JP2021089344A - 現像ローラ - Google Patents

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Kenichi Kuroda
賢一 黒田
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Abstract

【課題】ローラ本体の全体を同一のゴム組成物の架橋物によって一体に形成した簡単な構造を有し、しかも端部の摩耗が抑制されてトナーの漏れ等を生じにくい上、画質の良好な画像を形成できる現像ローラを提供する。【解決手段】現像ローラ1は、エピクロルヒドリンゴム、CR、およびゴムの総量100質量部中、20質量部以上、50質量部以下の、シス−1,4結合含量が97%以上である特定高シスBRを含むゴム組成物の架橋物からなるローラ本体2を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、現像ローラに関するものである。
電子写真法を利用した画像形成装置には、ゴムの架橋物からなるローラ本体を含む現像ローラが用いられる。ローラ本体の端部はシール部材でシールされるが、シール部材との摺接による摩耗を防止するため、端部の構造について種々検討されている(特許文献1等)。
特開2019−101374号公報
本発明の目的は、ローラ本体の全体を同一のゴム組成物の架橋物によって一体に形成した簡単な構造を有し、しかも端部の摩耗が抑制されてトナーの漏れ等を生じにくい上、画質の良好な画像を形成できる現像ローラを提供することにある。
本発明は、ゴムとして、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、およびシス−1,4結合含量が97%以上であるブタジエン系ゴムを少なくとも含み、かつ前記ブタジエン系ゴムの割合は、前記ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下であるゴム組成物の架橋物によって、全体が一体に形成されたローラ本体を含む現像ローラである。
本発明によれば、ローラ本体の全体を同一のゴム組成物の架橋物によって一体に形成した簡単な構造を有し、しかも端部の摩耗が抑制されてトナーの漏れ等を生じにくい上、画質の良好な画像を形成できる現像ローラを提供することができる。
本発明の現像ローラの一例の、全体の外観を示す斜視図である。
上述したように、本発明の現像ローラは、ゴムとして、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム(CR)、およびシス−1,4結合含量が97%以上であるブタジエン系ゴム(以下「特定高シスBR」と略記する場合がある。)を少なくとも含み、かつ当該特定高シスBRの割合は、ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下であるゴム組成物の架橋物によって、全体が一体に形成されたローラ本体を含むことを特徴とするものである。
現像ローラを用いた現像では、画像形成装置の、トナーを収容した現像部内に現像ローラを設け、当該現像ローラの、ローラ本体の外周面に量規制ブレード(帯電ブレード)の先端部を接触させた状態で、現像ローラを回転させる。
そうすると現像部内のトナーが帯電されて、ローラ本体の外周面に付着されるとともに、付着されたトナーがローラ本体の外周面と量規制ブレードの先端部とのニップ部を通過する際に、その付着量が規制されて、当該外周面に厚みが略一定のトナー層が形成される。
また感光体の表面には、並行して、一様に帯電させたのち露光することで静電潜像が形成される。
次いで、この状態で現像ローラをさらに回転させて、トナー層を、感光体の表面の近傍に搬送すると、トナー層を形成するトナーが、感光体の表面に形成された静電潜像に応じて選択的に感光体の表面に移動して、静電潜像がトナー像に現像される。
現像ローラのローラ本体の、軸方向の端部は、ローラ本体の外周面に付着させたトナーが現像部外へ漏れるのを防止するため、前述したように、シール部材によってシールされているのが一般的である。
シール部材は、たとえば、フェルト等によって形成され、現像部の筐体等に固定された状態で、回転する現像ローラの、ローラ本体の軸方向の端部の外周面に摺接される。
しかし従来の現像ローラは、画像形成を繰り返すと、シール部材によってシールされたはずの端部からトナーが漏れる場合がある。
トナーの漏れは、画像形成を繰り返すことで、ローラ本体の軸方向の端部の、シール部材が摺接された外周面が摩耗して、シール部材との間に隙間を生じることで発生する。
そこで、特許文献1に記載されているようにローラ本体の、シール部材と摺接する端部を、硬質の樹脂等からなるコーティング層によって被覆して、画像形成に寄与する中間部より耐摩耗性を高めることなどが種々、検討されてきた。
しかし、これらの対策を施した場合には、ローラ本体の全体での構造が複雑化して、製造工程や形成材料が増加するため、現像ローラの生産性が低下したり、製造コストが高くついたりするといった課題があった。
また、コーティング層が剥離したり磨滅したりして、比較的短期間で、耐摩耗性を高める機能が失われて、端部の摩耗によるトナーの漏れを生じる場合もあった。
これに対し本発明によれば、上述したように特定高シスBRを、ゴムの総量100質量部中に20質量部以上の割合で含むゴム組成物の硬化物によって、ローラ本体の全体を一体に形成している。
上記特定高シスBRは、シス−1,4結合含量が97%未満である通常のBRに比べて、硬化後のゴム硬さが高く、かつ耐摩耗性に優れている。
そのためローラ本体を、端部にコーティング層を形成したりしない、つまりコーティング層などを除く簡単な構造としながら、なおかつ当該端部の耐摩耗性を向上して、長期間に亘って、トナーの漏れが発生するのを抑制することができる。
しかも本発明によれば、上記特定高シスBRの割合を、ゴムの総量100質量部中の50質量部以下として、併用する、とくにCRの柔軟性によって、ローラ本体に適度の柔軟性を付与することもできる。
そのため、画像形成の初期から長期間に亘って、画像不良のない画質の良好な画像を形成し続けることもできる。
《ゴム組成物》
本発明の現像ローラの、ローラ本体のもとになるゴム組成物は、上述したようにゴムとしてエピクロルヒドリンゴム、CR、および特定高シスBRを少なくとも含んでいる。
〈特定高シスBR〉
このうち特定高シスBRとしては、ブタジエンの重合体からなり、架橋性を有する種々のBRの中から、前述したようにシス−1,4結合含量が97%以上、とくに98%以上であるBRを選択して用いることができる。
また特定高シスBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプの特定高シスBRが好ましい。
非油展タイプの特定高シスBRの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種製品の1種または2種以上が挙げられる。
宇部興産(株)製のUBEPOL BR(登録商標)シリーズのうちBR150〔シス−1,4結合含量:98%、トランス−1,4結合含量:1%、1,2結合含量:1%〕、BR150B〔シス−1,4結合含量:97%、トランス−1,4結合含量:2%、1,2結合含量:1%〕、BR150L〔シス−1,4結合含量:98%、トランス−1,4結合含量:1%、1,2結合含量:1%〕、BR360L〔シス−1,4結合含量:98%、トランス−1,4結合含量:1%、1,2結合含量:1%〕、BR230〔シス−1,4結合含量:98%、トランス−1,4結合含量:1%、1,2結合含量:1%〕。
また、シス−1,4結合含量が前述した範囲である特定高シスBRをマトリックスポリマーとして用いて、高結晶性シンジオタクチックポリブタジエン樹脂(SPB)と複合化したポリマーアロイを、特定高シスBRとして用いることもできる。
かかるポリマーアロイの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種製品の1種または2種以上が挙げられる。
なお、下記例示中のn−ヘキサン不溶解分は、マトリックスポリマー中のSPB結晶量を示す。
宇部興産(株)製のUBEPOL VCR(登録商標)シリーズのうちVCR412〔シス−1,4結合含量:98%、トランス−1,4結合含量:1%、1,2結合含量:1%、n−ヘキサン不溶解分:12.0%〕、VCR617〔シス−1,4結合含量:98%、トランス−1,4結合含量:1%、1,2結合含量:1%、n−ヘキサン不溶解分:17.0%〕、VCR450〔シス−1,4結合含量:98%、トランス−1,4結合含量:1%、1,2結合含量:1%、n−ヘキサン不溶解分:3.8%〕、VCR800〔シス−1,4結合含量:98%、トランス−1,4結合含量:1%、1,2結合含量:1%、n−ヘキサン不溶解分:5.3%〕。
これら特定高シスBRの1種または2種以上を用いることができる。
〈エピクロルヒドリンゴム〉
エピクロルヒドリンゴムとしては、たとえば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等が挙げられる。
中でも、エチレンオキサイドを含む共重合体、とくにECOおよび/またはGECOが好ましい。
ECOおよび/またはGECOにおけるエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、とくに50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは、現像ローラのローラ抵抗値を下げる働きをする。
しかし、エチレンオキサイド含量が上記の範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、現像ローラのローラ抵抗値を十分に低下できない場合がある。
一方、エチレンオキサイド含量が上記の範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり、分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、却って、現像ローラのローラ抵抗値が上昇する傾向がある。
また、架橋後のローラ本体が硬くなりすぎたり、架橋前のゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇して、当該ゴム組成物の加工性が低下したりする場合もある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量の残量である。
すなわち、エピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、とくに50モル%以下であるのが好ましい。
また、GECOにおけるアリルグリシジルエーテル含量は0.5モル%以上、とくに2モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下、とくに5モル%以下であるのが好ましい。
アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として、自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、現像ローラのローラ抵抗値を低下させる働きをする。
しかし、アリルグリシジルエーテル含量が上記の範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、現像ローラのローラ抵抗値を十分に低下できない場合がある。
一方、アリルグリシジルエーテルは、GECOの架橋時に架橋点として機能する。
そのため、アリルグリシジルエーテル含量が上記の範囲を超える場合には、GECOの架橋密度が高くなりすぎることによって分子鎖のセグメント運動が妨げられて、却って、現像ローラのローラ抵抗値が上昇する傾向がある。
GECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。
すなわち、エピクロルヒドリン含量は10モル%以上、とくに19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、とくに60モル%以下であるのが好ましい。
なおGECOとしては、先に説明した3種の単量体を共重合させた、狭義の意味での共重合体の他に、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られている。
本発明では、このいずれのGECOを用いることもできる。
エピクロルヒドリンゴムとしては、とくにGECOが好ましい。
GECOは、アリルグリシジルエーテルに起因して、主鎖中に、架橋点として機能する二重結合を有するため、主鎖間での架橋によって、架橋後の圧縮永久ひずみを小さくすることができる。
そのためローラ本体を、圧縮永久ひずみが小さく、ヘタリを生じにくいものとすることができる。
これらエピクロルヒドリンゴムの1種または2種以上を用いることができる。
〈CR〉
CRは、とくにローラ本体の柔軟性を向上して、形成画像の画質を良好に維持するために機能する。
またCRは、とくにプラス帯電性のトナーの帯電特性を向上したり、それ自体が極性ゴムであるため、現像ローラのローラ抵抗値を微調整したりするためにも機能する。
さらにCRは、紫外線照射によって酸化されて、ローラ本体の外周面に酸化膜を形成する材料としても機能する。
CRは、クロロプレンを乳化重合させて合成されるもので、その際に用いる分子量調整剤の種類によって、硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプとに分類される。
このうち硫黄変性タイプのCRは、クロロプレンと、分子量調整剤としての硫黄とを共重合させたポリマを、チウラムジスルフィド等で可塑化して所定の粘度に調整することで合成される。
また非硫黄変性タイプのCRは、たとえば、メルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ等に分類される。
このうち、メルカプタン変性タイプのCRは、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調整剤として用いること以外は、硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
また、キサントゲン変性タイプのCRは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調整剤として用いること以外は、やはり硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
またCRは、その結晶化速度に基づいて、結晶化速度が遅いタイプ、中庸であるタイプ、および速いタイプに分類される。
本発明においては、いずれのタイプのCRを用いてもよいが、中でも非硫黄変性タイプで、かつ結晶化速度が遅いタイプのCRが好ましい。
またCRとしては、クロロプレンと他の共重合成分との共重合体を用いてもよい。
他の共重合成分としては、たとえば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、およびメタクリル酸エステル等の1種または2種以上が挙げられる。
さらにCRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのCRを用いるのが好ましい。
これらCRの1種または2種以上を用いることができる。
〈その他のゴム〉
ゴムとしては、エピクロルヒドリンゴム、CR、および特定高シスBRの3種に加えて、さらに他のゴムを併用してもよい。
他のゴムとしては、たとえば、特定高シスBR以外の他のBR、つまりシス−1,4結合含量が97%未満で、かつ架橋性を有するBRや、あるいはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。
ただし、前述した本発明の効果をより一層、向上することを考慮すると、BRとしては、特定高シスBRのみを選択して用いること、つまりBRの全量が特定高シスBRであって、それ以外の他のBRは含まない(除く)ことが好ましい。
(NBR)
NBRは、その溶解パラメータ(SP値)が特定高シスBR、エピクロルヒドリンゴム、およびCRのいずれとも近いため、これらゴムの、いわば相溶化剤として機能して、各ゴム間の微分散化を補助し、ゴム組成物の一体性を向上する。
そして、ゴム組成物の加熱時の流動性を高めて、良好な成形性を確保するために機能する。
またNBRは、ローラ本体の柔軟性をさらに向上して、形成画像の画質をさらに良好にしたり、ローラ本体の外周面の弾性率を向上したりするためにも機能する。
またNBRは、とくにプラス帯電性のトナーの帯電特性を向上したり、それ自体が極性ゴムであるため、現像ローラのローラ抵抗値を微調整したりするためにも機能する。
さらにNBRは、やはり紫外線照射によって酸化されて、ローラ本体の外周面に酸化膜を形成する材料としても機能する。
NBRとしては、結合アクリロニトリル量が24%以下の低ニトリルNBR、25〜30%の中ニトリルNBR、31〜35%の中高ニトリルNBR、36〜42%の高ニトリルNBR、および43%以上の極高ニトリルNBRのいずれを用いてもよい。
またNBRとしては、ゴム組成物の加熱時の流動性を向上して、軟化剤を含まない配合でもさらに良好な成形性を得るべく、ムーニー粘度の小さいものを選択して用いるのが好ましい。
具体的には、NBRのムーニー粘度ML(1+4)100℃は35以下であるのが好ましい。
ただし、ムーニー粘度の下限はとくに限定されず、入手可能な最小のムーニー粘度のNBRまで、種々の固形のNBRが、いずれも使用可能である。
あるいは、固形のNBRに代えて、常温で液状を呈する液状NBRを用いることもできる。
さらに固形のNBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない、非油展タイプのNBRが好ましい。
これらNBRの1種または2種以上を用いることができる。
〈ゴムの割合〉
特定高シスBRの割合は、前述したように、ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下である必要がある。
この理由は、先に説明したとおりである。
なお、前述した本発明の効果をより一層、向上することを考慮すると、特定高シスBRの割合は、上記の範囲でも、とくにゴムの総量100質量部中の35質量部以上であるのが好ましく、45質量部以下であるのが好ましい。
エピクロルヒドリンゴムの割合は、ゴムの総量100質量部中の30質量部以上であるのが好ましく、60質量部以下であるのが好ましい。
エピクロルヒドリンゴムの割合がこの範囲未満、または範囲を超える場合には、このいずれにおいても、現像ローラのローラ抵抗値を、当該現像ローラとして適した範囲に調整できない場合がある。
また、エピクロルヒドリンゴムの割合が上記の範囲を超える場合には、相対的に、CRおよび/またはNBRの割合が少なくなって、ローラ本体に、前述したゴムとしての良好な特性を付与することができない場合もある。
これに対し、エピクロルヒドリンゴムの割合を上記の範囲とすることにより、現像ローラのローラ抵抗値を好適な範囲に調整しながら、ローラ本体に、ゴムとしての良好な特性を付与することができる。
CRおよび/またはNBRの割合は、特定高シスBRおよびエピクロルヒドリンゴムの残量である。
すなわち、特定高シスBRおよびエピクロルヒドリンゴムの割合を、それぞれ上記範囲内の所定値に設定した際にゴムの総量が100質量部となるように、CRおよび/またはNBRの割合を設定すればよい。
〈架橋成分〉
ゴム組成物には、ゴムを架橋させるための架橋成分を配合する。
架橋成分としては、ゴムを架橋させるための架橋剤と、当該架橋剤によるゴムの架橋を調整する機能を有する、いわゆる架橋促進剤とを併用するのが好ましい。
このうち架橋剤としては、たとえば、硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等が挙げられ、とくに硫黄系架橋剤が好ましい。
(硫黄系架橋剤)
硫黄系架橋剤としては、たとえば、粉末硫黄、オイル処理粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、分散性硫黄等の硫黄や、あるいは4,4′−ジチオジモルホリン、テトラメチルチウラムジスルフィド等の有機含硫黄化合物などが挙げられる。
とくに、4,4′−ジチオジモルホリンと硫黄とを併用するのが好ましい。
4,4′−ジチオジモルホリンは、架橋温度で分解して活性硫黄を放出し、放出した活性硫黄によってゴムを架橋させるという、2段階の架橋メカニズムを有する架橋剤であり、架橋剤として硫黄を直接に配合する場合よりもゴム組成物の急速な架橋を抑制できる。
そのため、4,4′−ジチオジモルホリンを硫黄とともに併用することによって、たとえば、焼けを生じやすい環境下でもスコーチの発生を抑制して、ゴム組成物の無駄をできるだけ少なくできるという利点がある。
かかる併用系における、4,4′−ジチオジモルホリンの割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
また硫黄の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
(架橋促進剤)
架橋促進剤としては、たとえば、チウラム系促進剤、チアゾール系促進剤、チオウレア系促進剤、グアニジン系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちチウラム系促進剤、チアゾール系促進剤、チオウレア系促進剤、およびグアニジン系促進剤を併用するのが好ましい。
チウラム系促進剤としては、たとえば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の1種または2種以上が挙げられ、とくにテトラメチルチウラムモノスルフィドが好ましい。
チアゾール系促進剤としては、たとえば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の1種または2種以上が挙げられ、とくにジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。
チオウレア系促進剤としては、分子中にチオウレア構造を有する種々のチオウレア化合物が使用可能である。
チオウレア系促進剤としては、たとえば、エチレンチオウレア、N,N′−ジフェニルチオウレア、トリメチルチオウレア、式(1):
(C2n+1NH)C=S (1)
〔式中、nは1〜12の整数を示す。〕で表されるチオウレア、テトラメチルチオウレア等の1種または2種以上が挙げられ、とくにエチレンチオウレアが好ましい。
グアニジン系促進剤としては、たとえば、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド等の1種または2種以上が挙げられ、とくに1,3−ジ−o−トリルグアニジンが好ましい。
上記4種の併用系において、ゴムの架橋を調整する効果を十分に発現させること等を考慮すると、チウラム系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
チアゾール系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
チオウレア系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.2質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
さらに、グアニジン系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.2質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
なおチオウレア系促進剤は、硫黄架橋性を有しないECOの架橋剤、グアニジン系促進剤は、チオウレア系促進剤によるECOの架橋の促進剤としても機能する。
〈その他〉
ゴム組成物には、さらに必要に応じて、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、たとえば、架橋助剤、受酸剤、充填剤、可塑剤、加工助剤、劣化防止剤等が挙げられる。
このうち架橋助剤としては、たとえば、酸化亜鉛等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸その他、従来公知の架橋助剤の1種または2種以上が挙げられる。
架橋助剤の割合は、個別に、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
受酸剤は、架橋時にエピクロルヒドリンゴムやCR等から発生した塩素系ガスがローラ本体内に残留したり、それによって架橋阻害や感光体の汚染等が生じたりするのを防止するために機能する。
受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、中でも分散性に優れたハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、とくにハイドロタルサイト類が好ましい。
またハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用すると、より高い受酸効果を得ることができ、感光体等の汚染を、より一層確実に防止することができる。
受酸剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.2質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、たとえば、酸化亜鉛、シリカ、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、ローラ本体の機械的強度等を向上できる。
充填剤としては、とくにサーマルブラック等のカーボンブラックが好ましい。
可塑剤としては、たとえば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられる。
また加工助剤としては、たとえば、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩などが挙げられる。
可塑剤および/または加工助剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり3質量部以下であるのが好ましい。
劣化防止剤としては、各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
このうち老化防止剤は、現像ローラのローラ抵抗値の環境依存性を低減し、かつ連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。
老化防止剤としては、たとえば、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
老化防止剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
また添加剤としては、さらにスコーチ防止剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等の各種添加剤を、任意の割合で配合してもよい。
《現像ローラ》
図1は、本発明の現像ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の現像ローラ1は、上記各成分を含むゴム組成物からなる、非多孔質でかつ単層の筒状に形成されたローラ本体2を備えるとともに、当該ローラ本体2の中心の通孔3にシャフト4が挿通されて固定されたものである。
シャフト4は、良導電性の材料、たとえば、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属などによって一体に形成されている。
シャフト4は、たとえば、導電性を有する接着剤を介してローラ本体2と電気的に接合され、かつ機械的に固定されるか、あるいは通孔3の内径よりも外径の大きいものを通孔3に圧入することで、ローラ本体2と電気的に接合され、かつ機械的に固定される。
また、この両法を併用して、シャフト4を、ローラ本体2と電気的に接合し、かつ機械的に固定してもよい。
ローラ本体2の外周面5には、図中に拡大して示すように、酸化膜6を形成してもよい。
酸化膜6を形成すると、当該酸化膜6が誘電層として機能して、現像ローラ1の誘電正接を低減することができる。
また、酸化膜6が低摩擦層となることで、とくに端部の耐摩耗性をより一層向上して、さらに長期間に亘って、トナーの漏れが発生するのを抑制したり、現像ローラとして使用した際の、トナーの付着を抑制したりすることもできる。
しかも酸化膜6は、たとえば、紫外線を照射等するだけで簡単に形成できるため、現像ローラ1の生産性が低下したり製造コストが高くついたりするのを抑制することもできる。
ただし、酸化膜6は形成しなくてもよい。
なお、ローラ本体2の「単層構造」とは、ゴム等からなる層の数が単層であることを指し、紫外線の照射等によって形成される酸化膜6は、層数に含まないこととする。
〈現像ローラの製造〉
現像ローラ1を製造するには、まず、前述した各成分からなるゴム組成物を、押出成形機を用いて筒状に押出成形し、次いで所定の長さにカットして、加硫缶内で加圧水蒸気によって加圧、加熱して架橋させる。
次いで、架橋させた筒状体を、オーブン等を用いて加熱して二次架橋させたのち冷却し、さらに所定の外径となるように研磨してローラ本体2を形成する。
シャフト4は、筒状体のカット後から研磨後までの任意の時点で通孔3に挿通して固定できる。
ただし、カット後、まず通孔3にシャフト4を挿通した状態で二次架橋および研磨をするのが好ましい。
これにより、二次架橋時の膨張収縮による筒状体の反りや変形等を抑制できる。
また、シャフト4を中心として回転させながら研磨することで当該研磨の作業性を向上し、なおかつ外周面5のフレを抑制できる。
シャフト4は、先に説明したように、導電性を有する接着剤、特に導電性の熱硬化性接着剤を介して二次架橋前の筒状体の通孔3に挿通したのち二次架橋させるか、あるいは通孔3の内径より外径の大きいものを通孔3に圧入すればよい。
前者の場合は、オーブン中での加熱によって筒状体が二次架橋されるのと同時に熱硬化性接着剤が硬化して、当該シャフト4がローラ本体2に電気的に接合されるとともに機械的に固定される。
また後者の場合は、圧入と同時に電気的な接合と機械的な固定が完了する。
また、前述したように、この両法を併用して、シャフト4を、ローラ本体2と電気的に接合し、かつ機械的に固定してもよい。
酸化膜6は、先に説明したように、ローラ本体2の外周面5に紫外線を照射して形成するのが好ましい。
すなわち、ローラ本体2の外周面5に、所定波長の紫外線を所定時間照射して、当該外周面5の近傍を構成するゴム組成物中のジエン系ゴムを酸化させることによって酸化膜6を形成することができる。
そのため、酸化膜6の形成工程が簡単で効率的であって、現像ローラ1の生産性が低下したり製造コストが高くついたりするのを抑制することができる。
しかも、紫外線の照射によって形成される酸化膜6は、たとえば、塗剤を塗布して形成されるコーティング層のような、剥離や磨滅等の問題を生じることがない上、厚みの均一性やローラ本体2との密着性等にも優れている。
照射する紫外線の波長は、ゴム組成物中のジエン系ゴムを効率よく酸化させて、前述した機能に優れた酸化膜6を形成することを考慮すると、100nm以上であるのが好ましく、400nm以下、とくに300nm以下であるのが好ましい。
また照射の時間は30秒間以上、とくに1分間以上であるのが好ましく、30分間以下、とくに20分間以下であるのが好ましい。
ただし、酸化膜6は他の方法で形成してもよいし、形成しなくてもよい。
図1の実施形態においては、ローラ本体2を、前述した各成分を含む本発明のゴム組成物の架橋物からなる単層構造としていたが、ローラ本体は、2層以上の積層構造としてもよい。
その場合には、積層構造を構成する最外層を、前述した各成分を含む本発明のゴム組成物の架橋物によって形成すればよい。
本発明の現像ローラは、たとえば、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置に、好適に用いることができる。
以下に、本発明を、実施例、比較例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、必ずしもこれらの例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
(ゴム組成物の調製)
ゴムとしては、GECO〔(株)大阪ソーダ製のエピオン(登録商標)301(低Visタイプ)、EO/EP/AGE=73/23/4(モル比)〕60質量部、CR〔昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT、非油展〕10質量部、NBR〔日本ゼオン(株)製のNIPOL(登録商標)DN401LL、低ニトリルNBR、結合アクリロニトリル量(中心値):18.0%、非油展〕10質量部、および特定高シスBR〔前出の宇部興産(株)製のUBEPOL BR150B、シス−1,4結合含量:97%、トランス−1,4結合含量:2%、1,2結合含量:1%、非油展〕20質量部を配合した。
上記4種のゴムの総量100質量部を、バンバリミキサを用いて素練りしながら、下記の各成分を配合して混練した。
Figure 2021089344
表1中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
架橋助剤:酸化亜鉛2種〔三井金属鉱業(株)製〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A(登録商標)−2〕
充填剤:カーボンブラック〔サーマルブラック、旭カーボン(株)製の旭#15〕
次いで混練を続けながら、下記の架橋成分を配合してさらに混練してゴム組成物を調製した。
Figure 2021089344
表2中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
架橋剤I:オイル処理粉末硫黄〔鶴見化学工業(株)製の金華印5%油入微粉硫黄〕
架橋剤II:4,4′−ジチオジモルホリン〔大内新興化学工業(株)製のバルノック(登録商標)R〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド〔三新化学工業(株)製のサンセラー(登録商標)TS、チウラム系促進剤〕
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド〔Shandong Shanxian Chemical社製のSUNSINE MBTS、チアゾール系促進剤〕
促進剤22:エチレンチオウレア〔2−メルカプトイミダゾリン、川口化学工業(株)製のアクセル(登録商標)22−S、チオウレア系促進剤〕
促進剤DT:1,3−ジ−o−トリルグアニジン〔三新化学工業(株)製のサンセラーDT、グアニジン系促進剤〕
(現像ローラの製造)
調製したゴム組成物を押出機に供給して、外径φ21mm、内径φ7mmの筒状に押出成形し、カットして架橋用の仮のシャフトに装着して加硫缶内で160℃×1時間架橋させた。
次いで、架橋させた筒状体を、外周面に導電性の熱硬化性接着剤(ポリアミド系)を塗布した外径φ7.5mmの金属シャフトに装着し直して、オーブン中で160℃に加熱した。
これにより、ゴム組成物を二次架橋させるとともに熱硬化性接着剤を硬化反応させて、筒状体と金属シャフトとを電気的に接合し、かつ機械的に固定したのち、筒状体の両端を整形した。
次いで、筒状体の外周面を、円筒研磨機を用いてトラバース研磨し、次いで仕上げ研磨として#2000のラッピングフィルム〔三共理化学(株)製のミラーフィルム(登録商標)〕を用いた鏡面研磨をして、外径をφ20.00mm(公差0.05)に仕上げた。
次いで、研磨後の外周面をアルコール拭きしたのち、UV光源から外周面までの距離を50mmに設定してUV処理装置にセットした。
そして、シャフトを中心として30rpmで回転させながら紫外線を照射することで酸化膜を形成してローラ本体を形成し、現像ローラを製造した。
特定高シスBRの割合は、ゴムの総量100質量部中の20質量部であった。
〈実施例2〉
ゴムとして、GECO〔前出の(株)大阪ソーダ製のエピオン301(低Visタイプ)〕55質量部、CR〔前出の昭和電工(株)製のショウプレンWRT〕5質量部、NBR〔前出の日本ゼオン(株)製のNIPOL DN401LL〕5質量部、および特定高シスBR〔前出の宇部興産(株)製のUBEPOL BR150B〕35質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、現像ローラを製造した。
特定高シスBRの割合は、ゴムの総量100質量部中の35質量部であった。
〈実施例3〉
特定高シスBRとして、前出の宇部興産(株)製のUBEPOL BR150L〔シス−1,4結合含量:98%、トランス−1,4結合含量:1%、1,2結合含量:1%、非油展〕を同量配合したこと以外は実施例2と同様にしてゴム組成物を調製し、現像ローラを製造した。
特定高シスBRの割合は、ゴムの総量100質量部中の35質量部であった。
〈実施例4〉
特定高シスBRとして、特定高シスBRとSPBとのポリマーアロイである、前出の宇部興産(株)製のUBEPOL VCR450〔シス−1,4結合含量:98%、トランス−1,4結合含量:1%、1,2結合含量:1%、n−ヘキサン不溶解分:3.8%〕を同量配合したこと以外は実施例2と同様にしてゴム組成物を調製し、現像ローラを製造した。
特定高シスBRの割合は、ゴムの総量100質量部中の35質量部であった。
〈比較例1〉
特定高シスBRに代えて、シス−1,4結合含量が96%である通常のBR〔宇部興産(株)製のUBEPOL BR130B、シス−1,4結合含量:96%、トランス−1,4結合含量:2%、1,2結合含量:2%、非油展〕を同量配合したこと以外は実施例2と同様にしてゴム組成物を調製し、現像ローラを製造した。
〈実施例5〉
ゴムとして、GECO〔前出の(株)大阪ソーダ製のエピオン301(低Visタイプ)〕45質量部、CR〔前出の昭和電工(株)製のショウプレンWRT〕5質量部、NBR〔前出の日本ゼオン(株)製のNIPOL DN401LL〕5質量部、および特定高シスBR〔前出の宇部興産(株)製のUBEPOL VCR450〕45質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、現像ローラを製造した。
特定高シスBRの割合は、ゴムの総量100質量部中の45質量部であった。
〈実施例6〉
ゴムとして、GECO〔前出の(株)大阪ソーダ製のエピオン301(低Visタイプ)〕40質量部、CR〔前出の昭和電工(株)製のショウプレンWRT〕5質量部、NBR〔前出の日本ゼオン(株)製のNIPOL DN401LL〕5質量部、および特定高シスBR〔前出の宇部興産(株)製のUBEPOL VCR450〕50質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、現像ローラを製造した。
特定高シスBRの割合は、ゴムの総量100質量部中の50質量部であった。
〈比較例2〉
ゴムとして、GECO〔前出の(株)大阪ソーダ製のエピオン301(低Visタイプ)〕30質量部、CR〔前出の昭和電工(株)製のショウプレンWRT〕5質量部、NBR〔前出の日本ゼオン(株)製のNIPOL DN401LL〕5質量部、および特定高シスBR〔前出の宇部興産(株)製のUBEPOL VCR450〕60質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、現像ローラを製造した。
特定高シスBRの割合は、ゴムの総量100質量部中の60質量部であった。
〈実機試験〉
各実施例、比較例で製造した現像ローラを、市販のレーザープリンタ用の新品のカートリッジ(トナーを収容したトナー容器、感光体、および感光体と接触させた現像ローラが一体になったもの)に、純正の現像ローラに代えて組み込んだ。
なおレーザープリンタは、プラス帯電型の非磁性1成分トナーを使用するもので、トナー推奨印字枚数は、約20000枚である。
(トナーの漏れ評価)
上記カートリッジを初期状態のレーザープリンタに装填して、温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下、上記トナー推奨印字枚数(20000枚)まで連続的に画像を形成した。
次いで、カートリッジの周辺でトナーの漏れを観察して、下記の基準で、トナーの漏れの有無を評価した。
○:トナーの漏れは、全く見られなかった。
△:トナーの漏れが僅かに見られたが、形成画像に影響が出る程ではなかった。
×:形成画像に影響が出る範囲でトナーの漏れが見られた。
(初期画像評価)
上記カートリッジを初期状態のレーザープリンタに装填して、温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下、ハーフトーン画像、ベタ画像を形成した。
そして、形成した両画像を観察して、下記の基準で、初期画像を評価した。
○:全く画像不良は見られなかった。
△:僅かに画像不良が見られたが、形成画像に影響が出る程ではなかった。
×:形成画像に影響が出る範囲で画像不良が見られた。
以上の結果を表3、表4に示す。
Figure 2021089344
Figure 2021089344
表3、表4の、実施例1〜6、比較例1の結果より、エピクロルヒドリンゴム、およびCRを含む系に、さらに特定高シスBRを、ゴムの総量100質量部中の20質量部以上の割合で配合することにより、ローラ本体の全体を同一のゴム組成物の架橋物によって一体に形成した簡単な構造を有しながら、なおかつ端部の摩耗が抑制されてトナーの漏れ等を生じにくい現像ローラが得られることが判った。
ただし、実施例1〜6、比較例2の結果より、上記の効果を維持しながら、しかもローラ本体の柔軟性を維持して、画質の良好な画像を形成するためには、特定高シスBRの割合を、ゴムの総量100質量部中の50質量部以下とする必要があることが判った。
さらに、実施例1〜6の結果より、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、特定高シスBRの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部中の35質量部以上であるのが好ましく、45質量部以下であるのが好ましいことが判った。
1 現像ローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 酸化膜

Claims (3)

  1. ゴムとして、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、およびシス−1,4結合含量が97%以上であるブタジエン系ゴムを少なくとも含み、かつ前記ブタジエン系ゴムの割合は、前記ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部以下であるゴム組成物の架橋物によって、全体が一体に形成されたローラ本体を含む現像ローラ。
  2. 前記ゴムは、さらにアクリロニトリルブタジエンゴムを含む請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記ローラ本体の外周面を被覆する酸化膜を含む請求項1または2に記載の現像ローラ。
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