JP3221385B2 - 低硬度導電性ロール - Google Patents
低硬度導電性ロールInfo
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Description
プリンター等の現像ロール等に用いられる低硬度導電性
ロールに関するものである。
等の現像ロール等に用いられる導電性ロールの形成材料
としては、ウレタン樹脂が用いられている。このウレタ
ン樹脂は導電性に劣るため、ウレタン樹脂に導電性材料
を配合する等の方法により、ウレタン樹脂に導電性を付
与している。また、最近の電子写真複写機等は小型化の
傾向にあり、モータの駆動力が弱いため、導電性ロール
に用いられるウレタン樹脂の硬度が高すぎると、スター
ト時にロールが円滑に回転しなかったり、スティックス
リップによるクリック音が発生する等の問題が生じる。
そのため、低硬度のウレタン樹脂を用いた導電性ロール
が提案されている(特開平5−323777号公報、特
開平3−187732号公報)。
レタン樹脂は摩擦係数が比較的大きいため、熱的、物理
的にトナーが導電性ロールの表面に付着しやすく、トナ
ーフィルミングが生じやすくなる。その結果、充分な帯
電性を得ることができなくなり、画出枚数が増えるに従
い、画質が低下するという問題が生じる。そこで、ウレ
タン樹脂の摩擦係数を下げる方法としては、ウレタン樹
脂の硬度を上げるか、あるいはウレタン樹脂の結晶性を
上げる等の方法が考えられる。ところが、ウレタン樹脂
の硬度を上げれば、低硬度化の要請に沿わなくなり、先
に述べたように、スタート時におけるロールの円滑な回
転等が妨げられることになる。また、ウレタン樹脂の結
晶性を上げれば、ウレタン樹脂の溶剤への溶解性が低下
するため、溶剤の種類が揮発性の高いもの等に限定され
たり、あるいはウレタン樹脂を塗布できない等の問題が
生じ、導電性ロールを作製する際の作業性が悪くなる。
や結晶性を上げることなく、ウレタン樹脂の摩擦係数を
下げることにより上記課題を解決すべく、熱可塑性ウレ
タン樹脂にシリコーングラフトアクリルポリマーを配合
させた樹脂組成物を最外層材料に用いた導電性ロールを
すでに提案している(特願平8−121614号)。
614号に記載の導電性ロールは、正帯電性が弱い熱可
塑性ウレタン樹脂に、正帯電性の強いシリコーングラフ
トアクリルポリマーが分散された樹脂組成物を用いて最
外層が形成されている。しかし、上記シリコーングラフ
トアクリルポリマーは熱可塑性ウレタン樹脂との相溶性
が悪い。そのため、正帯電性の強いシリコーングラフト
アクリルポリマーが最外層表面に出ていたとしても部分
的なため、トナー帯電性が不充分で、トナーの飛散が大
きく、またトナー離型性が不充分で、トナーフィルミン
グが生じやすいという問題を有しており、さらなる改良
が望まれている。
もので、良好なトナー帯電性およびトナー離型性の双方
の特性を備えた低硬度導電性ロールの提供をその目的と
する。
めに、本発明の低硬度導電性ロールは、軸体の外周面に
少なくとも一層の層が形成された低硬度導電性ロールで
あって、上記少なくとも一層の層のなかで最外層となる
層が、下記の(A)成分を含有する樹脂組成物によって
形成されているという構成をとる。(A)下記の一般式
(1)で表される繰り返し単位から構成されたシリコー
ングラフトアクリルポリマーであって、シロキサンから
誘導される構造部分を除いたアクリルポリマー部分のガ
ラス転移温度が−35〜30℃の範囲に設定されたシリ
コーングラフトアクリルポリマー。
て、「少なくとも一層の層のなかで最外層となる層」と
は、層が一層の場合はその層をいい、層が二層以上の場
合は、文字通りその最外層をいう。また、上記(A)成
分の「シリコーングラフトアクリルポリマー」とは、上
記一般式(1)において、(Z)n 部分と(Y)k 部分
とが共重合することにより、シリコーン成分が幹のアク
リルポリマーにグラフト化しているものをいう。
電性およびトナー離型性の双方の特性を備えた低硬度導
電性ロールを得るべく鋭意研究を重ねた。その研究の過
程で、導電性ロールの最外層を形成する樹脂組成物に着
目し、従来のようにウレタン樹脂を主成分とする樹脂組
成物を用いた場合は、充分なトナー帯電性およびトナー
離型性を得ることができないことを突き止めた。そし
て、さらに研究を続けた結果、従来のウレタン樹脂を主
成分とする樹脂組成物に代えて、シリコーングラフトア
クリルポリマーを主成分とする樹脂組成物を用いること
を想起し、上記シリコーングラフトアクリルポリマーの
構造および特性について鋭意研究を重ねた。その結果、
特定のガラス転移温度を有する特定構造のシリコーング
ラフトアクリルポリマー(A成分)を突き止め、このシ
リコーングラフトアクリルポリマー(A成分)を含有す
る樹脂組成物を用いて、導電性ロールの最外層を形成す
ると、良好なトナー帯電性およびトナー離型性の双方の
特性を備えた低硬度導電性ロールが得られることを見い
だし、本発明に到達した。
ポリマー(A成分)の数平均分子量を10,000〜3
00,000の範囲に設定すると、優れた柔軟性を備
え、摩擦係数の低い低硬度導電性ロールが得られること
を突き止めた。なお、本発明における数平均分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
によるポリスチレン換算の数平均分子量である。
リマー(A成分)に加えて、さらに導電剤を配合した樹
脂組成物を用いると、低硬度導電性ロールの導電性がよ
り一層向上することを突き止めた。
3層構造の低硬度導電性ロールにおいて、最外層形成材
料として上記A成分を含有する特殊な樹脂組成物を用い
るとともに、中間層形成材料として特殊な水素添加アク
リロニトリル−ブタジエンゴム(B成分)を主成分とす
る材料を用いると、先に述べた良好なトナー帯電性およ
びトナー離型性の付与に加えて、最内層/中間層/最外
層の各層間接着力が向上し、剥がれや破れ等の発生を防
止でき、良好な画像を得ることができることを突き止め
た。さらに、最内層形成材料としてシリコーンゴムを主
成分とする材料を用いると、低硬度でへたりが少なくな
ることを突き止めた。なお、本発明において、中間層形
成材料および最内層形成材料における「主成分」とは、
主成分のみからなる場合も含める趣旨である。
しく説明する。
に示す。この低硬度導電性ロールは、軸体1の外周面に
沿って最内層2が形成され、その外周面に中間層3が形
成され、さらにその外周面に最外層4が形成されて構成
されている。そして、本発明の低硬度導電性ロールは、
上記最外層4が特定のシリコーングラフトアクリルポリ
マー(A成分)を含有する特殊な樹脂組成物によって形
成されていることが最大の特徴である。
例えば金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にく
り抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、その
材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッキ
を施したもの等があげられる。また、必要に応じ軸体1
上に接着剤、プライマー等を塗布することができる。な
お、接着剤、プライマー等は必要に応じて導電化しても
よい。
形成材料としては、特に制限はなく、例えばシリコーン
ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリウレ
タン系エラストマー等があげられる。なかでも、低硬度
でへたりが少ないという点から、シリコーンゴムが特に
好ましい。なお、最内層2形成材料としてシリコーンゴ
ムを用いた場合には、シリコーンゴム表面をコロナ放
電、プラズマ放電等により活性化させる工程や、さらに
その後、プライマーを塗布する工程を行ってもよい。
添加してもよい。上記導電剤としては、従来から用いら
れているカーボンブラック、グラファイト、チタン酸カ
リウム、酸化鉄、c−TiO2 、c−ZnO、c−Sn
O2 、イオン導電剤(四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、
界面活性剤等)等があげられる。なお、上記「c−」
は、導電性を有するという意味である。
形成材料としては、特に制限はなく、例えばアクリロニ
トリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム)(以下「NB
R」と略す)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム(水素化ニトリルゴム)(以下「H−NBR」と略
す)、ポリウレタン系エラストマー、クロロプレンゴム
(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、ブチル
ゴム(IIR)等があげられる。なかでも、接着性およ
びコーティング液の安定性の点から、H−NBRが特に
好ましい。
40〜50%の範囲に設定され、かつ、ヨウ素価が18
〜56mg/100mgの範囲に設定されたものが好ま
しく、特に好ましくはアクリロニトリル量が45〜50
%の範囲で、かつ、ヨウ素価が18〜45mg/100
mgの範囲である。そして、このようなH−NBRは例
えばつぎのようにして得られる。まず、アクリロニトリ
ルとブタジエンの乳化重合により、原料となるNBRを
得る。ついで、原料NBRをアセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の
溶剤に溶解し、Rh、Pd、Pt等の貴金属触媒の存在
下において水素付加反応を行い(NBRに水素添加処理
を施し)脱溶剤することにより、目的とするH−NBR
が得られる。なお、アクリロニトリル量は原料となるN
BRにより調整され、ヨウ素価(水素添加量)は反応さ
せる水素濃度等により調整される。
等の加硫剤、グアニジン、チアゾール、スルフェンアミ
ド、ジチオカルバミン酸塩、チウラム等の加硫促進剤、
ステアリン酸、亜鉛華(ZnO)、軟化剤等を適宜に添
加してもよい。なお、導電剤としては、前記と同様のも
のが用いられる。
は、特定のシリコーングラフトアクリルポリマー(A成
分)を含有する特殊な樹脂組成物によって形成されてい
る。
(A成分)は、下記の一般式(1)で表される構造を備
えたものである。
は1〜3000の正数であり、好ましくは1〜300の
正数である。また、繰り返し数nは1〜3000の正数
であり、好ましくは1〜300の正数である。
系単量体から誘導される直鎖状の構造部分である。上記
アクリル系単量体としては、具体的には、アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アク
リル酸tert−ブチル、アクリル酸2,2−ジメチル
プロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2
−tert−ブチルフェニル、アクリル酸2−ナフチ
ル、アクリル酸フェニル、アクリル酸4−メトキシフェ
ニル、アクリル酸2−メトキシカルボニルフェニル、ア
クリル酸2−エトキシカルボニルフェニル、アクリル酸
2−クロロフェニル、アクリル酸4−クロロフェニル、
アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−シアノベンジル、
アクリル酸4−シアノフェニル、アクリル酸p−トリ
ル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル
酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−シアノエチ
ル、アクリル酸3−オキサブチル、メタクリル酸、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸オ
クチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec
−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル
酸2,2−ジメチルプロピル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、
メタクリル酸2−ナフチル、メタクリル酸フェニル、メ
タクリル酸4−メトキシフェニル、メタクリル酸2−メ
トキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−エトキシ
カルボニルフェニル、メタクリル酸2−クロロフェニ
ル、メタクリル酸4−クロロフェニル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸2−シアノベンジル、メタクリル
酸4−シアノフェニル、メタクリル酸p−トリル、メタ
クリル酸イソノニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル
酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−シアノエチ
ル、メタクリル酸3−オキサブチル、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリルアミ
ド、ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、4−カルボキシフェニルメタクリルアミド、4−メ
トキシカルボキシフェニルメタクリルアミド、メチルク
ロロアクリレート、エチル−α−クロロアクリレート、
プロピル−α−クロロアクリレート、イソプロピル−α
−クロロアクリレート、メチル−α−フルオロアクリレ
ート、ブチル−α−ブトキシカルボニルメタクリレー
ト、ブチル−α−シアノアクリレート、メチル−α−フ
ェニルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソボ
ニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート等のラジカル重合性単量体があげられる。そして、
これらアクリル系単量体の1種が重合または2種以上が
共重合することにより、Yで表される直鎖状の構造部分
が構成される。
系単量体から誘導される構造部分であって、シロキサン
から誘導される構造部分を有するものである。これは、
下記の一般式(3)または一般式(4)で表されるもの
から誘導される。
(4)の好ましい具体例としては、下記の構造式(a)
〜(r)に示すものがあげられる。
シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)は、シ
ロキサンから誘導される構造部分〔側鎖〕を除いたアク
リルポリマー部分〔主鎖〕のガラス転移温度が、−35
〜30℃の範囲にあることが必要であり、好ましくは−
30〜0℃の範囲である。すなわち、上記アクリルポリ
マー部分〔主鎖〕のガラス転移温度が−35℃を下回る
と、粘着性が大きくなり摩擦係数も大きくなるためトナ
ーフィルミングが生じ、複写画像が悪くなり、30℃を
越えると硬くなりすぎ、スタート時にロールが円滑に回
転しなかったり、クリック音が発生する等の問題が生じ
るからである。また、他部品との圧接時に跡がロールに
残りやすいという問題もある。
〔側鎖〕を除いたアクリルポリマー部分〔主鎖〕のガラ
ス転移温度は、例えばつぎのようにして設定することが
できる。すなわち、上記アクリルポリマー部分〔主鎖〕
のガラス転移温度が−35〜30℃の範囲となるよう
に、下記のFox式に従い、各アクリル系重合体の重量
比率を設定することにより行われる。
ス転移温度であり、Tg,Tg2,…,Tg m は各アクリ
ル系単量体のガラス転移温度である。また、W,W2 ,
…,Wm は各アクリル系単量体の重量比率である。〕
(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のtanδピー
クにより測定することができる。
シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)の数平
均分子量は、10,000〜300,000の範囲に設
定することが好ましく、特に好ましくは30,000〜
100,000の範囲である。すなわち、上記シリコー
ングラフトアクリルポリマー(A成分)の数平均分子量
が10,000を下回ると最外層の強度が劣る傾向が見
られ、300,000を超えると最外層の形成が困難に
なるからである。
シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)におけ
る(Z)n 部分の数平均分子量は、260〜100,0
00の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは
2,000〜50,000の範囲である。すなわち、上
記(Z)n 部分の数平均分子量が260を下回ると、柔
軟性、低摩擦係数化、離型性等のシリコーンの効果が少
なくなり、100,000を超えると、べたつきが生じ
るからである。
ーングラフトアクリルポリマー(A成分)全重量の5〜
60重量%の範囲になるよう設定することが好ましい。
すなわち、上記(Z)n 部分の含有率が5重量%を下回
ると、柔軟性、低摩擦係数化、離型性等のシリコーンの
効果が少なくなり、60重量%を超えるとシリコーン特
有のべたつきが生じるからである。
リマー(A成分)は、例えばつぎのようにして製造する
ことができる。すなわち、上記(Y)k 部分と(Z)n
部分を、アゾ系重合開始剤の存在下に、ラジカル共重合
させることにより製造することができる。このような重
合は、溶媒を用いる溶液重合法、バルク重合法、エマル
ジョン重合法等によって行うことが好ましく、特に好ま
しくは溶液重合法である。
イソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−4−シア
ノバレリン酸、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブ
チレート、アゾビス−1−シクロヘキサカルボニトリル
等があげられ、特にAIBNが好ましい。
〜150℃が好ましく、特に好ましくは60〜100℃
である。また、重合時間は3〜100時間が好ましく、
特に好ましくは5〜10時間である。
ラフトアクリルポリマー(A成分)は、前記一般式
(1)で表される構造を備えたものであるが、この構造
にさらに別のアクリル系単量体から誘導される直鎖状の
構造部分〔(X)m 部分〕が連結された、下記の一般式
(2)で表される構造を備えたものであってもよい。
系単量体から誘導される直鎖状の構造部分であり、上記
アクリル系単量体としては、前記一般式(1)において
例示したものと同様のものがあげられる。ただし、Yと
Xは、互いに異なるものでなければならない。また、繰
り返し数mは1〜10,000の正数であり、好ましく
は100〜3,000の正数である。
形成する特殊な樹脂組成物には、前記特殊なシリコーン
グラフトアクリルポリマー(A成分)に加えて、さらに
前述の導電剤を適宜に添加してもよく、また帯電制御剤
を適宜に添加することもできる。上記帯電制御剤として
は、従来から用いられている四級アンモニウム塩、ホウ
酸塩、アジン系(ニグロシン系)化合物、アゾ化合物、
オキシナフトエ酸金属錯体、界面活性剤(アニオン系、
カチオン系、ノニオン系)等があげられる。また、上記
特殊な樹脂組成物には、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤、補強剤、帯電制御剤、滑剤、離型剤、染料、顔
料、難燃剤、オイル等を必要に応じて適宜に添加するこ
とも可能である。さらに、上記特殊な樹脂組成物は硬化
剤で架橋することもできる。上記架橋剤としては、イソ
シアネート基含有物や、アミノ基、エポキシ基、カルボ
キシル基、−SH基等を含有する硬化剤があげられる。
形成する特殊な樹脂組成物は、例えばつぎのようにして
作製される。すなわち、まず、先に述べた方法に従い、
特殊なシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)
を作製し、これらを有機溶剤に溶解する。ついで、必要
により、導電剤、帯電制御剤等を加えたものをサンドミ
ル等で分散することにより、塗工用のコーティング液を
作製する。あるいは、上記シリコーングラフトアクリル
ポリマー(A成分)、導電剤等を2軸混練機等で分散
し、これらを前記有機溶剤に溶解することにより、塗工
用のコーティング液を作製してもよい。このようにし
て、目的とする特殊な樹脂組成物(コーティング液)を
作製することができる。上記有機溶剤としては、メチル
エチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサン、メタノール、イソプロピ
ルアルコール等があげられる。これらは単独でもしくは
2種以上併せて用いられる。
例えばつぎのようにして作製される。すなわち、まず、
前記最内層2形成材料用の各成分をニーダー等の混練機
を用いて混練し、最内層2形成材料を作製する。また、
前記中間層3形成材料用の各成分をロール等の混練機を
用いて混練し、この混合物に前記有機溶剤を加えて混
合、攪拌することにより、中間層3形成材料(コーティ
ング液)を作製する。さらに、前記最外層4形成材料で
ある特殊な樹脂組成物(コーティング液)を、先に述べ
た方法に従い作製する。
し、その外周面に必要に応じて接着剤、プライマー等を
塗布した後、下蓋5を外嵌した円筒型6内に上記軸体1
をセットする。つぎに、前記最内層2形成材料を注型等
した後、上記円筒型6に上蓋7を外嵌する。ついで、上
記ロール型全体を加熱して上記最内層2形成材料を加硫
し(150〜220℃×30分)、最内層2を形成す
る。続いて、この最内層2が形成された軸体1を脱型
し、必要に応じ反応を完結させる(200℃×4時
間)。ついで、必要に応じロール表面にコロナ放電処理
を行う。さらに必要に応じロール表面にカップリング剤
の塗布を行う。そして、上記最内層2の外周に中間層3
形成材料となるコーティング液を塗布し、もしくは上記
最内層2形成済みのロールを前記コーティング液中に浸
漬して引き上げた後、乾燥および加熱処理を行うことに
より、最内層2の外周に中間層3を形成する。さらに、
上記中間層3の外周に最外層4形成材料となる特殊な樹
脂組成物(コーティング液)を塗布し、もしくは上記中
間層3形成済みのロールを前記コーティング液中に浸漬
して引き上げた後、乾燥および加熱処理を行うことによ
り、中間層3の外周に最外層4を形成する。上記コーテ
ィング液の塗布方法は、特に制限するものではなく、従
来公知のディッピング法、スプレーコーティング法、ロ
ールコート法等があげられる。このようにして、軸体1
の外周面に沿って最内層2が形成され、その外周に中間
層3が形成され、さらにその外周に最外層4が形成され
た導電性ロールを作製することができる。
層の厚みは、導電性ロールの用途に応じて適宜に決定さ
れる。例えば、現像ロールとして用いる場合、最内層の
厚みは、通常0.5〜10mmの範囲に設定することが
好ましく、特に好ましくは3〜6mmである。また、中
間層の厚みは、通常1〜90μmの範囲に設定すること
が好ましく、特に好ましくは3〜15μmである。そし
て、最外層の厚みは3〜100μmの範囲に設定するこ
とが好ましく、特に好ましくは5〜50μmである。
は、JIS Aによる硬度の測定値が、70(Hs:J
IS A)以下の範囲にあるものが好ましく、特に好ま
しくは60(Hs:JIS A)以下の範囲である。
ルに好適であるが、必ずしも現像ロールに限定するもの
ではなく、転写ロール、帯電ロール等にも適用すること
ができる。また、本発明の低硬度導電性ロールの例とし
て、図1において三層構造のものをあげたが、軸体1の
外周に形成される層は必ずしも三層でなくてもよく、ロ
ールの用途等に応じ、適宜の数の層が形成される。ただ
し、必ず最外層(単層の場合にはその層)が、上記特殊
な樹脂組成物で形成されていなければならない。
明する。
の繰り返し単位から構成されたシリコーングラフトアク
リルポリマーA〜Kを、前述の方法に準じて作製した。
3に示す各成分を同表に示す割合で配合し、前記方法に
従い各層の形成材料を調整した。そして、軸体となる芯
金(直径10mm、SUS304製)を準備し、前記方
法に従い、上記芯金上に最内層を形成した。ついで、ロ
ール表面にコロナ放電処理を行った。さらに、実施例1
〜8、比較例1〜3についてはカップリング剤の塗布を
行った。そして、上記最内層の外周に中間層および最外
層を順次形成して、目的とする3層構造の導電性ロール
を得た。また、各層の硬度、電気抵抗、厚みおよびシリ
コーングラフトアクリルポリマーのガラス転移温度(シ
ロキサンから誘導される構造部分を除いたアクリルポリ
マー部分)、数平均分子量および(Z)n 部分の含有率
を下記の表1〜表3に併せて示した。なお、電気抵抗は
JIS K 6301に準じて測定した。
よび比較例1〜3品の導電性ロールについて、下記の基
準に従い、ロールの電気抵抗、摩擦係数、硬度、トナー
帯電性、ロール回転トルク、複写画質および耐久複写画
質について比較評価を行った。これらの結果を、後記の
表4〜表6に併せて示した。
抵抗を、図3(A),(B)に示すように、印加電圧と
電流を測定することにより求めた。すなわち、図3
(A)に示す形状の電極11を、図3(B)に示すロー
ル10表面上に20箇所形成し、図3(B)に示す測定
系により測定した。図において、11aは主電極、11
bはガード電極である。そして、実施例および比較例に
おける電気抵抗は20箇所の測定値の中央値である。な
お、印加電圧は100Vとした。
な、静動摩擦係数計(協和界面科学社製)を用いて測定
した。すなわち、導電性ロールの最外層形成材料となる
樹脂組成物を用いて、厚み50〜100μmの塗膜21
を作製し、これを固定台22の上にセットし、移動速度
0.3cm/秒、荷重100gの条件下で測定した。な
お、図において、23は鋼球(直径3mm)、24は零
点調整用天秤、25はロードセル、26は荷重(100
g)を示す。
による硬度を測定した。
ロールにおける帯電量を20℃×50%RHの条件下に
おいてつぎのようにして測定した。すなわち、図5に示
すように、導電性ロール30表面上に現像剤(トナー)
32層を形成し、吸引ポンプ33により上記現像剤32
を吸引しファラデーケージ34を用いて測定した(ファ
ラデーケージ法)。なお、図において、35はフィルタ
ー、36は絶縁体パイプ、37は電位計、38,39は
導体で互いに分離している。
導電性ロールを押圧接触し、導電性ロールをトルクモー
タで回転させ、その動き始めの電流値を測定した。な
お、上記導電性ロールを感光体に押圧接触させる際の圧
力は、導電性ロールの接触部が径方向に0.3mm凹む
程度の圧力に設定した。そして、得られた測定値をトル
クに換算し、その算出値が常に3kgf−cm未満を示
す場合を○、3kgf−cm未満を示すが初期等に3k
gf−cm以上を示す場合を△、常に3kgf−cm以
上を示す場合を×として表示した。
して電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの
条件下において画像出しを行った。そして、べた黒画像
において濃度が充分で画像むらや白斑点ぬけの無いもの
を○、べた黒画像において濃度不充分、画像むら、白斑
点のいずれか一つでも発生したものを×として表示し
た。
ルとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%R
Hの条件下において画像出しを行った。そして、3千枚
および5千枚複写した後、べた黒画像において濃度が充
分で画像むらや白斑点ぬけの無いものを○、濃度不充
分、画像むら、白斑点のいずれか一つでも発生したもの
を×として表示した。
品の導電性ロールは、比較例品の導電性ロールに比べ
て、摩擦係数が低く、低硬度で、トナー帯電性に優れ、
ロール回転トルクも小さく、しかも複写画質および耐久
複写画質に優れていることがわかる。
は、トナー帯電性が劣り、トナーの飛散が大きく、しか
も5千枚複写後にトナーフィルミングやトナー付着等が
発生し、複写画質が劣ることがわかる。また、比較例2
品の導電性ロールは、用いるシリコーングラフトアクリ
ルポリマーのガラス転移温度が−35℃を下回るため、
摩擦係数が大きく、その結果、ロール回転トルクが大き
く、5千枚複写後の複写画質が劣ることがわかる。そし
て、比較例3品の導電性ロールは、用いるシリコーング
ラフトアクリルポリマーのガラス転移温度が30℃を越
えるため、硬度が高く、その結果、複写画質が劣り、3
千枚および5千枚複写後の耐久複写画質も劣ることがわ
かる。
材料に代えて、下記の表7および表8に示すものを用い
た。それ以外は前記と同様にして導電性ロールを作製し
た。
の導電性ロールについて、前記基準に従い、ロールの電
気抵抗、摩擦係数、硬度、トナー帯電性、ロール回転ト
ルク、複写画質および耐久複写画質について比較評価を
行った。これらの結果を、下記の表9および表10に併
せて示した。
9〜16品の導電性ロールは、前記実施例1〜8品の導
電性ロールと同様、摩擦係数が低く、低硬度で、トナー
帯電性に優れ、ロール回転トルクも小さく、しかも複写
画質および耐久複写画質に優れていることがわかる。な
お、実施例15品の導電性ロールは、中間層形成材料と
して用いたH−NBRのアクリロニトリル量およびヨウ
素価が小さいため、中間層の加硫が甘く電気抵抗が若干
高くなるが、導電性ロールとしての使用に問題はない。
また、実施例16品の導電性ロールは、中間層形成材料
として用いたH−NBRのアクリロニトリル量が小さ
く、ヨウ素価が高いため、粘度が上昇して塗料の保管性
が若干悪くなるが、導電性ロールとしての使用に問題は
ない。
ールは、特定のガラス転移温度を有する特定構造のシリ
コーングラフトアクリルポリマー(A成分)を配合して
なる特殊な樹脂組成物によって最外層が形成されている
ため、トナー帯電性に優れ、トナーの飛散性が小さく、
しかもトナーの離型性が良好で、トナーフィルミングが
生じにくくなる。その結果、トナーの付着を防止できる
とともに、長期にわたって安定したトナー帯電性を得る
ことができ、画質の向上を図ることができる。
ポリマー(A成分)の分子量を、10,000〜30
0,000の範囲に設定することにより、柔軟性に優
れ、低摩擦係数の低硬度導電性ロールを得ることができ
る。
リマー(A成分)に加えて、さらに導電剤を配合した樹
脂組成物を用いることにより、低硬度導電性ロールの導
電性がより一層向上する。
3層構造の低硬度導電性ロールにおいて、最外層形成材
料として上記A成分を含有する特殊な樹脂組成物を用い
るとともに、中間層形成材料として特殊な水素添加アク
リロニトリル−ブタジエンゴム(B成分)を主成分とす
る材料を用いるようにすると、先に述べた良好なトナー
帯電性およびトナー離型性の付与に加えて、最内層/中
間層/最外層の各層間接着力が向上し、剥がれや破れ等
の発生を防止でき、良好な画像を得ることができるよう
になる。さらに、最内層形成材料としてシリコーンゴム
を主成分とする材料を用いるようにすると、低硬度でへ
たりが少なくなる。
図である。
す断面図である。
にロール表面に形成する電極の形状を示す説明図、
(B)はそれを用いての導電性ロールの電気抵抗値の測
定系を示す説明図である。
す説明図である。
測定状態を示す説明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 軸体の外周面に少なくとも一層の層が形
成された低硬度導電性ロールであって、上記少なくとも
一層の層のなかで最外層となる層が、下記の(A)成分
を含有する樹脂組成物によって形成されていることを特
徴とする低硬度導電性ロール。(A)下記の一般式
(1)で表される繰り返し単位から構成されたシリコー
ングラフトアクリルポリマーであって、シロキサンから
誘導される構造部分を除いたアクリルポリマー部分のガ
ラス転移温度が−35〜30℃の範囲に設定されたシリ
コーングラフトアクリルポリマー。 【化1】 - 【請求項2】 上記(A)成分であるシリコーングラフ
トアクリルポリマーが、下記の一般式(2)で表される
繰り返し単位から構成されたものである請求項1記載の
低硬度導電性ロール。 【化2】 - 【請求項3】 上記(A)成分であるシリコーングラフ
トアクリルポリマーの数平均分子量が10,000〜3
00,000の範囲に設定されている請求項1または2
記載の低硬度導電性ロール。 - 【請求項4】 上記(A)成分中の(Z)n 部分の含有
率が、(A)成分全重量の5〜60重量%の範囲に設定
されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の低硬度
導電性ロール。 - 【請求項5】 上記最外層を形成する樹脂組成物が、上
記(A)成分に加えて、さらに導電剤を含有するもので
ある請求項1〜4のいずれか一項に記載の低硬度導電性
ロール。 - 【請求項6】 軸体の外周面に最内層が形成され、その
外周に中間層が形成され、さらにその外周に最外層が形
成された3層構造の低硬度導電性ロールであって、上記
最外層が前記(A)成分を含有する樹脂組成物によって
形成されているとともに、上記中間層が下記の(B)成
分を主成分とする層形成材料によって形成されている請
求項1〜5のいずれか一項に記載の低硬度導電性ロー
ル。(B)アクリロニトリル量が40〜50%の範囲に
設定され、かつ、ヨウ素価が18〜56mg/100m
gの範囲に設定された水素添加アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム。 - 【請求項7】 上記最内層がシリコーンゴムを主成分と
する層形成材料によって形成されている請求項6記載の
低硬度導電性ロール。
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KR102477951B1 (ko) * | 2020-11-13 | 2022-12-15 | 대한민국 | 손의 움직임을 보조해 주는 병 뚜껑용 오프너 |
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-
1998
- 1998-02-27 JP JP4747098A patent/JP3221385B2/ja not_active Expired - Fee Related
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