JP6889832B2 - 帯電ローラおよびその製造方法 - Google Patents

帯電ローラおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6889832B2
JP6889832B2 JP2017076825A JP2017076825A JP6889832B2 JP 6889832 B2 JP6889832 B2 JP 6889832B2 JP 2017076825 A JP2017076825 A JP 2017076825A JP 2017076825 A JP2017076825 A JP 2017076825A JP 6889832 B2 JP6889832 B2 JP 6889832B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer peripheral
peripheral surface
rubber
void volume
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017076825A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018120198A (ja
Inventor
悠太 今瀬
悠太 今瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to CN201711420161.6A priority Critical patent/CN108345195B/zh
Priority to US15/855,222 priority patent/US10067439B2/en
Publication of JP2018120198A publication Critical patent/JP2018120198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6889832B2 publication Critical patent/JP6889832B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Description

本発明は、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで使用される帯電ローラと、その製造方法に関するものである。
レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、またはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置においては、感光体の表面を一様に帯電させるために、帯電ローラが用いられる。
帯電ローラとしては、例えば半導電性を付与したゴム組成物を筒状に成形したのちゴムを架橋させた単層の、あるいは上記層を含む複層構造のローラ本体を備えるものが一般的に用いられる。
ローラ本体の外周面は、トナーに外添された外添剤や、あるいは画像形成を繰り返した際にトナーの粒子が微粉砕されて生じる破片などの微粉が付着し、蓄積されて形成画像に画像不良が生じるのを抑制するべく、その表面を整えるために、例えば研磨したり、研磨後にコーティング膜で被覆したりするのが一般的である。
しかしコーティング膜は、そのもとになる液状のコーティング剤をスプレー法、ディッピング法等の塗布方法によってローラ本体の外周面に塗布したのち、乾燥させて形成されるため、上記形成過程において埃等の異物の混入、厚みムラの発生等の様々な不良を生じやすい。
また、コーティング剤を調製するには有機溶剤が必要であるが、有機溶剤の使用は環境に対する負荷が大きく、近年の低VOC(揮発性有機化合物)化の流れに逆行することにもなる。
そこでコーティング膜に代えて、例えば研磨の条件を調整したり、レーザー加工、ブラスト加工等の種々の加工を施したりすることによって、ローラ本体の外周面を、微粉の付着および蓄積を生じにくいと考えられる様々な凹凸形状に形成することが検討されている(特許文献1〜4等参照)。
特開2006−243374号公報 特開2006−243375号公報 特開2011−95725号公報 特開平11−194580号公報
ところが発明者の検討によると、上記従来の帯電ローラでは、微粉の付着や蓄積を未だ十分に抑制できないのが現状である。また表面形状によっては感光体の表面を均一に帯電させることができず、帯電のムラを生じて、形成画像の画質が低下する場合もある。
本発明の目的は、コーティング膜を省略した簡単な構造を維持しながら、なおかつ感光体の表面をできるだけ均一に帯電できる上、微粉の付着や蓄積を現状よりもさらに良好に抑制できる帯電ローラと、その製造方法を提供することにある。
本発明は、ローラ本体を備え、前記ローラ本体は、ゴムを含むゴム組成物の架橋物によって単層に形成されているとともに、前記ローラ本体の外周面は、国際標準化機構規格ISO25178−2:2012において規定された、コア部の空隙容積Vvcと谷部の空隙容積Vvvとの和Vvc+Vvvで表される空隙容積Vvが、多数の凹凸からなる表面粗さ成分において0.3ml/m未満で、かつ前記表面粗さ成分より低周波数の多数の凹凸からなる表面うねり成分において0.05ml/m以上、6ml/m以下である帯電ローラである。
また本発明は、かかる本発明の帯電ローラの製造方法であって、前記ローラ本体の前記外周面を研磨する工程、および研磨した前記外周面にレーザー加工、湿式ブラスト加工および乾式ブラスト加工からなる群より選ばれた少なくとも1種の加工をすることで、前記外周面を、前記表面粗さ成分の空隙容積Vvが0.3ml/m未満、前記表面うねり成分の空隙容積Vvが0.05ml/m以上、6ml/m以下となるように仕上げる工程を含む、帯電ローラの製造方法である。
本発明によれば、コーティング膜を省略した簡単な構造を維持しながら、なおかつ感光体の表面をできるだけ均一に帯電できる上、微粉の付着や蓄積を現状よりもさらに良好に抑制できる帯電ローラと、その製造方法を提供できる。
本発明の帯電ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。 本発明の実施例1の帯電ローラの、ローラ本体の外周面の一部を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 実施例2の帯電ローラの、ローラ本体の外周面の一部を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 実施例3の帯電ローラの、ローラ本体の外周面の一部を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 実施例4の帯電ローラの、ローラ本体の外周面の一部を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 実施例5の帯電ローラの、ローラ本体の外周面の一部を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 実施例6の帯電ローラの、ローラ本体の外周面の一部を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 比較例1の帯電ローラの、ローラ本体の外周面の一部を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 比較例2の帯電ローラの、ローラ本体の外周面の一部を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 比較例3の帯電ローラの、ローラ本体の外周面の一部を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 比較例4の帯電ローラの、ローラ本体の外周面の一部を拡大して示す実体顕微鏡写真である。
前述した各種の加工を経て形成されるローラ本体の外周面は、一般に、多数の微細な凹凸からなる表面粗さ成分と、当該表面粗さ成分より低周波数の、すなわち深さも開口面積も大きい多数の凹凸からなる表面うねり成分とが重畳した表面形状を有していることが知られている。
発明者の検討によると、上記のうち表面粗さ成分を構成する凹凸はできるだけ小さく、かつ少ないのが、外周面に微粉が付着、蓄積されるのを抑制する上で有効である。
また表面うねり成分については、
(i) 当該表面うねり成分を構成する凹凸の凹部の深さが小さいほど、外周面に微粉が付着、蓄積されやすくなる傾向があり、逆に凹部の深さが大きいほど、外周面の平滑性が低下して、感光体の表面を均一に帯電できなくなる傾向があるため、当該凹部の深さを適度な範囲に調整するのが肝要であり、また
(ii) 上記表面うねり成分を構成する凹凸の凹部の開口面積が小さすぎても、逆に大きすぎても、外周面に微粉が付着、蓄積されやすくなる傾向があるため、当該開口面積についても、適度な範囲に調整するのが肝要である。
そこで発明者は、前述したように感光体の表面をできるだけ均一に帯電できる上、微粉の付着や蓄積を現状よりもさらに良好に抑制できる帯電ローラを得るために、上記表面粗さ成分を構成する凹凸の大きさや数、あるいは表面うねり成分を構成する凹凸の凹部の深さや開口面積を、表面形状の新たな指標でもって把握することを検討した。
その結果、国際標準化機構規格ISO25178−2:2012「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状−第2部:用語,定義及び表面性状パラメータ」において規定された、コア部の空隙容積Vvcと谷部の空隙容積Vvvとの和Vvc+Vvvで表される空隙容積Vvを、表面粗さ成分において0.3ml/m未満に規定するとともに、表面うねり成分において0.05ml/m以上、6ml/m以下に規定すればよいことを見出した。
すなわち、表面粗さ成分の空隙容積Vvが0.3ml/m以上では、当該表面粗さ成分を構成する凹凸が大きく、かつ多くなって、ローラ本体の外周面に微粉が付着、蓄積されやすくなる。
これに対し、表面粗さ成分の空隙容積Vvを0.3ml/m未満とすれば、当該表面粗さ成分を構成する凹凸を小さく、かつ少なくして、ローラ本体の外周面に微粉が付着、蓄積されるのを良好に抑制できる。
また、表面うねり成分の空隙容積Vvが0.05ml/m未満では、当該表面うねり成分を構成する凹凸の凹部の深さおよび/または開口面積が小さくなって、ローラ本体の外周面に微粉が付着、蓄積されやすくなる。
一方、表面うねり成分の空隙容積Vvが6ml/mを超える場合には、上記凹部の深さが大きくなるため、感光体の表面を均一に帯電できなくなる。また上記凹部の開口面積が大きくなって、ローラ本体の外周面に微粉が付着、蓄積されやすくなる。
これに対し、表面うねり成分の空隙容積Vvを0.05ml/m以上、6ml/m以下とすれば、当該表面うねり成分を構成する凹凸の凹部の深さ、および開口面積をいずれも適度の範囲に調整して、感光体の表面をできるだけ均一に帯電できる上、ローラ本体の外周面に微粉が付着、蓄積されるのを良好に抑制できる。
なお、上述した効果をより一層向上することを考慮すると、表面粗さ成分の空隙容積Vvは、上記の範囲でも0.1ml/m以上であるのが好ましく、0.28ml/m以下であるのが好ましい。また、表面うねり成分の空隙容積Vvは、上記の範囲でも0.1ml/m以上であるのが好ましく、4ml/m以下であるのが好ましい。
上記表面粗さ成分および表面うねり成分の空隙容積Vvを、本発明では、例えば形状解析レーザー顕微鏡を用いて、ローラ本体の外周面の表面形状を測定した結果から、上記ISO規格に則って、下記の方法で求めた値でもって表すこととする。
すなわち表面粗さ成分の空隙容積Vvを求めるには、測定結果(原表面)を、メディアンフィルタを用いて平滑化し、平面傾きを補正し、さらに面状補正−うねり除去の補正によって表面うねり成分を除去して計測表面を求める。
次いで、この計測表面に対して所定の評価領域を指定し、計測表面に対応する基準表面を求めて、負荷面積率p%における空隙容積と、負荷面積率q%における空隙容積との差分で表されるコア部の空隙容積Vvcと、負荷面積率p%における谷部の空隙容積Vvvとを演算する。
そして両容積の和Vvc+Vvvを求めて、表面粗さ成分の空隙容積Vvとする。
また表面うねり成分の空隙容積Vvを求めるには、測定結果(原表面)を、ローパスフィルタを用いて処理して高周波成分(表面粗さ成分)を除去し、メディアンフィルタを用いて平滑化し、さらに平面傾きを補正して計測表面を求める。
次いで、この計測表面に対して所定の評価領域を指定し、計測表面に対応する基準表面を求めて、負荷面積率p%における空隙容積と、負荷面積率q%における空隙容積との差分で表されるコア部の空隙容積Vvcと、負荷面積率p%における谷部の空隙容積Vvvとを演算する。
そして両容積の和Vvc+Vvvを求めて、表面うねり成分の空隙容積Vvとする。
なお、表面粗さ成分および表面うねり成分のいずれを求める場合も、負荷面積率pは80%、qは10%に設定するのが一般的である。
上記空隙容積Vvを満足する、表面うねり成分を構成する凹凸の、凹部の具体的なサイズは特に限定されないものの、当該凹部の深さは、1μm以上であるのが好ましく、50μm以下であるのが好ましい。また凹部の開口面積は、1μm以上であるのが好ましく、1mm以下であるのが好ましい。
またローラ本体の外周面の、前述したISO規格において規定された算術平均高さSa(線の算術平均高さRaを面に拡張したもの)は、0.8μm以上であるのが好ましく、3μm以下であるのが好ましい。
《帯電ローラとその製造方法》
図1は、本発明の帯電ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の帯電ローラ1は、半導電性を付与したゴム組成物によって、非多孔質でかつ単層の筒状に形成されたローラ本体2を備えている。ローラ本体2の中心の通孔3には、シャフト4が挿通されて固定されている。
シャフト4は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成されている。
シャフト4は、例えば導電性を有する接着剤を介して、ローラ本体2と電気的に接合されるとともに機械的に固定されるか、あるいは通孔3の内径よりも外径の大きいものを通孔3に圧入することで、ローラ本体2と電気的に接合されるとともに機械的に固定される。
ローラ本体2の外周面5には、図中に拡大して示すように酸化膜6が形成されている。
酸化膜6を形成することにより、当該酸化膜6が誘電層として機能して、帯電ローラ1の誘電正接を低減できる。また酸化膜6が低摩擦層として機能して、微粉の付着をさらに良好に抑制できる。
しかも酸化膜6は、例えば酸化性雰囲気中で外周面5に紫外線を照射する等して、当該外周面5の近傍のゴムを酸化させるだけで簡単に形成できるため、帯電ローラ1の生産性が低下したり、製造コストが高くついたりするのを抑制できる。
なお、ローラ本体2の「単層」とは、ゴム等からなる層の数が単層であることを指し、紫外線の照射等によって形成される酸化膜6は層数に含まないこととする。
帯電ローラ1を製造するには、まず調製したゴム組成物を、押出機を用いて筒状に押出成形し、次いで所定の長さにカットして加硫缶内で加圧、加熱してゴムを架橋させる。
次いで、架橋させた筒状体を、オーブン等を用いて加熱して二次架橋させ、冷却したのち、所定の外径となるように外周面5を研磨する。
研磨方法としては、例えば乾式トラバース研磨等の種々の研磨方法が採用可能である。
次いで研磨した外周面5を、レーザー加工、湿式ブラスト加工および乾式ブラスト加工からなる群より選ばれた少なくとも1種の加工によって、前述した表面粗さ成分および表面うねり成分の空隙容積Vvをともに満足する特定の表面形状に仕上げ加工してローラ本体2を形成する。
すなわち、研磨しただけの外周面5は、表面粗さ成分を構成する凹凸が大きく、かつ多い状態である。
この状態の外周面5に、さらにレーザー加工や湿式もしくは乾式のブラスト加工によって、表面うねり成分を構成する、より低周波数の凹凸を形成することにより、それより微細な、表面粗さ成分を構成する凹凸を小さく、かつ少なくして、上記特定の表面形状を満足する外周面5を備えたローラ本体2を形成できる。
なお、外周面5の表面うねり成分の空隙容積Vvを、前述した範囲でも、例えば1ml/m未満、特に0.5ml/m以下とする場合には、外周面5を乾式トラバース研磨等した後に、鏡面研磨等の仕上げ研磨をした上で、レーザー加工、または湿式、乾式のブラスト加工をするのが好ましい。
レーザー加工は、例えば研磨後の外周面5に、所定の照射サイズに絞ったレーザーを、所定のピッチで照射位置を移動させながら照射することで実施される。
レーザー加工では、レーザーの照射によって発生する熱によって、外周面5を形成するゴム組成物の架橋物が選択的に溶融され、かつ少なくとも一部が蒸散されて、表面うねり成分を構成する多数の凹凸が形成される。
レーザー加工によって、ローラ本体の外周面を前述した特定の表面形状とするには、例えばレーザーの出力、外周面に照射するレーザーの照射サイズや照射位置の移動のピッチ、あるいは隣り合う照射位置の重なり度合い等を調整すればよい。
レーザー加工では、例えば照射位置の移動のピッチを小さくするほど、表面うねり成分の空隙容積Vvを小さくできる。
ピッチは、特定の表面形状を形成し得る任意の範囲に設定できるものの、特に30μm以上、中でも35μm以上、特に40μm以上であるのが好ましく、60μm以下であるのが好ましい。
レーザー加工は、特に外周面5の表面うねり成分の空隙容積Vvを、前述した範囲でも、例えば1ml/m以上とする場合に好適である。
湿式ブラスト加工は、例えば研磨後、好ましくは鏡面研磨後の外周面5に、研磨材の微細粒子と水等の液体とを含むスラリーを、噴射ノズルから高速で吹き付けることによって実施される。また乾式ブラスト加工は、上記外周面5に、研磨材の微細粒子を、圧縮空気等の圧縮ガスとともに、噴射ノズルから高速で吹き付けることによって実施される。
ブラスト加工では、研磨材の微細粒子の吹き付けによって、外周面5を形成するゴム組成物の架橋物が選択的に研磨、除去されて、表面うねり成分を構成する多数の凹凸が形成される。
ブラスト加工によって、ローラ本体の外周面を、前述した特定の表面形状とするには、例えば外周面に吹き付ける研磨材の微細粒子の種類や形状や粒径、微細粒子を吹き付ける際の、吹付の圧力や時間等を調整すればよい。
例えば、微細粒子の種類や形状や粒径、吹き付けの圧力等を一定とする場合は、吹き付けの時間を長くするほど、表面粗さ成分および表面うねり成分の空隙容積Vvを小さくできる。
また、ブラスト加工に先立って鏡面研磨する場合は、より目の細かいラッピングフィルムを使用するほど、ブラスト加工後の表面粗さ成分および表面うねり成分の空隙容積Vvを小さくできる。
湿式、乾式のブラスト加工は、特に外周面5の表面うねり成分の空隙容積を、前述した範囲でも、例えば1ml/m未満、特に0.5ml/m以下とする場合に好適である。
シャフト4は、筒状体のカット後から仕上げ加工後までの任意の時点で、通孔3に挿通して固定できる。
ただしカット後、まず通孔3にシャフト4を挿通した状態で二次架橋、研磨、および仕上げ加工をするのが好ましい。これにより、二次架橋時の膨張収縮によるローラ本体2の反りや変形を抑制できる。また、シャフト4を中心として回転させながら研磨したのち仕上げ加工することで、当該研磨や仕上げ加工の作業性を向上し、なおかつ外周面5のフレを抑制できる。
シャフト4は、先に説明したように、通孔3の内径よりも外径の大きいものを、当該通孔3に圧入するか、あるいは導電性を有する熱硬化性接着剤を介して、二次架橋前の通孔3に挿通すればよい。
前者の場合は、シャフト4の圧入と同時に電気的な接合と機械的な固定が完了する。
また後者の場合は、オーブン中での加熱によって筒状体が二次架橋されるのと同時に熱硬化性接着剤が硬化して、当該シャフト4がローラ本体2に機械的に固定されるとともに、電気的に接合される。
酸化膜6は、先に説明したように、ローラ本体2の外周面5に紫外線を照射して形成するのが好ましい。すなわち、レーザー加工等した後の外周面5に所定波長の紫外線を所定時間照射して、当該外周面5の近傍のゴムを酸化させるだけで酸化膜6を形成できるため、簡単で効率的である。
しかも、紫外線の照射によって形成される酸化膜6は、例えば従来の、塗剤を塗布して形成されるコーティング膜のような問題を生じることがない上、厚みの均一性やローラ本体2との密着性等にも優れている。
照射する紫外線の波長は、ゴム組成物中のゴムを効率よく酸化させて、前述した機能に優れた酸化膜6を形成することを考慮すると、100nm以上であるのが好ましく、400nm以下、特に300nm以下であるのが好ましい。また照射の時間は30秒間以上、特に1分間以上であるのが好ましく、30分間以下、特に20分間以下であるのが好ましい。
ただし、酸化膜6は他の方法で形成してもよいし、場合によっては形成しなくてもよい。
《ゴム組成物》
ローラ本体を形成するゴム組成物は、ゴムに、当該ゴムを架橋させるための架橋成分や各種添加剤を配合して調製される。
〈ゴム〉
ゴム組成物のもとになるゴムとしては、帯電ローラのローラ抵抗値を好適な範囲に調整するために、イオン導電性ゴムを用いるのが好ましい。イオン導電性ゴムとしては、例えばエピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。
またゴムとしては、ゴム組成物に良好な加工性を付与したり、ローラ本体の機械的強度や耐久性等を向上したり、あるいはローラ本体にゴムとしての良好な特性、すなわち柔軟で、しかも圧縮永久ひずみが小さくヘタリを生じにくい特性を付与したりするため、上記イオン導電性ゴムとともにジエン系ゴムを併用するのが好ましい。
(エピクロルヒドリンゴム)
エピクロルヒドリンゴムとしては、繰り返し単位としてエピクロルヒドリンを含み、イオン導電性を有する種々の重合体が使用可能である。
エピクロルヒドリンゴムとしては、例えばエピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
中でもジエン系ゴムと併用した際に、帯電ローラのローラ抵抗値を好適な範囲まで低下させる効果の点で、エチレンオキサイドを含む共重合体、特にECOおよび/またはGECOが好ましい。
上記両共重合体におけるエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、特に50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは、帯電ローラのローラ抵抗値を下げる働きをする。しかしエチレンオキサイド含量がこの範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、ローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
一方、エチレンオキサイド含量が上記範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり、分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に帯電ローラのローラ抵抗値が上昇する傾向がある。また架橋後のローラ本体が硬くなりすぎたり、架橋前のゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇して加工性が低下したりするおそれもある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量の残量である。すなわち、エピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、特に50モル%以下であるのが好ましい。
またGECOにおけるアリルグリシジルエーテル含量は0.5モル%以上、特に2モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下、特に5モル%以下であるのが好ましい。
アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、帯電ローラのローラ抵抗値を低下させる働きをする。しかし、アリルグリシジルエーテル含量がこの範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、ローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
一方、アリルグリシジルエーテルはGECOの架橋時に架橋点として機能するため、アリルグリシジルエーテル含量が上記の範囲を超える場合には、GECOの架橋密度が高くなりすぎることによって分子鎖のセグメント運動が妨げられて、却ってローラ抵抗値が上昇する傾向がある。
GECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は10モル%以上、特に19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、特に60モル%以下であるのが好ましい。
なおGECOとしては、先に説明した3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体の他に、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られており、本発明ではこのいずれのGECOも使用可能である。
これらエピクロルヒドリンゴムの1種または2種以上を使用できる。
(ジエン系ゴム)
前述したようにジエン系ゴムは、ゴム組成物に良好な加工性を付与したり、ローラ本体の機械的強度や耐久性等を向上したり、あるいはローラ本体にゴムとしての良好な特性、すなわち柔軟で、しかも圧縮永久ひずみが小さくヘタリを生じにくい特性を付与したりするために機能する。
またジエン系ゴムは、前述した紫外線照射によって酸化されて、ローラ本体の外周面に酸化膜を形成する材料ともなる。
ジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の1種または2種以上が挙げられる。
中でも、CRとNBRを併用するのが好ましい。
すなわちゴムとしては、エピクロルヒドリンゴム、CRおよびNBRの3種を併用するのが好ましい。なお3種のゴムとしては、それぞれグレードの異なるものなどを2種以上併用してもよい。
かかる併用系においてCRは、分子中に塩素原子を多く含むことから、上述したジエン系ゴムとしての機能に加えて、帯電ローラの帯電特性を向上させるためにも機能する。またCRは極性ゴムであるため、帯電ローラのローラ抵抗値を微調整するためにも機能する。
CRは、クロロプレンを乳化重合させて合成されるもので、その際に用いる分子量調整剤の種類によって、硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプとに分類される。
このうち硫黄変性タイプのCRは、クロロプレンと、分子量調整剤としての硫黄とを共重合させたポリマを、チウラムジスルフィド等で可塑化して所定の粘度に調整することで合成される。
また非硫黄変性タイプのCRは、例えばメルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ等に分類される。
このうちメルカプタン変性タイプのCRは、例えばn−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調整剤として使用すること以外は、硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
またキサントゲン変性タイプのCRは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調整剤として使用すること以外は、やはり硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
またCRは、その結晶化速度に基づいて、当該結晶化速度が遅いタイプ、中庸であるタイプ、および速いタイプに分類される。
本発明においては、いずれのタイプのCRを用いてもよいが、中でも非硫黄変性タイプで、かつ結晶化速度が遅いタイプのCRが好ましい。
またCRとしては、クロロプレンと他の共重合成分との共重合体を用いてもよい。かかる他の共重合成分としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、およびメタクリル酸エステル等の1種または2種以上が挙げられる。
さらにCRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのCRを用いるのが好ましい。
これらCRの1種または2種以上を使用できる。
NBRは、前述したジエン系ゴムとしての機能に優れている。また、NBRは極性ゴムであるため、帯電ローラのローラ抵抗値を微調整するためにも機能する。
NBRとしては、アクリロニトリル含量が24%以下である低ニトリルNBR、25〜30%である中ニトリルNBR、31〜35%である中高ニトリルNBR、36〜42%である高ニトリルNBR、43%以上である極高ニトリルNBRがいずれも使用可能である。
またNBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、やはり感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない非油展タイプのNBRを用いるのが好ましい。
これらNBRの1種または2種以上を使用できる。
(ゴムの配合割合)
ゴムの配合割合は、帯電ローラに求められる各種の特性、特にローラ抵抗値やローラ本体の柔軟性等に応じて任意に設定できる。
ただし、エピクロルヒドリンゴムの配合割合は、ゴムの総量100質量部中の15質量部以上、特に30質量部以上であるのが好ましく、80質量部以下、特に70質量部以下であるのが好ましい。
エピクロルヒドリンゴムの配合割合がこの範囲未満では、帯電ローラのローラ抵抗値を好適な範囲まで十分に低下できないおそれがある。
一方、エピクロルヒドリンゴムの配合割合が上記の範囲を超える場合には、相対的にジエン系ゴムの割合が少なくなるため、ゴム組成物に良好な加工性を付与したり、ローラ本体にゴムとしての良好な特性を付与したり、外周面に、前述した機能を有する連続した酸化膜を形成したりできないおそれがある。
これに対し、エピクロルヒドリンゴムの配合割合を上記の範囲とすることにより、ジエン系ゴムを併用することによる上記の効果を維持しながら、帯電ローラのローラ抵抗値を好適な範囲まで十分に低下できる。
CRの配合割合は、ゴムの総量100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、30質量部以下、特に20質量部以下であるのが好ましい。
CRの配合割合がこの範囲未満では、当該CRを配合することによる前述した効果、すなわち帯電ローラの帯電特性を向上する効果や、ローラ抵抗値を微調整する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、CRの配合割合が上記の範囲を超える場合には、相対的にエピクロルヒドリンゴムが少なくなるため、帯電ローラのローラ抵抗値を好適な範囲まで十分に低下できないおそれがある。
NBRの配合割合は、エピクロルヒドリンゴムおよびCRの残量とする。すなわちエピクロルヒドリンゴムおよびCRの配合割合をそれぞれ所定値に設定した際にゴムの総量が100質量部となるように、NBRの配合割合を設定すればよい。
〈架橋成分〉
架橋成分としては、チオウレア系架橋剤、ならびに硫黄系架橋剤を併用するのが好ましい。
(チオウレア系架橋剤)
チオウレア系架橋剤としては、分子中にチオウレア構造を有し、主にECOおよび/またはGECOの架橋剤として機能しうる種々のチオウレア化合物が使用可能である。
チオウレア系架橋剤としては、例えばエチレンチオウレア、N,N′−ジフェニルチオ
ウレア、トリメチルチオウレア、式(1):
(Cn2n+1NH)C=S (1)
〔式中、nは1〜12の整数を示す。〕で表されるチオウレア、テトラメチルチオウレア等の1種または2種以上が挙げられる。特にエチレンチオウレアが好ましい。
チオウレア系架橋剤の配合割合は、ローラ本体に、前述したゴムとしての良好な特性を付与すること等を考慮すると、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
(架橋促進剤)
チオウレア系架橋剤には、当該チオウレア系架橋剤によるECOおよび/またはGECOの架橋反応を促進する種々の架橋促進剤を併用してもよい。
かかる架橋促進剤としては、例えば1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−
トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド等のグアニジン系促進剤などの1種または2種以上が挙げられる。特に1,3−ジ−o−トリルグアニジンが好ましい。
架橋促進剤の配合割合は、架橋反応を促進する効果を十分に発現させることを考慮すると、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
(硫黄系架橋剤)
主にジエン系ゴムやGECOを架橋させるための硫黄系架橋剤としては、例えば粉末硫黄、オイル処理粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、分散性硫黄等の硫黄や、あるいはテトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等の有機含硫黄化合物などが挙げられ、特に硫黄が好ましい。
硫黄の配合割合は、ローラ本体に、前述したゴムとしての良好な特性を付与すること等を考慮すると、ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
なお、例えば硫黄としてオイル処理粉末硫黄、分散性硫黄等を使用する場合、上記配合割合は、それぞれの中に含まれる有効成分としての硫黄自体の割合とする。
また、架橋剤として有機含硫黄化合物を使用する場合、その配合割合は、分子中に含まれる硫黄の、ゴムの総量100質量部あたりの割合が上記の範囲となるように調整するのが好ましい。
(架橋促進剤)
硫黄系架橋剤には、当該硫黄系架橋剤によるジエン系ゴム等の架橋反応を促進する種々の架橋促進剤を併用してもよい。
かかる架橋促進剤としては、例えばチアゾール系促進剤、チウラム系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。中でも、チアゾール系促進剤とチウラム系促進剤を併用するのが好ましい。
チアゾール系促進剤としては、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2-メルカプト
ベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイル
チオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の1種または2種以上が挙げられる。特にジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。
またチウラム系促進剤としては、例えばテトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、ジペンタメ
チレンチウラムテトラスルフィド等の1種または2種以上が挙げられる。特にテトラメチルチウラムモノスルフィドが好ましい。
上記2種の架橋促進剤の併用系において、架橋反応を促進する効果を十分に発現させることを考慮すると、チアゾール系促進剤の配合割合は、ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上、2質量部以下であるのが好ましい。またチウラム系促進剤の配合割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上、1質量部以下であるのが好ましい。
〈導電剤〉
ゴム組成物には、さらに導電剤としての、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと、陽イオンとの塩(イオン塩)を配合してもよい。
導電剤としてイオン塩を配合することにより、ゴム組成物のイオン導電性をさらに向上して、帯電ローラのローラ抵抗値をより一層低下できる。
イオン塩を構成する、分子中にフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンとしては、例えばフルオロアルキルスルホン酸イオン、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドイオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドイオン等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちフルオロアルキルスルホン酸イオンとしては、例えばCFSO 、CSO 等の1種または2種以上が挙げられる。
またビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドイオンとしては、例えば(CFSO)、(CSO)、(CSO)(CFSO)N、(FSO)(CFSO)N、(C17SO)(CFSO)N、(CFCHOSO)、(CFCFCHOSO)、(HCFCFCHOSO)、[(CF)CHOSO]等の1種または2種以上が挙げられる。
さらにトリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドイオンとしては、例えば(CFSO)、(CFCHOSO)等の1種または2種以上が挙げられる。
また陽イオンとしては、例えばナトリウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の第2族元素のイオン、遷移元素のイオン、両性元素の陽イオン、第4級アンモニウムイオン、イミダゾリウム陽イオン等の1種または2種以上が挙げられる。
イオン塩としては、特に陽イオンとしてリチウムイオンを用いたリチウム塩、またはカリウムイオンを用いたカリウム塩が好ましい。
中でも、ゴム組成物のイオン導電性を向上して帯電ローラのローラ抵抗値を低下させる効果の点で、(CFSO)NLi〔リチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi−TFSI〕、および/または(CFSO)NK〔カリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、K−TFSI〕が好ましい。
イオン塩の配合割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下であるのが好ましい。
〈その他〉
ゴム組成物には、さらに必要に応じて、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば架橋促進助剤、受酸剤、充填剤、可塑剤、加工助剤、劣化防止剤等が挙げられる。
このうち架橋促進助剤としては、例えば酸化亜鉛(亜鉛華)等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸その他、従来公知の架橋促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
架橋促進助剤の配合割合は、個別に、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
受酸剤は、架橋時にエピクロルヒドリンゴムやCRから発生する塩素系ガスの、ローラ本体内への残留と、それによる架橋阻害や感光体の汚染等を防止するために機能する。
受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、中でも分散性に優れたハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、特にハイドロタルサイト類が好ましい。
また、ハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用すると、より高い受酸効果を得ることができ、感光体の汚染をより一層確実に防止できる。
受酸剤の配合割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、例えば酸化亜鉛、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、帯電ローラの機械的強度等を向上できる。
また、充填剤として導電性カーボンブラックを用いると、ローラ本体に電子導電性を付与できる。
導電性カーボンブラックとしては、例えばアセチレンブラック等が挙げられる。
導電性カーボンブラックの配合割合は、ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられる。また加工助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩などが挙げられる。
可塑剤および/または加工助剤の配合割合は、ゴムの総量100質量部あたり3質量部以下であるのが好ましい。
劣化防止剤としては、各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
このうち老化防止剤は、帯電ローラのローラ抵抗値の環境依存性を低減するとともに、連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。老化防止剤としては、例えばジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
老化防止剤の配合割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
また添加剤としては、さらにスコーチ防止剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等の各種添加剤を、任意の割合で配合してもよい
なおローラ本体は、上記の各成分を含むゴム組成物によって形成したものには限定されない。
例えば、帯電ローラに好適なローラ抵抗値を付与できる、機械的強度や耐久性等に優れたローラ本体を形成できる、当該ローラ本体に、柔軟で、しかも圧縮永久ひずみが小さくヘタリを生じにくい特性を付与できる、といった要件を満足しうる種々のゴム組成物によって、単層のローラ本体を形成することができる。
いずれの場合も、ローラ本体の外周面を、前述した特定の表面形状とすることにより、コーティング膜を省略した簡単な構造を維持しながら、なおかつ感光体の表面をできるだけ均一に帯電できる上、微粉の付着や蓄積を現状よりもさらに良好に抑制できる帯電ローラを得ることができる。
本発明の帯電ローラは、例えばレーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機等の、電子写真法を利用した各種の画像形成装置に組み込んで用いることができる。
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、必ずしもこれらに限定されるものではない。
なお実施例、比較例で製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分および表面うねり成分の空隙容積Vvは、前述したように形状解析レーザー顕微鏡〔(株)キーエンス製のVK−X150/160〕を用いて、観察面積:55625μmの範囲で、当該外周面の表面形状を測定した結果から、下記の方法で求めた値でもって表すこととする。
〈表面粗さ成分の空隙容積Vv〉
上記形状解析レーザー顕微鏡を用いて測定した外周面の表面形状の測定結果(原表面)を、メディアンフィルタ(3×3)を用いて平滑化し、平面傾きを補正し、さらに面状補正−うねり除去を強さ20で2回実行することで表面うねり成分を除去して計測表面を求めた。
次いで、この計測表面に対して所定の評価領域を指定し、計測表面に対応する基準表面を求めて、負荷面積率p=80%における空隙容積と、負荷面積率q=10%における空隙容積との差分で表されるコア部の空隙容積Vvcと、負荷面積率p=80%における谷部の空隙容積Vvvとを演算した。
そして両容積の和Vvc+Vvvを求めて、表面粗さ成分の空隙容積Vvとし、当該表面粗さ成分の空隙容積Vvが0.3ml/m以上であったものを「×」、0.3ml/m未満であったものを「○」と評価した。
〈表面うねり成分の空隙容積Vv〉
上記形状解析レーザー顕微鏡を用いて測定した外周面の表面形状の測定結果(原表面)を、25μmのローパスフィルタを用いて処理して高周波成分(表面粗さ成分)を除去し、メディアンフィルタ(3×3)を用いて平滑化し、さらに平面傾きを補正して計測表面を求めた。
次いで、この計測表面に対して所定の評価領域を指定し、計測表面に対応する基準表面を求めて、負荷面積率p=80%における空隙容積と、負荷面積率q=10%における空隙容積との差分で表されるコア部の空隙容積Vvcと、負荷面積率p=80%における谷部の空隙容積Vvvとを演算した。
そして両容積の和Vvc+Vvvを求めて、表面うねり成分の空隙容積Vvとし、当該表面うねり成分の空隙容積Vvが0.05ml/m未満、または6ml/mを超えていたものを「×」、0.05ml/m以上、6ml/m以下であったものを「○」と評価した。
〈凹部の深さ〉
上記表面うねり成分の空隙容積Vvを演算する際に求めた計測表面(表面うねり成分)のデータから、ローラ本体の軸方向における、上記表面うねり成分を構成する凹凸の、凹部の深さの平均値(μm)を求めた。
〈算術平均高さSa〉
上記形状解析レーザー顕微鏡を用いて測定した外周面の表面形状の測定結果(原表面)の平面傾きを補正し、さらに面状補正して計測表面を求めた。
次いで、この計測表面に対して所定の評価領域を設定し、当該評価領域内の計測表面に対して、各点の高さの差の絶対値の平均値を求めて、算術平均高さSa(μm)とした。
〈実施例1〉
(ゴム組成物の調製)
ゴムとしては、ECO〔(株)大阪ソーダ製のエピクロマー(登録商標)D、EO/EP=61/39(モル比)〕15質量部、GECO〔(株)大阪ソーダ製のエピオン(登録商標)301、EO/EP/AGE=73/23/4(モル比)〕45質量部、CR〔昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT、非油展〕10質量部、およびNBR〔JSR(株)製のJSR N250 SL、低ニトリルNBR、アクリロニトリル含量:20%、非油展〕30質量部を配合した。
そして上記4種のゴムの総量100質量部を、バンバリミキサを用いて素練りしながら、下記の各成分を配合して混練した。
Figure 0006889832
表1中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
イオン塩:カリウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔三菱マテリアル電子化成(株)製のEF−N112、K−TFSI〕
架橋促進助剤:酸化亜鉛2種〔堺化学工業(株)製〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A(登録商標)−2〕
充填剤:導電性カーボンブラック〔電気化学工業(株)製のデンカブラック(登録商標)、アセチレンブラック、粒状〕
加工助剤:ステアリン酸亜鉛〔堺化学工業(株)製のSZ−2000〕
老化防止剤:ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)NBC〕
次いで混練を続けながら、下記の架橋成分を配合してさらに混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006889832
表2中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
分散性硫黄:架橋剤〔鶴見化学工業(株)製の商品名サルファックスPS、硫黄分:99.5%〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド〔三新化学工業(株)製のサンセラー(登録商標)TS、チウラム系促進剤〕
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM、チアゾール系促進剤〕
チオウレア系架橋剤:エチレンチオウレア〔川口化学工業(株)製のアクセル(登録商標)22−S、2−メルカプトイミダゾリン〕
促進剤DT:1,3−ジ−o−トリルグアニジン〔三新化学工業(株)製のサンセラーDT、グアニジン系促進剤〕
(帯電ローラの製造)
調製したゴム組成物を、φ60の押出機に供給して、外径φ11.0mm、内径φ5.0mmの筒状に押出成形し、カットして架橋用の仮のシャフトに装着して加硫缶内で160℃×30分間架橋させた。
次いで、架橋させた筒状体を、外周面に導電性の熱硬化性接着剤(ポリアミド系)を塗布した外径φ6mmの金属シャフトに装着し直して、オーブン中で150℃×60分間加熱して当該金属シャフトに接着させ、次いで両端を整形したのち、外周面を、広幅研磨機を用いて外径がφ9.5mmになるまで乾式研磨した。
次に、研磨後の外周面をアルコール拭きしたのち、レーザー加工機〔(株)アマダミヤチ製のファイバーレーザー加工機ML−7320DL〕を用いてレーザー加工して、図2に示す、表面うねり成分を構成する低周波数の凹凸を形成した。レーザー加工時のレーザーの、照射位置の移動のピッチは40μm、隣り合う照射位置の重なり度合いは20%とし、それに合わせて出力を調整した。
そして、レーザー加工後の外周面を再びアルコール拭きしたのち、UV光源から外周面までの距離を50mmとしてUV処理装置にセットし、300rpmで回転させながら紫外線を15分間照射することで酸化膜を形成して帯電ローラを製造した。
製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分の空隙容積Vvは0.20ml/m(○)、表面うねり成分の空隙容積Vvは1.90ml/m(○)であった。また表面うねり成分を構成する凹凸の、凹部の深さ(平均値)は6μm、算術平均高さSaは1.3μmであった。
〈実施例2〉
レーザー加工時のレーザーの、照射位置の移動のピッチを60μm、隣り合う照射位置の重なり度合いを30%とし、それに合わせて出力を調整したこと以外は実施例1と同様にして、帯電ローラを製造した。レーザー加工後の外周面を図3に示す。
製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分の空隙容積Vvは0.20ml/m(○)、表面うねり成分の空隙容積Vvは4.00ml/m(○)であった。また表面うねり成分を構成する凹凸の、凹部の深さ(平均値)は9μm、算術平均高さSaは2.7μmであった。
〈実施例3〉
実施例1と同じゴム組成物を用い、実施例1と同じ工程を経て、金属シャフトに接着させて両端を整形した筒状体の外周面を、円筒研磨機を用いて乾式トラバース研磨し、次いで仕上げ研磨として#1000のラッピングフィルム〔三共理化学(株)製のミラーフィルム(登録商標)〕を用いた鏡面研磨をして、外径をφ9.5mm(公差0.05)に仕上げた。
次に、研磨後の外周面をアルコール拭きしたのち、その外周面を、ウェットブラスト装置〔マコー(株)製〕を用いて湿式ブラスト加工した。研磨材の微細粒子としては、(株)不二製作所製のフジランダムA〔褐色溶融アルミナ、新モース硬度:12、平均粒子径:6.7±0.6μm、粒番号2000〕を用いた。また、湿式ブラスト加工の条件は、微細粒子の吹き付けの圧力を0.3MPa、時間を7.5分間とした。ブラスト加工後の外周面を図4に示す。
そして、湿式ブラスト加工後の外周面を再びアルコール拭きしたのち、UV光源から外周面までの距離を50mmとしてUV処理装置にセットし、300rpmで回転させながら紫外線を15分間照射することで酸化膜を形成して帯電ローラを製造した。
製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分の空隙容積Vvは0.22ml/m(○)、表面うねり成分の空隙容積Vvは0.28ml/m(○)であった。また表面うねり成分を構成する凹凸の算術平均高さSaは0.2μmであった。
〈実施例4〉
湿式ブラスト加工における、微細粒子の吹き付けの時間を12分間としたこと以外は実施例3と同様にして、帯電ローラを製造した。ブラスト加工後の外周面を図5に示す。
製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分の空隙容積Vvは0.09ml/m(○)、表面うねり成分の空隙容積Vvは0.08ml/m(○)であった。また表面うねり成分を構成する凹凸の算術平均高さSaは0.15μmであった。
〈実施例5〉
湿式ブラスト加工における、微細粒子の吹き付けの時間を3分間としたこと以外は実施例3と同様にして、帯電ローラを製造した。ブラスト加工後の外周面を図6に示す。
製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分の空隙容積Vvは0.26ml/m(○)、表面うねり成分の空隙容積Vvは0.37ml/m(○)であった。また表面うねり成分を構成する凹凸の算術平均高さSaは0.35μmであった。
〈実施例6〉
実施例1と同じゴム組成物を用い、実施例1と同じ工程を経て、金属シャフトに接着させて両端を整形した筒状体の外周面を、円筒研磨機を用いて乾式トラバース研磨し、次いで仕上げ研磨として#400のラッピングフィルム〔三共理化学(株)製のミラーフィルム〕を用いた鏡面研磨をして、外径をφ9.5mmに仕上げた。
次に、研磨後の外周面をアルコール拭きしたのち、その外周面を、エアブラストマシン〔厚地鉄工(株)製〕を用いて乾式ブラスト加工した。研磨材の微細粒子としては、(株)不二製作所製のフジランダムA〔褐色溶融アルミナ、新モース硬度:12、平均粒子径:40.0±2.5μm、粒番号320〕を用いた。また、湿式ブラスト加工の条件は、微細粒子の吹き付けの圧力を0.6MPa、時間を3分間とした。ブラスト加工後の外周面を図7に示す。
そして、乾式ブラスト加工後の外周面を再びアルコール拭きしたのち、UV光源から外周面までの距離を50mmとしてUV処理装置にセットし、300rpmで回転させながら紫外線を15分間照射することで酸化膜を形成して帯電ローラを製造した。
製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分の空隙容積Vvは0.28ml/m(○)、表面うねり成分の空隙容積Vvは0.37ml/m(○)であった。また表面うねり成分を構成する凹凸の算術平均高さSaは0.4μmであった。
〈比較例1〉
レーザー加工時のレーザーの、照射位置の移動のピッチを80μm、隣り合う照射位置の重なり度合いを30%とし、それに合わせて出力を調整したこと以外は実施例1と同様にして、帯電ローラを製造した。レーザー加工後の外周面を図8に示す。
製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分の空隙容積Vvは0.20ml/m(○)、表面うねり成分の空隙容積Vvは7.10ml/m(×)であった。また表面うねり成分を構成する凹凸の、凹部の深さ(平均値)は15μm、算術平均高さSaは3.6μmであった。
〈比較例2〉
研磨後の外周面をレーザー加工もブラスト加工もせず、直ちに仕上げ研磨として#400のラッピングフィルム〔三共理化学(株)製のミラーフィルム〕を用いた鏡面研磨をしてアルコール拭きしたのち、紫外線を照射して酸化膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして、外周面が図9に示す状態の帯電ローラを製造した。
製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分の空隙容積Vvは1.19ml/m(×)、表面うねり成分の空隙容積Vvは1.37ml/m(○)であった。また算術平均高さSaは2.2μmであった。
〈比較例3〉
研磨後の外周面をレーザー加工もブラスト加工もせず、直ちに仕上げ研磨として#1000のラッピングフィルム〔三共理化学(株)製のミラーフィルム〕を用いた鏡面研磨をしてアルコール拭きしたのち、紫外線を照射して酸化膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして、外周面が図10に示す状態の帯電ローラを製造した。
製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分の空隙容積Vvは0.68ml/m(×)、表面うねり成分の空隙容積Vvは0.38ml/m(○)であった。また算術平均高さSaは0.9μmであった。
〈比較例4〉
研磨後の外周面をレーザー加工もブラスト加工もせずにアルコール拭きしたのち、紫外線を照射して酸化膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして、外周面が図11に示す状態の帯電ローラを製造した。
製造した帯電ローラの、ローラ本体の外周面の、表面粗さ成分の空隙容積Vvは0.30ml/m(×)、表面うねり成分の空隙容積Vvは0.10ml/m(○)であった。また算術平均高さSaは0.2μmであった。
〈実機試験〉
感光体と、当該感光体の表面に常時接触させて配設された帯電ローラとを備え、レーザープリンタ本体に着脱自在とされたフォトコンダクタユニット〔レックスマーク インターナショナル社製〕の、純正の帯電ローラに代えて、実施例、比較例で製造した帯電ローラを組み込んだ。
そして組み立てたフォトコンダクタユニットを、カラーレーザープリンタ〔レックスマーク インターナショナル社製のカラーレーザープリンタCS510de〕に装填して、30%濃度、300lpiの画像を、2枚/25秒間の速度で30000枚に亘って連続形成し、形成した30000枚の画像に、1枚でも帯電の不均一による画像不良が生じたものを「×」、全く生じなかったものを「○」と評価した。
また連続画像形成後に帯電ローラを取り出し、外周面を目視によって観察して、微粉の付着によって著しい白化が生じていたものを「×」、白化が見られたものの「×」より僅かであったものを「△」、白化が生じていなかったものを「○」と評価した。
以上の結果を表3、表4に示す。
Figure 0006889832
Figure 0006889832
表3、表4の実施例1〜6、比較例1〜5の結果より、ローラ本体の外周面の空隙容積Vvを、表面粗さ成分において0.3ml/m未満で、かつ表面うねり成分において0.05ml/m以上、6ml/m以下とすることにより、コーティング膜を省略した簡単な構造を維持しながら、なおかつ感光体の表面をできるだけ均一に帯電して画像不良を生じにくい上、微粉の付着や蓄積を良好に抑制できる帯電ローラが得られることが判った。
また実施例1〜6の結果より、上記の効果をより一層向上することを考慮すると、表面粗さ成分の空隙容積Vvは、上記の範囲でも0.1ml/m以上とするのが好ましく、0.28ml/m以下とするのが好ましいこと、表面うねり成分の空隙容積Vvは、上記の範囲でも0.1ml/m以上とするのが好ましく、4ml/m以下とするのが好ましいことが判った。
1 帯電ローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 酸化膜

Claims (4)

  1. ローラ本体を備え、前記ローラ本体は、ゴムを含むゴム組成物の架橋物によって単層に形成されているとともに、前記ローラ本体の外周面は、国際標準化機構規格ISO25178−2:2012において規定された、コア部の空隙容積Vvcと谷部の空隙容積Vvvとの和Vvc+Vvvで表される空隙容積Vvが、多数の凹凸からなる表面粗さ成分において0.3ml/m未満で、かつ前記表面粗さ成分より低周波数の多数の凹凸からなる表面うねり成分において0.05ml/m以上、6ml/m以下である帯電ローラ。
  2. 前記ローラ本体の前記外周面は、酸化膜を備えている請求項1に記載の帯電ローラ。
  3. 前記請求項1または2に記載の帯電ローラの製造方法であって、前記ローラ本体の前記外周面を研磨する工程、および研磨した前記外周面にレーザー加工、湿式ブラスト加工および乾式ブラスト加工からなる群より選ばれた少なくとも1種の加工をすることで、前記外周面を、前記表面粗さ成分の空隙容積Vvが0.3ml/m未満、前記表面うねり成分の空隙容積Vvが0.05ml/m以上、6ml/m以下となるように仕上げる工程を含む、帯電ローラの製造方法。
  4. 記仕上げの工程後、さらに前記外周面に紫外線を照射することで、前記ゴムを酸化させて前記酸化膜を形成する工程を含む請求項3に記載の帯電ローラの製造方法。
JP2017076825A 2017-01-23 2017-04-07 帯電ローラおよびその製造方法 Active JP6889832B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201711420161.6A CN108345195B (zh) 2017-01-23 2017-12-25 充电辊及其制造方法
US15/855,222 US10067439B2 (en) 2017-01-23 2017-12-27 Charging roller, and method of producing the same

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017009486 2017-01-23
JP2017009486 2017-01-23

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018120198A JP2018120198A (ja) 2018-08-02
JP6889832B2 true JP6889832B2 (ja) 2021-06-18

Family

ID=63044405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017076825A Active JP6889832B2 (ja) 2017-01-23 2017-04-07 帯電ローラおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6889832B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6913280B2 (ja) * 2017-04-07 2021-08-04 住友ゴム工業株式会社 現像ローラおよびその製造方法
WO2020158921A1 (ja) * 2019-02-01 2020-08-06 大日本印刷株式会社 化粧材
JP7415244B2 (ja) * 2019-12-04 2024-01-17 住友ゴム工業株式会社 現像ローラおよびその製造方法
JP7011139B1 (ja) * 2021-05-20 2022-01-26 株式会社オカノブラスト 部材の粗面化方法および粗面化部材

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0844141A (ja) * 1994-07-29 1996-02-16 Ricoh Co Ltd 帯電用部材
JPH1173006A (ja) * 1997-08-29 1999-03-16 Shin Etsu Polymer Co Ltd 半導電性ロールおよびこれを用いた現像装置
JP2001317539A (ja) * 2000-05-02 2001-11-16 Shin Etsu Polymer Co Ltd 高精細ロール及びこれを備えた画像形成装置
JP4341640B2 (ja) * 2006-05-18 2009-10-07 東海ゴム工業株式会社 電子写真機器用導電性ロールおよびその製造方法
JP2008116869A (ja) * 2006-11-08 2008-05-22 Tokai Rubber Ind Ltd 導電性ロールの製法およびそれにより得られた導電性ロール
JP2008233442A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Tokai Rubber Ind Ltd 帯電ロール
US8038591B2 (en) * 2007-03-27 2011-10-18 Lexmark International, Inc. Image forming apparatus component with triboelectric properties
JP6418695B2 (ja) * 2015-04-06 2018-11-07 住友ゴム工業株式会社 半導電性ローラ
JP6769062B2 (ja) * 2016-03-22 2020-10-14 富士ゼロックス株式会社 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP6769063B2 (ja) * 2016-03-22 2020-10-14 富士ゼロックス株式会社 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP6701854B2 (ja) * 2016-03-22 2020-05-27 富士ゼロックス株式会社 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018120198A (ja) 2018-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6889832B2 (ja) 帯電ローラおよびその製造方法
JP6109117B2 (ja) 半導電性ローラおよびその製造方法
JP6913280B2 (ja) 現像ローラおよびその製造方法
CN108345195B (zh) 充电辊及其制造方法
JP6323955B2 (ja) 半導電性ローラ
JP6799776B2 (ja) 帯電ローラおよびその製造方法
JP2016197218A (ja) 半導電性ローラ
JP6913282B2 (ja) 半導電性ローラ
JP6172846B2 (ja) 半導電性ローラおよび画像形成装置
JP6909401B2 (ja) 帯電ローラおよびその製造方法
JP2021026034A (ja) 現像ローラおよびその製造方法
JP7415244B2 (ja) 現像ローラおよびその製造方法
US10712685B2 (en) Developing roller and method of producing the same
JP2021175997A (ja) 現像ローラ
JP2021026035A (ja) 現像ローラおよびその製造方法
JP7075590B2 (ja) 現像ローラ
JP7011769B2 (ja) 半導電性ローラおよびその製造方法
JP7079412B2 (ja) 現像ローラ
JP2019183002A (ja) 半導電性ローラとその製造方法
JP2021076744A (ja) 導電性ローラとその製造方法
JP6963722B2 (ja) 半導電性ローラおよびその製造方法
JP6802970B2 (ja) 半導電性ローラとその製造方法
JP2020076942A (ja) 現像ローラ
JP2021182118A (ja) 現像ローラおよびその製造方法
JP2021089344A (ja) 現像ローラ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210505

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6889832

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250