JP2009080308A - 導電性ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】高画像濃度を満たし、優れた画質を得ることができる導電性ロールを提供する。
【解決手段】軸体1の外周面に弾性層2が形成され、この弾性層2の外周に、直接または他の層を介して最外層3が形成されてなる導電性ロールであって、上記最外層3中に、π電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子が分散されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性ロールに関するものであり、詳しくは、現像ロール,帯電ロール,転写ロール等の電子写真機器(OA機器)用導電性部材に用いられる導電性ロールに関するものである。
一般に、現像ロールや帯電ロール等の導電性ロールは、軸体の外周面に弾性層(ベースゴム層)が形成され、この弾性層の外周に、直接または他の層を介して最外層(最表層)が形成されて構成されている。このような構成の導電性ロールにおいては、最外層中に粒子を含有させて凹凸形状を形成することにより、トナー搬送量や放電量を補う手法が提案されている。しかしながら、上記従来の手法では、最外層のマトリックス部分(半導電性)と、粒子部分(絶縁性)との電気抵抗の差や、トナー搬送,放電のばらつきにより、均一画像が得られなかった。そこで、この課題を解決するため、例えば、(1)粒子を合成する際に、カーボンブラック,金属粒子等の導電剤を添加して、導電性粒子を作製する手法(例えば、特許文献1参照)や、(2)粒子に金属めっきをする手法(例えば、特許文献2参照)等により、最外層のマトリックス部分(半導電性)と、粒子部分(絶縁性)との電気抵抗差を抑制することが提案されている。
特開2006−10754号公報 特開2007−127777号公報
しかしながら、上記(1)の手法では、カーボンブラック等の導電剤が粒子中で分散構造をとることにより、電気抵抗のばらつきが生じ、電気的な特性が不均一となる。また、上記(2)の手法では、金属めっき部分の抵抗が低すぎるため、マトリックス部分との電気抵抗差が生じることから、電気的な特性が不均一である。このように電気的な特性が不均一であると、現像ロールでは、高速機でのトナー搬送ばらつきが生じ、搬送量が不充分となり、また、帯電ロールでは、放電量が不充分となり、放電むらが生じる等の難点がある。そのため、将来のプリンターの高速化に対する高画質や充分な画像濃度の点で改良の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、高画像濃度を満たし、優れた画質を得ることができる導電性ロールの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の導電性ロールは、軸体の外周面に弾性層が形成され、この弾性層の外周に、直接または他の層を介して最外層が形成されてなる導電性ロールであって、上記最外層中に、π電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子が分散されているという構成をとる。
本発明者らは、高画像濃度を満たし、優れた画質を得ることができる導電性ロールを得るため、導電性ロールの最外層中に分散させる粒子に着目し、一連の実験を続けた。そして、最外層中に粒子を含有させて凹凸形状を形成する場合において、凹凸形状による表面粗度が大きくなると、それによってトナーを潰したり、トナーフィルミングが生じ、逆に凹凸形状による表面粗度が小さくなると、トナー搬送性が劣り、充分な濃度の画像を得ることができないことを突き止めた。そこで、この問題を解消するため、本発明者らは粒子について鋭意研究を重ねた。そして、π電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子を、最外層中に分散させると、このπ電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子は、トナー搬送性に優れるため、粒子添加量を少なくしても画像濃度を確保できる。また、粒子添加量を少なくすることにより、凹凸形状による表面粗度が小さくなるため、トナーフィルミングやかぶり等の不具合を低減することができる。その結果、本発明の導電性ロールは、高画像濃度を満たし、優れた画質を得ることができることを見いだし、本発明に到達した。この理由は明らかではないが、つぎのように考えられる。すなわち、粒子外側が導電性を有するπ電子共役系ポリマーのみの均一成分であることから、電気的な特性(電気抵抗のばらつき)は均一であること、また、π電子共役系ポリマーの電荷を蓄える能力(誘電率)が、他の導電剤(カーボンブラック、金属微粒子、イオン導電剤等)に比べ非常に高いことが考えられる。
本発明の導電性ロールは、最外層中に、π電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子が分散されている。このπ電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子は、トナー搬送性に優れるため、粒子添加量を少なくしても画像濃度を確保できる。また、粒子添加量を少なくすることにより、凹凸形状による表面粗度が小さくなるため、トナーフィルミングやかぶり等の不具合を低減することができる。その結果、本発明の導電性ロールは、高画像濃度を満たし、優れた画質を得ることができる。
また、上記導電性粒子の平均粒径が、1〜60μmの範囲であると、最外層表面の凹凸形状を均一に形成でき、その結果、トナーの搬送や放電をより均一に行うことができるようになる。
さらに、25℃×50%RH、測定周波数1kHzでの、上記導電性粒子の比誘電率が6.8以上であると、その導電性粒子が添加された最外層が蓄えることのできる電荷量が増し、その結果、トナー搬送量の増加や放電量の増加の効果を得ることができる。
本発明の導電性ロールは、例えば、図1に示すように、軸体1の外周面に弾性層2が形成され、この弾性層2の外周面に最外層3が形成されて構成されている。
本発明では、π電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子が、上記最外層3中に分散されており、これが最大の特徴である。
本発明の導電性ロールに用いる上記軸体1としては、例えば、金属製の中空体や中実体等があげられる。そして、その材質としては、ステンレス、アルミニウム等があげられる。なお、上記軸体1の外周面には、弾性層2との接着性を高めるため、必要に応じて、接着剤、プライマー等を塗布してもよく、また上記接着剤、プライマー等は必要に応じて導電化してもよい。
上記軸体1の外周面に形成される弾性層2の形成材料(弾性層用材料)としては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ポリウレタン系エラストマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加NBR(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)等のベースポリマーが用いられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
なお、上記弾性層用材料には、上記ベースポリマーに加えて、導電剤、加硫剤、加硫促進剤、滑剤、助剤等を必要に応じて適宜に配合しても差し支えない。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、導電性酸化チタン(c−TiO2 )、導電性酸化亜鉛(c−ZnO)、導電性酸化錫(c−SnO2 )、第四級アンモニウム塩等があげられる。
また、上記加硫剤としては、例えば、硫黄等があげられ、加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(CZ)等があげられ、滑剤としては、例えば、ステアリン酸等があげられ、助剤としては、例えば、亜鉛華(ZnO)等があげられる。
つぎに、上記弾性層2の外周面に形成する最外層3の形成材料(最外層用材料)としては、例えば、非共役系ポリマー(バインダーポリマー)と導電性粒子とを含有する材料が用いられる。
上記バインダーポリマーである非共役系ポリマーについて説明する。この非共役系ポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレア系樹脂、ゴム系ポリマー、熱可塑性エラストマー等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、表面離型性と柔軟性とを両立できる点で、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましい。
上記非共役系ポリマーにおけるアクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリヒドロキシメタクリレート、アクリルシリコーン系樹脂、アクリルフッ素系樹脂、アクリルモノマーを共重合したものや、光架橋用のアクリルオリゴマー等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記ウレタン系樹脂としては、例えば、エーテル系,エステル系,カーボネート系,アクリル系,脂肪族系等のウレタン系樹脂や、それにシリコーン系ポリオールまたはフッ素系ポリオールを共重合させたもの等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なお、ウレタン系樹脂は、分子構造中にウレア結合またはイミド結合を有するものであってもよい。
上記フッ素系樹脂としては、例えば、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記ポリイミド系樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミック酸、シリコーンイミド等があげられ、単独でもしくは併せて用いられる。
上記エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂、臭素化型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、ポリアミド併用型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アミノ樹脂併用型エポキシ樹脂、アルキッド樹脂併用型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記ウレア系樹脂としては、分子構造中にウレア結合を有する樹脂であれば特に限定はなく、ウレタンウレアエラストマー、メラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記ゴム系ポリマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム(H−NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム、クロロプレンゴム(CR)、塩素化ポリエチレン(Cl−PE)、エピクロロヒドリンゴム(ECO,CO)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS),スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、合成プロセスの簡便さ、溶剤との溶解性の点で、TPUが好適に用いられる。
このような非共役系ポリマーの数平均分子量(Mn)は、500〜2,000,000の範囲が好ましく、特に好ましくは2,000〜800,000の範囲である。
つぎに、上記非共役系ポリマーとともに用いられる、π電子共役系ポリマーにより被覆されてなる特定の導電性粒子について説明する。この導電性粒子としては、例えば、ウレタン粒子等を、π電子共役系ポリマーにより被覆させて得られるもの等があげられる。
本発明に用いる特定の導電性粒子は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、π電子共役系ポリマーを構成するモノマーと、ウレタン粒子と、溶剤とをフラスコ中に入れ、所定温度(通常、5〜10℃)に制御しながら、酸化剤(開始剤)を所定時間(通常、1時間)かけて滴下し、所定時間(通常、10時間)酸化重合させて重合物を得る。つぎに、この重合物を水、メタノール、テトラヒドロフラン(THF)等の溶剤でそれぞれ着色がなくなるまで洗浄して、精製する。これにより、π電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子を得ることができる。
上記π電子共役系ポリマーにより被覆される粒子としては、上記ウレタン粒子以外に、アクリル粒子、シリカ粒子(多孔質シリカ粒子等)、ナイロン粒子、ポリエチレン系粒子、ポリスチレン系粒子、ポリアミド系粒子、ゴム系粒子等があげられる。これらのなかでも、形状(真球度)と柔軟性の点で、ウレタン粒子、アクリル粒子、シリカ粒子(多孔質シリカ粒子等)が好ましい。
上記被覆される粒子の平均粒径は、通常、0.1〜55μmの範囲であり、好ましくは0.5〜50μmの範囲である。
本発明において、上記π電子共役系ポリマーとは、単結合と多重結合とが交互に連なったポリマーを意味する。このπ電子共役系ポリマーを構成するモノマーとしては、例えば、アニリン,ピロール,チオフェンおよびこれらの誘導体(o−トルイジン、2−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、エチルチオフェン等)があげられる。これらは、単独でもしくは二種以上併せて用いられる。また、これらは、炭素数1〜4のアルキル置換基またはアルコキシル置換基を有していてもよい。このような置換基を有するものは、溶剤への溶解性,非共役系ポリマー(バインダーポリマー)との相溶性の点で好ましい。
ここで、上記π電子共役系ポリマーを構成するモノマーと、このπ電子共役系ポリマーにより被覆される粒子との混合比は、重量比で、モノマー/粒子=0.005/1〜200/1の範囲が好ましく、特に好ましくはモノマー/粒子=0.05/1〜100/1の範囲である。
また、上記酸化剤(開始剤)としては、例えば、過硫酸アンモニウム(APS),塩化第二鉄,過酸化水素水、過塩素酸等があげられる。
上記溶剤としては、例えば、m−クレゾール、メタノール、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶剤等があげられる。
上記のようにして得られる、π電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子の平均粒径は、均一な凹凸形状の形成の点から、1〜60μmの範囲に設定されていることが好ましく、より好ましくは2〜50μmの範囲である。なお、上記半導電性粒子の平均粒径は、母集団から任意に抽出される試料を用いて導出される値である。また、粒子形状が真球状ではなく楕円球状(断面が楕円の球)等のように一律に粒径が定まらない場合には、最長径と最短径との単純平均値をその粒子の粒径とする。
また、π電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子において、π電子共役系ポリマーからなる被膜の厚みは、0.1〜20μmの範囲が好ましく、特に好ましくは0.2〜15μmの範囲である。
また、上記特定の導電性粒子の電気抵抗は、非共役系ポリマー(バインダーポリマー)との電気抵抗差の低減の点から、1×102 〜1×109 Ω・cmの範囲が好ましく、特に好ましくは1×103 〜1×108 Ω・cmの範囲である。
なお、上記電気抵抗は、例えば、つぎのようにして測定することができる。すなわち、内径1cmの絶縁〔ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製〕円筒を準備し、その中に導電性粒子0.2gを入れ、この絶縁円筒の上下からSUS製の棒で10MPaの荷重をかけた状態で挟み、25℃×50%RHの環境下、1Vでの電気抵抗を測定する。
また、25℃×50%RH、測定周波数1kHzでの、上記導電性粒子の比誘電率は6.8以上が好ましく、特に好ましくは10.5以上である。すなわち、上記比誘電率が6.8以上であれば、導電性粒子およびその導電性粒子が添加された最外層の帯電性が向上する。
ここで、前記特定の導電性粒子の配合量は、上記非共役系ポリマー100重量部(以下「部」と略す)に対して、4〜60部の範囲が好ましく、特に好ましくは6〜40部の範囲である。すなわち、上記導電性粒子の配合量が少なすぎると、トナー搬送性が悪くなる傾向がみられ、逆に上記導電性粒子の配合量が多すぎると、トナーフィルミングが生じる傾向がみられるからである。
なお、上記最外層用材料には、上記非共役系ポリマーおよび特定の半導電性粒子に加えて、例えば、イオン導電剤、電子導電剤、架橋剤、架橋促進剤、老化防止剤等を必要に応じて適宜に配合しても差し支えない。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記イオン導電剤としては、例えば、過塩素酸リチウム,第四級アンモニウム塩,ホウ酸塩等のポリマー中でイオン解離する化合物があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記イオン導電剤の配合割合は、物性や電気特性の点から、上記非共役系ポリマー100部に対して、0.01〜5部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜2部の範囲内である。
また、上記電子導電剤としては、例えば、導電性カーボンブラック、c−ZnO(導電性酸化亜鉛)、c−TiO2 (導電性酸化チタン)、c−SnO2 (導電性酸化錫)、グラファイト等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記電子導電剤の配合割合は、物性や電気特性の点から、上記非共役系ポリマー100部に対して、1〜80部の範囲内が好ましく、特に好ましくは3〜60部の範囲内である。
上記架橋剤としては、例えば、硫黄、イソシアネート、ブロックイソシアネート、メラミン等の尿素樹脂、エポキシ硬化剤、ポリアミン硬化剤、ヒドロシリル硬化剤、パーオキサイド等があげられる。なお、上記架橋剤とともに、紫外線や電子線等のエネルギーによって架橋する光開始剤を併用しても差し支えない。
上記架橋剤の配合割合は、物性、粘着、液保管性の点から、上記非共役系ポリマー100部に対して、1〜30部の範囲内が好ましく、特に好ましくは3〜10部の範囲内である。
また、上記架橋促進剤としては、例えば、白金化合物、スルフェンアミド系架橋促進剤、アミン触媒、ジチオカルバミン酸塩系架橋促進剤等があげられる。
前記図1に示した本発明の導電性ロールは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、前記弾性層用材料となる各成分をニーダー等の混練機を用いて混練し、弾性層用材料を調製する。また、前記最外層用材料となる各成分をロール等の混練機を用いて混練し、この混合物に有機溶剤を加えて混合、攪拌することにより、最外層用材料を調製する。つぎに、軸体1となる芯金をセットした射出成形用金型内に、上記弾性層用材料を充填し、所定の条件で加熱架橋を行う。その後、脱型して、軸体1の外周面に沿って弾性層2が形成されてなるベースロールを製造する。ついで、上記ベースロールの外周面に、上記最外層用材料を塗布等して最外層3を形成する。このようにして、弾性層2の外周面に最外層3が形成されてなる2層構造の導電性ロール(図1参照)を作製することができる。
なお、上記弾性層2の形成方法は、射出成形法に限定されるものではなく、注型成形法やプレス成形後、研磨する方法により作製しても差し支えない。また、上記最外層用材料の塗布方法としては、例えば、ディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り等があげられる。
また、上記最外層用材料の調製に使用する有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、アセトン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、テトラヒドロフラン(THF)、m−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
本発明の導電性ロールは、前記図1に示したような、弾性層2の外周面に最外層3を直接形成した2層構造に限定するものではなく、弾性層2の外周面に、少なくとも1つの中間層を介して最外層3を形成した3層以上の構造であっても差し支えない。
本発明の導電性ロールは、例えば、現像ロール、帯電ロール、転写ロール、定着ロール、トナー供給ロール、除電ロール、給紙ロール、搬送ロール、クリーニングロール等に用いることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備、作製した。
〔被覆される粒子:ウレタン粒子1〕
窒素ガスで充分に置換し、乾燥させた反応釜に、ポリオール(旭電化工業社製、アデカポリエーテル G−700、水酸基価225mg/KOHg)187gと、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(関東化学社製、ジイソシアン酸ヘキサメチレン)252gとを仕込み、さらに窒素ガスにて充分に上方置換させた後密閉し、120℃で20時間撹拌、混合し反応させた。つぎに、減圧下で未反応のHDIを除去した後、トルエンを加えて不揮発分8.5質量%の合成物(ポリイソシアネートプレポリマー)を得た。
その後、懸濁安定剤(リン酸カルシウム)を含む水中に、上記の合成物であるポリイソシアネートプレポリマーを入れ、攪拌して、懸濁液とした。つぎに、この懸濁液を加温して反応を開始し、充分反応させて樹脂粒子を生成させた。その後、これを固液分離し、洗浄して樹脂粒子に付着している懸濁安定剤を取り除き、乾燥した。これにより、ウレタン粒子(平均粒径0.8μm)を得た。
〔被覆される粒子:ウレタン粒子2〕
根上工業社製、アートパールC−800透明(平均粒径6μm)
〔被覆される粒子:ウレタン粒子3〕
根上工業社製、アートパールC−400透明(平均粒径14μm)
〔被覆される粒子:ウレタン粒子4〕
根上工業社製、アートパールC−200透明(平均粒径45μm)
〔被覆される粒子:アクリル粒子〕
綜研化学社製、ケミスノーMX1000(平均粒径10μm)
〔被覆される粒子:シリカ粒子〕
富士シリシア化学社製、サイロスフェアC−1510(平均粒径10μm)
〔π電子共役系ポリマーを構成するモノマー〕
アニリン(分子量:93)
o−トルイジン(分子量:107)
エチルアニリン(分子量:121)
チオフェン(分子量:84)
ピロール(分子量:67)
〔開始剤〕
過硫酸アンモニウム(分子量:228)
塩化第二鉄(分子量:270)
〔分散剤〕
ドデシルベンゼンスルホン酸(分子量:326)
ジノニルナフタレンスルホン酸(分子量:460)
つぎに、上記材料を用いて、以下のようにして導電性粒子1〜13を作製した。
〔導電性粒子1の作製〕
π電子共役系ポリマーを構成するモノマーであるアニリン93gと、ウレタン粒子(根上工業社製、アートパールC−800透明、平均粒径6μm)60gと、1N塩酸3000mlとをフラスコ中に入れ、5〜10℃に制御しながら、開始剤である過硫酸アンモニウム228gを1時間かけて滴下し、10時間酸化重合させて重合物を得た。つぎに、この重合物を水、メタノール、THFでそれぞれ着色がなくなるまで洗浄して、精製し、導電性粒子を作製した。
〔導電性粒子2〜12の作製〕
後記の表1および表2に示すように、被覆される粒子、π電子共役系ポリマーを構成するモノマー、開始剤、分散剤、溶媒の種類や配合割合等を変更する以外は、導電性粒子1の作製に準じて、各導電性粒子を作製した。
〔導電性粒子13の作製〕
(導電性ポリマーの作製)
π電子共役系ポリマーを構成するモノマーであるo−トルイジン1モル(107g)と、ドーパントである、下記の式(1)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(3つのアルキル置換基を有し、アルキル置換基の炭素数の合計が20)1モルと、1N塩酸とメチルイソブチルケトン(MIBK)との混合溶媒(混合比:塩酸/MIBK=2/1)2000mlとをフラスコ中に入れ、5〜10℃に制御しながら、開始剤である過硫酸アンモニウム1モル(228g)を1時間かけて滴下し、10時間酸化重合させて重合物を得た。つぎに、この重合物を水、メタノール、アセトンでそれぞれ洗浄して、精製し、導電性ポリマーを得た。
Figure 2009080308
(導電性粒子の作製)
TPU(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン3312)80部と、ブロックイソシアネート(大日本インキ化学工業社製、バーノックDB980K)5部とを、溶剤(MEK)200部および溶剤(トルエン)400部に溶解した後、上記導電性ポリマーの有効成分(不揮発分)20部を加え、10分間攪拌して、組成物(コーティング液)を調製した。つぎに、ガラスビーカーの中に、調製した組成物(コーティング液)300gと、ウレタン粒子(根上工業社製、アートパールC−800透明、平均粒径6μm)60gを投入し、充分攪拌を行い、ウレタン粒子の表面に組成物(コーティング液)をコートした。その後、これを濾過して、コーティングされた粒子を取り出し、乾燥して、導電性粒子を作製した。
Figure 2009080308
Figure 2009080308
また、以下のようにして粒子A〜Fを準備、作製した。
〔粒子A〕
ウレタン粒子(根上工業社製、アートパールC−400透明、平均粒径14μm)を準備した。
〔粒子B〕
アクリル粒子(綜研化学社製、ケミスノーMX1000、平均粒径10μm)を準備した。
〔粒子Cの作製〕
窒素ガスで充分に置換し、乾燥させた反応釜に、ポリオール(旭電化工業社製、アデカポリエーテル G−700、水酸基価225mg/KOHg)748gと、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(関東化学社製、ジイソシアン酸ヘキサメチレン)1008gとを仕込み、さらに窒素ガスにて充分に上方置換させた後密閉し、120℃で20時間撹拌、混合し反応させた。つぎに、減圧下で未反応のHDIを除去した後、トルエンを加えて不揮発分80質量%の合成物(ポリイソシアネートプレポリマー)を得た。
その後、懸濁安定剤(リン酸カルシウム)を含む水中に、上記の合成物であるポリイソシアネートプレポリマー88.8質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、♯3350)11.2質量部を入れ、攪拌して、懸濁液とした。つぎに、この懸濁液を加温して反応を開始し、充分反応させて樹脂粒子を生成させた。その後、これを固液分離し、洗浄して樹脂粒子に付着している懸濁安定剤を取り除き、乾燥した。これにより、粒子を得た。
〔粒子Dの作製〕
窒素ガスで充分に置換し、乾燥させた反応釜に、ポリオール(旭電化工業社製、アデカポリエーテル G−700、水酸基価225mg/KOHg)748gと、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(関東化学社製、ジイソシアン酸ヘキサメチレン)1008gとを仕込み、さらに窒素ガスにて充分に上方置換させた後密閉し、120℃で20時間撹拌、混合し反応させた。つぎに、減圧下で未反応のHDIを除去した後、トルエンを加えて不揮発分80質量%の合成物(ポリイソシアネートプレポリマー)を得た。
その後、懸濁安定剤(リン酸カルシウム)を含む水中に、上記の合成物であるポリイソシアネートプレポリマー88.8質量部に対し、ポリアニリンエメラルディン塩(アルドリッチ社製、Mw>15,000、粉末)16.8質量部を入れ、攪拌して、懸濁液とした。つぎに、この懸濁液を加温して反応を開始し、充分反応させて樹脂粒子を生成させた。その後、これを固液分離し、洗浄して樹脂粒子に付着している懸濁安定剤を取り除き、乾燥した。これにより、粒子を得た。
〔粒子Eの作製〕
ニッケルが溶解し、ニッケル酸化物が分散している無電解メッキ浴に、ウレタン粒子(根上工業社製、アートパールC−800透明、平均粒径6μm)を投入し、このウレタン粒子表面に、ニッケルとニッケル酸化物の複合被膜を形成してなる粒子を作製した。
〔粒子F〕
カーボン粒子(日本カーボン社製、カーボンマイクロビーズICP−1020、平均粒径10μm)を準備した。
Figure 2009080308
このようにして得られた導電性粒子および粒子について、下記の基準に従い各特性の評価を行った。その結果を、上記表1〜表3に併せて示した。
〔平均粒径〕
メチルエチルケトン(MEK)中に各粒子を分散させ、粒度分布測定装置〔日機装社製、マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)〕により、各粒子の平均粒径(メジアン)を測定した。
〔電気抵抗〕
内径1cmの絶縁〔ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製〕円筒を準備し、その中に各粒子0.29gを入れ、この絶縁円筒の上下からSUS製の棒で10MPaの荷重をかけた状態で挟み、25℃×50%RHの環境下、1Vでの電気抵抗を測定した。
〔比誘電率〕
各粒子について、25℃×50%RHの環境下、測定周波数1kHzでの比誘電率を測定した。
つぎに、上記各粒子を用いて、以下のようにして組成物を調製した。
〔組成物1の調製〕
熱可塑性ポリウレタン(TPU)(日本ミラクトラン社製、E980)100部を、メチルエチルケトン(MEK)200部と、テトラヒドロフラン(THF)300部とに溶解した後、これに導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラックHS100)8部を配合し、これらを三本ロールを用いて混練した。つぎに、上記導電性粒子1を13部配合して、羽根攪拌することで組成物を調製した。
〔組成物2〜21、組成物A〜Kの調製〕
下記の表4〜表8に示すように、各成分の種類および配合割合等を変更する以外は、組成物1に準じて、各組成物を調製した。
Figure 2009080308
Figure 2009080308
Figure 2009080308
Figure 2009080308
Figure 2009080308
なお、上記表4〜表8に示した材料は下記のとおりである。
〔非共役系ポリマー(バインダーポリマー)〕
熱可塑性ポリウレタン(TPU)(日本ミラクトラン社製、E980)
熱可塑性ウレタンシリコーン(信越化学工業社製、X22−2756)
アクリル樹脂(PMMA)(住友化学社製、LG6A)
アクリルフッ素樹脂(綜研化学社製、LFB4015)
エピクロロヒドリンゴム(大阪曹達社製、エピクロマーCG)
〔イソシアネート〕
日本ポリウレタン工業社製、コロネートL
〔受酸剤〕
酸化亜鉛
〔チオウレア系架橋促進剤〕
三新化学社製、サンセラー22C
〔カーボンブラック〕
電気化学工業社製、デンカブラックHS100
〔イオン導電剤〕
ライオン社製、TBAB
上記のようにして得られた各組成物を用い、下記の基準に従って各特性の評価を行った。これらの結果を、上記表4〜表8に併せて示した。
〔体積抵抗〕
各組成物をSUS304板上に塗布して、120℃×30分乾燥し、厚み30μmのシートサンプル(導電性塗膜)を作製した。つぎに、このシートサンプルについて、25℃×50%RHの環境下、10Vの電圧を印加した時の体積抵抗を測定した。
〔比誘電率〕
各組成物をSUS304板上に塗布して、120℃×30分乾燥し、厚み30μmのシートサンプル(導電性塗膜)を作製した。つぎに、このシートサンプルについて、25℃×50%RHの環境下、測定周波数1kHzでの比誘電率を測定した。
上記表4〜表8の結果から、組成物1〜21は、組成物A〜Kに比べて、高抵抗領域においても高誘電率を満たしていた。
つぎに、上記各組成物を用いて、以下のようにして現像ロールを作製した。
〔実施例1〕
(ベース層用材料)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。
(表層用材料)
前述の組成物1の製法に準じて、組成物1を調製した。
(現像ロールの作製)
軸体である芯金(直径6mm、SUS304製)をセットした成形用金型内に、上記べース層用材料を注型し、150℃×45分の条件で加熱した後、脱型して、軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。つぎに、このベース層の外周面に、上記表層用材料を塗布し乾燥して、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に表層(厚み20μm)が形成されてなる、現像ロールを作製した。
〔実施例2〜13、比較例1〜5〕
後記の表9,10,12に示す表層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして現像ロールを作製した。
〔実施例14〕
(ベース層用材料)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。
(中間層用材料)
エピクロロヒドリンゴム(大阪曹達社製、エピクロマーCG)100部と、導電剤としてイオン導電剤(ライオン社製、TBAB)2部と、受酸剤(酸化亜鉛)10部と、チオウレア系架橋促進剤(三新化学社製、サンセラー22C)3部を配合し、3本ロールを用いて混練した後、これらをメチルエチルケトン(MEK)300部とトルエン150部に溶解して、組成物(コーティング液)を調製した。
(表層用材料)
前述の組成物4の製法に準じて、組成物1を調製した。
(現像ロールの作製)
上記ベース層用材料,中間層用材料および表層用材料を用い、次のようにして現像ロールを作製した。すなわち、軸体である芯金(直径6mm、SUS304製)をセットした成形用金型内に、上記ベース層用材料を注型し、150℃×45分の条件で加熱した後、脱型して軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。つぎに、このベース層の外周面に上記中間層用材料を塗布して、乾燥させた後、その中間層の外周面に表層用材料を塗布し、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に中間層(厚み20μm)が形成され、さらにその外周面に表層(厚み20μm)が形成されてなる、3層構造の現像ロールを作製した。
〔実施例15〜17、比較例6,7〕
下記の表11および表12に示す中間層用材料および表層用材料を用いる以外は、実施例14と同様にして現像ロールを作製した。
Figure 2009080308
Figure 2009080308
Figure 2009080308
Figure 2009080308
上記のようにして得られた現像ロールを用い、下記の基準に従って各特性の評価を行った。これらの結果を、上記表9〜表12に併せて示した。
〔画像濃度〕
各現像ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下において画像出しを行った。評価は、べた黒画像を印刷し、マクベス濃度計での測定値が1.40以上のものを○、1.40未満のものを×とした。
〔画質〕
各現像ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下において画像出しを行った。評価は、ハーフトーン画像での画像すじ、画像むらがないものを○、画像すじ、画像むらがあるものを×とした。
〔リークすじ〕
各現像ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下において画像出しを行った。評価は、リークすじがないものを○、リークすじがあるものを×とした。
上記表9〜12の結果から、実施例1〜17品の現像ロールは、画像濃度に優れ、画質も良好で、リークすじの発生もなかった。これに対して、比較例1〜7品の現像ロールは、画像濃度、画質、リークすじの評価のいずれかが劣っていた。
つぎに、上記各組成物を用いて、以下のようにして帯電ロールを作製した。
〔実施例18〕
(ベース層用材料)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。
(表層用材料)
前述の組成物1の製法に準じて、組成物1を調製した。
(帯電ロールの作製)
軸体である芯金(直径6mm、SUS304製)をセットした成形用金型内に、上記べース層用材料を注型し、150℃×45分の条件で加熱した後、脱型して、軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。つぎに、このベース層の外周面に、上記表層用材料を塗布し乾燥して、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に表層(厚み20μm)が形成されてなる、帯電ロールを作製した。
〔実施例19〜22、比較例8〜11〕
下記の表13および表14に示す表層用材料を用いる以外は、実施例18と同様にして帯電ロールを作製した。
Figure 2009080308
Figure 2009080308
〔実施例23〕
(ベース層用材料)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。
(中間層用材料)
エピクロロヒドリンゴム(大阪曹達社製、エピクロマーCG)100部と、導電剤としてイオン導電剤(ライオン社製、TBAB)2部と、受酸剤(酸化亜鉛)10部と、チオウレア系架橋促進剤(三新化学社製、サンセラー22C)3部を配合し、3本ロールを用いて混練した後、これらをメチルエチルケトン(MEK)300部とトルエン150部に溶解して、組成物(コーティング液)を調製した。
(表層用材料)
前述の組成物4の製法に準じて、組成物1を調製した。
(帯電ロールの作製)
上記ベース層用材料,中間層用材料および表層用材料を用い、次のようにして帯電ロールを作製した。すなわち、軸体である芯金(直径6mm、SUS304製)をセットした成形用金型内に、上記ベース層用材料を注型し、150℃×45分の条件で加熱した後、脱型して軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。つぎに、このベース層の外周面に上記中間層用材料を塗布して、乾燥させた後、その中間層の外周面に表層用材料を塗布し、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に中間層(厚み20μm)が形成され、さらにその外周面に表層(厚み20μm)が形成されてなる、3層構造の帯電ロールを作製した。
〔実施例24、比較例12,13〕
上記表13および表14に示す中間層用材料および表層用材料を用いる以外は、実施例23と同様にして帯電ロールを作製した。
上記のようにして得られた帯電ロールを用い、下記の基準に従って各特性の評価を行った。これらの結果を、上記表13および表14に併せて示した。
〔画像濃度〕
各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下において画像出しを行った。評価は、べた黒画像を印刷し、マクベス濃度計での測定値が1.40以上のものを○、1.40未満のものを×とした。
〔画質〕
各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下において画像出しを行った。評価は、ハーフトーン画像での画像すじ、画像むらがないものを○、画像すじ、画像むらがあるものを×とした。
〔リークすじ〕
各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下において画像出しを行った。評価は、リークすじがないものを○、リークすじがあるものを×とした。
上記表13および表14の結果から、実施例18〜24品の帯電ロールは、画像濃度に優れ、画質も良好で、リークすじの発生もなかった。これに対して、比較例8〜13品の帯電ロールは、画像濃度、画質、リークすじの評価のいずれかが劣っていた。
なお、本発明者らは、実施例品の現像ロール,帯電ロールに準じて、転写ロール、定着ロール、トナー供給ロール、除電ロール、給紙ロール、搬送ロール、クリーニングロールを作製した場合についても、実施例品の現像ロール等と同様の優れた効果が得られることを確認している。
本発明の導電性ロールは、例えば、現像ロール、帯電ロール、転写ロール、定着ロール、トナー供給ロール、除電ロール、給紙ロール、搬送ロール、クリーニングロール等に用いることができ、特に現像ロール、帯電ロールに用いることが好ましい。
本発明の導電性ロールの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 軸体
2 弾性層
3 最外層

Claims (3)

  1. 軸体の外周面に弾性層が形成され、この弾性層の外周に、直接または他の層を介して最外層が形成されてなる導電性ロールであって、上記最外層中に、π電子共役系ポリマーにより被覆されてなる導電性粒子が分散されていることを特徴とする導電性ロール。
  2. 上記導電性粒子の平均粒径が、1〜60μmの範囲である請求項1記載の導電性ロール。
  3. 25℃×50%RH、測定周波数1kHzでの、上記導電性粒子の比誘電率が6.8以上である請求項1または2記載の導電性ロール。
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