JP2001074034A - 導電性ロール - Google Patents

導電性ロール

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JP2001074034A
JP2001074034A JP24925899A JP24925899A JP2001074034A JP 2001074034 A JP2001074034 A JP 2001074034A JP 24925899 A JP24925899 A JP 24925899A JP 24925899 A JP24925899 A JP 24925899A JP 2001074034 A JP2001074034 A JP 2001074034A
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Japan
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methacrylate
surface layer
acrylate
roll
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JP24925899A
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English (en)
Inventor
Shoji Arimura
昭二 有村
Hitoshi Yoshikawa
均 吉川
Akihiko Kachi
明彦 加地
Kenichi Ookuwa
憲一 大鍬
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画出し耐久時における電気抵抗の上昇が抑制さ
れ、トナー帯電不良が生じず、優れた画質を得ることが
できる導電性ロールを提供する。 【解決手段】軸体1の外周面にベースゴム層2が形成さ
れ、上記ベースゴム層2の外周に中間層3が形成され、
上記中間層3の外周に表層4が形成された導電性ロール
である。そして、上記表層4が、下記の(A)〜(C)
成分を含有し、かつ、上記(A)成分と(C)成分の配
合割合が、容積比で、(A)成分/(C)成分=100
/2〜100/35の範囲に設定された樹脂組成物を用
いて形成されている。 (A)分子構造中にイオン性セグメントを有するウレタ
ンポリマー。 (B)電解質。 (C)電子導電剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,プリンタ
ー,ファクシミリ等の電子写真装置に用いられる、現像
ロール,帯電ロール,転写ロール等の導電性ロールに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真装置に用いられる導電
性ロールとしては、軸体の外周面に沿ってベースゴム層
が形成され、上記ベースゴム層の外周面に中間層が形成
され、さらに上記中間層の外周面に表層が形成されて構
成されたものが用いられている。そして、上記表層の形
成材料としては、例えば、ウレタン樹脂を主成分とし、
これにカーボンブラック等の導電材料を配合したものが
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の導電性ロールは、表層中のカーボンブラックの分散
性が悪いため、画出し耐久時における電気抵抗の上昇が
大きく、トナー帯電不良が生じ、画質が劣るという難点
がある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、画出し耐久時における電気抵抗の上昇が抑制さ
れ、トナー帯電不良が生じず、優れた画質を得ることが
できる導電性ロールの提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の導電性ロールは、軸体の外周面に少なく
とも一つの層が形成された導電性ロールであって、上記
導電性ロールの表層が、下記の(A)〜(C)成分を含
有し、かつ、上記(A)成分と(C)成分の配合割合
が、容積比で、(A)成分/(C)成分=100/2〜
100/35の範囲に設定された樹脂組成物を用いて形
成されているという構成をとる。 (A)分子構造中にイオン性セグメントを有するウレタ
ンポリマー。 (B)電解質。 (C)電子導電剤。
【0006】本発明者らは、所望の導電性ロールを得る
ため、表層形成材料を中心に鋭意研究を重ねた。その研
究の過程で、カーボンブラック等の電子導電剤ととも
に、イオン導電剤を用いると、互いの弱点を補って好結
果が得られるのではないかと想起した。そして、分子構
造中にイオン性セグメントを有するウレタンポリマーと
電子導電剤を特定の割合で併用すると、上記イオン性セ
グメントがイオン導電剤として作用し、電子導電剤の弱
点である電気抵抗の電圧依存性を抑制できるとともに、
上記電子導電剤が、上記イオン導電剤の弱点である電気
抵抗の環境依存性を抑制できることを見出し、本発明に
到達した。すなわち、上記分子構造中にイオン性セグメ
ントを有するウレタンポリマー(A成分)と、電解質
(B成分)と、電子導電剤(C成分)とを含有し、か
つ、上記A成分とC成分の配合割合が特定の範囲に設定
された樹脂組成物を用いて表層が形成されてなる導電性
ロールは、画出し耐久時における電気抵抗の上昇を抑制
でき、優れたトナー帯電性を備え、かつ、優れた画質を
得ることができる。
【0007】そして、上記樹脂組成物にアクリル系シリ
コーン変性ポリマーを配合することにより、摩擦係数を
低減することができ、耐フィルミング性が向上し、トナ
ー帯電性も向上する。なお、上記アクリル系シリコーン
変性ポリマーは正帯電性が強いため、表層表面に電荷が
蓄積してトナーが付着しやすくなるが、上記イオン性セ
グメントにより除電することができる。
【0008】また、上記樹脂組成物に帯電制御剤を配合
することにより、さらに良好な画質を得ることができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0010】本発明の導電性ロールの一例を図1に示
す。この導電性ロールは、軸体1の外周面に沿ってベー
スゴム層2が形成され、上記ベースゴム層2の外周面に
中間層3が形成され、さらに上記中間層3の外周面に表
層4が形成されて構成されている。そして、本発明の導
電性ロールは、上記表層4が特殊な樹脂組成物によって
形成されていることが最大の特徴である。
【0011】上記軸体1は特に制限するものではなく、
例えば、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空に
くり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、そ
の材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッ
キを施したもの等があげられる。なお、必要に応じて、
上記軸体1上に接着剤、プライマー等を塗布してもよ
く、また上記接着剤、プライマー等は必要に応じて導電
化してもよい。
【0012】上記ベースゴム層2形成材料としては、特
に限定はなく、例えば、シリコーンゴム、エチレン−プ
ロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジ
エンゴム(SBR)、ポリウレタン系エラストマー等が
あげられる。なかでも、低硬度でへたりが少ないという
点で、シリコーンゴムが好適に用いられる。なお、上記
ベースゴム層2形成材料としてシリコーンゴムを用いる
場合は、シリコーンゴム表面をコロナ放電、プラズマ放
電等により活性化してもよく、さらにその後、プライマ
ー等を塗布してもよい。
【0013】なお、上記ベースゴム層2形成材料には、
必要に応じて、導電剤を配合することも可能である。上
記導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラフ
ァイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 、c
−ZnO、c−SnO2 、イオン導電剤(第四級アンモ
ニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)等があげられる。
なお、上記「c−」は、導電性を有するという意味であ
る。
【0014】上記中間層3形成材料としては、特に限定
はなく、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(ニトリルゴム)(以下「NBR」と略す)、水素添加
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化ニトリルゴ
ム)(以下「H−NBR」と略す)、ポリウレタン系エ
ラストマー、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブ
タジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ヒドリ
ンゴム(ECO,CO)、ポリアミド等があげられる。
なかでも、接着性およびコーティング液の安定性の点か
ら、H−NBRが好ましく用いられる。
【0015】なお、上記中間層3形成材料には、必要に
応じて、架橋剤、架橋促進剤、ステアリン酸、ZnO
(亜鉛華)、軟化剤、上記と同様の導電剤等を配合する
ことも可能である。
【0016】上記表層4は、分子構造中にイオン性セグ
メントを有するウレタンポリマー(A成分)、電解質
(B成分)および電子導電剤(C成分)を含有する特殊
な樹脂組成物によって形成されている。
【0017】上記分子構造中にイオン性セグメントを有
するウレタンポリマー(A成分)は、ポリオールと、ポ
リイソシアネートと、必要に応じて鎖延長剤とを、触媒
の存在下に反応させることによって得ることができる。
また、上記イオン性セグメントは、上記ポリオールおよ
び鎖延長剤の少なくとも一方に置換基として導入され
る。
【0018】上記ポリオールとしては、例えば、ポリオ
キシアルキレン系(ポリエーテル系)ポリオール、ポリ
エステル系ポリオール、α−オレフィン系ポリオール等
があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて
用いられる。
【0019】上記ポリオキシアルキレン系(ポリエーテ
ル系)ポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレ
ングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコ
ール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール
(PTMG)、エチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドとの共重合体等があげられる。
【0020】上記ポリエステル系ポリオールとしては、
例えば、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチ
レンアジペート(PBA)、ポリヘキシレンアジペー
ト、エチレンアジペートとブチレンアジペートとの共重
合体、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ炭酸エステ
ル(PCD)、ダイマー酸エステル、セパテン酸エステ
ル等があげられる。
【0021】上記ポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート(TDI)〔2,4−T
DIと2,6−TDIの混合物を含む〕、4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4′
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素化M
DI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(ND
I)、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジ
イソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネ
ート(XDI)、水素化キシリレンジイソシアネート
(HXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)
〔2,2,4−TMDIと2,4,4−TMDIの混合
物を含む〕、エチリデンジイソシアネート、ブチレンジ
イソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシ
アネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネー
ト、ジクロロヘキサメチレンジイソシアネート、ジシク
ロヘキシル−4,4′−ジイソシアネート、1−メチル
−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1−メチル
−2,6−ジイソシアナトシクロヘキサン等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0022】上記鎖延長剤とは、一般に、一分子内に2
個以上の活性水素を有する化合物であって、分子量30
0未満のものをいう。このような鎖延長剤としては、例
えば、ポリオール、ポリアミン、アミノアルコール等が
あげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用い
られる。
【0023】上記鎖延長剤であるポリオールとしては、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
ネオペンチレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビ
スヒドロキシエトキシベンゼン、ビスフェノールAのエ
チレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物、
グリセリン、トリメチロールプロパン等があげられる。
【0024】上記ポリアミンとしては、ヘキサメチレン
ジアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、
メチレン−ビス(クロロアニリン)等があげられる。
【0025】上記アミノアルコールとしては、例えば、
エタノールアミン、プロパノールアミン、ε−アミノヘ
キサノール等があげられる。
【0026】また、上記イオン性セグメントとしては、
例えば、スルホン酸基、カルボキシル基および第三級ア
ミノ基またはこれらの塩が用いられる。そして、上記イ
オン性セグメントは、前述のように、上記ポリオールお
よび鎖延長剤の少なくとも一方に置換基として導入され
る。
【0027】上記イオン性セグメント(スルホン酸基ま
たはその塩)を有する、ポリオールのモノマー成分また
は鎖延長剤(以下「イオン性化合物」という)として
は、例えば、1,4−ブタンジオール−2−スルホン
酸、5−スルホイソフタル酸、スルホコハク酸またはこ
れらカルボン酸のモノメチル,ジメチルエステル等、あ
るいはこれらのスルホン酸アルカリ金属塩(ナトリウム
塩,カリウム塩等),アンモニウム塩等があげられる。
【0028】上記イオン性セグメント(カルボキシル基
またはその塩)を有するイオン性化合物としては、例え
ば、メタクリル酸、2,3−ジヒドロキシプロピオン
酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、酒石酸、2−
メチル酒石酸、2,3−ジヒドロキシイソ酪酸、2,3
−ジヒドロキシ−2−イソプロピル酪酸、3,11−ジ
ヒドロキシミリスチン酸、9,10−ジヒドロキシステ
アリン酸、2,6−ジヒドロキシ−1,2−ジヒドロ−
4−ピリジンカルボン酸、ベンゼンスルホン酸等、また
はこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩,カリウム塩
等),アンモニウム塩等があげられる。
【0029】上記イオン性セグメント(第三級アミノ基
またはその塩)を有するイオン性化合物としては、例え
ば、N−メチルジメタノールアミン、N−メチルジエタ
ノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−
メチルジヘキサノールアミン、N−メチルジオクタノー
ルアミン、これらのN−エチル置換化合物、N−プロピ
ル置換化合物、N−ブチル置換化合物、N−フェニル置
換化合物、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオ
ール、4−ジメチルアミノ−1,2−ブタンジオール、
5−ジメチルアミノ−1,2−ペンタンジオール、これ
らのジエチルアミノ化合物、p−(2−ヒドロキシメチ
ル−3−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチルアニ
リン、p−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシブ
チル)−N,N−ジメチルアニリン、これらのジエチル
アニリン化合物、トリフェニルアミン化合物、N−(3
−ジメチルアミノプロピル)ジイソプロパノールアミン
等、あるいはこれらの塩酸,臭酸,硫酸,リン酸等の鉱
酸や各種有機酸の付加塩等があげられる。
【0030】上記イオン性セグメントを有するイオン性
化合物のなかでも、イソシアネートとの反応性とイオン
化が容易である点で、1,4−ブタンジオール−2−ス
ルホン酸、酒石酸またはこれらの塩が好適に用いられ
る。
【0031】前記特定のウレタンポリマー(A成分)
は、その1g当たり0.001〜1ミリモルのイオン性
セグメントを分子内に導入させておくことが好ましい。
【0032】前記電解質(B成分)としては、水その他
の溶剤に溶解して溶液がイオン電導を行う物質であれば
特に限定するものではなく、例えば、下記の一般式で表
される化合物や、NaAlCl4 、LiAsF6 等があ
げられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いら
れる。なかでも、上記一般式で表される化合物が好適に
用いられる。
【0033】XnM 〔式中、Xは、ハロゲン原子,チオシアン酸(SC
N)、過塩素酸(ClO4 )、テトラフルオロ硼酸(B
4 )、SO4 、NO3 、CO3 、テトラフェニル硼酸
〔B(C6 5 4 〕、ヘキサフルオロリン酸(P
6 )、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3
3 )、トリフルオロ酢酸(CF3 COO)、R−SO
3 (Rはアルキル基またはフェニル基を示す)等のアニ
オン成分を示す。また、Mは、アルカリ金属、アルカリ
土金属、アンモニウム等のカチオン成分を示す。なお、
nは上記Mの原子価に応じて1または2の整数を示
す。〕
【0034】上記Xで表されるハロゲン原子としては、
ヨウ素原子、塩素原子等が好ましく、また、上記R−S
3 としては、C6 13SO3 、C1837SO3 、C12
25(C6 4 )SO3 等が好ましい。
【0035】上記Mで表されるアルカリ金属としては、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム等が好ましく、また、上記アルカリ土金属としては、
マグネシウム、カルシウム、バリウム等が好ましい。
【0036】上記一般式で表される化合物としては、具
体的には、NaF、NaCl、NaSCN、NaClO
4 、NaBF4 、NaB(C6 5 4 、NaPF6
CF 3 SO3 Na、CF3 COONa、C6 13SO3
Na、C1837SO3 Na、C1225(C6 4 )SO
3 Na、(CH3 4 NCl、(C4 9 4 NCl、
(CH3 4 NI、(C4 9 4 NI、(C4 9
4 NHSO4 、(CH 3 3 (C1837)NClO4
があげられる。
【0037】上記電解質(B成分)の前記特定のウレタ
ンポリマー(A成分)への添加量は、B成分の種類や分
子量、A成分の種類等によって異なるが、上記特定のウ
レタンポリマー(A成分)1g当たり10-6〜10-3
ol/gであり、好ましくは10-5mol/g程度であ
る。
【0038】前記電子導電剤(C成分)としては、例え
ば、カーボンブラック,グラファイトや、酸化錫,酸化
インジウム,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化錫−酸化アン
チモン複合酸化物,酸化錫−酸化インジウム複合酸化物
等の金属酸化物、酸化鉄、チタン酸カリウム、酸化チタ
ン−酸化アンチモン複合酸化物等があげられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかで
も、導電性に優れる点で、カーボンブラックが好適に用
いられる。
【0039】上記電子導電剤(C成分)と前記特定のウ
レタンポリマー(A成分)の配合割合は、容積比で、A
成分/C成分=100/2〜100/35の範囲に設定
する必要があり、好ましくはA成分/C成分=100/
5〜100/20である。すなわち、上記電子導電剤
(C成分)の容積比が2未満であると、電気抵抗の環境
依存性を充分に抑制することができず、逆に、上記電子
導電剤(C成分)の容積比が35を超えると、A成分の
イオン導電性を損ねてしまい、電気抵抗の電圧依存性や
膜厚依存性に悪影響を及ぼすからである。
【0040】なお、上記表層4形成材料である特殊な樹
脂組成物には、アクリル系シリコーン変性ポリマーを配
合することが好ましい。上記アクリル系シリコーン変性
ポリマーとしては、アクリル系単量体から誘導される直
鎖状の構造部分にシロキサンから誘導される構造部分が
グラフト化してなるシリコーングラフトアクリルポリマ
ー、およびアクリル系単量体から誘導される構造部分が
シロキサンから誘導される構造部分にグラフト化してな
るアクリルグラフトシリコーンポリマーがあげられる。
【0041】上記シリコーングラフトアクリルポリマー
としては、具体的には、下記の一般式(1)で表される
繰り返し単位を構成成分とするものが好適に用いられ
る。
【0042】
【化1】
【0043】上記一般式(1)において、繰り返し数k
は1〜3000の正数であり、好ましくは1〜300の
正数である。また、繰り返し数nは1〜3000の正数
であり、好ましくは1〜300の正数である。
【0044】本発明において、アクリル系単量体とは、
アクリル酸およびその誘導体のみならず、メタクリル酸
およびその誘導体も含める趣旨である。このようなアク
リル系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オクチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t
ert−ブチル、アクリル酸2,2−ジメチルプロピ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−te
rt−ブチルフェニル、アクリル酸2−ナフチル、アク
リル酸フェニル、アクリル酸4−メトキシフェニル、ア
クリル酸2−メトキシカルボニルフェニル、アクリル酸
2−エトキシカルボニルフェニル、アクリル酸2−クロ
ロフェニル、アクリル酸4−クロロフェニル、アクリル
酸ベンジル、アクリル酸2−シアノベンジル、アクリル
酸4−シアノフェニル、アクリル酸p−トリル、アクリ
ル酸イソノニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒド
ロキシブチル、アクリル酸2−シアノエチル、アクリル
酸3−オキサブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸オクチル、メタ
クリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メ
タクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2,2−ジ
メチルプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタク
リル酸−2−tert−ブチルフェニル、メタクリル酸
2−ナフチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸4
−メトキシフェニル、メタクリル酸2−メトキシカルボ
ニルフェニル、メタクリル酸2−エトキシカルボニルフ
ェニル、メタクリル酸2−クロロフェニル、メタクリル
酸4−クロロフェニル、メタクリル酸ベンジル、メタク
リル酸2−シアノベンジル、メタクリル酸4−シアノフ
ェニル、メタクリル酸p−トリル、メタクリル酸イソノ
ニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シブチル、メタクリル酸2−シアノエチル、メタクリル
酸3−オキサブチル、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、アクリルアミド、ブチルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ピペリジ
ルアクリルアミド、メタクリルアミド、4−カルボキシ
フェニルメタクリルアミド、4−メトキシカルボキシフ
ェニルメタクリルアミド、メチルクロロアクリレート、
エチル−α−クロロアクリレート、プロピル−α−クロ
ロアクリレート、イソプロピル−α−クロロアクリレー
ト、メチル−α−フルオロアクリレート、ブチル−α−
ブトキシカルボニルメタクリレート、ブチル−α−シア
ノアクリレート、メチル−α−フェニルアクリレート、
イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、
ジエチルアミノエチルメタクリレート等のラジカル重合
性単量体があげられる。そして、これらアクリル系単量
体の1種が重合または2種以上が共重合することによ
り、Yで表される構造部分が構成される。
【0045】上記一般式(1)において、Zで表される
構造部分は、例えば、下記の一般式(2)または一般式
(3)から誘導することができる。
【0046】
【化2】
【0047】
【化3】
【0048】そして、上記一般式(2)または一般式
(3)の好ましい具体例としては、下記の構造式(a)
〜(r)で表されるものがあげられる。
【0049】
【化4】
【0050】
【化5】
【0051】
【化6】
【0052】
【化7】
【0053】上記一般式(1)で表される繰り返し単位
を構成成分とするシリコーングラフトアクリルポリマー
は、例えば、Yで表される構造部分と、Zで表される構
造部分を、アゾ系重合開始剤の存在下、ラジカル共重合
させることにより製造することができる。このような重
合は、溶媒を用いる溶液重合法、バルク重合法、エマル
ジョン重合法等によって行うことが好ましく、特に好ま
しくは溶液重合法である。
【0054】上記アゾ系重合開始剤としては、例えば、
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−
4−シアノバレリン酸、アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビ
スイソブチレート、アゾビス−1−シクロヘキサカルボ
ニトリル等があげられ、特にAIBNが好ましい。
【0055】上記ラジカル共重合の際の重合温度は50
〜150℃が好ましく、特に好ましくは60〜100℃
である。また、重合時間は3〜100時間が好ましく、
特に好ましくは5〜10時間である。
【0056】上記一般式(1)で表される繰り返し単位
を構成成分とするシリコーングラフトアクリルポリマー
は、シロキサンから誘導される構造部分を除いたアクリ
ルポリマー部分のガラス転移温度が、30〜150℃の
範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは
60〜120℃の範囲である。すなわち、上記アクリル
ポリマー部分のガラス転移温度が30℃未満であると、
粘着性が大きくなり摩擦係数も大きくなるためトナーフ
ィルミングが生じ、画質が悪くなるからである。逆に、
上記アクリルポリマー部分のガラス転移温度が150℃
を越えると、導電性ロールの表層が硬くなりすぎ、スタ
ート時にロールが円滑に回転しなかったり、クリック音
が発生し、また、他部品との圧接時に導電性ロールの表
面に跡が残りやすくなるからである。
【0057】上記アクリルポリマー部分のガラス転移温
度(Tg)の設定は、例えば、下記のFox式に従い、
各アクリル系単量体の重量比率を調整することにより行
われる。
【0058】 1/Tg =(W1 /Tg1)+(W2 /Tg2)+…+(Wm /Tg m ) W1 +W2 +…+Wm =1 〔式中、Tg1,Tg2,Tg m は各アクリル系単量体のガ
ラス転移温度を表し、W 1 ,W2 ,…,Wm は各アクリ
ル系単量体の重量比率を表す。〕
【0059】なお、上記ガラス転移温度(Tg )は、D
SC(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のtanδ
ピークにより測定することができる。
【0060】上記一般式(1)で表される繰り返し単位
を構成成分とするシリコーングラフトアクリルポリマー
の数平均分子量は、10,000〜300,000の範
囲に設定することが好ましく、特に好ましくは30,0
00〜100,000である。すなわち、上記数平均分
子量が10,000未満であると、導電性ロールの表層
の強度が劣る傾向が見られ、300,000を超える
と、導電性ロールの表層の形成が困難になるからであ
る。なお、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換
算の数平均分子量を意味する。
【0061】また、上記シリコーングラフトアクリルポ
リマーとしては、前記一般式(1)で表される構造に、
さらに別のアクリル系単量体から誘導される構造部分
〔(X)m 部分〕が連結された、下記の一般式(4)で
表される繰り返し単位を構成成分とするものを用いるこ
ともできる。
【0062】
【化8】
【0063】上記一般式(4)において、Xで表される
構造部分は、前記と同様のアクリル系単量体から誘導す
ることができる。ただし、YとXは、互いに異なるもの
でなければならない。また、繰り返し数mは1〜10,
000の正数であり、好ましくは100〜3,000の
正数である。
【0064】また、上記アクリルグラフトシリコーンポ
リマーは、アクリル系単量体から誘導される構造部分
(β)がシロキサンから誘導される構造部分(α)にグ
ラフト化してなるものであり、上記シロキサンから誘導
される構造部分(α)は、アクリルグラフトシリコーン
ポリマーの主鎖を構成し、上記アクリル系単量体から誘
導される構造部分(β)は側鎖を構成する。
【0065】上記シロキサンから誘導される構造部分
(α)としては、特に限定はなく、下記の一般式(5)
〜(7)で表されるものが好ましい。
【0066】
【化9】
【0067】
【化10】
【0068】
【化11】
【0069】上記一般式(5)〜(7)において、Rで
表される炭素数1〜20のアルキル基としては、特に限
定はなく、メチル基,エチル基等の低級アルキル基や、
ポリオキシエチレン基,ポリオキシイソプロピレン基等
のポリオキシアルキレン基が好ましい。
【0070】上記一般式(6),(7)において、Xで
表されるハロゲン化炭化水素基としては、特に限定はな
く、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハ
ロゲン化アラルキル基、ハロゲン化アルケニル基等が好
ましい。また、上記Xで表されるシアン化炭化水素基と
しては、特に限定はなく、シアノ基、シアン化アラルキ
ル基、シアン化アリール基、シアン化アラルキル基、シ
アン化アルケニル基等が好ましい。
【0071】上記シロキサンから誘導される構造部分
(α)の数平均分子量は、1,500〜20,000の
範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは3,00
0〜10,000である。すなわち、1,500未満で
あると、適度な帯電性、低摩擦係数化、離型性等のシリ
コーンの効果が得にくくなるとともにブリードアウトし
やすくなり、逆に20,000を超えると、A成分への
相溶性が低下し、効果が減少したり、またシリコーン特
有のべたつきが生じるからである。
【0072】上記構造部分(β)を誘導するアクリル系
単量体は、アクリル酸およびその誘導体のみならず、メ
タクリル酸およびその誘導体も含む趣旨である。このよ
うなアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル(n
BA)、アクリル酸イソブチル(iBA)、アクリル酸
sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリ
ル酸2,2−ジメチルプロピル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、ア
クリル酸2−ナフチル、アクリル酸フェニル、アクリル
酸4−メトキシフェニル、アクリル酸2−メトキシカル
ボニルフェニル、アクリル酸2−エトキシカルボニルフ
ェニル、アクリル酸2−クロロフェニル、アクリル酸4
−クロロフェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2
−シアノベンジル、アクリル酸4−シアノフェニル、ア
クリル酸p−トリル、アクリル酸イソノニル、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸
2−シアノエチル、アクリル酸3−オキサブチル、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル
酸エチル(EMA)、メタクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル(nBM
A)、メタクリル酸イソブチル(iBMA)、メタクリ
ル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、
メタクリル酸2,2−ジメチルプロピル、メタクリル酸
シクロヘキシル、メタクリル酸−2−tert−ブチル
フェニル、メタクリル酸2−ナフチル、メタクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸4−メトキシフェニル、メタクリ
ル酸2−メトキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2
−エトキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−クロ
ロフェニル、メタクリル酸4−クロロフェニル、メタク
リル酸ベンジル、メタクリル酸2−シアノベンジル、メ
タクリル酸4−シアノフェニル、メタクリル酸p−トリ
ル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−シ
アノエチル、メタクリル酸3−オキサブチル、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリ
ルアミド(AA)、ブチルアクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メ
タクリルアミド、4−カルボキシフェニルメタクリルア
ミド、4−メトキシカルボキシフェニルメタクリルアミ
ド、メチルクロロアクリレート、エチル−α−クロロア
クリレート、プロピル−α−クロロアクリレート、イソ
プロピル−α−クロロアクリレート、メチル−α−フル
オロアクリレート、ブチル−α−ブトキシカルボニルメ
タクリレート、ブチル−α−シアノアクリレート、メチ
ル−α−フェニルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、イソボニルメタクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート等があげられる。これらは単独でもしく
は2種以上併せて用いられる。
【0073】上記アクリル系単量体から誘導される構造
部分(β)としては、特に限定はなく、下記の一般式
(8)で表されるものが好ましい。
【0074】
【化12】
【0075】上記一般式(8)において、R1 ,R2
表されるアルキル基としては、特に限定はなく、メチル
基、エチル基、ブチル基等が好ましい。
【0076】上記アクリル系単量体から誘導される構造
部分(β)の数平均分子量は、200〜20,000の
範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは1,00
0〜10,000である。すなわち、200未満である
と、A成分中への分散性が劣り、低摩擦係数化等の効果
が得にくくなり、逆に20,000を超えると、A成分
中に分散した成分が表面に偏在しにくいため、低摩擦や
帯電性向上等の効果が少なくなるからである。
【0077】上記シロキサンから誘導される構造部分
(α)と、上記アクリル系単量体から誘導される構造部
分(β)の割合は、重量比で、(α)/(β)=5/9
5〜60/40の範囲に設定するのが好ましく、特に好
ましくは(α)/(β)=10/90〜40/60であ
る。すなわち、構造部分(α)の割合が60を超える
と、A成分中でのC成分の分散性が劣り、表面が悪くな
ったり、感光体汚染が生じる傾向があり、逆に、構造部
分(α)の割合が5未満であると、シリコーンのもつ低
表面エネルギー性を生かせず表面にC成分が偏在しなく
なるため、低摩擦や帯電性等の効果が少なくなるからで
ある。
【0078】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
は、アクリル系単量体から誘導される構造部分(β)の
ガラス転移温度を30〜150℃の範囲に設定するのが
好ましく、特に好ましくは60〜120℃である。すな
わち、30℃未満であると、低摩擦係数化、離型性、べ
たつき防止の効果が減少し、逆に150℃を超えると、
溶剤への溶解性が低下したり、A成分との相溶性が低下
するためトナーフィルミングの効果が減少するからであ
る。
【0079】上記構造部分(β)のガラス転移温度(T
g)は、例えば、つぎのようにして設定することができ
る。すなわち、上記構造部分(β)のガラス転移温度が
特定の範囲となるように、下記のFox式に従い、各ア
クリル系単量体の重量比率を設定することにより行われ
る。
【0080】 1/Tg=(W1 /Tg1 )+(W2 /Tg2 )+…+(Wm /Tgm ) W1 +W2 +…+Wm =1 〔式中、Tg1 ,Tg2 …Tgm は各アクリル系単量体
のガラス転移温度を示し、W1 ,W2 …Wm は各アクリ
ル系単量体の重量比率を示す。〕
【0081】上記ガラス転移温度(Tg)は、DSC
(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のtanδピー
クにより測定することができる。
【0082】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
の数平均分子量は、3,000〜300,000の範囲
に設定するのが好ましく、特に好ましくは10,000
〜100,000である。すなわち、3,000未満で
あると、C成分が接触した感光体や層形成ブレード等に
移行して画像不具合となり、逆に300,000を超え
ると、A成分中に分散したC成分が大きいため表面に偏
在しにくく、低摩擦や帯電性等の効果が少なくなるから
である。
【0083】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
は、例えば、上記シロキサンから誘導される構造部分
(α)と、アクリル系単量体から誘導される構造部分
(β)を、アゾ系重合開始剤の存在下に、ラジカル共重
合させることにより製造することができる。
【0084】上記重合方法としては、例えば、溶媒を用
いる溶液重合法、バルク重合法、エマルジョン重合法等
があげられ、なかでも溶液重合法が好適である。
【0085】上記重合反応における重合温度は、50〜
150℃の範囲に設定するのが好ましく、特に好ましく
は60〜100℃である。また、重合時間は3〜100
時間が好ましく、特に好ましくは5〜10時間である。
【0086】上記アゾ系重合開始剤としては、例えば、
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−
4−シアノバレリン酸、アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビ
スイソブチレート、アゾビス−1−シクロヘキサカルボ
ニトリル等があげられ、これらは単独でもしくは2種以
上併せて用いられる。なかでも、AIBNが好適に用い
られる。
【0087】また、上記アクリルグラフトシリコーンポ
リマーは、上記シロキサンから誘導される構造部分
(α)と、アクリル系単量体から誘導される構造部分
(β)を、アニオン重合触媒の存在下に、アニオン重合
反応させることによっても製造することができる。
【0088】上記アニオン重合触媒としては、例えば、
リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等の脂肪族炭化水素、ナフタリ
ン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、
ナフタセン、アセナフチレン、トランススチルベン、ビ
フェニル、スチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、ベンゾニトリル、ジフェニルエチレン、ジフェニル
ブタジエン等の芳香族炭化水素等があげられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0089】上記アクリル系シリコーン変性ポリマーの
配合量は、前記特定のウレタンポリマー(A成分)10
0重量部(以下「部」と略す)に対して、0.1〜40
部の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは1
〜30部である。すなわち、0.1部未満であると、ト
ナー帯電性や離型性の効果が得られず、逆に40部を超
えると、A成分との相溶性が悪くなり、分離を生じた
り、コーティングした際にブリードアウトするからであ
る。
【0090】また、上記表層4形成材料である特殊な樹
脂組成物には、帯電制御剤を配合することが好ましい。
上記帯電制御剤としては、例えば、第四級アンモニウム
塩、ホウ酸塩、アジン系(ニグロシン系)化合物、アゾ
化合物、オキシナフトエ酸金属錯体、界面活性剤(アニ
オン系、カチオン系、ノニオン系)等があげられ、これ
らは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0091】上記帯電制御剤の配合量は、前記特定のウ
レタンポリマー(A成分)100部に対して、0.00
1〜10部の範囲に設定することが好ましく、特に好ま
しくは0.01〜5部である。
【0092】さらにまた、上記表層4形成材料である特
殊な樹脂組成物には、硬化剤を配合することが好まし
い。上記硬化剤としては、イソシアネート基含有物、ア
ミノ樹脂、アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基,メ
ルカプト基等を有する硬化剤があげられるが、ブロック
イソシアネートを配合することが特に好ましい。なお、
本発明において、ブロックイソシアネートとは、ブロッ
ク剤によりイソシアネート基がブロックされているポリ
イソシアネートの総称である。
【0093】上記ブロックイソシアネートとしては、例
えば、下記の骨格〔ヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)のイソシアヌレート体〕を有するものが好適
に用いられる。
【0094】
【化13】
【0095】そして、上記ブロックイソシアネートは、
上記構造式で表されるヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)のイソシアヌレート体と、ブロック剤とを反
応させることにより製造することができる。上記ブロッ
ク剤としては、特に限定はなく、例えば、アルコール
類、フェノール類、ε−カプロラクタム、オキシム類、
活性メチレン化合物類等があげられる。また、HDIの
イソシアヌレート体をグリコール等で連結したものと、
ブロック剤とを反応させて、ブロックイソシアネートを
製造することも可能である。
【0096】上記ブロックイソシアネートとしては、具
体的には、下記の構造式で表されるものがあげられる。
【0097】
【化14】
【0098】上記硬化剤の配合量は、前記特定のウレタ
ンポリマー(A成分)100部に対して、0.1〜10
0部の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは
1〜80部である。
【0099】なお、上記表層4形成材料である特殊な樹
脂組成物には、安定剤、紫外線吸収剤、補強剤、滑剤、
離型剤、染料、顔料、難燃剤、オイル、架橋剤等を適宜
に添加することもできる。
【0100】そして、上記表層4形成材料(塗工用のコ
ーティング液)は、例えば、前記A〜C成分および必要
に応じてその他の成分を有機溶剤に溶解し、サンドミル
等で分散することにより作製することができる。あるい
は、上記各成分を2軸混練機等で分散し、これらを有機
溶剤に溶解することにより、塗工用のコーティング液を
作製してもよい。上記有機溶剤としては、例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、メタノー
ル、イソプロピルアルコール、酢酸エチル等があげら
れ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0101】本発明の導電性ロールは、例えば、つぎの
ようにして作製することができる。すなわち、まず、前
記ベースゴム層2形成材料用の各成分をニーダー等の混
練機を用いて混練し、ベースゴム層2形成材料を作製す
る。また、前記中間層3形成材料用の各成分をロール等
の混練機を用いて混練し、この混合物に前記有機溶剤を
加えて混合、攪拌することにより、中間層3形成材料
(コーティング液)を作製する。さらに、上記方法に従
い、表層4形成材料(コーティング液)を作製する。
【0102】ついで、図2に示すように、下蓋5を外嵌
した円筒状金型6の中空部に軸体1をセットし、上記円
筒状金型6と軸体1との空隙部に上記ベースゴム層2形
成材料を注型した後、上蓋7を外嵌する。これをオーブ
ンに入れ、所定の条件で加熱加硫した後、脱型して、ベ
ースゴム層付き軸体(ベースロール)を製造する。ま
た、必要に応じて、上記ベースロール表面にコロナ放電
処理を行う。そして、上記ベースゴム層2の外周に上記
中間層3形成材料(コーティング液)を塗布した後、所
定の条件で乾燥、加熱処理を行い、ベースゴム層2の外
周に中間層3を形成する。さらに、上記中間層3の外周
に上記表層4形成材料(コーティング液)を塗布した
後、所定の条件で乾燥、加熱処理を行い、中間層3の外
周に表層4を形成する。このようにして、軸体1の外周
面に沿ってベースゴム層2が形成され、その外周に中間
層3が形成され、さらにその外周に表層4が形成された
3層構造の導電性ロールを作製することができる。
【0103】なお、上記コーティング液の塗布方法は、
特に制限するものではなく、従来公知のディッピング
法、スプレーコーティング法、ロールコート法等があげ
られる。
【0104】本発明の導電性ロールは、現像ロールに好
適であるが、必ずしも現像ロールに限定するものではな
く、転写ロール、帯電ロール等にも適用することができ
る。なお、本発明の導電性ロールは、3層構造に限定さ
れるものではなく、適宜の数の層が形成される。ただ
し、必ず表層(単層の場合にはその層)が上記特殊な導
電性組成物によって形成されていなければならない。
【0105】本発明の導電性ロールにおいて、各層の厚
みは、導電性ロールの用途に応じて適宜に決定される。
例えば、現像ロールとして用いる場合、ベースゴム層の
厚みは、通常、0.5〜10mmの範囲に設定され、好
ましくは3〜6mmであり、中間層の厚みは、通常、1
〜90μmの範囲に設定され、好ましくは3〜50μm
である。そして、表層の厚みは1〜100μmの範囲に
設定することが好ましく、特に好ましくは3〜50μm
である。
【0106】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0107】
【実施例1】〔ベースゴム層形成材料の調製〕信越化学
工業社製のX−34−424A/BとX−34−387
A/Bとを混合分散して、ベースゴム層形成材料を調製
した。この際、上記ベースゴム層形成材料を用いて作製
したゴムシートの体積抵抗率が、5×105 〜1×10
7 Ω・cmの範囲になるように、上記X−34−424
A/BとX−34−387A/Bの混合割合を調整し
た。なお、上記体積抵抗率は、図5に示す形状の電極5
1を用いてSRIS2304に準じて、印加電圧100
Vで測定した。図において、51aは主電極、51bは
ガード電極である。
【0108】〔中間層形成材料(コーティング液)の調
製〕H−NBR(日本ゼオン社製、ゼットポール002
0)100部と、導電剤(カーボンブラック)〔東海カ
ーボン社製、トーカブラック#5500〕30部と、ス
テアリン酸0.5部と、ZnO(亜鉛華)5部と、加硫
促進剤BZ1部と、加硫促進剤CZ2部と、硫黄1部を
ニーダーおよびロールを用いて混練した後、これを有機
溶剤に分散させて中間層形成材料(コーティング液)を
調製した。
【0109】〔表層形成材料(コーティング液)の調
製〕分子構造中にイオン性セグメント(ベンゼンスルホ
ン酸)および電解質としてNa化合物を含有するウレタ
ンポリマー(東洋紡社製、バイロンUR8700)10
0部と、電子導電剤であるカーボンブラック(電気化学
工業社製、アセチレンブラック)8部と、ブロックイソ
シアネート(大日本インキ化学工業社製、バーノックD
B980K)25部を、有機溶剤に分散させて表層形成
材料(コーティング液)を調製した。なお、上記有機溶
剤としては、酢酸エチル:メチルエチルケトン:トルエ
ン:メチルイソブチルケトン=1:2:1:6(重量
比)の混合物を用い、固形分濃度が23重量%になるよ
うに調製した。なお、ウレタンポリマー(比重1.2)
とカーボンブラック(比重1.8)の配合割合は、容積
比で、ウレタンポリマー/カーボンブラック=100/
5.3である。
【0110】〔導電性ロールの作製〕下蓋を外嵌した円
筒状金型の中空部に軸体となる芯金(直径10mm、S
US304製)をセットした後、上記円筒状金型と軸体
との空隙部に、上記ベースゴム層形成材料を注型し、上
蓋を外嵌した。そして、円筒状金型ごとオーブンに入れ
加熱加硫した後、脱型して、ベースゴム層付き軸体(ベ
ースロール)を製造した。ついで、上記ベースゴム層の
表面にコロナ放電処理を行い、上記中間層形成材料(コ
ーティング液)を塗布した後、加熱(150℃×30
分)して中間層を形成した。さらに、上記表層形成材料
(コーティング液)を上記中間層の外周面に塗布した
後、150℃×1時間加熱して表層を形成した。このよ
うにして、ベースゴム層、中間層および表層からなる3
層構造の導電性ロールを作製した。なお、上記ベースゴ
ム層の硬度は40Hs(JIS A)、厚みは5mmで
あり、上記中間層の厚みは25μmであり、上記表層の
厚みは10μmであった。
【0111】
【実施例2】上記ウレタンポリマー(東洋紡社製、バイ
ロンUR8700)100部と、電子導電剤であるカー
ボンブラック(電気化学工業社製、アセチレンブラッ
ク)12部と、アクリルグラフトシリコーンポリマー
(東亜合成化学社製、アロンGS30)20部と、ブロ
ックイソシアネート(大日本インキ化学工業社製、バー
ノックDB980K)25部を、上記有機溶剤に分散さ
せて表層形成材料(コーティング液)を調製した。な
お、ウレタンポリマーとカーボンブラックの配合割合
は、容積比で、ウレタンポリマー/カーボンブラック=
100/8.0である。そして、この表層形成材料(コ
ーティング液)を用いて、実施例1と同様にして、導電
性ロールを作製した。
【0112】
【実施例3】上記ウレタンポリマー(東洋紡社製、バイ
ロンUR8700)100部と、電子導電剤であるカー
ボンブラック(電気化学工業社製、アセチレンブラッ
ク)15部と、帯電制御剤(オリエント化学社製、ボン
トロンNO7)0.1部と、アクリルグラフトシリコー
ンポリマー(東亜合成化学社製、アロンGS30)20
部と、ブロックイソシアネート(大日本インキ化学工業
社製、バーノックDB980K)25部を、上記有機溶
剤に分散させて表層形成材料(コーティング液)を調製
した。なお、ウレタンポリマーとカーボンブラックの配
合割合は、容積比で、ウレタンポリマー/カーボンブラ
ック=100/10である。そして、この表層形成材料
(コーティング液)を用いて、実施例1と同様にして、
導電性ロールを作製した。
【0113】
【実施例4】上記ウレタンポリマー(東洋紡社製、バイ
ロンUR8700)100部と、電子導電剤であるカー
ボンブラック(電気化学工業社製、アセチレンブラッ
ク)15部と、帯電制御剤(オリエント化学社製、ボン
トロンNO1)0.1部と、アクリルグラフトシリコー
ンポリマー(東亜合成化学社製、アロンGS30)20
部と、ブロックイソシアネート(大日本インキ化学工業
社製、バーノックDB980K)25部を、上記有機溶
剤に分散させて表層形成材料(コーティング液)を調製
した。なお、ウレタンポリマーとカーボンブラックの配
合割合は、容積比で、ウレタンポリマー/カーボンブラ
ック=100/10である。そして、この表層形成材料
(コーティング液)を用いて、実施例1と同様にして、
導電性ロールを作製した。
【0114】
【実施例5】上記ウレタンポリマー(東洋紡社製、バイ
ロンUR8700)100部と、電子導電剤であるカー
ボンブラック(電気化学工業社製、アセチレンブラッ
ク)15部と、帯電制御剤(オリエント化学社製、ボン
トロンNO7)0.1部と、アクリルグラフトシリコー
ンポリマー(東亜合成化学社製、サイマックUS27
0)20部と、ブロックイソシアネート(大日本インキ
化学工業社製、バーノックDB980K)25部を、上
記有機溶剤に分散させて表層形成材料(コーティング
液)を調製した。なお、ウレタンポリマーとカーボンブ
ラックの配合割合は、容積比で、ウレタンポリマー/カ
ーボンブラック=100/10である。そして、この表
層形成材料(コーティング液)を用いて、実施例1と同
様にして、導電性ロールを作製した。
【0115】
【実施例6】上記ウレタンポリマー(東洋紡社製、バイ
ロンUR8700)100部と、電子導電剤であるカー
ボンブラック(電気化学工業社製、アセチレンブラッ
ク)3部と、アクリルグラフトシリコーンポリマー(東
亜合成化学社製、アロンGS30)20部と、ブロック
イソシアネート(大日本インキ化学工業社製、バーノッ
クDB980K)25部を、上記有機溶剤に分散させて
表層形成材料(コーティング液)を調製した。なお、ウ
レタンポリマーとカーボンブラックの配合割合は、容積
比で、ウレタンポリマー/カーボンブラック=100/
2である。そして、この表層形成材料(コーティング
液)を用いて、実施例1と同様にして、導電性ロールを
作製した。
【0116】
【実施例7】上記ウレタンポリマー(東洋紡社製、バイ
ロンUR8700)100部と、電子導電剤であるカー
ボンブラック(電気化学工業社製、アセチレンブラッ
ク)52.5部と、アクリルグラフトシリコーンポリマ
ー(東亜合成化学社製、アロンGS30)20部と、ブ
ロックイソシアネート(大日本インキ化学工業社製、バ
ーノックDB980K)25部を、上記有機溶剤に分散
させて表層形成材料(コーティング液)を調製した。な
お、ウレタンポリマーとカーボンブラックの配合割合
は、容積比で、ウレタンポリマー/カーボンブラック=
100/35である。そして、この表層形成材料(コー
ティング液)を用いて、実施例1と同様にして、導電性
ロールを作製した。
【0117】
【実施例8】上記ウレタンポリマー(東洋紡社製、バイ
ロンUR8700)100部と、電子導電剤であるカー
ボンブラック(電気化学工業社製、アセチレンブラッ
ク)10部と、アクリルグラフトシリコーンポリマー
(東亜合成化学社製、アロンGS30)30部を、上記
有機溶剤に分散させて表層形成材料(コーティング液)
を調製した。なお、ウレタンポリマーとカーボンブラッ
クの配合割合は、容積比で、ウレタンポリマー/カーボ
ンブラック=100/6.7である。そして、この表層
形成材料(コーティング液)を用いて、実施例1と同様
にして、導電性ロールを作製した。
【0118】
【実施例9】実施例2のアクリルグラフトシリコーンポ
リマーに代えて、シリコーングラフトアクリルポリマー
(東亜合成化学社製、レセダGS1015)を用いる以
外は、実施例2と同様にして表層形成材料(コーティン
グ液)を調製した。そして、この表層形成材料(コーテ
ィング液)を用いて、実施例1と同様にして、導電性ロ
ールを作製した。
【0119】
【比較例1】ポリエステル系ウレタンポリマー(日本ポ
リウレタン社製、ニッポラン2302)100部と、電
子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社製、
アセチレンブラック)3部と、アクリルグラフトシリコ
ーンポリマー(東亜合成化学社製、アロンGS30)3
部を、上記有機溶剤に分散させて表層形成材料(コーテ
ィング液)を調製した。そして、この表層形成材料(コ
ーティング液)を用いて、実施例1と同様にして、導電
性ロールを作製した。
【0120】
【比較例2】ポリエステル系ウレタンポリマー(日本ポ
リウレタン社製、ニッポラン2302)100部と、電
子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社製、
アセチレンブラック)3部と、アクリルグラフトシリコ
ーンポリマー(東亜合成化学社製、アロンGS30)3
0部を、上記有機溶剤に分散させて表層形成材料(コー
ティング液)を調製した。そして、この表層形成材料
(コーティング液)を用いて、実施例1と同様にして、
導電性ロールを作製した。
【0121】
【比較例3】ポリエステル系ウレタンポリマー(日本ポ
リウレタン社製、ニッポラン2304)100部と、電
子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社製、
アセチレンブラック)3部と、アクリルグラフトシリコ
ーンポリマー(東亜合成化学社製、アロンGS30)3
部を、上記有機溶剤に分散させて表層形成材料(コーテ
ィング液)を調製した。そして、この表層形成材料(コ
ーティング液)を用いて、実施例1と同様にして、導電
性ロールを作製した。
【0122】
【比較例4】ポリエステル系ウレタンポリマー(日本ポ
リウレタン社製、ニッポラン2302)100部と、電
子導電剤であるカーボンブラック(電気化学工業社製、
アセチレンブラック)3部と、アクリルグラフトシリコ
ーンポリマー(東亜合成化学社製、アロンGS30)
0.2部を、上記有機溶剤に分散させて表層形成材料
(コーティング液)を調製した。そして、この表層形成
材料(コーティング液)を用いて、実施例1と同様にし
て、導電性ロールを作製した。
【0123】
【比較例5】上記ウレタンポリマー(東洋紡社製、バイ
ロンUR8700)100部と、ブロックイソシアネー
ト(大日本インキ化学工業社製、バーノックDB980
K)25部を、上記有機溶剤に分散させて表層形成材料
(コーティング液)を調製した。そして、この表層形成
材料(コーティング液)を用いて、実施例1と同様にし
て、導電性ロールを作製した。
【0124】
【比較例6】上記ウレタンポリマー(東洋紡社製、バイ
ロンUR8700)100部と、電子導電剤であるカー
ボンブラック(電気化学工業社製、アセチレンブラッ
ク)57部と、ブロックイソシアネート(大日本インキ
化学工業社製、バーノックDB980K)25部を、上
記有機溶剤に分散させて表層形成材料(コーティング
液)を調製した。なお、ウレタンポリマーとカーボンブ
ラックの配合割合は、容積比で、ウレタンポリマー/カ
ーボンブラック=100/38である。そして、この表
層形成材料(コーティング液)を用いて、実施例1と同
様にして、導電性ロールを作製した。
【0125】このようにして得られた実施例品および比
較例品の導電性ロールを用いて、下記の基準に従い、各
特性について比較評価を行った。これらの結果を、後記
の表1〜表3に併せて示した。
【0126】〔電気抵抗〕 (電圧依存性)SRIS2304に準じて、電極にSM
E−8311(東亜電波社製)を用いて、表層塗膜(厚
み15μm)に0.1Vの電圧を印加した時と10Vの
電圧を印加した時の電気抵抗の差を、変動桁数で表示し
た。
【0127】(環境依存性)電極SME−8311を用
いて、印加電圧1Vで、低温・低湿条件(15℃×10
%)での電気抵抗と、高温・高湿条件(35℃×80
%)での電気抵抗の差を、変動桁数で表示した。
【0128】〔摩擦係数〕摩擦係数は、図3に示すよう
な、静動摩擦係数計(協和界面科学社製)を用いて測定
した。すなわち、導電性ロール21を固定台22の上に
セットし、移動速度0.3cm/秒、荷重100gの条
件下で測定した。なお、図において、23は鋼球(直径
3mm)、24は零点調整用天秤、25はロードセル、
26は荷重(100g)を示す。
【0129】〔ロール回転トルク〕固定された感光体に
導電性ロールを押圧接触し、導電性ロールをトルクモー
タで回転させ、その動き始めの電流値を測定した。な
お、上記導電性ロールを感光体に押圧接触させる際の圧
力は、導電性ロールの接触部が径方向に0.3mm凹む
程度の圧力に設定した。評価結果は、以下のように表示
した。 ○:得られた測定値をトルクに換算し、その算出値が常
に3kgf−cm未満を示す △:3kgf−cm未満を示すが、初期等に3kgf−
cm以上を示す ×:常に3kgf−cm以上を示す
【0130】〔トナー帯電性〕トナー帯電性は、導電性
ロールにおける帯電量を20℃×50%RHの条件下に
おいてつぎのようにして測定した。すなわち、図4に示
すように、導電性ロール30表面上に現像剤(トナー)
32層を形成し、吸引ポンプ33により上記現像剤32
を吸引しファラデーケージ34を用いて測定した(ファ
ラデーケージ法)。なお、図において、35はフィルタ
ー、36は絶縁体パイプ、37は電位計、38,39は
導体で互いに分離している。
【0131】〔複写画質〕導電性ロールを現像ロールと
して電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの
条件下において画像出しを行った。評価結果は、以下の
ように表示した。 ○:べた黒画像において、マクベス濃度1.4以上で、
画像むらや白斑点ぬけがない △:べた黒画像は良好であるが、印字でかすれまたはに
じみが発生 ×:マクベス濃度1.4未満、画像むら、白斑点ぬけの
いずれか一つでも発生
【0132】〔耐久複写画質〕導電性ロールを現像ロー
ルとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%R
Hの条件下において、5000枚複写を行った。評価結
果は、以下のように表示した。 ○:べた黒画像において、マクベス濃度1.4以上で、
画像むらや白斑点ぬけがなく、印字でかすれやにじみが
ない △:べた黒画像は良好であるが、印字でかすれまたはに
じみが発生 ×:マクベス濃度1.4未満、画像むら、白斑点ぬけの
いずれか一つでも発生
【0133】〔感光体汚染〕導電性ロールを現像ロール
として電子写真複写機に組み込んで繰り返し複写を行っ
た。その後、1ケ月間放置し、再び複写を行った。評価
結果は、以下のように表示した。 ○:感光体の汚染による画像むらがない △:画像むらが複写10枚以内で消える ×:画像むらが複写10枚以上でも消えない
【0134】〔塗料フィラー沈降性〕上記導電性ロール
の表層形成材料(コーティング液)を24時間静置した
後、塗料フィラー沈降性を目視評価した。評価結果は、
以下のように表示した。 ○:塗料フィラー(カーボンブラック)の沈降が見られ
なかった ×:塗料フィラー(カーボンブラック)の沈降が見られ
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】
【0138】上記表1〜表3の結果から、実施例品の導
電性ロールは、いずれも電気抵抗の上昇が抑制され、摩
擦係数が低く、ロール回転トルク、トナー帯電性、複写
画質、耐久複写画質、感光体汚染および塗料フィラー沈
降性について、良好な結果が得られた。
【0139】これに対して、比較例1〜4品の導電性ロ
ールは、ウレタンポリマーが分子構造中にイオン性セグ
メントを有しないため、電気抵抗の電圧依存性の上昇が
大きく、摩擦係数も高く、ロール回転トルク、トナー帯
電性、複写画質、耐久複写画質、感光体汚染および塗料
フィラー沈降性のいずれかの特性が劣ることがわかる。
比較例5品の導電性ロールは、分子構造中にイオン性セ
グメントを有するウレタンポリマーを用いているが、電
子導電剤を含有しないため、電気抵抗の環境依存性の上
昇が大きく、摩擦係数も高く、トナー帯電性、複写画質
および耐久複写画質が劣ることがわかる。比較例6品の
導電性ロールは、電子導電剤の配合割合が所定量を超え
るため、イオン性セグメントの効果がなくなり、電気抵
抗の電圧依存性が大きくなって、複写耐久画質が悪化す
ることがわかる。
【0140】
【発明の効果】以上のように、本発明の導電性ロール
は、その表層が、分子構造中にイオン性セグメントを有
するウレタンポリマー(A成分)、電解質(B成分)お
よび電子導電剤(C成分)を含有し、かつ、上記A成分
とC成分の配合割合が特定の範囲に設定された特殊な樹
脂組成物を用いて形成されている。そのため、上記A成
分中のイオン性セグメントがイオン導電剤として作用
し、電子導電剤(C成分)の弱点である電気抵抗の電圧
依存性を抑制するとともに、上記電子導電剤(C成分)
が、上記イオン導電剤(イオン性セグメント)の弱点で
ある電気抵抗の環境依存性を抑制する。また、上記電子
導電剤(C成分)の配合割合が特定の範囲に設定されて
いるため、上記A成分中のイオン性セグメントにより、
電子導電剤(C成分)の分散性が良好になる。その結
果、本発明の導電性ロールは、画出し耐久時における電
気抵抗の上昇を抑制でき、優れたトナー帯電性を備え、
かつ、優れた画質を得ることができる。
【0141】そして、上記樹脂組成物にアクリル系シリ
コーン変性ポリマーを配合することにより、摩擦係数を
低減することができ、耐フィルミング性が向上し、トナ
ー帯電性も向上する。なお、上記アクリル系シリコーン
変性ポリマーは正帯電性が強いため、表層表面に電荷が
蓄積してトナーが付着しやすくなるが、上記イオン性セ
グメントにより除電することができる。
【0142】また、上記樹脂組成物に帯電制御剤を配合
することにより、さらに良好な画質を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ロールの一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の導電性ロールの製法の一例を示す断面
図である。
【図3】静動摩擦係数計による摩擦係数の測定方法を示
す説明図である。
【図4】トナー帯電性の測定方法を示す説明図である。
【図5】体積抵抗率を測定する際に用いる電極の形状を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 軸体 2 ベースゴム層 3 中間層 4 表層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加地 明彦 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 大鍬 憲一 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2H003 CC05 2H032 AA05 BA05 2H077 AD02 AD06 FA25 3J103 AA02 AA15 AA21 AA33 AA51 BA41 EA02 EA11 EA20 FA06 FA07 FA12 FA14 FA18 GA02 GA57 GA58 GA60 GA66 GA73 GA74 HA03 HA04 HA11 HA20 HA32 HA33 HA37 HA41 HA48 HA52 HA53 HA55

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周面に少なくとも一つの層が形
    成された導電性ロールであって、上記導電性ロールの表
    層が、下記の(A)〜(C)成分を含有し、かつ、上記
    (A)成分と(C)成分の配合割合が、容積比で、
    (A)成分/(C)成分=100/2〜100/35の
    範囲に設定された樹脂組成物を用いて形成されているこ
    とを特徴とする導電性ロール。 (A)分子構造中にイオン性セグメントを有するウレタ
    ンポリマー。 (B)電解質。 (C)電子導電剤。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物がアクリル系シリコーン変性
    ポリマーを含有するものである請求項1記載の導電性ロ
    ール。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物が帯電制御剤を含有するもの
    である請求項1または2記載の導電性ロール。
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