JP2016027395A - 現像担持体及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な現像性を維持したまま、通紙速度の依存が小さく、経時的に安定してカブリ量を抑制することができる現像剤担持体を提供する。
【解決手段】導電性の軸芯体及び導電性の弾性層を有する現像剤担持体であって、該弾性層は、樹脂j、半導電性粒子p及び導電性粒子cを含有し、交流インピーダンス法により算出される該樹脂jの導電率をσ、誘電率をεとし、該半導電性粒子pの導電率をσ、誘電率をεとしたとき、σ、ε、σ及びεが、下記の式(1)及び式(2)の関係を満たす。

【選択図】なし

Description

本発明は、現像担持体及びこれ用いた画像形成装置に関する。
電子写真プロセスを用いたレーザプリンタ等の画像形成装置において、従来の一成分トナーを用いた現像方式としては、弾性層を有する現像ローラを用いた接触現像方式が提案されている。図2は、弾性層を有する現像ローラを用いた接触現像方式を採用した画像形成装置の構成を示す模式図である。弾性ローラである現像ローラ14で非磁性現像剤を担持し、該現像ローラを感光体ドラム1の表面に接触させることで現像を行う。現像ローラへの現像剤の供給は、現像ローラに接触する供給ローラ15により行う。供給ローラは、現像容器13内から現像剤を搬送し、現像ローラに付着させるとともに、現像ローラに残った現像剤を一旦除去する機能も担う。現像ローラ上に付着した現像剤の層厚規制及び摩擦帯電による電荷付与は、トナー規制部材16を現像ローラに当接することにより行う。トナー規制部材としては、金属薄板を片持ちで支持し、その対向部の腹面を現像ローラに当接するブレード形状のものを用いることが提案されている。トナー規制部材により現像ローラ上にコートされた現像剤は、現像ローラ上に印加されたバイアスの電位により、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像する。
特許文献1は、感光体と現像ローラが接触する領域で、トナー粒子の電荷が失われる、あるいは、その極性が反転することで、カブリが悪化すると記載している。
特公平7−31454号
高湿環境下において、トナーに対する帯電付与性が低下することが知られている。特にトナー規制部材との摩擦帯電によりトナーへの電荷付与を行う1成分接触現像方式においては、トナーが電荷を得る機会が非常に少ないため、トナーの電荷付与性の低下の影響が大きい。その結果、トナーに対する帯電付与性の低下に起因する課題、たとえば、カブリ量の増加が発生する。「カブリ」とは、本来印字しない白部(非印字部)においてトナーがわずかに現像されて地汚れのように現れる画像不良のことであり、トナーに対する帯電付与性の低下に起因する課題である。また、感光体と現像ローラがトナーを介して接触する領域において、非印字部では、電荷を与えられたトナーには感光体ドラムから現像ローラへと向かう力が働く電圧が印加されている。特許文献1は、感光体と現像ローラが接触する電圧印加領域において、上述のように印加された電圧により、トナーの電荷が現像ローラ側へ逃げ、トナー電荷の減衰に起因するカブリ量が増加すると考察している。カブリ量の抑制方法として現像ローラの体積抵抗値を大きくすることが提案されている。しかしながら、単に体積抵抗値を大きくすると、濃度薄など現像性の悪化が生じる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な現像性を維持したまま、通紙速度の依存が小さく、経時的に安定してカブリ量を抑制可能な現像剤担持体及び画像形成装置を提供することである。
本発明によれば、導電性の軸芯体及び導電性の弾性層を有する現像剤担持体であって、該弾性層は、樹脂j、半導電性粒子p及び導電性粒子cを含有し、交流インピーダンス法により算出される該樹脂jの導電率をσ、誘電率をεとし、該半導電性粒子pの導電率をσ、誘電率をεとしたとき、σ、ε、σ及びεが、下記の式(1)及び式(2)の関係を満たす現像剤担持体が提供される。
また本発明によれば、静電潜像を担持する像担持体と、現像剤を担持し該像担持体に接触して該静電潜像を該現像剤により現像する現像剤担持体と、を有する画像形成装置であって、該現像剤担持体が前記現像剤担持体である画像形成装置が提供される。
本発明によれば、良好な現像性を維持したまま、通紙速度の依存が小さく、経時的に安定してカブリ量を抑制可能な現像剤担持体及び画像形成装置を提供することができる。
本発明に係る画像形成装置の概略図である。 実施形態1に係るプロセスカートリッジの概略図である。 実施形態2に係るプロセスカートリッジの概略図である。 本発明に係る現像剤担持体(現像ローラ)の概略図である。 ローラの交流インピーダンス測定を説明する図である。 現像ローラの等価回路モデルである。 弾性層が3層構造からなる現像ローラモデルの断面概略図である。 導電性弾性層が樹脂、半導電性粒子及び導電性粒子を含有する現像ローラの概略図である。 導電率、誘電率の算出方法を説明するための現像ローラの断面概略図である。 現像ローラと感光体ドラムとの当接部通過前後のトナー電荷の変化量を示す図である。 実施例1〜3及び比較例1におけるキャパシタンスの周波数特性図である。 実施例1における導電パスを説明する概略図である。 σ>σの時の導電パスを説明する概略図である。 σ>0.05S/cmの時の導電パスを説明する概略図である。 現像ローラと感光体ドラムとの間のトナー電荷減衰を説明する概略図である。 半導電性粒子p成分以外の成分の合成を説明する概略図である。 電荷の充電過程の違いを説明する概略図である。 実施例1及び6における吸水量の測定結果を示す図である。 吸水量の測定における温湿度条件を示す図である。 吸水量の測定に用いた現像ローラのサンプル片の作製方法を示す図である。
以下に本発明が適用される現像剤担持体及び画像形成装置について詳細に説明する。
〔画像形成装置〕
図1は本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置は、電子写真プロセス利用のフルカラーレーザープリンタである。以下に、実施形態1及び実施形態2によって、本発明に係る画像形成装置の全体的な概略構成について述べる。ただし、以下に説明する実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、特に特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
≪実施形態1≫
本発明の実施形態1に適用した画像形成装置を図1に示す。また、この画像形成装置を構成するカートリッジ11を図2に示す。この画像形成装置において、像担持体である感光体1は矢印方向に回転され、帯電装置である帯電ローラ2によって一様な電位Vdに帯電される。次に露光装置であるレーザー照射装置3からのレーザー光により露光され、その表面に静電潜像が形成される。この静電潜像を現像装置4によって現像し、トナー像として可視化する。可視化された感光体上のトナー像は、一次転写装置5によって中間転写体6に転写されたのち、二次転写装置7によって記録メディアである紙8に転写される。転写されずに感光体に残存した転写残トナーは、クリーニング装置であるクリーニングブレード9により掻き取られる。クリーニングされた感光体は上述の作用を繰り返し、画像形成を行う。一方、トナー像を転写された紙は、定着装置10によって定着された後、機外に排出される。
図2に示すように、感光体1と、帯電ローラ2と、現像装置4と、クリーニングブレード9とは、一体に構成され、画像形成装置の本体に対し着脱可能なカートリッジ11として構成されている。画像形成装置の本体にはカートリッジ11の装着部が4つ用意されている。そして中間転写体6の移動方向の上流側から、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが充填されたカートリッジが装着されており、中間転写体に順次転写することでカラー画像を形成することができる。
〔像担持体〕
静電潜像を担持する像担持体としては、感光体ドラムが挙げられ、公知のプロセスにより形成することができる。感光体ドラムは、導電性基体であるシリンダ上に、正電荷注入防止層、電荷発生層、電荷輸送層の順に重ねて塗工された有機感光体の層が積層された構成である。電荷輸送層としては、例えば、ポリアリレートを用い、電荷輸送層の膜厚は23μm程度に調整される。電荷輸送層は電荷輸送材料を結着剤と共に溶剤に溶解させて形成される。有機の電荷輸送材料の例としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、及び不飽和樹脂等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種類で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
〔帯電装置〕
帯電装置を構成する帯電ローラは、例えば、導電性支持体である芯金上に半導電性のゴム層が設けられた構成であり、この帯電ローラの電気抵抗値は、例えば、導電性の感光体ドラムに対して200Vの電圧を印加したときに約10Ωとされる。
〔現像装置〕
現像装置4は、現像剤であるトナー12と、現像剤収容部である現像容器13と、現像剤担持体である現像ローラ14と、現像ローラにトナーを供給する供給ローラ15と、現像ローラ上のトナーを規制する現像剤規制部材である規制ブレード16を備える。現像ローラに関する詳細は後述する。供給ローラは現像ローラに接触して回転し、規制ブレード16はその一端が現像ローラに当接している。
供給ローラ15は、導電性軸心体である芯金電極15aの周囲に、発泡ウレタン層15bが設けられた構成である。芯金電極の外径は、例えば5.5mmである。発泡ウレタン層を含んだ供給ローラ全体の外径は、例えば13mmである。供給ローラと現像ローラの侵入量は1.2mmである。供給ローラは、現像ローラとの当接部において、お互いが逆方向の速度を持つような方向に回転する。発泡ウレタン層には、この周囲に存在するトナー12の粉圧が作用し、さらに供給ローラが回転することで、トナーが発泡ウレタン層内に取り込まれる。トナーを含んだ供給ローラは、現像ローラとの当接部において現像ローラにトナーを供給し、さらに摺擦することでトナーに予備的な摩擦帯電電荷を与える。一方、現像ローラへトナー供給を行う供給ローラは、現像部で現像されずに現像ローラ上に残留したトナーを引きはがす役割も有する。
供給ローラから現像ローラへ供給されたトナーは、規制ブレードに達し、所望の帯電量とトナー層厚に調整される。規制ブレードは、例えば、厚さ80μmのSUSブレードであり、現像ローラの回転に逆らう向きに配置されている。この規制ブレードにより、現像ローラ上のトナー量が規制され、均一なトナー層厚を得るとともに、摺擦による摩擦帯電により所望の電荷量を得る。また、規制ブレードには、例えば、現像ローラに対して−200Vの電位差を有して電圧が印加される。この電位差は、トナーコート層を安定化させるためのものである。
規制ブレードにより現像ローラ上に形成されたトナー層は、感光体ドラムと当接する現像部へ搬送され、現像部において、反転現像が行われる。当接位置において、現像ローラの端部の不図示のコロによって、現像ローラの感光体ドラムへの侵入量は、例えば40μmに設定される。感光体ドラムに押しつけられることにより現像ローラの表面は変形することで、現像ニップを形成し、安定した当接状態により現像を行うことができる。現像ローラは感光体ドラムとその現像ニップにおいて、感光体ドラムに対して117%の周速比を持って同方向に回転する。このような周速差を設ける理由は、現像するトナー量を安定させる役割を有する。
〔現像剤〕
本発明の画像形成装置に用い得る現像剤としては、特に限定されないが、一成分非磁性トナーが挙げられる。一成分非磁性トナーは、結着樹脂、電荷制御剤を含むように調製され、流動化剤などを外添剤として添加することでネガ極性を有するように作製される。トナーは、重合法により作製され、平均粒径は例えば約5μmに調整される。
〔現像剤担持体〕
本発明に係る現像剤担持体は、静電潜像を担持する像担持体に接触して該静電潜像を現像剤により現像する役割を有する。以下、現像剤担持体の代表的形態である現像ローラによって本発明の現像剤担持体を詳細に説明する。図4に示すように、現像ローラは、少なくとも導電性軸芯体及び導電性弾性層を有する。また、必要に応じて表面層を有することができる。図8は現像ローラの断面図の一例を示している。
(導電性軸芯体)
導電性軸芯体14aの材料は、導電性であればとくに限定されず、炭素鋼、合金鋼および鋳鉄、導電性樹脂の中から、適宜選択して用いることが出来る。合金鋼としては、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、Al、Cr、MoおよびVを添加した窒化用鋼が挙げられる。
(導電性弾性層)
導電性弾性層14bは、少なくとも樹脂j、半導電性粒子p及び導電性粒子cを含有する。導電性弾性層は、使用される装置において要求される弾性を現像ローラに付与するために設けられる。具体的な構成としては、中実体、発泡体のいずれであってもよい。また、弾性層は、単層であっても、複数の層からなっていてもよい。例えば、現像剤担持体は、感光体、及びトナーと常に圧接しているので、これらの部材間において相互に与えるダメージを低減するため、低硬度、低圧縮歪みの特性をもつ弾性層が設けられる。
[樹脂j]
樹脂jとしては、例えば以下の樹脂が挙げられる。ウレタンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンアクリロニトリル、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、ヒドリンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等から選択される1種、及び、これらの2種以上の混合物。特にウレタンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンアクリロニトリル、エピクロロヒドリンゴム等が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することが出来きる。
[半導電性粒子p]
半導電性粒子pの材質としては、例えば以下の材料が挙げられる。シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀等の金属酸化物等。半導電性粒子pの導電率としては、1×10−11S/cm〜1×10−3S/cmであることが好ましい。
[導電性粒子c]
導電性粒子cの材質としては、例えば以下の材料が挙げられる。カーボンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理等を施したカラー用カーボン、熱分解カーボン;インジウムドープ酸化スズ(ITO);銅、銀、ゲルマニウム等の金属;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等。導電性粒子cの導電率としては、1×10−2S/cm〜1×10S/cmであることが好ましい。また導電性弾性層中における導電性粒子cの含有量は、5〜30質量%であることが好ましい。
また導電性付与剤として例えば以下のイオン導電性物質が挙げられる。過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン導電物質;変性脂肪酸ジメチルアンモニウムエトサルファート、ステアリン酸アンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート、オクタデシルトリメチルアンモニウム過塩素酸塩等の有機イオン導電性物質。
前記導電性弾性層に含有された樹脂j、半導電性粒子p及び導電性粒子cは、それぞれウレタン樹脂、酸化亜鉛粒子及びカーボン粒子であることが好ましい。このような材料の組み合わせによって形成される導電性弾性層は、本発明における効果を安定して得られるとともに、安価に作製可能であるという利点を有する。
また前記構成の導電性弾性層における酸化亜鉛粒子の体積占有率は、導電性弾性層の表面近傍ほどより大きいことが好ましい。導電性弾性層中に酸化亜鉛粒子をこのように配置することによって、現像剤担持体のキャパシタンスを小さくすることにより、トナー電荷の減衰を抑制する効果に加え、酸化亜鉛粒子によるトナーへの電荷付与性能が向上する。その結果、効果的に著しくカブリを抑制することができる。
[表面粗さ]
現像ローラの表面粗さの目安としては、JIS B 0601:1994表面粗さの規格における中心線平均粗さRaが、0.3μm乃至5.0μmであることが好ましい。Raを0.3μm以上にすることで、より安定した現像剤のコート量を得ることができるため、均一な画像濃度を有する高品質の電子写真画像の形成に寄与する。
[導電率及び誘電率]
本発明の現像剤担持体を構成する導電性弾性層において、交流インピーダンス法により算出される樹脂j及び半導電性粒子pのそれぞれの、導電率σ及びσ並びに誘電率ε及びεは、下記の式(1)及び式(2)の関係を有する。
上記の式(1)のσ<σを満たすことにより半導電性粒子pを通る導電パスを形成し、かつ、σ<0.05S/cmを満たすことにより半導電性粒子pの誘電特性を導電パスに作用させることが可能となる。加えて、上記の式(2)の関係を満たすことから、半導電性粒子pの誘電特性が現像剤担持体のキャパシタンスCを低下させるという効果を得ることができる。その結果、トナーの電荷の減衰及びカブリを抑制することが可能となる。
なお、上記式(1)中、[S/cm]は、「ジーメンス毎センチメートル」を意味する導電率の単位であり、「S」は「1/Ω」と同義である。
本発明における導電性弾性層の膜厚は、半導電性粒子pの粒径よりも大きくすることが好ましい。該膜厚を半導電性粒子pの粒径よりも大きくすることで、効果的にトナー電荷の減衰を抑制することができる。また、導電性弾性層の膜厚は、現像剤担持体の外径の0.01倍より小さいこと、特には、0.003倍よりも小さいことが好ましい。導電性弾性層の膜厚を現像剤担持体の外径に対して0.01倍より小さくすることで、動径方向の広がりの影響を抑え、トナー電荷の減衰の抑制効果をより確実に享受し得る。
導電性粒子c、半導電性粒子p及び、樹脂jの各体積分率をVc、Vp及びVjとすると、VpのVcに対する比Vp/Vcは0.5よりも大きいことが好ましい。Vp/Vcを0.5よりも大きくすることで、導電パスを通る半導電性粒子pの割合が小さくなることを抑え、現像剤担持体のキャパシタンスを小さくすることができる。また、VpのVjに対する比Vp/Vjは0.3よりも大きく、0.8より小さいことが好ましい。Vp/Vjを0.3よりも大きくすることで、半導電性粒子pの割合が樹脂jに対して小さくなることを抑え、現像残担持体のキャパシタンスを小さくすることができる。また、Vp/Vjを0.8より小さくすることで、半導電性粒子p同士の凝集を抑え、樹脂j内での均一な分散を容易とし、効果的に現像剤担持体のキャパシタンスを小さくすることができる。本発明における現像剤担持体のキャパシタンスを小さくする効果を得るためには、Vp/Vjが0.4よりも大きく、0.7より小さいことがより好ましい。
現像剤担持体の抵抗値は、2×10Ω〜5×10Ωであることが望ましい。2×10Ω以上であると、弾性層に流れる電流が多くなり、必要な電流量が大きくなり過ぎることを抑制できる。また、5×10Ω以下とすることで、現像時に流れる電流が阻害され難くなる。本発明に用いられる現像剤担持体の抵抗値は、導電性粒子の添加量の調整により、例えば5×10Ωに設定される。
該現像剤担持体の抵抗値は複素インピーダンス特性の測定結果から算出する。図6に示すコンダクタンスとキャパシタンスの並列等価回路を直列に接続した等価回路モデルを用いて解析を行い、複素インピーダンス特性の実部Z’の角周波数ωが0になる値を導出し、これを現像剤担持体の抵抗値とする。複素インピーダンス特性の測定は現像剤担持体を評価環境(温度30℃、相対湿度80%)で12時間放置したあと、上記環境下で行う。複素インピーダンス特性の測定に関する参考文献としては「K.S.Zhao, K.Asaka, K. Asami, T.Hanai, Bull. Inst. Chem.Res.,Kyoto Univ.,67 225 (1989)」が挙げられる。
<コンダクタンス、キャパシタンス特性の測定方法>
本発明で用いられる物性値の測定方法を以下に示す。
コンダクタンスG、キャパシタンスC、導電率σ、及び誘電率εの測定は、交流インピーダンスアナライザ(solartron社製 1260型インピーダンスアナライザ+1296型誘電率測定インターフェイス)を用いて行なわれる。直流電圧20Vに交流電圧500mVを重畳させ、1MHz〜1Hzの周波数変化に対して複素インピーダンス特性を測定する。複素インピーダンス特性の実部Z’、虚部Z”とコンダクタンスG、キャパシタンスC、角周波数ωとの関係式(3)及び(4)を基にコンダクタンスG、キャパシタンスCの周波数特性を求める。
複素インピーダンス特性の測定における現像剤担持体の概略を図5に示す。現像剤担持体の表面に幅15mmの導電テープを図5に示すように1mm間隔に3本巻き、3本の導電テープのうち中央に位置する導電テープD2と現像剤担持体の軸芯体を主電極とし、外側2本の導電テープD1及びD3をガード電極として測定に用いる。複素インピーダンス特性の測定は現像剤担持体を評価環境(温度30℃、相対湿度80%)で12時間放置したあと、上記環境下で行う。
<複素インピーダンス特性の等価回路モデル>
複素インピーダンス特性から図6に示すコンダクタンスとキャパシタンスの並列等価回路を直列に接続した等価回路モデルを用いて解析することでコンダクタンスG〜G及びキャパシタンスC〜Cを導出する。解析はインピーダンス解析ソフトZview(solartron社製)を用いて行う。本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、図8のような構成材料により形成される現像ローラの複素インピーダンス特性は、図7に示すような軸芯体の周りに材料1の層(基層)、材料2の層(半導電性粒子pの層)、及び材料3の層(樹脂jの層)が形成された現像ローラの複素インピーダンス特性に概ね近似できることを見出した。その理由は、後述する実施例1で用いた現像ローラを基に説明すると、以下のように考えられる。
実施例1のように現像ローラの導電性弾性層を構成する材料が主にカーボン、樹脂としてのウレタン、半導電性粒子を含有する系である場合の電流の導電パスは、図12(a)のように単純にはカーボン−樹脂間、カーボン−半導電性粒子間、樹脂−半導電性粒子間等の導電パスの足し合わせにより形成されると考えられる。一方、ローラ全体のキャパシタンスCtotはCtot(C,・・・C,G,・・・G)により表記されるが、10μm程度の表層中に各導電パスが含まれる場合、動径方向の広がりの影響は平面で近似でき、添え字に対してほぼ等価であるため、図12(b)に示すように各導電パスに相当する層の順番を入れ替えてもCtotが変わらない。そのため、図12(b)のような一連の導電パスに同じ種類のパスが混在する場合、図12(c)に示すように同じ種類の導電パスを1つにまとめることができる。実施例1にて用いられる現像ローラにおいては、表層のみでは2層モデル(ウレタン、半導電性粒子P)、基層のシリコーン樹脂層を含めると3層モデル(シリコーン樹脂層が追加される)に帰属することができる。ここで、カーボンは低抵抗であり、導体としてみなすことができるため、ローラ全体の電気的特性の解析への影響度が小さいと推察する。従って、本例のような現像ローラの場合の複素インピーダンス特性は、図12(c)に示すような3層モデルにより解析可能であり、具体的にはコンダクタンスとキャパシタンスの並列等価回路を直列に3つ接続した(3相の)等価回路モデルにて解析することができる。本例においては、半導電性粒子pが形成する層の算出としては、誤差10%以下のとき、帰属可能であるとした。
つぎに、導出した各コンダクタンスGi及びキャパシタンスCiに対応する導電率σi及び誘電率εiの導出方法について述べる。
<導電率σ、誘電率εの導出方法>
複素インピーダンス特性の解析から導出されたコンダクタンスG=σS/d及びキャパシタンスC=εS/dから、以下の関係式(5)及び(6)を用いることで導電率σ及び誘電率εを算出する。
関係式(5)及び(6)のパラメータa、b、xについて図7を例にして以下に説明する。図7に示す樹脂14jの導電率σを算出するためには、関係式(5)に上記解析方法で導出したコンダクタンスG、パラメータaには軸芯体の中心からの基層表面までの距離、パラメータbには軸芯体の中心から該樹脂jの層の表面までの距離、パラメータxには図5に示す導電テープD2の幅(=1.5×10−2[m])を代入する。誘電率εを算出する場合も同様にパラメータa、b、xを代入する。ここでεは真空の誘電率で8.854×10−12[F]である。関係式(5)及び(6)は、求める現像剤担持体のコンダクタンスG及びキャパシタンスCが、図9に示す軸芯体からの距離r[m]、微小膜厚dr[m]、電極面積2πr・x[m]の円筒形状のコンダクタンスΔG及びキャパシタンスΔCの直列接続で表されることを示している。
次に、図8に示す、樹脂14jと、該樹脂に含有された半導電性粒子14p及び導電性粒子14cと、から形成される現像ローラにおいて、該半導電性粒子の導電率σ及び誘電率εを算出する方法を説明する。図8に示す構成の現像ローラにおいては関係式(5)及び(6)のパラメータa及びbに該半導電性粒子及び該導電性粒子の該樹脂に対する体積分率から見積もった値を代入する。つまり図8の構成においても図7の構成で近似し、体積分率からパラメータa及びbを算出する。ここでの体積分率としては、透過型電子顕微鏡による現像ローラの断面の観察及び、各材料(樹脂j、半導電性粒子p、導電性粒子c)の同定より得られる表層全体に対する各材料の体積比を用いている。
ここで樹脂j及び半導電性粒子pのパラメータa及びbにあたるaj、ap及び、bj、bpとしては、ap=5.65×10−3[m](軸芯体の中心から基層の表面までの距離)、bp=ap+表層膜厚×(半導電性粒子の体積分率)とし、aj=bp,bj=aj+表層膜厚×(樹脂jの体積分率)とする。
<σ/εの導出方法>
本発明の導電性弾性層において、その構成成分を交流インピーダンス法により半導電性粒子p成分と該半導電性粒子p以外の成分uとに分離し、算出される該半導電性粒子p成分及び該半導電性粒子以外の成分uのそれぞれの、導電率σ及びσ、並びに、それぞれの誘電率ε及びεが、下記の式(10)の関係を有することが好ましい。式(10)の関係を満たす場合は、現像剤担持体のキャパシタンスCの周波数依存性が小さくなる。結果、画像形成装置の画像形成時のプロセススピード切替時においても安定してカブリ量を抑制するという効果を得ることができる。
図12(c)のように3相の等価回路で記述される複素インピーダンス特性を現像ローラにおいて、半導電性粒子p以外の層(樹脂j+基層)の合成層uを考えることで、半導電性粒子pと合成層uの2相モデルとして考えることができる(図16)。該合成層uのコンダクタンスGuとキャパシタンスCuの比を、合成層の導電率σ及び誘電率εに等しいと仮定し、Gu/Cu=σ/εと表すことができる。以下の関係式(7)及び(8)に樹脂jのコンダクタンスGj及びキャパシタンスCjと基層のコンダクタンスGb及びCbを代入することで、合成層uのコンダクタンスGuとキャパシタンスCuを算出し、上記パラメータを関係式(9)に代入することで合成層uのσ/εを算出することができる。ここでεは真空の誘電率8.854×10−12[F/m]である。
(表面層)
本発明の現像剤担持体が導電性弾性層の上に表面層を有する場合、該表面層を構成する材料としては樹脂jと同様の樹脂を用いることができる。
<現像剤担持体の製造方法>
本発明に係る現像剤担持体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、導電性弾性層を形成するための材料を溶媒中に分散混合して塗料化し、この塗料を導電性軸芯体上に塗工し、得られた塗膜を乾燥固化または硬化させる方法が挙げられる。分散混合には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル、の如き公知のメディア分散装置や、衝突型微粒化法や薄膜旋回法を利用した公知のメディアレス分散装置が好適に利用可能である。また得られた塗料の塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、静電塗布法等の公知の方法が適用可能である。
導電性弾性層の上に、必要に応じて形成することができる表面層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、表面層の各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、この塗料を導電性弾性層の上に塗工し、得られた塗膜を乾燥固化または硬化させる方法が挙げられる。各成分の分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビーズを利用した公知の分散装置が好適に利用可能である。また、得られた塗料の導電性弾性層への塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等の公知の方法が適用可能である。
<画像形成方法>
本実施形態1の画像形成装置による画像形成は、例えば以下の方法にて行うことができる。
現像装置内に充填するトナー量は、例えば画像比率5%の換算画像を3000枚印字可能相当量とされる。画像比率5%の横線の具体例としては、1ドットライン印字後、19ドットライン非印字を繰り返すような画像が挙げられる。
画像形成プロセスにおいて、感光体ドラムは120mm/secの速度で画像形成装置により図1中の矢印r方向へ回転駆動される。また、本画像形成装置においては、厚い記録紙(厚紙)通紙時に定着のための熱量を確保するため、60mm/secのプロセススピードの低速モードを有している。また、本実施形態おいては、2種類のプロセスモードのみの動作であるが、記録紙に応じて、複数のプロセスモードを有してもよく、各プロセスモードに対応した制御を実行可能に構成されていてもよい。
つぎに、本実施形態における具体的な電圧について述べる。帯電ローラへは、−1050Vを印加することで、感光体ドラムの表面を−500Vに均一に帯電して、暗電位(Vd)を形成し、印字部は、露光手段であるレーザーにより−100V(明電位・Vl)に調整される。このとき、現像ローラへは、−300Vの電圧(Vdc)を印加することで、ネガ極性のトナーは、明電位へ転移し反転現像を行う。
また、|Vd−Vdc|の値をVbackと呼び、Vbackは、例えば200Vとされる。
≪実施形態2≫
図3は本発明の第二の実施形態のプロセスカートリッジを示す概略構成図である。本実施形態の画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザプリンタである。前述の実施形態1の画像記録装置と同様の点については再度の説明を省略し、異なる点について述べる。本形態において特徴的な点は、クリーニングブレードを配置せずに、転写残トナーをリサイクルすることにある。転写残トナーが帯電などのほかのプロセスに悪影響を及ぼさないように循環させて、トナーを現像器に回収する。具体的には、実施形態1に対し以下の構成が変更されている。
帯電装置を構成する帯電ローラ2は実施形態1と同様のものを用いているが、帯電ローラのトナー汚れを防止する目的から、帯電装置は、更に当接部材17を備えている。帯電ローラがその帯電極性と逆極性(プラス極性)のトナーで汚れた場合であっても、トナーの電荷をプラスからマイナスへと帯電して、トナーを帯電ローラから速やかに吐き出し、現像器にて現像同時クリーニングにより回収することが可能となる。当接部材は、例えば厚み100μmのポリイミドのフィルムを使用し、線圧10(N/m)以下で帯電ローラに当接される。ポリイミドはトナーに対し負電荷を与える摩擦帯電特性を有している。また、現像器でのトナー回収性を向上するため、非露光電位Vdの絶対値およびVbackの値は大きく設定される。具体的には、帯電ローラへの印加電圧を−1350Vとすることで、感光体ドラムの表面を一様な電位Vd=−800Vに設定する。さらに、現像バイアスを−300Vとすることで、Vback=500Vに設定する。
〔実施例1〕
図4に示す構造の現像ローラを、以下のように作製した。
導電性軸芯体14aとして外径6mm、長さ26.5mmのSUS22製の芯金にニッケルメッキを施し、さらにプライマ−DY35−051(商品名、東レダウコーニングシリコーン社製)を塗布、焼付けしたものを用いた。その周囲に、導電性粒子及び半導電性粒子が配合された導電性のゴム層14bを設け、現像ローラ14の外径を11.5mmとした。ゴム層(導電性弾性層)の材質は、1層目をシリコーンゴム層(厚み2.74mm)、2層目をウレタン層(厚み10μm)とした。ウレタン層は、半導電性粒子であるZnO粒子、導電性粒子であるカーボンブラック粒子及びウレタン樹脂で形成した。
シリコーンゴム層の形成方法、ウレタン樹脂の原料であるポリオール及びイソシアネートの合成方法、及びウレタン層の形成方法の詳細は以下の通りである。
[1.シリコーンゴム層の形成]
前記導電性軸芯体を内径11.48mmの円筒状金型中に同心となるように配置し、下記表1に示す配合の付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。充填剤であるシリカ粉体の量は現像ローラ全体の硬度調整のために調整した。
続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを150℃で15分間加硫硬化し、脱型した後、さらに200℃で2時間加熱して硬化反応を完結させ、厚み2.74mmのシリコーンゴム層を導電性軸芯体の外周に設けた。
[2.ポリオールの合成]
ポリテトラメチレングリコールPTG1000SN(商品名、保土谷化学社製)100質量部に、イソシアネート化合物ミリオネートMT(商品名、日本ポリウレタン工業社製)20質量部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で段階的に混合した。混合溶液を、窒素雰囲気下80℃にて7時間反応させて、水酸基価が20[mgKOH/g]のポリエーテルポリオールを作製した。
[3.イソシアネートの合成]
窒素雰囲気下、数平均分子量400のポリプロピレングリコール(商品名エクセノール、旭硝子社製)100質量部に対し、粗製MDI(商品名コスモネートM−200、三井化学ポリウレタン社製)57質量部を90℃で2時間加熱反応した。その後、ブチルセロソルブを固形分が70質量%になるように加え、単位固形分当たりに含有されるNCO基の質量比率が5.0質量%のイソシアネート化合物を得た。その後、反応物温度50℃の条件下、MEKオキシムを22質量部滴下し、ブロックポリイソシアネートを得た。
[4.ウレタン層形成用の塗工液の作製]
上記のようにして作製したポリオールに対し、ブロックポリイソシアネートをNCO/OH基比が1.4になるように混合し、樹脂成分である「ポリウレタンA」の原料を得た。この混合物の樹脂固形分100質量部に対し、下記表2に示すカーボンブラック粒子及びZnO粒子(A)を混合し、ZnO粒子とカーボンブラック粒子の体積分率を同じ値に調整し、これらの総固形分が40質量%になるようにMEK中に溶解もしくは分散して、混合した。この混合液を、0.5mmの粒径のガラスビースを用いてサンドミル中において6時間分散・混合してウレタン層形成用の塗工液を作製した。
[5.シリコーンゴム層上へのウレタン層の形成]
上記のようにして得られたウレタン層形成用の塗工液を、ディッピング塗工装置の塗工液槽中に入れ、前記シリコーン層付きローラをその長手方向を鉛直方向にしてその最上部を把持して、塗工液槽中に浸漬し、次いで塗工液槽中から該ローラを引き上げた。引き上げ速度等の条件は、ウレタン層の膜厚が所望の値になる様、適宜設定した。このようにして得られた、シリコーン層上にウレタン層を塗工したローラを、室温で30分風乾後、140℃の熱風循環オーブン中にて2時間30分加熱処理することで、シリコーン層の表面上にポリウレタン層を有する現像ローラを得た。
[6.導電率σ及び誘電率εの算出]
本実施例の現像ローラにおいて樹脂jはウレタン樹脂(ポリウレタンA)、半導電性粒子pはZnO粒子(A)、基層はシリコーンゴムである。該現像ローラの交流インピーダンス法により算出される、樹脂j、半導電性粒子pの、それぞれの導電率σ及びσの値は、1.2×10−10S/cm及び1.4×10−9S/cmであり、また、それぞれの誘電率ε及びεの値は、20及び8であった。これらの電気パラメータは関係式(1)及び(2)を満たす。
尚、ウレタン層を形成するウレタン樹脂、ZnO粒子の体積分率は共に0.5であるため、ウレタン樹脂、ZnO粒子及び基層のパラメータaの値をそれぞれ5.65×10−3[m]、5.65×10−3[m]、及び3×10−3[m]とし、パラメータbの値をそれぞれ5.7×10−3[m]、5.7×10−3[m]、及び5.65×10−3[m]として計算を行った。
[7.σ/εの算出]
本実施例において、複素インピーダンス法により算出された樹脂j及び基層bの各パラメータは、Gj=3.9×10−6[S]、Cj=6.8×10−10[F]、Gb=7.7×10−4[S]、Cb=5.9×10−11[F]であり、Gu/Cu=5.7×10[S/F]、σ/ε=5.1×10−10[S/cm]であった。
尚、以下の実施例及び比較例においても、同様にして各インピーダンス特性パラメータを算出した。
〔実施例2〕
半導電性粒子pとしてSiO粒子(商品名:MSP−009、テイカ社製、粒径80nm)を22質量部用いた。ウレタン樹脂に分散するカーボンブラック粒子とSiO粒子の体積が等しくなるように調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラ2を作製した。
〔比較例1〕
シリコーンゴム層(厚み2.74mm)の外周には、被覆層として粗し粒子と導電剤を分散させたウレタン樹脂層(厚み10μm)コーティングした。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラC1を作製した。
〔比較例2〕
2層目のウレタン層中に含有させる半導電性粒子pとして、TiO粒子(商品名:MT−700B、テイカ社製、粒径80nm)を用い、ポリオール100質量部に対して33質量使用した。TiO粒子の使用量はウレタン中に分散するカーボンブラック粒子とTiO粒子の体積が等しくなるように調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラC2を作製した。
〔実施例3〕
2層目のウレタン層中に含有させる半導電性粒子pとして、ZnAlO粒子(商品名:Pazet CK、ハクスイテック社、粒径35nm)を用い、ポリオール100質量部に対して50質量部使用した。ZnAlO粒子の使用量はウレタン中に分散するカーボンブラック粒子とZnAlO粒子の体積が等しくなるように調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラ3を作製した。
〔実施例4〕
実施例1において用いたポリオールとブロックポリイソシアネートをNCO/OH基比が0.9とになるように混合して、樹脂成分である「ポリウレタンB」の原料を得た。ウレタン原料としてこのウレタン原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして現像ローラ4を作製した。
〔比較例3〕
2層目のウレタン層中に含有させる半導電性粒子pとして、ZnGaO粒子(商品名:Pazet GK−40、ハクスイテック社、粒径35nm)を用い、ポリオール100質量部に対して50質量部使用した。ZnGaO粒子の使用量はウレタン中に分散するカーボンブラック粒子とZnGaO粒子の体積が等しくなるように調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラC3を作製した。
〔比較例4〕
2層目のウレタン層中に含有させる半導電性粒子pとして、Al粒子(商品名:セラフ、キンセイマテック社、粒径35nm)を用い、ポリオール100質量部に対して50質量部使用した。Al粒子の使用量は、ウレタン中に分散するカーボンブラック粒子とAl粒子の体積が等しくなるように調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラC4を作製した。
〔実施例5〕
2層目のウレタン層中に含有させる半導電性粒子pとして、ZnO粒子(B)(商品名:LPZINC−2、堺化学製、体積平均粒径2μm)を用い、ポリオール100質量部に対して50質量部使用した。これら以外の条件は実施例1と同様にして現像ローラ5を作製した。
〔実施例6〕
2層目のウレタン層形成用の樹脂としてウレタン樹脂(製品名:ユリアーノ、型番:KL−593、荒川化学工業社製)を「ポリウレタンC」の原料として用いた。また、樹脂に含有させる半導電性粒子と導電性粒子は実施例1と同じものを用いた。上記ウレタン樹脂100質量部に対して、カーボンブラック粒子1.8質量部、ZnO粒子(A)5.4質量部を混合し総固形分が40質量%になるようにイソプロピルアルコールを加えた。この混合液に0.5mmの粒径のガラスビーズを混合しサンドミル中において6時間分散・混合してウレタン層形成用の塗工液を作製した。上記のようにして得られたウレタン層形成用の塗工液を、ディッピング塗工装置も用いて前記シリコーン層上に浸漬塗工し、室温で30分風乾後、80℃の熱風循環オーブンにて30分加熱処理することでウレタン層を形成した。以上のこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ6を作製した。
〔実施例7〕
2層目のウレタン層形成用の樹脂として実施例6と同じウレタン樹脂を用いた。また、樹脂に含有させる半導電性粒子として実施例5と同じZnO粒子(B)を、導電性粒子として実施例1と同じカーボンブラック粒子を用いた。上記ウレタン樹脂100質量部に対して、カーボンブラック粒子1.8質量部、ZnO粒子(B)5.4質量部を混合し総固形分が40質量%になるようにイソプロピルアルコールを加えた。以上のこと以外は実施例6と同様にして現像ローラ7を作製した。
〔実施例8〕
導電性弾性層の材質は、1層目をシリコンゴム層(厚み3.0mm),2層目をウレタン中間層(厚み9μm)、3層目をウレタン最表層(厚み1μm)とした。2層目、3層目の導電性弾性層中に含有させる半導電性粒子p、及び導電性粒子cとして、実施例7と同じ材料を用いた。ウレタン中間層は「ポリウレタンC」の原料100質量部に対しZnO粒子(B)5.4質量部、カーボンブラック粒子1.8質量部を含有させた。また、ウレタン最表層では「ポリウレタンC」の原料100質量部に対しZnO粒子(B)10.8質量部、カーボンブラック粒子1.8質量部を含有させた。これら以外の条件は実施例7と同様にして現像ローラ8を作製した。尚、ウレタン中間層、ウレタン最表層の膜厚はそれぞれ、成膜時のローラの引き上げ速度を調整することで所望の膜厚になるよう調整した。
〔評価方法〕
実施例1〜8及び比較例1〜4において製造された各現像ローラを、それぞれ、図2に示す実施形態1のカートリッジ、及び、図3に示す実施形態2のカートリッジに取り付けて、以下の画像評価を行った。評価結果を表3に示す。
[1.実施形態1における評価方法]
(耐久カブリ評価)
カブリ量の評価方法は以下のように行った。
ベタ白画像、印字中に、画像形成装置を停止する。現像後、かつ、転写前の感光体ドラム上のトナーを一旦透明性のテープに転写し、トナーが付着したテープを記録紙などに貼り付ける。また同一の記録紙上に、トナーが付着していないテープも同時に貼り付ける。その記録紙に貼り付けられたテープの上から、光学反射率測定機(東京電飾製TC−6DS)によりグリーンフィルタによる光学反射率Rを測定し、トナーが付着していないテープの光学反射率Rから差し引いて、その値「R−R」をカブリ量とした。カブリ量はテープ上を3点以上測定しその平均値を求め、以下の基準でA〜Eにランク付けした。
A:カブリ量が1.0%未満である。
B:カブリ量が1.0以上3.0%未満である。
C:カブリ量が3.0以上5.0%未満である。
D:カブリ量が5.0以上7.0%未満である。
E:カブリ量が7.0以上である。
「耐久カブリ」の評価は、試験環境(温度30℃、相対湿度80%)にて、印字テストを3000枚行った後、24時間放置後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。ここで、画像比率5%の横線とは、1ドットライン印字後、19ドットライン非印字を繰り返す画像である。また、印字テストは、通常速モード(120mm/sec)にて行い、カブリ評価は、通常速モード(120mm/sec)及び低速モード(60mm/sec)にて実施した。
[2.実施形態2における評価方法]
(2−1.クリーナレス時の低速モードでの耐久カブリ評価)
本評価は、実施形態1における印字テスト3000枚後の低速モード(60mm/sec)にて実施した「耐久カブリ」の評価を実施した。本評価は実施形態1における耐久カブリ評価に準ずる。
(2−2.クリーナレス時の初期の中間調濃度評価)
本評価は画像形成装置を評価環境(温度30℃、相対湿度80%)にて24時間放置し、当該環境になじませた後、100枚印字後に行った。100枚の印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。画像評価は中間調画像を1枚印字する。つぎに幅2cmの縦帯の画像を連続10枚通紙し、11枚目も連続通紙にて中間調画像濃度を印字する。さらに、幅2cmの縦帯の画像を連続20枚通紙し、21枚目も連続通紙にて中間調画像濃度を印字する。印字テスト及び評価画像は単色であり、通常紙モード(120mm/sec)にて出力した。評価結果を以下の基準でA〜Cにランク付けした。
A:1枚目と21枚目の中間調画像における濃度差が、目視により認識できない。
B:1枚目と21枚目の中間調画像における濃度差が、目視により認識できるが、1枚目と11枚目の中間調画像における濃度差が、目視により認識できない。
C:1枚目と11枚目の中間調画像における濃度差が、目視により認識できる。
本評価において中間調画像とは、主走査方向の1ラインを記録し、その後4ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
〔評価結果の考察〕
[1.従来技術に対する本発明の優位性]
まず従来技術である比較例1に対する本発明の優位性について述べる。実施形態1において実施例1に比べ比較例1はカブリ量が増加する。その理由について述べる。電荷を有したトナーは現像ローラにより感光体ドラムと当接する現像部へと搬送される。ベタ白印字中、トナー上の電荷は、感光体ドラム−現像ローラ当接間において、現像ローラ側へ流れる方向に電界が働いている。高湿環境下では、トナーと現像ローラのそれぞれの抵抗が低下するため、現像ローラ側へ電荷の減衰が顕著に発生しやすい状況となる。加えて、耐久運転後はトナーの劣化によりトナーの帯電性が低下するため、現像部でのトナー電荷減少を生じると電界による制御が困難となり、感光体ドラムの白字印字領域へのトナーの転移が加速し、カブリが増加する。比較例1は、上記理由によりカブリ量が増加する。また現像ローラの高抵抗化では濃度や階調性が変化するのに対し、本発明は平均抵抗を適正な値に維持し、トナー電荷の減衰を抑制するので、画像の変動なしに、カブリ量を著しく抑制することができる。
本発明の現像部でのトナー電荷の減衰抑制およびカブリ抑制のメカニズムは以下ように考えられる。ベタ白印字中は、現像ローラ上の電荷を有したトナーは現像部において、現像ローラ側へ電荷が逃げる方向に電界が働く。現像ローラと感光体ドラム間には直流電圧が印加されているが、現像ローラ上のトナー粒子の1つ1つは、現像部を通過する際にのみ、電界が働く領域を通過するため、トナー自身は交流の電界を一時的に受けるモデルに帰属できる(図15)。
そのため、図15のように現像ローラの容量成分によりトナーの電荷が減衰する要因が考えられるが、実施例1においては、適切に現像ローラの容量成分を小さく出来る為、トナー電荷の減衰を効果的に抑制することができる。また、プロセススピードが遅いモードを有する場合、現像部の通過時間が長くなるため、よりトナー電荷の減衰を加速する。比較例1においては、低速モードの際に、カブリが悪化するのに対して、実施例1においては、低周波領域においても低容量化を維持しているため、カブリ量を効果的に抑制することができる。さらに実施形態2においては、クリーナー容器を排し、転写できずに感光体ドラム上に残留したトナーは帯電部を通過し、現像部にて回収する形態であるが、回収性を向上させるため、Vback値を500Vと大きい設定としている。この場合、現像部でのトナーの受ける電界が大きくなるため、トナー電荷の減衰がより加速される。そのため、比較例1においては実施形態1以上にカブリ量の増加を引き起こすのに対し、実施例1においては著しくカブリ量を抑制することができる。また、比較例1においてはカブリトナーによる転写後に残るトナー量が多いため、帯電ローラをトナーにより汚染し、帯電能の変動を生じ、中間調画像濃度が変動するのに対し、実施例1ではカブリトナーによる帯電ローラ汚染も抑制できるため、良好な中間調画像濃度を得ることができる。
[2.比較技術に対する本発明の優位性]
つぎに比較技術と対比することで、本発明の優位性について述べる。
まずは式(1)を満たしていない比較例3及び4について述べる。比較例4は複素インピーダンス法から算出される半導電性粒子pの導電率σが樹脂の導電率σより小さい例である。この場合、図13に示すように、半導電性粒子pにより平均抵抗は増加するものの実質的な導電パスは変わらない。一方、比較例3は複素インピーダンス法から算出される半導電性粒子pの導電率σが5×10−2[S/cm]より大きい例である。半導電性粒子pの導電率σが上記の数値程度に大きい場合、カーボンの伝導と同等となると考えられ、実質的な導電パスは比較例1と同等である(図14)。従って、半導電性粒子pが実質的に関与しない比較例3及び4は、現像ローラの容量成分を下げることができないため、半導電性粒子を含まない比較例1と同等の評価結果となる。一方、本発明である実施例1は式(1)を満たすことで、半導電性粒子pが導電パスに関与することにより、現像ローラ全体の低容量化を実現し、実施形態1および2において、カブリ量を著しく抑制することできる。
一方、比較例2は式(1)を満たしているにも関わらず、カブリ評価結果が、従来技術である比較例1と同等である。その理由は式(2)を満たしていないためと考えられる。比較例2は複素インピーダンス法から算出される半導電性粒子の誘電率σが樹脂の誘電率σより大きいため、上述したように実質的な導電パスの形成時に現像ローラ全体の容量成分が大きくなったと考えられる。評価結果は比較例1と同等であるが、比較例1より軽微に悪化している。以上、述べたように本発明おいては、複素インピーダンス法から算出される導電率の関係が式(1)を満たすことで半導電性粒子pが実質的な導電パスに関与し、かつ、複素インピーダンス法から算出される誘電率の関係が式(2)を満たすことで、現像ローラ全体の容量を下げることが可能となり、カブリを安定して抑制することができる。
[3.実施例間の比較]
本発明内における効果を述べるため、実施例1〜8を比較する。実施例1〜8は全て関係式(1)及び(2)を満たしているため、従来技術である比較例1に比べ現像ローラ全体の容量を小さくでき、実施形態1における耐久カブリの評価は良好である。一方、実施形態2においてはVbackが大きいため、現像ローラ側へトナー上の電荷が減衰しやすい状態であり、軽微の耐久カブリ(低速)の増加が認められる。その理由について以下で述べる。
低プロセススピード時は現像ローラ上のトナーは感光体ドラムと当接する現像部を通過する時間が長くなり、トナーの電荷が減衰しやすい状態となる。つまり、現像ローラの容量分への充電が進行しやすいことを意味する。さらに、実施形態2においては、現像部に印可される電圧が現像ローラ側に電荷が減衰する方向に、実施形態1に比べ、より大きい値に設定されている。このため、さらに現像ローラ全体の容量成分を抑える必要があり、特に低周波数帯において現像ローラ全体の容量成分を抑制することが必要となる。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、式(10)の左辺の値が小さいほど、低周波帯において、容量の増加を抑制できることを見出した。インピーダンス法により算出される[導電率σ]/[誘電率ε]の値は緩和周波数に比例することが知られている。緩和周波数とは、導電成分と誘電成分が並列の回路であると仮定したとき、その回路が導電的であるか、誘電的であるかを示し、緩和周波数が大きいとき導電的であり、小さいとき誘電的となる。
本例のようにインピーダンス法により分離される層が複数生じる場合、上記、導電成分と誘電成分の並列回路が複数個直列に並んだ回路モデルにて帰属することができる(図16(a))。
図16(b)のように複数個のうちの半導電性粒子pの成分とそれ以外の成分uに合成したとき、式(10)の左辺の値が小さいことは、半導電性粒子p成分とそれ以外の成分uの導電と誘電のバランスが近いことを示す。また、逆にこの値が大きいことは、導電と誘電のバランスが異なる層が積層することを示す。導電と誘電のバランスの異なる層が積層した場合、各誘電層への電荷の溜まる速度に差が生じるため、周波数依存性が発生する。具体的には、高周波帯の場合、各層の誘電成分への電荷の充電が終了する前に電荷が流入するため、各層の誘電成分は各々に充電できる状態にある(図17(a))。このとき、現像ローラ全体では誘電体が積層したモデルに帰属でき、現像ローラ全体の容量は、各積層した層の厚みd相当分が反映される(図17(b))。一方、低周波数帯においては十分な充電時間を有するため、充電が完了する層と充電が完了しない層が生じやすくなる。充電が完了した層は、抵抗成分のみの振る舞いが支配的となり、現像ローラ全体の容量に反映されにくくなり、充電が完了しない層の誘電成分のみが現像ローラ全体の容量成分へ反映されると考えられる(図17(c))。つまり、本来積層する層の膜厚dよりも小さい未充電層の厚み分のみが現像ローラ全体の容量成分へ影響を及ぼす(図17(d))。各層が積層する厚みdは平行平板電極間距離dに相当し、容量Cは電極間距離dに反比例する。未充電層に相当する厚みは積層する層すべての厚みより小さいため、現像ローラ全体の容量が大きくなる。上述したように導電と誘電のバランスの異なる層が積層した場合、周波数帯が変わると各誘電層への電荷の溜まる速度に差が生じ、現像ローラ全体に関与する誘電層の厚みが変化することで、現像全体の容量成分に周波数依存性が生じる。一方、導電と誘電のバランスの近い層が積層した場合、周波数帯が変化しても各層の誘電成分が現像ローラ全体の容量成分に反映するため、周波数に対する依存性を小さくできる。さらに、本例のように現像ローラ全体の膜厚が変化しない場合、低周波数帯における現像ローラ全体の容量成分の過剰な増加を抑制することができる。すなわち、式(10)の左辺の値が小さいほど、低周波数帯において、容量の増加を抑制できることを意味する。
本発明の実施例1〜7の式(10)の左辺の値について述べると、実施例1、4、6、及び7は、0.5、0.9、0.7及び0.2と値が小さく、周波数変化に対して、現像ローラ全体の容量成分の増加が小さいことを意味する。その結果、現像ローラ側へ電荷が減衰しやすい実施形態2の低速モードにおいても安定してカブリ量を抑制することができる。一方、実施例2や実施例3は上記値がやや大きいため、軽微のカブリ量の増加を生じる。その理由は低周波数帯において現像ローラ全体の容量が微増するためと考えられる。また、実施例2は実施例1に対して半導電性粒子pの種類、実施例4は樹脂jの種類を変更した例である。ともに式(10)の左辺の値が実施例1の値より大きくなっているが、実施例2は式(10)の左辺の値が1.6とより大きい値であり、低速モードでのカブリ増加を生じている。また、実施例3においても式(10)の左辺の値が大きいため、カブリの微増を生じたが、通常速の中間調画像不良の微増はみられない。加えて、図11に示すように現像ローラの容量は、式(10)の左辺の値に伴って周波数依存性が低下していることが分かる。
実施例4は式(10)の値が0.9と比較的低い値であるため低速モードのカブリ増加、中間調画像不良は見られない。実施例1と比較して式(10)の値が微増したのは、実施例4においてはウレタン樹脂のNCO/OH基比が実施例1よりも小さいため上記樹脂の導電率σjが大きく、現像ローラを構成する層の導電と誘電のバランスの差が大きくなったためである。
実施例5は実施例1に対して半導電性粒子pであるZnO粒子の種類を変更した例である。式(10)の値が増加した主な要因はZnO粒子(B)の導電率σpが実施例1で使用したZnO粒子(A)よりも小さく、(σu/εu)に対して(σp/εp)の値が離れたためである。同じZnO粒子においてもZnO粒子(A)及び(B)のように導電率が異なる要因は以下のように考えられる。ZnO粒子は六方昌の結晶構造を有しており、粉体形状で市販されているZnO粒子の多くはO粒子の欠落などの結晶構造の欠陥部分が存在している。この欠陥部分の数が少なく、結晶性が高いほど導電率が低くなる傾向がある。実施例5に用いたZnO粒子は実施例1に用いたものよりも結晶性が高いため、導電率が低いと考えられる。
実施例6は実施例1に対して樹脂jの原料として「ポリウレタンC」を使用した例である。式(10)の値が増加した主な要因はポリウレタンCの導電率σjが実施例1で使用したポリウレタンAよりも小さく、(σp/εp)に対して(σu/εu)の値が離れたためである。ポリウレタンCがポリウレタンAよりも導電率が低い要因は以下のように考えられる。図18に実施例1の現像ローラ(ポリウレタンA使用)及び実施例6の現像ローラ(ポリウレタンC)の吸水量測定の結果を示す。図18より実施例6の現像ローラは実施例1よりも吸水率が小さいことが分かる。すなわち、ポリウレタンCはポリウレタンAよりも疎水性が高いことがわかる。このことから、ポリウレタンCは本評価を行った高温多湿環境(温度30℃、相対湿度80%)において樹脂の吸水を抑制し、水に因る導電率及び、誘電率の増加を抑制していると考えられる。そのため、上記環境下においても低導電率、低誘電率の特性を有していると考えられる。以下に吸水量の測定方法について説明する。
〔吸水量の測定〕
吸水量の測定は熱量計測定装置Q5000型(TAインスツルメント社製)を用いて行った。現像ローラを長手方向に幅1mmで切り出し、(図20(a)参照)その後、切断面において幅方向に8mm、厚み方向に表面から1.6mmで切り出した切片を吸水量の測定に用いるサンプル片とした(図20(b)参照)。測定条件を図19に示す。温度15℃、相対湿度10%から温度30℃、相対湿度80%までの吸水性を評価する指標として、温度15℃、相対湿度10%の時のサンプル質量M0、及び温度30℃、相対湿度80%の時のサンプル質量Mを用いて以下のように吸水率を定義した。
吸水率[%]=(M−M)/M×100
本発明者は鋭意検討の結果、上記方法で測定された吸水率が0.045%以下になるウレタン樹脂を使用した場合は高温多湿環境(温度30℃、相対湿度80%)において低導電率、低誘電率の特性を示すことを確認した。
実施例7は実施例1に対して半導電性粒子pであるZnO粒子の種類及び、樹脂jであるポリウレタンの種類を変更した例である。式(10)の値が0.2と非常に低い値であるため実施形態1における耐久カブリが著しく良好である。実施例5、6及び7は半導電性粒子pと樹脂jの組み合わせを変えた現像ローラであり、式(10)の値は実施例7が最も低い。これは、実施例7に用いた半導電性粒子p及び樹脂jの導電率及び誘電率の値が現像ローラを構成する各層の導電と誘電のバランスを近くするために好ましい組み合わせであったことが要因である。具体的には、実施例7においてはσp/εpの値が2.5×10−11、σu/εuの値が3.9×10−11であり、非常に近い値のため式(10)の値が0.2という低い値になった。
以上のことから、本発明においては、導電パスに関与する低容量の材料を選択するとともに、各材料に合わせて誘電成分と導電成分のバランスの近い材料にて現像ローラを形成することが好ましく、具体的には式(10)の関係を満たすことが好ましい。加えて、周波数特性の改善のためには、式(10)の左辺の値は1.0以下であることがより好ましい。
さらに、実施例8においては、良好な画像を得ることができる。実施例8は現像ローラ表面に酸化亜鉛粒子が表出しているため、トナーへの帯電付与性が向上する。その結果、本発明のトナー電荷の減衰抑制効果に加え、トナーへの帯電付与効果が得られるため、カブリ量の抑制を効果的に行うことができる。
1:感光体
2:帯電ローラ
3:レーザー照射装置
4:現像装置
5:一次転写装置
6:中間転写体
7:二次転写装置
8:紙
9:クリーニングブレード
10:定着装置
11:カートリッジ
12:トナー
13:現像容器
14:現像ローラ
14a:芯金電極
14b:弾性層
15:供給ローラ
15a:芯金電極
15b:発泡ウレタン層
16:規制ブレード

Claims (5)

  1. 導電性の軸芯体及び導電性の弾性層を有する現像剤担持体であって、
    該弾性層は、樹脂j、半導電性粒子p及び導電性粒子cを含有し、
    交流インピーダンス法により算出される該樹脂jの導電率をσ、誘電率をεとし、
    該半導電性粒子pの導電率をσ、誘電率をεとしたとき、
    σ、ε、σ及びεが、下記の式(1)及び式(2)の関係を満たすことを特徴とする現像剤担持体。
  2. 前記導電性弾性層において、その構成成分を前記交流インピーダンス法により半導電性粒子p成分と該半導電性粒子p以外の成分uとに分離し算出される、該半導電性粒子p成分の導電率をσ、誘電率をεとし、該半導電性粒子以外の成分uの導電率をσ、誘電率をεとしたとき、下記の式(10)の関係を有する請求項1に記載の現像剤担持体。
  3. 前記導電性弾性層中に含有された前記樹脂j、前記半導電性粒子p及び前記導電性粒子cが、それぞれウレタン樹脂、酸化亜鉛粒子及びカーボン粒子である請求項1または請求項2に記載の現像剤担持体。
  4. 前記導電性弾性層中における前記酸化亜鉛粒子の体積占有率が、該導電性弾性層の表面近傍ほど大きい請求項3に記載の現像剤担持体。
  5. 静電潜像を担持する像担持体と、現像剤を担持し該像担持体に接触して該静電潜像を該現像剤により現像する現像剤担持体と、を有する画像形成装置であって、該現像剤担持体が請求項1〜4のいずれかの一項に記載の現像剤担持体である画像形成装置。
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