JP3684852B2 - 低硬度導電性ロール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンター等の電子写真装置に用いられる低硬度導電性ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機やプリンター等の電子写真装置に用いられる導電性ロールの形成材料としては、ウレタン樹脂が用いられているが、最近の電子写真装置は小型化等の要請から、低トルクモータが使用されることが多く、上記ウレタン樹脂の硬度が高すぎると、スタート時にロールが円滑に回転しなかったり、スティックスリップによるクリック音が発生する等の問題が生じる。そのため、低硬度のウレタン樹脂を用いた導電性ロールが提案されている(特開平5−323777号公報、特開平3−187732号公報)。
【0003】
しかしながら、上記導電性ロールに用いられている低硬度のウレタン樹脂は摩擦係数が比較的大きいため、熱的、物理的にトナーが導電性ロールの表面に付着しやすい。そのため、トナーフィルミングが生じやすく、充分な帯電性を得ることができず、画出枚数の増加に伴い画質が低下するという問題を有している。そこで、上記ウレタン樹脂の摩擦係数を下げる方法としては、ウレタン樹脂の硬度を上げるか、あるいはウレタン樹脂の結晶性を上げる等の方法が考えられる。ところが、ウレタン樹脂の硬度を上げると低硬度化の要請に沿わなくなり、先に述べたように、スタート時におけるロールの円滑な回転等が妨げられることになる。一方、ウレタン樹脂の結晶性を上げると、ウレタン樹脂の溶剤への溶解性が低下するため、溶剤の種類が揮発性の高いものに限定されたり、あるいはウレタン樹脂を塗布できない等の問題が生じ、導電性ロールを作製する際の作業性が悪くなる。
【0004】
そこで、本出願人は、ウレタン樹脂の硬度や結晶性を上げることなく、ウレタン樹脂の摩擦係数を下げることにより上記課題を解決すべく、熱可塑性ポリウレタン樹脂とシリコーングラフトアクリルポリマーを含有する樹脂組成物を最外層形成材料に用いた導電性ロールをすでに提案している(特願平8−121614号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特願平8−121614号に記載の導電性ロールは、最外層形成材料中のシリコーングラフトアクリルポリマーと熱可塑性ポリウレタン樹脂の相性が悪く、分散性に劣るため、優れた耐久複写画質を得ることができないという問題を有しており、さらなる改良が望まれている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、トナー帯電性に優れ、良好なトナー離型性および優れた耐久複写画質を得ることができる低硬度導電性ロールの提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の低硬度導電性ロールは、軸体の外周面に少なくとも一つの層が形成された低硬度導電性ロールであって、上記層のなかの最外層が、下記の(A)および(B)成分を含有する樹脂組成物によって形成され、かつ、上記(B)成分の含有量が(A)成分と(B)成分の合計重量の5〜40重量%の範囲に設定されているという構成をとる。
(A)下記の一般式(1)で表される繰り返し単位から構成されたシリコーングラフトアクリルポリマーであって、シロキサンから誘導される構造部分を除いたアクリルポリマー部分のガラス転移温度が−35〜30℃の範囲に設定されたシリコーングラフトアクリルポリマー。
【0008】
【化7】
【0009】
(B)アクリル系単量体から誘導される構造部分からなる側鎖が、シロキサンから誘導される直鎖状の構造部分からなる主鎖にグラフト化しているアクリルグラフトシリコーンポリマーであって、上記アクリル系単量体から誘導される構造部分のガラス転移温度が30〜150℃の範囲に設定されたアクリルグラフトシリコーンポリマー。
【0010】
なお、本発明の低硬度導電性ロールにおいて、「上記層のなかの最外層」とは、層が一層の場合はその層をいい、層が二層以上の場合は、文字通りその最外層をいう。また、上記(A)成分の「シリコーングラフトアクリルポリマー」とは、上記一般式(1)において、(Z)n 部分と(Y)k 部分とが共重合することにより、シリコーン成分からなる側鎖がアクリルポリマーからなる主鎖にグラフト化しているものをいう。
【0011】
すなわち、本発明者らは、トナー帯電性に優れ、良好なトナー離型性および優れた耐久複写画質を得ることができる低硬度導電性ロールを探究すべく鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、導電性ロールの最外層を形成する樹脂組成物に着目し、従来のようにウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いた場合は、充分なトナー帯電性およびトナー離型性を得ることができないことを突き止めた。そして、さらに研究を続けた結果、従来のウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物に代えて、シリコーングラフトアクリルポリマーおよびアクリルグラフトシリコーンポリマーを含有する樹脂組成物を用いることを想起し、各ポリマーの構造および特性について鋭意研究を重ねた。その結果、特定のガラス転移温度を有する特定構造のシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)およびアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)を突き止めた。そして、上記特殊なシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)と特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)を含有し、上記アクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)の含有量が特定範囲に設定された特殊な樹脂組成物を用いると所期の目的を達成できることを見出し本発明に到達した。また、上記特殊な樹脂組成物は、上記シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)とアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)とを相溶化した混合物であるため、分散性が良好で、液の安定性および塗膜の平滑性に優れることを突き止めた。
【0012】
そして、上記アクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)の数平均分子量を3,000〜300,000の範囲に設定すると、柔軟性に優れ、低摩擦係数の低硬度導電性ロールが得られることを突き止めた。なお、本発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の数平均分子量である。
【0013】
さらに、上記特殊なシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)およびアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)に加えて、さらに導電剤を含有してなる樹脂組成物を用いると、より一層優れた導電性を得ることができることを突き止めた。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0015】
本発明の低硬度導電性ロールとしては、例えば図1に示すように、軸体1の外周面に沿って最内層2が形成され、その外周面に中間層3が形成され、さらにその外周面に最外層4が形成された構造のものをあげることができる。
【0016】
上記軸体1は特に制限するものではなく、従来公知のどのようなものを用いても差し支えない。例えば、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、その材料としては、アルミニウム、ステンレス、鉄にメッキを施したもの等があげられる。
【0017】
上記軸体1の外周面に形成される最内層2の形成材料は特に制限するものではなく、従来公知のどのような材料を用いても差し支えない。例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ポリウレタン系エラストマー等があげられる。上記材料には、さらに導電剤を適宜に添加してもよい。上記導電剤としては、従来から用いられているカーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 、c−ZnO、c−SnO2 、イオン導電剤(四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)等があげられる。なお、上記「c−」は、導電性を有するという意味を表すものである。なかでも、低硬度でへたりが少ないという点から、導電性シリコーンゴムが好ましい。
【0018】
上記最内層2の外周面に形成される中間層3の形成材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム)(以下「NBR」と略す)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化ニトリルゴム)(以下「H−NBR」と略す)、ポリウレタン系エラストマー、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)等があげられるが、接着性およびコーティング液の安定性からH−NBRが好ましい。上記材料には、さらに前述の導電剤を適宜に添加してもよい。
【0019】
上記中間層3の外周面に形成される最外層4は、特殊な樹脂組成物によって形成されている。この特殊な樹脂組成物は、特殊なシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)と特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)とを用いて得られる。
【0020】
上記特殊な樹脂組成物の材料となるシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)は、下記の一般式(1)で表される構造を備えたものである。
【0021】
【化8】
【0022】
上記一般式(1)において、繰り返し数kは1〜3000の正数であり、好ましくは1〜300の正数である。また、繰り返し数nは1〜3000の正数であり、好ましくは1〜300の正数である。
【0023】
上記一般式(1)において、Yはアクリル系単量体から誘導される直鎖状の構造部分である。上記アクリル系単量体としては、具体的には、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル(nBA)、アクリル酸イソブチル(iBA)、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2,2−ジメチルプロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、アクリル酸2−ナフチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸4−メトキシフェニル、アクリル酸2−メトキシカルボニルフェニル、アクリル酸2−エトキシカルボニルフェニル、アクリル酸2−クロロフェニル、アクリル酸4−クロロフェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−シアノベンジル、アクリル酸4−シアノフェニル、アクリル酸p−トリル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸3−オキサブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル(nBMA)、メタクリル酸イソブチル(iBMA)、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2,2−ジメチルプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、メタクリル酸2−ナフチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸4−メトキシフェニル、メタクリル酸2−メトキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−エトキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−クロロフェニル、メタクリル酸4−クロロフェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−シアノベンジル、メタクリル酸4−シアノフェニル、メタクリル酸p−トリル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸3−オキサブチル、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリルアミド(AA)、ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、4−カルボキシフェニルメタクリルアミド、4−メトキシカルボキシフェニルメタクリルアミド、メチルクロロアクリレート、エチル−α−クロロアクリレート、プロピル−α−クロロアクリレート、イソプロピル−α−クロロアクリレート、メチル−α−フルオロアクリレート、ブチル−α−ブトキシカルボニルメタクリレート、ブチル−α−シアノアクリレート、メチル−α−フェニルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等があげられる。そして、これらアクリル系単量体の1種が重合または2種以上が共重合することにより、Yで表される直鎖状の構造部分が構成される。
【0024】
上記一般式(1)において、Zはアクリル系単量体から誘導される構造部分であって、シロキサンから誘導される構造部分を有するものである。これは、下記の一般式(7)または一般式(8)で表されるものから誘導される。
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
そして、上記一般式(7)または一般式(8)の好ましい具体例としては、下記の構造式(a)〜(r)に示すものがあげられる。
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
上記一般式(1)で表される構造を備えたシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)は、シロキサンから誘導される構造部分〔側鎖〕を除いたアクリルポリマー部分〔主鎖〕のガラス転移温度が、−35〜30℃の範囲にあることが必要であり、好ましくは−30〜0℃の範囲である。すなわち、上記アクリルポリマー部分〔主鎖〕のガラス転移温度が−35℃を下回ると、粘着性が大きくなり摩擦係数も大きくなるためトナーフィルミングが生じ、複写画像が悪くなり、30℃を超えると硬くなりすぎ、スタート時にロールが円滑に回転しなかったり、クリック音が発生する等の問題が生じるからである。
【0033】
上記シロキサンから誘導される構造部分〔側鎖〕を除いたアクリルポリマー部分〔主鎖〕のガラス転移温度は、例えばつぎのようにして設定することができる。すなわち、上記アクリルポリマー部分〔主鎖〕のガラス転移温度が−35〜30℃の範囲となるように、下記のFox式に従い、各アクリル系単量体の重量比率を設定することにより行われる。
【0034】
【数1】
1/Tg =(W1 /Tg1)+(W2 /Tg2)+…+(Wm /Tg m )
W1 +W2 +…+Wm =1
〔上記式において、Tg はアクリルポリマー部分のガラス転移温度をいい、Tg1,Tg2,…,Tg m は各アクリル系単量体のガラス転移温度である。また、W1,W2 ,…,Wm は各アクリル系単量体の重量比率である。〕
【0035】
上記ガラス転移温度(Tg )は、DSC(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のtanδピークにより測定することができる。
【0036】
上記一般式(1)で表される構造を備えたシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)の数平均分子量は、10,000〜300,000の範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは30,000〜100,000の範囲である。すなわち、上記シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)の数平均分子量が10,000を下回ると最外層の強度が劣る傾向が見られ、300,000を超えると最外層の形成が困難になるからである。
【0037】
上記一般式(1)で表される構造を備えたシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)における(Z)n 部分の数平均分子量は260〜40,000の範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは1,000〜25,000の範囲である。すなわち、上記(Z)n 部分の数平均分子量が260を下回ると、柔軟性、低摩擦係数化、離型性等のシリコーンの効果が少なくなり、40,000を超えると、べたつきが生じるからである。
【0038】
上記(Z)n 部分の含有率は、上記シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)全重量の5〜60重量%の範囲になるよう設定するのが好ましい。すなわち、上記(Z)n 部分の含有率が5重量%を下回ると、柔軟性、低摩擦係数化、離型性等のシリコーンの効果が得にくくなり、60重量%を超えるとシリコーンのべたつきが生じるからである。
【0039】
上記特殊なシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)は、例えばつぎのようにして製造することができる。すなわち、上記(Y)k 部分と(Z)n 部分を、アゾ系重合開始剤の存在下に、ラジカル共重合させることにより製造することができる。このような重合は、溶媒を用いる溶液重合法、バルク重合法、エマルジョン重合法等によって行うことが好ましく、特に好ましくは溶液重合法である。
【0040】
上記アゾ系重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−4−シアノバレリン酸、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、アゾビス−1−シクロヘキサカルボニトリル等があげられ、特にAIBNが好ましい。
【0041】
上記ラジカル共重合の際の重合温度は50〜150℃が好ましく、特に好ましくは60〜100℃である。また、重合時間は3〜100時間が好ましく、特に好ましくは5〜10時間である。
【0042】
なお、本発明における特殊なシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)は、前記一般式(1)で表される構造を備えたものであるが、この構造にさらに別のアクリル系単量体から誘導される直鎖状の構造部分〔(X)m 部分〕が連結された、下記の一般式(6)で表される構造を備えたものであってもよい。
【0043】
【化15】
【0044】
上記一般式(6)において、Xはアクリル系単量体から誘導される直鎖状の構造部分であり、上記アクリル系単量体としては、前記一般式(1)において例示したものと同様のものがあげられる。ただし、YとXは、互いに異なるものでなければならない。また、繰り返し数mは1〜10,000の正数であり、好ましくは100〜3,000の正数である。
【0045】
上記特殊なシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)とともに用いられる特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)は、アクリル系単量体から誘導される構造部分からなる側鎖が、シロキサンから誘導される直鎖状の構造部分からなる主鎖にグラフト化したものである。
【0046】
上記特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)中の主鎖は、シロキサンから誘導される直鎖状の構造部分からなり、特に下記の一般式(2)〜(4)で表される構造部分からなるものが好ましい。
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
上記一般式(2)で表される構造部分の好ましい具体例としては、下記の構造式に示すものがあげられる。
【0051】
【化19】
【0052】
上記一般式(3)および一般式(4)におけるXは、水素またはハロゲン化炭化水素基、シアン化炭化水素基等の炭素官能性基を示す。上記ハロゲン化炭化水素基としては、例えばハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、ハロゲン化アルケニル基等があげられ、上記シアン化炭化水素基としては、例えばシアノ基、シアン化アラルキル基、シアン化アリール基、シアン化アラルキル基、シアン化アルケニル基等があげられる。
【0053】
上記特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)は、アクリル系単量体から誘導される構造部分〔側鎖〕のガラス転移温度が、30〜150℃の範囲にあることが必要であり、好ましくは60〜120℃の範囲である。すなわち、上記アクリル系単量体から誘導される構造部分〔側鎖〕のガラス転移温度が30℃を下回ると、低摩擦係数化、離型性、べたつき防止の効果が減少し、150℃を超えると、溶剤への溶解性が低下したり、ポリマー中への相溶性が低下するため、トナーフィルミング防止効果が得られにくくなるからである。なお、上記アクリル系単量体から誘導される構造部分〔側鎖〕のガラス転移温度の設定およびガラス転移温度の測定は、前記シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)の場合に準じて行われる。
【0054】
上記特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)において、シロキサンから誘導される直鎖状の構造部分からなる主鎖の数平均分子量は、1,500〜20,000の範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは3,000〜10,000の範囲である。すなわち、上記主鎖部分の数平均分子量が1,500を下回ると適度な帯電性、低摩擦係数化、離型性等のシリコーンの効果が得られにくくなり、20,000を超えるとA成分への相溶性が低下し、効果が減少したり、あるいはシリコーンのべたつきが生じるからである。
【0055】
一方、上記特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)中の側鎖は、アクリル系単量体から誘導される構造部分からなる。上記アクリル系単量体としては、前記シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)において述べたものと同様のものがあげられる。
【0056】
上記特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)中の側鎖としては、下記の一般式(5)で表される構造部分からなるものが特に好ましい。
【0057】
【化20】
【0058】
そして、上記一般式(5)で表される構造部分の好ましい具体例としては、下記の構造式に示すものがあげられる。
【0059】
【化21】
【0060】
上記特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)において、アクリル系単量体から誘導される構造部分からなる側鎖の数平均分子量は、200〜20,000の範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは1,000〜10,000の範囲である。すなわち、上記側鎖部分の数平均分子量が200を下回ると適度な帯電性が得られにくいため、上記効果が得られず、20,000を超えるとA成分への分散性(相溶性)が悪く、分離して上記効果が得られにくいからである。
【0061】
上記特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)は、例えば、前記シロキサンから誘導される構造部分と、アクリル系単量体から誘導される構造部分とを、前述のアゾ系重合開始剤の存在下に、前述のラジカル共重合させることにより製造することができる。
【0062】
あるいは、上記特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)は、上記シロキサンから誘導される構造部分と、アクリル系単量体から誘導される構造部分とを、アニオン重合触媒の存在下に、アニオン重合反応させることにより製造することもできる。上記アニオン重合触媒としては、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の脂肪族炭化水素、ナフタリン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、ナフタセン、アセナフチレン、トランススチルベン、ビフェニル、スチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ベンゾニトリル、ジフェニルエチレン、ジフェニルブタジエン等の芳香族炭化水素等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0063】
このようにして得られる特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)は、数平均分子量が3,000〜300,000の範囲にあるものが好ましく、特に好ましくは10,000〜100,000の範囲である。すなわち、上記B成分の数平均分子量が3,000を下回ると上記の効果が得られにくく、ブリードして感光体を汚染するおそれがあり、300,000を超えると、A成分の相溶性が低下し、分離して低摩擦等の効果が得られにくくなるからである。
【0064】
上記特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)において、前記シロキサンから誘導される直鎖状の構造部分からなる主鎖と、アクリル系単量体から誘導される構造部分からなる側鎖との比率(重量比)は、主鎖/側鎖=5/95〜60/40の範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは主鎖/側鎖=10/90〜40/60の範囲である。すなわち、主鎖の比率が60を超える(側鎖の比率が40を下回る)と、シリコーン成分が増えすぎ、帯電しすぎる傾向が見られ、主鎖の比率が5を下回る(側鎖の比率が95を超える)と、相溶性が低下するため適度な帯電性、離型性が得られにくく、強度への効果が減少する傾向が見られるからである。
【0065】
上記特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)の含有量は、A成分とB成分の合計重量の5〜40重量%の範囲になるよう設定する必要があり、好ましくは10〜30重量%の範囲である。すなわち、上記B成分の含有量が5重量%を下回ると、適度な帯電性やトナーフィルミング防止の効果が得られにくく、40重量%を超えると、離型性が低下したり、相溶性が低下し、物性が悪くなるからである。
【0066】
本発明の導電性ロールの最外層を形成する特殊な樹脂組成物には、前記特殊なシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)、特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)に加えて、さらに前述の導電剤を適宜に添加してもよい。
【0067】
なお、上記特殊な樹脂組成物には、帯電制御剤を適宜に添加することもできる。上記帯電制御剤としては、従来から用いられている四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、アジン系(ニグロシン系)化合物、アゾ化合物、オキシナフトエ酸金属錯体、界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系)等があげられる。また、上記特殊な樹脂組成物には、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ等の充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、補強剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、難燃剤、オイル等を必要に応じて適宜に添加することも可能である。さらに、上記特殊な樹脂組成物は硬化剤で架橋することもできる。上記架橋剤としては、イソシアネート基含有物や、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、−SH基等を含有する硬化剤があげられる。
【0068】
本発明の低硬度導電性ロールの最外層を形成する特殊な樹脂組成物は、例えばつぎのようにして作製される。すなわち、まず、先に述べた方法に従い、特殊なシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)およびアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)をそれぞれ作製し、これらを有機溶剤に溶解する。ついで、必要により、導電剤等を加えたものをサンドミル等で分散することにより、塗工用のコーティング液を作製する。あるいは、上記シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)、アクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)、導電剤等を2軸混練機等で分散し、これらを前記有機溶剤に溶解することにより、塗工用のコーティング液を作製してもよい。このようにして、目的とする特殊な樹脂組成物(コーティング液)を作製することができる。なお、上記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、メタノール、イソプロピルアルコール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0069】
そして、本発明の低硬度導電性ロールは、例えばつぎのようにして作製される。すなわち、まず、前記最内層2形成材料用の各成分をニーダー等の混練機を用いて混練し、最内層2形成材料を作製する。また、前記中間層3形成材料用の各成分をロール等の混練機を用いて混練し、この混合物に前記有機溶剤を加えて混合、攪拌することにより、中間層3形成材料(コーティング液)を作製する。さらに、前記最外層4形成材料である特殊な樹脂組成物(コーティング液)を、先に述べた方法に従い作製する。
【0070】
つぎに、金属製の芯金を準備した後、必要に応じて接着剤、プライマー等を塗布し、図2に示すように、上記金属製の軸体1をセットした下蓋5および円筒型6内に、前記最内層2形成材料を注型し、上蓋7を上記円筒型6に外嵌する。ついで、上記ロール型全体を加熱して上記最内層2形成材料を加硫し(150〜220℃×1時間)、最内層2を形成する。続いて、この最内層2が形成された軸体1を脱型し、必要に応じ反応を完結させる(200℃×4時間)。そして、上記最内層2の外周に中間層3形成材料となるコーティング液を塗布し、もしくは上記最内層2形成済みのロールを前記コーティング液中に浸漬して引き上げた後、乾燥および加熱処理を行うことにより、最内層2の外周に中間層3を形成する。さらに、上記中間層3の外周に最外層4形成材料となる特殊な樹脂組成物(コーティング液)を塗布し、もしくは上記中間層3形成済みのロールを前記コーティング液中に浸漬して引き上げた後、乾燥および加熱処理を行うことにより、中間層3の外周に最外層4を形成する。上記コーティング液の塗布方法は、特に制限するものではなく、従来公知のディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法等があげられる。このようにして、軸体1の外周面に沿って最内層2が形成され、その外周に中間層3が形成され、さらにその外周に最外層4が形成された導電性ロールを作製することができる。
【0071】
本発明の低硬度導電性ロールにおいて、各層の厚みは、導電性ロールの用途に応じて適宜に決定される。例えば、現像ロールとして用いる場合、最内層の厚みは、通常0.5〜10mmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは3〜6mmである。また、中間層の厚みは、通常1〜90μmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは3〜15μmである。そして、最外層の厚みは3〜100μmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50μmである。
【0072】
本発明の低硬度導電性ロールにおける硬度は、JIS Aによる硬度の測定値が、70(Hs:JIS A)以下の範囲にあるものが好ましく、特に好ましくは60(Hs:JIS A)以下の範囲である。
【0073】
本発明の低硬度導電性ロールは、現像ロールに好適であるが、必ずしも現像ロールに限定するものではなく、転写ロール、帯電ロール等にも適用することができる。また、本発明の低硬度導電性ロールの例として、図1において三層構造のものをあげたが、軸体1の外周に形成される層は必ずしも三層でなくてもよく、ロールの用途等に応じ、適宜の数の層が形成される。ただし、必ず最外層(単層の場合にはその層)が、上記特殊な樹脂組成物で形成されていなければならない。
【0074】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0075】
まず、実施例および比較例に先立ち、軸体となる芯金(直径10mm、SUS304製)を準備するとともに、下記の表1に示す、最内層形成材料および中間層形成材料を準備した。そして、前述の方法に準じて、軸体の外周面に最内層を形成した後、さらにその外周面に中間層を形成してロール基体を作製した。なお、各層の硬度、電気抵抗および厚みを下記の表1に併せて示した。
【0076】
【表1】
【0077】
一方、下記の繰り返し単位から構成されたシリコーングラフトアクリルポリマーA〜Dを作製した。
【0078】
【化22】
【0079】
【実施例1〜6、比較例1〜6】
後記の表2および表3に示す各成分を同表に示す割合で配合し、樹脂組成物(コーティング液)を作製した。この樹脂組成物(コーティング液)を前記ロール基体の中間層の外周面にディッピング法により塗布した後、乾燥(150℃×30分)して、目的とする導電性ロールを作製した(図1参照)。このようにして得られた導電性ロールの最外層の厚みは20μmであった。なお、前記シリコーングラフトアクリルポリマーのガラス転移温度(アクリルポリマー部分)、平均分子量および(Z)n 部分の含有率を、下記の表2および表3に併せて示した。また、上記アクリルグラフトシリコーンポリマーは、前述の方法に準じて作製したものであり、アクリルグラフトシリコーンポリマーのガラス転移温度(アクリル系単量体から誘導される構造部分)、平均分子量、主鎖、側鎖の構造、主鎖と側鎖の比率(重量比)、ポリマー分全体に占めるアクリルグラフトシリコーンポリマーの割合(重量%)についても、下記の表2および表3に併せて示した。
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
このようにして得られた実施例品および比較例品の導電性ロールについて、下記の基準に従い、電気抵抗、摩擦係数、硬度、ロール回転トルク、トナー帯電性、複写画質および耐久複写画質について比較評価を行った。これらの結果を、後記の表4および表5に併せて示した。
【0083】
〔電気抵抗〕
導電性ロールの最外層の電気抵抗を、図3(A),(B)に示すようにして測定した。すなわち、図3(A)に示す形状の電極11を、図3(B)に示すロール10表面上に20箇所形成し、図3(B)に示す測定系により測定した。図において、11aは主電極、11bはガード電極である。そして、実施例および比較例における電気抵抗値は20箇所の測定値の中央値である。
【0084】
〔摩擦係数〕
摩擦係数は、図4に示すような、静動摩擦係数計(協和界面科学社製)を用いて測定した。すなわち、導電性ロールの最外層形成材料となる樹脂組成物を用いて、厚み50〜100μmの塗膜21を作製し、これを固定台22の上にセットし、移動速度0.3cm/秒、荷重100gの条件下で測定した。なお、図において、23は鋼球(直径3mm)、24は零点調整用天秤、25はロードセル、26は荷重(100g)を示す。
【0085】
〔硬度〕
導電性ロールを用いてJIS Aによる硬度を測定した。
【0086】
〔ロール回転トルク〕
固定された感光体に導電性ロールを押圧接触し、導電性ロールをトルクモータで回転させ、その動き始めの電流値を測定した。なお、上記導電性ロールを感光体に押圧接触させる際の圧力は、導電性ロールの接触部が径方向に0.3mm凹む程度の圧力に設定した。そして、得られた測定値をトルクに換算し、その算出値が常に3kgf−cm未満を示す場合を○、3kgf−cm未満を示すが初期等に3kgf−cm以上を示す場合を△、常に3kgf−cm以上を示す場合を×としてそれぞれ表示した。
【0087】
〔トナー帯電性〕
トナー帯電性は、導電性ロールにおける帯電量を20℃×50%RHの条件下においてつぎのようにして測定した。すなわち、図5に示すように、導電性ロール30表面上に現像剤(トナー)32層を形成し、吸引ポンプ33により上記現像剤32を吸引しファラデーケージ34を用いて測定した(ファラデーケージ法)。なお、図において、35はフィルター、36は絶縁体パイプ、37は電位計、38,39は導体で互いに分離している。
【0088】
〔複写画質〕
導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの条件下において画像出しを行った。そして、べた黒画像において濃度が充分で画像むらや白斑点ぬけの無いものを○、濃度不充分、画像むら、白斑点のいずれか一つでも発生したものを×としてそれぞれ表示した。
【0089】
〔耐久複写画質〕
導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの条件下において画像出しを行った。そして、3千枚および5千枚複写した後、べた黒画像において濃度が充分で画像むらや白斑点ぬけの無いものを○、濃度不充分、画像むら、白斑点のいずれか一つでも発生したものを×としてそれぞれ表示した。
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】
上記表4および表5の結果から、実施例品の導電性ロールは、比較例品の導電性ロールに比べて、摩擦係数が低く、低硬度で、ロール回転トルクも小さく、トナー帯電性に優れ、しかも複写画質および耐久複写画質に優れていることがわかる。これに対して、比較例品の導電性ロールは、いずれも5千枚複写後の耐久複写画質が劣ることがわかる。特に、比較例3品および比較例5品の導電性ロールは、3千枚複写後においてすでに耐久複写画質が劣っていることがわかる。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、本発明の低硬度導電性ロールは、前記特殊なシリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)と特殊なアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)を含有し、上記アクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)の含有量が特定範囲に設定された特殊な樹脂組成物を用いて最外層が形成されている。そのため、上記シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)とアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)とを相溶化した混合物となり、分散性が良好で、液の安定性および塗膜の平滑性が優れるようになる。その結果、トナー帯電性に優れ、トナーの飛散性が小さく、しかも、トナーの離型性が良好で、トナーフィルミングが生じにくくなり、トナーの付着を防止できるとともに、長期にわたって安定したトナー帯電性を得ることができ、画質の向上を図ることができる。
【0094】
そして、上記アクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)の分子量を、3,000〜300,000の範囲に設定することにより、柔軟性に優れ、低摩擦係数の低硬度導電性ロールを得ることができる。
【0095】
また、上記シリコーングラフトアクリルポリマー(A成分)およびアクリルグラフトシリコーンポリマー(B成分)に加えて、さらに導電剤を含有してなる樹脂組成物を用いることにより、低硬度導電性ロールの導電性がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低硬度導電性ロールの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の低硬度導電性ロールの製法の一例を示す断面図である。
【図3】(A)は導電性ロールの電気抵抗を測定する際にロール表面に形成する電極の形状を示す説明図であり、(B)はそれを用いての導電性ロールの電気抵抗値の測定系を示す説明図である。
【図4】静動摩擦係数計による摩擦係数の測定状態を示す説明図である。
【図5】トナー帯電量を測定するファラデーケージ法の測定状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 軸体
2 最内層
3 中間層
4 最外層
Claims (6)
- 軸体の外周面に少なくとも一つの層が形成された低硬度導電性ロールであって、上記層のなかの最外層が、下記の(A)および(B)成分を含有する樹脂組成物によって形成され、かつ、上記(B)成分の含有量が(A)成分と(B)成分の合計重量の5〜40重量%の範囲に設定されていることを特徴とする低硬度導電性ロール。
(A)下記の一般式(1)で表される繰り返し単位から構成されたシリコーングラフトアクリルポリマーであって、シロキサンから誘導される構造部分を除いたアクリルポリマー部分のガラス転移温度が−35〜30℃の範囲に設定されたシリコーングラフトアクリルポリマー。
- 上記(B)成分であるアクリルグラフトシリコーンポリマーの数平均分子量が3,000〜300,000の範囲に設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の低硬度導電性ロール。
- 上記(A)成分中の(Z)n 部分の含有率が、(A)成分全重量の5〜60重量%の範囲に設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の低硬度導電性ロール。
- 上記樹脂組成物が、上記(A)および(B)成分に加えて、さらに導電剤を含有するものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の低硬度導電性ロール。
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