JP7329174B2 - 現像ローラ - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで用いられる現像ローラに関するものである。
近時、現像ローラとして、ローラ本体を含み、かつ当該ローラ本体を、弾性材料からなる筒状の内層と、当該内層の外周面に積層されて上記ローラ本体の外周面を構成する外層とを含む積層構造としたものを用いることが検討されている(特許文献1等参照)。
特開2016-95455号公報
本発明の目的は、積層構造を有し、なおかつ現状よりも画質に優れた画像を形成できる現像ローラを提供することにある。
本発明は、ローラ本体を含み、前記ローラ本体は、当該ローラ本体の外周面を構成する筒状の外層を少なくとも含み、
前記外層は、ゴムとして、当該ゴムの総量100質量部中、20質量部以上、50質量部未満のエピクロルヒドリンゴム、30質量部以下のブタジエンゴム、およびスチレンブタジエンゴムを含み、かつクロロプレンゴム、およびアクリロニトリルブタジエンゴムを除く、または前記クロロプレンゴム、およびアクリロニトリルブタジエンゴムのうちの少なくとも1種を、総量で、前記ゴムの総量100質量部中、20質量部未満の割合で含むとともに、前記ゴムの総量100質量部あたり10質量部未満のカーボンブラックを含むゴム組成物の架橋物からなる現像ローラである。
本発明によれば、積層構造を有し、なおかつ現状よりも画質に優れた画像を形成できる現像ローラを提供することができる。
図(a)は、本発明の現像ローラの一例の、全体の外観を示す斜視図、図(b)は、上記例の現像ローラの端面図である。
上述したように、本発明の現像ローラは、ローラ本体を含み、前記ローラ本体は、当該ローラ本体の外周面を構成する筒状の外層を少なくとも含み、
前記外層は、ゴムとして、当該ゴムの総量100質量部中、20質量部以上、50質量部未満のエピクロルヒドリンゴム、30質量部以下のブタジエンゴム(BR)、およびスチレンブタジエンゴム(SBR)を含み、かつクロロプレンゴム(CR)、およびアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を除く、または前記CR、およびNBRのうちの少なくとも1種を、総量で、前記ゴムの総量100質量部中、20質量部未満の割合で含むとともに、前記ゴムの総量100質量部あたり10質量部未満のカーボンブラックを含むゴム組成物の架橋物からなることを特徴とするものである。
たとえば、特許文献1の実施例では、積層構造の現像ローラのうち外層を、エピクロルヒドリンゴム、CR、NBR、およびカーボンブラックを含むゴム組成物の架橋物によって形成して効果を検証している。
ところが特許文献1に記載のもの等の、従来の外層を備えた現像ローラは、画像形成を繰り返すと、当該現像ローラの回転方向である形成画像の縦方向に沿って、筋状に画像が形成されない画像不良(以下「縦筋不良」と略記する場合がある。)を生じやすい。
従来の外層を備えた現像ローラにおいて、縦筋不良が発生する詳細なメカニズムは明らかではないが、発明者の検討によると、当該外層を上述した本発明の構成とすれば、縦筋不良の発生を確実に抑制することができる。
その理由を、発明者は次のように考えている。
一般にゴム組成物には、良好な加工性を付与したり、外層の機械的強度や耐久性等を向上したり、外層にゴムとしての良好な特性、すなわち柔軟で、しかも圧縮永久ひずみが小さくヘタリを生じにくい特性を付与したりするために、ジエン系ゴムが配合される。
またジエン系ゴムは、紫外線照射によって酸化されて、外層の表面、すなわちローラ本体の外周面に酸化膜を形成する材料ともなる。
そのため、外層にイオン導電性を付与するために機能するエピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ゴムとともに、ジエン系ゴムを併用することにより、良好なイオン導電性を有する上、上述した各特性にも優れた外層を形成することができる。
しかし発明者の検討によると、とくにジエン系ゴムとして、特許文献1に記載されたCR、NBR等の極性ジエン系ゴムを用いた場合には、画像形成を繰り返した際に縦筋不良を生じやすい傾向がある。
また、カーボンブラックの割合が多いほど、縦筋不良を生じやすい傾向がある。
縦筋不良の発生を抑制するためには、ジエン系ゴムとして非極性ジエン系ゴムを用いて、極性ジエン系ゴムであるCRおよび/またはNBRは配合しない(除く)か、配合する場合はその割合を、ゴムの総量100質量部中の20質量部未満とする必要がある。
すなわち、CRを単独で使用する場合は当該CRの割合を、NBRを単独で使用する場合は当該NBRの割合を、さらにCRとNBRを併用する場合は両者の合計の割合を、それぞれ上記の範囲とすることにより、縦筋不良を生じにくくすることができる。
またカーボンブラックの割合を、ゴムの総量100質量部あたり10質量部未満とすることで、縦筋不良を生じにくくすることができる。
非極性ジエン系ゴムとしては、たとえば、SBR、BR、イソプレンゴム(IR)等が挙げられる。
また、ゴム組成物からなる外層の表面、すなわちローラ本体の外周面を所定の表面状態に仕上げるために、現行の工程では、湿式研磨を含む研磨工程を経るのが一般的である。
しかし、非極性ジエン系ゴムのうちIRは、研磨しても外周面が粗くなって、所定の表面状態に仕上げるのが難しい。
これに対しSBRは、IRに比べて研磨しやすいため、外層の外周面を、短時間の研磨によって効率よく、所定の表面状態に仕上げることができる。
ただし、非極性ジエン系ゴムとしてSBRのみを用いた場合には、縦筋不良を生じやすくなる。
これに対し、SBRとともにBRを併用すると縦筋不良を生じにくくすることができるが、BRの割合が多すぎる場合には、却って縦筋不良を生じやすくなる。
縦筋不良の発生を抑制するためには、BRの割合は、ゴムの総量100質量部中の30質量部以下とする必要がある。
すなわち、非極性ジエン系ゴムとしては、IRを配合せず(除く)、かつSBRとBRとを併用するとともに、BRの割合を、ゴムの総量100質量部中の30質量部以下とすることにより、縦筋不良を生じにくくすることができる。
さらに、ゴムの総量100質量部中のエピクロルヒドリンゴムの割合が20質量部未満であるか、あるいは50質量部以上である場合には、このいずれにおいても、縦筋不良を生じやすくなる。
またエピクロルヒドリンゴムの割合が、ゴムの総量100質量部中の20質量部未満、または50質量部以上では、外層の抵抗値を、当該外層として適した範囲に調整できない場合もある。
さらに、エピクロルヒドリンゴムの割合が、ゴムの総量100質量部中の50質量部以上では、相対的にジエン系ゴムの割合が不足して、前述した、ジエン系ゴムを併用することによる種々の効果が得られない場合もある。
縦筋不良の発生を抑制し、かつ外層の抵抗値を好適な範囲に維持しながら、ジエン系ゴムを併用することによる効果を良好に発現させるためには、エピクロルヒドリンゴムの割合は、ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部未満とする必要がある。
これらのことは、後述する実施例、比較例の結果からも明らかである。
なお特許文献1には、外層のもとになるゴム組成物を構成するジエン系ゴムとしてBR、SBRも例示されている。
しかし、ゴムを上記本発明の組み合わせで組み合わせるとともに、各ゴムおよびカーボンブラックの割合を上記の範囲とした実施例は、特許文献1には記載されていない。
また、かかる構成とすることで縦筋不良の発生を抑制できることについても、特許文献1には記載されていない。
図1(a)は、本発明の現像ローラの一例の、全体の外観を示す斜視図、図1(b)は、上記例の現像ローラの端面図である。
図1(a)(b)を参照して、この例の現像ローラ1は、弾性材料からなる筒状の内層2の外周面3に、直接に、上記ゴム組成物の架橋物からなる外層4が積層された、2層構造のローラ本体5を備えている。
内層2の中心の通孔6には、シャフト7が挿通されて固定されている。
シャフト7は、良導電性の材料、たとえば、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属などによって一体に形成されている。
シャフト7は、たとえば、導電性を有する接着剤を介してローラ本体5と電気的に接合され、かつ機械的に固定されるか、あるいは通孔6の内径よりも外径の大きいものを通孔6に圧入することで、ローラ本体5と電気的に接合され、かつ機械的に固定される。
また、この両法を併用して、シャフト7を、ローラ本体5と電気的に接合し、かつ機械的に固定してもよい。
外層4の表面、すなわちローラ本体5の外周面8には、両図中に拡大して示すように、酸化膜9が形成されている。
酸化膜9を形成することにより、当該酸化膜9を誘電層として機能させて、現像ローラ1の誘電正接を低減することができ、また酸化膜9を低摩擦層として機能させて、トナーの付着を良好に抑制することもできる。
しかも酸化膜9は、たとえば、外周面8に紫外線を照射する等して、外周面8の近傍のゴムを酸化させるだけで簡単に形成できるため、現像ローラ1の生産性が低下したり、製造コストが高くついたりするのを抑制することもできる。
ただし、酸化膜9は省略してもよい。
内層2、外層4は、それぞれの構造を簡略化し、かつ耐久性等を向上するため、いずれも非多孔質の単層に形成するのが好ましい。
なお内層2、外層4の「単層」とは、弾性材料からなる層の数が単層であることを指し、ローラ本体5の「2層」も、内層2と外層4の、ともに弾性材料からなる層の数が2層であることを指す。
このいずれの場合も、紫外線の照射等によって形成される酸化膜9等は、層数に含まないこととする。
《外層4用のゴム組成物》
外層4用のゴム組成物としては、前述したように、エピクロルヒドリンゴム、BR、およびSBRを含み、なおかつCR、NBRを除く、または所定の割合で含むとともに、カーボンブラックを所定の割合で含むゴム組成物を用いる。
〈エピクロルヒドリンゴム〉
エピクロルヒドリンゴムは、前述したように、外層4にイオン導電性を付与するために機能する。
エピクロルヒドリンゴムとしては、たとえば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン-プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン-アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン-プロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル四元共重合体等が挙げられる。
中でも、エチレンオキサイドを含む共重合体、とくにECOおよび/またはGECOが好ましい。
ECOおよび/またはGECOにおけるエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、とくに50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは、外層4の抵抗値を下げる働きをする。
しかし、エチレンオキサイド含量がこの範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、外層4の抵抗値を十分に低下できない場合がある。
一方、エチレンオキサイド含量が上記の範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり、分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、却って外層4の抵抗値が上昇する傾向がある。
また、架橋後の外層4が硬くなりすぎたり、架橋前のゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇して、当該ゴム組成物の加工性が低下したりする場合もある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量の残量である。
すなわち、エピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、とくに50モル%以下であるのが好ましい。
また、GECOにおけるアリルグリシジルエーテル含量は0.5モル%以上、とくに2モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下、とくに5モル%以下であるのが好ましい。
アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として、自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、外層4の抵抗値を低下させる働きをする。
しかし、アリルグリシジルエーテル含量がこの範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、外層4の抵抗値を十分に低下できない場合がある。
一方、アリルグリシジルエーテルは、GECOの架橋時に架橋点として機能する。
そのため、アリルグリシジルエーテル含量が上記の範囲を超える場合には、GECOの架橋密度が高くなりすぎることによって分子鎖のセグメント運動が妨げられて、却って外層4の抵抗値が上昇する傾向がある。
GECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。
すなわち、エピクロルヒドリン含量は10モル%以上、とくに19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、とくに60モル%以下であるのが好ましい。
なおGECOとしては、先に説明した3種の単量体を共重合させた、狭義の意味での共重合体の他に、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られている。
本発明では、このいずれのGECOを用いることもできる。
エピクロルヒドリンゴムとしては、とくにGECOが好ましい。
GECOは、アリルグリシジルエーテルに起因して、主鎖中に、架橋点として機能する二重結合を有するため、主鎖間での架橋によって、架橋後の圧縮永久ひずみを小さくすることができる。
そのため外層4を、圧縮永久ひずみが小さく、ヘタリを生じにくいものとすることができる。
これらエピクロルヒドリンゴムの1種または2種以上を用いることができる。
〈非極性ジエン系ゴム〉
非極性ジエン系ゴムとしては、前述したようにSBRとBRとを併用する。
IRを含むその他の非極性ジエン系ゴムは、基本的には含まない(除く)ことが好ましい。
(SBR)
非極性ジエン系ゴムのうちSBRとしては、スチレンと1,3-ブタジエンとを、乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成され、架橋性を有する種々のSBRが、いずれも使用可能である。
またSBRとしては、スチレン含量によって分類される高スチレンタイプ、中スチレンタイプ、および低スチレンタイプのSBRがあるが、このいずれも使用可能である。
とくに、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が60以下であるSBRが好ましい。
さらにSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、感光体等の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのSBRを用いるのが好ましい。
これらSBRの1種または2種以上を用いることができる。
(BR)
BRとしては、分子中にポリブタジエン構造を備え、架橋性を有する種々のBRが、いずれも使用可能である。
とくに、低温から高温までの広い温度範囲でゴムとしての良好な特性を発現しうる、シス-1,4結合の含量が95%以上の高シスBRが好ましい。
またBRとしては、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が50以上であるBRが好ましい。
現像ローラ1を用いた現像では、画像形成装置の、トナーを収容した現像部内に現像ローラ1を設け、当該現像ローラ1の、ローラ本体5の外周面8に量規制ブレード(帯電ブレード)の先端部を接触させた状態で、現像ローラ1を回転させる。
そうすると現像部内のトナーが帯電されて、ローラ本体5の外周面8に付着されるとともに、付着されたトナーが、外周面8と量規制ブレードの先端部とのニップ部を通過する際に付着量が規制されて、当該外周面8に、厚みがほぼ一定のトナー層が形成される。
また、並行して感光体の表面には、一様に帯電させたのち露光することで静電潜像が形成される。
次いで、この状態で現像ローラ1をさらに回転させて、トナー層を、感光体の表面の近傍に搬送すると、トナー層を形成するトナーが、感光体の表面に形成された静電潜像に応じて選択的に感光体の表面に移動して、静電潜像がトナー像に現像される。
現像ローラ1のローラ本体5の、軸方向の端部は、ローラ本体5の外周面8に付着させたトナーが現像部外へ漏出するのを防止するために、シール部材によってシールされるのが一般的である。
シール部材は、たとえば、フェルト等によって形成され、現像部の筐体等に固定された状態で、回転する現像ローラ1の、ローラ本体5の外周面8の、軸方向の端部に摺接される。
しかし、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が50未満であるBRを使用した場合には、ローラ本体5の外周面8を形成する外層4の耐摩耗性が不足する傾向がある。
そして、とくにシール部材が摺接される外周面8の端部が摩耗して、シール部材との間に隙間を生じやすくなる場合がある。
外周面8の摩耗によって隙間を生じると、シール部材によってシールされたはずの端部からトナーが漏れやすくなり、漏れたトナーや、あるいは外層4が摩耗して発生した摩耗粉などが、画像形成装置の内部や形成画像の汚れの原因となることがある。
これに対し、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が50以上であるBRを選択して用いることにより、外層4の耐摩耗性を向上し、摩耗によるトナーの漏れや摩耗粉を生じにくくして、画像形成装置の内部や形成画像が汚れるのを抑制することができる。
なお、BRのムーニー粘度ML1+4(100℃)は、外層4用のゴム組成物の加工性が低下するのを抑制して、良好な加工性を維持することを考慮すると、上記の範囲でも80以下、とくに75以下であるのが好ましい。
さらにBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのBRを用いるのが好ましい。
これらBRの1種または2種以上を用いることができる。
〈極性ジエン系ゴム〉
極性ジエン系ゴムは、縦筋不良の発生を抑制するため多量に配合することはできないが、前述した少量の配合では、外層4の抵抗値を微調整するために機能する。
極性ジエン系ゴムとしては、前述したようにCRおよび/またはNBRを用いる。
その他の極性ジエン系ゴムは、基本的には含まない(除く)ことが好ましい。
(CR)
CRは、クロロプレンを乳化重合させて合成されるもので、その際に用いる分子量調整剤の種類によって、硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプとに分類される。
このうち硫黄変性タイプのCRは、クロロプレンと、分子量調整剤としての硫黄とを共重合させたポリマを、チウラムジスルフィド等で可塑化して所定の粘度に調整することで合成される。
また非硫黄変性タイプのCRは、たとえば、メルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ等に分類される。
このうち、メルカプタン変性タイプのCRは、n-ドデシルメルカプタン、tert-ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調整剤として用いること以外は、硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
また、キサントゲン変性タイプのCRは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調整剤として用いること以外は、やはり硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
またCRは、その結晶化速度に基づいて、結晶化速度が遅いタイプ、中庸であるタイプ、および速いタイプに分類される。
本発明においては、いずれのタイプのCRを用いてもよいが、中でも非硫黄変性タイプで、かつ結晶化速度が遅いタイプのCRが好ましい。
またCRとしては、クロロプレンと他の共重合成分との共重合体を用いてもよい。
他の共重合成分としては、たとえば、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、およびメタクリル酸エステル等の1種または2種以上が挙げられる。
さらにCRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのCRを用いるのが好ましい。
これらCRの1種または2種以上を用いることができる。
(NBR)
極性ジエン系ゴムのうちNBRとしては、アクリロニトリル含量が24%以下である低ニトリルNBR、25~30%である中ニトリルNBR、31~35%である中高ニトリルNBR、36~42%である高ニトリルNBR、43%以上である極高ニトリルNBRが、いずれも使用可能である。
またNBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体等の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのNBRを用いるのが好ましい。
これらNBRの1種または2種以上を用いることができる。
〈他のゴム〉
外層4用のゴム組成物を構成するゴムとしては上記5種、CRまたはNBRを除く4種、もしくはCRとNBRをともに除く3種(それぞれのゴムについて、2種以上を併用する場合を含む。以下同様。)のみを用いてもよいし、さらに他のゴムを配合してもよい。
他のゴムとしては、液状イソプレンゴム(LIR)が挙げられる。
(LIR)
カーボンブラックを、前述した範囲で少量しか配合しないゴム組成物は加工性が低下する傾向がある。
そして当該ゴム組成物を、たとえば、外層4のもとになる筒状に押出成形等した際には、押出成形された筒状体の押出肌が荒れて、当該筒状体の外周面、つまりローラ本体5の外周面8や、通孔の内周面に凹凸を生じる場合がある。
凹凸を生じた外周面8を、たとえば、所定の表面状態に仕上げるために研磨等しても、凹凸の痕跡が残って、形成画像の画像不良等の原因となる場合がある。
また内周面に凹凸を生じると、内層2との接着不良等を生じたりする原因ともなる。
これに対しLIRは、架橋前は低分子量で、ゴム組成物の加工助剤として機能するため、LIRを配合することにより、ゴム組成物の加工性を向上して、外層4の外周面であるローラ本体5の外周面8に凹凸が生じるのを抑制することができる。
しかもLIRは、ゴム組成物を外層4の形状に成形して架橋させる際に、ゴムと架橋反応して架橋物中に取り込まれるため、ローラ本体5の外周面8にブリードして感光体等の汚染の原因ともなりにくい。
LIRとしては、架橋前に室温で液状を呈し、かつ架橋性を有する各種のLIRが、いずれも使用可能である。
とくにLIRとしては、数平均分子量Mnが28000以上、58000以下であるものを用いるのが好ましい。
数平均分子量Mnがこの範囲未満であるLIRは粘度が低すぎて、エピクロルヒドリンゴムおよび非極性ジエン系ゴムと混練しにくい傾向がある。
そのため、LIRを加工助剤として機能させてゴム組成物の加工性を改善する効果が、十分に得られない場合がある。
また、架橋後も比較的低分子量の状態でローラ本体中に残留するLIRの量が増加し、当該LIRがローラ本体5の外周面8にブリードして、感光体の汚染の原因となる場合もある。
一方、数平均分子量Mnが上記の範囲を超えるものは粘度が高すぎて、室温ではもはや液状とは言い難い状態を呈するため、LIRを加工助剤として機能させてゴム組成物の加工性を改善する効果が十分に得られない場合がある。
これに対し、数平均分子量Mnが上記の範囲にあるLIRを選択して用いることによって、ブリードによる感光体の汚染等を抑制しながら、ゴム組成物の加工性をさらに改善することができる。
これらLIRの1種または2種以上を用いることができる。
ただし、LIRは配合しない(除く)場合もあり得る。
なお、LIRは非極性ジエン系ゴムに分類されるが、本発明では、加工助剤としての機能を重視して、他の非極性ジエン系ゴム、つまりSBR、BRとは別に記載した。
〈ゴムの割合〉
先に説明したように、エピクロルヒドリンゴムの割合は、ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部未満、BRの割合は、ゴムの総量100質量部中の30質量部以下に限定される。
またCRとNBRは全く配合しない(除く)か、あるいは配合するとしてもCRおよび/またはNBRの総量が、ゴムの総量100質量部中の20質量部未満に限定される。
詳しくは、CRを単独で使用する場合は当該CRの割合が、NBRを単独で使用する場合は当該NBRの割合が、さらにCRとNBRを併用する場合は両者の合計の割合が、それぞれゴムの総量100質量部中の20質量部未満に限定される。
これらの理由は、先に説明したとおりである。
なお、先に説明した効果をより一層向上することを考慮すると、エピクロルヒドリンゴムの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部中の45質量部以下、とくに40質量部以下であるのが好ましい。
またBRの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部中の5質量部以上、とくに15質量部以上であるのが好ましい。
BRの割合がこの範囲未満では、外層4の耐摩耗性が不足して、とくにシール部材が摺接されるローラ本体5の外周面8の端部が摩耗しやすくなる傾向がある。
そして、摩耗によってシール部材との間に隙間を生じてトナーが漏れたり、あるいは外周面8を形成する外層4が摩耗して摩耗粉が発生したりして、画像形成装置の内部や形成画像の汚れの原因となることがある。
これに対し、BRの割合を上記の範囲とすることで外層4の耐摩耗性を向上し、摩耗によるトナーの漏れや摩耗粉を生じにくくして、画像形成装置の内部や形成画像が汚れるのを抑制することができる。
かかる効果は、とくに前述したように、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が50以上であるBRを選択して用いた際に有効である。
CRおよび/またはNBRを配合する場合、その総量は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部中の1質量部以上、とくに2.5質量部以上であるのが好ましい。
またLIRを配合する場合、その割合は、ゴムの総量100質量部中の5質量部以上、とくに7質量部以上であるのが好ましく、15質量部以下、とくに12質量部以下であるのが好ましい。
LIRの割合をこの範囲とすることにより、架橋後も比較的低分子量の状態でローラ本体中に残留するLIRの量が増加するのを抑制しながら、架橋前のゴム組成物の加工性を向上することができる。
ただし、前述したようにLIRは配合しない(除く)場合もあり得る。
SBRの割合は、上記各ゴムの残量である。
すなわち、エピクロルヒドリンゴム、BR、CR、NBR、LIRの割合を、それぞれ上記所定の範囲に設定し、さらにSBRを加えたゴムの総量が100質量部となるように、当該SBRの割合を設定すればよい。
〈カーボンブラック〉
カーボンブラックとしては、とくにヨウ素吸着量が40mg/g以下のカーボンブラックを用いるのが好ましい。
ヨウ素吸着量が40mg/gを超える、比表面積の大きいカーボンブラックは、ごく少量の配合でも、縦筋不良の原因となるためである。
ヨウ素吸着量が40mg/g以下のカーボンブラックとしては、たとえば、旭カーボン(株)製の旭#60U〔ヨウ素吸着量:40mg/g〕、旭#55〔ヨウ素吸着量:25mg/g〕、旭#50HG〔ヨウ素吸着量:20mg/g〕、旭#52〔ヨウ素吸着量:19mg/g〕、旭#51〔ヨウ素吸着量:17mg/g〕、旭#50U〔ヨウ素吸着量:26mg/g〕、旭#50〔ヨウ素吸着量:23mg/g〕、旭#35〔ヨウ素吸着量:23mg/g〕、旭#22K〔ヨウ素吸着量:19mg/g〕、旭#15HS〔ヨウ素吸着量:13mg/g〕、旭#15〔ヨウ素吸着量:11mg/g〕、旭#8〔ヨウ素吸着量:12mg/g〕、アサヒサーマル〔ヨウ素吸着量:27mg/g〕等が挙げられる。
これらカーボンブラックの1種または2種以上を用いることができる。
カーボンブラックの割合は、前述したように、ゴムの総量100質量部あたり10質量部未満に限定される。
この理由は、先に説明したとおりである。
すなわち、カーボンブラックを上記の範囲で配合することにより、縦筋不良を生じにくくすることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、カーボンブラックの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上、とくに0.5質量部以上であるのが好ましく、8質量部以下、とくに5質量部以下であるのが好ましい。
なお、カーボンブラックの割合を上記の範囲とした外層4用のゴム組成物を、たとえば、標準的なカーボンブラック量の、内層2用のゴム組成物と組み合わせれば、色の濃さの違いによって両組成物の視認性を向上できる。
そのため、たとえば共押出成形時の調整等を容易化できるという利点もある。
〈架橋成分〉
外層4用のゴム組成物には、ゴムを架橋させるための架橋成分を配合する。
架橋成分としては、ゴムを架橋させるための架橋剤と、当該架橋剤によるゴムの架橋を促進するための架橋促進剤とを併用するのが好ましい。
このうち架橋剤としては、たとえば硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等が挙げられ、とくに硫黄系架橋剤が好ましい。
(硫黄系架橋剤)
硫黄系架橋剤としては、たとえば、粉末硫黄、オイル処理粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、分散性硫黄等の硫黄や、あるいはテトラメチルチウラムジスルフィド、N,N-ジチオビスモルホリン等の有機含硫黄化合物などが挙げられ、とくに硫黄が好ましい。
硫黄の割合は、外層4にゴムとしての良好な特性を付与すること等を考慮すると、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
なお、たとえば、硫黄としてオイル処理粉末硫黄、分散性硫黄等を使用する場合、上記の割合は、それぞれの中に含まれる有効成分としての硫黄自体の割合とする。
また、架橋剤として有機含硫黄化合物を使用する場合、その割合は、分子中に含まれる硫黄の、ゴムの総量100質量部あたりの割合が上記の範囲となるように調整するのが好ましい。
(架橋促進剤)
ゴムの架橋を促進するための架橋促進剤としては、たとえば、チアゾール系促進剤、チウラム系促進剤、チオウレア系促進剤、グアニジン系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちチアゾール系促進剤、チウラム系促進剤、チオウレア系促進剤、およびグアニジン系促進剤を併用するのが好ましい。
チアゾール系促進剤としては、たとえば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、2-メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2-(4′-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の1種または2種以上が挙げられ、とくにジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。
チウラム系促進剤としては、たとえば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の1種または2種以上が挙げられ、とくにテトラメチルチウラムモノスルフィドが好ましい。
チオウレア系促進剤としては、分子中にチオウレア構造を有する種々のチオウレア化合物が使用可能である。
チオウレア系促進剤としては、たとえば、エチレンチオウレア、N,N′-ジフェニル
チオウレア、トリメチルチオウレア、式(1):
(C2n+1NH)C=S (1)
〔式中、nは1~12の整数を示す。〕で表されるチオウレア、テトラメチルチオウレア等の1種または2種以上が挙げられ、とくにエチレンチオウレアが好ましい。
グアニジン系促進剤としては、たとえば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ
-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド等の1種または2種以上が挙げられ、とくに1,3-ジ-o-トリルグアニジンが好ましい。
上記4種の併用系において、ゴムの架橋を促進する効果を十分に発現させること等を考慮すると、チアゾール系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
またチウラム系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
チオウレア系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
さらにグアニジン系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
なおチオウレア系促進剤は、硫黄架橋性を有しないECOの架橋剤、グアニジン系促進剤は、チオウレア系促進剤によるECOの架橋の促進剤としても機能する。
〈イオン導電剤〉
外層4用のゴム組成物には、さらにイオン導電剤を配合してもよい。
イオン導電剤を配合することにより、ゴム組成物のイオン導電性をさらに向上して、外層4自体の抵抗値を、より一層低下させることができる。
イオン導電剤としては、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと、陽イオンとの塩(イオン塩)が好ましい。
イオン塩を構成する、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンとしては、たとえば、フルオロアルキルスルホン酸イオン、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドイオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドイオン等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちフルオロアルキルスルホン酸イオンとしては、たとえば、CFSO 、CSO 等の1種または2種以上が挙げられる。
またビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドイオンとしては、たとえば、(CFSO)、(CSO)、(CSO)(CFSO)N、(FSO)(CFSO)N、(C17SO)(CFSO)N、(CFCHOSO)、(CFCFCHOSO)、(HCFCFCHOSO)、[(CF)CHOSO]等の1種または2種以上が挙げられる。
さらにトリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドイオンとしては、たとえば、(C
SO)、(CFCHOSO)等の1種または2種以上が挙げられる。
また陽イオンとしては、たとえば、ナトリウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の第2族元素のイオン、遷移元素のイオン、両性元素の陽イオン、第4級アンモニウムイオン、イミダゾリウム陽イオン等の1種または2種以上が挙げられる。
イオン塩としては、とくに陽イオンとしてリチウムイオンを用いたリチウム塩、またはカリウムイオンを用いたカリウム塩が好ましい。
中でも、ゴム組成物のイオン導電性を向上して外層4の抵抗値を低下させる効果の点で、(CFSO)NLi〔リチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〕、および/または(CFSO)NK〔カリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〕が好ましい。
イオン塩等のイオン導電剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
〈その他〉
外層4用のゴム組成物には、さらに必要に応じて、各種の添加剤を配合してもよい。
添加剤としては、たとえば、架橋促進助剤、受酸剤、可塑剤、加工助剤等が挙げられる。
このうち架橋促進助剤としては、たとえば、酸化亜鉛(亜鉛華)等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸その他、従来公知の架橋促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
架橋促進助剤の割合は、個別に、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
受酸剤は、架橋時にエピクロルヒドリンゴムやCRから発生する塩素系ガスの、外層4内への残留と、それによる架橋阻害や感光体の汚染等を防止するために機能する。
受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、中でも分散性に優れたハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、とくにハイドロタルサイト類が好ましい。
また、ハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用すると、より高い受酸効果を得ることができ、感光体の汚染をより一層確実に防止できる。
受酸剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
可塑剤としては、たとえば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられ、加工助剤としては、たとえば、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩などが挙げられる。
可塑剤および/または加工助剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり3質量部以下であるのが好ましい。
また添加剤としては、さらにカーボンブラック以外の他の充填剤、劣化防止剤、スコーチ防止剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等の各種添加剤を、任意の割合で配合してもよい。
カーボンブラック以外の他の充填剤としては、たとえば、酸化亜鉛、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
〈ゴム組成物の調製〉
以上で説明した各成分を含む、外層4用のゴム組成物は、従来同様に調製することができる。
まずゴムを素練りし、次いで、架橋成分以外の各成分を加えて混練した後、最後に架橋成分を加えて混練することで、外層4用のゴム組成物が得られる。
混練には、たとえば、ニーダ、バンバリミキサ、押出機等を用いることができる。
《内層2用のゴム組成物》
内層2は、種々の弾性材料によって形成することができる。
とくに内層2は、エピクロルヒドリンゴム、およびジエン系ゴムを含むゴム組成物の架橋物によって形成するのが好ましい。
〈エピクロルヒドリンゴム〉
エピクロルヒドリンゴムとしては、外層4で使用するのと同様のエピクロルヒドリンゴムの1種または2種以上を用いることができる。
中でもECOおよび/またはGECOが好ましく、とくにGECOが好ましい。
その理由は、外層4の場合と同様である。
すなわち、エピクロルヒドリンゴムとしてGECOを用いることで、内層2を、圧縮永久ひずみが小さく、ヘタリを生じにくいものとすることができる。
〈ジエン系ゴム〉
ジエン系ゴムは、ゴム組成物に良好な加工性を付与したり、内層2の機械的強度や耐久性等を向上したり、あるいは内層2にゴムとしての良好な特性を付与したりするために機能する。
ジエン系ゴムとしては、たとえば、天然ゴム、IR、NBR、SBR、BR、CR等が挙げられる。
中でも、ジエン系ゴムとしては非極性ジエン系ゴム、具体的にはIR、BR、およびSBRの3種のうちの少なくとも1種、とくにIRとBRの2種を併用するのが好ましい。
IRとしては、天然ゴムの構造を人工的に再現したポリイソプレン構造を有し、かつ架橋性を有する上、架橋前に室温で固形状を呈する種々のIRが、いずれも使用可能である。
またIRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのIRを用いるのが好ましい。
これらIRの1種または2種以上を用いることができる。
BRとしては、外層4で使用するのと同様のBRの1種または2種以上を用いることができる。
またジエン系ゴムとしては、さらにCRを配合してもよい。
CRは、前述したように極性ジエン系ゴムであって、内層2自体の抵抗値を微調整するために機能する。
CRとしては、外層4で使用するのと同様のCRの1種または2種以上を用いることができる。
(ゴムの割合)
ゴムの割合は、内層2に求められる、抵抗値や柔軟性等の各種の特性に応じて、任意に設定することができる。
たとえば、エピクロルヒドリンゴムの割合は、ゴムの総量100質量部中の12質量部以上であるのが好ましく、20質量部以下であるのが好ましい。
またCRの割合は、ゴムの総量100質量部中の5質量部以上であるのが好ましく、12質量部以下であるのが好ましい。
非極性ジエン系ゴムの割合は、エピクロルヒドリンゴム、もしくはエピクロルヒドリンゴムとCRの残量である。
すなわちエピクロルヒドリンゴム、またはエピクロルヒドリンゴムとCRの割合をそれぞれ前述した範囲内の所定値に設定した際にゴムの総量が100質量部となるように、非極性ジエン系ゴムの割合を設定すればよい。
〈架橋成分〉
架橋成分としては、外層4で使用するのと同様の架橋剤、架橋促進剤を組み合わせて用いるのが好ましい。
すなわち、架橋剤としては硫黄系架橋剤、とくに硫黄が好ましく、当該硫黄系架橋剤と組み合わせる架橋促進剤としては、チアゾール系促進剤、チウラム系促進剤、チオウレア系促進剤、およびグアニジン系促進剤の4種を併用するのが好ましい。
硫黄系架橋剤、および4種の架橋促進剤の割合も、外層4の場合と同程度とするのが好ましい。
〈イオン導電剤〉
内層2用のゴム組成物には、さらにイオン導電剤を配合してもよい。
イオン導電剤を配合することにより、ゴム組成物のイオン導電性をさらに向上して、内層2自体の抵抗値を、より一層低下させることができる。
イオン導電剤としては、外層4で使用するのと同様の、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと、陽イオンとの塩(イオン塩)が好ましい。
イオン導電剤の割合も、外層4の場合と同程度とするのが好ましい。
〈その他〉
内層2用のゴム組成物には、さらに必要に応じて、各種の添加剤を配合してもよい。
添加剤としては、外層4で使用するのと同様の添加剤、たとえば、架橋促進助剤、受酸剤、充填剤、可塑剤、加工助剤、劣化防止剤、劣化防止剤、スコーチ防止剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等が挙げられる。
充填剤としては、たとえば、酸化亜鉛、カーボンブラック、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
またカーボンブラックとしては、導電性カーボンブラックを用いることもできる。
導電性カーボンブラックを用いることで、内層2に電子導電性を付与することができる。
導電性カーボンブラックとしては、たとえば、アセチレンブラック等が挙げられる。
導電性カーボンブラックの割合は、ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、12質量部以下であるのが好ましい。
〈ゴム組成物の調製〉
以上で説明した各成分を含む、内層2用のゴム組成物は、従来同様に調製することができる。
すなわち、まずゴムを素練りし、次いで架橋成分以外の各成分を加えて混練した後、最後に架橋成分を加えて混練することで、内層2用のゴム組成物が得られる。
混練には、たとえば、ニーダ、バンバリミキサ、押出機等を用いることができる。
《現像ローラ1の製造》
上記内層2用、および外層4用のゴム組成物を用いて、図1(a)(b)に示す現像ローラ1を製造するには、たとえば、両ゴム組成物を2層押出機に供給して、積層された2層構造の筒状に共押出成形したのち、全体を架橋させて内層2と外層4を形成する。
あるいは、内層2用のゴム組成物を筒状に押出成形し、架橋させて内層2を形成し、次いでその外周面3に、外層4用のゴム組成物のシートを巻き付けて、プレス成形等によって筒状に成形し、架橋させるとともに、内層2と一体化させて外層4を形成する。
次いで、上記いずれかの工程を経て形成した内層2と外層4の積層体を、オーブン等を用いて加熱して二次架橋させ、冷却したのち所定の外径となるように研磨すると、上記積層体からなるローラ本体5が形成される。
内層2の厚みは、組み込む画像形成装置の構造や寸法等に応じて、任意に設定することができる。
また、外層4の厚みも任意に設定できるものの、0.1mm以上であるのが好ましく、2mm以下であるのが好ましい。
研磨方法としては、たとえば、乾式トラバース研磨等の種々の研磨方法が採用可能であり、研磨工程の最後に鏡面研磨をして仕上げてもよい。
その場合は、外周面8の離型性を向上して、酸化膜9を形成せずに、あるいは酸化膜9を形成することとの相乗効果によって、トナーの付着をより一層良好に抑制することができる上、感光体等の汚染を有効に防止することもできる。
シャフト7は、ローラ本体5のもとになる筒状体の形成後から研磨後までの任意の時点で、通孔6に挿通して固定できる。
ただし筒状体の形成後、まず通孔6にシャフト7を挿通した状態で二次架橋、および研磨をするのが好ましい。これにより、二次架橋時の膨張収縮によるローラ本体5の反りや変形を抑制できる。
また、シャフト7を中心として回転させながら研磨することで当該研磨の作業性を向上し、なおかつ外周面8のフレを抑制できる。
シャフト7は、先に説明したように、導電性を有する接着剤、特に導電性の熱硬化性接着剤を介して二次架橋前の筒状体の通孔6に挿通したのち二次架橋させるか、あるいは通孔6の内径より外径の大きいものを通孔6に圧入すればよい。
前者の場合は、オーブン中での加熱によって筒状体が二次架橋されるのと同時に熱硬化性接着剤が硬化して、当該シャフト7がローラ本体5に電気的に接合されるとともに機械的に固定される。
また後者の場合は、圧入と同時に電気的な接合と機械的な固定が完了する。
また前述したように、この両法を併用して、シャフト7を、ローラ本体5と電気的に接合し、かつ機械的に固定してもよい。
酸化膜9は、先に説明したように、外層4の表面であるローラ本体5の外周面8に紫外線を照射して形成するのが好ましい。
すなわち、ローラ本体5の外周面8に所定波長の紫外線を所定時間照射して、当該外周面8の近傍を構成するゴムを酸化させるだけで酸化膜9を形成できるため、簡単で効率的である。
しかも、紫外線の照射によって形成される酸化膜9は、たとえば、従来の、塗剤を塗布して形成されるコーティング膜のような問題を生じることがない上、厚みの均一性やローラ本体5との密着性等にも優れている。
照射する紫外線の波長は、外層4用のゴム組成物中のジエン系ゴムを効率よく酸化させて、前述した機能に優れた酸化膜9を形成することを考慮すると、100nm以上であるのが好ましく、400nm以下、とくに300nm以下であるのが好ましい。
また照射の時間は30秒間以上、とくに1分間以上であるのが好ましく、30分間以下、とくに20分間以下であるのが好ましい。
ただし、酸化膜9は他の方法で形成してもよいし、場合によっては形成しなくてもよい。
内層2と外層4の間には、任意の中間層を、1層または2層以上介在させてもよい。
さらに言えば、ローラ本体5は、前述したゴム組成物の架橋物からなる外層4を少なくとも備えていれば、その他の構成はとくに限定されない。
しかし、ローラ本体5の構造を簡略化することを考慮すると、当該ローラ本体5は、図1(a)(b)に示すように、内層2と外層4を直接に積層した2層構造とするのが好ましい。
本発明の現像ローラ1は、たとえば、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機等の、電子写真法を利用した各種の画像形成装置に組み込んで用いることができる。
以下に、本発明を、実施例、参考例、比較例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、必
ずしもこれらの例に限定されるものではない。
参考例1
(内層2用のゴム組成物)
ゴムとしては、GECO〔(株)大阪ソーダ製のエピオン(登録商標)301L、EO/EP/AGE=73/23/4(モル比)〕15質量部、IR〔日本ゼオン(株)製のNipol(登録商標)IR2200、非油展〕40質量部、BR〔宇部興産(株)製のUBEPOL(登録商標)BR130B、シス-1,4結合含量:96%、ムーニー粘度ML1+4(100℃):29、非油展〕35質量部、およびCR〔昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT、非油展〕10質量部を用いた。
上記ゴムの総量100質量部を、バンバリミキサを用いて素練りしながら、下記の各成分を配合して混練した。
Figure 0007329174000001
表1中の各成分は下記のとおりであり、表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
イオン塩:カリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔三菱マテリアル電子化成(株)製のEF-N112〕
架橋促進助剤:酸化亜鉛2種〔堺化学工業(株)製〕
充填剤:導電性カーボンブラック〔アセチレンブラック、デンカ(株)製のデンカブラック(登録商標)粉状〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT-4A(登録商標)-2〕
加工助剤:ステアリン酸亜鉛〔堺化学工業(株)製のSZ-2000〕
次いで混練を続けながら、下記の架橋成分を配合してさらに混練して、内層2用のゴム組成物を調製した。
Figure 0007329174000002
表2中の各成分は下記のとおりであり、表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
架橋剤:オイル処理粉末硫黄〔鶴見化学工業(株)製の金華印5%油入微粉硫黄〕
促進剤DM:ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM、チアゾール系促進剤〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド〔三新化学工業(株)製のサンセラー(登録商標)TS、チウラム系促進剤〕
促進剤22:エチレンチオウレア〔2-メルカプトイミダゾリン、川口化学工業(株)製のアクセル(登録商標)22-S、チオウレア系促進剤〕
促進剤DT:1,3-ジ-o-トリルグアニジン〔大内新興化学工業(株)製のノクセラーDT、グアニジン系促進剤〕
(外層4用のゴム組成物)
ゴムとしては、GECO〔(株)大阪ソーダ製のエピオン301L、EO/EP/AGE=73/23/4(モル比)〕30質量部、SBR〔JSR(株)製のJSR 1502、非油展〕55質量部、BR〔JSR(株)製のJSR BR01、シス-1,4結合含量:95%、ムーニー粘度ML1+4(100℃):45、非油展〕5質量部、CR〔昭和電工(株)製のショウプレンWRT、非油展〕2.5質量部、およびLIR〔(株)クラレ製のクラプレン(登録商標)LIR-50、数平均分子量Mn:54000〕7.5質量部を用いた。
上記ゴムの総量100質量部を、バンバリミキサを用いて素練りしながら、カーボンブラック〔旭カーボン(株)製の旭#15、ヨウ素吸着量:11mg/g〕0.5質量部と、下記の各成分とを配合して混練した。
Figure 0007329174000003
表3中の各成分は下記のとおりであり、表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
イオン塩:カリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔三菱マテリアル電子化成(株)製のEF-N112〕
架橋促進助剤:酸化亜鉛2種〔堺化学工業(株)製〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT-4A-2〕
加工助剤:ステアリン酸亜鉛〔堺化学工業(株)製のSZ-2000〕
次いで混練を続けながら、下記の架橋成分を配合してさらに混練して、外層4用のゴム組成物を調製した。
Figure 0007329174000004
表4中の各成分は下記のとおりであり、表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
架橋剤:オイル処理粉末硫黄〔鶴見化学工業(株)製の金華印5%油入微粉硫黄〕
促進剤DM:ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM、チアゾール系促進剤〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド〔三新化学工業(株)製のサンセラーTS、チウラム系促進剤〕
促進剤22:エチレンチオウレア〔2-メルカプトイミダゾリン、川口化学工業(株)製のアクセル22-S、チオウレア系促進剤〕
促進剤DT:1,3-ジ-o-トリルグアニジン〔大内新興化学工業(株)製のノクセラーDT、グアニジン系促進剤〕
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
(現像ローラの製造)
内層2用のゴム組成物、および外層4用のゴム組成物を2層押出機に供給して、外径φ16mm、内径φ6.5mmの、2層構造の筒状に押出成形し、架橋用の仮のシャフトに装着して加硫缶内で160℃×1時間架橋させた。
次いで、架橋させた筒状体を、外周面に導電性の熱硬化性接着剤を塗布した外径φ7.5mmの金属製のシャフト7に装着し直して、オーブン中で160℃に加熱してシャフト7に接着させた。
次いで、筒状体の両端を整形するとともに、外周面8を、円筒研磨機を用いてトラバース研磨したのち仕上げとして鏡面研磨して外径φ16.00mm(公差0.05)になるように仕上げて、内層2と外層4の2層構造を有し、シャフト7と一体化されたローラ本体5を形成した。
外層4の厚みは約0.1~2mmであった。
次いで、形成したローラ本体5の外周面8をアルコール拭きしたのち、当該外周面8からUVランプまでの距離が50mmになるように設定して紫外線照射装置〔セン特殊光源(株)製のPL21-200〕にセットした。
そして、シャフトを中心として90°ずつ回転させながら、波長184.9nmと253.7nmの紫外線を15分間ずつ照射することで上記外周面8に酸化膜9を形成して、現像ローラ1を製造した。
〈比較例1〉
SBRおよびCRに代えて、57.5質量部のNBR〔日本ゼオン(株)製のNipol DN401LL、アクリロニトリル含量:18.0%、非油展〕を配合したこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は57.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
〈比較例2〉
CRの量を57.5質量部として、SBRを配合しなかったこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は57.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
〈比較例3〉
SBRの量を37.5質量部とし、CRに代えて、比較例1で使用したのと同じNBR20質量部を配合したこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は20質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
〈比較例4〉
SBRの量を37.5質量部、CRの量を20質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は20質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
参考例2
SBRの量を47.5質量部とし、CRに代えて、比較例1で使用したのと同じNBR10質量部を配合したこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は10質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
参考例3
SBRの量を47.5質量部、CRの量を10質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は10質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
〈比較例5〉
SBRの量を57.5質量部、CRの量を5質量部として、BRを配合しなかったこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は0質量部、CR+NBRの割合は5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
参考例4
SBRの量を47.5質量部、BRの量を10質量部、CRの量を5質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は10質量部、CR+NBRの割合は5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
参考例5
SBRの量を37.5質量部、BRの量を20質量部、CRの量を5質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は20質量部、CR+NBRの割合は5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
参考例6
SBRの量を27.5質量部、BRの量を30質量部、CRの量を5質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は30質量部、CR+NBRの割合は5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
〈比較例6〉
SBRの量を17.5質量部、BRの量を40質量部、CRの量を5質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は40質量部、CR+NBRの割合は5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
参考例7
SBRの量を52.5質量部、CRの量を5質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈比較例7〉
SBRの量を52.5質量部、CRの量を5質量部、カーボンブラックの量を10質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は10質量部であった。
参考例8
SBRの量を65質量部として、CR、NBR、およびLIRを配合しなかったこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は0質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
〈比較例8〉
GECOの量を15質量部、SBRの量を70質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は15質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
参考例9
GECOの量を20質量部、SBRの量を65質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は20質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
参考例10
GECOの量を40質量部、SBRの量を45質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は40質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
〈比較例9〉
GECOの量を50質量部、SBRの量を35質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は50質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
〈実施例
BRとして、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が51である、宇部興産(株)製のUBEPOL BR360L〔シス-1,4結合含量:98%、ムーニー粘度ML1+4(100℃):51、非油展〕20質量部を配合し、SBRの量を40質量部としたこと以外は参考例1と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は20質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は0.5質量部であった。
〈実施例
カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は20質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈比較例10〉
カーボンブラックの量を10質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は20質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は10質量部であった。
〈比較例11〉
BRの量を35質量部、SBRの量を25質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は35質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈比較例12〉
BRの量を40質量部、SBRの量を20質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は40質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈実施例
BRの量を30質量部、SBRの量を30質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は30質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈実施例
BRの量を15質量部、SBRの量を45質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
参考例11
BRの量を10質量部、SBRの量を50質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は10質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
参考例12
BRの量を5質量部、SBRの量を55質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は5質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈比較例13〉
BRを配合せず、SBRの量を60質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は0質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
参考例13
BRとして、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が45である、JSR(株)製のJSR BR01〔シス-1,4結合含量:95%、ムーニー粘度ML1+4(100℃):45、非油展〕15質量部を配合し、SBRの量を45質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
参考例14
BRとして、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が29である、宇部興産(株)製のUBEPOL BR130B〔シス-1,4結合含量:96%、ムーニー粘度ML1+4(100℃):29、非油展〕15質量部を配合し、SBRの量を45質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈実施例
BRとして、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が73である、ランクセス社製のBUNA CB21〔シス-1,4結合含量:96%、ムーニー粘度ML1+4(100℃):73、非油展〕15質量部を配合し、SBRの量を45質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈比較例14〉
SBRに代えて、比較例1で使用したのと同じNBRを45質量部配合し、BRの量を15質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は47.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈比較例15〉
SBRを配合せず、BRの量を15質量部、CRの量を47.5質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は47.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈比較例16〉
比較例1で使用したのと同じNBRを10質量部配合し、BRの量を15質量部、CRの量を10質量部、SBRの量を27.5質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は30質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は20質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈比較例17〉
GECOの量を15質量部、BRの量を15質量部、SBRの量を60質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は15質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈実施例
GECOの量を20質量部、BRの量を15質量部、SBRの量を55質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は20質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈実施例
GECOの量を40質量部、BRの量を15質量部、SBRの量を35質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は40質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
〈比較例18〉
GECOの量を50質量部、BRの量を15質量部、SBRの量を25質量部、カーボンブラックの量を5質量部としたこと以外は実施例と同様にして外層4用のゴム組成物を調製し、現像ローラ1を製造した。
外層4用のゴム組成物における、ゴムの総量100質量部中の、GECOの割合は50質量部、BRの割合は15質量部、CR+NBRの割合は2.5質量部であり、ゴムの総量100質量部あたりのカーボンブラックの割合は5質量部であった。
上記実施例、参考例、比較例で製造した現像ローラ1について、先の実機試験を実施して、縦筋不良の発生の有無を確認した。
また、下記の摩耗試験を実施して、ローラ本体5の外層4の耐摩耗性を評価した。
上記実施例、参考例、比較例で製造した現像ローラ1について、下記の実機試験を実施して、縦筋不良の発生の有無を確認した。
〈実機試験〉
トナーを収容したトナー容器、感光体、および感光体と接触させた現像ローラを備え、レーザープリンタ〔ブラザー工業(株)製のHL-2240D〕の本体に着脱自在とされた新品のカートリッジの、純正の現像ローラに代えて、実施例、参考例、比較例で製造した現像ローラ1を組み込んだ。
次いで上記カートリッジを、上記レーザープリンタに組み込んで、温度23.5℃、相対湿度55%の環境下、普通紙に1%濃度の画像を1枚ずつ間欠的に、3000枚画像形成した。
すなわち、先の画像形成工程が完全に終了した後に一旦停止時間を設けたのち再び1枚の画像を形成する操作を3000枚に亘って繰り返し行った。
そして、3000枚の画像形成に続いて評価画像を1枚画像形成して、縦筋不良の有無を、下記の基準で評価した。
○:縦筋不良は見られなかった。
×:縦筋不良が見られた。
〈摩耗試験〉
実施例、参考例、比較例で製造した現像ローラ1を、実機試験で使用したのと同じカートリッジに組み込み、同じレーザープリンタに装着して、温度23.5℃、相対湿度55%の環境下、普通紙に1%濃度の画像を6000枚連続して画像形成した。
次いで、画像形成後にカートリッジの周辺でトナーの漏れを確認するとともに、カートリッジから現像ローラ1を取り出して、ローラ本体5の外周面8、とくにその軸方向の端部を観察した。
そして下記の基準で、外層4の耐摩耗性を評価した。
◎:外周面8は全く摩耗しておらず、トナーの漏れも見られなかった。
○:外周面8の端部が僅かに摩耗していたが、トナーの漏れは見られなかった。
×:外周面8の端部が大きく摩耗しており、トナーの漏れも見られた。
以上の結果を表5~表10に示す。
Figure 0007329174000005
Figure 0007329174000006
Figure 0007329174000007
Figure 0007329174000008
Figure 0007329174000009
Figure 0007329174000010
表5~表10の、とくに参考例1、4~6および11~12実施例1および3~4ならびに比較例5、6、11、12の結果より、画像形成を繰り返しても縦筋不良が生じるのを抑制するためには、外層を、エピクロルヒドリンゴム、BR、およびSBRを含み、かつBRの割合が、ゴムの総量100質量部中の30質量部以下であるゴム組成物の架橋物によって形成する必要があることが判った。
また参考例1~3および8、実施例1ならびに比較例1~4、14~16の結果より、上記ゴム組成物は、上記の効果を得るために、CRおよび/またはNBRを除く、またはCRおよび/またはNBRを、ゴムの総量100質量部中の20質量部未満の割合で含んでいる必要があることも判った。
また参考例1、9および10、実施例1および6~7ならびに比較例8、9、17、18の結果より、上記ゴム組成物は、上記の効果を得るために、エピクロルヒドリンゴムとしてのGECOを、ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、50質量部未満の割合で含んでいる必要があることも判った。
さらに参考例1および7、実施例1および2ならびに比較例7、10の結果より、上記ゴム組成物は、上記の効果を得るために、カーボンブラックを、ゴムの総量100質量部あたり10質量部未満の割合で含んでいる必要があることも判った。
参考例1および13~14ならびに実施例4および5の結果より、BRとしては、ローラ本体5の外周面8を形成する外層4の耐摩耗性を向上するために、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が50以上であるBRを選択して用いるのが好ましいことが判った。
また参考例1および11~12実施例1および3~4、比較例13の結果より、上記の効果を得るためには、BRの割合が、上述した範囲でも、ゴムの総量100質量部中の5質量部以上、とくに15質量部以上であるのが好ましいことが判った。
また参考例1~14および実施例1~7の結果より、エピクロルヒドリンゴムの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部中の45質量部以下、とくに40質量部以下であるのが好ましいことが判った。
またCRおよび/またはNBRを配合する場合、その総量は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部中の1質量部以上、とくに2.5質量部以上であるのが好ましいことも判った。
さらにカーボンブラックの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、8質量部以下、とくに5質量部以下であるのが好ましいことも判った。
さらにLIRを配合する場合、当該LIRの割合は、ゴムの総量100質量部中の5質量部以上、とくに7質量部以上であるのが好ましく、15質量部以下、とくに12質量部以下であるのが好ましいことも判った。
1 現像ローラ
2 内層
3 外周面
4 外層
5 ローラ本体
6 通孔
7 シャフト
8 外周面
9 酸化膜

Claims (7)

  1. ローラ本体を含み、前記ローラ本体は、当該ローラ本体の外周面を構成する筒状の外層を少なくとも含み、
    前記外層は、ゴムとして、当該ゴムの総量100質量部中、20質量部以上、50質量部未満のエピクロルヒドリンゴム、15質量部以上、30質量部以下のブタジエンゴム、およびスチレンブタジエンゴムを含み、かつクロロプレンゴム、およびアクリロニトリルブタジエンゴムを除く、または前記クロロプレンゴム、およびアクリロニトリルブタジエンゴムのうちの少なくとも1種を、総量で、前記ゴムの総量100質量部中、20質量部未満の割合で含むとともに、前記ゴムの総量100質量部あたり10質量部未満のカーボンブラックを含むゴム組成物の架橋物からなり、
    前記ブタジエンゴムは、ムーニー粘度ML 1+4 (100℃)が50以上である現像ローラ。
  2. 前記ブタジエンゴムは、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が75以下である請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記外層は、前記ゴムとして、前記エピクロルヒドリンゴム、前記ブタジエンゴム、および前記スチレンブタジエンゴムを含み、かつ前記ゴムの総量100質量部中、20質量部未満の割合で前記クロロプレンゴムを単独で含むとともに、前記カーボンブラックを含むゴム組成物の架橋物からなる請求項1または2に記載の現像ローラ。
  4. 前記ゴム組成物は、さらに液状イソプレンゴムを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の現像ローラ。
  5. 前記ローラ本体は、筒状の内層、および前記内層の外周に積層された前記外層を含み、
    前記内層は、ゴムとして、エピクロルヒドリンゴム、およびジエン系ゴムを含むゴム組成物の架橋物からなる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の現像ローラ。
  6. 前記ジエン系ゴムは、天然ゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、およびクロロプレンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項5に記載の現像ローラ。
  7. 前記外層は、外周面に、前記ゴム組成物の架橋物の酸化物からなる酸化膜を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の現像ローラ。
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