mlを加えて30分撹拌した後、分液し、ジクロロメタン層を、イオン交換水120gを用いて2回洗浄した。次に、減圧下でジクロロメタンを留去して残留物を得た。
さらに、得られた残留物をアセトン50.0gに溶解させた後、イオン交換水150.0gに溶解させたアニオン原料:リチウム N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)69.6gを30分かけて滴下し、30℃で2時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を、イオン交換水50.0gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下でアセトンを留去して、イオン化合物I−23を得た。イオン化合物I−23は、下記式で表される化合物である。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−24)
2−(2−Methyl−1H−imidazol−1−yl)ethanol(シグマ・アルドリッチ社製)15.0g、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)9.2gをテトラヒドロフラン80.0gに溶解させた。そこへ、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させた臭化エチル(昭和化学社製)14.5gを室温で30分かけて滴下し、85℃で12時間加熱還流した。次に、反応溶液に水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール200mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を、純水100mlに溶解し、アニオン原料として、トリフルオロ酢酸リチウム(和光純薬工業社製)16.0gを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル100mlを加え、有機層を、イオン交換水80gを用いて3回洗浄した。次に、減圧下で酢酸エチルを留去して、イオン化合物I−24を得た。イオン化合物I−24は、下記式で表される化合物である。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−25〜I−29の合成)
アニオン原料およびその配合量を表6に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−24の合成と同様にして、イオン化合物I−25〜I−29を得た。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−30)
2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピロリジン(東京化成工業社製)15.0g、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)13.5gを、テトラヒドロフラン65.0gに溶解させた。次に、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。続いて、テトラヒドロフラン40.0gに溶解させた2−ブロモエタノール(東京化成工業社製)16.0gを30分かけて滴下した。反応溶液を12時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール80mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を、純水160mlに溶解し、アニオン原料として、リチウム N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)36.7gを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液にクロロホルム70mlを加え、炭酸ナトリウム5質量%水溶液40mlを加えて30分撹拌した後分液し、クロロホルム層に対して、イオン交換水50gを用いて3回洗浄操作を行った。次に、減圧下でクロロホルムを留去して、イオン化合物I−30を得た。イオン化合物I−30は、下記式で表される化合物である。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−31〜I−34の合成)
アニオン原料およびその配合量を表7に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−30の合成と同様にして、イオン化合物I−31〜I−34を得た。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−35)
4−Pyridin−4−yl−butan−1−ol(シグマ・アルドリッチ社製)15.0gをアセトニトリル45.0gに溶解し、室温で4−ブロモ−1−ブタノール(東京化成工業社製)16.7gを30分かけて滴下した後、90℃で12時間加熱還流した。次に、反応溶液を室温まで冷却し、減圧下でアセトニトリルを留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテル30.0gにて洗浄し、上澄み液を分液により除去した。洗浄および分液操作を3回繰り返し、残留物を得た。さらに、得られた残留物をジクロロメタン110.0gに溶解させた後、イオン交換水40.0gに溶解させたアニオン原料:リチウム N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)31.4gを30分かけて滴下し、30℃で12時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を、イオン交換水80.0gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下でジクロロメタンを留去し、イオン化合物I−35を得た。イオン化合物I−35は、下記式で表される化合物である。
Figure 0006789770
(イオン化合物I−36〜I−40の合成)
アニオン原料およびその配合量を表8に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−35の合成と同様にして、イオン化合物I−36〜I−40を得た。
Figure 0006789770
(比較例用イオン化合物I−41、I−42)
イオン化合物I−41、I−42として、以下の市販品をそのまま用いた。
イオン化合物I−41:N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学社製)
イオン化合物I−42:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東京化成工業社製)
<ポリオール>
(ポリオールA−1〜A−3)
ポリオールA−1〜A−3として、以下の市販品をそのまま用いた。
ポリオールA−1:ポリエーテルポリオール(商品名:PTG−L1000、保土谷化学工業社製)
ポリオールA−2:ポリエステルポリオール(商品名:クラレポリオールP−2010、クラレ社製)
ポリオールA−3:ポリブタジエンポリオール(商品名:Poly bd R−45HT、出光興産社製)
<硬化剤>
(イソシアネートB−1)
イソシアネートB−1として、市販のポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR−400、東ソー社製)をそのまま用いた。
(イソシアネート基末端プレポリマーB−2)
窒素雰囲気下、反応容器中でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業社製)84.1質量部に対し、PTG−L1000(商品名、保土谷化学工業社製)100.0質量部を、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2.5時間反応させて、メチルエチルケトン80.0質量部を加えた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量5.4質量%のイソシアネート基末端プレポリマーB−2を得た。
次に、電子写真用部材を作製し、評価した。
<現像ローラの作製>
[実施例1]
(基体の用意)
基体として、ステンレス鋼(SUS304)製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名:DY39−012、東レ・ダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを用意した。
(弾性層の形成)
用意した基体を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を、金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名:SE6905A/B、東レ・ダウコーニング社製):100.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300、東海カーボン社製):15.0質量部
・白金触媒:0.1質量部
続いて、金型を加熱し、シリコーンゴムを温度150℃で15分間加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された基体を金型から脱型した後、当該芯金を、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。こうして、基体の外周に直径12mmのシリコーンゴム弾性層を有する弾性ローラD−1を作製した。
(樹脂層の形成)
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリオールA−1:100.0質量部
・イソシアネートB−1:45.7質量部
・重合体P−1:7.6質量部
・イオン化合物I−12:7.3質量部
・シリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)200、日本アエロジル社製):30.6質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):15.3質量部
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、さらにメチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して、樹脂層形成用塗料を調製した。
先に作製した弾性ローラD−1を、該樹脂層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラD−1の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに、温度150℃にて1時間加熱処理することにより、弾性層外周に膜厚約15μmの樹脂層を有する、実施例1に係る現像ローラを作製した。
[実施例2〜8、23、24]
重合体およびイオン化合物の種類と各材料の配合量を、表9に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜8、23、24に係る現像ローラを作製した。
Figure 0006789770
[実施例9]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリオールA−2:70.0質量部
・イソシアネート基末端プレポリマーB−2:113.3質量部
・重合体P−3:7.8質量部
・イオン化合物I−1:7.1質量部
・シリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製):31.3質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):15.6質量部
以降は、実施例1と同様にして、実施例9に係る現像ローラを作製した。
[実施例10〜20]
重合体およびイオン化合物の種類と各材料の配合量を、表9に記載の通りに変更した以外は実施例9と同様にして、実施例10〜20に係る現像ローラを作製した。
[実施例21]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリオールA−3:110.0質量部
・イソシアネートB−1:23.9質量部
・重合体P−6:7.0質量部
・イオン化合物I−11:6.3質量部
・シリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製)28.1質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):14.0質量部
以降は、実施例1と同様にして、実施例21に係る現像ローラを作製した。
[実施例22]
重合体およびイオン化合物の種類と配合量を表9に記載の通りに変更した以外は実施例21と同様にして、実施例22に係る現像ローラを作製した。
[比較例1、2]
重合体およびイオン化合物の種類と各材料の配合量を表9に記載の通りに変更した以外は実施例21と同様にして、比較例1および2に係る現像ローラを作製した。
[比較例3]
第一の樹脂に係る重合体を添加せず、また、イオン化合物の種類と各材料の配合量を、表9に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例3に係る現像ローラを作製した。
<現像ローラの評価>
得られた実施例1〜24および比較例1〜3に係る現像ローラについて、以下の評価を行った。評価結果を表10にまとめて示す。
[ローラの抵抗値の測定]
温度23℃、相対湿度50%(以下、「N/N」とも記す)の環境下および0℃の環境下に、6時間現像ローラを放置した後、各環境下で抵抗値を測定した。なお、0℃の如き低温環境下では、23℃環境下に比べて著しく飽和水蒸気圧が低く、本発明に係る抵抗値・画質評価結果の大勢に影響を与えないと考えられるため、0℃の環境下における評価に際しては、相対湿度を特には問わないこととする。
(抵抗値の測定)
図5に、本測定で用いる、現像ローラの抵抗値を評価するための冶具の概略構成図を示す。図5(a)に示すように、導電性の軸受け38を介して導電性の基体2の両端を、各々4.9Nの荷重で押しながら直径30mmの円柱形金属37を回転させ、現像ローラ16を60rpmの速度で従動回転させた。次に、図5(b)に示すように、高圧電源39によって電圧50Vを印加し、円柱形金属37とグランドとの間に配設した既知の抵抗値(現像ローラ16の抵抗値に対して2桁以上抵抗値が低いもの)を有する抵抗器の両端の電位差を計測した。当該電位差の計測には、電圧計40(商品名:189TRUE RMS MULTIMETER、FLUKE社製)を用いた。測定した電位差と抵抗器の抵抗値とから、現像ローラ16を介して円柱形金属37に流れた電流を計算により求めた。そして、印加電圧50Vを得られた電流で割ることによって、現像ローラ16の抵抗値を求めた。ここで、前記電位差の計測は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値をローラ抵抗値とした。
[現像ローラとしての性能評価]
(温度0℃の環境下でのゴーストの評価)
温度0℃の環境中で抵抗値の測定を行った現像ローラを用いて、以下の評価を行った。
図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のプロセスカートリッジに、各実施例および比較例で得られた現像ローラを、現像ローラ16として装填した。そして、該プロセスカートリッジを前記レーザープリンターに組み込み、0℃環境中に設置した後2時間放置した。
次いで、ゴースト画像の評価を行った。すなわち、ブラックトナーを用いて、画像パターンとして1枚内で先端部に15mm角のベタ黒、その後に全面ハーフトーンの画像を印字した。そして、ハーフトーン部分に現れるトナー担持体周期の濃度ムラ(ゴースト)を目視で確認した。ゴーストの評価の評価基準は以下のとおりである。
A:ゴーストが全く認められない。
B:極軽微なゴーストが認められる。
C:顕著なゴーストが認められる。
Figure 0006789770
表10に示すように、実施例1〜24に係る現像ローラは、樹脂層に、特定の構造を有する第一の樹脂と、特定のカチオン構造を含有する第二の樹脂と、アニオンとを含有しているため、温度0℃の如き低温環境下における抵抗値の上昇が少なく、画像品質も良好を保っていた。特に、構造式(5)および(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を含有する第一の樹脂を用い、かつ構造式(2)で示される構造を含有する第二の樹脂を用いた実施例1〜8、22、23においては、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制された。
一方で、かかる構造を含有していない比較例1〜3に係る現像ローラは、低温環境下において、抵抗値の上昇およびゴースト画像の発生が認められた。
<現像ブレードの作製>
[実施例25]
(基体の用意)
基体として、厚さ0.08mmのステンレス鋼(SUS304、日新製鋼社製)を、長さ200mm、幅23mmの寸法にプレス切断して、ステンレス鋼製のシート(以下、「SUSシート」という)を用意した。
(樹脂層の形成)
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリオールA−1:100.0質量部
・イソシアネートB−1:45.7質量部
・重合体P−1:15.1質量部
・イオン化合物I−13:5.6質量部
・シリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製):30.3質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):15.1質量部
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、さらに、メチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して樹脂層形成用塗料を調製した。
図2に示すように、切断したSUSシートの長手側端部からの長さLが1.5mmになるように、SUSシートを該樹脂層形成用塗料に浸漬して、当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度140℃にて1時間加熱処理することで、SUSシートの長手側端部表面に膜厚Tが10μmの樹脂層を有する、実施例25に係る現像ブレードを作製した。
[実施例26、27]
樹脂層形成用塗料の材料である、重合体およびイオン化合物の種類と配合量を、表11に記載の通りに変更した以外は実施例25と同様にして、実施例26、27に係る現像ブレードを作製した。
[実施例28]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリオールA−2:70.0質量部
・イソシアネート基末端プレポリマーB−2:138.5質量部
・重合体P−14:17.9質量部
・イオン化合物I−20:11.7質量部
・シリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製):35.7質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):17.9質量部
以降の操作は、実施例25と同様にして、実施例28に係る現像ブレードを作製した。
[実施例29]
樹脂層形成用塗料の材料である、重合体およびイオン化合物の種類と各材料の配合量を、表11に記載の通りに変更した以外は実施例28と同様にして、実施例29に係る現像ブレードを作製した。
[実施例30]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリオールA−3:110.0質量部
・イソシアネートB−1:27.1質量部
・重合体P−21:14.1質量部
・イオン化合物I−10:3.6質量部
・シリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製):28.2質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):14.1質量部
以降の操作は、実施例25と同様にして、実施例30に係る現像ブレードを作製した。
[実施例31]
樹脂層形成用塗料の材料である、重合体およびイオン化合物の種類と各材料の配合量を、表11に記載の通りに変更した以外は実施例30と同様にして、実施例31に係る現像ブレードを作製した。
[比較例4、5]
樹脂層形成用塗料の材料である、重合体およびイオン化合物の種類と各材料の配合量を、表11に記載の通りに変更した以外は実施例25と同様にして、比較例4、5に係る現像ブレードを作製した。なお、比較例5においては、第一の樹脂に係る重合体を添加しなかった。
Figure 0006789770
<現像ブレードの評価>
得られた実施例25〜31、および比較例4、5に係る現像ブレードについて、以下の評価を行った。評価結果を表12にまとめて示す。
[ブレードの抵抗値の測定]
N/N環境下および0℃の環境下に、6時間現像ブレードを放置した後、各環境下で抵抗値を測定した。
(抵抗値の測定)
ブレードの抵抗値の測定は、図5に示す抵抗値変動評価冶具を用いて、次のように行った。なお、図5に示す冶具における現像ローラ16に代えて、現像ブレードを用いた。図5(a)に示すように、導電性の軸受け38を介して現像ブレード両端の、樹脂層を形成していない基体部分を各々4.9Nの荷重で押しながら、直径30mmの円柱形金属37を回転させずに、現像ブレードを固定した。次に、図5(b)に示すように、高圧電源39によって電圧50Vを印加し、円柱形金属37とグランドとの間に配設した既知の抵抗値(現像ブレードの抵抗値に対して2桁以上抵抗値が低いもの)を有する抵抗器の両端の電位差を計測した。当該電位差の計測には、電圧計40(商品名:189TRUE RMS MULTIMETER、FLUKE社製)を用いた。測定した電位差と抵抗器の抵抗値から、現像ブレードを介して円柱形金属37に流れた電流を計算により求めた。そして、印加電圧50Vを得られた電流で割ることにより、現像ブレードの抵抗値を求めた。ここで、前記電位差の計測は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値をブレード抵抗値とした。
[現像ブレードとしての性能評価]
(規制不良評価)
図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のプロセスカートリッジに、各実施例および比較例の現像ブレードを現像ブレード21として装填した。なお、現像ローラは変更しなかった。そして、該プロセスカートリッジを前記レーザープリンターに組み込み、0℃環境中に設置した後2時間放置した。次に、黒色で印字率1%の画像を100枚連続して出力した。その後、新しいコピー用紙に白ベタ画像を出力した。これらの画像を出力した後、現像ブレード表面のトナーコートの状態観察を行い、トナーへの帯電異常に起因する静電的トナー凝集(規制不良)の有無を目視で観察した。規制不良評価の評価基準は以下のとおりである。なお、規制不良が生じると、例えば非印字部に斑点状のムラが発生したり、トナー塊などが画像上に発生したりする画像弊害が生じることがある。
A:トナーコート上に規制不良が存在しない。
B:トナーコート上には規制不良が存在するが、画像に現れていない。
C:規制不良が画像に現れる。
Figure 0006789770
表12に示すように、実施例25〜31に係る現像ブレードは、樹脂層が、特定の構造を有する第一の樹脂と、特定のカチオン構造を含有する第二の樹脂と、アニオンとを含有しているため、温度0℃の如き低温環境下における抵抗値の上昇が少なく、画像品質も良好を保っていた。特に、構造式(5)および(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を含有する第一の樹脂を用い、かつ構造式(2)で示される構造を含有する第二の樹脂を用いた実施例25、26においては、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制された。
一方で、かかる構造を含有していない比較例4、5に係る現像ブレードは、低温環境下において、抵抗値の上昇および規制不良の発生が認められた。
<帯電ローラの作製>
[実施例32]
(基体の用意)
基体として、ステンレス鋼(SUS304)製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名:DY39−012、東レ・ダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを用意した。
(弾性層の形成)
下記に示す各材料を加圧式ニーダーで混合して、A練りゴム組成物を得た。
・NBRゴム(商品名:Nipol DN219、日本ゼオン社製):100.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300、東海カーボン社製):40.0質量部
・炭酸カルシウム(商品名:ナノックス#30、丸尾カルシウム社製):20.0質量部
・ステアリン酸(商品名:ステアリン酸S、花王社製):1.0質量部
さらに、得られたA練りゴム組成物166.0質量部と、下記に示す各材料をオープンロールにて混合して、未加硫ゴム組成物を調製した。
・硫黄(商品名:Sulfax 200S、鶴見化学工業社製):1.2質量部
・テトラベンジルチウラムジスルフィド(商品名:TBZTD、三新化学工業社製):4.5質量部
次に、導電性の軸芯体の供給機構、および未加硫ゴムローラの排出機構を有するクロスヘッド押出機を用意し、クロスヘッドには内径16.5mmのダイスを取付け、押出機とクロスヘッドを80℃に、導電性の軸芯体の搬送速度を60mm/secに調整した。この条件で、押出機より上記未加硫ゴム組成物を供給して、クロスヘッド内にて、導電性の軸芯体に未加硫ゴム組成物を弾性層として被覆し、未加硫ゴムローラを得た。次に、170℃の熱風加硫炉中に該未加硫ゴムローラを投入し、60分間加熱することにより未研磨導電性ローラを得た。その後、弾性層の端部を切除して、弾性層の表面を回転砥石で研磨した。これにより、中央部から両端部側へ各90mmの位置における各直径が8.4mm、中央部直径が8.5mmの弾性ローラD−2を作製した。
(樹脂層の形成)
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリオールA−1:100.0質量部
・イソシアネートB−1:45.7質量部
・重合体P−1:4.5質量部
・イオン化合物I−17:3.7質量部
・シリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製):29.9質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):14.9質量部
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、さらに、メチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して樹脂層形成用塗料を調製した。
先に作製した弾性ローラD−2を、該樹脂層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラD−2の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度150℃にて1時間加熱処理することにより、弾性層外周に膜厚約15μmの樹脂層を有する、実施例32に係る帯電ローラを作製した。
[実施例33、34]
樹脂層形成用塗料の材料である、重合体およびイオン化合物の種類と各材料の配合量を、表13に記載の通りに変更した以外は実施例32と同様にして、実施例33、34に係る帯電ローラを作製した。
[実施例35]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリオールA−2:70.0質量部
・イソシアネート基末端プレポリマーB−2:138.5質量部
・重合体P−4:5.3質量部
・イオン化合物I−8:10.4質量部
・シリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製):35.5質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):17.7質量部
以降は、実施例32と同様にして、実施例35に係る帯電ローラを作製した。
[実施例36]
樹脂層形成用塗料の材料である、重合体およびイオン化合物の種類と各材料の配合量を表13に記載の通りに変更した以外は実施例35と同様にして、実施例36に係る帯電ローラを作製した。
[実施例37]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリオールA−3:110.0質量部
・イソシアネートB−1:23.9質量部
・重合体P−10:4.2質量部
・イオン化合物I−31:4.9質量部
・シリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製):27.8質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):13.9質量部
以降は、実施例32と同様にして、実施例37に係る帯電ローラを作製した。
[実施例38]
樹脂層形成用塗料の材料である、重合体およびイオン化合物の種類と配合量を、表13に記載の通りに変更した以外は実施例37と同様にして、実施例38に係る帯電ローラを作製した。
[比較例6、7]
樹脂層形成用塗料の材料である、重合体およびイオン化合物の種類と各材料の配合量を、表13に記載の通りに変更した以外は実施例32と同様にして、比較例6、7に係る帯電ローラを作製した。なお、比較例7においては、第一の樹脂に係る重合体を添加しなかった。
Figure 0006789770
<帯電ローラの評価>
得られた実施例32〜38および比較例6、7に係る帯電ローラについて、以下の評価を行った。評価結果を表14にまとめて示す。
[ローラの抵抗値の測定]
現像ローラの評価と同様にして、N/N環境下および0℃の環境下に6時間帯電ローラを放置した後、各環境下で抵抗値を測定した。
(抵抗値の測定)
帯電ローラの抵抗値の測定は、前述の現像ローラの抵抗値の測定と同様の装置を用いて行った。ただし、測定時におけるローラの回転数を30rpm、印加電圧を200Vとした。それ以外は、現像ローラと同様に測定を行い、帯電ローラ抵抗値とした。
[帯電ローラとしての性能評価]
(温度0℃の環境下での横スジ画像評価)
帯電ローラの抵抗値の上昇により、ハーフトーン画像に細かいスジ状の濃度ムラが発生することがある。これを横スジ画像と呼ぶ。この横スジ画像は、抵抗値が上昇するほど悪化する傾向にあり、長期利用に伴い目立つ傾向がある。本発明の電子写真用部材を帯電ローラとして組込み、以下の評価を行った。
電子写真式のレーザープリンター(商品名:HP Color Laserjet Enterprise CP4515dn、HP社製)に、帯電ローラとして、実施例32〜38および比較例6、7で得られた帯電ローラを装填し、0℃環境中に設置した後2時間放置した。次いで、印字濃度4%画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔50ドットの横線を描く画像)を連続画像出力する耐久試験を行った。また、24000枚の画像出力後に、画像チェックのためにハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力した。得られた画像を目視にて観察し、横スジの発生の有無を評価した。
A:横スジが全く発生しないレベル。
B:横スジが画像端部のみに軽微に発生するレベル。
C:横スジが画像のほぼ半分の領域に発生し、目立つレベル。
Figure 0006789770
表14に示すように、実施例32〜38に係る帯電ローラは、樹脂層に、特定の構造を有する第一の樹脂と、特定のカチオン構造を含有する第二の樹脂と、アニオンとを含有しているため、温度0℃の如き低温環境下における抵抗値の上昇が少なく、画像品質も良好を保っていた。特に、構造式(5)および(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を含有する第一の樹脂を用い、かつ構造式(2)で示される構造を含有する第二の樹脂を用いた実施例32〜34においては、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制された。
一方で、かかる構造を含有していない比較例6、7に係る帯電ローラは、低温環境下において、抵抗値の上昇および横スジの発生が認められた。
<トナー供給ローラの作製>
[実施例39]
基体として、ステンレス鋼(SUS304)製の直径5mmの芯金を金型に配置し、以下の材料を混合して得られるウレタンゴム組成物を、金型内に形成されたキャビティに注入した。
・ポリエーテルポリオール(商品名:EP550N;三井化学工業社製):85.0質量部
・イソシアネート(商品名:コスモネートTM20;三井化学工業社製):22.7質量部
・重合体P−1:5.0質量部
・イオン化合物I−29:10.0質量部
・シリコーン整泡剤(商品名:SRX274C、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製):1.0質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−ET、東ソー社製):0.3質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−L33、東ソー社製):0.2質量部
・水:2.0質量部
続いて、金型を加熱して、ウレタンゴム組成物を温度50℃で20分間加硫し発泡硬化させ、周面にポリウレタンフォーム層が形成された基体を金型から脱型した。こうして、基体の外周に直径16.1mmのポリウレタンフォーム層を有する、実施例39に係るトナー供給ローラを作製した。
[実施例40〜45]
重合体およびイオン化合物の種類と配合量を、表15に記載の通りに変更した以外は実施例39と同様にして、実施例40〜45に係るトナー供給ローラを作製した。
[比較例8、9]
重合体およびイオン化合物の種類と配合量を、表15に記載の通りに変更した以外は実施例39と同様にして、比較例8、9に係るトナー供給ローラを作製した。なお、比較例9においては、第一の樹脂に係る重合体を添加しなかった。
Figure 0006789770
<トナー供給ローラの評価>
得られた実施例39〜45および比較例8、9に係るトナー供給ローラについて、以下の評価を行った。評価結果を表16にまとめて示す。
[ローラの抵抗値の測定]
現像ローラの評価と同様にして、N/N環境下および0℃の環境下に6時間トナー供給ローラを放置した後、各環境下で抵抗値を測定した。
(抵抗値の測定)
トナー供給ローラの抵抗値の測定は、前述の現像ローラの抵抗値の測定と同様の装置を用いて行った。ただし、基体の両端に加える荷重を2.5N、測定時におけるローラの回転数を32rpmとした。それ以外は、現像ローラと同様に測定を行い、トナー供給ローラ抵抗値とした。
[トナー供給ローラとしての性能評価]
(規制不良評価)
図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のプロセスカートリッジに、各実施例および比較例のトナー供給ローラを装填した。そして、該プロセスカートリッジを前記レーザープリンターに組み込み、0℃環境中に設置した後2時間放置した。次に、黒色で印字率1%の画像を100枚連続して出力した。その後、新しいコピー用紙に白ベタ画像を出力した。これらの画像を出力した後、現像ブレード表面のトナーコートの状態観察を行い、トナーへの帯電異常に起因する静電的トナー凝集(規制不良)の有無を目視で観察した。規制不良評価の評価基準は以下のとおりである。なお、規制不良が生じると、例えば非印字部に斑点状のムラが発生したり、トナー塊などが画像上に発生したりする画像弊害が生じることがある。
A:トナーコート上に規制不良が存在しない。
B:トナーコート上には規制不良が存在するが、画像に現れていない。
C:規制不良が画像に現れる。
Figure 0006789770
表16に示すように、実施例39〜45に係るトナー供給ローラは、樹脂層に、特定の構造を有する第一の樹脂と、特定のカチオン構造を含有する第二の樹脂と、アニオンとを含有しているため、温度0℃の如き低温環境下における抵抗値の上昇が少なく、画像品質も良好を保っていた。特に、構造式(5)および(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を含有する第一の樹脂を用い、かつ構造式(2)で示される構造を含有する第二の樹脂を用いた実施例39においては、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制されていた。
一方で、かかる構造を含有していない比較例8、9に係るトナー供給ローラは、低温環境下において、抵抗値の上昇および規制不良の発生が認められた。
表17に、実施例で用いた各重合体について、該重合体に含まれるモノマーと、該モノマーが含有する構造および各構造式中のR6〜R34との関連を示す。なお、表中、「重合体に含まれるモノマー」として記載したモノマーは、重合体に含まれるモノマーのうち、構造式(5)〜(10)で示される構造を含むものである。
また、表18に、実施例で用いた各イオン化合物について、該イオン化合物が有する構造および各構造式中のR1〜R5、Z1〜Z13との関連を示す。
Figure 0006789770
Figure 0006789770
1A 電子写真用ローラ
1B 電子写真用ブレード
2 基体
3 樹脂層
16 現像ローラ
19 トナー供給ローラ
21 現像ブレード

Claims (7)

  1. 導電性の基体と樹脂層とを有する電子写真用部材であって、
    該樹脂層は、
    第一の樹脂と、
    第二の樹脂と、
    アニオンと、を含み、
    該第一の樹脂は、側鎖に窒素含有基を有し、
    該第二の樹脂は、構造式(1)〜(4)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有することを特徴とする電子写真用部材:
    Figure 0006789770
    構造式(1)中、R1は、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。Z1〜Z3のうち、少なくとも1つは構造式(Z101)〜(Z103)からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。
    Figure 0006789770
    構造式(2)中、R2およびR3は、各々独立に、構造式(2)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。Z4〜Z7のうち、少なくとも1つは構造式(Z101)〜(Z103)からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。含窒素複素環中の2つのNのうち一方はNである。
    Figure 0006789770
    構造式(3)中、R4は、構造式(3)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。Z8〜Z10のうち、少なくとも1つは構造式(Z101)〜(Z103)からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。
    Figure 0006789770
    構造式(4)中、R5は、構造式(4)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。Z11〜Z13のうち、少なくとも1つは構造式(Z101)〜(Z103)からなる群より選択されるいずれかの構造を表し、それ以外は水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。
    Figure 0006789770
    構造式(Z101)中、R35は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素鎖を表す。
    Figure 0006789770
    構造式(Z102)中、R36は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素鎖を表す。
    Figure 0006789770
    構造式(Z103)中、R37は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素鎖を表す。
    構造式(Z101)〜(Z103)中、記号「*」は、該構造式(1)における窒素原子との結合部位、または、該構造式(2)〜(4)における含窒素複素環を構成する窒素原子もしくは炭素原子との結合部位を示し、記号「**」は、該第二の樹脂を構成するポリマー鎖中の炭素原子との結合部位を表す。
  2. 前記第一の樹脂は、下記構造式(5)〜(10)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を有する、請求項1に記載の電子写真用部材:
    Figure 0006789770
    構造式(5)中、R6は、水素原子またはメチル基を表す。R7は、炭素数2〜4の炭化水素鎖を表す。R8およびR9は、各々独立に、メチル基またはエチル基を表す。
    Figure 0006789770
    構造式(6)中、R10は、水素原子またはメチル基を表す。R11は、炭素数2〜4の炭化水素鎖を表す。R12〜R14は、各々独立に、水素原子、または炭素数1〜18の炭化水素基を表す。
    Figure 0006789770
    構造式(7)中、R15は、水素原子またはメチル基を表す。R16は、単結合または炭素数1〜3の炭化水素鎖を表す。R17およびR18は、各々独立に、構造式(7)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。R19は、水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基を表す。
    Figure 0006789770
    構造式(8)中、R20は、水素原子またはメチル基を表す。R21は、単結合または炭素数1〜3の炭化水素鎖を表す。R22は、構造式(8)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。R23は、水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基を表す。
    Figure 0006789770
    構造式(9)中、R24は、水素原子またはメチル基を表す。R25は、単結合または炭素数1〜3の炭化水素鎖を表す。R26およびR27は、各々独立に、構造式(9)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。R28は、水素原子、または炭素数1〜3の炭化水素基を表す。R29は、炭素数1〜13の炭化水素基を表す。含窒素複素環中の2つのNのうち一方はNである。
    Figure 0006789770
    構造式(10)中、R30は、水素原子またはメチル基を表す。R31は、単結合または炭素数1〜3の炭化水素鎖を表す。R32は、構造式(10)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素鎖を表す。R33は、水素原子、または炭素数1〜3の炭化水素基を表す。R34は、炭素数1〜13の炭化水素基を表す。但し、含窒素複素環中の窒素原子がR31と結合し、かつ二重結合を有する場合は、R34は存在しない。
  3. 前記アニオンは、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロスルホネートアニオン、フルオロアルキルカルボン酸アニオン、フルオロアルキルメチドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、フルオロリン酸アニオン、ジシアナミドアニオンおよびチオシアネートアニオンからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1または2に記載の電子写真用部材。
  4. 前記第二の樹脂は、前記構造式(2)で示されるカチオン構造を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  5. 前記第一の樹脂は、前記構造式(5)および(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  6. 電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真用部材を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真用部材を有する電子写真装置。
JP2016223293A 2016-11-16 2016-11-16 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Active JP6789770B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016223293A JP6789770B2 (ja) 2016-11-16 2016-11-16 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016223293A JP6789770B2 (ja) 2016-11-16 2016-11-16 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018081198A JP2018081198A (ja) 2018-05-24
JP6789770B2 true JP6789770B2 (ja) 2020-11-25

Family

ID=62197734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016223293A Active JP6789770B2 (ja) 2016-11-16 2016-11-16 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6789770B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11169464B2 (en) * 2018-07-30 2021-11-09 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic member, process cartridge, and electrophotographic image-forming apparatus

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080318150A1 (en) * 2005-11-08 2008-12-25 Satish Agrawal Paper Compositions, Imaging Methods and Methods for Manufacturing Paper
JP5701100B2 (ja) * 2011-03-01 2015-04-15 キヤノン株式会社 現像剤担持体、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置
US8913930B2 (en) * 2011-06-29 2014-12-16 Canon Kabushiki Kaisha Developing roller, electrophotographic process cartridge, and electrophotographic image forming apparatus
JP6415421B2 (ja) * 2014-12-26 2018-10-31 キヤノン株式会社 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018081198A (ja) 2018-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6415421B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP6587418B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP6486188B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP7321815B2 (ja) 電子写真部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
JP6346494B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
KR102035892B1 (ko) 현상 부재, 그의 제조 방법, 프로세스 카트리지 및 전자사진 화상 형성 장치
CN104903796A (zh) 电子照相用构件、处理盒和电子照相设备
JP5780652B2 (ja) 電子写真機器用現像ロール
CN108762012A (zh) 电子照相用构件、处理盒和电子照相设备
JP7277301B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
JP7299741B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2017090824A (ja) 現像部材、現像部材の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP6789770B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP6789771B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
WO2021100809A1 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
JP6669401B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP7237603B2 (ja) 発泡弾性ローラ、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
JP6881966B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP7106385B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JPH1010764A (ja) 帯電部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201104

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6789770

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151