JP2013117678A - 半導電性ローラ - Google Patents

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啓 田島
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Abstract

【課題】ローラ抵抗値が10Ω未満であって、例えば帯電ローラとして使用することにより、従来に比べて印刷速度の高い画像形成装置を構成できる上、ポリエーテルポリオールがブリードすることによる種々の問題を生じない半導電性ローラを提供する。
【解決手段】エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=50/50〜80/20の混合物であるベースポリマに、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと陽イオンとの塩、ポリエーテルポリオールとしての、数平均分子量Mn=11000以上のポリエチレングリコール、および架橋剤成分を含有する半導電性組成物の架橋物からなり、外周面5に、紫外線照射による酸化膜6が形成されたローラ本体2を有する半導電性ローラ1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばレーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置において、帯電ローラ等として好適に用いることができる半導電性ローラに関するものである。
電子写真法を利用した前記各種の画像形成装置においては、印刷速度の高速化、高画質化、カラー化、小型化といった要求に対応するために種々の改良が進んでいる。
このうち画像形成装置の印刷速度を高速化するためには、感光体の表面に接触した状態で前記感光体を帯電させるための帯電ローラの電気抵抗値をできるだけ低くすることが有効である。
前記帯電ローラとして、従来は、少なくともその外周面が半導電性ゴム組成物の架橋物からなるローラ本体を備えた半導電性ローラ等が普及している。また前記半導電性ゴム組成物としては、例えばエピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ゴム、およびジエン系ゴムを含むベースポリマ、および前記ベースポリマを架橋させるための架橋剤成分を含むもの等が一般的に用いられる。
さらに、前記ローラ本体の外周面は、保護膜によって被覆されているのが好ましい。これは帯電ローラ等が、感光体と直接に接触された状態で使用されることから、前記ローラ本体を形成する半導電性ゴム組成物中から外周面にブルームまたはブリードしてくる成分によって感光体が汚染されて形成画像に影響を及ぼすのを防ぐためである。
前記保護膜としては、ローラ本体の外周面に紫外線を照射して、前記外周面を形成する半導電性ゴム組成物中に含まれるジエン系ゴム自体を酸化させて形成された酸化膜が好適に使用される。
かかる酸化膜は、その形成工程において埃等の異物が混入したりするおそれがない上、前記酸化を、紫外線の照射によってローラ本体の外周面で一様に進行させることができるため、ムラ等がなく厚みが均一であるという利点を有する。
前記半導電性ゴム組成物に、例えばリチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等の、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと、リチウム等の金属元素の陽イオンとの塩(以下「イオン塩」と略記する場合がある。)を配合すると、半導電性ローラの全体での電気抵抗値(ローラ抵抗値)を10Ω台までは低下させることができる。
しかし画像形成装置の印刷速度を現状よりもさらに向上させるためには、前記ローラ抵抗値を、現状よりもさらに低い10Ω未満に低下させる必要があるものの、例えば固形イオン塩の配合割合を単純に増加させるだけでは、電気抵抗値を前記範囲まで低下させることはできない。
前記イオン塩とともにポリエーテルポリオールを配合すると、前記イオン塩を構成する陽イオンを安定化させて、電気抵抗値を低下できることが知られている(例えば特許文献1、2等参照)。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば数平均分子量Mnが6000以下程度の、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ところが発明者の検討によると、前記従来のポリエーテルポリオールは、ローラ本体の外周面にブリードして、紫外線の照射による酸化膜の形成を妨げたり、感光体を汚染したりしやすいという問題がある。
特開2004−67726号公報 特開2004−204115号公報
本発明の目的は、ローラ抵抗値が10Ω未満であって、例えば帯電ローラとして使用することにより、従来に比べて印刷速度の高い画像形成装置を構成できる上、ポリエーテルポリオールがブリードすることによる種々の問題を生じない半導電性ローラを提供することにある。
本発明は、少なくとも外周面が半導電性ゴム組成物の架橋物からなり、前記外周面に、紫外線照射によって形成された酸化膜が設けられたローラ本体を備えた半導電性ローラであって、
前記半導電性ゴム組成物は、
(1) エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの、質量比E/N=50/50〜80/20の混合物であるベースポリマ、
(2) 分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと、陽イオンとの塩、
(3) 数平均分子量Mn=11000以上のポリエチレングリコール、および
(4) 前記ベースポリマを架橋させるための架橋剤成分
を含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記のように(2)のイオン塩と併用するポリエーテルポリオールとして、基本的に常温で固形であってローラ本体の外周面へのブリードを生じない、(3)の数平均分子量Mn=11000以上のポリエチレングリコールを選択的に用いることによって、紫外線の照射による酸化膜の形成が妨げられたり、感光体が汚染されたりするといった問題が生じるのを防止することができる。
しかも(2)のイオン塩と(3)のポリエチレングリコールとを併用することと、イオン導電性ゴムとしてのエピクロルヒドリンゴムEの配合割合を、(1)で規定した質量比E/Nの範囲に設定することとの相乗効果によって、半導電性ローラのローラ抵抗値を10Ω未満に低下させることができる。そのため、前記半導電性ローラを例えば帯電ローラとして使用して、従来に比べてより印刷速度の高い画像形成装置を構成することが可能となる。
前記(2)のイオン塩としては、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと、陽イオンとからなる従来公知の種々のイオン塩がいずれも使用可能であるが、特に(3)の数平均分子量Mn=11000以上のポリエチレングリコールと併用した際に半導電性ゴム組成物のイオン導電性を向上して半導電性ローラのローラ抵抗値を低下させる効果に優れたリチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
前記(4)の架橋剤成分としては、エピクロルヒドリンゴムEを架橋させるためのチオウレア系架橋剤およびその促進剤と、ジエン系ゴムNを架橋させるための、硫黄および含硫黄系架橋剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の架橋剤、および含硫黄系促進剤とを併用するのが好ましい。
また前記半導電性ゴム組成物は、前記各成分に加えて、さらに架橋助剤、受酸剤、加工助剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃剤、中和剤、および気泡防止剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の添加剤をも含んでいるのが好ましい。
これにより、各成分を配合し、混練して半導電性ゴム組成物を調製する際や、前記半導電性ゴム組成物をローラ本体の形状に成形する際の加工性、成形性を向上したり、成形後にベースポリマを架橋させて得られるローラ本体の機械的強度、耐久性等を向上したり、あるいはローラ本体のゴムとしての特性、すなわち柔軟で、しかも圧縮永久歪みが小さくヘタリを生じにくい特性等を向上したりすることができる。
前記本発明の半導電性ローラは、先に説明したように電子写真法を利用した画像形成装置において、感光体の表面に接触した状態で前記感光体を帯電させるための帯電ローラとして用いるのが好ましい。
本発明によれば、ローラ抵抗値が10Ω未満であって、例えば帯電ローラとして使用することにより、従来に比べて印刷速度の高い画像形成装置を構成できる上、ポリエーテルポリオールがブリードすることによる種々の問題を生じない半導電性ローラを提供することが可能となる。
本発明の半導電性ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。 前記半導電性ローラのローラ抵抗値を測定する方法を説明する図である。
本発明は、少なくとも外周面が半導電性ゴム組成物の架橋物からなり、前記外周面に、紫外線照射によって形成された酸化膜が設けられたローラ本体を備えた半導電性ローラであって、
前記半導電性ゴム組成物は、
(1) エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの、質量比E/N=50/50〜80/20の混合物であるベースポリマ、
(2) 分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと、陽イオンとの塩、
(3) 数平均分子量Mn=11000以上のポリエチレングリコール、および
(4) 前記ベースポリマを架橋させるための架橋剤成分
を含有することを特徴とするものである。
《半導電性ゴム組成物》
〈ベースポリマ〉
前記(1)のベースポリマとしての、エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの混合物における、両ゴムの配合割合が、前記質量比E/N=50/50〜80/20の範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、前記範囲よりイオン導電性ゴムであるエピクロルヒドリンゴムEが少ない場合には、当該エピクロルヒドリンゴムEを配合することによる、半導電性ゴム組成物に良好なイオン導電性を付与する効果が得られない。そのため、たとえ(2)のイオン塩、および(3)のポリエチレングリコールを併用したとしても、半導電性ローラのローラ抵抗値を10Ω未満に低下させることができない。
一方、ジエン系ゴムNは、前記のように紫外線照射によって酸化されることで、ローラ本体の外周面に、保護膜として機能する酸化膜を形成する働きをするが、前記範囲よりジエン系ゴムNが少ない場合には、かかる保護膜として十分に機能しうる酸化膜を形成することができない。
これに対し、エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNの質量比E/Nが前記範囲内であれば、ローラ本体の外周面に、保護膜として十分に機能しうる酸化膜を形成することができる上、半導電性ローラのイオン導電性を向上して、そのローラ抵抗値を10Ω未満に低下させることが可能となる。
(エピクロルヒドリンゴムE)
前記2種のベースポリマのうちエピクロルヒドリンゴムEとしては、繰り返し単位としてエピクロルヒドリンを含み、イオン導電性を有する種々の重合体が使用可能である。
前記エピクロルヒドリンゴムEとしては、例えばエピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
特にエピクロルヒドリンゴムEとしては、エチレンオキサイドを含む共重合体が好ましく、かかる共重合体におけるエチレンオキサイド含量は30〜95モル%、中でも55〜95モル%、特に60〜80モル%であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは電気抵抗値を下げる働きがあるが、エチレンオキサイド含量が前記範囲未満であると、かかる電気抵抗値の低減効果が小さい。一方、エチレンオキサイド含量が前記範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に電気抵抗値が上昇する傾向がある。また、架橋後のローラ本体の硬度が上昇したり、架橋前の半導電性ゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇したりするおそれもある。
前記エピクロルヒドリンゴムEとしては、特にエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)が好ましい。
前記ECOにおけるエチレンオキサイド含量は30〜80モル%、特に50〜80モル%であるのが好ましい。またエピクロルヒドリン含量は20〜70モル%、特に20〜50モル%であるのが好ましい。
またエピクロルヒドリンゴムEとしては、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)を用いることもできる。
前記GECOにおけるエチレンオキサイド含量は30〜95モル%、特に60〜80モル%であるのが好ましい。またエピクロルヒドリン含量は4.5〜65モル%、特に15〜40モル%であるのが好ましい。さらにアリルグリシジルエーテル含量は0.5〜10モル%、特に2〜6モル%であるのが好ましい。
なおGECOとしては、前記3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体の他に、ECOをアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られており、本発明ではいずれの共重合体も使用可能である。
(ジエン系ゴムN)
前記エピクロルヒドリンゴムEと共にベースポリマを構成するジエン系ゴムNとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の1種または2種以上が挙げられる。特にCRとNBRを併用するのが好ましい。
CRは、前記ジエン系ゴムNとしての機能に加えて、分子中に塩素原子を多く含むことから、本発明の半導電性ローラを特に帯電ローラとして使用した際に、その帯電特性を向上させるためにも機能する。
またNBRは、前記ジエン系ゴムNとしての機能、すなわち紫外線照射によって酸化されて、ローラ本体の外周面に、保護膜としての優れた特性を有する酸化膜を形成する機能に特に優れている。
さらにCR、NBRはともに極性ゴムであるため、半導電性ローラのローラ抵抗値を微調整するためにも機能する。
前記のうちCRは、クロロプレンを乳化重合させて合成されるもので、その際に用いる分子量調整剤の種類によって硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプとに分類される。
このうち硫黄変性タイプのCRは、クロロプレンと、分子量調整剤としての硫黄とを共重合したポリマを、チウラムジスルフィド等で可塑化して所定の粘度に調整することで得られる。
また非硫黄変性タイプのCRは、例えばメルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ等に分類される。
このうちメルカプタン変性タイプのCRは、例えばn−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調整剤として使用すること以外は、前記硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
またキサントゲン変性タイプのCRは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調整剤として使用すること以外は、やはり硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
またCRは、その結晶化速度に基づいて、当該結晶化速度が遅いタイプ、中庸であるタイプ、および速いタイプに分類される。
本発明においてはいずれのタイプのCRを用いてもよいが、中でも非硫黄変性タイプで、かつ結晶化速度が遅いタイプのCRが好ましい。
またCRとしては、クロロプレンと他の共重合成分との共重合体を用いてもよい。前記他の共重合成分としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、およびメタクリル酸エステル等の1種または2種以上が挙げられる。
NBRとしては、アクリロニトリル含量が24%以下である低ニトリルNBR、25〜30%である中ニトリルNBR、31〜35%である中高ニトリルNBR、36〜42%である高ニトリルNBR、43%以上である極高ニトリルNBRのいずれを用いてもよい。
ジエン系ゴムNとしてCRとNBRの2種を併用する場合、それぞれの機能をいずれも良好に発揮させることを考慮すると、前記両者の配合割合は、質量比CR/NBR=15/85〜35/65の範囲内であるのが好ましい。
〈イオン塩〉
前記(2)のイオン塩を構成する、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンとしては、例えばフルオロアルキルスルホン酸イオン、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドイオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドイオン等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちフルオロアルキルスルホン酸イオンとしては、例えばCFSO 、CSO 等の1種または2種以上が挙げられる。
またビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドイオンとしては、例えば(CFSO)、(CSO)、(CSO)(CFSO)N、(FSO)(CFSO)N、(C17SO)(CFSO)N、(CFCHOSO)、(CFCFCHOSO)、(HCFCFCHOSO)、[(CF)CHOSO]等の1種または2種以上が挙げられる。
さらにトリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドイオンとしては、例えば(CFSO)、(CFCHOSO)等の1種または2種以上が挙げられる。
また陽イオンとしては、例えばナトリウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の第2族元素のイオン、遷移元素のイオン、両性元素の陽イオン、第4級アンモニウムイオン、イミダゾリウム陽イオン等の1種または2種以上が挙げられる。
イオン塩としては、特に陽イオンとしてリチウムイオンを用いたリチウム塩が好ましい。
中でも、(3)の数平均分子量Mn=11000以上のポリエチレングリコールと併用した際に半導電性ゴム組成物のイオン導電性を向上して半導電性ローラのローラ抵抗値を低下させる効果の点で、(CFSO)NLi〔リチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〕が好ましい。
〈ポリエチレングリコール〉
(3)のポリエチレングリコールとしては、式(1):
−(−CHCHO−)− (1)
で表される繰り返し単位からなる線状ポリエーテルのうち、数平均分子量Mn=11000以上の、基本的に常温で固形であってローラ本体の外周面へのブリードを生じないものが選択的に使用される。これにより、紫外線の照射による酸化膜の形成が妨げられたり、感光体が汚染されたりするといった問題が生じるのを防止することができる。
なお、ポリエチレングリコールの数平均分子量Mnは、前記範囲内でも大きいほど、ブリードとそれに伴う感光体の汚染等を生じにくくなる傾向があるため、その上限については特に限定されない。ポリエチレングリコールとしては、数平均分子量Mnが前記11000以上で、かつ22000以下程度の範囲内の、現在入手可能な種々のポリエチレングリコールがいずれも使用可能である。
数平均分子量Mnが11000以上のポリエチレングリコールとしては、これに限定されないが、例えば三洋化成工業(株)製の商品名PEG−10000(数平均分子量Mn=11000)、PEG−20000(数平均分子量Mn=20000)、PEG−20000P(数平均分子量Mn=20000)等の1種または2種以上が挙げられる。
〈イオン塩およびポリエチレングリコールの配合割合〉
前記イオン塩の配合割合は、ベースポリマの総量100質量部あたり0.5質量部以上、特に1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に4質量部以下であるのが好ましい。
イオン塩の配合割合が前記範囲未満では、たとえポリエチレングリコールと併用しても、半導電性ローラのイオン導電性を向上して、そのローラ抵抗値を10Ω未満に低下できないおそれがある。
一方、前記範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、過剰のイオン塩がローラ本体の外周面にブルームして、紫外線の照射による酸化膜の形成を妨げたり、感光体を汚染したりするおそれがある。
またポリエチレングリコールの配合割合は、ベースポリマの総量100質量部あたり2質量部以上、特に4質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下、特に6質量部以下であるのが好ましい。
ポリエチレングリコールの配合割合が前記範囲未満では、当該ポリエチレングリコールを配合することによる、イオン塩を構成する陽イオンを安定化させて電気抵抗値を低下させる効果が十分に得られないため、半導電性ローラのイオン導電性を向上して、そのローラ抵抗値を10Ω未満に低下できないおそれがある。
一方、前記範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、半導電性ローラの圧縮永久歪みが大きくなってしまうおそれがある。
〈架橋剤成分〉
架橋剤成分としては、エピクロルヒドリンゴムEを架橋させるためのチオウレア系架橋剤およびその促進剤と、ジエン系ゴムNを架橋させるための、硫黄および含硫黄系架橋剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の架橋剤、および含硫黄系促進剤とを併用するのが好ましい。
(チオウレア系架橋剤および促進剤)
チオウレア系架橋剤としては、分子中にチオウレア基を有し、エピクロルヒドリンゴムEを架橋させることができる種々のチオウレア系架橋剤が使用可能である。
前記チオウレア系架橋剤としては、例えばテトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア(別名:2−メルカプトイミダゾリン)、(C2n+1NH)C=S〔式中、nは1〜10の整数を示す。〕で表されるチオウレア等の1種または2種以上が挙げられる。特にエチレンチオウレアが好ましい。
チオウレア系架橋剤の配合割合は、エピクロルヒドリンゴムEを良好に架橋させて、ローラ本体にゴムとしての良好な特性、すなわち柔軟で、しかも圧縮永久歪みが小さくヘタリを生じにくい特性等を付与することを考慮すると、ベースポリマの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
また促進剤としては、例えば1,3−ジフェニルグアニジン(D)、1,3−ジ−o−トリルグアニジン(DT)、1−o−トリルグビグアニド(BG)等のグアニジン系促進剤などの1種または2種以上が挙げられる。
前記促進剤の配合割合は、エピクロルヒドリンゴムEの架橋を促進する効果を十分に発揮させることを考慮すると、ベースポリマの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
(硫黄、含硫黄系架橋剤、含硫黄系促進剤)
ジエン系ゴムNの架橋剤としては、前記のように硫黄、および含硫黄系架橋剤からなる群より選ばれた少なくとも1種が用いられる。
このうち含硫黄系架橋剤としては、分子中に硫黄を含み、ジエン系ゴムNを架橋させることができる種々の有機化合物が使用可能である。前記含硫黄系架橋剤としては、例えば4,4′−ジチオジモルホリン(R)等が挙げられる。
架橋剤としては、特に硫黄が好ましい。
硫黄の配合割合は、ジエン系ゴムNを良好に架橋させて、ローラ本体にゴムとしての良好な特性、すなわち柔軟で、しかも圧縮永久歪みが小さくヘタリを生じにくい特性等を付与することを考慮すると、ベースポリマの総量100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
また、架橋剤として含硫黄系架橋剤を使用する場合、その配合割合は、分子中に含まれる硫黄の、ベースポリマの総量100質量部あたりの割合が前記範囲内となるように調整するのが好ましい。
含硫黄系促進剤としては、例えばチアゾール系促進剤、チウラム系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。このうちチアゾール系促進剤とチウラム系促進剤とを併用するのが好ましい。
チアゾール系促進剤としては、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩(HM、M60−OT)、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール(64)、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(DS、MDB)等の1種または2種以上が挙げられる。特にジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)が好ましい。
またチウラム系促進剤としては、例えばテトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT、TMT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBT)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等の1種または2種以上が挙げられる。特にテトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)が好ましい。
前記2種の含硫黄系促進剤の併用系において、チアゾール系促進剤の配合割合は、ジエン系ゴムNの架橋を促進する効果を十分に発揮させることを考慮すると、ベースポリマの総量100質量部あたり1質量部以上、2質量部以下であるのが好ましい。同様にまたチウラム系促進剤の配合割合は、ベースポリマの総量100質量部あたり0.3質量部以上、0.9質量部以下であるのが好ましい。
〈その他の成分〉
前記各成分を含む半導電性ゴム組成物には、さらに架橋助剤、受酸剤、加工助剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃剤、中和剤、および気泡防止剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の添加剤を含有させることもできる。
これにより、先に説明した各成分を配合し、混練して半導電性ゴム組成物を調製する際や、前記半導電性ゴム組成物をローラ本体の形状に成形する際の加工性、成形性を向上したり、成形後にベースポリマを架橋させて得られるローラ本体の機械的強度、耐久性等を向上したり、あるいはローラ本体のゴムとしての特性、すなわち柔軟で、しかも圧縮永久歪みが小さくヘタリを生じにくい特性等を向上したりすることができる。
架橋助剤としては、例えば酸化亜鉛等の金属酸化物や、ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸などの1種または2種以上が挙げられる。
前記架橋助剤の配合割合は、ベースポリマの総量100質量部あたり3質量部以上、7質量部以下であるのが好ましい。
受酸剤は、半導電性ゴム組成物の架橋時にエピクロルヒドリンゴムEから発生する塩素系ガスの残留および前記塩素系ガスによる感光体ドラムの汚染を防止する働きをする。前記受酸剤としては、ゴムに対する分散性に優れていることからハイドロタルサイト類が好ましい。
前記受酸剤の配合割合は、ベースポリマの総量100質量部あたり1質量部以上、5質量部以下であるのが好ましい。
加工助剤としては、例えばオイル、可塑剤等が挙げられる。
充填剤としては酸化亜鉛、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ等が挙げられる。このうちカーボンブラックとしては、同一のローラ本体中での電気抵抗値のばらつきを生じないために絶縁性の、もしくは弱導電性のカーボンブラックが挙げられる。
スコーチ防止剤としてはN−シクロヘキシルチオフタルイミド、無水フタル酸、N−ニトロソジフェニルアミン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
その他の成分としては、従来公知の任意の化合物が使用可能である。
前記半導電性ゴム組成物は、従来同様に調製することができる。すなわち、まずエピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとを所定の割合で配合して素練りし、次いで架橋剤成分以外の添加剤を加えて混練した後、最後に架橋剤成分を加えて混練することで半導電性ゴム組成物を調製できる。
前記混練には、例えばニーダ、バンバリミキサ、押出機等を用いることができる。
《半導電性ローラ》
図1は、本発明の半導電性ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の半導電性ローラ1は、前記半導電性ゴム組成物からなる円筒状のローラ本体2と、前記ローラ本体2の中心の通孔3に挿通されたシャフト4とを含んでいる。ローラ本体2の外周面5には、紫外線照射によって形成された酸化膜6が設けられている。
シャフト4は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成される。ローラ本体2とシャフト4とは、例えば導電性を有する接着剤等により電気的に接合されると共に機械的に固定されて一体に回転される。
前記本発明の半導電性ローラは、例えばレーザープリンタ等の、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで、感光体の表面を一様に帯電させるための帯電ローラとして好適に使用することができる。これにより、従来に比べて印刷速度の高い画像形成装置を構成することが可能となる。
ローラ本体2の厚みは、前記帯電ローラとして使用する場合、前記帯電ローラの小型化、軽量化を図りながら適度なニップ厚を確保するために厚みが0.5mm以上、中でも1mm以上、特に3mm以上であるのが好ましく、15mm以下、中でも10mm以下、特に7mm以下であるのが好ましい。
前記ローラ本体2は、先に説明した各成分を含む半導電性ゴム組成物を用いて従来同様に形成される。すなわち半導電性ゴム組成物を、押出成形機を用いて混練しながら加熱して溶融させた状態で、前記ローラ本体2の断面形状、すなわち円環状に対応するダイを通して長尺の円筒状に押出成形し、冷却して固化させたのち、通孔3に加硫用の仮のシャフトを挿通して加硫缶内で加熱して加硫させる。
次いで外周面に導電性の接着剤を塗布したシャフト4に装着しなおして、前記接着剤が熱硬化性接着剤である場合は加熱により前記熱硬化性接着剤を硬化させてローラ本体2とシャフト4とを電気的に接合する共に機械的に固定する。
そして必要に応じてさらにローラ本体2の外周面5を所定の表面粗さになるように研磨したのち紫外線を照射することで、前記外周面5を構成する半導電性ゴム組成物の架橋物中のニトリルゴムを酸化させて、前記外周面5を被覆する酸化膜6を生成させる。これにより図1に示す半導電性ローラ1が製造される。
前記酸化膜6は、先に説明した各成分を含有する半導電性ゴム組成物の架橋物からなるローラ本体2の外周面5を酸化させて形成されるため、前記半導電性ゴム組成物中から外周面5にブルームまたはブリードしてくる成分によって感光体が汚染されたり、トナーに添加されるシリカ等の添加剤がローラ本体2の外周面5に蓄積されたりして形成画像に影響を及ぼすのを防ぐ保護膜としての特性に優れている。
すなわち温度50℃、相対湿度90%の環境下、ローラ本体2の外周面5を感光体の表面に接触させた状態で30日間静置したのち、前記感光体を用いて画像形成をした際に形成画像に影響が生じるか否かを調べる耐汚染性試験を実施した際に、形成画像に影響を生じるのを防止することが可能である。
なおローラ本体2は、外周面5側の外層とシャフト4側の内層の2層構造に形成してもよい。その場合、少なくとも外層を前記半導電性ゴム組成物によって形成すればよい。
前記本発明の半導電性ローラ1は、温度23℃、相対湿度55%の常温常湿環境下で測定される、印加電圧500Vにおけるローラ抵抗値が10Ω未満とされる。これにより、例えば前記半導電性ローラ1を帯電ローラとして使用して、従来に比べて印刷速度の高い画像形成装置を構成することが可能となる。
なお半導電性ローラ1のローラ抵抗値は、外周面5に酸化膜6を形成した状態での測定値である。
《ローラ抵抗値の測定方法》
図2は、半導電性ローラ1のローラ抵抗値を測定する方法を説明する図である。
図1、図2を参照して、本発明では前記ローラ抵抗値を、下記の方法で測定した値でもって表すこととする。
すなわち一定の回転速度で回転させることができるアルミニウムドラム7を用意し、前記アルミニウムドラム7の外周面8に、その上方から、ローラ抵抗を測定する半導電性ローラ1のローラ本体2の、酸化膜6を形成した外周面5を当接させる。
また前記半導電性ローラ1のシャフト4と、アルミニウムドラム7との間に直流電源9、および抵抗10を直列に接続して計測回路11を構成する。直流電源9は、(−)側をシャフト4、(+)側を抵抗10と接続する。抵抗10の抵抗値rは100Ωとする。
次いでシャフト4の両端部にそれぞれ450gの荷重Fをかけてローラ本体2をアルミニウムドラム7に圧接させた状態で、前記アルミニウムドラム7を回転(回転数:40rpm)させながら、前記両者間に、直流電源9から直流200Vの印加電圧Eを印加した際に、抵抗10にかかる検出電圧Vを計測する。
前記検出電圧Vと印加電圧E(=200V)とから、半導電性ローラ1のローラ抵抗Rは、基本的に式(1′):
R=r×E/(V−r) (1′)
によって求められる。ただし式(1′)中の分母中の−rの項は微小とみなすことができるため、本発明では式(1):
R=r×E/V (1)
によって求めた値でもって半導電性ローラ1のローラ抵抗とすることとする。測定の条件は、先に説明したように温度23℃、相対湿度55%である。
またローラ本体2は、半導電性ローラ1の用途等に応じて任意の硬さ、圧縮永久ひずみを有するように調整できる。前記硬さ、圧縮永久ひずみ、並びにローラ抵抗等を調整するためには、例えばエピクロルヒドリンを含む二元共重合体EとニトリルゴムNとの質量比E/Nを先に説明した範囲内で調整したり、架橋成分としてのチオウレア系架橋成分、および硫黄系加硫成分の種類と量を調整したりすればよい。
本発明の半導電性ローラは、前記帯電ローラのほか、例えば現像ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ等としてレーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置に用いることができる。
以下の実施例、比較例における半導電性ローラの作製および試験を、特記した以外は温度23℃、相対湿度55%の環境下で実施した。
〈実施例1〉
エピクロルヒドリンゴムEとしてのECO〔ダイソー(株)製のエピクロマー(登録商標)D、エチレンオキサイド含量61モル%〕60質量部、ジエン系ゴムNとしてのCR〔昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT〕10質量部、およびNBR〔JSR(株)製のJSR N250 SL、低ニトリルNBR、アクリロニトリル含量:20%〕30質量部をベースポリマとして、9Lニーダを用いて素練りしながら、イオン塩としてのリチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔LiTFSI、森田化学工業(株)製〕1.5質量部、および数平均分子量Mn=11000のポリエチレングリコール〔前出の三洋化成工業(株)製の商品名PEG−10000〕5質量部と、下記表1に示す各成分とを加えてさらに混練して半導電性ゴム組成物を調製した。
エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=60/40であった。
Figure 2013117678
なお表1中の各成分は下記のとおり。
チオウレア系架橋剤:エチレンチオウレア〔川口化学工業(株)製のアクセル(登録商標)22−S〕
促進剤DT:1,3−ジ−o−トリルグアニジン〔グアニジン系促進剤、大内新興化学工業(株)製のノクセラーDT〕
粉末硫黄:加硫剤〔鶴見化学工業(株)製〕
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド〔チアゾール系促進剤、大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド〔チウラム系促進剤、大内新興化学工業(株)製のノクセラーTS〕
酸化亜鉛2種:架橋助剤〔三井金属鉱業(株)製〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A(登録商標)−2〕
表中の質量部は、前記ベースポリマ100質量部あたりの質量部である。
前記半導電性ゴム組成物をφ60の押出成形機に供給して外径φ13.0mm、内径φ5.5mmの円筒状に押出成形した後、外径φ3mmの加硫用の仮のシャフトを挿通して加硫缶内で160℃×30分間加硫させた。
次いで、外周面に導電性の熱硬化性接着剤を塗布した外径φ6mmのシャフトに装着し直してオーブン中で150℃×60分間加熱して接着したのち両端をカットし、広幅研磨機を用いて外径がφ12.0mmになるまで外周面を研磨した。
研磨後の外周面をアルコール拭きしたのち、UV光源から外周面までの距離を50mmとしてUV処理装置にセットし、30rpmで回転させながら紫外線を15分間照射することで前記外周面に酸化膜を形成して半導電性ローラを作製した。
〈実施例2〉
ポリエチレングリコールとして、数平均分子量Mn=20000であるもの〔前出の三洋化成工業(株)製の商品名PEG−20000P〕を5質量部配合したこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=60/40であった。
〈実施例3〉
ベースポリマのうちエピクロルヒドリンゴムEとしてのECOの配合割合を50質量部、ジエン系ゴムNとしてのCRの配合割合を10質量部、NBRの配合割合を40質量部とし、かつイオン塩の配合割合を1.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=50/50であった。
〈実施例4〉
ベースポリマのうちエピクロルヒドリンゴムEとしてのECOの配合割合を80質量部、ジエン系ゴムNとしてのCRの配合割合を5質量部、NBRの配合割合を10質量部とし、かつイオン塩の配合割合を1.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=80/20であった。
〈実施例5〉
イオン塩の配合割合を5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=60/40であった。
〈実施例6〉
ポリエチレングリコールの配合割合を7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=60/40であった。
〈比較例1〉
ベースポリマのうちエピクロルヒドリンゴムEとしてのECOの配合割合を40質量部、ジエン系ゴムNとしてのCRの配合割合を10質量部、NBRの配合割合を50質量部とし、かつイオン塩の配合割合を1.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=40/60であった。
〈比較例2〉
ベースポリマのうちエピクロルヒドリンゴムEとしてのECOの配合割合を85質量部、ジエン系ゴムNとしてのCRの配合割合を5質量部、NBRの配合割合を10質量部とし、かつイオン塩の配合割合を1.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=85/15であった。
〈比較例3〜5〉
ポリエチレングリコールを配合せず、かつイオン塩の配合割合を1質量部(比較例3)、2.5質量部(比較例4)、および3質量部(比較例5)としたこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/Nは実施例1と同じ60/40であった。
〈比較例6〉
イオン塩を配合せず、かつポリエチレングリコールとして、数平均分子量Mn=3400であるもの〔三洋化成工業(株)製の商品名PEG−4000S〕を5質量部配合したこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=60/40であった。
〈比較例7〉
ポリエチレングリコールとして、数平均分子量Mn=3400であるもの〔三洋化成工業(株)製の商品名PEG−4000S〕を5質量部配合したこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=60/40であった。
〈比較例8〉
イオン塩を配合せず、かつポリエチレングリコールとして、数平均分子量Mn=20000であるもの〔前出の三洋化成工業(株)製の商品名PEG−20000P〕を5質量部配合したこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=60/40であった。
〈比較例9〉
ポリエチレングリコールとして、数平均分子量Mn=8300であるもの〔三洋化成工業(株)製の商品名PEG−6000P〕を5質量部配合したこと以外は実施例1と同様にして半導電性ゴム組成物を調製し、半導電性ローラを作製した。エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=60/40であった。
〈ローラ抵抗の測定〉
実施例、比較例で作製途中の半導電性ローラのローラ抵抗を、温度23℃、相対湿度55%の常温常湿環境下で、先に説明した測定方法によって測定した。
ローラ抵抗は、10Ω未満であるとき良好、10Ω以上であるとき不良と評価した。なお表2、表3ではローラ抵抗をlogR値で示している。
〈実機試験〉
内部に感光体ドラムを備えたレーザープリンタ用のトナーカートリッジ〔(株)沖データ製のイメージドラムID−C4DC、シアン〕内の、感光体ドラムの表面に常時接触させて配置される純正の帯電ローラに代えて、実施例、比較例で作製した半導電性ローラを帯電ローラとして組み込んだ。
そして前記トナーカートリッジをカラーレーザープリンタ〔(株)沖データ製のC5900dn〕に装填し、直後にハーフトーン画像、ベタ画像を印刷して、初期画像として評価した。
また2000枚/日の通紙を7日間実施した後に再びハーフトーン画像、ベタ画像を印刷して、通紙後画像として評価した。
評価は目視にて行い、画像に何らかの異常が見られた場合は「×」、異常が見られなかった場合は「○」とした。
さらに前記トナーカートリッジを温度50℃、相対湿度90%の環境下、30日間静置したのち前記カラーレーザープリンタに組み込んでハーフトーン画像、ベタ画像を印刷した。そして前記静置時に半導電性ローラが接触していた位置に筋状に画像不良が見られたものを感光体汚染あり、見られなかったものを感光体汚染なしとして評価した。
結果を表2〜表4に示す。
Figure 2013117678
Figure 2013117678
Figure 2013117678
表3、表4の比較例3〜5の結果より、イオン塩を単独で使用した場合には、その配合割合を増加させても、ローラ抵抗値を10Ω未満に低下できないことが判った。
また比較例6、7、9の結果より、ポリエチレングリコールを単独で使用した場合には、やはりローラ抵抗値を10Ω未満に低下できないこと、イオン塩とポリエチレングリコールとを併用すれば、前記ローラ抵抗値を10Ω未満に低下できるものの、前記ポリエチレングリコールの数平均分子量Mnが11000未満では、当該ポリエチレングリコールがローラ本体の外周面にブルームして感光体を汚染したり、形成画像の画質を低下させたりすることが判った。
さらに比較例8の結果より、数平均分子量Mnが11000以上のポリエチレングリコールを使用すれば、前記感光体の汚染等は防止できるものの、当該ポリエチレングリコールを単独で使用した場合には、やはりローラ抵抗値を10Ω未満に低下できないことが判った。
これに対し、表2、表3の実施例1〜6の結果より、イオン塩と、数平均分子量Mnが11000以上のポリエチレングリコールとを併用することにより、感光体の汚染等を防止しながら、ローラ抵抗値を10Ω未満に低下できることが判った。
ただし表3の比較例1、2の結果より、前記併用系でも、エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの質量比E/N=50/50よりエピクロルヒドリンゴムEが少ない場合には、ローラ抵抗値を10Ω未満に低下できないこと、逆に前記質量比E/N=80/20よりジエン系ゴムNが少ない場合には、ローラ本体の外周面に、保護膜として十分に機能しうる酸化膜を形成できないため、通紙後に画像不良が発生することが判った。
これに対し実施例1〜6の結果より、前記質量比E/N=50/50〜80/20の範囲内とすることにより、ローラ本体の外周面に、保護膜として十分に機能しうる酸化膜を形成しながら、半導電性ローラのイオン導電性を向上して、そのローラ抵抗値を10Ω未満に低下できることが判った。
1 半導電性ローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 酸化膜
7 アルミニウムドラム
8 外周面
9 直流電源
10 抵抗
11 計測回路
F 荷重
V 検出電圧

Claims (5)

  1. 少なくとも外周面が半導電性ゴム組成物の架橋物からなり、前記外周面に、紫外線照射によって形成された酸化膜が設けられたローラ本体を備えた半導電性ローラであって、
    前記半導電性ゴム組成物は、
    (1) エピクロルヒドリンゴムEとジエン系ゴムNとの、質量比E/N=50/50〜80/20の混合物であるベースポリマ、
    (2) 分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと、陽イオンとの塩、
    (3) 数平均分子量Mn=11000以上のポリエチレングリコール、および
    (4) 前記ベースポリマを架橋させるための架橋剤成分
    を含有することを特徴とする半導電性ローラ。
  2. 前記(2)の塩は、リチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである請求項1に記載の半導電性ローラ。
  3. 前記(4)の架橋剤成分は、エピクロルヒドリンゴムEを架橋させるためのチオウレア系架橋剤およびその促進剤と、ジエン系ゴムNを架橋させるための、硫黄および含硫黄系架橋剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の架橋剤、および含硫黄系促進剤である請求項1または2に記載の半導電性ローラ。
  4. 前記半導電性ゴム組成物は、架橋助剤、受酸剤、加工助剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃剤、中和剤、および気泡防止剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の添加剤をも含んでいる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導電性ローラ。
  5. 電子写真法を利用した画像形成装置において、感光体の表面に接触した状態で前記感光体を帯電させるための帯電ローラとして用いる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導電性ローラ。
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