JP2016027395A - 現像担持体及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性の軸芯体及び導電性の弾性層を有する現像剤担持体であって、該弾性層は、樹脂j、半導電性粒子p及び導電性粒子cを含有し、交流インピーダンス法により算出される該樹脂jの導電率をσj、誘電率をεjとし、該半導電性粒子pの導電率をσp、誘電率をεpとしたとき、σj、εj、σp及びεpが、下記の式(1)及び式(2)の関係を満たす。
【選択図】なし
Description
図1は本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置は、電子写真プロセス利用のフルカラーレーザープリンタである。以下に、実施形態1及び実施形態2によって、本発明に係る画像形成装置の全体的な概略構成について述べる。ただし、以下に説明する実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、特に特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明の実施形態1に適用した画像形成装置を図1に示す。また、この画像形成装置を構成するカートリッジ11を図2に示す。この画像形成装置において、像担持体である感光体1は矢印方向に回転され、帯電装置である帯電ローラ2によって一様な電位Vdに帯電される。次に露光装置であるレーザー照射装置3からのレーザー光により露光され、その表面に静電潜像が形成される。この静電潜像を現像装置4によって現像し、トナー像として可視化する。可視化された感光体上のトナー像は、一次転写装置5によって中間転写体6に転写されたのち、二次転写装置7によって記録メディアである紙8に転写される。転写されずに感光体に残存した転写残トナーは、クリーニング装置であるクリーニングブレード9により掻き取られる。クリーニングされた感光体は上述の作用を繰り返し、画像形成を行う。一方、トナー像を転写された紙は、定着装置10によって定着された後、機外に排出される。
静電潜像を担持する像担持体としては、感光体ドラムが挙げられ、公知のプロセスにより形成することができる。感光体ドラムは、導電性基体であるシリンダ上に、正電荷注入防止層、電荷発生層、電荷輸送層の順に重ねて塗工された有機感光体の層が積層された構成である。電荷輸送層としては、例えば、ポリアリレートを用い、電荷輸送層の膜厚は23μm程度に調整される。電荷輸送層は電荷輸送材料を結着剤と共に溶剤に溶解させて形成される。有機の電荷輸送材料の例としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、及び不飽和樹脂等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種類で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
帯電装置を構成する帯電ローラは、例えば、導電性支持体である芯金上に半導電性のゴム層が設けられた構成であり、この帯電ローラの電気抵抗値は、例えば、導電性の感光体ドラムに対して200Vの電圧を印加したときに約105Ωとされる。
現像装置4は、現像剤であるトナー12と、現像剤収容部である現像容器13と、現像剤担持体である現像ローラ14と、現像ローラにトナーを供給する供給ローラ15と、現像ローラ上のトナーを規制する現像剤規制部材である規制ブレード16を備える。現像ローラに関する詳細は後述する。供給ローラは現像ローラに接触して回転し、規制ブレード16はその一端が現像ローラに当接している。
本発明の画像形成装置に用い得る現像剤としては、特に限定されないが、一成分非磁性トナーが挙げられる。一成分非磁性トナーは、結着樹脂、電荷制御剤を含むように調製され、流動化剤などを外添剤として添加することでネガ極性を有するように作製される。トナーは、重合法により作製され、平均粒径は例えば約5μmに調整される。
本発明に係る現像剤担持体は、静電潜像を担持する像担持体に接触して該静電潜像を現像剤により現像する役割を有する。以下、現像剤担持体の代表的形態である現像ローラによって本発明の現像剤担持体を詳細に説明する。図4に示すように、現像ローラは、少なくとも導電性軸芯体及び導電性弾性層を有する。また、必要に応じて表面層を有することができる。図8は現像ローラの断面図の一例を示している。
導電性軸芯体14aの材料は、導電性であればとくに限定されず、炭素鋼、合金鋼および鋳鉄、導電性樹脂の中から、適宜選択して用いることが出来る。合金鋼としては、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、Al、Cr、MoおよびVを添加した窒化用鋼が挙げられる。
導電性弾性層14bは、少なくとも樹脂j、半導電性粒子p及び導電性粒子cを含有する。導電性弾性層は、使用される装置において要求される弾性を現像ローラに付与するために設けられる。具体的な構成としては、中実体、発泡体のいずれであってもよい。また、弾性層は、単層であっても、複数の層からなっていてもよい。例えば、現像剤担持体は、感光体、及びトナーと常に圧接しているので、これらの部材間において相互に与えるダメージを低減するため、低硬度、低圧縮歪みの特性をもつ弾性層が設けられる。
樹脂jとしては、例えば以下の樹脂が挙げられる。ウレタンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンアクリロニトリル、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、ヒドリンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等から選択される1種、及び、これらの2種以上の混合物。特にウレタンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンアクリロニトリル、エピクロロヒドリンゴム等が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することが出来きる。
半導電性粒子pの材質としては、例えば以下の材料が挙げられる。シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀等の金属酸化物等。半導電性粒子pの導電率としては、1×10−11S/cm〜1×10−3S/cmであることが好ましい。
導電性粒子cの材質としては、例えば以下の材料が挙げられる。カーボンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理等を施したカラー用カーボン、熱分解カーボン;インジウムドープ酸化スズ(ITO);銅、銀、ゲルマニウム等の金属;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等。導電性粒子cの導電率としては、1×10−2S/cm〜1×103S/cmであることが好ましい。また導電性弾性層中における導電性粒子cの含有量は、5〜30質量%であることが好ましい。
現像ローラの表面粗さの目安としては、JIS B 0601:1994表面粗さの規格における中心線平均粗さRaが、0.3μm乃至5.0μmであることが好ましい。Raを0.3μm以上にすることで、より安定した現像剤のコート量を得ることができるため、均一な画像濃度を有する高品質の電子写真画像の形成に寄与する。
本発明の現像剤担持体を構成する導電性弾性層において、交流インピーダンス法により算出される樹脂j及び半導電性粒子pのそれぞれの、導電率σj及びσp並びに誘電率εj及びεpは、下記の式(1)及び式(2)の関係を有する。
なお、上記式(1)中、[S/cm]は、「ジーメンス毎センチメートル」を意味する導電率の単位であり、「S」は「1/Ω」と同義である。
本発明で用いられる物性値の測定方法を以下に示す。
コンダクタンスG、キャパシタンスC、導電率σ、及び誘電率εの測定は、交流インピーダンスアナライザ(solartron社製 1260型インピーダンスアナライザ+1296型誘電率測定インターフェイス)を用いて行なわれる。直流電圧20Vに交流電圧500mVを重畳させ、1MHz〜1Hzの周波数変化に対して複素インピーダンス特性を測定する。複素インピーダンス特性の実部Z’、虚部Z”とコンダクタンスG、キャパシタンスC、角周波数ωとの関係式(3)及び(4)を基にコンダクタンスG、キャパシタンスCの周波数特性を求める。
複素インピーダンス特性から図6に示すコンダクタンスとキャパシタンスの並列等価回路を直列に接続した等価回路モデルを用いて解析することでコンダクタンスG1〜Gn及びキャパシタンスC1〜Cnを導出する。解析はインピーダンス解析ソフトZview(solartron社製)を用いて行う。本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、図8のような構成材料により形成される現像ローラの複素インピーダンス特性は、図7に示すような軸芯体の周りに材料1の層(基層)、材料2の層(半導電性粒子pの層)、及び材料3の層(樹脂jの層)が形成された現像ローラの複素インピーダンス特性に概ね近似できることを見出した。その理由は、後述する実施例1で用いた現像ローラを基に説明すると、以下のように考えられる。
複素インピーダンス特性の解析から導出されたコンダクタンスG=σS/d及びキャパシタンスC=εS/dから、以下の関係式(5)及び(6)を用いることで導電率σ及び誘電率εを算出する。
本発明の導電性弾性層において、その構成成分を交流インピーダンス法により半導電性粒子p成分と該半導電性粒子p以外の成分uとに分離し、算出される該半導電性粒子p成分及び該半導電性粒子以外の成分uのそれぞれの、導電率σp及びσu、並びに、それぞれの誘電率εp及びεuが、下記の式(10)の関係を有することが好ましい。式(10)の関係を満たす場合は、現像剤担持体のキャパシタンスCの周波数依存性が小さくなる。結果、画像形成装置の画像形成時のプロセススピード切替時においても安定してカブリ量を抑制するという効果を得ることができる。
本発明の現像剤担持体が導電性弾性層の上に表面層を有する場合、該表面層を構成する材料としては樹脂jと同様の樹脂を用いることができる。
本発明に係る現像剤担持体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、導電性弾性層を形成するための材料を溶媒中に分散混合して塗料化し、この塗料を導電性軸芯体上に塗工し、得られた塗膜を乾燥固化または硬化させる方法が挙げられる。分散混合には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル、の如き公知のメディア分散装置や、衝突型微粒化法や薄膜旋回法を利用した公知のメディアレス分散装置が好適に利用可能である。また得られた塗料の塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、静電塗布法等の公知の方法が適用可能である。
本実施形態1の画像形成装置による画像形成は、例えば以下の方法にて行うことができる。
図3は本発明の第二の実施形態のプロセスカートリッジを示す概略構成図である。本実施形態の画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザプリンタである。前述の実施形態1の画像記録装置と同様の点については再度の説明を省略し、異なる点について述べる。本形態において特徴的な点は、クリーニングブレードを配置せずに、転写残トナーをリサイクルすることにある。転写残トナーが帯電などのほかのプロセスに悪影響を及ぼさないように循環させて、トナーを現像器に回収する。具体的には、実施形態1に対し以下の構成が変更されている。
図4に示す構造の現像ローラを、以下のように作製した。
導電性軸芯体14aとして外径6mm、長さ26.5mmのSUS22製の芯金にニッケルメッキを施し、さらにプライマ−DY35−051(商品名、東レダウコーニングシリコーン社製)を塗布、焼付けしたものを用いた。その周囲に、導電性粒子及び半導電性粒子が配合された導電性のゴム層14bを設け、現像ローラ14の外径を11.5mmとした。ゴム層(導電性弾性層)の材質は、1層目をシリコーンゴム層(厚み2.74mm)、2層目をウレタン層(厚み10μm)とした。ウレタン層は、半導電性粒子であるZnO粒子、導電性粒子であるカーボンブラック粒子及びウレタン樹脂で形成した。
前記導電性軸芯体を内径11.48mmの円筒状金型中に同心となるように配置し、下記表1に示す配合の付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。充填剤であるシリカ粉体の量は現像ローラ全体の硬度調整のために調整した。
ポリテトラメチレングリコールPTG1000SN(商品名、保土谷化学社製)100質量部に、イソシアネート化合物ミリオネートMT(商品名、日本ポリウレタン工業社製)20質量部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で段階的に混合した。混合溶液を、窒素雰囲気下80℃にて7時間反応させて、水酸基価が20[mgKOH/g]のポリエーテルポリオールを作製した。
窒素雰囲気下、数平均分子量400のポリプロピレングリコール(商品名エクセノール、旭硝子社製)100質量部に対し、粗製MDI(商品名コスモネートM−200、三井化学ポリウレタン社製)57質量部を90℃で2時間加熱反応した。その後、ブチルセロソルブを固形分が70質量%になるように加え、単位固形分当たりに含有されるNCO基の質量比率が5.0質量%のイソシアネート化合物を得た。その後、反応物温度50℃の条件下、MEKオキシムを22質量部滴下し、ブロックポリイソシアネートを得た。
上記のようにして作製したポリオールに対し、ブロックポリイソシアネートをNCO/OH基比が1.4になるように混合し、樹脂成分である「ポリウレタンA」の原料を得た。この混合物の樹脂固形分100質量部に対し、下記表2に示すカーボンブラック粒子及びZnO粒子(A)を混合し、ZnO粒子とカーボンブラック粒子の体積分率を同じ値に調整し、これらの総固形分が40質量%になるようにMEK中に溶解もしくは分散して、混合した。この混合液を、0.5mmの粒径のガラスビースを用いてサンドミル中において6時間分散・混合してウレタン層形成用の塗工液を作製した。
上記のようにして得られたウレタン層形成用の塗工液を、ディッピング塗工装置の塗工液槽中に入れ、前記シリコーン層付きローラをその長手方向を鉛直方向にしてその最上部を把持して、塗工液槽中に浸漬し、次いで塗工液槽中から該ローラを引き上げた。引き上げ速度等の条件は、ウレタン層の膜厚が所望の値になる様、適宜設定した。このようにして得られた、シリコーン層上にウレタン層を塗工したローラを、室温で30分風乾後、140℃の熱風循環オーブン中にて2時間30分加熱処理することで、シリコーン層の表面上にポリウレタン層を有する現像ローラを得た。
本実施例の現像ローラにおいて樹脂jはウレタン樹脂(ポリウレタンA)、半導電性粒子pはZnO粒子(A)、基層はシリコーンゴムである。該現像ローラの交流インピーダンス法により算出される、樹脂j、半導電性粒子pの、それぞれの導電率σj及びσpの値は、1.2×10−10S/cm及び1.4×10−9S/cmであり、また、それぞれの誘電率εj及びεpの値は、20及び8であった。これらの電気パラメータは関係式(1)及び(2)を満たす。
本実施例において、複素インピーダンス法により算出された樹脂j及び基層bの各パラメータは、Gj=3.9×10−6[S]、Cj=6.8×10−10[F]、Gb=7.7×10−4[S]、Cb=5.9×10−11[F]であり、Gu/Cu=5.7×103[S/F]、σu/εu=5.1×10−10[S/cm]であった。
半導電性粒子pとしてSiO2粒子(商品名:MSP−009、テイカ社製、粒径80nm)を22質量部用いた。ウレタン樹脂に分散するカーボンブラック粒子とSiO2粒子の体積が等しくなるように調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラ2を作製した。
シリコーンゴム層(厚み2.74mm)の外周には、被覆層として粗し粒子と導電剤を分散させたウレタン樹脂層(厚み10μm)コーティングした。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラC1を作製した。
2層目のウレタン層中に含有させる半導電性粒子pとして、TiO2粒子(商品名:MT−700B、テイカ社製、粒径80nm)を用い、ポリオール100質量部に対して33質量使用した。TiO2粒子の使用量はウレタン中に分散するカーボンブラック粒子とTiO2粒子の体積が等しくなるように調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラC2を作製した。
2層目のウレタン層中に含有させる半導電性粒子pとして、ZnAlO粒子(商品名:Pazet CK、ハクスイテック社、粒径35nm)を用い、ポリオール100質量部に対して50質量部使用した。ZnAlO粒子の使用量はウレタン中に分散するカーボンブラック粒子とZnAlO粒子の体積が等しくなるように調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラ3を作製した。
実施例1において用いたポリオールとブロックポリイソシアネートをNCO/OH基比が0.9とになるように混合して、樹脂成分である「ポリウレタンB」の原料を得た。ウレタン原料としてこのウレタン原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして現像ローラ4を作製した。
2層目のウレタン層中に含有させる半導電性粒子pとして、ZnGaO粒子(商品名:Pazet GK−40、ハクスイテック社、粒径35nm)を用い、ポリオール100質量部に対して50質量部使用した。ZnGaO粒子の使用量はウレタン中に分散するカーボンブラック粒子とZnGaO粒子の体積が等しくなるように調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラC3を作製した。
2層目のウレタン層中に含有させる半導電性粒子pとして、Al2O3粒子(商品名:セラフ、キンセイマテック社、粒径35nm)を用い、ポリオール100質量部に対して50質量部使用した。Al2O3粒子の使用量は、ウレタン中に分散するカーボンブラック粒子とAl2O3粒子の体積が等しくなるように調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラC4を作製した。
2層目のウレタン層中に含有させる半導電性粒子pとして、ZnO粒子(B)(商品名:LPZINC−2、堺化学製、体積平均粒径2μm)を用い、ポリオール100質量部に対して50質量部使用した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラ5を作製した。
2層目のウレタン層形成用の樹脂としてウレタン樹脂(製品名:ユリアーノ、型番:KL−593、荒川化学工業社製)を「ポリウレタンC」の原料として用いた。また、樹脂に含有させる半導電性粒子と導電性粒子は実施例1と同じものを用いた。上記ウレタン樹脂100質量部に対して、カーボンブラック粒子1.8質量部、ZnO粒子(A)5.4質量部を混合し総固形分が40質量%になるようにイソプロピルアルコールを加えた。この混合液に0.5mmの粒径のガラスビーズを混合しサンドミル中において6時間分散・混合してウレタン層形成用の塗工液を作製した。上記のようにして得られたウレタン層形成用の塗工液を、ディッピング塗工装置も用いて前記シリコーン層上に浸漬塗工し、室温で30分風乾後、80℃の熱風循環オーブンにて30分加熱処理することでウレタン層を形成した。以上のこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ6を作製した。
2層目のウレタン層形成用の樹脂として実施例6と同じウレタン樹脂を用いた。また、樹脂に含有させる半導電性粒子として実施例5と同じZnO粒子(B)を、導電性粒子として実施例1と同じカーボンブラック粒子を用いた。上記ウレタン樹脂100質量部に対して、カーボンブラック粒子1.8質量部、ZnO粒子(B)5.4質量部を混合し総固形分が40質量%になるようにイソプロピルアルコールを加えた。以上のこと以外は実施例6と同様にして現像ローラ7を作製した。
導電性弾性層の材質は、1層目をシリコンゴム層(厚み3.0mm),2層目をウレタン中間層(厚み9μm)、3層目をウレタン最表層(厚み1μm)とした。2層目、3層目の導電性弾性層中に含有させる半導電性粒子p、及び導電性粒子cとして、実施例7と同じ材料を用いた。ウレタン中間層は「ポリウレタンC」の原料100質量部に対しZnO粒子(B)5.4質量部、カーボンブラック粒子1.8質量部を含有させた。また、ウレタン最表層では「ポリウレタンC」の原料100質量部に対しZnO粒子(B)10.8質量部、カーボンブラック粒子1.8質量部を含有させた。これら以外の条件は実施例7と同様にして現像ローラ8を作製した。尚、ウレタン中間層、ウレタン最表層の膜厚はそれぞれ、成膜時のローラの引き上げ速度を調整することで所望の膜厚になるよう調整した。
実施例1〜8及び比較例1〜4において製造された各現像ローラを、それぞれ、図2に示す実施形態1のカートリッジ、及び、図3に示す実施形態2のカートリッジに取り付けて、以下の画像評価を行った。評価結果を表3に示す。
(耐久カブリ評価)
カブリ量の評価方法は以下のように行った。
A:カブリ量が1.0%未満である。
B:カブリ量が1.0以上3.0%未満である。
C:カブリ量が3.0以上5.0%未満である。
D:カブリ量が5.0以上7.0%未満である。
E:カブリ量が7.0以上である。
(2−1.クリーナレス時の低速モードでの耐久カブリ評価)
本評価は、実施形態1における印字テスト3000枚後の低速モード(60mm/sec)にて実施した「耐久カブリ」の評価を実施した。本評価は実施形態1における耐久カブリ評価に準ずる。
本評価は画像形成装置を評価環境(温度30℃、相対湿度80%)にて24時間放置し、当該環境になじませた後、100枚印字後に行った。100枚の印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。画像評価は中間調画像を1枚印字する。つぎに幅2cmの縦帯の画像を連続10枚通紙し、11枚目も連続通紙にて中間調画像濃度を印字する。さらに、幅2cmの縦帯の画像を連続20枚通紙し、21枚目も連続通紙にて中間調画像濃度を印字する。印字テスト及び評価画像は単色であり、通常紙モード(120mm/sec)にて出力した。評価結果を以下の基準でA〜Cにランク付けした。
A:1枚目と21枚目の中間調画像における濃度差が、目視により認識できない。
B:1枚目と21枚目の中間調画像における濃度差が、目視により認識できるが、1枚目と11枚目の中間調画像における濃度差が、目視により認識できない。
C:1枚目と11枚目の中間調画像における濃度差が、目視により認識できる。
[1.従来技術に対する本発明の優位性]
まず従来技術である比較例1に対する本発明の優位性について述べる。実施形態1において実施例1に比べ比較例1はカブリ量が増加する。その理由について述べる。電荷を有したトナーは現像ローラにより感光体ドラムと当接する現像部へと搬送される。ベタ白印字中、トナー上の電荷は、感光体ドラム−現像ローラ当接間において、現像ローラ側へ流れる方向に電界が働いている。高湿環境下では、トナーと現像ローラのそれぞれの抵抗が低下するため、現像ローラ側へ電荷の減衰が顕著に発生しやすい状況となる。加えて、耐久運転後はトナーの劣化によりトナーの帯電性が低下するため、現像部でのトナー電荷減少を生じると電界による制御が困難となり、感光体ドラムの白字印字領域へのトナーの転移が加速し、カブリが増加する。比較例1は、上記理由によりカブリ量が増加する。また現像ローラの高抵抗化では濃度や階調性が変化するのに対し、本発明は平均抵抗を適正な値に維持し、トナー電荷の減衰を抑制するので、画像の変動なしに、カブリ量を著しく抑制することができる。
つぎに比較技術と対比することで、本発明の優位性について述べる。
本発明内における効果を述べるため、実施例1〜8を比較する。実施例1〜8は全て関係式(1)及び(2)を満たしているため、従来技術である比較例1に比べ現像ローラ全体の容量を小さくでき、実施形態1における耐久カブリの評価は良好である。一方、実施形態2においてはVbackが大きいため、現像ローラ側へトナー上の電荷が減衰しやすい状態であり、軽微の耐久カブリ(低速)の増加が認められる。その理由について以下で述べる。
吸水量の測定は熱量計測定装置Q5000型(TAインスツルメント社製)を用いて行った。現像ローラを長手方向に幅1mmで切り出し、(図20(a)参照)その後、切断面において幅方向に8mm、厚み方向に表面から1.6mmで切り出した切片を吸水量の測定に用いるサンプル片とした(図20(b)参照)。測定条件を図19に示す。温度15℃、相対湿度10%から温度30℃、相対湿度80%までの吸水性を評価する指標として、温度15℃、相対湿度10%の時のサンプル質量M0、及び温度30℃、相対湿度80%の時のサンプル質量M1を用いて以下のように吸水率を定義した。
吸水率[%]=(M1−M0)/M0×100
本発明者は鋭意検討の結果、上記方法で測定された吸水率が0.045%以下になるウレタン樹脂を使用した場合は高温多湿環境(温度30℃、相対湿度80%)において低導電率、低誘電率の特性を示すことを確認した。
2:帯電ローラ
3:レーザー照射装置
4:現像装置
5:一次転写装置
6:中間転写体
7:二次転写装置
8:紙
9:クリーニングブレード
10:定着装置
11:カートリッジ
12:トナー
13:現像容器
14:現像ローラ
14a:芯金電極
14b:弾性層
15:供給ローラ
15a:芯金電極
15b:発泡ウレタン層
16:規制ブレード
Claims (5)
- 導電性の軸芯体及び導電性の弾性層を有する現像剤担持体であって、
該弾性層は、樹脂j、半導電性粒子p及び導電性粒子cを含有し、
交流インピーダンス法により算出される該樹脂jの導電率をσj、誘電率をεjとし、
該半導電性粒子pの導電率をσp、誘電率をεpとしたとき、
σj、εj、σp及びεpが、下記の式(1)及び式(2)の関係を満たすことを特徴とする現像剤担持体。
- 前記導電性弾性層において、その構成成分を前記交流インピーダンス法により半導電性粒子p成分と該半導電性粒子p以外の成分uとに分離し算出される、該半導電性粒子p成分の導電率をσp、誘電率をεpとし、該半導電性粒子以外の成分uの導電率をσu、誘電率をεuとしたとき、下記の式(10)の関係を有する請求項1に記載の現像剤担持体。
- 前記導電性弾性層中に含有された前記樹脂j、前記半導電性粒子p及び前記導電性粒子cが、それぞれウレタン樹脂、酸化亜鉛粒子及びカーボン粒子である請求項1または請求項2に記載の現像剤担持体。
- 前記導電性弾性層中における前記酸化亜鉛粒子の体積占有率が、該導電性弾性層の表面近傍ほど大きい請求項3に記載の現像剤担持体。
- 静電潜像を担持する像担持体と、現像剤を担持し該像担持体に接触して該静電潜像を該現像剤により現像する現像剤担持体と、を有する画像形成装置であって、該現像剤担持体が請求項1〜4のいずれかの一項に記載の現像剤担持体である画像形成装置。
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