JP2001074035A - 導電性ロール - Google Patents

導電性ロール

Info

Publication number
JP2001074035A
JP2001074035A JP24926099A JP24926099A JP2001074035A JP 2001074035 A JP2001074035 A JP 2001074035A JP 24926099 A JP24926099 A JP 24926099A JP 24926099 A JP24926099 A JP 24926099A JP 2001074035 A JP2001074035 A JP 2001074035A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
methacrylate
parts
conductive roll
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24926099A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Arimura
昭二 有村
Hitoshi Yoshikawa
均 吉川
Akihiko Kachi
明彦 加地
Kenichi Ookuwa
憲一 大鍬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP24926099A priority Critical patent/JP2001074035A/ja
Publication of JP2001074035A publication Critical patent/JP2001074035A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】感光体汚染を防止でき、優れたトナー帯電性を
備え、電気抵抗の電圧依存性および膜厚依存性が小さ
く、高画質を長期にわたって持続することができる導電
性ロールを提供する。 【解決手段】軸体1の外周面にベースゴム層2が形成さ
れ、上記ベースゴム層2の外周に中間層3が形成され、
上記中間層3の外周に表層4が形成された導電性ロール
である。そして、上記表層4が、下記の(A)〜(C)
成分を含有し、かつ、上記(B)成分の配合量が上記
(A)成分100重量部に対して50〜200重量部の
範囲に設定された樹脂組成物を用いて形成されている。 (A)エピクロロヒドリンゴム。 (B)アクリル系樹脂。 (C)電子導電剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,プリンタ
ー,ファクシミリ等の電子写真装置に用いられる、現像
ロール,帯電ロール,転写ロール等の導電性ロールに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真装置に用いられる導電
性ロールとしては、軸体の外周面に沿ってベースゴム層
が形成され、上記ベースゴム層の外周面に中間層が形成
され、さらに上記中間層の外周面に表層が形成されて構
成されたものが用いられている。そして、上記表層の形
成材料としては、例えば、ポリウレタン系樹脂,ポリエ
ステル系樹脂等のベース樹脂に、カーボンブラック等の
電子導電剤を分散させ、さらに平均分子量1000〜1
0000のシリコーンオイルを配合したものが用いられ
ている(特開平9−311527号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−311527号公報に記載の導電性ロールは、
表層形成材料として、カーボンブラック等の電子導電剤
を用いているため、電気抵抗の電圧依存性および膜厚依
存性が大きく、画質が劣るという難点がある。また、上
記表層形成材料のベース樹脂として、ポリウレタン系樹
脂,ポリエステル系樹脂等を使用するため、トナー帯電
性に劣るという難点がある。さらには、上記シリコーン
オイルは分子量が小さいため、ベース樹脂との相溶性が
悪く、長期的にシリコーンオイルがしみ出し、感光体汚
染が生じる等の難点もある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、感光体汚染を防止でき、優れたトナー帯電性を
備え、電気抵抗の電圧依存性および膜厚依存性が小さ
く、高画質を長期にわたって持続することができる導電
性ロールの提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の導電性ロールは、軸体の外周面に少なく
とも一つの層が形成された導電性ロールであって、上記
導電性ロールの表層が、下記の(A)〜(C)成分を含
有し、かつ、上記(B)成分の配合量が上記(A)成分
100重量部に対して50〜200重量部の範囲に設定
された樹脂組成物を用いて形成されているという構成を
とる。 (A)エピクロロヒドリンゴム。 (B)アクリル系樹脂。 (C)電子導電剤。
【0006】本発明者らは、所望の導電性ロールを得る
ため、表層形成材料を中心に鋭意研究を重ねた。その研
究の過程で、従来のベース樹脂(ポリウレタン系樹脂,
ポリエステル系樹脂等)に代えて、エピクロロヒドリン
ゴムとアクリル系樹脂を併用すると、好結果が得られる
のではないかと想起し、両者の好ましい配合割合につい
てさらに研究開発を続けた。そして、上記エピクロロヒ
ドリンゴムはイオン導電性を備えるため、電気抵抗の電
圧依存性および膜厚依存性を抑制できることを突き止め
た。また、上記エピクロロヒドリンゴムとともにアクリ
ル系樹脂を用いることにより、トナー帯電性が向上する
ことを突き止めた。しかも、上記エピクロロヒドリンゴ
ムとアクリル系樹脂とは相溶性に優れ、長期間での液安
定性に優れている。さらには、上記エピクロロヒドリン
ゴムはべたつきやすいが、上記アクリル系樹脂は非粘着
性であるため、両者を特定の割合で用いることにより、
上記エピクロロヒドリンゴムのべたつきを解消できるこ
とを見出した。すなわち、上記エピクロロヒドリンゴム
(A成分)と、アクリル系樹脂(B成分)と、電子導電
剤(C成分)とを含有し、かつ、上記アクリル系樹脂
(B成分)の配合量が特定の範囲に設定された樹脂組成
物を用いて表層が形成されてなる導電性ロールは、感光
体汚染を防止でき、優れたトナー帯電性を備え、電気抵
抗の電圧依存性および膜厚依存性が小さく、高画質を長
期にわたって持続することができる。
【0007】なお、本発明において、アクリル系樹脂
(B成分)とは、メタクリル系樹脂も含める趣旨であ
る。
【0008】そして、上記樹脂組成物にアクリル系シリ
コーン変性ポリマーを配合することにより、摩擦係数を
低減することができ、耐フィルミング性が向上し、トナ
ー帯電性も向上する。
【0009】また、上記アクリル系樹脂(B成分)とし
て、ポリメタクリル酸メチルを用いることにより、トナ
ー帯電性がより良好となる。
【0010】さらに、上記樹脂組成物に架橋剤を配合し
て、上記エピクロロヒドリンゴム(A成分)やアクリル
系シリコーン変性ポリマーを架橋することにより、トナ
ー帯電性や離型性を長期的に保持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0012】本発明の導電性ロールの一例を図1に示
す。この導電性ロールは、軸体1の外周面に沿ってベー
スゴム層2が形成され、上記ベースゴム層2の外周面に
中間層3が形成され、さらに上記中間層3の外周面に表
層4が形成されて構成されている。そして、本発明の導
電性ロールは、上記表層4が特殊な樹脂組成物によって
形成されていることが最大の特徴である。
【0013】上記軸体1は特に制限するものではなく、
例えば、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空に
くり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、そ
の材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッ
キを施したもの等があげられる。なお、必要に応じて、
上記軸体1上に接着剤、プライマー等を塗布してもよ
く、また上記接着剤、プライマー等は必要に応じて導電
化してもよい。
【0014】上記ベースゴム層2形成材料としては、特
に限定はなく、例えば、シリコーンゴム、エチレン−プ
ロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジ
エンゴム(SBR)、ポリウレタン系エラストマー等が
あげられる。なかでも、低硬度でへたりが少ないという
点で、シリコーンゴムが好適に用いられる。なお、上記
ベースゴム層2形成材料としてシリコーンゴムを用いる
場合は、シリコーンゴム表面をコロナ放電、プラズマ放
電等により活性化してもよく、さらにその後、プライマ
ー等を塗布してもよい。
【0015】なお、上記ベースゴム層2形成材料には、
必要に応じて、導電剤を配合することも可能である。上
記導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラフ
ァイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 、c
−ZnO、c−SnO2 、イオン導電剤(第四級アンモ
ニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)等があげられる。
なお、上記「c−」は、導電性を有するという意味であ
る。
【0016】上記中間層3形成材料としては、特に限定
はなく、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(ニトリルゴム)(以下「NBR」と略す)、水素添加
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化ニトリルゴ
ム)(以下「H−NBR」と略す)、ポリウレタン系エ
ラストマー、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブ
タジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ヒドリ
ンゴム(ECO,CO)、ナイロン等があげられる。な
かでも、接着性およびコーティング液の安定性の点か
ら、H−NBRが好ましく用いられる。
【0017】なお、上記中間層3形成材料には、必要に
応じて、架橋剤、架橋促進剤、ステアリン酸、ZnO
(亜鉛華)、軟化剤、上記と同様の導電剤等を配合する
ことも可能である。
【0018】上記表層4は、エピクロロヒドリンゴム
(A成分)、アクリル系樹脂(B成分)および電子導電
剤(C成分)を含有する特殊な樹脂組成物によって形成
されている。
【0019】上記エピクロロヒドリンゴム(A成分)と
しては、特に限定するものではなく、例えば、エピクロ
ロヒドリンの単独重合体(CO)、エピクロロヒドリン
とエチレンオキシドの共重合体(ECO)、エピクロロ
ヒドリンとアリルグリシジルエーテルの共重合体、エピ
クロロヒドリンとエチレンオキシドとアリルグリシジル
エーテルの共重合体等があげられる。これらは単独でも
しくは2種以上併せて用いられる。
【0020】上記エピクロロヒドリンゴム(A成分)の
ムーニー粘度(ML1+4 100℃)は、30〜11
0の範囲が好ましく、特に好ましくは40〜80であ
る。
【0021】上記アクリル系樹脂(B成分)としては、
アクリル系単量体を構造単位とするものであれば、特に
限定するものではない。上記アクリル系単量体は、アク
リル酸およびその誘導体のみならず、メタクリル酸およ
びその誘導体も含める趣旨である。このようなアクリル
系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル(nBA)、アク
リル酸イソブチル(iBA)、アクリル酸sec−ブチ
ル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2,2−
ジメチルプロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸−2−tert−ブチルフェニル、アクリル酸2−
ナフチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸4−メトキ
シフェニル、アクリル酸2−メトキシカルボニルフェニ
ル、アクリル酸2−エトキシカルボニルフェニル、アク
リル酸2−クロロフェニル、アクリル酸4−クロロフェ
ニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−シアノベン
ジル、アクリル酸4−シアノフェニル、アクリル酸p−
トリル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アク
リル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−シアノエ
チル、アクリル酸3−オキサブチル、メタクリル酸、メ
タクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(E
MA)、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル(nBMA)、メタク
リル酸イソブチル(iBMA)、メタクリル酸sec−
ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸
2,2−ジメチルプロピル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、メ
タクリル酸2−ナフチル、メタクリル酸フェニル、メタ
クリル酸4−メトキシフェニル、メタクリル酸2−メト
キシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−エトキシカ
ルボニルフェニル、メタクリル酸2−クロロフェニル、
メタクリル酸4−クロロフェニル、メタクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸2−シアノベンジル、メタクリル酸4
−シアノフェニル、メタクリル酸p−トリル、メタクリ
ル酸イソノニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、
メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2
−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−シアノエチル、
メタクリル酸3−オキサブチル、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、アクリルアミド(A
A)、ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリ
ルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、4−カルボキシフェニルメタクリルアミド、4−メ
トキシカルボキシフェニルメタクリルアミド、メチルク
ロロアクリレート、エチル−α−クロロアクリレート、
プロピル−α−クロロアクリレート、イソプロピル−α
−クロロアクリレート、メチル−α−フルオロアクリレ
ート、ブチル−α−ブトキシカルボニルメタクリレー
ト、ブチル−α−シアノアクリレート、メチル−α−フ
ェニルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソボ
ニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート等のラジカル重合性単量体があげられる。
【0022】上記アクリル系樹脂(B成分)としては、
具体的には、ポリメタクリル酸メチル(ポリメチルメタ
クリレート:PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、ポ
リメタクリル酸n−ブチル、ポリメタクリル酸イソブチ
ル、ポリアクリル酸n−ブチル、ポリアクリル酸イソブ
チル等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。なかでも、トナー帯電性およびA成分
との相溶性に優れる点で、PMMAが好適に用いられ
る。
【0023】上記アクリル系樹脂(B成分)の重量平均
分子量は、2,000〜200,000の範囲が好まし
く、特に好ましくは20,000〜80,000であ
る。
【0024】上記アクリル系樹脂(B成分)の配合量
は、前記エピクロロヒドリンゴム(A成分)100重量
部(以下「部」と略す)に対して50〜200部の範囲
に設定する必要があり、好ましくは70〜170部であ
る。すなわち、上記アクリル系樹脂(B成分)の配合量
が50部未満であると、アクリル系樹脂のトナー帯電性
の効果が出ないため、複写画質が悪くなり、逆に200
部を超えると、A成分との相溶性が悪化し、安定した塗
料としての機能を果たさなくなり、複写画質も悪くなる
からである。
【0025】上記電子導電剤(C成分)としては、例え
ば、カーボンブラックや、酸化錫,酸化鉄,酸化インジ
ウム,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化錫−酸化アンチモン
複合酸化物,酸化錫−酸化インジウム複合酸化物,酸化
チタン−酸化アンチモン複合酸化物等の金属酸化物、チ
タン酸カリウム、グラファイト等があげられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかで
も、A,B複合成分に対しての導電性に優れる点で、カ
ーボンブラックが好適に用いられる。
【0026】上記電子導電剤(C成分)の配合割合は、
容積比で、(A成分+B成分)/C成分=100/0.
5〜100/20の範囲に設定することが好ましく、特
に好ましくは(A成分+B成分)/C成分=100/1
〜100/15である。すなわち、上記電子導電剤(C
成分)の容積比が0.5未満であると、電子導電剤とし
ての効果が得られず、逆に20を超えると、エピクロロ
ヒドリンゴムのイオン導電性を損ねてしまい、電気抵抗
の電圧依存性や膜厚依存性が大きくなるからである。
【0027】なお、上記表層4形成材料である特殊な樹
脂組成物には、アクリル系シリコーン変性ポリマーを配
合することが好ましい。上記アクリル系シリコーン変性
ポリマーとしては、アクリル系単量体から誘導される直
鎖状の構造部分にシロキサンから誘導される構造部分が
グラフト化してなるシリコーングラフトアクリルポリマ
ー、およびアクリル系単量体から誘導される構造部分が
シロキサンから誘導される構造部分にグラフト化してな
るアクリルグラフトシリコーンポリマーがあげられる。
【0028】上記シリコーングラフトアクリルポリマー
としては、具体的には、下記の一般式(1)で表される
繰り返し単位を構成成分とするものが好適に用いられ
る。
【0029】
【化1】
【0030】上記一般式(1)において、繰り返し数k
は1〜3000の正数であり、好ましくは1〜300の
正数である。また、繰り返し数nは1〜3000の正数
であり、好ましくは1〜300の正数である。
【0031】上記一般式(1)におけるアクリル系単量
体としては、特に限定するものではなく、例えば、前記
アクリル系樹脂(B成分)の構造単位として例示したも
のが用いられる。そして、これらアクリル系単量体の1
種が重合または2種以上が共重合することにより、Yで
表される構造部分が構成される。
【0032】上記一般式(1)において、Zで表される
構造部分は、例えば、下記の一般式(2)または一般式
(3)から誘導することができる。
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】そして、上記一般式(2)または一般式
(3)の好ましい具体例としては、下記の構造式(a)
〜(r)で表されるものがあげられる。
【0036】
【化4】
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】
【0040】上記一般式(1)で表される繰り返し単位
を構成成分とするシリコーングラフトアクリルポリマー
は、例えば、Yで表される構造部分と、Zで表される構
造部分を、アゾ系重合開始剤の存在下、ラジカル共重合
させることにより製造することができる。このような重
合は、溶媒を用いる溶液重合法、バルク重合法、エマル
ジョン重合法等によって行うことが好ましく、特に好ま
しくは溶液重合法である。
【0041】上記アゾ系重合開始剤としては、例えば、
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−
4−シアノバレリン酸、アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビ
スイソブチレート、アゾビス−1−シクロヘキサカルボ
ニトリル等があげられ、特にAIBNが好ましい。
【0042】上記ラジカル共重合の際の重合温度は50
〜150℃が好ましく、特に好ましくは60〜100℃
である。また、重合時間は3〜100時間が好ましく、
特に好ましくは5〜10時間である。
【0043】上記一般式(1)で表される繰り返し単位
を構成成分とするシリコーングラフトアクリルポリマー
は、シロキサンから誘導される構造部分を除いたアクリ
ルポリマー部分のガラス転移温度が、30〜150℃の
範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは
60〜120℃の範囲である。すなわち、上記アクリル
ポリマー部分のガラス転移温度が30℃未満であると、
粘着性が大きくなり摩擦係数も大きくなるためトナーフ
ィルミングが生じ、画質が悪くなるからである。逆に、
上記アクリルポリマー部分のガラス転移温度が150℃
を越えると、導電性ロールの表層が硬くなりすぎ、スタ
ート時にロールが円滑に回転しなかったり、クリック音
が発生し、また、他部品との圧接時に導電性ロールの表
面に跡が残りやすくなるからである。
【0044】上記アクリルポリマー部分のガラス転移温
度(Tg)の設定は、例えば、下記のFox式に従い、
各アクリル系単量体の重量比率を調整することにより行
われる。
【0045】1/Tg =(W1 /Tg1)+(W2 /T
g2)+…+(Wm /Tg m ) W1 +W2 +…+Wm =1 〔式中、Tg1,Tg2,Tg m は各アクリル系単量体のガ
ラス転移温度を表し、W 1 ,W2 ,…,Wm は各アクリ
ル系単量体の重量比率を表す。〕
【0046】なお、上記ガラス転移温度(Tg )は、D
SC(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のtanδ
ピークにより測定することができる。
【0047】上記一般式(1)で表される繰り返し単位
を構成成分とするシリコーングラフトアクリルポリマー
の数平均分子量は、10,000〜300,000の範
囲に設定することが好ましく、特に好ましくは30,0
00〜100,000である。すなわち、上記数平均分
子量が10,000未満であると、導電性ロールの表層
の強度が劣る傾向が見られ、300,000を超える
と、導電性ロールの表層の形成が困難になるからであ
る。なお、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換
算の数平均分子量を意味する。
【0048】また、上記シリコーングラフトアクリルポ
リマーとしては、前記一般式(1)で表される構造に、
さらに別のアクリル系単量体から誘導される構造部分
〔(X)m 部分〕が連結された、下記の一般式(4)で
表される繰り返し単位を構成成分とするものを用いるこ
ともできる。
【0049】
【化8】
【0050】上記一般式(4)において、Xで表される
構造部分は、前記と同様のアクリル系単量体から誘導す
ることができる。ただし、YとXは、互いに異なるもの
でなければならない。また、繰り返し数mは1〜10,
000の正数であり、好ましくは100〜3,000の
正数である。
【0051】また、上記アクリルグラフトシリコーンポ
リマーは、アクリル系単量体から誘導される構造部分
(β)が、シロキサンから誘導される構造部分(α)に
グラフト化してなるものであり、上記シロキサンから誘
導される構造部分(α)はアクリルグラフトシリコーン
ポリマーの主鎖を構成し、上記アクリル系単量体から誘
導される構造部分(β)は側鎖を構成する。
【0052】上記シロキサンから誘導される構造部分
(α)としては、特に限定はなく、下記の一般式(5)
〜(7)で表されるものが好ましい。
【0053】
【化9】
【0054】
【化10】
【0055】
【化11】
【0056】上記一般式(5)〜(7)において、Rで
表される炭素数1〜20のアルキル基としては、特に限
定はなく、メチル基,エチル基等の低級アルキル基や、
ポリオキシエチレン基,ポリオキシイソプロピレン基等
のポリオキシアルキレン基が好ましい。
【0057】上記一般式(6),(7)において、Xで
表されるハロゲン化炭化水素基としては、特に限定はな
く、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハ
ロゲン化アラルキル基、ハロゲン化アルケニル基等が好
ましい。また、上記Xで表されるシアン化炭化水素基と
しては、特に限定はなく、シアノ基、シアン化アラルキ
ル基、シアン化アリール基、シアン化アラルキル基、シ
アン化アルケニル基等が好ましい。
【0058】上記シロキサンから誘導される構造部分
(α)の数平均分子量は、1,500〜20,000の
範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは3,00
0〜10,000である。すなわち、1,500未満で
あると、適度な帯電性、低摩擦係数化、離型性等のシリ
コーンの効果が得にくくなるとともにブリードアウトし
やすくなり、逆に20,000を超えると、A成分への
相溶性が低下し、効果が減少したり、またシリコーン特
有のべたつきが生じるからである。
【0059】上記構造部分(β)を誘導するアクリル系
単量体は、アクリル酸およびその誘導体のみならず、メ
タクリル酸およびその誘導体も含む趣旨である。このよ
うなアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル(n
BA)、アクリル酸イソブチル(iBA)、アクリル酸
sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリ
ル酸2,2−ジメチルプロピル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、ア
クリル酸2−ナフチル、アクリル酸フェニル、アクリル
酸4−メトキシフェニル、アクリル酸2−メトキシカル
ボニルフェニル、アクリル酸2−エトキシカルボニルフ
ェニル、アクリル酸2−クロロフェニル、アクリル酸4
−クロロフェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2
−シアノベンジル、アクリル酸4−シアノフェニル、ア
クリル酸p−トリル、アクリル酸イソノニル、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸
2−シアノエチル、アクリル酸3−オキサブチル、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル
酸エチル(EMA)、メタクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル(nBM
A)、メタクリル酸イソブチル(iBMA)、メタクリ
ル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、
メタクリル酸2,2−ジメチルプロピル、メタクリル酸
シクロヘキシル、メタクリル酸−2−tert−ブチル
フェニル、メタクリル酸2−ナフチル、メタクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸4−メトキシフェニル、メタクリ
ル酸2−メトキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2
−エトキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−クロ
ロフェニル、メタクリル酸4−クロロフェニル、メタク
リル酸ベンジル、メタクリル酸2−シアノベンジル、メ
タクリル酸4−シアノフェニル、メタクリル酸p−トリ
ル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−シ
アノエチル、メタクリル酸3−オキサブチル、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリ
ルアミド(AA)、ブチルアクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メ
タクリルアミド、4−カルボキシフェニルメタクリルア
ミド、4−メトキシカルボキシフェニルメタクリルアミ
ド、メチルクロロアクリレート、エチル−α−クロロア
クリレート、プロピル−α−クロロアクリレート、イソ
プロピル−α−クロロアクリレート、メチル−α−フル
オロアクリレート、ブチル−α−ブトキシカルボニルメ
タクリレート、ブチル−α−シアノアクリレート、メチ
ル−α−フェニルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、イソボニルメタクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート等があげられる。これらは単独でもしく
は2種以上併せて用いられる。
【0060】上記アクリル系単量体から誘導される構造
部分(β)としては、特に限定はなく、下記の一般式
(8)で表されるものが好ましい。
【0061】
【化12】
【0062】上記一般式(8)において、R1 ,R2
表されるアルキル基としては、特に限定はなく、メチル
基、エチル基、ブチル基等が好ましい。
【0063】上記アクリル系単量体から誘導される構造
部分(β)の数平均分子量は、200〜20,000の
範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは1,00
0〜10,000である。すなわち、200未満である
と、エピクロロヒドリンゴム(A成分)中への分散性が
劣り、低摩擦係数化等の効果が得にくくなり、逆に2
0,000を超えると、エピクロロヒドリンゴム(A成
分)中に分散した成分が表面に偏在しにくいため、低摩
擦や帯電性向上等の効果が少なくなるからである。
【0064】上記シロキサンから誘導される構造部分
(α)と、上記アクリル系単量体から誘導される構造部
分(β)の割合は、重量比で、(α)/(β)=5/9
5〜60/40の範囲に設定するのが好ましく、特に好
ましくは(α)/(β)=10/90〜40/60であ
る。すなわち、構造部分(α)の割合が60を超える
と、エピクロロヒドリンゴム(A成分)中でのB成分の
分散性が劣り、表面が悪くなったり、感光体汚染が生じ
る傾向があり、逆に、構造部分(α)の割合が5未満で
あると、シリコーンのもつ低表面エネルギー性を生かせ
ず表面にB成分が偏在しなくなるため、低摩擦や帯電性
等の効果が少なくなるからである。
【0065】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
は、アクリル系単量体から誘導される構造部分(β)の
ガラス転移温度を30〜150℃の範囲に設定するのが
好ましく、特に好ましくは60〜120℃である。すな
わち、30℃未満であると、低摩擦係数化、離型性、べ
たつき防止の効果が減少し、逆に150℃を超えると、
溶剤への溶解性が低下したり、エピクロロヒドリンゴム
(A成分)との相溶性が低下するためトナーフィルミン
グの効果が減少するからである。
【0066】上記構造部分(β)のガラス転移温度(T
g)は、例えば、つぎのようにして設定することができ
る。すなわち、上記構造部分(β)のガラス転移温度が
特定の範囲となるように、下記のFox式に従い、各ア
クリル系単量体の重量比率を設定することにより行われ
る。
【0067】 1/Tg=(W1 /Tg1 )+(W2 /Tg2 )+…+(Wm /Tgm ) W1 +W2 +…+Wm =1 〔式中、Tg1 ,Tg2 …Tgm は各アクリル系単量体
のガラス転移温度を示し、W1 ,W2 …Wm は各アクリ
ル系単量体の重量比率を示す。〕
【0068】上記ガラス転移温度(Tg)は、DSC
(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のtanδピー
クにより測定することができる。
【0069】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
の数平均分子量は、3,000〜300,000の範囲
に設定するのが好ましく、特に好ましくは10,000
〜100,000である。すなわち、3,000未満で
あると、B成分が接触した感光体や層形成ブレード等に
移行して画像不具合となり、逆に300,000を超え
ると、A成分中に分散したB成分が大きいため表面に偏
在しにくく、低摩擦や帯電性等の効果が少なくなるから
である。
【0070】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
の配合量は、エピクロロヒドリンゴム(A成分)100
部に対して、30〜300部の範囲に設定することが好
ましく、特に好ましくは50〜230部である。このよ
うに、アクリルグラフトシリコーンポリマーの配合量を
上記特定の範囲に設定することにより、エピクロロヒド
リンゴム(A成分)のべたつきを解消でき、トナー帯電
性が向上する。
【0071】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
は、例えば、上記シロキサンから誘導される構造部分
(α)と、アクリル系単量体から誘導される構造部分
(β)を、アゾ系重合開始剤の存在下に、ラジカル共重
合させることにより製造することができる。
【0072】上記重合方法としては、例えば、溶媒を用
いる溶液重合法、バルク重合法、エマルジョン重合法等
があげられ、なかでも溶液重合法が好適である。
【0073】上記重合反応における重合温度は、50〜
150℃の範囲に設定するのが好ましく、特に好ましく
は60〜100℃である。また、重合時間は3〜100
時間が好ましく、特に好ましくは5〜10時間である。
【0074】上記アゾ系重合開始剤としては、例えば、
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−
4−シアノバレリン酸、アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビ
スイソブチレート、アゾビス−1−シクロヘキサカルボ
ニトリル等があげられ、これらは単独でもしくは2種以
上併せて用いられる。なかでも、AIBNが好適に用い
られる。
【0075】また、上記アクリルグラフトシリコーンポ
リマーは、上記シロキサンから誘導される構造部分
(α)と、アクリル系単量体から誘導される構造部分
(β)を、アニオン重合触媒の存在下に、アニオン重合
反応させることによっても製造することができる。
【0076】上記アニオン重合触媒としては、例えば、
リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等の脂肪族炭化水素、ナフタリ
ン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、
ナフタセン、アセナフチレン、トランススチルベン、ビ
フェニル、スチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、ベンゾニトリル、ジフェニルエチレン、ジフェニル
ブタジエン等の芳香族炭化水素等があげられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0077】上記アクリル系シリコーン変性ポリマーの
配合量は、前記エピクロロヒドリンゴム(A成分)とア
クリル系樹脂(B成分)の合計量100部に対して、5
〜40部の範囲に設定することが好ましく、特に好まし
くは10〜30部である。
【0078】また、上記表層4形成材料である特殊な樹
脂組成物には、架橋剤を配合することが好ましい。前記
エピクロロヒドリンゴム(A成分)の架橋剤としては、
例えば、硫黄系架橋剤、アミン系架橋剤、パーオキサイ
ド系架橋剤等があげられ、これらは単独でもしくは2種
以上併せて用いられる。また、前記アクリル系シリコー
ン変性ポリマーの架橋剤としては、イソシアネート基含
有物、アミノ樹脂、エポキシ基,アミノ基,カルボキシ
ル基,メルカプト基等を有する硬化剤があげられるが、
塗料の貯蔵安定性が良いブロックイソシアネートが好適
に用いられる。
【0079】上記硫黄系架橋剤としては、例えば、硫
黄、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2
−メルカプトイミダゾリン等があげられる。
【0080】上記アミン系架橋剤としては、例えば、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
(DBU)、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7塩(DBU塩)、H2 N(CH2 6 NH
2 CO2 等があげられる。
【0081】上記パーオキサイド系架橋剤としては、例
えば、ジクミルパーオキサイド(DCP)、ジアルキル
パーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシ
ジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタ
ール、ハイドロパーオキサイド等があげられる。
【0082】上記ブロックイソシアネートとしては、例
えば、下記の骨格〔ヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)のイソシアヌレート体〕を有するものが好適
に用いられる。なお、本発明において、ブロックイソシ
アネートとは、ブロック剤によりイソシアネート基がブ
ロックされているポリイソシアネートの総称である。
【0083】
【化13】
【0084】そして、上記ブロックイソシアネートは、
上記構造式で表されるヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)のイソシアヌレート体と、ブロック剤とを反
応させることにより製造することができる。上記ブロッ
ク剤としては、特に限定はなく、例えば、アルコール
類、フェノール類、ε−カプロラクタム、オキシム類、
活性メチレン化合物類等があげられる。また、HDIの
イソシアヌレート体をグリコール等で連結したものと、
ブロック剤とを反応させて、ブロックイソシアネートを
製造することも可能である。
【0085】上記ブロックイソシアネートとしては、具
体的には、下記の構造式で表されるものがあげられる。
【0086】
【化14】
【0087】上記架橋剤(硫黄系架橋剤等)の配合量
は、前記エピクロロヒドリンゴム(A成分)100部に
対して、0.01〜10部の範囲に設定することが好ま
しく、特に好ましくは0.05〜5部である。
【0088】また、上記架橋剤(ブロックイソシアネー
ト等)の配合量は、前記アクリル系シリコーン変性ポリ
マー100部に対して、0.1〜100部の範囲に設定
することが好ましく、特に好ましくは1〜80部であ
る。
【0089】なお、上記表層4形成材料である特殊な樹
脂組成物には、必要に応じて、帯電制御剤、安定剤、紫
外線吸収剤、補強剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、難燃
剤、オイル等を添加することもできる。上記帯電制御剤
としては、例えば、第四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、
アジン系(ニグロシン系)化合物、アゾ化合物、オキシ
ナフトエ酸金属錯体、界面活性剤(アニオン系、カチオ
ン系、ノニオン系)等があげられ、これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。
【0090】そして、上記表層4形成材料(塗工用のコ
ーティング液)は、例えば、前記A〜C成分および必要
に応じてその他の成分を有機溶剤に溶解し、サンドミル
等で分散することにより作製することができる。あるい
は、上記各成分を2軸混練機等で分散し、これらを有機
溶剤に溶解することにより、塗工用のコーティング液を
作製してもよい。上記有機溶剤としては、例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、メタノー
ル、イソプロピルアルコール、酢酸エチル等があげら
れ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0091】本発明の導電性ロールは、例えば、つぎの
ようにして作製することができる。まず、前記ベースゴ
ム層2形成材料用の各成分をニーダー等の混練機を用い
て混練し、ベースゴム層2形成材料を作製する。また、
前記中間層3形成材料用の各成分をロール等の混練機を
用いて混練し、この混合物に前記有機溶剤を加えて混
合、攪拌することにより、中間層3形成材料(コーティ
ング液)を作製する。さらに、上記方法に従い、表層4
形成材料(コーティング液)を作製する。
【0092】ついで、図2に示すように、下蓋5を外嵌
した円筒状金型6の中空部に軸体1をセットし、上記円
筒状金型6と軸体1との空隙部に上記ベースゴム層2形
成材料を注型した後、上蓋7を外嵌する。これをオーブ
ンに入れ、所定の条件で加熱加硫した後、脱型して、ベ
ースゴム層付き軸体(ベースロール)を製造する。ま
た、必要に応じて、上記ベースロール表面にコロナ放電
処理を行う。そして、上記ベースゴム層2の外周に上記
中間層3形成材料(コーティング液)を塗布した後、所
定の条件で乾燥、加熱処理を行い、ベースゴム層2の外
周に中間層3を形成する。さらに、上記中間層3の外周
に上記表層4形成材料(コーティング液)を塗布した
後、所定の条件で乾燥、加熱処理を行い、中間層3の外
周に表層4を形成する。このようにして、軸体1の外周
面に沿ってベースゴム層2が形成され、その外周に中間
層3が形成され、さらにその外周に表層4が形成された
3層構造の導電性ロールを作製することができる。
【0093】なお、上記コーティング液の塗布方法は、
特に制限するものではなく、従来公知のディッピング
法、スプレーコーティング法、ロールコート法等があげ
られる。
【0094】本発明の導電性ロールは、現像ロールに好
適であるが、必ずしも現像ロールに限定するものではな
く、転写ロール、帯電ロール等にも適用することができ
る。なお、本発明の導電性ロールは、3層構造に限定さ
れるものではなく、適宜の数の層が形成される。ただ
し、必ず表層(単層の場合にはその層)が上記特殊な導
電性組成物によって形成されていなければならない。
【0095】本発明の導電性ロールにおいて、各層の厚
みは、導電性ロールの用途に応じて適宜に決定される。
例えば、現像ロールとして用いる場合、ベースゴム層の
厚みは、通常、0.5〜10mmの範囲に設定され、好
ましくは3〜6mmであり、中間層の厚みは、通常、1
〜90μmの範囲に設定され、好ましくは3〜50μm
である。そして、表層の厚みは1〜100μmの範囲に
設定することが好ましく、特に好ましくは3〜50μm
である。
【0096】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0097】
【実施例1】〔ベースゴム層形成材料の調製〕信越化学
工業社製のX−34−424A/BとX−34−387
A/Bとを混合分散して、ベースゴム層形成材料を調製
した。この際、上記ベースゴム層形成材料を用いて作製
したゴムシートの体積抵抗率が、5×105 〜1×10
7 Ω・cmの範囲になるように、上記X−34−424
A/BとX−34−387A/Bの混合割合を調整し
た。なお、上記体積抵抗率は、図5に示す形状の電極5
1を用いてSRIS2304に準じて、印加電圧100
Vで測定した。図において、51aは主電極、51bは
ガード電極である。
【0098】〔中間層形成材料(コーティング液)の調
製〕H−NBR(日本ゼオン社製、ゼットポール002
0)100部と、導電剤(カーボンブラック)〔東海カ
ーボン社製、トーカブラック#5500〕30部と、ス
テアリン酸0.5部と、ZnO(亜鉛華)5部と、加硫
促進剤BZ1部と、加硫促進剤CZ2部と、硫黄1部を
ニーダーおよびロールを用いて混練した後、これを有機
溶剤に分散させて中間層形成材料(コーティング液)を
調製した。
【0099】〔表層形成材料(コーティング液)の調
製〕下記の構造式で表される繰り返し単位を構成成分と
するエピクロロヒドリンゴム(ダイソー社製、エピクロ
マーCG105)〔ML1+4 100℃:65〕10
0部と、PMMA(住友化学社製、スミペックスLG6
A)〔重量平均分子量4万、軟化点110℃〕100部
と、電子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業
社製、アセチレンブラック)8部を、有機溶剤に分散さ
せて表層形成材料(コーティング液)を調製した。な
お、上記有機溶剤としては、酢酸エチル:メチルエチル
ケトン:トルエン:メチルイソブチルケトン=1:2:
1:6(重量比)の混合物を用い、固形分濃度が23重
量%になるように調製した。また、エピクロロヒドリン
ゴム(比重1.26)とPMMA(比重1.19)の合
計量100に対するカーボンブラック(比重1.8)の
配合割合は、容積比で、(エピクロロヒドリンゴム+P
MMA)/カーボンブラック=100/2.7である。
【0100】
【化15】
【0101】〔導電性ロールの作製〕下蓋を外嵌した円
筒状金型の中空部に軸体となる芯金(直径10mm、S
US304製)をセットした後、上記円筒状金型と軸体
との空隙部に、上記ベースゴム層形成材料を注型し、上
蓋を外嵌した。そして、円筒状金型ごとオーブンに入れ
加熱加硫した後、脱型して、ベースゴム層付き軸体(ベ
ースロール)を製造した。ついで、上記ベースゴム層の
表面にコロナ放電処理を行い、上記中間層形成材料(コ
ーティング液)を塗布した後、加熱(150℃×30
分)して中間層を形成した。さらに、上記表層形成材料
(コーティング液)を上記中間層の外周面に塗布した
後、150℃×1時間加熱して表層を形成した。このよ
うにして、ベースゴム層、中間層および表層からなる3
層構造の導電性ロールを作製した。なお、上記ベースゴ
ム層の硬度は40Hs(JIS A)、厚みは5mmで
あり、上記中間層の厚みは25μmであり、上記表層の
厚みは10μmであった。
【0102】
【実施例2】上記エピクロロヒドリンゴム(ダイソー社
製、エピクロマーCG105)100部と、PMMA
(住友化学社製、スミペックスLG6A)50部と、電
子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社製、
アセチレンブラック)5部を、上記有機溶剤に分散させ
て表層形成材料(コーティング液)を調製した。そし
て、この表層形成材料(コーティング液)を用いて、実
施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。なお、
エピクロロヒドリンゴムとPMMAの合計量100に対
するカーボンブラックの配合割合は、容積比で、(エピ
クロロヒドリンゴム+PMMA)/カーボンブラック=
100/2.3である。
【0103】
【実施例3】上記エピクロロヒドリンゴム(ダイソー社
製、エピクロマーCG105)100部と、PMMA
(住友化学社製、スミペックスLG6A)200部と、
電子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社
製、アセチレンブラック)10部を、上記有機溶剤に分
散させて表層形成材料(コーティング液)を調製した。
そして、この表層形成材料(コーティング液)を用い
て、実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。
なお、エピクロロヒドリンゴムとPMMAの合計量10
0に対するカーボンブラックの配合割合は、容積比で、
(エピクロロヒドリンゴム+PMMA)/カーボンブラ
ック=100/2.2である。
【0104】
【実施例4】上記エピクロロヒドリンゴム(ダイソー社
製、エピクロマーCG105)100部と、PMMA
(住友化学社製、スミペックスLG6A)150部と、
電子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社
製、アセチレンブラック)10部と、シリコーングラフ
トアクリルポリマー(東亜合成化学社製、レセダGS1
015)50部を、上記有機溶剤に分散させて表層形成
材料(コーティング液)を調製した。そして、この表層
形成材料(コーティング液)を用いて、実施例1と同様
にして、導電性ロールを作製した。なお、エピクロロヒ
ドリンゴムとPMMAの合計量100に対するカーボン
ブラックの配合割合は、容積比で、(エピクロロヒドリ
ンゴム+PMMA)/カーボンブラック=100/2.
7である。
【0105】
【実施例5】上記エピクロロヒドリンゴム(ダイソー社
製、エピクロマーCG105)100部と、PMMA
(住友化学社製、スミペックスLG6A)150部と、
電子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社
製、アセチレンブラック)10部と、シリコーングラフ
トアクリルポリマー(信越シリコーン社製、X−22−
8004)50部を、上記有機溶剤に分散させて表層形
成材料(コーティング液)を調製した。なお、エピクロ
ロヒドリンゴムとPMMAの合計量100に対するカー
ボンブラックの配合割合は、容積比で、(エピクロロヒ
ドリンゴム+PMMA)/カーボンブラック=100/
2.7である。そして、この表層形成材料(コーティン
グ液)を用いて、実施例1と同様にして、導電性ロール
を作製した。
【0106】
【実施例6】上記エピクロロヒドリンゴム(ダイソー社
製、エピクロマーCG105)100部と、PMMA
(住友化学社製、スミペックスLG6A)150部と、
電子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社
製、アセチレンブラック)10部と、シリコーングラフ
トアクリルポリマー(東亜合成化学社製、レセダGS1
015)50部と、ブロックイソシアネート(大日本イ
ンキ化学工業社製、バーノックDB980K)15部
を、上記有機溶剤に分散させて表層形成材料(コーティ
ング液)を調製した。なお、エピクロロヒドリンゴムと
PMMAの合計量100に対するカーボンブラックの配
合割合は、容積比で、(エピクロロヒドリンゴム+PM
MA)/カーボンブラック=100/2.7である。そ
して、この表層形成材料(コーティング液)を用いて、
実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。
【0107】
【実施例7】上記エピクロロヒドリンゴム(ダイソー社
製、エピクロマーCG105)100部と、PMMA
(住友化学社製、スミペックスLG6A)150部と、
電子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社
製、アセチレンブラック)10部と、滑剤(花王社製、
ルナックS30)1部と、受酸剤であるハイドロタルサ
イト(協和化学社製、DHT6A)8部と、チオウレア
系架橋剤として下記の構造式で表される2−メルカプト
イミダゾリン(三新化学社製、サンセラー22C)2部
と、シリコーングラフトアクリルポリマー(東亜合成化
学社製、レセダGS1015)50部を、上記有機溶剤
に分散させて表層形成材料(コーティング液)を調製し
た。なお、エピクロロヒドリンゴムとPMMAの合計量
100に対するカーボンブラックの配合割合は、容積比
で、(エピクロロヒドリンゴム+PMMA)/カーボン
ブラック=100/2.7である。そして、この表層形
成材料(コーティング液)を用いて、実施例1と同様に
して、導電性ロールを作製した。
【0108】
【化16】
【0109】
【実施例8】上記エピクロロヒドリンゴム(ダイソー社
製、エピクロマーCG105)100部と、PMMA
(住友化学社製、スミペックスLG6A)150部と、
電子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社
製、アセチレンブラック)10部と、滑剤(花王社製、
ルナックS30)1部と、受酸剤であるハイドロタルサ
イト(協和化学社製、DHT6A)8部と、上記チオウ
レア系加硫剤(三新化学社製、サンセラー22C)2部
と、シリコーングラフトアクリルポリマー(東亜合成化
学社製、レセダGS1015)50部と、ブロックイソ
シアネート(大日本インキ化学工業社製、バーノックD
B980K)15部を、上記有機溶剤に分散させて表層
形成材料(コーティング液)を調製した。なお、エピク
ロロヒドリンゴムとPMMAの合計量100に対するカ
ーボンブラックの配合割合は、容積比で、(エピクロロ
ヒドリンゴム+PMMA)/カーボンブラック=100
/2.7である。そして、この表層形成材料(コーティ
ング液)を用いて、実施例1と同様にして、導電性ロー
ルを作製した。
【0110】
【実施例9】実施例8のシリコーングラフトアクリルポ
リマーに代えて、アクリルグラフトシリコーンポリマー
(東亜合成社製、アロンGS30)を用いる以外は、実
施例8と同様にして表層形成材料(コーティング液)を
調製した。そして、この表層形成材料(コーティング
液)を用いて、実施例1と同様にして、導電性ロールを
作製した。
【0111】
【比較例1】熱可塑性ウレタン樹脂(武田バーティッシ
ュウレタン社製、ET−880)100部と、c−Ti
2 (石原産業社製、タイペークET700)100部
と、エポキシ変性シリコーンオイル(東芝シリコーン社
製、TSF4730)0.5部を、上記有機溶剤に分散
させて表層形成材料(コーティング液)を調製した。そ
して、この表層形成材料(コーティング液)を用いて、
実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。
【0112】
【比較例2】熱可塑性ウレタン樹脂(武田バーティッシ
ュウレタン社製、ET−880)100部と、c−Ti
2 (石原産業社製、タイペークET700)100部
と、カルボキシル変性シリコーンオイル(東芝シリコー
ン社製、TSF4770)0.5部を、上記有機溶剤に
分散させて表層形成材料(コーティング液)を調製し
た。そして、この表層形成材料(コーティング液)を用
いて、実施例1と同様にして、導電性ロールを作製し
た。
【0113】
【比較例3】上記エピクロロヒドリンゴム(ダイソー社
製、エピクロマーCG105)100部と、PMMA
(住友化学社製、スミペックスLG6A)47部と、電
子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社製、
アセチレンブラック)5部を、上記有機溶剤に分散させ
て表層形成材料(コーティング液)を調製した。なお、
エピクロロヒドリンゴムとPMMAの合計量100に対
するカーボンブラックの配合割合は、容積比で、(エピ
クロロヒドリンゴム+PMMA)/カーボンブラック=
100/2.3である。そして、この表層形成材料(コ
ーティング液)を用いて、実施例1と同様にして、導電
性ロールを作製した。
【0114】
【比較例4】上記エピクロロヒドリンゴム(ダイソー社
製、エピクロマーCG105)100部と、PMMA
(住友化学社製、スミペックスLG6A)220部と、
電子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社
製、アセチレンブラック)10部を、上記有機溶剤に分
散させて表層形成材料(コーティング液)を調製した。
なお、エピクロロヒドリンゴムとPMMAの合計量10
0に対するカーボンブラックの配合割合は、容積比で、
(エピクロロヒドリンゴム+PMMA)/カーボンブラ
ック=100/2.1である。そして、この表層形成材
料(コーティング液)を用いて、実施例1と同様にし
て、導電性ロールを作製した。
【0115】このようにして得られた実施例品および比
較例品の導電性ロールを用いて、下記の基準に従い、各
特性について比較評価を行った。これらの結果を、後記
の表1〜表3に併せて示した。
【0116】〔電気抵抗〕 (電圧依存性)SRIS2304に準じて、電極にSM
E−8311(東亜電波社製)を用いて、表層塗膜(厚
み15μm)に0.1Vの電圧を印加した時と10Vの
電圧を印加した時の電気抵抗の差を、変動桁数で表示し
た。
【0117】(環境依存性)電極SME−8311を用
いて、印加電圧1Vで、低温・低湿条件(15℃×10
%)での電気抵抗と、高温・高湿条件(35℃×80
%)での電気抵抗の差を、変動桁数で表示した。
【0118】(膜厚依存性)電極SME−8311を用
いて、表層塗膜の厚みが5μmのときの電気抵抗と、表
層塗膜の厚みが30μmのときの電気抵抗の差を、変動
桁数で表示した。なお、印加電圧は10Vである。
【0119】〔引張特性〕JIS K 6251に準じ
て、引張強さ(Tb)および破断伸び(Eb)を測定し
た。
【0120】〔摩擦係数〕摩擦係数は、図3に示すよう
な、静動摩擦係数計(協和界面科学社製)を用いて測定
した。すなわち、導電性ロール21を固定台22の上に
セットし、移動速度0.3cm/秒、荷重100gの条
件下で測定した。なお、図において、23は鋼球(直径
3mm)、24は零点調整用天秤、25はロードセル、
26は荷重(100g)を示す。
【0121】〔ロール回転トルク〕固定された感光体に
導電性ロールを押圧接触し、導電性ロールをトルクモー
タで回転させ、その動き始めの電流値を測定した。な
お、上記導電性ロールを感光体に押圧接触させる際の圧
力は、導電性ロールの接触部が径方向に0.3mm凹む
程度の圧力に設定した。評価結果は、以下のように表示
した。 ○:得られた測定値をトルクに換算し、その算出値が常
に3kgf−cm未満を示す △:3kgf−cm未満を示すが、初期等に3kgf−
cm以上を示す ×:常に3kgf−cm以上を示す
【0122】〔トナー帯電性〕トナー帯電性は、導電性
ロールにおける帯電量を20℃×50%RHの条件下に
おいてつぎのようにして測定した。すなわち、図4に示
すように、導電性ロール30表面上に現像剤(トナー)
32層を形成し、吸引ポンプ33により上記現像剤32
を吸引しファラデーケージ34を用いて測定した(ファ
ラデーケージ法)。なお、図において、35はフィルタ
ー、36は絶縁体パイプ、37は電位計、38,39は
導体で互いに分離している。
【0123】〔複写画質〕導電性ロールを現像ロールと
して電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの
条件下において画像出しを行った。評価結果は、以下の
ように表示した。 ○:べた黒画像において、マクベス濃度1.4以上で、
画像むらや白斑点ぬけがない △:べた黒画像は良好であるが、印字でかすれまたはに
じみが発生 ×:マクベス濃度1.4未満、画像むら、白斑点ぬけの
いずれか一つでも発生
【0124】〔耐久複写画質〕導電性ロールを現像ロー
ルとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%R
Hの条件下において、5000枚複写を行った。評価結
果は、以下のように表示した。 ○:べた黒画像において、マクベス濃度1.4以上で、
画像むらや白斑点ぬけがなく、印字でかすれやにじみが
ない △:べた黒画像は良好であるが、印字でかすれまたはに
じみが発生 ×:マクベス濃度1.4未満、画像むら、白斑点ぬけの
いずれか一つでも発生
【0125】〔感光体汚染〕導電性ロールを現像ロール
として電子写真複写機に組み込んで繰り返し複写を行っ
た。その後、1ケ月間放置し、再び複写を行った。評価
結果は、以下のように表示した。 ○:感光体の汚染による画像むらがない △:画像むらが複写10枚以内で消える ×:画像むらが複写10枚以上でも消えない
【0126】〔塗料フィラー沈降性〕上記導電性ロール
の表層形成材料(コーティング液)を24時間静置した
後、塗料フィラー沈降性を目視評価した。評価結果は、
以下のように表示した。 ○:塗料フィラー(カーボンブラックまたはc−TiO
2 )の沈降が見られなかった ×:塗料フィラー(カーボンブラックまたはc−TiO
2 )の沈降が見られた
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】上記表1〜表3の結果から、実施例品の導
電性ロールは、いずれも電気抵抗の上昇が抑制され、摩
擦係数が小さく、すべての特性について良好な結果が得
られた。
【0131】これに対して、比較例1品および比較例2
品の導電性ロールは、トナー帯電性および複写画質が劣
り、感光体汚染が生じることがわかる。また、比較例3
品および比較例4品の導電性ロールは、PMMAの配合
割合が所定範囲外であるため、複写画質や塗料安定性が
劣ることがわかる。
【0132】
【発明の効果】以上のように、本発明の導電性ロール
は、その表層が、エピクロロヒドリンゴム(A成分)、
アクリル系樹脂(B成分)および電子導電剤(C成分)
を含有し、かつ、上記アクリル系樹脂(B成分)の配合
量が特定の範囲に設定された特殊な樹脂組成物を用いて
形成されている。そのため、上記エピクロロヒドリンゴ
ム(A成分)がいわゆるイオン導電剤として作用して、
電気抵抗の電圧依存性および膜厚依存性を抑制すること
ができる。また、上記エピクロロヒドリンゴム(A成
分)とともにアクリル系樹脂(B成分)を用いることに
より、トナー帯電性が向上する。その結果、本発明の導
電性ロールは、感光体汚染を防止でき、優れたトナー帯
電性を備え、電気抵抗の電圧依存性および膜厚依存性が
小さく、高画質を長期にわたって持続することができ
る。
【0133】そして、上記樹脂組成物にアクリル系シリ
コーン変性ポリマーを配合することにより、摩擦係数を
低減することができ、耐フィルミング性が向上し、トナ
ー帯電性も向上する。
【0134】また、上記アクリル系樹脂(B成分)とし
て、ポリメタクリル酸メチルを用いることにより、トナ
ー帯電性がより良好となる。
【0135】さらに、上記樹脂組成物に架橋剤を配合し
て、上記エピクロロヒドリンゴム(A成分)やアクリル
系シリコーン変性ポリマーを架橋することにより、トナ
ー帯電性や離型性を長期的に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ロールの一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の導電性ロールの製法の一例を示す断面
図である。
【図3】静動摩擦係数計による摩擦係数の測定方法を示
す説明図である。
【図4】トナー帯電性の測定方法を示す説明図である。
【図5】体積抵抗率を測定する際に用いる電極の形状を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 軸体 2 ベースゴム層 3 中間層 4 表層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加地 明彦 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 大鍬 憲一 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2H003 CC05 2H032 AA05 BA05 2H077 AD02 AD06 FA25 3J103 AA02 AA15 AA21 AA33 AA51 BA41 EA02 EA11 EA20 FA06 FA07 FA12 FA14 FA18 GA02 GA57 GA58 GA60 GA66 GA73 GA74 HA03 HA04 HA11 HA20 HA32 HA33 HA37 HA41 HA52 HA53 HA55

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周面に少なくとも一つの層が形
    成された導電性ロールであって、上記導電性ロールの表
    層が、下記の(A)〜(C)成分を含有し、かつ、上記
    (B)成分の配合量が上記(A)成分100重量部に対
    して50〜200重量部の範囲に設定された樹脂組成物
    を用いて形成されていることを特徴とする導電性ロー
    ル。 (A)エピクロロヒドリンゴム。 (B)アクリル系樹脂。 (C)電子導電剤。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物がアクリル系シリコーン変性
    ポリマーを含有するものである請求項1記載の導電性ロ
    ール。
  3. 【請求項3】 (B)成分であるアクリル系樹脂が、ポ
    リメタクリル酸メチルである請求項1または2記載の導
    電性ロール。
  4. 【請求項4】 樹脂組成物が架橋剤を含有するものであ
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性ロール。
JP24926099A 1999-09-02 1999-09-02 導電性ロール Pending JP2001074035A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24926099A JP2001074035A (ja) 1999-09-02 1999-09-02 導電性ロール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24926099A JP2001074035A (ja) 1999-09-02 1999-09-02 導電性ロール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001074035A true JP2001074035A (ja) 2001-03-23

Family

ID=17190327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24926099A Pending JP2001074035A (ja) 1999-09-02 1999-09-02 導電性ロール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001074035A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006150265A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Bridgestone Corp トラバース塗装工程の前処理方法およびトラバース塗装方法
JP2006150266A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Bridgestone Corp リングコーター塗装工程の前処理方法およびその塗装方法
JP2020076942A (ja) * 2018-11-06 2020-05-21 住友ゴム工業株式会社 現像ローラ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006150265A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Bridgestone Corp トラバース塗装工程の前処理方法およびトラバース塗装方法
JP2006150266A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Bridgestone Corp リングコーター塗装工程の前処理方法およびその塗装方法
JP2020076942A (ja) * 2018-11-06 2020-05-21 住友ゴム工業株式会社 現像ローラ
JP7329174B2 (ja) 2018-11-06 2023-08-18 住友ゴム工業株式会社 現像ローラ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0982335B1 (en) Conductive roller
US20060131546A1 (en) Elastic member of semiconductive polymer and OA equipment using the same
US5993366A (en) Low hardness conductive roll
JPH10268613A (ja) 半導電性ロール
JP4240119B2 (ja) 現像ロール
JP3090039B2 (ja) 低硬度導電性ロール
JP3221385B2 (ja) 低硬度導電性ロール
JP2001074034A (ja) 導電性ロール
JP2001074035A (ja) 導電性ロール
JP4046448B2 (ja) 導電性ロール
JP2003270926A (ja) 現像ローラ、現像装置および電子写真プロセスカートリッジ
JP2001074033A (ja) 導電性ロール
JP2002298647A (ja) 導電性組成物およびそれを用いた導電性部材
JP3601301B2 (ja) 低硬度導電性ロール
JP3633331B2 (ja) 現像ロール
JP3684919B2 (ja) 導電性ロール
JP2007279679A (ja) 現像ロール
JP3684852B2 (ja) 低硬度導電性ロール
JP2002284981A (ja) 導電性組成物およびそれを用いた導電性ロール
JP3622541B2 (ja) 導電性ロール
JPH11267583A (ja) 低硬度導電性ロールの製法およびそれにより得られた低硬度導電性ロール
JP3419322B2 (ja) 低硬度導電性ロール
JP2002284982A (ja) 導電性組成物およびそれを用いた導電性ロール
JPH11167273A (ja) 低硬度導電性ロール
JP3997644B2 (ja) 現像ロール

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050527

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060214