JP2018054689A - 現像剤担持体、現像剤担持体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

現像剤担持体、現像剤担持体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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哲士 山本
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一成 萩原
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Abstract

【課題】良好な現像性を維持した状態で、高湿環境から低湿環境まで経時的に安定してカブリ量を抑制し、良好な画像を得ることができる現像剤担持体を提供する。【解決手段】現像ローラは、少なくとも芯金電極14a及び導電性の弾性層14b1、表面層として酸化アルミニウム膜を有する。芯金電極14aの材料は、炭素鋼、合金鋼及び鋳鉄、導電性樹脂が用いることができる。導電性の弾性層14b1は少なくとも樹脂及び導電性粒子を含有する。導電性の弾性層14b1は、単層あるいは複数の層からなっていて、現像剤担持体14においては、感光体、及びトナーと常に圧接しているので、これらの部材間において相互に与えるダメージを低減するため、低硬度、低圧縮歪みの特性をもつ弾性層が設けられる。【選択図】図4

Description

本発明は、現像剤担持体、現像剤担持体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真プロセスを用いたレーザプリンタ等の電子写真装置において、従来の一成分トナーを用いた現像方式としては、弾性層を有する現像ローラを用いた接触現像方式が提案されている。
図2は、弾性層を有する現像ローラ(現像剤担持体)を用いた接触現像方式を採用した電子写真装置の構成を示す模式図である。
弾性ローラである現像ローラ14によって非磁性現像剤を担持し、該現像ローラ14を電子写真感光体である感光体1の表面に接触させることで現像を行う。現像ローラ14への現像剤の供給は、現像ローラ14に接触する供給ローラ15によって行う。供給ローラ15は、現像容器13内の現像剤を搬送し、現像ローラ14に付着させるとともに、現像ローラ14に残った現像剤を一旦除去する機能も担う。
現像ローラ14の上に付着した現像剤の層規制及び摩擦帯電による帯電付与は、トナー規制部材16を現像ローラ14に当接することによって行う。トナー規制部材16としては、金属薄板を片持ちで支持し、その対向部の腹面を現像ローラ14に当接するブレード形状のものを用いることが提案されている。トナー規制部材16により現像ローラ14の上にコートされた現像剤は、現像ローラ14の上に印加されたバイアスの電位により、感光体1の上に形成された静電潜像を現像する(特許文献1)。
特開昭62−118372号公報
高湿環境下において、トナーの帯電付与性が低下することが知られている。特にトナー規制部材との摩擦帯電によってトナーへの帯電付与を行う一成分接触現像方式においては、トナーが電荷を得る機会が非常に少ないため、トナーの帯電付与性の低下による影響が大きい。その結果、トナーに対する帯電付与性の低下に起因する課題、たとえば、カブリ量の増加が発生する。カブリとは、本来印字しない白部(非印字部)においてトナーがわずかに現像され地汚れのように現れる画像不良のことであり、トナーに対する帯電付与性の低下に起因する課題である。
また、感光体と現像ローラとがトナーを介して接触する領域において、非印字部では、電荷を与えられたトナーには、感光体から現像ローラへと向かう力が働く電圧が印加されている。特許文献1によれば、感光体と現像ローラが接触する電圧印加領域において、上述のように印加された電圧により、トナーの電荷が現像ローラ側へ逃げ、トナー電荷の減衰に起因するカブリ量が増加すると考察している。その抑制方法として現像ローラの体積抵抗を大きくすることが提案されている。しかしながら、単に体積抵抗を大きくすると、濃度低下など現像性の低下を生じる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、現像性を維持した状態で、経時的に安定して、カブリを抑制する現像剤担持体、現像剤担持体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
本発明によれば、
基体、弾性層及び表面層をこの順に有する現像剤担持体であって、
該表面層は、
(i)下記式(1)で表される化学結合と、
(ii)下記式(2−1)で表される化学結合、下記式(3−1)で表される化学結合、及び、下記式(4−1)で表される化学結合からなる群より選択される少なくとも一つの化学結合と
を有する酸化アルミニウム膜である現像剤担持体が提供される。
(式(2−1)中、式(2−2)は2座配位子であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、XはAl3+及び該2座配位子中の窒素原子と共に環式構造を形成する炭素原子を含む原子団であり、該炭素原子の炭素数は2〜5であり、該炭素原子は置換基を有していてもよく、該置換基及びR〜Rのうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基である)、
(式(3−1)中、式(3−2)は2座配位子であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、XはAl3+及び該2座配位子中の窒素原子と共に環式構造を形成する炭素原子を含む原子団であり、該炭素原子の炭素数は2〜5であり、該炭素原子は置換基を有していてもよく、該置換基及びR〜Rのうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基である)、
(式(4−1)中、式(4−2)は3座配位子であり、R〜R13は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、X及びXは、それぞれAl3+及び該3座配位子中の窒素原子と共に環式構造を形成する炭素原子を含む原子団であり、該炭素原子の炭素数はそれぞれ2〜5であり、該炭素原子は置換基を有していてもよく、該置換基及びR〜R13のうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基である)。
また、本発明によれば、前記酸化アルミニウム膜を形成するために、少なくとも、アルミニウム原子の混合量に対する、配位子の混合量のモル比が0.1〜1.7であるアルミナゾル液を前記弾性層の表面に塗工する現像剤担持体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記現像剤担持体を有する現像手段と、電子写真感光体、帯電手段、及び転写手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジが提供される。
また、本発明によれば、前記現像剤担持体を有する現像手段、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、及び転写手段を有する電子写真装置が提供される。
本発明によれば、良好な現像性を維持した状態で、経時的に安定してカブリを抑制可能な現像剤担持体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
本発明に係る電子写真装置の概略図である。 実施形態1に係るプロセスカートリッジの概略図である。 実施形態2に係るプロセスカートリッジの概略図である。 本発明に係る現像ローラの概略図である。 ローラの体積平均抵抗測定を説明する概略図である。 現像ニップ部を通過する前後のトナー電荷の変化を説明する概略図である。
図1は、本発明に従う電子写真装置の概略構成図である。図1に示す電子写真装置は、電子写真プロセスを利用するフルカラーレーザープリンタである。以下に本発明における実施形態である電子写真装置の全体的な概略構成について述べる。ただし、以下に説明する実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、特に特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
≪実施形態1≫
図2は、本発明の実施形態1に係るプロセスカートリッジの概略構成図である。像担持体である感光体1(電子写真感光体)は静電潜像を担持する。現像剤担持体である現像ローラ14は、感光体1と当接して配置される。現像手段である現像装置4は、現像ローラ14を有し、現像ローラ14に現像剤を担持させ、感光体1の上の静電潜像を現像剤により現像する。より詳しくは以下のとおりである。
この電子写真装置において、感光体1は矢印方向(反時計回りの方向)に回転され、帯電手段である帯電ローラ2によって一様な電位Vdに帯電される。
次に露光手段であるレーザー光学装置3からのレーザー光により露光され、感光体1の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像を現像装置4によって現像し、トナー像として可視化する。
可視化された感光体1上のトナー像は、一次転写装置5(転写手段)によって中間転写体6に転写されたのち、二次転写装置7によって記録メディアである紙8に転写される。
転写されずに感光体1に残存した転写残トナーは、クリーニング装置であるクリーニングブレード9により掻き取られる。クリーニングされた感光体1は上述の作用を繰り返し、画像形成を行う。
一方、紙8に転写されたトナー像は、定着装置10によって紙8に定着される。その後、紙8は機外に排出される。
図2に示すように、感光体1と、帯電ローラ2と、現像装置4と、クリーニングブレード9とは、一体に構成され、電子写真装置の本体に対し着脱可能なカートリッジ11として構成されている。
図1に示すように、本体にはカートリッジ11の装着部が4つ用意されている。そして中間転写体6の移動方向上流側から、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが充填されたカートリッジ11が装着されており、4色のトナーを中間転写体6に順次転写することでカラー画像を形成することができる。
感光体1は導電性の基体であるアルミニウム製のシリンダ上に、正電荷注入防止層、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に重ねて塗工された有機感光体が積層されて形成されている。また感光体1の電荷輸送層としてポリアリレート樹脂を用い、電荷輸送層の膜厚は23μmに調整した。
電荷輸送層は、電荷輸送材料を結着剤と共に溶剤に溶解させて形成される。有機の電荷輸送材料の例としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、及び不飽和樹脂等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種類、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
帯電ローラ2は、導電性支持体である芯金に半導電性のゴム層が設けられており、この帯電ローラは、導電性のドラムに対して200Vの電圧を印加したときに約10Ωの電気抵抗を示す。
現像装置4は、現像剤であるトナー12と、現像剤収容部である現像容器13と、現像剤担持体である現像ローラ14と、現像ローラ14にトナー12を供給する供給ローラ15と、規制ブレード16とを備える。規制ブレード16は、現像ローラ14上のトナーを規制する現像剤規制部材である。
現像剤担持体である現像ローラ14は、基体、弾性層及び表面層をこの順に有する。現像ローラ14は、トナーを帯電可能である。現像ローラ14に関する詳細は後述する。
供給ローラ15は現像ローラ14に接触して回転し、規制ブレード16はその一端が現像ローラ14に当接している。
供給ローラ15は、導電性支持体である外径φ5.5mmの芯金電極15aの周囲に、発泡ウレタン層15bが設けられている。発泡ウレタン層15bを含んだ供給ローラ15全体の外径はφ13mmである。供給ローラ15と現像ローラ14の侵入量は1.2mmである。
供給ローラ15は、現像ローラ14との当接部において、お互いが逆方向の速度を持つような方向に回転する。発泡ウレタン層15bには、この周囲に存在するトナー12の粉圧が作用し、さらに供給ローラ15が回転することで、トナー12が発泡ウレタン層内に取り込まれる。トナー12を含んだ供給ローラ15は、現像ローラ14との当接部において現像ローラ14にトナー12を供給し、さらに摺擦することでトナー12に予備的な摩擦帯電電荷を与える。一方、現像ローラ14へトナー供給を行う供給ローラ15は、現像部で現像されずに現像ローラ14の上に残留したトナーを引きはがす役割も有する。
供給ローラ15から現像ローラ14へ供給されたトナー12は、規制ブレード16に達し、所望の帯電量とトナー層厚に調整される。規制ブレード16は厚さ80μmのSUSブレードであり、現像ローラ14の回転に逆らう向きに配置されている。この規制ブレード16により、現像ローラ14上のトナー12に規制され、均一なトナー層厚を得るとともに、摺擦による摩擦帯電により所望の電荷量を得る。また、規制ブレード16には、現像ローラ14に対して−200Vの電位差を有して電圧を印加した。この電位差は、トナーコート層を安定化させるためのものである。
規制ブレード16により現像ローラ14の上に形成されたトナー層は、感光体1と当接する現像部へ搬送され、現像部において、反転現像が行われる。
当接位置において、現像ローラ14の端部のコロ(不図示)によって、現像ローラ14の感光体1への侵入量は40μmに設定される。感光体1に押しつけられることにより現像ローラ14の表面が変形することで、現像ニップ部が形成され、安定した当接状態により現像を行うことができる。現像ローラ14は感光体1との現像ニップ部において、感光体1に対して117%の周速比を持って同方向に回転する。このような周速差を設ける理由は、現像するトナー量を安定させる役割を有する。なお、現像ニップ部とは、現像ローラ14と感光体1との当接部を意味する。
つぎに、本実施形態における具体的な電圧について述べる。帯電ローラへは、−1050Vを印加することで、感光体1の表面を−500Vに均一に帯電することで、暗電位(Vd)を形成し、印字部は、露光手段であるレーザーにより−100V(明電位Vl)に調整した。このとき、現像ローラへは、−300Vの電圧(Vdc)を印加することで、ネガ極性のトナーは、明電位へ転移し反転現像を行う。
また、|Vd−Vdc|をVbackと呼び、Vbackを200Vとした。
現像剤であるトナー12(一成分負帯電性トナー)は、結着樹脂、荷電制御剤を含むように調製され、流動化剤などを外添剤として添加することでネガ極性を有するように作製した。トナー12は、重合法により作製され、体積平均粒径は約5μmに調整した。
さらに、現像装置内に充填するトナー量は、画像比率5%換算画像を5000枚印字可能相当量とした。画像比率5%の横線の具体例としては、1ドットライン印字後、19ドットライン非印字を繰り返すような画像を意味する。
画像形成プロセスにおいて、感光体1は120mm/秒の速度で電子写真装置により図中矢印r方向へ回転駆動される。また、本電子写真装置においては、厚い記録紙(厚紙)通紙時に定着のための熱量を確保するため、60mm/秒のプロセススピードの低速モードを有している。また、本実施形態おいては、2種類のプロセスモードのみの動作であるが、記録紙に応じて、複数のプロセスモードを有してもよく、各プロセスモードに対応した制御を実行可能に構成されていてもよい。
≪実施形態2≫
図3は本発明の実施形態2に係るプロセスカートリッジの概略構成図である。本実施形態の電子写真装置は、転写式電子写真プロセス利用、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザプリンタである。像担持体である感光体1、現像剤担持体である現像ローラ14、現像手段である現像装置4などの前述の実施形態1の電子写真装置と同様の点については再度の説明を省略し、異なる点について述べる。本実施形態において特徴的な点は、ドラムクリーナー9を廃し、転写残トナーをリサイクルするところにある。転写残トナーが帯電などのほかのプロセスに悪影響を及ぼさないように循環させ、トナーを現像器に回収する。具体的には、実施形態1に対し以下の構成を変更した。
帯電ローラ2は実施形態1と同様のものを用いているが、本実施形態では帯電ローラ2には、帯電ローラのトナー汚れを抑制する目的から帯電ローラ当接部材17を備える。帯電ローラ2がその帯電極性と逆極性(プラス極性)のトナーで汚れた場合であっても、トナーの電荷をプラスからマイナスへと帯電し、帯電ローラから速やかに掃き出し現像器にて現像同時クリーニングにより回収することが可能となる。
当接部材17は、100μmのポリイミドのフィルムを使用し、線圧10N/m以下で帯電ローラ2に当接した。ポリイミドはトナーに対し負電荷を与える摩擦帯電特性を有していることから使用した。
また、現像器でのトナー回収性を向上するため、非露光電位Vdの絶対値及び、Vbackの値を大きく設定した。具体的には、帯電ローラへの印加電圧を−1350Vとすることで、感光体1の表面を一様な電位Vd=−800Vに設定した。さらに、現像バイアスを−300Vとすることで、Vback=500Vと設定した。
〔現像剤担持体〕
本発明の電子写真装置において、現像剤を担持した現像剤担持体は、静電潜像を担持する像担持体に接触して該静電潜像を該現像剤により現像する役割を有する。以下、現像剤担持体の代表的形態である現像ローラによって本発明の現像剤担持体を詳細に説明する。
図4に示すように、現像ローラは、少なくとも導電性基体及び導電性の弾性層、表面層として後述する酸化アルミニウム膜を有する。
(導電性の基体)
芯金電極14aの材料は、導電性であればとくに限定されず、炭素鋼、合金鋼及び鋳鉄、導電性樹脂の中から、適宜選択して用いることができる。合金鋼としては、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、Al、Cr、Mo及びVを添加した窒化用鋼が挙げられる。
(導電性の弾性層)
図4は後述する実施例1に用いる現像剤担持体14を示している。導電性の弾性層14b1は少なくとも樹脂及び導電性粒子を含有する。導電性の弾性層14b1は、使用される装置において要求される弾性を現像ローラに付与するために設けられる。具体的な構成としては、中実体、発泡体のいずれであってもよい。また、弾性層は、単層であっても、複数の層からなっていてもよい。例えば、現像剤担持体においては、感光体、及びトナーと常に圧接しているので、これらの部材間において相互に与えるダメージを低減するため、低硬度、低圧縮歪みの特性をもつ弾性層が設けられる。
(導電性の弾性層の材料)
導電性の弾性層の材料としては、例えば以下のものを挙げることができる。ウレタンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンアクリロニトリル、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、ヒドリンゴムフッ素ゴム、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等から選択される1種、及び、これらの2種以上の混合物。特にウレタンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンアクリロニトリル、エピクロロヒドリンゴム等を好ましい材料として挙げることができる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができ、適宜、表層材料として使用することができる。
[導電性粒子]
導電性粒子の材質としては、例えば以下のものを挙げることができる。カーボンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー用カーボン、熱分解カーボン、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び、金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等。また導電性付与剤として、イオン導電性物質もあり、例えば以下のものを挙げることができる。過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン性導電物質、さらに、変性脂肪酸ジメチルアンモニウムエトサルファート、ステアリン酸アンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート、オクタデシルトリメチルアンモニウム過塩素酸塩等の有機イオン性導電性物質。
[表面層]
前記表面層は
(i)下記式(1)で表される化学結合と、
(ii)下記式(2−1)で表される化学結合、下記式(3−1)で表される化学結合、及び、下記式(4−1)で表される化学結合からなる群より選択される少なくとも一つの化学結合と
を有する酸化アルミニウム膜であることを特徴とする現像剤担持体。
(式(2−1)中、式(2−2)は2座配位子であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。XはAl3+及び該2座配位子中の窒素原子と共に環式構造を形成する炭素原子を含む原子団である。該炭素原子の炭素数は2〜5であり、該炭素原子は置換基を有していてもよく、該置換基及びR〜Rのうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基である)、
(式(3−1)中、式(3−2)は2座配位子であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。XはAl3+及び該2座配位子中の窒素原子と共に環式構造を形成する炭素原子を含む原子団である。該炭素原子の炭素数は2〜5であり、該炭素原子は置換基を有していてもよく、該置換基及びR〜Rのうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基である)、
(式(4−1)中、式(4−2)は3座配位子であり、R〜R13は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。X及びXは、それぞれAl3+及び該3座配位子中の窒素原子と共に環式構造を形成する炭素原子を含む原子団である。該炭素原子の炭素数はそれぞれ2〜5である。該炭素原子は置換基を有していてもよく、該置換基及びR〜R13のうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基である)。
及びXは多座配位子であり、環式構造を形成する炭素原子とは、Al3+に配位する1つの酸素原子間から一方の酸素原子までに結合する最短の環式構造の炭素数であり、配位の安定性から、2〜5であることが好ましい。また、配位のより安定性から例えばX及びXは、2つの炭素原子から構成されることがより好ましい。
前記環式構造を形成する炭素原子が有する置換基及びR〜R13のうちの少なくとも一つは、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
[酸化アルミニウム膜]
アルミニウムアルコキシドと多座配位子を少なくとも含有したアルミナゾル液を調製し、弾性層の表面に塗工することにより酸化アルミニウム膜を形成し、現像剤担持体を製造することができる。アルミナゾル液におけるアルミニウム原子の混合量に対する、多座配位子(2座配位子又は3座配位子)の混合量のモル比は0.1〜1.7である。また、塗工方法は、ディッピング法やスプレー法、リング法など方法を用いることができる。
塗工後は、酸化アルミニウム膜の成膜性を向上するために、適宜、熱処理やUV照射を行ってもよい。
[アルミニウムアルコキシド]
本発明で用いることのできるアルミニウムアルコキシドとしては、例えば、以下のものが挙げられる。アルミニウム(III)n−ブトキシド、アルミニウム(III)sec−ブトキシド、アルミニウム(III)sec−ブトキサイドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム(III)t−ブトキサイド、アルミニウム(III)ジ−sec−ブトキシドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)ジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)エトキシド、アルミニウムヘキサフルオロペンタンジオネート、アルミニウム(III)3−ヒドロキシー2−メチル−4−ピロネート、アルミニウム(III)イソプロポキシド、アルミニウム−9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロポキシド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート、アルミニウムフエノキシド、アルミニウム(III)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−へブタンジオネート等。これらの化合物は単独で用いてもまた複数種を同時に用いてもよい。
[多座配位子]
本発明では、ネガトナーに対する帯電付与性を向上するため、電子供与性である窒素原子を有する多座配位子を用いた。窒素原子を有する多座配位子としては、例えば、以下のものが挙げられる。N、N、N’、N”、N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、N、N、N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)等。これらの化合物は単独で用いてもまた複数種を同時に用いてもよい。
≪酸化アルミニウム膜の分析≫
(酸化アルミニウム膜のAl3+配位構造)
酸化アルミニウム膜の固体27Al−NMR(核磁気共鳴分光法)測定(品番AVANCE 400 III、ブルカー社製)を行った。ケミカルシフト0ppm付近に酸化アルミニウムのAl3+6配位構造由来のピーク、30ppm付近に酸化アルミニウムのAl3+5配位構造由来のピーク、70ppm付近に酸化アルミニウムのAl3+4配位構造由来のピークを観測した。ピーク面積から、酸化アルミニウムのAl3+6配位構造、Al3+5配位構造、Al3+4配位構造の存在割合(%)を算出した。
(酸化アルミニウム膜に含まれる配位子とアルミニウム原子との比率)
酸化アルミニウム膜のXPS(X線光電子分光)測定(品番Quantera SXM、アルバック−ファイ社製、パスエネルギー64eV)を行った。得られたピークは解析ソフトMultiPakを用いた。炭素C1s結合エネルギー286eVを参照ピークとした。結合エネルギー75eV付近に酸化アルミニウム膜のAl2p由来のピークを観測した。結合エネルギー400eV付近に配位子の窒素NがAl3+に配位したN1sアンモニウム由来のピークを観測した。従って、配位子の窒素原子がアルミニウム(III)イオンに配位結合したと思われる。
N1sアンモニウム由来のピーク面積Aと、配位子に含まれる窒素原子の個数Bと、Al2p由来のピーク面積Cとから、下記の計算式を用いて配位子とアルミニウム原子との比率(モル比)を算出した。
配位子とアルミニウム原子の比率=(A/B)/C
A:結合エネルギー400eV付近の配位子の窒素原子がAl3+に配位したN1sアンモニウム由来のピーク面積
B:配位子に含まれる窒素原子の個数
C:結合エネルギー75eV付近の酸化アルミニウム膜Al2p由来のピーク面積
前記式(2−1)で表される化学結合は、下記式(5)で表される化学結合であることが好ましい:
(式(5)中、R14〜R17は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、R14〜R17のうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基を表す)。
前記式(3−1)で表される化学結合は、下記式(6)で表される化学結合であることが好ましい:
(式(6)中、R18〜R21は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、R18〜R21のうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基を表す)。
前記式(4−1)で表される化学結合は、下記式(7)で表される化学結合であることが好ましい:
(式(7)中、R22〜R26は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、R22〜R26のうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基を表す)。
酸化アルミニウム膜の固体27Al−NMR測定、XPS測定から、
実施例において用いられる酸化アルミニウム膜は式(2−1)、(3−1)、(4−1)で表される化学結合を有し、具体的には、
実施例1では、式(7)で表される化学結合を有し、R22〜R26がメチル基であり、
実施例2〜6では、式(5)で表される化学結合を有し、R14〜R17がメチル基であるか、式(6)で表される化学結合を有し、R18〜R21がメチル基である、と判断した。
≪硬度の測定≫
(現像ローラの平均硬度)
現像ローラ14の平均硬度(アスカーC硬度)は、日本ゴム協会標準規格SRIS0101(1968)に準拠したAsker−C硬度型スプリング式ゴム硬度計(高分子計器(株)製)を用いて測定した。測定は10Nの力で当接させてから30秒後に測定し、長手3点を3回測定し、全ての平均値とした。測定は、測定試料を温度23℃、相対湿度50%の環境下に24時間置き、同環境下にて行った。
本実施の形態では、平均硬度が45度〜70度(アスカーC)以下の現像ローラ14が好適に使用される。平均硬度が70度(アスカーC)以下であれば、現像ローラ14の摺擦によってトナーが溶融したり、ブレード融着やローラ融着を発生させたり、現像ローラ14と感光体1との接触状態が不安定となったりしにくい。平均硬度が45度(アスカーC)以上であれば、圧縮永久歪みによる永久変形が生じにくい。
なお、下記の実施例では平均硬度が55度(アスカーC)の現像ローラ14を用いた。
(現像ローラの抵抗の測定法)
現像ローラ14の抵抗の測定法について説明する。
図5は、本実施の形態における現像ローラ14の抵抗の測定法を説明する図である。
図4に示すように、測定対象である現像ローラ14は、ステンレス等からなる芯金電極14aと、その外周に形成された弾性層14b1と、その外周に形成された表面層14b2とからなる複層構造を有する。また、現像ローラ14の長手方向の幅は約230mmである。
この測定方法では、外径φ30mmのステンレス鋼であって、矢印方向に約48mm/秒の速度で回転する円筒部材G1が用いられる。抵抗を測定する時は、ローラ14は円筒部材G1の回転に伴って、従動回転する。
現像ローラ14の端部には、円筒部材14への侵入量を40μmに規制する(現像ローラ14と円筒部材G1との当接領域を一定にするため)端部コロ(不図示)が嵌合される。端部コロは、円筒形状を有している。端部コロの外径は、現像ローラ14の外径よりも80μm外径が小さい。
図5に示すFは、現像ローラ14の両端部(芯金電極14aの両端部)に付加される荷重を示すものであり、測定の際は、片側500g重ずつ、計1kg重の荷重により現像ローラ14が円筒部材G1側に押圧される。
また、この測定方法には測定回路G2が用いられる。測定回路G2は、電源Ein、抵抗Ro、電圧計Eoutから構成される。本測定方法では、Einを300V(DC)として測定を行った。また、抵抗Roには、抵抗値:100Ω〜10MΩのものが使用可能である。なお、抵抗Roは微弱電流を測定するためのものであるため、測定対象である現像ローラ14の抵抗の10−2〜10−4倍の抵抗値を用いるとよい。すなわち、現像ローラ14の抵抗値が1×10Ω程度であれば、抵抗Roの抵抗値は1kΩ程度でよい。
この測定回路G2を用いると、現像ローラ14の抵抗値Rbは下記(数1)の式により算出される。なお、Eoutは、電圧を印加してから10秒後の値を測定した。
(数1) Rb=Ro×(Ein/Eout−1)[Ω]
なお、下記の実施例における表層の平均膜厚は2.1μmとした。
現像ローラ14の抵抗値は、2×10Ω〜5×10Ωであることが好ましい。2×10Ω以上であれば、弾性層に流れる電流が多くなり過ぎたり、必要な電流量が大きくなってしまったりしないためである。また、5×10Ω以下であれば、現像時に流れる電流が阻害されやすくならないからである。本例では、抵抗値が5×10Ωのものを用いた。
次に高湿環境下でのカブリの発生要因について述べる。カブリの発生は主に現像ローラ14と感光体1との当接部(現像ニップ部)でトナーの電荷が失われ、電界によりトナーを制御できず、感光体1と接触し非画像部にトナーが転移するためと考えられる。
検証としてはベタ白通紙中に本体電源を切り、感光体と現像ローラとが当接する現像ニップ部を通過する前後のそれぞれの現像ローラ上のトナーの電荷量分布を測定し変化量を評価することにより行った。
図6は、実施例1及び比較例1における現像ニップ部を通過する前後の現像ローラ14上のトナーコート層の電荷量を示すグラフである。
図6の縦軸は、トナーの頻度を示す。カウントしたトナーの総数は現像ニップ通過前、通過後のいずれも3,000個であった。
図6の横軸は、Q/d[fC/μm]を示している。Qはトナー1つの電荷量、dはトナー粒径であり、ホソカワミクロン(株)製E−SPARTアナライザーにより測定した。このトナー電荷量の減衰は、特に感光体と現像ローラとの間に形成される電界強度が大きいほどトナー電荷の減衰量が大きく、カブリ量が増加する。また電界強度と同様に、プロセススピードが遅いほど、トナー電荷の減衰量が増加し、カブリ量が増加する。その理由は感光体と現像ローラとが当接する現像ニップ部間を現像ローラ上のトナーが通過する際の時間が増え、トナー電荷の減衰がより進行するためである。
図6下には後述する比較例1の現像ローラを用いたときの現像ニップ部を通過する前後の現像ローラ上の電荷量分布を示している。比較例1においては現像ニップ部の通過前より通過後にトナーの電荷量が大きく下がっていることが分かる。
≪評価方法≫
以下に、実施形態1における評価方法について述べる。
(帯電量の測定)
トナー帯電量の測定は上述のホソカワミクロン(株)製E−SPARTアナライザーにより測定し、平均のQ/d(fC/μm)にて算出した。なお、測定は高湿環境(温度30℃、相対湿度80%)及び、低湿環境(温度15℃、相対湿度10%)にて、100枚印字終了後、24時間静置後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。ここで、画像比率5%の横線とは、具体的に、1ドットライン印字後、19ドットライン非印字を繰り返す画像を用いた。
(高湿環境における初期カブリ及び耐久後カブリ評価)
カブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずかに現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。カブリ量の評価方法は以下のように行った。
ベタ白画像、印字中に、電子写真装置を停止する。現像後、かつ、転写前の感光体上のトナーを透明性のテープに一旦転写し、トナーが付着したテープを記録紙などに貼り付ける。また同一の記録紙上に、トナーが付着していないテープも同時に貼り付ける。その記録紙に貼り付けられたテープの上から、光学反射率測定機((有)東京電色製TC−6DS)によりグリーンフィルタによる光学反射率を測定し、トナーが付着していないテープの反射率から差し引いてカブリ分の反射率量を求めカブリ量として評価した。カブリ量はテープ上を3点以上測定しその平均値を求めた。
A:カブリ量が1.0%未満である。
B:カブリ量が1.0%以上3.0%未満である。
C:カブリ量が3.0%以上5.0%未満である。
D:カブリ量が5.0%以上である。
本カブリ評価は、温度30℃、相対湿度80%の環境にて、100枚及び5000枚印字終了後、24時間静置後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。ここで、画像比率5%の横線とは、具体的に、1ドットライン印字後、19ドットライン非印字を繰り返す画像を用いた。また、連続通紙は、通常速(120mm/秒)にて行い、カブリ評価は、低速モード(60mm/秒)にて実施した。
また通紙枚数100枚後の評価を初期、5000枚後の画像評価を耐久後とした。
(低湿環境における初期カブリ及び耐久後カブリ評価)
本評価方法は、基本的には前述と同様の評価基準を用いたが、以下の点が異なる。
本カブリ評価は、温度15℃、相対湿度10%の環境にて、100枚及び5000枚印字終了後、24時間静置後に行った。また、連続通紙及びカブリ評価は、通常速(120mm/秒)にて行なった。
また通紙枚数100枚後の画像評価を初期、5000枚後の画像評価を耐久後(長期間の使用後)とした。
(ベタ濃度差評価)
ベタ濃度差評価は、電子写真装置を温度15℃、相対湿度10%の環境にて24時間静置し、当該環境になじませた後、100枚印字後に行った。100枚の印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。画像評価はベタ黒画像を1枚出力しベタ画像の出力先端と後端の濃度差をSpectordensitometer500(X-Rite社製)を用いて求め、下記の基準に基づき評価した。なお、印字テスト及び評価画像は単色であり、通常紙速度(120mm/秒)にて出力した。
A:紙先端と紙後端との濃度差が0.1未満
B:紙先端と紙後端との濃度差が0.1以上、0.2未満
C:紙先端と紙後端との濃度差が0.2以上
以下に、実施形態2における評価方法について述べる。
(クリーナレスシステムの高湿環境における初期カブリ及び耐久後カブリ評価)
本評価は、実施形態1の高湿環境における初期カブリ及び耐久後カブリ評価に準ずる。
(クリーナレスシステムの初期及び耐久後の中間調濃度の評価)
本評価は電子写真装置を温度30℃、相対湿度80%の環境にて24時間静置し、当該環境になじませた後、100枚及び5000枚印字後に行った。
100枚印字後の印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。画像評価は中間調画像を1枚印字して行った。つぎに幅2cmの縦帯の画像を連続20枚通紙し、21枚目も連続通紙にて中間調画像濃度を印字した。
5000枚印字後の印字テストも、100枚印字後の印字テストと同様に行った。
そして、以下の基準に従って評価した。なお、印字テスト及び評価画像は単色であり、通常紙速度(120mm/秒)にて出力した。
A:1枚目と21枚目の中間調画像において、濃度差を目視により認識できない。
B:1枚目と21枚目の中間調画像において、濃度差を目視により認識できる。
本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後4ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
[実施例1−1,1−2]N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)
図4に示す本実施例に用いる現像ローラは、以下のように作製した。
導電性支持体である外径φ6mmの芯金電極14aの周囲に、導電性付与剤が配合された導電性の弾性層14b1を設け、現像ローラ14の外径はφ11.5mmとした。ここで、弾性層14b1の材質はシリコンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレン・プロピレン共重合体)、ヒドリンゴム、又はこれらが混合されたゴム、一般的にゴムが使用可能である。実施例1においてはシリコンゴム層を2.5mm、ウレタン層を10μm形成し、弾性層14b1とした。
また、導電性付与剤としては、カーボン粒子、金属粒子、イオン導電粒子等を分散させることで所望の電気抵抗値を得ることができ、本実施例においてはカーボン粒子を用いた。また、現像ローラ全体の硬度を調整するためには、シリコンゴム量と充填剤であるシリカ量とを調整することで、所望の硬度を有する現像ローラを作製した。
つぎに、アルミナゾル液を調製し、上述した弾性層14b1の上にディッピングにより酸化アルミニウム膜である表面層14b2を2.1μm形成した。
使用したアルミナゾル液は、以下のようにして調製した。
アルミニウムアルコキシドであるアルミニウム−sec−ブトキシド(Al(O−sec−Bu))とイソプロピルアルコールを重量比1:5になるように攪拌、混合し、
配位子であるN、N、N’、N”、N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)を、アルミニウムアルコキシドに対するモル比で0.5となるように混合し、室温にて5時間攪拌した。
また、本実施例においてディッピング前に現像ローラ基体の表面にUV照射を行うことで、アルミナゾル液の塗工性及び密着性を向上させた。
酸化アルミニウム膜の表面層14b2を形成した後、温度140℃で、15分間の乾燥を行った。
酸化アルミニウム膜の固体27Al−NMR測定から、酸化アルミニウムのAl3+6配位構造、Al3+5配位構造、Al3+4配位構造の存在割合は、68%、12%、20%と算出された。
酸化アルミニウム膜のXPS測定から、配位子とアルミニウム原子の比率は0.08と算出された。
[実施例2−1,2−2]N、N、N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)
多座配位子として、N、N、N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を用いたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製し、評価した。
酸化アルミニウム膜の固体27Al−NMR測定から、酸化アルミニウムのAl3+6配位構造、Al3+5配位構造、Al3+4配位構造の存在割合は、66%、14%、20%と算出された。
酸化アルミニウム膜のXPS測定から、配位子とアルミニウム原子の比率は0.03と算出された。
[比較例1−1,1−2]
従来技術である比較例1について、実施例1と異なる点について述べる。比較例1に用いる現像ローラは、以下のように作製した。
導電性支持体である外径φ6mmの芯金電極14aの周囲に、導電性付与剤が配合された導電性のシリコンゴム層を設けた。シリコンゴム層に被覆層として粗し粒子と導電性付与剤を分散させたウレタン樹脂を10μmコーティングした。シリコンゴム層にウレタン樹脂をコーティングして形成された弾性層14b1を有する現像ローラ14全体の外径はφ11.5mmとした。
現像ローラの体積抵抗値は約10Ωであり、平均硬度(アスカーC)は55度であった。
[比較例2−1,2−2]
比較例2について、実施例1と異なる点について述べる。比較例2に用いる現像ローラは、以下のように作製した。
導電性支持体である外径φ6mmの芯金電極14aの周囲に、導電性付与剤が配合された導電性のシリコンゴム層を設けた。被覆層として粗し粒子と導電性付与剤を分散させたウレタン樹脂を10μmコーティングした。シリコンゴム層にウレタン樹脂をコーティングして形成された弾性層14b1を有する現像ローラ14全体の外径はφ11.5mmとした。
つぎに、コロイダルアルミナ溶液を調製し、上述の弾性層14b1を有する現像ローラ基体をコロイダルアルミナ溶液へディッピング処理することにより表面層14b2を1.5μm形成し、導電性弾性層14bを形成した。ここで、使用したコロイダルアルミナ溶液は、日産化学製アルミナゾル液520(体積平均粒径20nm、ベーマイト)とエタノールを体積比率1:4になるように攪拌、混合することで調製した。
表面層14b2を形成した後、温度140℃、15分間の乾燥を行った。現像ローラの体積抵抗値は約10Ωであり、平均硬度(アスカーC)は55度であった。
[比較例3−1,3−2]
比較例3について、実施例1と異なる点は、多座配位子を用いないことである。
酸化アルミニウム膜の固体27Al−NMR測定から、酸化アルミニウムのAl3+6配位構造、Al3+5配位構造、Al3+4配位構造の存在割合は、66%、14%、20%と算出された。
以下、表1に各評価結果を示す。
表1(b)は実施形態1として説明したプロセスカートリッジにて行った評価の結果であり、表1(c)は実施形態2として説明したプロセスカートリッジにて行った評価の結果である。なお、表1及び表2において、「HH」は温度30℃、相対湿度80%の環境を意味し、「LL」は温度15℃、相対湿度10%の環境を意味し、「HT」は中間調(ハーフトーン)を意味する。
<<実施例1−1,2−1と比較例1−1との比較>>
まず従来技術である比較例1−1に対する本発明の優位性ついて述べる。実施形態1における評価結果において、比較例1−1は高湿環境下の耐久後のカブリ量の増加が見られる。この理由はトナー劣化が進行し、トナーの帯電性の低下に伴い、カブリ量が増加したと考えられる。
一方、本発明である実施例1−1においては、耐久試験(繰り返し使用試験)後もカブリ量を抑制している。その理由は、トナー劣化が進行しトナーの帯電量が低下しても、本発明の酸化アルミニウム膜はトナーへのマイナス帯電付与性が高く、適切な電荷をトナーへ付与することができたためと考えられる。
<<実施例1−2,2−2と比較例1−2との比較>>
次に、実施形態2における評価結果について述べる。本実施形態は、クリーニングブレードを有していないため、転写されずに感光体の上に残留したトナーは、帯電ローラ通過時にネガ化され、現像ニップ部において現像器に回収されるように設定した例である。また現像ニップ部での戻りトナーの回収性を向上させるために、Vbackを500Vと大きく設定した例である。本実施形態2において従来技術である比較例1−2はVbackが大きいため現像ニップ部の通過時に、トナー電荷の減衰を生じ、初期からカブリ量の軽微な増加が見られる。
さらに比較例1−2はトナーの帯電量が低いため、カブリ量の増加に加え、転写できずに残留するトナー量が多い。転写性が低下する理由は、トナーが有する帯電量が小さい場合、電気的制御ができないトナーが増加するため、転写できずに感光体の上に残留しやすくなるためと考えられる。カブリや転写できずに感光体の上に残留したトナーは帯電ローラと感光体との当接部に到達するが、到達したトナーの量が多い場合、帯電ローラの表面へ蓄積するトナー量が増え、いわゆるトナー汚染を生じ、所望の帯電性能を維持できなくなる。その結果、帯電電位が変化し、中間調画像濃度の変動を引き起こす。
一方、本発明である実施例1−2においては、実施形態2においても良好な画像を得ることができる。その理由は、本発明における酸化アルミニウム表層は抵抗率が高いため、Vbackが大きく現像ニップ部でトナーの減衰が生じやすい状態においても、トナー電荷の減衰及びカブリ量の増加を効果的に抑制することができるからである。一方、本発明においては、現像ローラの平均抵抗は、2×10Ω〜5×10Ωと適正な抵抗値を有しているため、現像性を維持した状態で、トナー電荷減衰を抑制することで、良好な画像を安定して得ることができる。
さらに、本発明においてトナーへの適切な帯電付与を同時に行うことができるため、カブリトナー量の抑制に加え、高転写性を得ることができる。高転写性の理由は、適正な電荷を有したトナーの場合、転写部でも、電気的な力の制御性に優れるためである。カブリ量の抑制及び転写できずに残留したトナー量の抑制により、帯電ローラ表面へのトナー汚染が著しく減少するため、良好な中間調画像濃度を得ることができる。
上記のように本発明においては、いずれの実施形態においても安定して良好な画像を得ることができ、実施形態2のようなクリーナレスシステムにおいては、転写できずに感光体の上に残留するトナーの量を著しく抑制できるため、帯電ローラの汚れを抑制できる。また、Vbackが大きい設定であるため、転写できずに残ったトナーを効果的に現像器に回収することができる。
<<実施例1,2と比較例2との比較>>
比較例2は、本発明と同様に、帯電付与性及び絶縁性を有するコロイド系酸化アルミニウムを形成した例である。まず高湿環境下での評価結果について述べる。
高湿環境下の初期のカブリ評価結果は、比較例2−1及び2−2とも良好である。しかしながら耐久後は高湿環境下のカブリ量は増加する。比較例2のコロイド系酸化アルミニウムの層形成はコロイド粒子の凝集力による結合が支配的である。
本来、コロイド粒子により形成された層の結合力を強化するためには高温による処理を必要とするが、本発明のように有機材料の弾性体の上に形成する場合、高温処理が困難となる。その結果、比較例2−1、2−2のように低温処理での層形成となり、コロイド粒子の凝集力による結合力が支配的であり、外力(感光体との当接、規制部材との当接、供給部材との当接)により亀裂や削れが促進されるため、膜の耐久性が低い。加えて、実施例及び比較例の現像ローラ(現像剤担持体)においては、各当接体との当接を安定的に行うため、及び過剰なトナー劣化を抑制するため、アスカーC硬度は45〜70度に設定した。
そのため、各当接部では、現像ローラ表面の微小変形を繰り返すが、比較例2−1、2−2のようなコロイド粒子による表面層は変形に追従する柔軟性を有していないため、ひび割れや削れが促進される。そのため、耐久後半(長期間の使用後)にトナーへの帯電付与性の低下、ひび割れによる低抵抗化を生じ、著しくカブリ量の増加を引き起こし、比較例1−1,1−2と同程度にカブリ量が増加する。一方、実施例1,2においては、実施形態1,2に関わらず、カブリ量の増加を抑制している。
本発明はアルミニウム(III)イオンに配位しやすい多座配位子を使用している。そのため、アルミニウム(III)イオンへの強固な結合を生成していると同時に、多座配位子の有機成分により柔軟性も得ることができ、現像ローラ表面の微小変形に追従性が高い。その結果、酸化アルミニウム膜の結合強化と同時に柔軟性を付与することができ、膜の耐久性を向上し、耐久後のカブリ量の増加を著しく抑制する。特に、実施形態2のような高Vback時においてもカブリ量の増加を抑制することからも、ひび割れ等による表層抵抗の低下を効果的に抑えていることが分かる。
一方、多座配位子の有機成分の存在により、本来、酸化アルミニウムが有しているネガトナーへの帯電付与及び高抵抗の特性を阻害、低下することが考えられる。しかしながら、本発明に用いる多座配位子においては酸化アルミニウムが有する特性が維持されているため、安定した良好な画像を得られる。
次に低湿環境下の評価結果について述べる。
比較例2は、ベタ画像において画像の先端と後端とに濃度差を生じる。この理由は、表1中に示すように低湿環境においてトナーへの帯電付与性が非常に高いためと考えられる。詳しくは、以下のようなメカニズムと推察している。トナーの帯電量が高い場合、現像ローラ上のトナーを物理的な力にて引き剥がすことが困難となる。そのため、非印字中のような現像ローラ上のトナーが消費されない状態から消費される状態へ変わった後と、現像ローラ上のトナーが消費される状態が続いた後とでは、トナーコート層の電荷量やコート量に差が生じ、感光体の上に現像されるトナー量に差が生じる。その結果、ベタ画像の画像先端(現像ローラ1周目分)とベタ画像の画像後端(現像ローラ2周目以降分)との濃度に差が生じ、画像不良が生じると考えられる。
さらに、比較例2においては、耐久後のカブリ量が比較例1より増加する。この理由も、トナーの帯電量が高いためと考えられる。上述したようにトナーの電荷量が大きい場合、現像ローラ上のトナーは物理的に引き剥がしにくくなる。そのため、現像ローラ上に残留したトナーは、各当接部材の摺擦により加速度的に劣化を生じる。結果、現像ローラ上にトナー成分に起因する固着物や融着物の堆積が発生する。その結果、同じ帯電極性を有する膜を生成し、トナーへの帯電付与を著しく阻害し、帯電量の小さいトナーが発生し、カブリ量の増加を引き起こす。
比較例2において、低湿環境下においてトナー帯電量が大きい理由について述べる。コロイド系酸化アルミニウムは、表層コートが容易であるため、表層形成が比較的容易である。しかしながら、コロイド系酸化アルミニウムはベーマイトと呼ばれる酸化アルミニウムの水和物であり、もともと水と馴染みやすい性質からコロイド溶液を得ることができる。一方、水に馴染みやすいという性質は、低温処理ではそのままの性質が残存するため、比較例2における酸化アルミニウム膜は吸湿性が高い。そのため、高湿環境下では本発明と同等の帯電付与能であるが、低湿環境下において、水分脱離の影響が大きいためネガトナーへの帯電付与能が著しく大きくなる。その結果、ベタ画像の先端と後端とに濃度差が生じる。
一方、本発明においては、疎水性の多座配位子を用いることにより、水分の吸着脱離の影響を抑制していると考えられる。アルミニウムアルコキシドに多座配位子が配位することで、水の反応すなわち、加水分解、縮合反応を抑制する働きがある。本発明に用いたアルミニウムゾル液は長期に亘って安定していることからも、空気中の水分との反応を抑制している。多座配位子がない場合は、アルミニウムゾル液は空気中の水分と反応し、白濁及び沈降する。そして酸化アルミニウム膜を形成後も水分吸着を抑制しているために、表1中に示すように高湿環境から低湿環境まで安定した帯電量を得て、各環境の帯電量差も小さくなっている。その結果、トナー帯電量の高くなり過ぎを抑制し、低湿環境下においても安定して良好な画像を得ることができる。
<<実施例1,2と比較例3との比較>>
比較例3は、多座配位子を有していない例である。多座配位子を有していない場合、アルミニウムアルコキシドの加水分解や縮合の反応性が高く、液安定性や塗工性が低下する。酸化アルミニウム膜の成膜性が悪い場合、塗工後のヒビ割れが著しく増加する。そのため、実施形態2の高Vbackのトナー電荷が減衰しやすい形態においては、高湿環境下の初期のカブリが微増する。また高湿環境下の耐久後のカブリも著しく増加する。その理由は、塗工時の不安定性から、膜強度が低下し脆くなった結果、削れが促進されたためと考えられる。
一方、実施例1,2においては、多座配位子を有することで、塗工時の安定性が向上し、成膜性が向上し、ヒビ割れを抑制している。また熱処理時に、多座配位子は脱離しやすいため、純度が比較的高く、膜強度の大きい酸化アルミニウム膜を形成できる。結果、初期から耐久を通して安定した画像を得ることができる。
つぎに本発明の配位子とアルミニウム(III)イオンの比率について述べる。
[実施例3〜6]
アルミナゾル液におけるアルミニウム原子の混合量(投入量)と、配位子であるN、N、N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)の混合量との比率(モル比)が表2に示す値となるように変更した以外は実施例2−1と同様である。
≪評価方法≫
(高湿環境における初期カブリ及び耐久後カブリ評価)
本評価方法は、実施形態1の高湿環境における初期カブリ及び耐久後カブリ評価に準ずる。
(低湿環境における初期カブリ及び耐久後カブリ評価)
本評価方法は、実施形態1の低湿環境における初期カブリ及び耐久後カブリ評価に準ずる。
以下の表2に評価結果を示す。
≪評価結果≫
実施例3及び6はカブリ量の軽微な増加を生じる。実施例3は配位子の量がアルミニウム(III)イオンに対して0.1モル(混合量)と少ない例である。配位子が少なくなると、酸化アルミニウム膜の結合力及び柔軟性が低下するため、耐久時にひび割れ等が生じると考えられる。耐久後は特にトナー劣化が進行しトナー帯電能が低下する高湿環境下において、カブリ量の軽微な増加を生じる。
一方、実施例6においては、配位子がアルミニウム(III)イオンに対して1.7モルと十分に混合しているにもかかわらず、耐久後、高湿環境及び低湿環境においてカブリ量が増加する。その理由は、配位子そのものの性質が顕在化しているためと考えられる。高湿環境下においては、配位子の比率が増加し、トナーへの帯電付与能が低下した結果、耐久後にカブリ量が増加したと考えられる。
一方、低湿環境においては配位子の比率の増加により付着力が増加し、トナー汚染や外添剤汚染が生じたと考えられる。トナー汚染や外添剤汚染が進行すると、トナー母体と同極性の帯電性へと変化するため、トナーへのネガ帯電付与性が低下し、カブリ量の軽微な増加を生じたと考えられる。
一方、実施例2、4、5は高湿から低湿まで安定した良好な画像を得ることができ、アルミナゾル液におけるアルミニウム(III)イオンに対する配位子のモル比(混合量)が0.3〜1.5のとき、安定した良好な画像を得ることができると考えられる。
1:感光体
2:帯電ローラ
3:レーザー光学装置
4:現像装置
5:一次転写装置
6:中間転写体
7:二次転写装置
8:紙
9:クリーニングブレード
10:定着装置
11:カートリッジ
12:トナー
13:現像容器
14:現像ローラ
14a:芯金電極
14b1:弾性層
14b2:表面層
15:供給ローラ
15a:芯金電極
15b:発泡ウレタン層
16:規制ブレード

Claims (11)

  1. 基体、弾性層及び表面層をこの順に有する現像剤担持体であって、
    該表面層は、
    (i)下記式(1)で表される化学結合と、
    (ii)下記式(2−1)で表される化学結合、下記式(3−1)で表される化学結合、及び、下記式(4−1)で表される化学結合からなる群より選択される少なくとも一つの化学結合と
    を有する酸化アルミニウム膜であることを特徴とする現像剤担持体。
    (式(2−1)中、式(2−2)は2座配位子であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、XはAl3+及び該2座配位子中の窒素原子と共に環式構造を形成する炭素原子を含む原子団であり、該炭素原子の炭素数は2〜5であり、該炭素原子は置換基を有していてもよく、該置換基及びR〜Rのうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基である)、
    (式(3−1)中、式(3−2)は2座配位子であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、XはAl3+及び該2座配位子中の窒素原子と共に環式構造を形成する炭素原子を含む原子団であり、該炭素原子の炭素数は2〜5であり、該炭素原子は置換基を有していてもよく、該置換基及びR〜Rのうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基である)、
    (式(4−1)中、式(4−2)は3座配位子であり、R〜R13は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、X及びXは、それぞれAl3+及び該3座配位子中の窒素原子と共に環式構造を形成する炭素原子を含む原子団であり、該炭素原子の炭素数はそれぞれ2〜5であり、該炭素原子は置換基を有していてもよく、該置換基及びR〜R13のうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基である)。
  2. 前記式(2−1)で表される化学結合は、下記式(5)で表される化学結合である請求項1に記載の現像剤担持体:
    (式(5)中、R14〜R17は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、R14〜R17のうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基を表す)。
  3. 前記式(3−1)で表される化学結合は、下記式(6)で表される化学結合である請求項1または2に記載の現像剤担持体:
    (式(6)中、R18〜R21は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、R18〜R21のうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基を表す)。
  4. 前記式(4−1)で表される化学結合は、下記式(7)で表される化学結合である請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像剤担持体:
    (式(7)中、R22〜R26は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、R22〜R26のうちの少なくとも一つは炭素数1〜18のアルキル基を表す)。
  5. 前記原子団に含まれる前記環式構造を形成する炭素原子が有する置換基及びR〜R13のうちの少なくとも一つは、炭素数1〜3のアルキル基である請求項1に記載の現像剤担持体。
  6. 前記現像剤担持体は、一成分負帯電性トナーを帯電可能な現像剤担持体である請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像剤担持体。
  7. 前記現像剤担持体のアスカーC硬度は、45度〜70度である請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像剤担持体。
  8. 前記現像剤担持体の体積抵抗値は、2×10Ω〜5×10Ωである請求項1〜7のいずれか一項に記載の現像剤担持体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の現像剤担持体の製造方法であって、
    前記酸化アルミニウム膜を形成するために、少なくとも、アルミニウム原子の混合量に対する、配位子の混合量のモル比が0.1〜1.7であるアルミナゾル液を前記弾性層の表面に塗工することを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の現像剤担持体を有する現像手段と、電子写真感光体、及び帯電手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の現像剤担持体を有する現像手段、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。

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