JP2020126131A - 現像ローラ - Google Patents

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Kenichi Kuroda
賢一 黒田
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Abstract

【課題】ローラ本体の端部からトナーが漏れて、画像が汚れたりしにくい上、画像耐久性にも優れており、しかもコスト安価に製造できる現像ローラを提供する。【解決手段】 現像ローラ1は、筒状のローラ本体2を、ゴム組成物の架橋物からなり、熱伝導率が0.47W/m・Kを超える軸方向の両方の端部5と、ゴム組成物の架橋物からなり、端部よりゴム硬さが小さい、当該両端部間の中間部6とで構成した。【選択図】図1

Description

本発明は、現像ローラに関するものである。
たとえば、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機などの、電子写真法を利用した画像形成装置においては、感光体の表面に形成される静電潜像をトナー像に現像するために、現像ローラが用いられる。
現像ローラとしては、たとえば、導電性を付与したゴム組成物を筒状に成形して架橋させたローラ本体と、金属等からなり、ローラ本体の中心の通孔に挿通されて固定されたシャフトとを含むもの等が用いられる。
現像ローラを用いた現像では、画像形成装置内の、感光体の近傍に設けた、トナーを収容する現像部内に現像ローラを設け、当該現像ローラの、ローラ本体の外周面に量規制ブレード(帯電ブレード)の先端部を接触させた状態で、現像ローラを回転させる。
そうすると現像部内のトナーが、ローラ本体の外周面と量規制ブレードの先端部との間を通過する際に帯電されて、当該外周面に付着されるとともに、その付着量が量規制ブレードによって規制されて、上記外周面に、厚みがほぼ一定のトナー層が形成される。
また、並行して感光体の表面には、一様に帯電させたのち露光することで静電潜像が形成される。
この状態で現像ローラをさらに回転させて、ローラ本体の外周面に形成されたトナー層を、感光体の表面に近接させると、トナー層中のトナーが、感光体の表面に形成された静電潜像に応じて選択的に感光体の表面に移動して、静電潜像がトナー像に現像される。
現像ローラのローラ本体の、軸方向の端部は、当該ローラ本体の外周面に付着させたトナーが現像部外へ漏出するのを防ぐために、シール部材によってシールされるのが一般的である。
シール部材は、たとえば、フェルト等によって形成され、現像部の筐体等に固定された状態で、回転する現像ローラの、ローラ本体の端部の外周面に摺接される。
近年、画像形成装置の消費電力を低減するべく、トナーの定着温度が低めに設定される傾向にあり、低温でも良好な定着が可能な低融点のトナーが普及しつつある。
しかし、とくに低融点のトナーほど、ローラ本体の端部の外周面や、当該端部に摺接されたシール部材に融着しやすい傾向がある。
すなわち現像ローラを回転させると、当該現像ローラの、ローラ本体の端部の外周面と、シール部材との間に摩擦熱を生じて温度上昇するが、融点が低いトナーほど、少しの温度上昇でも、これらの部材に融着しやすい傾向がある。
そして、融着したトナーによって、シール部材によるシールが阻害されたり、画像形成を繰り返した際にローラ本体の端部の外周面が、融着したトナーによって摩耗されてシール部材との間に隙間を生じたりして、上記端部からトナーが漏れる場合がある。
漏れたトナーは、画像形成装置内を汚染したり、形成される画像が汚れる原因となったりする。
そこで、ローラ本体の全体の熱伝導率を現状よりも高くして、現像ローラの回転に伴って摩擦熱が生じても、ローラ本体とシャフトとを通して速やかに放熱してローラ本体やシール部材の温度上昇を抑えて、トナーの融着を抑制することが検討されている(特許文献1〜3等参照)。
またそのため、ローラ本体のもとになるゴム組成物に、黒鉛粉末等の伝熱成分を配合すること等が提案されている。
特開2002−189341号公報 特開2016−142367号公報 特開2016−142333号公報
ところが、ローラ本体の全体を、上述した、黒鉛粉末等の伝熱成分を含むゴム組成物の架橋物によって一体に形成した上記従来の現像ローラでは、良好な画像耐久性が得られない場合がある。
画像耐久性とは、現像ローラが、画像形成を繰り返した際のトナーの劣化を抑制して、形成される画像の画質を、どれだけ多くの画像形成回数に亘って良好に維持できるかを示す指標である。
1回の画像形成には、現像部に収容されたトナーのごく一部しか用いられず、残りの大部分のトナーは、現像部内を繰り返し循環する。
そのため、現像部内に設けられてトナーと繰り返し接触する現像ローラのローラ本体が、循環するトナーにどれだけのダメージを与えるか、あるいは与えないかが、現像ローラの画像耐久性を向上する上での大きな鍵となる。
しかし、ローラ本体の全体を、上記伝熱成分を含むゴム組成物によって一体に形成すると、当該ローラ本体の全体が硬くなって、トナーにダメージを与えやすくなる。
そのため、かかるローラ本体を含む上記従来の現像ローラでは、画像形成を繰り返した際に、形成される画像の画質が早期に低下して、良好な画像耐久性が得られない傾向がある。
また、黒鉛粉末等の伝熱成分は、たとえば、カーボンブラック等の、ゴム組成物に通常に配合される充填剤等に比べて特殊で、入手が容易でなく、高価である。
そのため、ローラ本体の全体に伝熱成分を配合した上記従来の現像ローラは、製造コストが嵩むといった課題もある。
本発明の目的は、ローラ本体の端部からトナーが漏れて、画像が汚れたりしにくい上、画像耐久性にも優れており、しかもコスト安価に製造できる現像ローラを提供することにある。
本発明は、筒状のローラ本体を含み、前記ローラ本体は、ゴム組成物の架橋物からなり、熱伝導率が0.47W/m・Kを超える軸方向の両方の端部、およびゴム組成物の架橋物からなり、前記端部よりゴム硬さが小さい、当該端部間の中間部を含む現像ローラである。
本発明によれば、ローラ本体の端部からトナーが漏れて、画像が汚れたりしにくい上、画像耐久性にも優れており、しかもコスト安価に製造できる現像ローラを提供することができる。
本発明の現像ローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図である。
《現像ローラ》
図1は、本発明の現像ローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の現像ローラ1は、筒状のローラ本体2を備えるとともに、当該ローラ本体2の、中心の通孔3にシャフト4が挿通されて固定されたものである。
ローラ本体2は、いずれも全体がゴム組成物の架橋物によって、非多孔質でかつ単層構造の筒状に形成された、軸方向の両方の端部5と、当該両方の端部5間の中間部6とを含んでいる。
端部5と中間部6は、図の例では外径および通孔3の内径が同一とされているとともに、端部5の外周面7、および中間部6の外周面8は、ともに通孔3と同心状とされている。
端部5と中間部6とは、それぞれの中心の通孔3に挿通されたシャフト4によって互いに固定されている。
またこの固定状態において、端部5と中間部6とは、それぞれの外周面7、8の全周に亘って、軸方向に互いに隙間なく密着されているとともに、上記外周面7、8は、その全周に亘って、径方向に段差なく連続している。
ローラ本体2の外周面を構成する、端部5の外周面7、および中間部6の外周面8の全面には、図1中に拡大して示すように、それぞれのゴム組成物の架橋物の酸化物からなる酸化膜9を形成してもよい。
なお端部5、中間部6の「単層構造」とは、ゴム等からなる層の数が単層であることを指し、紫外線照射等によって形成される酸化膜9は、層数に含まないこととする。
端部5は、たとえば、黒鉛粉末等の伝熱成分を含むゴム組成物の架橋物からなり、熱伝導率が0.47W/m・Kを超える範囲に限定される。
そのため、端部5の外周面7と、図示しないシール部材との間に、現像ローラ1の回転に伴って摩擦熱が生じても、上記端部5およびシャフト4を通して速やかに放熱して、これらの部材が温度上昇するのを抑制することができる。
したがって、たとえ低融点のトナーであっても、ローラ本体2の端部5の外周面7やシール部材に融着するのを抑えて、トナーの融着とそれに伴うシール性の低下とが原因となって端部5からトナーが漏れて、画像が汚れたりするのを抑制することができる。
一方、主にトナーと繰り返し接触する中間部6は、たとえば、上記伝熱成分の割合が少ない、または伝熱成分を含まない(除く)ゴム組成物からなり、端部5よりもゴム硬さが小さい状態とされる。
そのため、中間部6に良好な柔軟性を付与して、画像形成を繰り返した際に、トナーにダメージを与えにくい状態とすることができ、現像ローラ1の画像耐久性を向上することができる。
また中間部6を、上記のように伝熱成分の割合が少ない、または伝熱成分を含まないゴム組成物によって形成することで、ローラ本体2の全体での伝熱成分の量を減らして、現像ローラの製造コストを低減することもできる。
端部5、中間部6は、たとえば、それぞれのもとになるゴム組成物を別個に筒状に成形し、架橋させて形成することができ、形成した端部5、中間部6を、それぞれシャフト4に固定してローラ本体2を構成することができる。
シャフト4は、良導電性でかつ熱伝導性の良い材料、たとえば、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属などによって一体に形成される。
シャフト4は、たとえば、導電性を有する接着剤を介して、ローラ本体2を構成する端部5、中間部6と電気的、熱的に接合され、かつ機械的に固定される。
あるいは、端部5、中間部6の通孔3の内径よりも外径の大きいシャフト4を上記通孔3に圧入することで、当該シャフト4が端部5、中間部6と電気的、熱的に接合され、かつ機械的に固定される。
また、この両法を併用して、シャフト4を端部5、中間部6と電気的、熱的に接合し、かつ機械的に固定してもよい。
〈端部5〉
端部5は、前述したようにゴム組成物の架橋物からなり、熱伝導率が0.47W/m・Kを超える範囲に限定される。
端部5の熱伝導率がこの範囲に限定されるのは、熱伝導率がこの範囲以下では、シール部材との間に生じる摩擦熱を速やかに放熱して端部5やシール部材の温度上昇を抑えて、これらの部材にトナーが融着するのを抑制する効果が得られないためである。
これに対し、端部5の熱伝導率を上記の範囲とすることにより、シール部材との間に生じる摩擦熱を速やかに放熱して、当該端部5やシール部材の温度上昇を抑えて、これらの部材にトナーが融着するのを抑制することができる。
そして、トナーの融着とそれに伴うシール性の低下とが原因となって端部5からトナーが漏れて、画像が汚れたりするのを抑制することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、端部5の熱伝導率は、上記の範囲でも0.49W/m・K以上であるのが好ましく、とくに0.50W/m・K以上であるのが好ましい。
伝熱成分を配合して端部5の熱伝導率を高める構成では、ゴム組成物に配合する伝熱成分の割合を多くするほど、熱伝導率を高くすることができる。
しかし、伝熱成分の割合を多くするほど端部5のゴム硬さが大きくなって、シール部材とのシール性が低下したり、画像形成を繰り返した際にシール部材を大きく摩耗させてシール性を低下させたりすることがある。
そして、シール性の低下によって端部5からトナーが漏れて、画像が汚れたりする場合がある。
したがって、端部5のゴム硬さが大きくなりすぎてこれらの課題が生じるのを抑制することを考慮すると、熱伝導率を指標として、当該熱伝導率が1.20W/m・K以下、とくに1.01W/m・K以下となるように、伝熱成分の割合を制限するのが好ましい。
端部5のゴム硬さは、これに限定されないが、タイプAデュロメータ硬さで表して60以上であるのが好ましく、80以下であるのが好ましい。
ゴム硬さがこの範囲未満である端部5は、伝熱成分の割合が不足して、熱伝導率が0.47W/m・Kを超える範囲を満足することができず、シール部材との間に生じる摩擦熱を速やかに放熱して温度上昇を抑えることができない場合がある。
そして、とくに低融点のトナーの融着を生じやすくなり、融着に伴うシール性の低下によって端部5からトナーが漏れて、画像が汚れる原因となったりすることがある。
一方、ゴム硬さが上記の範囲を超える場合には、端部5が硬くなりすぎて、シール部材とのシール性が低下したり、画像形成を繰り返した際にシール部材を大きく摩耗させてシール性を低下させたりすることがある。
そして、シール性の低下によって端部5からトナーが漏れて、画像が汚れる原因となったりする場合がある。
これに対し、端部5のゴム硬さを上記の範囲とすることにより、上述した各種の原因によって発生するトナーの漏れを防いで、画像が汚れたりするのを抑制することができる。
〈中間部6〉
中間部6は、前述したようにゴム組成物の架橋物からなり、上記端部5よりもゴム硬さが小さい範囲に設定される。
中間部6のゴム硬さを、端部5よりも小さい範囲に設定することにより、トナーと繰り返し接触する中間部6の良好な柔軟性を維持して、画像形成を繰り返した際に、トナーにダメージを与えにくくして、現像ローラ1の画像耐久性を向上することができる。
また中間部6は、端部5よりも伝熱成分の割合を少なくするか、もしくは伝熱成分を除くゴム組成物の架橋物によって形成することができる。
そのため、ローラ本体2の全体での伝熱成分の量を減らして、現像ローラの製造コストを低減することもできる。
中間部6のゴム硬さは、これに限定されないが、タイプAデュロメータ硬さが60未満、とくに50以下の範囲で、なおかつ端部5のタイプAデュロメータ硬さより小さいことが好ましい。
中間部6のゴム硬さがこの範囲を超える場合には、当該中間部6に良好な柔軟性を付与できないため、現像ローラ1に良好な画像耐久性を付与できない場合がある。
これに対し、中間部6のゴム硬さを上記の範囲に設定することにより、当該中間部6にさらに良好な柔軟性を付与して、現像ローラ1の画像耐久性をより一層向上することができる。
ただし、中間部6のゴム硬さが小さすぎる場合には、当該中間部6の圧縮永久ひずみが大きくなってヘタリを生じやすくなる場合がある。
また、とくに近年、画像の高画質化を目的として微細化、均一化、球形化されつつあるトナーと組み合わせた際に帯電不良を生じて、画像の濃度が低下したり、画像の余白部分にカブリを生じたりしやすくなる場合もある。
そのため、これらの課題が生じるのを抑制して、画質の良好な画像を形成すること等を考慮すると、中間部6のゴム硬さは、上記の範囲でも、タイプAデュロメータ硬さで表して30以上であるのが好ましい。
中間部6の熱伝導率は、とくに限定されない。
しかし、中間部6を端部5よりも伝熱成分の割合の少ない、あるいは伝熱成分を除くゴム組成物によって形成する場合、当該中間部6の熱伝導率は、0.47W/m・Kを超える範囲を満足しなくてもよい。
具体的には、中間部6の熱伝導率は、0.47W/m・K以下、中でも0.40W/m・K以下、とくに0.30W/m・K以下程度でよい。
また、中間部6の熱伝導率の下限はとくに限定されないが、0.10W/m・K以上、とくに0.20W/m・K以上であるのが好ましい。
その場合でも、端部5の熱伝導率を、0.47W/m・Kを超える範囲に維持することで、とくに低融点のトナーの融着を抑えて、融着に伴うシール性の低下によって端部5からトナーが漏れるのを防いで、画像が汚れたりするのを抑制することができる。
なお本発明では、端部5、中間部6の熱伝導率、およびタイプAデュロメータ硬さを、それぞれ下記の方法で測定した値でもって表すこととする。
〈熱伝導率測定〉
端部5、中間部6を形成したのと同じゴム組成物を160℃×30分間の条件でプレス成形して縦150mm×横50mm×厚み4mmのシートを作製し、このシートを温度23±2℃、相対湿度55±2%の標準試験環境下で24時間以上、静置したのち同環境下でプローブ法によって測定した値を熱伝導率(W/m・K)とした。
〈タイプAデュロメータ硬さ測定〉
上記標準試験環境下、ローラ本体2の両端から突出したシャフト4の両端部を支持台に固定した状態で、ローラ本体2のうち端部5の軸方向の中央部、および中間部6の軸方向の中央部に、それぞれ上方から、日本工業規格JIS K6253:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」の規定に準拠したタイプAデュロメータの押し針を当てて荷重:1kg、測定時間:3秒(加硫ゴムの標準測定時間)の条件で測定した値をタイプAデュロメータ硬さとした。
〈酸化膜9〉
酸化膜9は、たとえば、上記外周面7、8に、所定波長の紫外線を所定時間照射して、当該外周面7、8に露出したゴム組成物の硬化物を酸化させることによって形成される。
酸化膜9を形成すると、当該酸化膜9が誘電層として機能して、現像ローラ1の誘電正接を低減することができる。
また、酸化膜9が低摩擦層として機能するため、シール部材に対する端部5の摩擦を低減し、摩擦熱の発生を抑えて、とくに低融点のトナーの融着が原因となって端部5からトナーが漏れて画像が汚れたりするのを、より一層有効に抑制することもできる。
しかも、酸化膜9が低摩擦層として機能することで、上記外周面7、8にトナーが残留したり蓄積したりするのを抑制して、かかるトナーが形成画像に影響を及ぼすのを抑制することもできる。
さらに酸化膜9は、たとえば、従来の、塗剤を塗布して形成されるコーティング層に比べてごく薄い膜であって、当該コーティング層のように、ローラ本体2の全体、中でも中間部6を硬くすることがない。
そのため、中間部6の外周面8に量規制ブレードの先端部を接触させた際に、当該中間部6をニップ変形しやすくして、上記外周面8に、厚みの均一なトナー層を形成することもできる。
ただし、酸化膜9は形成しなくてもよい。
〈現像ローラの製造方法〉
現像ローラ1を製造するには、まず端部5形成用のゴム組成物を、たとえば、押出成形機を用いて筒状に押出成形し、次いで所定の長さにカットして、加硫缶内で加圧水蒸気によって加圧、加熱して架橋させる。
同様に、中間部6形成用のゴム組成物を、たとえば、押出成形機を用いて筒状に押出成形し、次いで所定の長さにカットして、加硫缶内で加圧水蒸気によって加圧、加熱して架橋させる。
次いで、端部5、中間部6のもとになる架橋させた筒状体を順に配置し、オーブン等で加熱して二次架橋させたのち冷却し、さらに所定の外径となるように研磨して、軸方向の両方の端部5と、当該両方の端部5間の中間部6とを含むローラ本体2を形成する。
シャフト4は、筒状体のカット後から研磨後までの任意の時点で、端部5、中間部6の通孔3に挿通して固定することができるが、カット後、まず順に配置した端部5、中間部6の通孔3にシャフト4を挿通した状態で二次架橋および研磨をするのが好ましい。
これにより、二次架橋時の膨張収縮による筒状体の反りや変形等を抑制できる上、シャフト4を中心として回転させながら研磨することで当該研磨の作業性を向上し、なおかつ外周面7、8のフレを抑制できる。
シャフト4は、先に説明したように、導電性を有する接着剤、特に導電性の熱硬化性接着剤を介して二次架橋前の筒状体の通孔3に挿通したのち二次架橋させるか、あるいは通孔3の内径より外径の大きいものを通孔3に圧入すればよい。
前者の場合は、オーブン中での加熱によって筒状体が二次架橋されるのと同時に熱硬化性接着剤が硬化して、当該シャフト4がローラ本体2を構成する端部5、中間部6に電気的、熱的に接合されるとともに機械的に固定される。
また後者の場合は、圧入と同時に電気的、熱的な接合と機械的な固定が完了する。
また前述したように、この両法を併用して、シャフト4を、ローラ本体2を構成する端部5、中間部6と電気的、熱的に接合し、かつ機械的に固定してもよい。
酸化膜9は、先に説明したように、ローラ本体2を構成する端部5、中間部6の外周面7、8に紫外線を照射して形成するのが好ましい。
すなわち上記外周面7、8に、所定波長の紫外線を所定時間照射して、当該外周面7、8の近傍を構成するゴム組成物の硬化物、とくにその中のジエン系ゴムを酸化させることによって酸化膜9を形成することができる。
そのため、酸化膜9の形成工程が簡単で効率的であって、現像ローラ1の生産性が低下したり製造コストが高くついたりするのを抑制することができる。
しかも、紫外線の照射によって形成される酸化膜9は、前述した、塗剤を塗布して形成されるコーティング膜のような問題を生じることがない上、厚みの均一性や端部5、中間部6との密着性等にも優れている。
照射する紫外線の波長は、ゴム組成物の硬化物を効率よく酸化させて、前述した機能に優れた酸化膜9を形成することを考慮すると、100nm以上であるのが好ましく、400nm以下、とくに300nm以下であるのが好ましい。
また照射の時間は30秒間以上、とくに1分間以上であるのが好ましく、30分間以下、とくに20分間以下であるのが好ましい。
ただし、酸化膜9は他の方法で形成してもよいし、形成しなくてもよい。
《ゴム組成物》
端部5および中間部6は、ともに架橋性を有し、かつ導電性を有するゴム組成物の架橋物によって形成するのが好ましい。
これにより、端部5および中間部6に導電性を付与し、ローラ抵抗値を適度な範囲に設定して、現像時に、トナーを適度な帯電量に帯電させることができる。
また、端部5の熱伝導率を、0.47W/m・Kを超える範囲とするため、当該端部5のもとになるゴム組成物には、前述したように伝熱成分を配合するのが好ましい。
〈伝熱成分〉
伝熱成分としては、たとえば、黒鉛粉末、窒化ホウ素粉末、カーボンブラック、グラフェン、カーボン繊維等の1種または2種以上が挙げられる。
中でも、少量の配合で良好な熱伝導性を付与することができる上、グラフェン等よりも入手が容易で比較的安価な、黒鉛粉末および/または窒化ホウ素粉末が好ましく、とくに黒鉛粉末が好ましい。
(黒鉛粉末)
黒鉛粉末は、カーボンブラック等と同様に充填剤や電子導電性導電剤としても機能するため、伝熱成分として黒鉛粉末を用いる場合には、カーボンブラック等の配合を省略することもできる。
そしてその場合には、黒鉛粉末を配合して、端部5の熱伝導率を、0.47W/m・Kを超える範囲としながら、なおかつカーボンブラック等の配合を省略して、端部5の柔軟性を向上することもできる。
黒鉛粉末としては、人造黒鉛粉末、および天然黒鉛粉末のいずれを用いてもよいが、とくに不純物が少なく品質が安定している人造黒鉛粉末が好ましい。
人造黒鉛粉末としては、これに限定されないが、たとえば、いずれも昭和電工(株)製のUF−G5〔粒子サイズ:3μm、比表面積:40m/g〕、UF−G10〔粒子サイズ:5μm、比表面積:35m/g〕、UF−G30〔粒子サイズ:10μm、比表面積:15m/g〕等の1種または2種以上を用いることができる。
(窒化ホウ素粉末)
窒化ホウ素粉末としては、高純度に結晶化させた六方晶窒化ホウ素粉末が好ましい。
窒化ホウ素粉末としては、これに限定されないが、たとえば、いずれも六方晶窒化ホウ素粉末である、昭和電工(株)製のショウビーエヌ(登録商標)UHP(登録商標)シリーズのうちUHP−1K、UHP−EX、UHP−30、UHP−2、UHP−S1、UHP−G1、UHP−G1H、UHP−G3、UHP−10、UHP−S2、UHP−FM、UHP−15、UHP−S3等の各種グレードの窒化ホウ素粉末の1種または2種以上を用いることができる。
中でもとくに、UHP−1K、UHP−2、UHP−S1、UHP−15等の、鱗片状の窒化ホウ素粉末が、たとえば、顆粒状の窒化ホウ素粉末等に比べて、より少量の配合で熱伝導率を向上する効果に優れるため、好適に使用される。
〈伝熱成分の割合−端部5〉
端部5における伝熱成分の割合は、当該伝熱成分の種類に応じて、上記端部5の熱伝導率を、0.47W/m・Kを超える範囲に設定できる任意の範囲とすることができる。
(黒鉛粉末)
端部5における人造黒鉛粉末等の黒鉛粉末の割合は、ゴムの総量100質量部あたり25質量部以上、とくに30質量部以上であるのが好ましい。
黒鉛粉末の割合を上記の範囲とすることで、端部5の熱伝導率を、0.47W/m・Kを超える範囲とし、端部5やシール部材の温度上昇を抑えて、特に低融点のトナーの融着を抑制することができる。
そのため、トナーの融着とそれに伴うシール性の低下とが原因となって端部5からトナーが漏れて、画像が汚れたりするのを抑制することができる。
ただし黒鉛粉末の割合は、ゴムの総量100質量部あたり80質量部以下、とくに70質量部以下であるのが好ましい。
黒鉛粉末の割合がこの範囲を超える場合には、端部5のタイプAデュロメータ硬さが80を超え、端部5が硬くなりすぎるため、前述したようにシール性の低下によって端部5からトナーが漏れて、画像が汚れる原因となったりする場合がある。
これに対し、黒鉛粉末の割合を上記の範囲とすることにより、端部5の適度な柔軟性を維持し、シール性の低下によって端部5からトナーが漏れるのを防いで、画像が汚れたりするのを抑制することができる。
(窒化ホウ素粉末)
窒化ホウ素粉末の割合の好適範囲は、当該窒化ホウ素粉末の粒子形状等によって異なる。
たとえば、鱗片状の窒化ホウ素粉末を単独(2種以上の鱗片状の窒化ホウ素粉末を併用する場合を含む。以下同様。)で使用する場合、その割合は、ゴムの総量100質量部あたり25質量部以上、とくに30質量部以上であるのが好ましい。
また、たとえば、鱗片状の窒化ホウ素粉末と顆粒状の窒化ホウ素粉末とを併用する場合の合計の割合は、両者の併用割合によっても異なるものの、たとえば、両者を質量比で1:1で併用する場合は、ゴムの総量100質量部あたり25質量部以上、とくに30質量部以上であるのが好ましい。
さらに、顆粒状の窒化ホウ素粉末を単独で使用する場合の割合は、ゴムの総量100質量部あたり35質量部以上、とくに40質量部以上であるのが好ましい。
窒化ホウ素粉末の割合を、それぞれ上記の範囲とすることで、端部5の熱伝導率を、0.47W/m・Kを超える範囲とし、端部5やシール部材の温度上昇を抑えて、特に低融点のトナーの融着を抑制することができる。
そのため、トナーの融着とそれに伴うシール性の低下とが原因となって端部5からトナーが漏れて、画像が汚れたりするのを抑制することができる。
ただし、伝熱成分として窒化ホウ素を用いる場合は、充填剤、電子導電性導電剤としてのカーボンブラック等を省略することができない。
そのため、端部5のタイプAデュロメータ硬さを80以下として適度な柔軟性を維持し、シール性の低下によって端部5からトナーが漏れるのを防いで、画像が汚れたりするのを抑制するためには、窒化ホウ素粉末の割合は、黒鉛粉末より少ないことが好ましい。
具体的には、窒化ホウ素粉末の割合は、ゴムの総量100質量部あたり60質量部以下、とくに50質量部以下とするのが好ましい。
〈伝熱成分の割合−中間部6〉
中間部6における伝熱成分の割合は、当該中間部6のゴム硬さを、端部5よりも小さくできる任意の範囲とすることができる。
具体的には、端部5よりも伝熱成分の割合を小さくすることにより、中間部6のゴム硬さを、端部5よりも小さくすることができる。
ただし、中間部6のタイプAデュロメータ硬さを60未満とし、当該中間部6に良好な柔軟性を付与して、現像ローラ1の画像耐久性を向上することが肝要である。
そのため、中間部6における割合は、いずれの伝熱成分においても、ゴムの総量100質量部あたり30質量部未満、中でも25質量部未満であるのが好ましく、とくに伝熱成分を配合しない(除く)、すなわち割合を0質量部とするのが好ましい。
〈ゴム〉
端部5および中間部6を形成するゴム組成物に用いるゴムとしては、当該ゴム組成物に、前述したように導電性を付与するために、イオン導電性ゴムを用いるのが好ましい。
またゴムとしては、イオン導電性ゴムとともに、ジエン系ゴムを併用するのが好ましい。
これらのゴムを併用することで、ゴム組成物に良好な加工性を付与したり、ローラ本体2を構成する端部5や中間部6の機械的強度や耐久性等を向上したりすることができる。
また、上記端部5や中間部6に、ゴムとしての良好な特性、すなわち柔軟で、しかも圧縮永久ひずみが小さくヘタリを生じにくい特性を付与することもできる。
(イオン導電性ゴム)
イオン導電性ゴムとしては、たとえば、エピクロルヒドリンゴム、ポリエーテルゴム等が挙げられる。
このうちエピクロルヒドリンゴムとしては、たとえば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等が挙げられる。
またポリエーテルゴムとしては、たとえば、エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体等が挙げられる。
中でも、エチレンオキサイドを含む共重合体、とくに、ECOおよび/またはGECOが好ましい。
ECOおよび/またはGECOにおけるエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、とくに50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは、現像ローラ1のローラ抵抗値を下げる働きをする。
しかし、エチレンオキサイド含量がこの範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、現像ローラ1のローラ抵抗値を十分に低下させることができない場合がある。
一方、エチレンオキサイド含量が上記の範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり、分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に現像ローラ1のローラ抵抗値が上昇する傾向がある。
また、架橋後の端部5、中間部6が硬くなりすぎたり、架橋前のゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇して、当該ゴム組成物の加工性が低下したりする場合もある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量の残量である。
すなわち、エピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、とくに50モル%以下であるのが好ましい。
また、GECOにおけるアリルグリシジルエーテル含量は0.5モル%以上、とくに2モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下、とくに5モル%以下であるのが好ましい。
アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として、自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、現像ローラ1のローラ抵抗値を低下させる働きをする。
しかし、アリルグリシジルエーテル含量がこの範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、現像ローラ1のローラ抵抗値を十分に低下させることができない場合がある。
一方、アリルグリシジルエーテルは、GECOの架橋時に架橋点として機能する。
そのため、アリルグリシジルエーテル含量が上記の範囲を超える場合には、GECOの架橋密度が高くなりすぎることによって分子鎖のセグメント運動が妨げられて、却って、現像ローラ1のローラ抵抗値が上昇する傾向がある。
GECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。
すなわち、エピクロルヒドリン含量は10モル%以上、とくに19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、とくに60モル%以下であるのが好ましい。
なおGECOとしては、先に説明した3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体の他に、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られている。
本発明では、このいずれのGECOも使用可能である。
これらイオン導電性ゴムの1種または2種以上を用いることができる。
(ジエン系ゴム)
ジエン系ゴムとしては、たとえば、天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)等が挙げられる。
とくに、ジエン系ゴムとしてはBR、CRおよびNBRの3種を併用するのが好ましい。
ただし、各ゴムはそれぞれ2種以上を併用してもよい。
・ BR
BRは、とくに端部5や中間部6に、ゴムとしての良好な特性を付与するために機能する。
またBRは、とくにプラス帯電性のトナーの帯電特性を向上したり、架橋前のゴム組成物の流動性や成形性を高めたりするためにも機能する。
さらにBRは、紫外線照射によって酸化されて、端部5、中間部6の外周面7、8に酸化膜9を形成する材料としても機能する。
BRとしては、分子中にポリブタジエン構造を備え、架橋性を有する種々のBRが、いずれも使用可能である。
とくに、高温から低温まで広い温度範囲でゴムとしての良好な特性を発現しうる、シス−1,4結合の含量が95%以上である高シスBRが好ましい。
またBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない、非油展タイプのBRを用いるのが好ましい。
これらBRの1種または2種以上を用いることができる。
・ CR
CRは、とくに端部5、中間部6の柔軟性を向上して、現像ローラ1の画像耐久性を向上するために機能する。
またCRは、とくにプラス帯電性のトナーの帯電特性を向上したり、それ自体が極性ゴムであるため、現像ローラ1のローラ抵抗値を微調整したりするためにも機能する。
さらにCRは、紫外線照射によって酸化されて、端部5、中間部6の外周面7、8に酸化膜9を形成する材料としても機能する。
CRは、たとえば、クロロプレンを乳化重合させて合成されるもので、その際に用いる分子量調整剤の種類によって、硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプに分類される。
このうち硫黄変性タイプのCRは、クロロプレンと、分子量調整剤としての硫黄とを共重合させたポリマを、チウラムジスルフィド等で可塑化して所定の粘度に調整することで合成される。
一方、非硫黄変性タイプのCRは、たとえば、メルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ等に分類される。
このうちメルカプタン変性タイプのCRは、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調整剤として使用すること以外は、硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
また、キサントゲン変性タイプのCRは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調整剤として使用すること以外は、やはり硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
さらにCRは、その結晶化速度に基づいて、当該結晶化速度が遅いタイプ、中庸であるタイプ、および速いタイプに分類される。
本発明においては、いずれのタイプのCRを用いてもよいが、中でも、非硫黄変性タイプで、かつ結晶化速度が遅いタイプのCRが好ましい。
またCRとしては、クロロプレンと他の共重合成分との共重合ゴムを用いてもよい。
かかる他の共重合成分としては、たとえば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の1種または2種以上が挙げられる。
さらにCRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない、非油展タイプのCRを用いるのが好ましい。
これらCRの1種または2種以上を用いることができる。
・ NBR
NBRは、その溶解パラメータ(SP値)が、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ゴム、BR、およびCRのいずれとも近いため、これらゴムの、いわば相溶化剤として機能して、各ゴム間の微分散化を補助し、ゴム組成物の一体性を向上する。
そして、ゴム組成物の加熱時の流動性を高めて、良好な成形性を確保するために機能する。
またNBRは、成形後の端部5、中間部6の柔軟性をさらに向上して、現像ローラ1の画像耐久性をさらに向上したり、酸化膜9を形成した外周面7、8の弾性率を向上したりするためにも機能する。
またNBRは、とくにプラス帯電性のトナーの帯電特性を向上したり、それ自体が極性ゴムであるため、現像ローラ1のローラ抵抗値を微調整したりするためにも機能する。
さらにNBRは、やはり紫外線照射によって酸化されて、端部5、中間部6の外周面7、8に酸化膜9を形成する材料としても機能する。
NBRとしては、結合アクリロニトリル量が24%以下である低ニトリルNBR、25〜30%である中ニトリルNBR、31〜35%である中高ニトリルNBR、36〜42%である高ニトリルNBR、43%以上である極高ニトリルNBRのいずれを用いてもよい。
またNBRとしては、ゴム組成物の加熱時の流動性を向上して、軟化剤を含まない配合でもさらに良好な成形性を得るべく、ムーニー粘度の小さいものを選択して用いるのが好ましい。
具体的には、NBRのムーニー粘度ML(1+4)100℃は35以下であるのが好ましい。
ただし、ムーニー粘度の下限はとくに限定されず、入手可能な最小のムーニー粘度のNBRまで、種々の固形のNBRが、いずれも使用可能である。
あるいは、固形のNBRに代えて、常温で液状を呈する液状NBRを用いることもできる。
さらにNBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない、非油展タイプのNBRを用いるのが好ましい。
これらNBRの1種または2種以上を用いることができる。
(ゴムの割合)
イオン導電性ゴムの割合は、ゴムの総量100質量部中の10質量部以上であるのが好ましく、50質量部以下であるのが好ましい。
ジエン系ゴムの割合は、イオン導電性ゴムの残量である。
すなわち、イオン導電性ゴムの割合を上記範囲内の所定値に設定した際にゴムの総量が100質量部となるように、ジエン系ゴムの割合を設定すればよい。
イオン導電性ゴムの割合が上記の範囲未満、または上記の範囲を超える場合には、このいずれにおいても、現像ローラ1のローラ抵抗値を、当該現像ローラ1として適した範囲に調整できない場合がある。
また、イオン導電性ゴムの割合が上記の範囲を超える場合には、相対的に、ジエン系ゴムの割合が少なくなって、端部5や中間部6に、前述したゴムとしての良好な特性を付与することができない場合もある。
これに対し、イオン導電性ゴムの割合を上記の範囲とすることにより、現像ローラ1のローラ抵抗値を好適な範囲に調整しながら、ローラ本体2を構成する端部5や中間部6に、ゴムとしての良好な特性を付与することができる。
〈架橋成分〉
端部5、中間部6を形成するゴム組成物には、ゴムを架橋させるための架橋成分を配合する。
架橋成分としては、上記ゴムを架橋させるための架橋剤と、当該架橋剤によるゴムの架橋を促進するための架橋促進剤とを併用するのが好ましい。
このうち架橋剤としては、たとえば、硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等が挙げられ、とくに硫黄系架橋剤が好ましい。
(硫黄系架橋剤)
硫黄系架橋剤としては、たとえば、粉末硫黄、オイル処理粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、分散性硫黄等の硫黄や、あるいはテトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等の有機含硫黄化合物などが挙げられ、とくに硫黄が好ましい。
硫黄の割合は、端部5や中間部6にゴムとしての良好な特性を付与すること等を考慮すると、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
なお、たとえば、硫黄としてオイル処理粉末硫黄、分散性硫黄等を使用する場合、上記の割合は、それぞれの中に含まれる有効成分としての硫黄自体の割合とする。
また、架橋剤として有機含硫黄化合物を使用する場合、その割合は、分子中に含まれる硫黄の、ゴムの総量100質量部あたりの割合が上記の範囲となるように調整するのが好ましい。
(架橋促進剤)
ゴムの架橋を促進するための架橋促進剤としては、たとえば、チウラム系促進剤、チアゾール系促進剤、チオウレア系促進剤、グアニジン系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちチウラム系促進剤、チアゾール系促進剤、チオウレア系促進剤、およびグアニジン系促進剤の4種を併用するのが好ましい。
チウラム系促進剤としては、たとえば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の1種または2種以上が挙げられ、とくにテトラメチルチウラムモノスルフィドが好ましい。
チアゾール系促進剤としては、たとえば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の1種または2種以上が挙げられ、とくにジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。
チオウレア系促進剤としては、分子中にチオウレア構造を有する種々のチオウレア化合物が使用可能である。
チオウレア系促進剤としては、たとえば、エチレンチオウレア、N,N′−ジフェニルチオウレア、トリメチルチオウレア、式(1):
(C2n+1NH)C=S (1)
〔式中、nは1〜12の整数を示す。〕で表されるチオウレア、テトラメチルチオウレア等の1種または2種以上が挙げられ、とくにエチレンチオウレアが好ましい。
グアニジン系促進剤としては、たとえば、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド等の1種または2種以上が挙げられ、とくに1,3−ジ−o−トリルグアニジンが好ましい。
上記4種の併用系において、ゴムの架橋を促進する効果を十分に発現させること等を考慮すると、チウラム系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
また、チアゾール系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
チオウレア系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
さらに、グアニジン系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.2質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
なおチオウレア系促進剤は、硫黄架橋性を有しないECOの架橋剤、グアニジン系促進剤は、チオウレア系促進剤によるECOの架橋の促進剤としても機能する。
〈その他〉
ゴム組成物には、さらに必要に応じて、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、たとえば、架橋助剤、受酸剤、充填剤、可塑剤、加工助剤、劣化防止剤等が挙げられる。
このうち架橋助剤としては、たとえば、酸化亜鉛(亜鉛華)等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸その他、従来公知の架橋助剤の1種または2種以上が挙げられる。
架橋助剤の割合は、個別に、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
受酸剤は、架橋時にエピクロルヒドリンゴムやCR等から発生した塩素系ガスがローラ本体内に残留したり、それによって架橋阻害や感光体の汚染等が生じたりするのを防止するために機能する。
受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、中でも分散性に優れたハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、とくにハイドロタルサイト類が好ましい。
またハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用すると、より高い受酸効果を得ることができ、感光体等の汚染を、より一層確実に防止することができる。
受酸剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.2質量部以上、とくに0.5質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、たとえば、酸化亜鉛、シリカ、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、ローラ本体の機械的強度等を向上できる。
また充填剤として、電子導電性導電剤としても機能する導電性カーボンブラックを用いることで、ローラ本体に電子導電性を付与することもできる。
導電性カーボンブラックとしては、たとえば、アセチレンブラック等が挙げられる。
導電性カーボンブラックの割合は、ゴムの総量100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、15質量部以下であるのが好ましい。
ただし、先に説明したように黒鉛粉末は、充填剤、電子導電性導電剤としても機能するため、伝熱成分として黒鉛粉末を用いる場合、導電性カーボンブラック等の充填剤、電子導電性導電剤の配合は省略する(除く)ことができる。
たとえば、伝熱成分として黒鉛粉末を含む端部5と、黒鉛粉末を含まない中間部6とを組み合わせる場合、導電性カーボンブラックは、端部5には配合せず、中間部6にのみ配合することが考えられる。
一方、伝熱成分として窒化ホウ素粉末を含む端部5と、黒鉛粉末を含まない中間部6とを組み合わせる場合には、当該端部5および中間部6の両方に、導電性カーボンブラックを配合することが考えられる。
可塑剤としては、たとえば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられる。
また加工助剤としては、たとえば、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩などが挙げられる。
可塑剤および/または加工助剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり3質量部以下であるのが好ましい。
劣化防止剤としては、各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
このうち老化防止剤は、現像ローラのローラ抵抗値の環境依存性を低減するとともに、連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。
老化防止剤としては、たとえば、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
老化防止剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
また添加剤としては、さらにスコーチ防止剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等の各種添加剤を、任意の割合で配合してもよい。
図1の例の例においては、ローラ本体2を構成する端部5、中間部6を、いずれも単層構造としていたが、このうちの少なくとも一方を、2層以上の積層構造としてもよい。
ただし、端部5を積層構造とする場合は、速やかな放熱のために、当該積層構造を構成する各層を、いずれも熱伝導率が0.47W/m・Kを超える層とするのが好ましい。
一方、中間部6を積層構造とする場合は、その最外層を、端部5よりゴム硬さが小さい層とすればよい。
本発明の現像ローラ1は、たとえば、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置に用いることができる。
以下に、本発明を、実施例、比較例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、必ずしもこれらの例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
(端部5形成用のゴム組成物の調製)
ゴムとしては、GECO〔(株)大阪ソーダ製のエピオン(登録商標)301、EO/EP/AGE=73/23/4(モル比)〕40質量部、BR〔宇部興産(株)製のUBEPOL(登録商標)BR130B、シス−1,4結合含量:96%、非油展〕40質量部、CR〔昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT、非油展〕10質量部、およびNBR〔日本ゼオン(株)製のNipol(登録商標)DN401LL、低ニトリルNBR、結合アクリロニトリル量:18.0%、ムーニー粘度ML(1+4)100℃:32〕10質量部を用いた。
そして4種のゴムの総量100質量部を、バンバリミキサを用いて素練りしながら、まず下記の各成分を配合して混練した。
Figure 2020126131
表1中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
伝熱成分:人造黒鉛粉末、昭和電工(株)製のUF−G30、粒子サイズ:10μm、比表面積:15m/g
架橋助剤:酸化亜鉛2種、三井金属鉱業(株)製
受酸剤:ハイドロタルサイト類、協和化学工業(株)製のDHT−4A(登録商標)−2
加工助剤:ステアリン酸亜鉛、堺化学工業(株)製のSZ−2000
次いで、混練を続けながら、下記の架橋成分を配合してさらに混練して、端部5形成用のゴム組成物を調製した。
Figure 2020126131
表2中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
架橋剤:分散性硫黄、鶴見化学工業(株)製のSULFAX(登録商標)PMC、硫黄分:97.5%
促進剤TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド、三新化学工業(株)製のサンセラー(登録商標)TS、チウラム系促進剤
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、Shandong Shanxian Chemical Co. Ltd.製の商品名SUNSINE MBTS
促進剤22:エチレンチオウレア、2−メルカプトイミダゾリン、川口化学工業(株)製のアクセル22−S
促進剤DT:1,3−ジ−o−トリルグアニジン、三新化学工業(株)製のサンセラーDT、グアニジン系促進剤
(中間部6形成用のゴム組成物の調製)
伝熱成分としての人造黒鉛粉末に代えて、導電性カーボンブラック〔アセチレンブラック、デンカ(株)製のデンカブラック(登録商標)粒状品〕を、ゴムの総量100質量部あたり7.5質量部配合したこと以外は端部5形成用のゴム組成物の調製と同様にして、中間部6形成用のゴム組成物を調製した。
(現像ローラの製造)
調製した、端部5形成用、および中間部6形成用のゴム組成物を、それぞれ個別に押出機に供給して、外径φ21mm、内径φ7mmの筒状に押出成形し、架橋用の仮のシャフトに装着して加硫缶内で160℃×1時間架橋させた。
次いで、外周面に導電性の熱硬化性接着剤(ポリアミド系)を塗布した外径φ7.5mmの金属製のシャフト4に、まず中間部6のもとになる筒状体を所定の長さにカットして装着し直した。
次いで、上記筒状体の軸方向の両側に、端部5のもとになる筒状体を所定の長さにカットして装着して、オーブン中で160℃に加熱して、それぞれの筒状体を二次架橋させるとともに、熱硬化性接着剤を硬化させてシャフト4と電気的、熱的に接合し、かつ機械的に固定した。
次いで両端を整形し、外周面7、8を、円筒研磨機を用いてトラバース研磨したのち、#2000のラッピングフィルム〔三共理化学(株)製のミラーフィルム〕を用いた鏡面研磨によって、外径がφ20.00mm(公差0.05)になるように仕上げた。
そして、研磨後の外周面7、8をアルコール拭きしたのちUV光源から外周面7、8までの距離を50mmに設定してUV処理装置にセットし、30rpmで回転させながら紫外線を照射することで上記外周面7、8に酸化膜9を形成してローラ本体2を形成し、現像ローラ1を製造した。
〈実施例2〉
端部5形成用のゴム組成物における、伝熱成分としての人造黒鉛粉末〔昭和電工(株)製のUF−G30、粒子サイズ:10μm、比表面積:15m/g〕の割合を、ゴムの総量100質量部あたり70質量部としたこと以外は実施例1と同様にして上記ゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
〈実施例3、4〉
伝熱成分としての人造黒鉛粉末として、昭和電工(株)製のUF−G10〔粒子サイズ:5μm、比表面積:35m/g〕を、ゴムの総量100質量部あたり30質量部(実施例3)、または70質量部(実施例4)配合したこと以外は実施例1と同様にして端部5形成用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
〈比較例1、2〉
伝熱成分として、人造黒鉛粉末に代えて、導電性カーボンブラック〔アセチレンブラック、デンカ(株)製のデンカブラック粒状品〕を、ゴムの総量100質量部あたり7.5質量部(比較例1)、または30質量部(比較例2)配合したこと以外は実施例1と同様にして端部5形成用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
(比較例3)
ローラ本体の全体を、実施例2で調製したのと同じ、端部5形成用のゴム組成物を用いて一体に形成したこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ1を製造した。
〈熱伝導率測定〉
各実施例、比較例で製造した現像ローラ1の、端部5、中間部6の熱伝導率を、前述した測定方法によって求めた。
すなわち、各実施例、比較例で調製したのと同じ、端部5形成用、中間部6形成用のゴム組成物を、160℃×30分間の条件でプレス成形して縦150mm×横50mm×厚み4mmのシートを作製して、標準試験環境下で24時間以上、静置した。
次いで同環境下で、プローブ式の熱伝導率測定装置〔京都電子工業(株)製のKemtherm QTM−D3〕とプローブ〔同社製のQTM−PD3〕とを用いたプローブ法によって、それぞれのシートの熱伝導率を測定した。
そして測定結果を、各実施例、比較例の、端部5、中間部6の熱伝導率とした。
〈タイプAデュロメータ硬さ測定〉
各実施例、比較例で製造した現像ローラ1の、端部5、中間部6のタイプAデュロメータ硬さを、標準試験環境下、前述した測定方法に則って、前述した測定条件で測定した。
〈実機試験〉
各実施例、比較例で製造した現像ローラ1を、市販のレーザープリンタ用の新品のカートリッジ(トナーを収容したトナー容器、感光体、および感光体と接触させた現像ローラが一体になったもの)に、純正の現像ローラに代えて組み込んだ。
なおレーザープリンタは、プラス帯電型の非磁性1成分トナーを使用するもので、トナー推奨印字枚数は、約20000枚である。
(トナーの融着・漏れ評価)
上記カートリッジを初期状態のレーザープリンタに装填して、温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下、上記トナー推奨印字枚数(20000枚)まで画像を連続的に形成した。
次いで、現像ローラ1の端部5やシール部材へのトナーの融着を観察するとともに、カートリッジの周辺でトナーの漏れを観察して、下記の基準で、トナーの融着、およびトナーの漏れの有無を評価した。
○:トナーの融着、およびトナーの漏れは、いずれも見られなかった。
×:トナーの融着、および/またはトナーの漏れが見られた。
(画像耐久性評価)
上記カートリッジを初期状態のレーザープリンタに装填して、温度30±1℃、相対湿度80±1%の高温高湿環境下、上記トナー推奨印字枚数(20000枚)まで画像を連続的に形成した。
そして最終の画像の余白部分にカブリが発生したか否かを確認して、下記の基準で画像耐久性を評価した。
○:カブリは見られなかった。
×:かぶりが見られた。
以上の結果を表3に示す。
Figure 2020126131
表3の実施例1〜4、比較例1〜3の結果より、ローラ本体2を、熱伝導率が0.47W/m・Kを超える軸方向の両方の端部5と、当該端部5よりゴム硬さが小さい中間部6とで構成することによって、上記端部5からトナーが漏れて画像が汚れたりしにくい上、画像耐久性にも優れた現像ローラ1が得られることが判った。
また実施例1〜4、比較例1,2の結果より、少量の配合で上記の効果を得るためには、伝熱成分として、導電性カーボンブラックよりも、黒鉛粉末を選択するのが有効であることが判った。
また実施例1〜4の結果より、端部5の熱伝導率は、上記の範囲でも0.49W/m・K以上であるのが好ましく、とくに0.50W/m・K以上であるのが好ましいこと、中間部6のタイプAデュロメータ硬さは60未満、とくに50以下であるのが好ましいことが判った。
さらに実施例1〜4の結果より、端部5における伝熱成分としての黒鉛粉末の割合は、ゴムの総量100質量部あたり25質量部以上、とくに30質量部以上であるのが好ましく、80質量部以下、とくに70質量部以下であるのが好ましいことが判った。
〈実施例5、6、比較例4〉
伝熱成分として、人造黒鉛粉末に代えて、鱗片状の窒化ホウ素粉末〔昭和電工(株)製のショウビーエヌUHP−15〕を、ゴムの総量100質量部あたり20質量部(比較例4)、30質量部(実施例5)、または50質量部(実施例6)配合したこと以外は実施例1と同様にして端部5形成用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
〈比較例5〉
ローラ本体の全体を、実施例6で調製したのと同じ、端部5形成用のゴム組成物を用いて一体に形成したこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ1を製造した。
〈実施例7、比較例6、7〉
伝熱成分として、人造黒鉛粉末に代えて、顆粒状の窒化ホウ素粉末〔昭和電工(株)製のショウビーエヌUHP−G1H〕を、ゴムの総量100質量部あたり20質量部(比較例6)、30質量部(比較例7)、または50質量部(実施例7)配合したこと以外は実施例1と同様にして端部5形成用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
〈比較例8〉
ローラ本体の全体を、実施例7で調製したのと同じ、端部5形成用のゴム組成物を用いて一体に形成したこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ1を製造した。
〈比較例9〉
伝熱成分として、人造黒鉛粉末に代えて、鱗片状の窒化ホウ素粉末〔昭和電工(株)製のショウビーエヌUHP−15〕を、ゴムの総量100質量部あたり10質量部、顆粒状の窒化ホウ素粉末〔昭和電工(株)製のショウビーエヌUHP−G1H〕を、ゴムの総量100質量部あたり10質量部配合したこと以外は実施例1と同様にして端部5形成用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
両者の質量比は1:1、合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり20質量部であった。
〈実施例8〉
伝熱成分として、人造黒鉛粉末に代えて、鱗片状の窒化ホウ素粉末〔昭和電工(株)製のショウビーエヌUHP−15〕を、ゴムの総量100質量部あたり15質量部、顆粒状の窒化ホウ素粉末〔昭和電工(株)製のショウビーエヌUHP−G1H〕を、ゴムの総量100質量部あたり15質量部配合したこと以外は実施例1と同様にして端部5形成用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
両者の質量比は1:1、合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり30質量部であった。
〈実施例9〉
伝熱成分として、人造黒鉛粉末に代えて、鱗片状の窒化ホウ素粉末〔昭和電工(株)製のショウビーエヌUHP−15〕を、ゴムの総量100質量部あたり25質量部、顆粒状の窒化ホウ素粉末〔昭和電工(株)製のショウビーエヌUHP−G1H〕を、ゴムの総量100質量部あたり25質量部配合したこと以外は実施例1と同様にして端部5形成用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
両者の質量比は1:1、合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり50質量部であった。
〈比較例10〉
ローラ本体の全体を、実施例9で調製したのと同じ、端部5形成用のゴム組成物を用いて一体に形成したこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ1を製造した。
上記各実施例、比較例で製造した現像ローラ1について、先の各測定、および実機試験を実施して、その特性を評価した。
結果を、比較例1の結果と併せて表4〜表6に示す。
Figure 2020126131
Figure 2020126131
Figure 2020126131
表4〜表6の実施例5〜9、比較例1、4〜10の結果より、伝熱成分として窒化ホウ素粉末を用いた系でも、同様の効果が得られることが判った。
すなわち、ローラ本体2を、熱伝導率が0.47W/m・Kを超える軸方向の両方の端部5と、当該端部5よりゴム硬さが小さい中間部6とで構成することによって、上記端部5からトナーが漏れて画像が汚れたりしにくい上、画像耐久性にも優れた現像ローラ1が得られることが判った。
また実施例5〜9の結果より、端部5の熱伝導率は、上記の範囲でも0.49W/m・K以上であるのが好ましく、とくに0.50W/m・K以上であるのが好ましいこと、中間部6のタイプAデュロメータ硬さは60未満、とくに50以下であるのが好ましいことが判った。
実施例5、6、比較例4の結果より、端部5における伝熱成分として鱗片状の窒化ホウ素粉末を用いた系では、その割合は、ゴムの総量100質量部あたり25質量部以上、とくに30質量部以上であるのが好ましく、60質量部以下、とくに50質量部以下であるのが好ましいことが判った。
また実施例7、比較例6、7の結果より、端部5における伝熱成分として顆粒状の窒化ホウ素粉末を用いた系では、その割合は、ゴムの総量100質量部あたり35質量部以上、とくに40質量部以上であるのが好ましく、60質量部以下、とくに50質量部以下であるのが好ましいことが判った。
さらに実施例8、9、比較例9の結果より、端部5における伝熱成分として鱗片状の窒化ホウ素粉末と顆粒状の窒化ホウ素粉末とを質量比1:1で併用した系では、その合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり25質量部以上、とくに30質量部以上であるのが好ましく、60質量部以下、とくに50質量部以下であるのが好ましいことが判った。
1 現像ローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 端部
6 中間部
7、8 外周面
9 酸化膜

Claims (5)

  1. 筒状のローラ本体を含み、前記ローラ本体は、
    ゴム組成物の架橋物からなり、熱伝導率が0.47W/m・Kを超える軸方向の両方の端部、および
    ゴム組成物の架橋物からなり、前記端部よりゴム硬さが小さい、当該両端部間の中間部
    を含む現像ローラ。
  2. 前記中間部は、タイプAデュロメータ硬さが60未満である請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記端部は、ゴムと、当該ゴムの総量100質量部あたり30質量部以上の、黒鉛粉末、および鱗片状の窒化ホウ素粉末からなる群より選ばれた少なくとも1種の伝熱成分とを含むゴム組成物からなる請求項1または2に記載の現像ローラ。
  4. 前記中間部は、ゴムと、当該ゴムの総量100質量部あたり30質量部未満の前記伝熱成分を含む、または前記伝熱成分を除くゴム組成物からなる請求項3に記載の現像ローラ。
  5. 前記ローラ本体は、外周面に、前記架橋物の酸化物からなる酸化膜を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の現像ローラ。
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