JP2016102955A - 現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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将樹 渡辺
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優希 茂呂
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Abstract

【課題】現像剤担持体フィルミングの増加に伴う画像上白スジ等の画像欠陥を抑制することが可能な現像剤担持体を提供する。【解決手段】現像剤担持体103は、一成分現像剤としてのトナーを担持する、2層以上の層を有し、現像剤担持体103の表面を被覆する被覆層113に、少なくともシロキサン結合物とポリエチレングリコールとを含む材料構成である。また、現像剤担持体103は、芯金115と、この芯金115の外周を覆う弾性層114と、この弾性層114の外周を覆う被覆層113とから構成されており、現像剤担持体103の長さ方向と直交する円周方向の断面形状が円形をなす。【選択図】図6

Description

本発明は、現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、像担持体に形成された静電潜像を現像するのに様々な現像装置が使用されている。このような現像装置としては、トナーとキャリアとを含む現像剤を使用した二成分現像方式の現像装置の他に、キャリアを用いずに現像剤としてトナーだけを使用した一成分現像方式の現像装置が知られている。
一成分現像方式の現像装置においては、接触式の現像装置と非接触式の現像装置とが知られている。接触式の現像装置は、現像剤担持体の表面に担持された現像剤を静電潜像が形成された像担持体の表面に接触させて現像を行うものである。
また、非接触式の現像装置は、現像剤担持体を像担持体と所要間隔を介して対向するように設け、この現像剤担持体に交番電圧を印加して、現像剤担持体と像担持体との間に交番電界を作用させ、現像剤担持体の表面に担持された現像剤を静電潜像が形成された像担持体に供給して現像を行うものである。
一般的に、現像剤担持体には、ゴム等で弾性層を形成したものや、金属の表面をブラスト処理して粗さを付けたようなローラが用いられる。しかしながら、このようなローラを用いた場合、現像剤担持体とトナー層規制部材との間のトナーに圧力が直接かかるため、トナーの劣化や、現像剤担持体へのトナーフィルミングが発生するという問題があった。また、トナーがトナー層規制部材に固着してしまい、画像にノイズが生じたりするという問題もあった。
そこで、このような問題を改善するため、一成分現像方式の現像装置において、現像剤担持体の表層材料を改良することでトナーと現像剤担持体との付着力を低減する手段が検討されている。例えば、トナーと現像剤担持体との離形性を向上させるために、現像剤担持体の表層材料として低表面エネルギ材料を用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、表面粗さが小さい現像ローラであっても、ブレード融着を抑制することで、トナー劣化に起因するフィルミング、カブリ、濃度ムラ、ガサツキなどの問題の発生を防止することを目的とした技術が開示されている。
しかしながら、一成分現像方式では、以下の課題がある。
(1)二成分現像方式に比べ、耐久性が劣っている。
(2)低融点トナーに代表されるような機能性部材(トナー層規制部材など)に付着しやすいトナーを用いた場合、現像剤担持体へのフィルミングやトナー層規制部材へのトナー固着が発生し、地汚れの増加や画像上白スジ等の画像欠陥が発生する。
(3)現像剤担持体の凸部が断続的にトナー層規制部材に当接(突き当てた状態に接することを意味する)するため局所的に圧力がかかり、その部分から現像剤担持体及びトナー層規制部材の磨耗が進展する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、現像剤担持体フィルミングの増加に伴う画像上白スジ等の画像欠陥を抑制することが可能な現像剤担持体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、一成分現像剤を担持する、2層以上の層を有する現像剤担持体であって、前記現像剤担持体の表面を被覆する被覆層に、少なくともシロキサン結合物とポリエチレングリコールとが含まれている現像剤担持体である。
本発明によれば、少なくともシロキサン結合物を現像剤担持体の被覆層に含有していることにより、一成分現像剤と現像剤担持体間の付着力を低減し、現像剤担持体へのトナーフィルミングを抑制することができる。また、ポリエチレングリコールを含有することで被覆層のひび割れ等を抑制することができる。これにより、長期間にわたって現像剤担持体へのトナーフィルミングに伴う画像上白スジ等の画像欠陥を抑制することができる。
本発明の画像形成装置の一実施形態に係るプリンタの要部を示す概略的な断面図である。 図1のプリンタに配置された4つのプロセスカートリッジ1のうちの一つの拡大断面図である。 図2のプロセスカートリッジに配置された現像装置のトナー搬送部材、トナー攪拌部材及びトナー供給ローラの回転軸長手方向近傍の断面図である。 現像剤担持体近傍の拡大断面図である。 図4の側面図である。 現像剤担持体近傍の拡大断面図である。
以下、図を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。実施形態や実施例等に亘り、同一の機能及び形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図及び説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
[画像形成装置]
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置の一例としてのプリンタ100に適用した一実施形態について説明する。図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態に係るプリンタの要部の概略的な断面図である。
図1に示すように、プリンタ100は、4つのプロセスカートリッジ1、複数の張架ローラに張架されて図1中の矢印A方向に移動する中間転写ベルト7、露光手段である露光装置6、及び、定着装置12等を備えている。
図2は、4つのプロセスカートリッジ1のうちの一つの拡大断面図である。各プロセスカートリッジ1は、ドラム状の像担持体2、帯電部材3、現像装置4及び像担持体クリーニング部材5を一体的に支持してユニット状とした構成となっている。各プロセスカートリッジ1は、プリンタ100本体に対して着脱可能となっている。各プロセスカートリッジ1をプリンタ100本体に対して着脱可能にするために、例えばストッパ部材を設けてロックしたり、解除したりしてもよいし、他の公知の着脱手段を設けてもよい。
尚、帯電部材3は帯電手段として、現像装置4は現像手段として、像担持体クリーニング部材5は像担持体に接触するクリーニング手段として、それぞれ機能する。
像担持体2は、例えば光導電性を有する感光体からなり、図中矢印で示すように時計回り方向に回転する。帯電部材3は、ローラ状の帯電ローラであり、像担持体2の表面に圧接されており、像担持体2の回転により従動回転する。作像時には、帯電部材3には高圧電源により所定のバイアスが印加され、像担持体2の表面を帯電する。
プロセスカートリッジ1は、帯電手段である帯電部材3として、像担持体2の表面に接触するローラ状の部材を用いているが、帯電手段としてはこれに限るものではなく、コロナ帯電などの非接触帯電方式を用いてもよい。
図1の露光装置6は、像担持体2の表面に対して画像情報に基づいて露光し、像担持体2の表面に静電潜像を形成する。プリンタ100が備える露光装置6は、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でもよい。像担持体クリーニング部材5は、中間転写ベルト7と対向する位置を通過した像担持体2の表面上に残留する転写残トナーのクリーニングを行う。
4つのプロセスカートリッジ1は、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、各色のトナー像を像担持体2上に形成する。4つのプロセスカートリッジ1は、中間転写ベルト7の表面移動方向に並列に配置され、それぞれの像担持体2上に形成されたトナー像を中間転写ベルト7の斜面に順に重ね合わせるように転写し、中間転写ベルト7上に可視像を形成する。
各像担持体2に対して中間転写ベルト7を挟んで対向する位置には、一次転写ローラ8が配置されている。一次転写ローラ8には、高圧電源により一次転写バイアスが印加され、像担持体2との間で一次転写電界を形成する。像担持体2と一次転写ローラ8との間で一次転写電界が形成されることにより、像担持体2の表面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト7の表面に転写される。中間転写ベルト7を張架する複数の張架ローラのうち一つが駆動モータによって回転することによって、中間転写ベルト7が図中矢印A方向に表面移動する。表面移動する中間転写ベルト7の表面上に各色のトナー像が順次重ねて転写されることによって、中間転写ベルト7の表面上にフルカラー画像が形成される。
4つのプロセスカートリッジ1が中間転写ベルト7と対向する位置に対して、中間転写ベルト7の表面移動方向下流側には、張架ローラの一つである二次転写対向ローラ9aに対して中間転写ベルト7を挟んで対向する位置に二次転写ローラ9が配置されている。この二次転写ローラ9は、中間転写ベルト7との間で二次転写ニップを形成する。二次転写ローラ9と二次転写対向ローラ9aとの間に所定の電圧を印加して二次転写電界を形成することで、図1中の矢印B方向に搬送される転写紙Pが二次転写ニップを通過する際に、中間転写ベルト7の表面上に形成されたフルカラー画像が転写紙Pに転写される。
二次転写ニップに対して転写紙Pの搬送方向下流側に、定着装置12が配置されている。二次転写ニップを通過した転写紙Pは定着装置12に到達し、定着装置12における加熱及び加圧によって転写紙P上に転写されたフルカラー画像が定着される。画像が定着された転写紙Pはプリンタ100の装置外に出力される。一方、二次転写ニップで転写紙Pに転写されず中間転写ベルト7の表面上に残留したトナーは、転写ベルトクリーニング装置11によってクリーニングされ回収される。
[現像装置]
次に、図2、図3、図4及び図5を用いて、プロセスカートリッジ1が備える現像手段としての現像装置4について説明する。図3は、図2に示した現像装置4において、鉛直方向に3段に配置された、トナーを搬送するトナー搬送部材106、トナー攪拌部材108及びトナー供給ローラ105の回転軸長手方向近傍の断面図である。尚、図2においては、図を見やすくするため断面ハッチ表示を省略している。
図2に示すように、現像装置4は、非磁性一成分現像剤であるトナーTを収容するトナー収容室101と、トナー収容室101の下方に設けられたトナー供給室102とから構成されている。トナー収容室101とトナー供給室102との間には、これらを仕切る仕切り部材110が設けられている。
仕切り部材110には、図2及び図3に示すように、複数の開口部が設けられている。仕切り部材110の複数の開口部としては、トナー収容室101内のトナーTをトナー供給室102へ供給する供給口111と、トナー供給室102内のトナーTをトナー収容室101に戻す返送口107とが設けられている。
トナー供給室102の下部には、現像ローラである現像剤担持体103が設けられている。また、トナー供給室102には、現像剤担持体103の表面にトナーTを供給する現像剤供給部材であるトナー供給ローラ105が現像剤担持体103の表面に当接して設けられている。更に、トナー供給室102には、トナー供給ローラ105によって現像剤担持体103の表面上に供給され、像担持体2と現像剤担持体103との対向部に向かうトナーの層厚を規制するトナー層規制部材104が現像剤担持体103の表面に当接して設けられている。トナー層規制部材104は、その基端部が現像容器120に固定された規制取付部材121に固定されており、その自由端部又は自由端部側の面部が現像剤担持体103の表面に当接している。現像剤担持体103には、芯金115を介して高圧電源25Aから所定のバイアスが印加される。
図4は、現像剤担持体103近傍の拡大断面図である。図5は、図4の側面図である。図4及び図5に示すように、現像剤担持体103の両端部の外周面に当接するように端部シール112が現像容器120の開口部両端部に設けられており、現像容器120の開口部両端からのトナー漏れを防止している。
トナー収容室101内には、トナー収容室101内のトナーTを像担持体2の回転軸に平行な方向(図2中の紙面に直交する方向)に搬送するトナー搬送部材106が設けられている。
トナー収容室101に収容するトナーTは、重合法で作製したものを用い、平均粒径が6.5[μm]で、円形度が0.98、安息角33[°]、外添剤としてチタン酸ストロンチウムを含有しているトナーである。本発明のプロセスカートリッジ、現像装置、画像形成装置に用いるトナーとしては、上記したものに限るものではない。
トナー収容室101内に設けられたトナー搬送部材106は、図3に示すように、搬送スクリュ形状106aと搬送板形状106bとを組み合わせた回転軸を有した部材である。トナー搬送部材106は、搬送スクリュ形状106aの回転動作によりトナー収容室101内のトナーTをトナー搬送部材106の回転軸に平行な略水平方向(図3中の矢印C方向)に搬送し、両側の搬送スクリュ形状106aとの間にある搬送板形状106b側に搬送し、トナーを仕切り部材110の供給口111からトナー供給室102内に落下させることができる構成となっている。
現像装置4では、トナー搬送部材106の回転軸に平行な方向にトナーTを搬送する搬送スクリュ形状106aを備えた構成であるが、現像剤搬送部材としてはこれに限らず、搬送ベルトやコイル状の回転体等の搬送機能を有するものを用いることができる。更に、これらの搬送機能を有するものと、羽根のような板部材や針金を曲げて構成したパドルのようなもの等のほぐし機能を有するものを組み合わせたものでもよい。
また、本実施形態の現像装置4では、トナー収容室101からトナー供給ローラ105に向けて、トナー搬送部材106の回転軸に直交し、且つ、略鉛直下方にトナーTを搬送する構成となっている。トナーの搬送方向としては、トナー搬送部材106の回転軸に直交し、且つ、略水平方向に搬送する構成としてもよい。
図2において、仕切り部材110の鉛直下方のトナー供給室102内には、トナー攪拌部材108が配置されている。トナー攪拌部材108は、図3に示すように、攪拌スクリュ形状108aと攪拌板形状108bとを組み合わせた回転軸を有した部材である。トナー攪拌部材108は、攪拌スクリュ形状108aの回転動作によりトナー供給室102内のトナーTをトナー攪拌部材108の回転軸に平行な略水平方向(図3中の矢印D方向)に搬送できる構成となっている。
図3に示すように、トナー攪拌部材108の攪拌スクリュ形状108aは、軸方向について供給口111から外側に向かう方向(図3中の矢印D方向)にトナーを搬送するように螺旋状の羽部が設けられている。更に、トナー攪拌部材108の攪拌スクリュ形状108aは、軸方向について2つの返送口107よりも外側と内側とは螺旋状の羽部が逆巻きになっている。このため、供給口111からトナー供給室102に供給されたトナーはトナー攪拌部材108の攪拌スクリュ形状108aの回転によって軸方向外側(矢印D方向)に搬送される。そして、返送口107よりも外側に到達したトナーは羽部が逆巻きの攪拌スクリュ形状108aによって矢印C方向に返送口107に向かって搬送される。
返送口107付近でトナー攪拌部材108の軸方向の外側と内側とでは、攪拌スクリュ形状108aによるトナーの搬送方向が逆であり、返送口107に向かうようにトナーに搬送力を付与するため、返送口107の下方ではトナーが軸方向両側から集められ、山状に押し上げられる。これにより、トナー収容室101から供給口111を通過してトナー供給室102に供給されたトナーが過剰である場合は、返送口107で山状に押し上げられたトナーがトナー供給室102から返送口107を通ってトナー収容室101に戻される。また、トナー攪拌部材108は、トナー供給室102にあるトナーTを攪拌し、更に下部にある現像剤担持体103、トナー供給ローラ105へトナーTを供給する役割を持つ。
トナー供給ローラ105の表面には、空孔(セル)を有した構造の発泡材料が被覆されており、発泡材料がトナー供給室102内に供給されたトナーTを効率よく付着させて取り込むと共に、現像剤担持体103との当接部での圧力集中によるトナーTの劣化を防止している。尚、この発泡材料は10〜1014[Ω]の電気抵抗値に設定される。トナー供給ローラ105は図2中の矢印で示すように図2中の反時計回りの方向に回転し、表面に付着させたトナーTを現像剤担持体103の表面に塗布するように供給する。
トナー供給ローラ105と現像剤担持体103が当接する位置から現像剤担持体103の表面移動方向下流側の現像剤担持体103表面に接触するように、現像剤規制部材であるトナー層規制部材104が配置されている。トナー供給ローラ105から現像剤担持体103の表面に供給されたトナーTは、現像剤担持体103の回転によってトナー層規制部材104が接触する位置に搬送される。トナー層規制部材104は、自由端側を現像剤担持体103の表面に10〜100[N/m]の押圧力で長手方向に沿って当接させている。これにより、現像剤担持体103上のトナーに対してその押圧力下を通過させることで、トナー層を薄層化すると共に、摩擦帯電によってトナーTに電荷を付与する。
像担持体2は、図2中の時計回りの方向に回転している。このため、現像剤担持体103と像担持体2とが対向する現像領域においては、現像剤担持体103の表面移動方向と像担持体2の表面移動方向とが同方向となる。現像剤担持体103上の薄層化されたトナー層は、現像剤担持体103の回転によって現像領域へ搬送され、現像剤担持体103に印加されたバイアスと像担持体2上の静電潜像によって形成される潜像電界に応じて、像担持体2の表面に移動して像担持体2の表面上の静電潜像が現像される。
現像領域で現像に用いられず、現像剤担持体103上に残されたトナーが再びトナー供給室102内へと戻る箇所には、現像剤除電部材である除電シール109が現像剤担持体103に長手方向に当接して設けられ、トナーが現像装置4の外部に漏れ出ないように封止される。
図2に示すトナー層規制部材104、トナー供給ローラ105、除電シール109及び現像剤担持体103の被覆層113には、現像剤担持体103へトナーが移動するように、高圧電源25Bからの印加バイアスの制御を行っている。
[現像動作]
本実施形態での現像剤担持体103上のトナーTを像担持体2に現像する方法について詳しく説明する。トナー供給ローラ105から現像剤担持体103にトナーを供給するトナー供給位置で現像剤担持体103の表面上に供給されたトナーTは、トナー供給位置から現像領域に向けて搬送され、途中にあるトナー層規制部材104を通過し、現像剤担持体103上にトナー薄層が形成される。形成されたトナー薄層は、更に現像領域まで搬送され、現像剤担持体103と像担持体2との間の現像バイアス電界によって、像担持体2の表面上の静電潜像部分にトナーが付着し、これにより現像が行われる。その後、現像に寄与しなかったトナーTは、現像剤担持体103の回転によって更に搬送され、トナーTが再びトナー供給室102に戻り、繰り返し利用される。
[現像剤担持体]
図6を用いて、本実施形態における現像剤担持体103の具体的構成について説明する。現像剤担持体103は、通常、軸芯体としての導電性の芯金115を有し、その外周面に1層以上の弾性層114を有している。更には、弾性層114の外周面には、少なくとも1層以上の被覆層113を有している。
芯金115は、支持部材であるとともに、導電材として少なくとも表面が導電性であることが好ましい。具体的な芯金115の材料としては、Al、Cu合金、SUS等の合金、Cr及びNiのメッキを施した鉄製の芯金、Cr及びNiのメッキを施した合成樹脂製の芯金である。電子写真方式の画像形成装置に利用される現像剤担持体では、芯金は、通常、外径4mmから10mmの範囲とするのが適当である。
芯金115の軸端部には、芯金115を回転させるために面取り面115aが設けられている(図5参照)。
弾性層114は、原料主成分としてゴム又は樹脂を用いた成型体であり、ソリッドでも多孔体(スポンジ)のいずれでも構わない。尚、原料主成分のゴムとして、従来、現像剤担持体103に用いられている種々のゴムを用いることができる。具体的には、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水酸化物、多硫化ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
また、弾性層114の原料主成分の樹脂は、主に熱可塑性樹脂であり、以下のものが挙げられる。即ち、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)のようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、MXD6のようなポリアミド樹脂等が挙げられる。そして、これらゴム及び樹脂は、単独であるいは2種以上を混合して用いられる。
更に、現像剤担持体103では、弾性層114自体に要求される機能に必要な、導電剤や非導電性充填剤のような成分、また、ゴム及び樹脂成型体とする際に利用される各種添加剤成分、例えば、架橋剤、触媒、分散促進剤のような原料主成分に適宜配合できる。導電剤としては、イオン導電機構によるイオン導電性物質と、電子導電機構による導電付与剤があり、どちらか一方、或いは併用することも可能である。
電子導電機構による導電剤としては、以下のものが挙げられる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀のような金属の粉や繊維;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛のような金属酸化物;硫化銅、硫化亜鉛等のような金属化合物粉;適当な粒子の表面に酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウムのようなものを電解処理、スプレー塗工、混合振等のような方法により付着させた粉;アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、PAN系カーボンブラック、ピッチ系カーボンブラック、カーボンナノチューブのようなカーボンブラック系の導電剤等が挙げられる。
また、イオン導電機構による導電付与剤として、以下のものが挙げられる。LiCFSO、NaClO、LiClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCN、NaClのようなアルカリ金属塩;NHCl、NHSO、NHNO等のアンモニウム塩;Ca(ClO、Ba(ClOのようなアルカリ土類金属塩;これらの塩の1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールのような多価アルコールやそれらの誘導体との錯体;これらの塩のエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルのようなモノオールとの錯体;第四級アンモニウム塩のような陽イオン性界面活性剤;脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩のような陰イオン性界面活性剤;ベタインのような両性界面活性剤等が挙げられる。
これら導電剤は、単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
尚、像担持体と当接して、ニップ幅を確保し、加えて、好適なセット性を満たすものとするためには、弾性層114の厚さは、好ましくは、0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上とする。また、弾性層114の厚さの上限は、作製される現像剤担持体103の外径精度を損なわない限り、特にない。
しかしながら、弾性層114の厚さを過度に厚くすると、現像剤担持体103と当接部材であるトナー供給ローラ105等を長時間当接させたまま放置したとき、当接箇所の変形が大きくなり、歪みが残るので好ましくない。したがって、実用上、弾性層114の厚さは6.0mm以下とするのが適当であり、5.0mm以下がより好ましい。尚、弾性層114の厚さは、必要とするニップ幅を確保するため、その硬さに応じて、適宜決定する。
尚、本実施形態では、弾性層114の成形は、従来から知られている押出成形法、射出成形法等によって可能であるが、特に限定されない。
また、弾性層114が多孔体である場合のセル形状については独立気泡、連続気泡いずれでも適用可能であるが、弾性層114の強度を持たせる観点から独立気泡がより好ましい。また、セル径については、5μm以上200μm以下の範囲が好ましい。5μm以上であれば、トナーTを搬送するのに十分な表面粗さを達成でき、200μm以下であれば圧縮永久歪が良好な現像剤担持体を得ることができる。
多孔体の作製方法としては、公知の方法が適用可能であり、例えば、一般的には物理発泡法、化学発泡法、マイクロカプセル法、抽出法が挙げられる。化学発泡法にて使用される発泡剤としては、該樹脂組成物の加熱時に熱分解してガスを発生するものであれば特に限定されない。例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等を用いることができ、これらを一種又は二種以上混合して使用することも可能である。また、マイクロカプセル法とは、ブタン、プロパン、ペンタン、イソブタン、イソオクタン、イソペンタンなどのガス化成分を熱可塑性樹脂の内部に含浸させたマイクロカプセルを用いる方法である。また、抽出法とは、無機充填材を樹脂中に分散させた後、無機充填材を含んだ樹脂組成物を成形し、その後、その樹脂成形物を抽出液に浸漬し、無機微粒体を溶解、除去することにより、樹脂組成物内に空孔を形成する方法である。
弾性層114の構成としては、本発明に記載された特徴及び効果を有すれば、限定されず、2層以上とすることもできる。
本実施形態では、被覆層113は、弾性層114の外周面にポリエステル樹脂やカーボンブラックからなる1層目の混合皮膜を形成し、更にその外周面にテトラエトキシシラン(シロキサン結合物)とポリエチレングリコール(以下、PEGとも略称する)とを含む2層目の混合皮膜を形成している。1層目の混合皮膜に使用される材料は各種樹脂類、金属粒子、無機粒子、カーボンブラック等適宜配合できる。1層目の混合皮膜は、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂とカーボンブラックとを混合溶剤(酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン)中に分散させ、ロールコート塗装にて塗布した後、加熱して形成した。更に、ゾルゲル法によりシロキサン結合物とPEGとの混合ゲル溶液を作製し、ディップ塗装により塗布した後、加熱して形成した。尚、被覆層113は1層で形成してもよい。
本発明者らは後述の比較例1、比較例2、実施例1〜4を含む種々の試験を行う中で、トナーと現像剤担持体との間に働く力は、ファンデルワールス力よりもクーロン力が支配的に作用していることを明らかに認識するに至った。そのため、トナーと現像剤担持体との間の付着力を抑制するためには、クーロン力の低減が効果的であり、現像剤担持体の表層材料を工夫・特定することにより、トナー付着力の低減に効果があることを見出した。これによれば、経時での現像剤担持体へのトナーフィルミングを抑制でき、トナーの帯電性が安定化することで画像品質の劣化を抑制可能なことが分かった。
(実施例)
以下、現像剤担持体に係る実施例1〜4を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例1〜4に限定されるものではない。
まず、比較例1、比較例2、実施例1〜4に亘り、共通する材料仕様、製造条件を下記に記載する。
現像剤担持体の構成としては、芯金として、直径φ8のSUM材(いおう及びいおう複合快削鋼鋼材)を用い、これにニッケルめっきを施したものを使用した。
弾性層としては、下記組成からなるエピクロルヒドリンゴム(ECO)とアクリルニトリル-ブタジエンゴム(NBR)とをブレンドしたポリマーをクロスヘッド押出し成形後、165℃×2hr[時間]の加硫を行った。尚、クロスヘッド押出しでのオフセット量(ニップル先端とダイス先端の距離)は33mmとした。その後、外径部を研削することにより、外径φ16に仕上げた。
・エピクロルヒドリンゴム(ECO) 30重量部
・アクリルニトリル-ブタジエンゴム(NBR) 70重量部
・炭酸カルシウム 30重量部
・カーボンブラック 2重量部
・加硫促進剤 3重量部
・イオウ 1重量部
※炭酸カルシウム、カーボンブラック、加硫促進剤、イオウはECOとNBRをブレンドしたポリマーに対する重量部である。
次に、弾性層の外周面に1層目の混合皮膜の被覆層を形成するために、下記組成からなる混合物をロールコート塗装にて膜厚1μmとなるように形成した。
・ポリエステル樹脂 80重量部
・メラミン樹脂 20重量部
・カーボンブラック 10重量部
※尚、溶剤には、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトンの混合物を使用した。
ロールコート後、150℃×1hrの焼成を行った。
(比較例1)
上記したとおりの共通する材料仕様、製造条件で製作した現像剤担持体を得た。比較例1では、後述するテトラエトキシシラン(シロキサン結合物)とPEGとの混合ゲル溶液を使用していない。比較例1では、現像剤担持体の最外周部が1層目の混合皮膜の被覆層となる。
(比較例2)
上記したとおりの共通する材料仕様、製造条件で1層目の被覆層を形成後、2層目の被覆層を以下の材料仕様、製造条件で形成した。
2層目の被覆層を形成するため、先ず、下表1に示す試薬を用いてテトラエトキシシラン(シロキサン結合物)のみの混合ゲル溶液(PEGを含有していない)を作製した。
Figure 2016102955
混合ゲル溶液の作製手順を以下に示す
(1)試薬No.2エタノールに試薬No.3蒸留水を加え、ターブラミキサを用いて15分攪拌する。
(2)上記混合溶液に試薬No.1テトラエトキシシランを加えターブラミキサを用いて15分攪拌する。
(3)上記混合溶液に試薬No.4塩酸を加え更に20分ターブラミキサを用いて攪拌する。
上記作製手順により得られた混合ゲル溶液をディッピングコートにより現像剤担持体に塗布し、150℃で6時間の焼成を行い、2層目の被覆層を有する現像剤担持体を得た。
(実施例1)
上記したとおりの共通する材料仕様、製造条件で1層目の被覆層を形成後、2層目の被覆層を以下の材料仕様、製造条件で形成した。
2層目の被覆層を形成するため、先ず、下表2に示す試薬を用いてテトラエトキシシラン(シロキサン結合物)とPEGとの混合ゲル溶液を作製した。
Figure 2016102955
混合ゲル溶液の作製手順を以下に示す
(1)試薬No.3エタノールに試薬No.4蒸留水を加え、ターブラミキサを用いて15分攪拌する。
(2)上記混合溶液に試薬No.1テトラエトキシシランを加えターブラミキサを用いて15分攪拌する。
(3)上記混合溶液に試薬No.5塩酸を加え更に20分ターブラミキサを用いて攪拌する。
(4)上記混合溶液に試薬No.2ポリエチレングリコールを加え、ターブラミキサを用いて20分攪拌する。
混合ゲル溶液をディッピングコートにより現像剤担持体に塗布し、150℃で6時間の焼成を行い、現像剤担持体を得た。
試薬No.1のテトラエトキシシランは、シロキサン結合物の一種である。即ち、シロキサン結合物は、シリコーンやテトラエトキシシランを含み、ケイ素と酸素とを骨格とする化合物で、Si-O-Si結合(シロキサン結合物)を持つものの総称である。
混合ゲル溶液をディッピングコートにより現像剤担持体に塗布し、150℃で6時間の焼成を行い、完成品状態の現像剤担持体(現像ローラ)を得た。得られた現像剤担持体の被覆層表面の表面粗さを測定した。
得られた現像剤担持体の被覆層表面の表面粗さRz(最大高さ:JIS B0031:2003)は、最大でも15μmであり、平均で6μm程度だった。また、うねりWcm(表面の凹凸)は5μm以下だった。算術平均粗さRaはおおよそ1μm程度であった。尚、現像剤担持体の被覆層表面の表面粗さ状態(表面粗さRz、うねりWcm、算術平均粗さRa)は、後述の実施例2〜4でも同様の結果であった。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と比較して、2層目の被覆層を形成するときに使用する表2に記載の試薬に代えて、下表3の試薬を用いたことのみ相違する。この相違点以外は実施例1と同様である。
実施例2では、2層目の被覆層を形成するため、下表3に示す試薬を用いてテトラエトキシシラン(シロキサン結合物)とPEGとの混合ゲル溶液を作製した(実施例2では、実施例1と比較して、試薬No.2ポリエチレングリコールの配合量のみ異なる)。
実施例2において、上記混合ゲル溶液の作製手順及び上記混合ゲル溶液をディッピングコートにより現像剤担持体に塗布し、150℃で6時間の焼成を行い、現像剤担持体を得た。
Figure 2016102955
(実施例3)
実施例3は、実施例1と比較して、2層目の被覆層を形成するときに使用する表2に記載の試薬に代えて、下表4の試薬を用いたことのみ相違する。この相違点以外は実施例1と同様である。
実施例3では、2層目の被覆層を形成するため、下表4に示す試薬を用いてテトラエトキシシラン(シロキサン結合物)とPEGとの混合ゲル溶液を作製した(実施例3では、実施例1と比較して、試薬No.3エタノールの配合量のみ異なる)。
実施例3においても、上記混合ゲル溶液の作製手順及び上記混合ゲル溶液をディッピングコートにより現像剤担持体に塗布し、150℃で6時間の焼成を行い、現像剤担持体を得た。
Figure 2016102955
(実施例4)
実施例4は、実施例1と比較して、2層目の被覆層を形成するときに使用する表2に記載の試薬に代えて、下表5の試薬を用いたことのみ相違する。この相違点以外は実施例1と同様である。
実施例4では、2層目の被覆層を形成するため、表5に示す試薬を用いてテトラエトキシシラン(シロキサン結合物)とPEGとの混合ゲル溶液を作製した(実施例4では、実施例1と比較して、試薬No.2、3の配合量が異なる)。
実施例4においても、上記混合ゲル溶液の作製手順及び上記混合ゲル溶液をディッピングコートにより現像剤担持体に塗布し、150℃で6時間の焼成を行い、現像剤担持体を得た。
Figure 2016102955
次に、市販のプリンタである「IPSIO SP C320」(株式会社リコー製)の画像形成装置を用い、比較例1、比較例2、実施例1〜4の完成品である現像剤担持体(現像ローラ)を前記画像形成装置のプロセスカートリッジに取り付けた。そして、像担持体である感光体ドラム上を−960Vに帯電させた。更に、現像バイアス電圧−150Vを印加し、マゼンタ一成分重合トナー(平均粒径6μm)を使用し、A4縦サイズ2%チャート画像10000枚通紙後のトナー飛散と画像上白スジ・白抜けを評価した。評価としては、「画像上白スジや白抜けの発生有無」を目視観察で評価し、その判定基準として、○が発生無し、×が発生有りである。評価結果を下表6に示す。
比較例1では、表6のとおり評価結果×であり、画像上スジや白抜けの発生があり、採用不可である。
比較例2では、現像剤担持体へのトナーフィルミングやトナー層規制部材へのトナー付着及び画像上白抜けや白スジ等の画像欠陥は発生しなかったが、目視観察により「被覆層のひび割れ」が確認された。これは、ポリエチレングリコールを被覆層に含有していないことによるものであり、比較例2はシロキサン結合物を被覆層に含有するものの、現像剤担持体としては実用性のないことが分かった。
尚、被覆層に含有する材料構成として、PEG単体だけでは、トナーと現像剤担持体間の付着力を低減する効果を発揮しないことが明らかであるため、2層目の被覆層としてテトラエトキシシラン(シロキサン結合物)が無くPEGが有る場合の実験結果は省略する。
比較例1及び比較例2に対し、実施例1〜4の現像剤担持体は、長期にわたって、現像剤担持体へのトナーフィルミングやトナー層規制部材へのトナー付着及び画像上白抜けや白スジ等の画像欠陥が発生しないことが分かった。
Figure 2016102955
以上説明したとおり、本実施形態及び実施例では、現像剤担持体103における現像剤担持体の表面を被覆する被覆層113に、少なくともシロキサン結合物とポリエチレングリコールとが含まれている材料構成である。かかる構成により、本実施形態及び実施例によれば、一成分現像剤であるトナーと現像剤担持体間の付着力を低減し、経時・経年変化によるトナーの帯電量の低下を抑制できる。少なくともシロキサン結合物を現像剤担持体の被覆層に含有していることにより、一成分現像剤と現像剤担持体間の付着力を低減し、現像剤担持体へのトナーフィルミングを抑制することができる。また、ポリエチレングリコールを含有することで被覆層のひび割れ等を抑制することができる。これにより、長期間にわたって現像剤担持体へのトナーフィルミングや、トナー層規制部材へのトナー付着及び画像上白スジや白抜け等の画像欠陥を抑制することができる現像剤担持体を提供できる。
本実施形態及び実施例では、現像剤担持体103は、芯金115と、芯金115の外周を覆う弾性層114と、弾性層114の外周を覆う被覆層113とから構成されており、現像剤担持体103の長さ方向と直交する円周方向の断面形状が円形をなしている。かかる構成により、本実施形態及び実施例によれば、弾性層を設けることで安定した現像ニップを形成することができ、断面形状を円形とすることでムラのない現像性能を発揮することができる。これにより長期にわたり、ページ間・ページ内での安定した画像濃度を確保することができる現像剤担持体を提供できる。
また、本実施形態及び実施例では、像担持体の表面に現像剤を供給する現像剤担持体を備える現像装置4において、前記構成の現像剤担持体103を備える。かかる構成により、本実施形態及び実施例によれば、様々な仕様環境下や経時・経年使用時においても安定した現像性能を発揮することができる。従って、近年の画像形成装置の高速化においても、長期にわたって現像剤担持体へのトナーフィルミングを抑制するとともに、トナー劣化及びトナー層規制部材へのトナー固着を抑制し、画像上白スジや白抜け等の画像欠陥を抑制することができる。また長期にわたり、ページ間・ページ内での安定した画像濃度を確保することができる現像装置を提供できる。
また、本実施形態及び実施例では、プリンタ100を構成するプロセスカートリッジ1は現像装置4を備えている。かかる構成により、本実施形態及び実施例によれば、様々な仕様環境下や経時・経年使用時においても安定した現像性能を発揮することができる。従って、近年の画像形成装置の高速化においても、長期にわたって現像剤担持体へのトナーフィルミングを抑制するとともに、トナー劣化及びトナー層規制部材へのトナー固着を抑制し、画像上白スジや白抜け等の画像欠陥を抑制することができるプロセスカートリッジを提供できる。また、現像装置の交換が容易になり操作性を向上することができる。
また、本実施形態及び実施例では、現像装置4又はプロセスカートリッジ1を備える画像形成装置としてのプリンタ100を用いる構成である。かかる構成により、本実施形態及び実施例によれば、上記現像装置又は上記プロセスカートリッジによる効果を画像形成装置で奏することができる。即ち、画像上白スジや白抜け等の画像欠陥を抑制することができるとともに、長期にわたり、ページ間・ページ内での安定した画像濃度を確保することができる画像形成装置を提供することができる。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態や実施例等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
本発明を適用するプロセスカートリッジとしては、像担持体と、帯電手段、クリーニング手段及び現像手段のうちの少なくとも現像手段とを一体に備え、像担持体と現像手段とが画像形成装置本体に対して着脱自在に可能に構成されたものに限らない。即ち、現像ユニットでもよく、該現像ユニットは、現像装置を一体に備え、画像形成装置本体に対して着脱自在に可能に構成されたものを含むものである。
本発明の実施の形態に適宜記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 プロセスカートリッジ
2 像担持体
3 帯電部材(帯電手段)
4 現像装置(現像手段)
5 クリーニング部材5(クリーニング手段)
6 露光装置(露光手段)
7 中間転写ベルト
8 一次転写ローラ
9 二次転写ローラ9
12 定着装置
25A 高圧電源
25B 高圧電源
100 プリンタ(画像形成装置)
103 現像剤担持体
104 トナー層規制部材
105 トナー供給ローラ
106 トナー搬送部材
107 トナー攪拌部材
109 除電シール
110 仕切り部材
112 端部シール
113 被覆層
114 弾性層
115 芯金(軸芯体)
P 転写紙P(転写材、シート状記録媒体)
T トナー(一成分現像剤)
特開2010−020168号公報

Claims (5)

  1. 一成分現像剤を担持する、2層以上の層を有する現像剤担持体であって、
    前記現像剤担持体の表面を被覆する被覆層に、少なくともシロキサン結合物とポリエチレングリコールとが含まれている現像剤担持体。
  2. 請求項1記載の現像剤担持体において、
    前記現像剤担持体は、軸芯体と、この軸芯体の外周を覆う弾性層と、この弾性層の外周を覆う前記被覆層とから構成されており、
    前記現像剤担持体の長さ方向と直交する円周方向の断面形状が、円形をなすことを特徴とする現像剤担持体。
  3. 像担持体の表面に前記現像剤を供給する現像剤担持体を備える現像装置において、
    請求項1又は2記載の現像剤担持体を備えることを特徴とする現像装置。
  4. 少なくとも現像手段を一体に備え、画像形成装置本体に対して着脱自在に可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
    前記現像手段として請求項3記載の現像装置を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 請求項3記載の現像装置又は請求項4記載のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置。
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