JP2021076744A - 導電性ローラとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外周面が酸化膜によって被覆されたローラ本体を含み、なおかつ現状よりも長期間に亘って繰り返し使用しても特性を維持できる導電性ローラと、その製造方法を提供する。
【解決手段】導電性ローラ1は、ローラ本体2の外周面5を被覆する酸化膜6を、水酸基が発現した状態とした。製造方法は、ローラ本体2の外周面5に、積算光量300mJ/cm以上の範囲で紫外線を照射して酸化膜6を形成する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性ローラとその製造方法に関するものである。
電子写真法を利用した画像形成装置には、ゴムなどの組成物からなるローラ本体を含む導電性ローラが用いられる。ローラ本体の外周面は、紫外線等を照射して上記ゴムなどを酸化させた酸化膜によって被覆されるのが一般的である(特許文献1等参照)。
特開2019−168662号公報
本発明の目的は、外周面が酸化膜によって被覆されたローラ本体を含み、なおかつ現状よりも長期間に亘って繰り返し使用しても特性を維持できる導電性ローラと、その製造方法を提供することにある。
本発明は、ローラ本体、および前記ローラ本体の外周面を被覆する酸化膜を含み、前記酸化膜は、水酸基が発現した状態である導電性ローラである。
また本発明は、前記ローラ本体を形成する工程、および形成した前記ローラ本体の外周面に、積算光量300mJ/cm以上の範囲で紫外線を照射して前記酸化膜を形成する工程を含む導電性ローラの製造方法ある。
本発明によれば、外周面が酸化膜によって被覆されたローラ本体を含み、なおかつ現状よりも長期間に亘って繰り返し使用しても特性を維持できる導電性ローラと、その製造方法を提供することができる。
本発明の導電性ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
上述したように、本発明の導電性ローラは、ローラ本体、および前記ローラ本体の外周面を被覆する酸化膜を含み、前記酸化膜は、水酸基が発現した状態であることを特徴とするものである。
また、本発明の製造方法は、上記ローラ本体を形成する工程、および形成したローラ本体の外周面に、積算光量300mJ/cm以上の範囲で紫外線を照射して上記酸化膜を形成する工程を含むことを特徴とするものである。
昨今の画像形成装置には、高速化とともに、さらなる長寿命化が求められつつある。
そのため、画像形成装置に組み込んで現像ローラ等として用いられる導電性ローラには、長期間に亘って繰り返し使用しても外周面の表面状態に変化がなく、寿命まで安定に、現像ローラ等としての特性を維持できることが求められる。
ところが、特許文献1に記載のものなどの従来の導電性ローラを、現像ローラ等として使用して画像形成を繰り返すと、短期間で、トナーに外添された外添剤などがローラ本体の外周面に付着する、いわゆるフィルミングを生じやすいという課題がある。
そしてフィルミングを生じることで、上記現像ローラ等として繰り返し使用した際に特性を維持できなくなって、短期間で、形成画像に濃度ムラ等の画像不良を生じる場合がある。
この原因としては、従来の導電性ローラの酸化膜が疎水性を示すことが挙げられる。
これは、同じエネルギー成分のもの同士は付着しやすく、異なるエネルギー成分のもの同士は付着しにくいという原理に基づく。
すなわち、トナーの外添剤は疎水性であるため、ローラ本体の外周面を被覆する酸化膜が疎水性である場合には、当該外周面に外添剤が付着しやすくなって、短期間でフィルミングを生じやすくなる。
これに対し本発明では、ローラ本体の外周面を構成する酸化膜を、水酸基が発現した状態とし、当該発現した水酸基を、表面自由エネルギーの配向力、および水素結合力部分として機能させることができる。
そのため、上記水酸基の機能によって外周面の疎水性を弱めて、親水性を強めることができ、導電性ローラを現像ローラ等として使用して画像形成を繰り返しても、疎水性である外添剤の付着を抑制することができる。
そしてフィルミングを生じにくくして、上記現像ローラ等として繰り返し使用した際に、現状よりも長期間に亘って特性を維持して、形成画像に濃度ムラ等の画像不良が生じるのを抑制することが可能となる。
なお、本発明で言うところの「水酸基が発現した状態」とは、たとえば、フーリエ変換赤外分光(以下「FT−IR」と略記する場合がある)によってローラ本体の外周面を測定した際に、所定の割合で水酸基のピークが観察される状態を指す。
たとえば、ローラ本体がゴムを含む組成物(ゴム組成物)からなる場合には、FT−IRによって測定される、水酸基由来のピーク強度Iaとゴム由来のピーク強度Ibとの比Ia/Ibが0.25以上である状態を、水酸基が発現した状態とする。
ピーク強度の比Ia/Ibがこの範囲であれば、後述する実施例、比較例の結果からも明らかなように、水酸基の発現による前述した効果によって、外添剤などの付着を抑制して、フィルミングを生じにくくすることができる。
そして導電性ローラを、たとえば現像ローラ等として、現状よりも長期間に亘って繰り返し使用しても特性を維持することができ、形成画像に濃度ムラ等の画像不良が生じるのを、長期間に亘って抑制することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層、向上することを考慮すると、ピーク強度の比Ia/Ibは、上記の範囲でも、とくに0.3以上であるのが好ましい。
たとえば、特許文献1の導電性ローラにおいては、使用初期における外周面の凝着エネルギーを高めるべく、酸化膜形成のための紫外線の積算光量を制限している。
ところがその結果として、形成される酸化膜は、水酸基が発現した状態とはならず疎水性を示すため、上記導電性ローラを、現像ローラ等として使用して画像形成を繰り返した際には、フィルミングを生じやすくなる。
発明者の検討によると、形成された酸化膜における水酸基の発現状態と、酸化膜形成のための紫外線の積算光量、およびローラ本体を形成するゴム組成物中に含まれる、酸化膜のもとになるジエン系ゴムの割合との間には相関関係がある。
具体的には、たとえば、ジエン系ゴムの割合が同じである場合、ローラ本体の外周面に酸化膜を形成するために照射する紫外線の積算光量が大きいほど、形成される酸化膜は、水酸基がより強く発現した状態となる。
また、同じ積算光量の場合、ローラ本体を形成するゴム組成物中に含まれるジエン系ゴムの割合が少ないほど、形成される酸化膜は、水酸基がより強く発現した状態となる。
つまり、ジエン系ゴムの単位質量あたりの紫外線の積算光量が多いほど、当該ジエン系ゴムの酸化が進行して、ローラ本体の外周面は、水酸基がより強く発現した状態となる。
より具体的には、たとえば、ローラ本体の外周面に、積算光量300mJ/cm以上の範囲で紫外線を照射して酸化膜を形成することにより、当該酸化膜によって被覆された外周面を水酸基が発現した状態として、フィルミングを生じにくくすることができる。
そして、たとえば現像ローラ等として、現状よりも長期間に亘って繰り返し使用しても特性を維持することができ、形成画像に濃度ムラ等の画像不良が生じるのを長期間に亘って抑制できる導電性ローラを製造することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層、向上することを考慮すると、ローラ本体の外周面に照射する紫外線の積算光量は、上記の範囲でも、とくに500mJ/cm以上であるのが好ましい。
積算光量とは、ローラ本体の外周面に照射する紫外線の、単位面積当たりの照射強度(mW/cm)と照射時間(秒)との積で求められる、外周面に照射される紫外線の総光量である。
積算光量は、積算光量測定機を用いて測定することができる。
具体的には、たとえば、実際にローラ本体の外周面に紫外線を照射する装置(UV処理装置)の、ローラ本体をセットする位置に、積算光量測定機をセットする。
次いでUV処理装置を、ローラ本体の外周面に紫外線を照射する際と同様に作動させ、積算光量測定機の受光部に紫外線を照射して、当該積算光量測定機によって測定される積算光量が目的とする値に達するのに要したUV処理装置の動作条件を求める。
動作条件としては、たとえば、照射する紫外線の波長、照射強度、照射時間の他、ローラ本体を回転させながら外周面に紫外線を照射するUV処理装置の場合は、当該ローラ本体の回転速度等が挙げられる。
そして、同じUV処理装置にローラ本体をセットして、先の測定によって求めた動作条件で作動させると、セットしたローラ本体の外周面に、同じ積算光量で紫外線を照射することができる。
なお比Ia/Ibが大きいほど、前述した効果は向上するものの、当該比Ia/Ibは、前述した範囲でも、とくに1.0以下であるのが好ましい。
この範囲より比Ia/Ibを大きくするには、ローラ本体の外周面に照射する紫外線の積算光量を大幅に大きくしなければならず、その場合には、オゾンクラックが発生してローラ本体が破壊しやすくなる場合がある。
また、ローラ本体を形成するゴム組成物中に含まれるジエン系ゴムの割合にもよるが、比Ia/Ibを上記範囲以下とするために、紫外線の積算光量は、前述した範囲でも、とくに1200mJ/cm以下とするのが好ましい。
《導電性ローラとその製造方法》
図1は、本発明の導電性ローラ1の、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の導電性ローラ1は、ゴムを含み、かつ導電性を付与したゴム組成物によって、非多孔質でかつ単層の筒状に形成されたローラ本体2を備えており、ローラ本体2の中心の通孔3には、シャフト4が挿通されて固定されている。
シャフト4は、良導電性の材料、たとえば、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属などによって一体に形成されている。
シャフト4は、たとえば、導電性を有する接着剤を介してローラ本体2と電気的に接合され、かつ機械的に固定されるか、あるいは通孔3の内径よりも外径の大きいものを通孔3に圧入することで、ローラ本体2と電気的に接合され、かつ機械的に固定される。
またシャフト4を、この両法を併用して、ローラ本体2と電気的に接合し、かつ機械的に固定してもよい。
ローラ本体2の外周面5は、図中に拡大して示すように酸化膜6によって被覆されている。
酸化膜6は、前述したように、水酸基が発現した状態とされており、これによって外添剤などの付着を抑制して、フィルミングを生じにくくすることができる。
また酸化膜6を、
・ 誘電層として、導電性ローラ1の誘電正接を低減したり、
・ 低摩擦層として、トナー自体の付着を良好に抑制したり、
するために機能させることもできる。
なおローラ本体2の「単層」とは、ゴム等からなる層の数が単層であることを指し、紫外線の照射等によって形成されるごく薄い酸化膜6は、層数に含まないこととする。
導電性ローラ1を製造するには、たとえば、調製したゴム組成物を、押出機を用いて筒状に押出成形し、次いで所定の長さにカットして加硫缶内で加圧、加熱してゴムを架橋させて、筒状体を形成する。
次いで、形成した筒状体を、オーブン等を用いて加熱して二次架橋させ、冷却したのち、外周面5を、所定の外径となるように研磨する(研磨工程)。
研磨方法としては、たとえば、乾式トラバース研磨等の種々の研磨方法が採用可能である。また研磨工程の最後に、外周面5を仕上げ研磨するのが好ましい。
仕上げ研磨をすることで、外周面5の離型性を向上して、当該外周面5をより一層低摩擦化することができ、また感光体等の汚染を有効に防止することができる。
仕上げ研磨としては、ラッピングフィルムを用いた鏡面研磨等が挙げられる。
シャフト4は、筒状体のカット後から仕上げ加工後までの任意の時点で、通孔3に挿通して固定することができる。
ただしカット後、まず通孔3にシャフト4を挿通した状態で二次架橋、研磨、および仕上げ加工をするのが好ましい。
これにより、二次架橋時の膨張収縮によるローラ本体2の反りや変形を抑制できる。
また、シャフト4を中心として回転させながら研磨したのち仕上げ加工することで、当該研磨や仕上げ加工の作業性を向上し、なおかつ外周面5のフレを抑制できる。
シャフト4は、先に説明したように、導電性を有する接着剤、とくに導電性の熱硬化性接着剤を介して、二次架橋前の筒状体の通孔3に挿通したのち二次架橋させるか、あるいは通孔3の内径よりも外径の大きいものを通孔3に圧入すればよい。
前者の場合は、オーブン中での加熱によって筒状体が二次架橋されるのと同時に熱硬化性接着剤が硬化して、当該シャフト4がローラ本体2に電気的に接合され、かつ機械的に固定される。
また後者の場合は、シャフト4の圧入と同時に電気的な接合と機械的な固定が完了する。
また前述したように、この両法を併用して、シャフト4を、ローラ本体2と電気的に接合し、かつ機械的に固定してもよい。
酸化膜6は、先に説明したように、ローラ本体2の外周面5に紫外線を照射して形成するのが好ましい。
すなわち、鏡面研磨等の仕上げ加工をした後の外周面5に所定波長の紫外線を所定時間照射して、当該外周面5の近傍のゴムを酸化させることによって、酸化膜6を形成することができる。
そのため、酸化膜6の形成工程が簡単で効率的であって、導電性ローラ1の生産性が低下したり製造コストが高くついたりするのを抑制することができる。
また、前述したように紫外線の積算光量を調整することにより、形成された酸化膜6における水酸基の発現状態を調整することもできる。
しかも、紫外線の照射によって形成される酸化膜6は、たとえば、塗剤を塗布して形成されるコーティング膜のような問題を生じることがない上、厚みの均一性やローラ本体2との密着性等にも優れている。
そのため、生産性が低下したり、製造コストが高くついたりするのを抑制しながら、水酸基が所定の状態に発現した酸化膜6を備えた導電性ローラ1を製造することができる。
照射する紫外線の波長は、ゴム組成物中のジエン系ゴム等を効率よく酸化させて、前述した機能に優れた酸化膜6を形成することを考慮すると、100nm以上であるのが好ましく、400nm以下、とくに300nm以下であるのが好ましい。
また照射の時間は、紫外線の積算光量が、前述した所定の範囲となるように任意に設定することができるが、30秒間以上、とくに1分間以上であるのが好ましく、30分間以下、とくに20分間以下であるのが好ましい。
ただし、酸化膜6は他の方法で形成してもよい。
《ゴム組成物》
ローラ本体を形成するゴム組成物は、ゴムに、当該ゴムを架橋させるための架橋成分や各種添加剤を配合して調製される。
ゴム組成物に導電性を付与して、導電性ローラのローラ抵抗値を好適な範囲に調整するため、以下では、イオン導電性のゴム組成物について説明するが、ゴム組成物としては、イオン導電性、電子導電性のいずれの配合のゴム組成物を用いてもよい。
〈ゴム〉
上述したように、ゴム組成物にイオン導電性を付与するためには、ゴムとしてイオン導電性ゴムを用いるのが好ましい。
またゴムとしては、イオン導電性ゴムとともに、ジエン系ゴムを併用するのが好ましい。
ジエン系ゴムを併用することで、ゴム組成物に良好な加工性を付与したり、ローラ本体の機械的強度や耐久性等を向上したりすることができる。
またジエン系ゴムを併用することで、ローラ本体に、ゴムとしての良好な特性、すなわち柔軟で、しかも圧縮永久ひずみが小さくヘタリを生じにくい特性を付与することもできる。
(イオン導電性ゴム)
イオン導電性ゴムとしては、たとえば、エピクロルヒドリンゴム、ポリエーテルゴム等が挙げられる。
このうちエピクロルヒドリンゴムとしては、たとえば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等が挙げられる。
またポリエーテルゴムとしては、たとえば、エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体等が挙げられる。
中でも、エチレンオキサイドを含む共重合体、とくに、ECOおよび/またはGECOが好ましい。
ECOおよび/またはGECOにおけるエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、とくに50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは、導電性ローラのローラ抵抗値を下げる働きをする。
しかし、エチレンオキサイド含量がこの範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、導電性ローラのローラ抵抗値を十分に低下させることができない場合がある。
一方、エチレンオキサイド含量が上記の範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり、分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に導電性ローラのローラ抵抗値が上昇する傾向がある。
また、架橋後のローラ本体が硬くなりすぎたり、架橋前のゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇して、当該ゴム組成物の加工性が低下したりする場合もある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量の残量である。
すなわち、エピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、とくに50モル%以下であるのが好ましい。
また、GECOにおけるアリルグリシジルエーテル含量は0.5モル%以上、とくに2モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下、とくに5モル%以下であるのが好ましい。
アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として、自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、導電性ローラのローラ抵抗値を低下させる働きをする。
しかし、アリルグリシジルエーテル含量がこの範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、導電性ローラのローラ抵抗値を十分に低下させることができない場合がある。
一方、アリルグリシジルエーテルは、GECOの架橋時に架橋点として機能する。
そのため、アリルグリシジルエーテル含量が上記の範囲を超える場合には、GECOの架橋密度が高くなりすぎることによって分子鎖のセグメント運動が妨げられて、却って、導電性ローラのローラ抵抗値が上昇する傾向がある。
GECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。
すなわち、エピクロルヒドリン含量は10モル%以上、とくに19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、とくに60モル%以下であるのが好ましい。
なおGECOとしては、先に説明した3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体の他に、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られている。
本発明では、このいずれのGECOも使用可能である。
これらイオン導電性ゴムの1種または2種以上を用いることができる。
(ジエン系ゴム)
ジエン系ゴムとしては、たとえば、天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)等が挙げられる。
とくに、ジエン系ゴムとしてはCR、NBR、BRの3種を併用するのが好ましい。
ただし、各ゴムはそれぞれ2種以上を併用してもよい。
・ CR
CRは、とくにローラ本体の柔軟性を向上して、導電性ローラを現像ローラとして使用した際の画像耐久性を高めるために機能する。
画像耐久性とは、同じトナーを繰り返し画像形成に用いた際に、当該トナーの劣化を抑制して、形成画像の画質をどれだけの間、良好に維持できるかを表す指標である。
すなわち、1回の画像形成には、画像形成装置の現像部に収容されたトナーのごく一部しか用いられず、残りの大部分のトナーは、現像部内を繰り返し循環する。
そのため、現像部内に設けられてトナーと繰り返し接触する現像ローラのローラ本体が、トナーにどれだけのダメージを与えるか、あるいは与えないかが、画像耐久性を向上する上での大きな鍵となる。
ローラ本体の柔軟性が低下して画像耐久性が低下すると、画像形成を繰り返すうちに、形成画像の画質が徐々に低下する傾向がある。
したがって現像ローラには、画像耐久性を向上するために、ローラ本体が柔軟性に優れることが求められる。
またCRは、とくに導電性ローラを現像ローラとして使用した際に、プラス帯電性のトナーの帯電特性を向上したり、それ自体が極性ゴムであるため、導電性ローラのローラ抵抗値を微調整したりするためにも機能する。
さらにCRは、紫外線照射によって酸化されて、ローラ本体の外周面に酸化膜を形成する材料としても機能する。
CRは、クロロプレンを乳化重合させて合成されるもので、その際に用いる分子量調整剤の種類によって、硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプとに分類される。
このうち硫黄変性タイプのCRは、クロロプレンと、分子量調整剤としての硫黄とを共重合させたポリマを、チウラムジスルフィド等で可塑化して所定の粘度に調整することで合成される。
また非硫黄変性タイプのCRは、たとえば、メルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ等に分類される。
このうち、メルカプタン変性タイプのCRは、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調整剤として用いること以外は、硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
また、キサントゲン変性タイプのCRは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調整剤として用いること以外は、やはり硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
またCRは、その結晶化速度に基づいて、結晶化速度が遅いタイプ、中庸であるタイプ、および速いタイプに分類される。
本発明においては、いずれのタイプのCRを用いてもよいが、中でも非硫黄変性タイプで、かつ結晶化速度が遅いタイプのCRが好ましい。
またCRとしては、クロロプレンと他の共重合成分との共重合体を用いてもよい。
他の共重合成分としては、たとえば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、およびメタクリル酸エステル等の1種または2種以上が挙げられる。
さらにCRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのCRを用いるのが好ましい。
これらCRの1種または2種以上を用いることができる。
・ NBR
NBRは、やはり紫外線照射によって酸化されて、ローラ本体の外周面に酸化膜を形成する材料として機能する上、当該NBRは極性ゴムであるため、導電性ローラのローラ抵抗値を微調整するためにも機能する。
NBRとしては、アクリロニトリル含量が24%以下である低ニトリルNBR、25〜30%である中ニトリルNBR、31〜35%である中高ニトリルNBR、36〜42%である高ニトリルNBR、43%以上である極高ニトリルNBRが、いずれも使用可能である。
またNBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体等の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのNBRを用いるのが好ましい。
これらNBRの1種または2種以上を用いることができる。
・ BR
BRは、とくにローラ本体に、前述したゴムとしての良好な特性を付与するために機能する。
またBRは、とくに導電性ローラを現像ローラとして使用した際に、プラス帯電性のトナーの帯電特性を向上したり、架橋前のゴム組成物の流動性や成形性を高めたりするためにも機能する。
さらにBRは、やはり紫外線照射によって酸化されて、ローラ本体の外周面に酸化膜を形成する材料としても機能する。
BRとしては、分子中にポリブタジエン構造を備え、架橋性を有する種々のBRが、いずれも使用可能である。
とくに、高温から低温まで広い温度範囲でゴムとしての良好な特性を発現しうる、シス−1,4結合の含量が95%以上である高シスBRが好ましい。
またBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのBRを用いるのが好ましい。
これらBRの1種または2種以上を用いることができる。
(ゴムの割合)
各ゴムの割合は、導電性ローラに求められる各種の特性、とくにローラ抵抗値やローラ本体の柔軟性等に応じて任意に設定することができる。
ただし、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ゴムの割合は、ゴムの総量100質量部中の10質量部以上、とくに20質量部以上であるのが好ましく、80質量部以下、特に70質量部以下であるのが好ましい。
イオン導電性ゴムの割合が上記の範囲未満、または上記の範囲を超える場合には、このいずれにおいても、導電性ローラのローラ抵抗値を、たとえば、現像ローラ等として適した範囲に調整できない場合がある。
また、イオン導電性ゴムの割合が上記の範囲を超える場合には、相対的に、ジエン系ゴムの割合が少なくなって、ローラ本体に、前述したゴムとしての良好な特性を付与することができない場合もある。
これに対し、イオン導電性ゴムの割合を上記の範囲とすることにより、導電性ローラのローラ抵抗値を好適な範囲に調整しながら、ローラ本体に、ゴムとしての良好な特性を付与することができる。
ジエン系ゴムの割合は、イオン導電性ゴムの残量である。
すなわち、イオン導電性ゴムの割合を上記範囲内の所定値に設定した際に、ゴムの総量が100質量部となるように、ジエン系ゴムの割合を設定すればよい。
ただし前述したように、形成された酸化膜における水酸基の発現状態と、酸化膜のもとになるジエン系ゴムの割合との間には相関関係があり、ジエン系ゴムの割合が少ないほど、形成される酸化膜を、水酸基がより強く発現した状態とすることができる。
そのためには、ジエン系ゴムの割合は、ゴムの総量100質量部中の80質量部以下、とくに60質量部以下であるのが好ましい。
なおジエン系ゴムとして、前述したように複数種を併用する場合、ジエン系ゴムの割合は、各ジエン系ゴムの合計の割合とする。
〈架橋成分〉
架橋成分としては、ゴムを架橋させるための架橋剤と、当該架橋剤によるゴムの架橋を促進するための架橋促進剤とを併用するのが好ましい。
このうち架橋剤としては、たとえば、硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等が挙げられ、とくに硫黄系架橋剤が好ましい。
(硫黄系架橋剤)
硫黄系架橋剤としては、たとえば、粉末硫黄、オイル処理粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、分散性硫黄等の硫黄や、あるいはテトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等の有機含硫黄化合物などが挙げられ、とくに硫黄が好ましい。
硫黄の割合は、ローラ本体にゴムとしての良好な特性を付与すること等を考慮すると、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
なお硫黄として、たとえば、オイル処理粉末硫黄、分散性硫黄等を使用する場合、上記の割合は、それぞれの中に含まれる有効成分としての硫黄自体の割合とする。
また有機含硫黄化合物を使用する場合、その割合は、分子中に含まれる硫黄の、ゴムの総量100質量部あたりの割合が上記の範囲となるように調整するのが好ましい。
(架橋促進剤)
ゴムの架橋を促進するための架橋促進剤としては、たとえば、チウラム系促進剤、チアゾール系促進剤、チオウレア系促進剤、グアニジン系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちチウラム系促進剤、チアゾール系促進剤、チオウレア系促進剤、およびグアニジン系促進剤を併用するのが好ましい。
チウラム系促進剤としては、たとえば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の1種または2種以上が挙げられ、とくにテトラメチルチウラムモノスルフィドが好ましい。
チアゾール系促進剤としては、たとえば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の1種または2種以上が挙げられ、とくにジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。
チオウレア系促進剤としては、分子中にチオウレア構造を有する種々のチオウレア化合物が使用可能である。
チオウレア系促進剤としては、たとえば、エチレンチオウレア、N,N′−ジフェニルチオウレア、トリメチルチオウレア、式(1):
(C2n+1NH)C=S (1)
〔式中、nは1〜12の整数を示す。〕で表されるチオウレア、テトラメチルチオウレア等の1種または2種以上が挙げられ、とくにエチレンチオウレアが好ましい。
グアニジン系促進剤としては、たとえば、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド等の1種または2種以上が挙げられ、とくに1,3−ジ−o−トリルグアニジンが好ましい。
上記4種の併用系において、ゴムの架橋を促進する効果を十分に発現させること等を考慮すると、チウラム系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
チアゾール系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
チオウレア系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
さらに、グアニジン系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.2質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
なおチオウレア系促進剤は、硫黄架橋性を有しないECOの架橋剤、グアニジン系促進剤は、チオウレア系促進剤によるECOの架橋の促進剤としても機能する。
〈イオン導電剤〉
ゴム組成物には、さらにイオン導電剤を配合してもよい。
イオン導電剤を配合することにより、ゴム組成物のイオン導電性をさらに向上して、導電性ローラのローラ抵抗値を、より一層低下させることができる。
イオン導電剤としては、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと、陽イオンとの塩(イオン塩)が好ましい。
イオン塩を構成する、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンとしては、たとえば、フルオロアルキルスルホン酸イオン、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドイオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドイオン等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちフルオロアルキルスルホン酸イオンとしては、たとえば、CFSO 、CSO 等の1種または2種以上が挙げられる。
またビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドイオンとしては、たとえば、(CFSO)、(CSO)、(CSO)(CFSO)N、(FSO)(CFSO)N、(C17SO)(CFSO)N、(CFCHOSO)、(CFCFCHOSO)、(HCFCFCHOSO)、[(CF)CHOSO]等の1種または2種以上が挙げられる。
さらにトリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドイオンとしては、たとえば、(CFSO)、(CFCHOSO)等の1種または2種以上が挙げられる。
また陽イオンとしては、たとえば、ナトリウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の第2族元素のイオン、遷移元素のイオン、両性元素の陽イオン、第4級アンモニウムイオン、イミダゾリウム陽イオン等の1種または2種以上が挙げられる。
イオン塩としては、とくに陽イオンとしてリチウムイオンを用いたリチウム塩、またはカリウムイオンを用いたカリウム塩が好ましい。
中でも、ゴム組成物のイオン導電性を向上してローラ本体の抵抗値を低下させる効果の点で、(CFSO)NLi〔リチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〕、および/または(CFSO)NK〔カリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〕が好ましい。
イオン塩等のイオン導電剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下であるのが好ましい。
〈その他〉
ゴム組成物には、さらに必要に応じて、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、たとえば、架橋助剤、受酸剤、充填剤、可塑剤、加工助剤、劣化防止剤等が挙げられる。
このうち架橋助剤としては、たとえば、酸化亜鉛(亜鉛華)等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸その他、従来公知の架橋助剤の1種または2種以上が挙げられる。
架橋助剤の割合は、個別に、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
受酸剤は、架橋時にエピクロルヒドリンゴムやCR等から発生した塩素系ガスがローラ本体内に残留したり、それによって架橋阻害や感光体の汚染等が生じたりするのを防止するために機能する。
受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、中でも分散性に優れたハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、とくにハイドロタルサイト類が好ましい。
またハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用すると、より高い受酸効果を得ることができ、感光体等の汚染を、より一層確実に防止することができる。
受酸剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.2質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、たとえば、酸化亜鉛、シリカ、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、ローラ本体の機械的強度等を向上できる。
また、充填剤として導電性カーボンブラックを用いることで、ローラ本体に電子導電性を付与することもできる。
導電性カーボンブラックとしては、たとえば、アセチレンブラック等が挙げられる。
導電性カーボンブラックの割合は、ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、30質量部以下であるのが好ましい。
可塑剤としては、たとえば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられる。
また加工助剤としては、たとえば、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩などが挙げられる。
可塑剤および/または加工助剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり3質量部以下であるのが好ましい。
劣化防止剤としては、各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
このうち老化防止剤は、導電性ローラのローラ抵抗値の環境依存性を低減し、かつ連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。
老化防止剤としては、たとえば、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
老化防止剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
また添加剤としては、さらにスコーチ防止剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等の各種添加剤を、任意の割合で配合してもよい。
図1の例では、ローラ本体2を単層構造としていたが、ローラ本体2は、2層以上の積層構造としてもよい。
またローラ本体2は、上述した各成分を含むゴム組成物によって形成したものには限定されない。
たとえば、
・ 導電性ローラ1に好適なローラ抵抗値を付与できる、
・ 機械的強度や耐久性に優れたローラ本体2を形成できる、
・ ローラ本体2に、柔軟で、しかも圧縮永久ひずみが小さくヘタリを生じにくい特性を付与できる、
といった要件を満足しうる種々の材料によって、ローラ本体2を形成することができる。
いずれの場合も、ローラ本体2の外周面5を被覆する酸化膜6に水酸基を発現させることにより、フィルミングを生じにくくして、形成画像に濃度ムラ等の画像不良が生じるのを、より長期間に亘って抑制することができる。
そして、現状よりも長期間に亘って繰り返し使用しても、特性を維持することが可能な導電性ローラ1を提供することができる。
本発明の導電性ローラは、たとえば、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで、現像ローラとして好適に用いることができる。
また、本発明の導電性ローラは、たとえば、帯電ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ等として用いることもできる。
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、必ずしもこれらの例に限定されるものではない。
〈ゴム組成物A〉
ゴムとしては、GECO〔(株)大阪ソーダ製のエピオン(登録商標)301(低Visタイプ)、EO/EP/AGE=73/23/4(モル比)〕40質量部、CR〔昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT、非油展〕10質量部、NBR〔日本ゼオン(株)製のNIPOL(登録商標)DN401LL、低ニトリルNBR、結合アクリロニトリル量(中心値):18.0%、非油展〕10質量部、およびBR〔宇部興産(株)製のUBEPOL(登録商標)BR130B〕40質量部を配合した。
ジエン系ゴムとしてのCR、NBR、およびBRの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の60質量部であった。
上記4種のゴムの総量100質量部を、バンバリミキサを用いて素練りしながら、下記の各成分を配合して混練した。
Figure 2021076744
表1中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
イオン塩:カリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔K−TFSI、三菱マテリアル電子化成(株)製のEF−N112〕
架橋助剤:酸化亜鉛2種〔堺化学工業(株)製〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A(登録商標)−2〕
充填剤:導電性カーボンブラック〔アセチレンブラック、電気化学工業(株)製のデンカブラック(登録商標)、粒状〕
加工助剤:ステアリン酸亜鉛〔堺化学工業(株)製のSZ−2000〕
次いで混練を続けながら、下記の架橋成分を配合してさらに混練してゴム組成物Aを調製した。
Figure 2021076744
表2中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
分散性硫黄:架橋剤〔鶴見化学工業(株)製のサルファックス(登録商標)PMC、硫黄分:97.5%〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド〔三新化学工業(株)製のサンセラー(登録商標)TS、チウラム系促進剤〕
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM、チアゾール系促進剤〕
促進剤22:エチレンチオウレア〔2−メルカプトイミダゾリン、川口化学工業(株)製のアクセル(登録商標)22−S、チオウレア系促進剤〕
促進剤DT:1,3−ジ−o−トリルグアニジン〔三新化学工業(株)製のサンセラーDT、グアニジン系促進剤〕
〈ゴム組成物B〉
ゴムとしてのGECOの量を20質量部、CRの量を10質量部、NBRの量を10質量部、BRの量を60質量部としたこと以外はゴム組成物Aと同様にしてゴム組成物Bを調製した。
ジエン系ゴムとしてのCR、NBR、およびBRの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の80質量部であった。
〈実施例1〉
ゴム組成物Aを押出機に供給して、外径φ20.0mm、内径φ7.0mmの筒状に押出成形し、カットして架橋用の仮のシャフトに装着して加硫缶内で160℃×1時間架橋させた。
次いで、架橋させた筒状体を、外周面に導電性の熱硬化性接着剤(ポリアミド系)を塗布した外径φ7.5mmの金属シャフトに装着し直して、オーブン中で160℃に加熱して当該金属シャフトに接着させたのち両端を整形した。
次いで、筒状体の外周面を、円筒研磨機を用いてトラバース研磨し、次いで仕上げ研磨として#2000のラッピングフィルム〔三共理化学(株)製のミラーフィルム(登録商標)〕を用いた鏡面研磨をして、外径をφ20.00mm(公差0.05)に仕上げた。
次いで、研磨後の外周面をアルコール拭きしたのち、UV光源から外周面までの距離を50mmに設定して、UV処理装置〔セン特殊光源(株)製のPL21−200〕にセットした。
そして、シャフトを中心として回転させながら、波長184.9nmと253.7nmの紫外線を照射することで外周面に酸化膜を形成して、ローラ本体を形成し、導電性ローラを製造した。
外周面に照射する紫外線の積算光量は、500mJ/cmとした。
〈比較例1〉
外周面に紫外線を照射せず、したがって当該外周面に酸化膜を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、導電性ローラを製造した。
〈実施例2、比較例2〉
外周面に照射する紫外線の積算光量を、1000mJ/cm(実施例2)、100mJ/cm(比較例2)としたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ローラを製造した。
〈実施例3〉
ゴム組成物Aに代えてゴム組成物Bを用いたこと以外は実施例2と同様にして、導電性ローラを製造した。
〈FT−IR測定〉
実施例、比較例で製造した導電性ローラのローラ本体の外周面を、FT−IRによって測定した結果から、水酸基由来のピーク強度Iaとゴム由来のピーク強度Ibとの比Ia/Ibを求めた。
そして、前述したように比Ia/Ibが0.25以上であるものを水酸基が発現した状態(○)、上記比Ia/Ibが0.25未満であるものを水酸基が発現していない状態(×)と評価した。
〈実機試験〉
レーザープリンタ〔ブラザー工業(株)製のHL−6180DW〕用のトナーカートリッジ〔同社製のTN−56J〕の純正の現像ローラに代えて、実施例、比較例で製造した導電性ローラを組み込んだ。
次いで、組み立てたトナーカートリッジを、上記レーザープリンタ用のドラムユニット〔同社製のDR−51J〕とともに当該レーザープリンタに装填して、10000枚の画像を連続形成した。
(FT−IR)
画像形成後の導電性ローラをトナーカートリッジから取り出して、その外周面を、再びFT−IRによって測定した結果から、トナーの外添剤由来のピーク強度Icとゴム由来のピーク強度Ibとの比Ic/Ibを求めた。
上記比Ic/Ibは大きいほど、外周面に多くの外添剤が付着してフィルミングが発生していることを示しており、ここでは、比Ic/Ibが5.3以上であったものをフィルミングあり(×)、比Ic/Ibが5.3未満であったものをフィルミングなし(○)と評価した。
(濃度ムラ評価)
形成した画像に、フィルミングによる濃度ムラが発生したか否かを観察した。そして下記の基準で、濃度ムラの有無を評価した。
◎:10000枚まで濃度ムラは見られなかった。
○:9800枚目以降に、使用に問題のない程度のごく軽微な濃度ムラが見られた。
×:9800枚目までで、印刷物として適さない強い濃度ムラが見られた。
以上の結果を表3に示す。
Figure 2021076744
表3の実施例1〜3、比較例1、2の結果より、ローラ本体の外周面を被覆する酸化膜が、水酸基が発現した状態にあるとき、当該外周面への外添剤の付着とフィルミングとを抑制して、長期間に亘って濃度ムラのない良好な画像を形成できることが判った。
なお比較例1では、5000枚程度で強い濃度ムラが観察され、比較例2では7000枚程度で強い濃度ムラが観察された。
実施例1、2、比較例2の結果より、
・ 上記の効果を得るためには、ローラ本体の外周面を被覆する酸化膜における、水酸基由来のピーク強度Iaとゴム由来のピーク強度Ibとの比Ia/Ibが0.25以上であるのが好ましいこと、
・ ローラ本体の外周面に紫外線を照射して酸化膜を形成する場合には、その積算光量を300mJ/cm以上とするのが好ましいこと、
・ ゴム組成物中に含まれるジエン系ゴムの割合が同じである場合には、紫外線の積算光量を上記の範囲でも増加させるほど、酸化膜を、水酸基がより強く発現した状態にできること、
が判った。
さらに実施例2、3の結果より、紫外線の積算光量が同じである場合には、ゴム組成物中に含まれるジエン系ゴムの割合が少ないほど、酸化膜を、水酸基がより強く発現した状態にできることが判った。
1 導電性ローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 酸化膜

Claims (3)

  1. ローラ本体、および前記ローラ本体の外周面を被覆する酸化膜を含み、前記酸化膜は、水酸基が発現した状態である導電性ローラ。
  2. 前記ローラ本体は、ゴムを含む組成物からなり、前記酸化膜は、前記ゴムの酸化物からなり、前記酸化膜で被覆された前記外周面は、フーリエ変換赤外分光法によって測定された、前記水酸基由来のピーク強度Iaと、前記ゴム由来のピーク強度Ibとの比Ia/Ibが0.25以上である請求項1に記載の導電性ローラ。
  3. 前記請求項1または2に記載の導電性ローラを製造するための製造方法であって、前記ローラ本体を形成する工程、および形成した前記ローラ本体の外周面に、積算光量300mJ/cm以上の範囲で紫外線を照射して前記酸化膜を形成する工程を含む導電性ローラの製造方法。
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