JP2018097246A - 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】温度0℃の如き低温環境下での使用によっても抵抗値の上昇が少ない、高品位な電子写真画像を形成し得る電子写真用部材を提供する。【解決手段】導電性の基体2の表面に直接、または弾性層4および中間層5を介して導電性の樹脂層3を有する電子写真用部材であって、樹脂層3は少なくとも1つの特定のカチオン構造を有する樹脂と、アニオンとを含んでいる。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真装置に用いられる電子写真用部材、該電子写真用部材を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置においては、現像部材の如き電子写真用部材として、導電層を備えた電子写真用部材が使用されている。導電層の電気抵抗値を例えば1×10〜1×10Ωの範囲に制御するために、特許文献1では、特定のゴム成分に対してアルコキシシリル基を有するイオン化合物を添加することが記載されている。
特開2013−61617号公報
近年、電子写真装置には、より苛酷な環境下においても、高画質および高耐久性を維持できることが求められている。しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載のイオン化合物が添加された導電性部材であっても、温度0℃の如き低温環境下で使用した場合には、電気抵抗値が上昇することがあった。
本発明は、温度0℃の如き低温環境下での使用によっても電気抵抗値の上昇が少ない電子写真用部材の提供に向けたものである。また本発明は、高品位な電子写真画像を安定して出力できる電子写真装置およびそれに用いられるプロセスカートリッジの提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、導電性の基体および該基体上の導電性の樹脂層を有する電子写真用部材であって、該樹脂層は、下記構造式(1)〜(3)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する樹脂と、アニオンとを含む電子写真用部材が提供される:
Figure 2018097246
構造式(1)中、R1は、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。
X1〜X3のうちの少なくとも2つは、各々独立に、構造式(X101)または(X102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す:
Figure 2018097246
構造式(2)中、R2は、式(2)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。X4〜X6のうちの少なくとも2つは、各々独立に、構造式(X101)または(X102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。構造式(2)における含窒素複素環中の窒素原子は、その価数を満たす結合または置換基を有する:
Figure 2018097246
構造式(3)中、R3およびR4は、各々独立に、式(3)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。R5は、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。X7〜X9のうちの少なくとも2つは、各々独立に、下記構造式(X101)または(X102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。構造式(3)における含窒素複素環中の窒素原子は、各々の価数を満たす結合または置換基を有する:
Figure 2018097246
構造式(X101)および(X102)中、
R61およびR62は、各々独立に、直鎖または分岐を有する炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。R63は、炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。
記号「*11」および「*12」は、各々独立に、構造式(1)中の窒素原子、構造式(2)中の窒素原子もしくは炭素原子、または、構造式(3)中の窒素原子もしくは炭素原子との結合部位を表す。
記号「*21」〜「*23」のうちの少なくとも1つは、該樹脂を構成するポリマー鎖中の原子との結合部位を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。
記号「*24」〜「*25」のうちの少なくとも1つは、該樹脂を構成するポリマー鎖中の原子との結合部位を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。
また、本発明の他の態様によれば、導電性の基体および該基体上の導電性の樹脂層を有する電子写真用部材であって、該樹脂層は、下記構造式(4)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と、アルコキシシリル基と反応可能な化合物との反応物である樹脂を含む電子写真用部材が提供される:
Figure 2018097246
構造式(4)中、R7は、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。Y1〜Y3のうちの少なくとも2つは、各々独立に、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す:
Figure 2018097246
構造式(5)中、R8は、式(5)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。Y4〜Y6のうちの少なくとも2つは、各々独立に、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。構造式(5)における含窒素複素環中の窒素原子は、その価数を満たす結合または置換基を有する:
Figure 2018097246
構造式(6)中、R9およびR10は、各々独立に、式(6)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。R11は、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。Y7〜Y9のうちの少なくとも2つは、各々独立に、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。構造式(6)における含窒素複素環中の窒素原子は、各々の価数を満たす結合または置換基を有する:
Figure 2018097246
構造式(Y101)および(Y102)中、R121およびR122は、各々独立に、直鎖または分岐を有する炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。R131〜R135は、各々独立に、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。R123は、炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。記号「*51」および「*52」は、各々独立に、該構造式(4)中の窒素原子、該構造式(5)中の窒素原子もしくは炭素原子、または、該構造式(6)中の窒素原子もしくは炭素原子との結合部位を表す。
さらに、本発明の他の態様によれば、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、上記の電子写真用部材を具備するプロセスカートリッジ、および上記の電子写真用部材を具備する電子写真装置が提供される。
本発明の一態様によれば、温度0℃の如き低温環境下での使用によっても抵抗値の上昇が少ない、高品位の電子写真画像を形成し得る電子写真用部材が得られる。また本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して出力できる電子写真装置およびそれに用いられるプロセスカートリッジが得られる。
本発明の一実施形態に係る電子写真用ローラの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子写真用ブレードの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子写真装置の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るプロセスカートリッジの概略構成図である。 現像ローラの抵抗値を評価するための冶具の概略構成図である。
本発明者らは、様々な化学構造を有するカチオン構造を樹脂層に含む電子写真用部材を検討した結果、特定の化学構造を有するカチオンを樹脂層に用いた場合に、温度0℃の如き低温環境下における抵抗値の上昇を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(1)電子写真用部材
本発明の一実施形態に係る電子写真用部材は、導電性の基体および該基体上の導電性の樹脂層を有する。
電子写真用部材の一例として、ローラ形状の電子写真用部材(電子写真用ローラ)を図1(a)〜(c)に示す。図1(a)に示す電子写真用ローラ1Aは、導電性の基体2と、その外周に設けられた導電性の樹脂層3とからなる。図1(b)に示すように、基体2と樹脂層3との間に、さらに弾性層4が設けられていてもよい。また、電子写真用ローラ1Aは、図1(c)に示すように、弾性層4と樹脂層3の間に中間層5を配置した3層構造であってもよく、中間層5が複数配置された多層構成であってもよい。電子写真用ローラ1Aにおいて、本発明の一実施形態に係る効果をより効果的に奏するためには、図1(a)〜(c)に示すように、樹脂層3が電子写真用ローラ1Aの最表層として存在していることが好ましい。また、電子写真用ローラ1Aは、弾性層4を有することが好ましい。
なお、電子写真用ローラ1Aの層構成は、樹脂層3が電子写真用ローラ1Aの最表層として存在するものに限定されるものではない。電子写真用ローラ1Aの具体例としては、基体2とその外周に設けられた導電性の樹脂層3の上にさらに表面層を有するものが挙げられる。
また、電子写真用部材の他の例として、ブレード形状の電子写真用部材(電子写真用ブレード)が挙げられる。図2(a)、(b)は、電子写真用ブレード1Bの概略断面図である。図2(a)に示す電子写真用ブレード1Bは、導電性の基体2と、その外周に設けられた導電性の樹脂層3とから構成されている。図2(b)に示す電子写真用ブレード1Bにおいては、基体2と樹脂層3との間にさらに弾性層4が設けられている。
電子写真用部材は、現像ローラ、帯電部材、トナー供給ローラ、現像ブレード、およびクリーニングブレードに用いることが可能である。特に、現像ローラ、現像ブレードおよびトナー供給ローラとして好適に用いることが可能である。以下、本発明の一実施形態に係る電子写真用部材の構成を詳細に説明する。
<基体>
基体2は、電子写真用部材の支持部材、および場合によっては電極として機能する。基体2は、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロムまたはニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。基体2は、電子写真用部材がローラ形状である場合中実円柱状または中空円筒状であり、電子写真用部材がブレード形状である場合薄板形状である。
<弾性層>
弾性層4は、特に、電子写真用部材がローラ形状である場合において(電子写真用ローラ1A)、電子写真用ローラ1Aと感光体との当接部に、所定の幅のニップを形成するために必要な弾性を電子写真用ローラ1Aに与えるものである。弾性層4は、ゴム材料の成形体であることが好ましい。ゴム材料の例としては、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムが挙げられる。特に圧縮永久歪みが小さく柔軟性に優れるシリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては付加硬化型液状シリコーンゴムの硬化物が挙げられる。弾性層の厚さは、0.3mm以上8.0mm以下であることが好ましい。弾性層4には、導電性を付与するためにカーボンブラックの如き導電性付与剤が適宜配合される。導電性付与剤としてカーボンブラックを用いる場合は、前記ゴム材料100質量部に対してカーボンブラックを2〜50質量部配合することが好ましい。弾性層4には、非導電性充填剤、架橋剤、触媒の如き各種添加剤が適宜配合されていてもよい。
<樹脂層>
以下、本発明の一実施形態における樹脂層3の構成について詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る樹脂層は、前記構造式(1)〜(3)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する樹脂と、アニオンとを含む。本発明に係る樹脂とアニオンとを含有する樹脂層を有することによって、温度0℃の如き低温環境下での抵抗値の上昇が抑制されるという予期せぬ効果を奏する理由について、本発明者らは以下のように推測している。
イオン化合物は、低温環境下において、カチオンとアニオンに解離している割合(イオン化率)が低下する。すなわち、低温環境下では、イオン化合物のカチオンおよびアニオンが分子運動により互いに離れようとする力よりも、互いの静電的引力の影響が支配的となり、カチオンとアニオンの分子間距離が小さい「塩」となる。そのため、低温環境下においては、イオン導電を担う解離したカチオンとアニオンの濃度が低下し、導電性が低下(抵抗値が上昇)する。したがって、低温環境下においてもカチオンとアニオンの分子間距離が十分に大きい状態を維持する(イオン化率の低下によりイオン化合物が「塩」となることが抑制される)ことにより、イオン化合物の導電性を十分に得ることができると考えられる。
特定のカチオンを用いることにより、低温環境下での抵抗値の上昇を抑制できる理由は定かではないが、以下のように考えられる。すなわち、構造式(X101)または(X102)で示される構造に含まれるシロキサン結合はイオン結合性が高く、該シロキサン結合中のケイ素原子は正に、酸素原子は負に分極している。そのため、該シロキサン結合中の酸素原子とイオン化合物中のアニオンとの間には静電的斥力が発生し、互いに分子間距離が離れる方向に力が働く。例えば、構造式(X101)または(X102)に対応する構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を1つ有する下記イオン化合物(I)では、シロキサン結合中の酸素原子の分極した電荷(δ)とアニオンAとの負電荷間の静電的斥力により、シロキサン結合中の酸素原子の負電荷Oδ−とアニオンAとは、分子間距離が離れた構造をとる。しかし、化合物(I)は、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を1つしか有していないため、アニオンAがシロキサン結合から離れた位置に移動するだけで、カチオンとアニオンAとの分子間距離に変化はない。よって、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を1つしか有していないイオン化合物(I)が反応して得られる樹脂は、低温環境下において、アニオンとカチオンが容易に「塩」を形成するためイオン化率が低下し、その結果、抵抗値が上昇する。
一方、本発明に係るイオン化合物が反応して得られる樹脂は、カチオン部位の近傍に少なくとも2つ以上の構造式(X101)または(X102)で示される構造を有する。そのため、複数のシロキサン結合の分極により生じた酸素原子の負電荷間においても静電的斥力が生じ、構造式(X101)または(X102)中のシロキサン結合の負電荷を有する酸素原子は、カチオン部位を囲むように配置する。例えば、構造式(X101)または(X102)に対応する構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を3つ有する下記イオン化合物(II)では、該構造式(Y101)または(Y102)由来のシロキサン結合の分極により生じた酸素原子の負電荷が、カチオン部位を囲むように配置する。したがって、低温環境下においても、アニオンAはシロキサン結合中の酸素原子から常に静電的斥力を受け、カチオンとアニオンの分子間距離が離れた構造をとる。その結果、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を2つ以上有するイオン化合物が反応して得られる該樹脂は、低温環境下においても常にイオン化率が高く、抵抗値の上昇が抑制されるものと考えられる。また、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を2つ以上有するイオン化合物であれば、該構造式(Y101)由来のシロキサン結合の負電荷を有する酸素原子を、カチオン部位の近傍を囲むように配置することができる。したがって、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を1つのみ有するイオン化合物では、イオン化率を高く保つ効果は得られないが、該構造を2つ以上有するイオン化合物を用いることにより、低温環境下においてもイオン化率を高く保つ効果を顕著に享受することが可能となり、抵抗値の上昇が抑制されるものと考えられる。
Figure 2018097246
なお、構造式(Y101)または(Y102)中のR121またはR122がフェニル基を有するイオン化合物を用いた場合には、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制された。その理由は定かではないが、カチオンの正電荷がフェニル基の共鳴効果により中和され、カチオンとアニオンの静電的引力が弱められることによって、低温環境下においてもイオン化率が特に高く保たれ、より効果的に抵抗値の上昇が抑制されたものと推察される。
以下、構造式(1)〜(3)で示されるカチオン構造およびアニオン、ならびに本発明に係る樹脂について詳細に説明する。
(カチオン構造)
本実施形態に係る樹脂は、下記構造式(1)〜(3)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を分子内に有する。該構造式(1)〜(3)で示されるカチオン構造を有する樹脂は、それぞれ下記構造式(4)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と、該イオン化合物が有するアルコキシシリル基と反応可能な化合物との反応により得られる。すなわち、構造式(1)〜(3)で示されるカチオン構造は、構造式(4)〜(6)で示されるカチオンとそれぞれ対応している。以下、構造式(1)〜(3)および構造式(4)〜(6)で示される構造について説明する。
Figure 2018097246
構造式(1)中、R1は、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。該炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。X1〜X3のうちの少なくとも2つは、各々独立に、下記構造式(X101)または(X102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。該炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。構造式(1)は、具体的には、樹脂との結合部を有するアンモニウムカチオンを表す。
Figure 2018097246
構造式(2)中、R2は、構造式(2)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。X4〜X6のうちの少なくとも2つは、各々独立に、下記構造式(X101)または(X102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。X4は、下記構造式(X101)または(X102)で示される構造であることが好ましい。構造式(2)は、具体的には、樹脂との結合部を有し、環構造中に窒素原子を1個含む複素環カチオンを表す。
構造式(2)における含窒素複素環中の窒素原子は、その価数を満たす結合または置換基を有する。すなわち、例えば、構造式(2)における含窒素複素環中のNは、二重結合を有するか、または、該N上にX5もしくはX6が置換した構造となる。
構造式(2)における含窒素複素環としては、具体的には、例えば、ピロリジニウム、ピロリニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、アゼパニウム等が挙げられる。これらの中でも、5員環または6員環が好ましい。
Figure 2018097246
構造式(3)中、R3およびR4は、各々独立に、構造式(3)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。R5は、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。該炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。X7〜X9のうちの少なくとも2つは、各々独立に、下記構造式(X101)または(X102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。X7は、下記構造式(X101)または(X102)で示される構造であることが好ましい。構造式(3)は、具体的には、樹脂との結合部を有し、環構造中に窒素原子を2個含む複素環カチオンを表す。
構造式(3)における含窒素複素環中の窒素原子は、各々の価数を満たす結合または置換基を有する。すなわち、例えば、構造式(3)における含窒素複素環中のNは、二重結合を有するか、または、該N上にR5、X8もしくはX9が置換した構造となる。
構造式(3)における含窒素複素環としては、具体的には、例えば、イミダゾリウム、ピラゾリウム、ピリミジニウム、ピペラジニウム、ジアゼパニウム等が挙げられる。これらの中でも、5員環または6員環が好ましい。
Figure 2018097246
構造式(X101)および(X102)中、R61およびR62は、各々独立に、直鎖または分岐を有する炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。該炭化水素基は、エーテル結合、エステル結合、およびアミド結合等の化学結合、ならびにフェニル基、二重結合および三重結合等の不飽和炭化水素結合を有していてもよい。これらの中でも、該炭化水素基は、フェニル基および/または二重結合を有することが好ましく、フェニル基および二重結合を有することがより好ましい。R63は、炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。記号「*11」および「*12」は、各々独立に、構造式(1)中の窒素原子、構造式(2)中の窒素原子もしくは炭素原子、または構造式(3)中の窒素原子もしくは炭素原子との結合部位を表す。記号「*21」〜「*23」のうちの少なくとも1つは、該樹脂を構成するポリマー鎖中の原子との結合部位を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。記号「*24」〜「*25」のうちの少なくとも1つは、該樹脂を構成するポリマー鎖中の原子との結合部位を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。
前記構造式(1)〜(3)で示されるカチオン構造の中でも、構造式(2)または(3)で示される構造を有する樹脂を含む場合、カチオンの化学構造に起因して、低温でもイオン化率がより高くなるため、温度0℃の如き低温環境下での抵抗値が、より上昇しにくく、好ましい。
Figure 2018097246
構造式(4)中、R7は、構造式(1)におけるR1と同義である。Y1〜Y3のうちの少なくとも2つは、各々独立に、下記構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。構造式(4)は、具体的には、アルコキシシリル基群を有する基を2個以上有するアンモニウムカチオンを表す。
構造式(4)で示される構造としては、具体的には、例えば、ビス(トリメトキシシリル−n−プロピル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(トリエトキシシリル−n−プロピル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(トリメトキシシリル−n−プロピル)ジエチルアンモニウムカチオン、ビス(トリメトキシシリル−n−ブチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(3−トリメトキシシリル−2−n−プロペニル)ジブチルアンモニウムカチオン、ビス(3−トリエトキシシリル−2−n−プロペニル)ジブチルアンモニウムカチオン、ビス[3−(4−トリメトキシシリル)フェニル−2−n−プロペニル]ジブチルアンモニウムカチオン、ビス[3−(4−トリエトキシシリル)フェニル−2−n−プロペニル]ジブチルアンモニウムカチオン、トリス(トリメトキシシリル−n−プロピル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(トリエトキシシリル−n−プロピル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(トリメトキシシリル−n−プロピル)エチルアンモニウムカチオン、トリス(トリメトキシシリル−n−ブチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(トリメトキシシリル−n−ブチル)エチルアンモニウムカチオン、トリス(3−トリメトキシシリル−2−n−プロペニル)ブチルアンモニウムカチオン、およびこれらの誘導体が挙げられる。
Figure 2018097246
構造式(5)中、R8は、構造式(5)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。Y4〜Y6のうちの少なくとも2つは、各々独立に、下記構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。Y4は、下記構造式(Y101)または(Y102)で示される構造であることが好ましい。構造式(5)は、具体的には、アルコキシシリル基群を有する基を2個以上有し、環構造中に窒素原子を1個含む複素環カチオンを表す。
構造式(5)における含窒素複素環中の窒素原子は、その価数を満たす結合または置換基を有する。すなわち、例えば、構造式(5)における含窒素複素環中のNは、二重結合を有するか、または、該N上にY5もしくはY6が置換した構造となる。
構造式(5)における含窒素複素環としては、具体的には、例えば、ピロリジニウム、ピロリニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、アゼパニウム等が挙げられる。これらの中でも、5員環または6員環が好ましい。
構造式(5)で示される構造としては、具体的には、例えば、1,3−ビス(トリメトキシシリル−n−プロピル)−1−メチルピロリジニウムカチオン、1,3−ビス(トリエトキシシリル−n−ブチル)−1−メチルピロリジニウムカチオン、1,3−ビス(トリエトキシシリル−n−ペンテニル)−1−メチルピロリジニウムカチオン、1,4−ビス(トリメトキシシリル−n−ブチル)−1−メチルピペリジニウムカチオン、1,2−ビス(3−トリメトキシシリル−2−n−プロペニル)ピリジニウムカチオン、1,2−ビス[3−(4−トリメトキシシリル)フェニル−2−n−プロペニル]ピリジニウムカチオン、1,2−ビス(3−メチルジメトキシシリル−2−n−プロペニル)ピリジニウムカチオン、1,1,3−トリス(トリメトキシシリル−n−プロピル)ピロリジニウムカチオン、1,1,3−トリス(トリエトキシシリル−n−ブチル)ピロリジニウムカチオン、1,1,3−トリス(3−メチルジメトキシシリル−2−n−プロペニル)ピロリジニウムカチオン、1,1,3−トリス[3−(4−トリメトキシシリル)フェニル−2−n−プロペニル]ピリジニウムカチオン、1,1,3−トリス(トリエトキシシリル−n−ペンテニル)ピロリジニウムカチオン、1,1,4−トリス(トリメトキシシリル−n−ブチル)ピペリジニウムカチオン、1,1,4−トリス(トリエトキシシリル−n−ペンテニル)ピペリジニウムカチオン、およびこれらの誘導体が挙げられる。
構造式(5)で示される構造は、下記構造式(5−1)または(5−2)で示される構造であることが好ましい。
Figure 2018097246
構造式(5−1)および(5−2)中のY4〜Y6は、前記構造式(5)中のY4〜Y6と同義である。なお、構造式(5−1)および(5−2)中のY4は、下記構造式(Y101)または(Y102)で示される構造であることが好ましい。
Figure 2018097246
構造式(6)中、R9およびR10は、各々独立に、構造式(6)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。R11は、構造式(3)におけるR5と同義である。Y7〜Y9のうちの少なくとも2つは、各々独立に、下記構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。Y7は、下記構造式(Y101)または(Y102)で示される構造であることが好ましい。構造式(6)は、具体的には、アルコキシシリル基群を有する基を2個以上有し、環構造中に窒素原子を2個含む複素環カチオンを表す。
構造式(6)における含窒素複素環中の窒素原子は、各々の価数を満たす結合または置換基を有する。すなわち、例えば、構造式(6)における含窒素複素環中のNは、二重結合を有するか、または、該N上にR11、Y8もしくはY9が置換した構造となる。
構造式(6)における含窒素複素環としては、具体的には、例えば、イミダゾリウム、ピラゾリウム、ピリミジニウム、ピペラジニウム、ジアゼパニウム等が挙げられる。これらの中でも、5員環または6員環が好ましい。
構造式(6)で表される構造としては、具体的には、例えば、1,3−ビス(3−トリメトキシシリル−2−n−プロペニル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ビス[3−(4−トリメトキシシリル)フェニル−2−n−プロペニル]イミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(3−メチルジメトキシシリル−2−n−プロペニル)イミダゾリウムカチオン、2,4−ビス(トリメトキシシリル−n−プロピル)−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ビス(3−トリメトキシシリル−2−n−プロペニル)ピラゾリウムカチオン、1,2−ビス[3−(4−トリメトキシシリル)フェニル−2−n−プロペニル]ピラゾリウムカチオン、1,2−ビス[3−(4−トリメトキシシリル)フェニル−3−n−ブテニル]ピラゾリウムカチオン、1,2−ビス[3−(4−トリメトキシシリル)フェニル−4−n−ペンテニル]ピラゾリウムカチオン、1,2,4−トリス(トリメトキシシリル−n−プロピル)−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2,4−トリス(トリメトキシシリル−n−プロピル)−3−n−ブチルイミダゾリウムカチオン、1,2,4−トリス(トリメトキシシリル−n−ブチル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2,4−トリス(トリメトキシシリル−n−プロピル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2,4−トリス(トリメトキシシリル−n−プロピル)−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2,4−トリス(トリメトキシシリル−n−ペンテニル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,3,5−トリス(トリメトキシシリル−n−プロピル)ピリミジニウムカチオン、1,3,5−トリス(トリエトキシシリル−n−プロピル)ピリミジニウムカチオン、1,2,4−トリス(トリメトキシシリル−n−プロピル)ピペラジニウムカチオン、およびこれらの誘導体が挙げられる。
構造式(6)で示される構造は、下記構造式(6−1)または(6−2)で示される構造であることが好ましい。
Figure 2018097246
構造式(6−1)および(6−2)中のR11およびY7〜Y9は、前記構造式(6)中のR11およびY7〜Y9と同義である。なお、構造式(6−1)および(6−2)中のY7は、下記構造式(Y101)または(Y102)で示される構造であることが好ましい。
Figure 2018097246
構造式(Y101)および(Y102)中、R121およびR122は、各々独立に、直鎖または分岐を有する炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。該炭化水素基は、エーテル結合、エステル結合、およびアミド結合等の化学結合、ならびにフェニル基、二重結合および三重結合等の不飽和炭化水素結合を有していてもよい。これらの中でも、該炭化水素基は、フェニル基および/または二重結合を有することが好ましく、フェニル基および二重結合を有することがより好ましい。R131〜R135は、各々独立に、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。R123は、炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。記号「*51」および「*52」は、各々独立に、該構造式(4)中の窒素原子、該構造式(5)中の窒素原子もしくは炭素原子、または、該構造式(6)中の窒素原子もしくは炭素原子との結合部位を表す。
構造式(Y101)および(Y102)中のR121およびR122は、反応後の樹脂が有する構造式(X101)または(X102)で示される構造におけるR61およびR62と同様の構造となる。構造式(Y101)または(Y102)で示される構造は、それぞれ、樹脂成分中の官能基であるヒドロシリル基(−SiH)と反応した場合は構造式(Z101)の構造、樹脂成分中の官能基であるヒドロキシ基(−OH)と反応した場合は構造式(Z102)の構造、樹脂成分中の官能基であるイソシアネート基(−NCO)と反応した場合は構造式(Z103)の構造、樹脂成分中の官能基であるカルボキシル基(−COOH)と反応した場合は構造式(Z104)の構造を与える。
Figure 2018097246
構造式(Z101)〜(Z104)中、R611〜R614は、各々独立に、直鎖または分岐を有する炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。
記号「*111」〜「*114」は、各々独立に、構造式(1)中の窒素原子、構造式(2)中の窒素原子もしくは炭素原子、または、構造式(3)中の窒素原子もしくは炭素原子との結合部位を表す。
記号「*211」および「*231」のうちの少なくとも1つ、記号「*212」および「*232」のうちの少なくとも1つ、記号「*213」および「*233」のうちの少なくとも1つ、ならびに記号「*214」および「*234」のうちの少なくとも1つは、該樹脂を構成するポリマー鎖中の原子との結合部位を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。
記号「*221」〜「*224」は、該樹脂を構成するポリマー鎖中の原子との結合部位を表す。
構造式(Y101)で示される構造としては、具体的には、例えば、トリメトキシシリル−n−プロピル基、トリエトキシシリル−n−プロピル基、トリメトキシシリル−n−ブチル基、トリエトキシシリル−n−ブチル基、トリメトキシシリル−n−プロペニル基、トリエトキシシリル−n−プロペニル基、3−(4−トリメトキシシリル)フェニル−n−プロペニル基、3−(4−トリエトキシシリル)フェニル−n−プロペニル基、トリメトキシシリル−n−ペンテニル基、トリエトキシシリル−n−ペンテニル基、(4−トリメトキシシリル)−3−n−ブテニルオキシプロピル基、4−(4−トリメトキシシリル)フェニル−3−n−ブテニルオキシプロピル等が挙げられる。
構造式(Y102)で示される構造としては、具体的には、例えば、メチルジメトキシシリル−n−プロピル基、メチルジエトキシシリル−n−プロピル基、メチルジメトキシシリル−n−ブチル基、メチルジエトキシシリル−n−ブチル基、メチルジメトキシシリル−n−プロペニル基、メチルジエトキシシリル−n−プロペニル基、メチルジメトキシシリル−n−ペンテニル基、メチルジエトキシシリル−n−ペンテニル基等が挙げられる。
本発明に係るイオン化合物は、構造式(4)〜(6)で示されるカチオンの中でも、構造式(5)または(6)で示されるカチオンを有するイオン化合物であることが好ましい。構造式(5)または(6)で示されるカチオンを有するイオン化合物を用いた場合、カチオンの化学構造に起因して、低温でもイオン化率がより高くなるため、温度0℃の如き低温環境下での抵抗値が、より上昇しにくくなる。
(アニオン)
本発明に係るアニオンは、特に限定されるものではないが、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロスルホネートアニオン、フルオロアルキルカルボン酸アニオン、フルオロアルキルメチドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、フルオロリン酸アニオン、ジシアナミドアニオン、チオシアン酸アニオン、フルオロアンチモン酸アニオンおよびフルオロアルセナートアニオンからなる群より選択されることが好ましい。
フルオロアルキルスルホニルイミドアニオンとしては、具体的には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアニオンの如き、炭素数1以上4以下のフルオロアルキル基を有するフルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、および、N,N−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルイミドの如き環状のフルオロアルキルスルホニルイミドアニオンが挙げられる。
フルオロスルホニルイミドアニオンとしては、具体的には、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンが挙げられる。
フルオロアルキルスルホネートアニオンとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、フルオロメタンスルホン酸アニオン、パーフルオロエタンスルホン酸アニオン、パーフルオロプロパンスルホン酸アニオン、パーフルオロブタンスルホン酸アニオン、パーフルオロペンタンスルホン酸アニオン、パーフルオロヘキサンスルホン酸アニオン、パーフルオロオクタンスルホン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルキルカルボン酸アニオンとしては、具体的には、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロプロピオン酸アニオン、パーフルオロ酪酸アニオン、パーフルオロ吉草酸アニオン、パーフルオロカプロン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルキルメチドアニオンとしては、具体的には、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロエタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロプロパンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロブタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロペンタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロヘキサンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロオクタンスルホニル)メチドアニオンが挙げられる。
フルオロホウ酸アニオンとしては、具体的には、例えばテトラフルオロホウ酸アニオンが挙げられる。
フルオロリン酸アニオンしては、具体的には、例えばヘキサフルオロリン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアンチモン酸アニオンとしては、具体的には、例えばヘキサフルオロアンチモン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルセナートアニオンとしては、具体的には、例えばヘキサフルオロアルセナートアニオンが挙げられる。
なお、前記構造式(4)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物は、アニオンとして、上記アニオンを含有することが好ましい。
前記構造式(4)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と、後述するアルコキシシリル基と反応可能な化合物とから、本発明に係る樹脂を作製する場合、前記イオン化合物の含有量は、アルコキシシリル基と反応可能な化合物100質量部に対して、0.1質量部以上12.5質量部以下であることが好ましい。イオン化合物の含有量が上記範囲内であれば、低温環境下でも電子写真用部材の導電性がより良好となり、また硬度の著しい上昇も抑制される。
(樹脂)
本発明において、前記構造式(1)〜(3)で示されるカチオン構造を有する樹脂は、前記構造式(4)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と、該イオン化合物中のアルコキシシリル基と反応可能な化合物との反応により得られる。すなわち、本発明に係る樹脂は、前記構造式(4)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と、アルコキシシリル基と反応可能な化合物との反応物である。
アルコキシシリル基と反応可能な化合物としては、ヒドロキシ基(−OH)、ヒドロシリル基(−SiH)、イソシアネート基(−NCO)、カルボキシル基(−COOH)等を有する化合物を挙げることができる。ヒドロキシ基、ヒドロシリル基、イソシアネート基、カルボキシル基を有する化合物としては、公知の樹脂の構成成分を用いることができる。すなわち、構成成分中に、ヒドロキシ基、ヒドロシリル基、イソシアネート基、カルボキシル基等を有する樹脂を用いることができる。公知の樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。
ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリアルキレンイミン樹脂等。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、耐摩耗性の観点から、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
ウレタン樹脂として用いる場合、該ウレタン樹脂を構成するイソシアネート化合物およびヒドロキシ化合物としては、公知のものを用いることができる。イソシアネート化合物中のイソシアネート基(−NCO)と、イオン化合物が有する構造式(Y101)または(Y102)中のアルコキシシリル基とが反応することにより、構造式(Z103)で示される構造を有するウレタン樹脂を得ることができる。同様に、ヒドロキシ化合物中のヒドロキシ基(−OH)と、イオン化合物が有する構造式(Y101)または(Y102)中のアルコキシシリル基とが反応することにより、構造式(Z102)を有するウレタン樹脂を得ることができる。
ウレタン樹脂として用いる場合のイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートの如き脂環式ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネート;および、これらの共重合物やイソシアヌレート体、TMPアダクト体、ビウレット体、そのブロック体を用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネートが好ましい。
ウレタン樹脂として用いる場合のヒドロキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミンなどが挙げられる。
シリコーン樹脂として用いる場合、該シリコーン樹脂を構成するヒドロシリル化合物としては、公知のものを用いることができる。ヒドロシリル化合物中のヒドロシリル基(−SiH)と、イオン化合物が有する構造式(Y101)または(Y102)中のアルコキシシリル基とが反応することにより、構造式(Z101)を有するシリコーン樹脂を得ることができる。
シリコーン樹脂として用いる場合のヒドロシリル化合物としては、特に限定されるものではないが、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサン(以下、「オルガノハイドロジェンポリシロキサン」ともいう)であり、架橋硬化の工程における付加反応において架橋剤の働きをするものが好ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサン一分子中のケイ素原子に結合した水素原子は、2個以上であることが好ましく、硬化反応を効率良く行う観点から、3個以上であることがより好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量(Mw)は、1000以上10000以下であることが好ましい。硬化反応をより好適に行うためには、比較的分子量が低い、重量平均分子量1000以上5000以下のオルガノハイドロジェンポリシロキサンがより好適に用いられる。
なお、シロキサン結合からなるシリコーン樹脂を選択した場合、シリコーン主鎖が、らせん構造をとり、シリコーン樹脂由来のシロキサン結合が、らせん構造の内側に内包されるため、シリコーン主鎖の酸素原子からは、アニオンの静電反発効果は得られない。したがって、低温環境下のシリコーン樹脂中において、イオン導電剤のイオン化率の低下を抑制するためには、構造式(X101)または(X102)に示すようなイオン導電剤のカチオンの周囲に独立して存在する複数個のらせん構造をとらないシロキサン結合の組み込みが必要である。
アクリル樹脂として用いる場合、該アクリル樹脂を構成する(メタ)アクリル化合物としては、公知の(メタ)アクリル基を有する重合性モノマーを用いることができる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」または「メタクリル」を意味する(以下、同様)。アクリル樹脂中のカルボキシル基(−COOH)と、イオン化合物が有する構造式(Y101)または(Y102)中のアルコキシシリル基とが反応することにより、構造式(Z104)で示される構造を有するアクリル樹脂を得ることができる。(メタ)アクリル基を有する重合性モノマーは、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。これらは1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。
1官能性の重合性モノマーとしては、メタクリル酸、アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、フルオロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能性の重合性モノマーとしては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、が挙げられる。
3官能性の重合性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。
(樹脂層中のその他の成分)
樹脂層は、必要に応じて、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛および炭酸カルシウムの如き非導電性充填剤を含有してもよい。これらの非導電性充填剤は、樹脂層形成用の塗料に添加することにより、樹脂層の形成工程において該塗料をコーティングする際に、成膜助剤としての機能を発揮する。非導電性充填剤を添加する場合、非導電性充填剤の含有量は、樹脂層を形成する樹脂、すなわち該樹脂100質量部に対して、10質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
また、樹脂層は、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲で、導電性充填剤を含有してもよい。導電性充填剤としては、カーボンブラック;アルミニウム、銅の如き導電性金属;酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンの如き導電性金属酸化物の微粒子を用いることができる。これらの中でも、カーボンブラックは、比較的容易に入手でき、導電付与性と補強性が高いため、特に好ましく用いられる。
さらに、樹脂層が最表層であって、電子写真用部材としてある程度の表面粗度が求められる場合は、樹脂層に粗さ制御のための微粒子(粗さ制御用微粒子)を添加してもよい。粗さ制御用微粒子としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、またはフェノール樹脂の微粒子を用いることができる。粗さ制御用微粒子の体積平均粒径は、1μm以上15μm以下であることが好ましい。粗さ制御用微粒子を添加する場合、樹脂層中の粗さ制御用粒子の含有量は、樹脂層を形成する樹脂、すなわち該樹脂100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
(樹脂層の形成方法)
本発明に係る樹脂を形成するための、前記構造式(4)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と、アルコキシシリル基と反応可能な化合物との反応は、熱硬化反応により行うことができる。
樹脂層の形成方法としては、特に限定されるものではないが、スプレー塗工、浸漬塗工、またはロールコート法が挙げられる。これらの中でも、特開昭57−5047号公報に記載されているような、浸漬槽の上端から塗料をオーバーフローさせる浸漬塗工方法は、樹脂層を形成する方法として簡便かつ生産安定性に優れているため、好ましく用いられる。樹脂層の厚さは、1.0μm以上20.0μm以下であることが好ましい。
(2)電子写真装置
本発明に係る電子写真用部材は、電子写真装置における現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ、および現像ブレード、クリーニングブレードとして好適に用いることができる。電子写真用部材は、磁性一成分トナーや非磁性一成分トナーを用いた非接触型現像装置および接触型現像装置、ならびに二成分トナーを用いた現像装置のいずれの現像装置にも適用することができる。
図3は、本発明に係る電子写真用部材を、一成分トナーを用いた接触型現像装置の現像ローラとして搭載した電子写真装置の一例を示す概略断面図である。
現像装置22は、一成分トナーとしてトナー15を収容したトナー容器20と、現像ローラ16と、現像ローラ16へトナーを供給するトナー供給ローラ19と、現像ローラ16上のトナー層の厚さを規制する現像ブレード21とを含む。現像ローラ16は、トナー容器20内の長手方向に延在する開口部に位置し、感光体18に対して接触設置されている。なお、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電ローラ24は、電子写真装置本体に配備されていてもよい。現像装置22は、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色トナーに用意されており、カラー印刷を可能としている。
以下、電子写真装置のプリント動作を説明する。感光体18は矢印方向に回転し、感光体18を帯電処理するための帯電ローラ24によって一様に帯電される。次いで、露光手段であるレーザー光23により、感光体18の表面に静電潜像が形成される。該静電潜像は、現像装置22によって、感光体18に対して接触配置される現像ローラ16からトナー15が付与されることにより、トナー像として可視化される(現像)。現像は、露光部にトナー像を形成する、いわゆる反転現像である。感光体18上に形成されたトナー像は、転写部材である転写ローラ29によって記録媒体である紙34に転写される。紙34は、給紙ローラ35および吸着ローラ36を経て装置内に給紙され、エンドレスベルト状の転写搬送ベルト32によって、感光体18と転写ローラ29の間に搬送される。転写搬送ベルト32は、従動ローラ33、駆動ローラ28、テンションローラ31により稼働している。現像ローラ16、現像ブレード21および吸着ローラ36には、バイアス電源30から電圧が印加されている。トナー像が転写された紙34は、定着装置27により定着処理され、装置外に排紙されて、プリント動作が終了する。
一方、転写されずに感光体18上に残存した転写残トナーは、感光体表面をクリーニングするためのクリーニング部材であるクリーニングブレード26により掻き取られ、廃トナー収容容器25に収納される。クリーニングされた感光体18は、以上のプリント動作を繰り返し行う。
(3)プロセスカートリッジ
本発明に係る電子写真用部材は、プロセスカートリッジにおける現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ、および現像ブレード、クリーニングブレードとして好適に用いることができる。
図4は、本発明の一実施形態に係るプロセスカートリッジの概略断面図である。図4において、前記電子写真用部材は、現像ローラ16として搭載されている。プロセスカートリッジ17は、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている。また、プロセスカートリッジ17は、現像ローラ16と現像ブレード21とを備える現像装置22、電子写真感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、および帯電ローラ24が一体化されたものである。現像装置22は、さらにトナー容器20を有し、トナー容器20内には、トナー15が充填されている。トナー容器20内のトナー15は、トナー供給ローラ19によって現像ローラ16の表面に供給され、現像ブレード21によって、現像ローラ16の表面に所定の厚みのトナー15の層が形成される。
以下に、本発明に係る具体的な実施例および比較例について示す。まず、樹脂を作製するために必要なイオン化合物を合成した。
<イオン化合物の合成>
本発明に係るイオン化合物は、公知の手段、例えば、含窒素化合物をハロゲン化アルキルにより4級化し、アルコキシシラン化合物を付加し、所望のアニオンを有する塩を用いてイオン交換反応を行うことにより合成することができる。以下に合成方法の一例を示す。
(イオン化合物IP−1の合成)
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)3.0mmolにテトラヒドロフラン20gを加え、水素化ナトリウム粉末をろ過して、得られた水素化ナトリウム粉末を、テトラヒドロフラン60gを用いて3回洗浄した。洗浄後すぐに、テトラヒドロフラン80gに水素化ナトリウム粉末を分散させ、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。そこへ、原料1として、ジブチルアミン(東京化成工業社製)0.48mmolをテトラヒドロフラン180gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した。続いて、原料2として、3−ブロモ−1−プロペン(東京化成工業社製)1.0mmolをテトラヒドロフラン180gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した。反応溶液を12時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール300mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。
得られた生成物をジクロロメタン30mlに溶解させ、Grubbs触媒 2nd generation(SIGMA−ALDRICH製)0.1mmolおよび、原料3のアルコキシシシランとして、ビニルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)0.96mmolを加え、反応系を窒素雰囲気下とし、2時間加熱還流を行った。反応溶液中の不溶物をセライトろ過により除いた後、減圧下で溶媒を留去した。これをアセトンに溶解し、原料4のアニオン原料として、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)0.48mmolを加えた後、室温で12時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、析出したリチウムブロマイドをろ過することで、イオン化合物IP−1を得た。イオン化合物IP−1は、下記式(7)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−2の合成)
原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−1の合成と同様にして、イオン化合物IP−2を得た。
(イオン化合物IP−3の合成)
原料4であるアニオン原料をテトラフルオロホウ酸リチウム(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−1の合成と同様にして、イオン化合物IP−3を得た。
(イオン化合物IP−4の合成)
原料4であるアニオン原料をヘキサフルオロリン酸リチウム(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−1の合成と同様にして、イオン化合物IP−4を得た。
(イオン化合物IP−5の合成)
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)3.0mmolにテトラヒドロフラン20gを加え、水素化ナトリウム粉末をろ過して、得られた水素化ナトリウム粉末を、テトラヒドロフラン60gを用いて3回洗浄した。洗浄後すぐに、テトラヒドロフラン80gに水素化ナトリウム粉末を分散させ、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。そこへ、テトラヒドロフラン90gに溶解させたn−ブチルアミン(原料1、東京化成工業社製)0.48mmolを30分かけて滴下した。続いて、テトラヒドロフラン90gに溶解させた3−ブロモ−1−プロペン(原料2、東京化成工業社製)1.5mmolを30分かけて滴下した。反応溶液を24時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール300mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。
得られた生成物をジクロロメタン30mlに溶解させ、Grubbs触媒 2nd generation(SIGMA−ALDRICH製)0.1mmolおよび、ビニルトリメトキシシラン(原料3、東京化成工業社製)0.96mmolを加え、反応系を窒素雰囲気下とし、2時間加熱還流を行った。反応溶液中の不溶物をセライトろ過により除いた後、減圧下で溶媒を留去した。これをアセトンに溶解し、カリウム N,N−ビス(フルオロスルホニル)イミド(原料4、商品名:K−FSI、三菱マテリアル電子化成社製)0.48mmolを加えた後、室温で24時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、析出したカリウムブロマイドをろ過することで、イオン化合物IP−5を得た。イオン化合物IP−5は、下記式(8)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−6の合成)
原料4であるアニオン原料をカリウム トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(商品名:K−TFSM、セントラル硝子社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−5の合成と同様にして、イオン化合物IP−6を得た。
(イオン化合物IP−7の合成)
原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をヘキサフルオロひ酸カリウム(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−5の合成と同様にして、イオン化合物IP−7を得た。
(イオン化合物IP−8の合成)
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)3.0mmolにテトラヒドロフラン20gを加え、水素化ナトリウム粉末をろ過して、得られた水素化ナトリウム粉末を、テトラヒドロフラン60gを用いて3回洗浄した。洗浄後すぐに、テトラヒドロフラン80gに水素化ナトリウム粉末を分散させ、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。そこへ、テトラヒドロフラン90gに溶解させた2−アリルピリジン(原料1、東京化成工業社製)0.48mmolを30分かけて滴下した。続いて、テトラヒドロフラン90gに溶解させた3−ブロモ−1−プロペン(原料2、東京化成工業社製)1.5mmolを30分かけて滴下した。反応溶液を6時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール300mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。
得られた生成物をジクロロメタン30mlに溶解させ、Grubbs触媒 2nd generation(SIGMA−ALDRICH製)0.1mmolおよび、ビニルトリメトキシシラン(原料3、東京化成工業社製)0.96mmolを加え、反応系を窒素雰囲気下とし、2時間加熱還流を行った。反応溶液中の不溶物をセライトろ過により除いた後、減圧下で溶媒を留去した。これをアセトンに溶解し、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(原料4、商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)0.48mmolを加えた後、室温で24時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、析出したリチウムブロマイドをろ過することで、イオン化合物IP−8を得た。イオン化合物IP−8は、下記式(9)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−9の合成)
原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−8の合成と同様にして、イオン化合物IP−9を得た。
(イオン化合物IP−10の合成)
原料4であるアニオン原料をカリウム N,N−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルイミド(商品名:EF−N302、三菱マテリアル電子化成社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−8の合成と同様にして、イオン化合物IP−10を得た。
(イオン化合物IP−11の合成)
原料4であるアニオン原料をヘキサフルオロアンチモン(V)酸銀(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−8の合成と同様にして、イオン化合物IP−11を得た。
(イオン化合物IP−12の合成)
原料3であるアルコキシシランをジメトキシメチルビニルシラン(東京化成工業社製)に変更し、アニオン原料をトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−8の合成と同様にして、イオン化合物IP−12を得た。
(イオン化合物IP−13の合成)
原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−8の合成と同様にして、イオン化合物IP−13を得た。
(化合物IP−14の合成)
原料4であるアニオン原料をナトリウムジシアナミド(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−8の合成と同様にして、イオン化合物IP−14を得た。
(イオン化合物IP−15の合成)
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)3.0mmolにテトラヒドロフラン20gを加え、水素化ナトリウム粉末をろ過して、得られた水素化ナトリウム粉末を、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)20gを用いて3回洗浄した。洗浄後すぐに、DMF20gに水素化ナトリウム粉末を分散させ、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。そこへ、原料1として、3,5−Pyridine dipropanol(Shanghai Chemhere社製)0.48mmolをDMF20gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した。続いて、原料2として、4−ブロモ−1−ブテン(東京化成工業社製)1.0mmolをDMF20gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した。反応溶液を2時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣に、テトラヒドロフランに溶解した水素化ナトリウム粉末と原料2である4−ブロモ−1−ブテン(東京化成工業社製)1.0mmolを再び加え、反応溶液を2時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール300mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。
得られた生成物をジクロロメタン30mlに溶解させ、Grubbs触媒 2nd generation(SIGMA−ALDRICH製)0.1mmolおよび、原料3のアルコキシシシランとして、ビニルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)1.5mmolを加え、反応系を窒素雰囲気下とし、2時間加熱還流を行った。反応溶液中の不溶物をセライトろ過により除いた後、減圧下で溶媒を留去した。これをアセトンに溶解し、原料4のアニオン原料として、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)0.48mmolを加えた後、室温で12時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、析出したリチウムブロマイドをろ過することで、イオン化合物IP−15を得た。イオン化合物IP−15は、下記式(10)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−16の合成)
原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−15の合成と同様にして、イオン化合物IP−16を得た。
(イオン化合物IP−17の合成)
原料4であるアニオン原料をノナフルオロブタンスルホン酸カリウム(商品名:KFBS、三菱マテリアル電子化成社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−15の合成と同様にして、イオン化合物IP−17を得た。
(イオン化合物IP−18の合成)
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)3.0mmolにテトラヒドロフラン20gを加え、水素化ナトリウム粉末をろ過して、得られた水素化ナトリウム粉末を、テトラヒドロフラン60gを用いて3回洗浄した。洗浄後すぐに、テトラヒドロフラン80gに水素化ナトリウム粉末を分散させ、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。そこへ、テトラヒドロフラン90gに溶解させた3−(Prop−2−en−1−yl)pyrrolidine(原料1、Aurora Fine Chemicals社製)0.48mmolを30分かけて滴下した。続いて、テトラヒドロフラン90gに溶解させた3−ブロモ−1−プロペン(原料2、東京化成工業社製)1.5mmolを30分かけて滴下した。反応溶液を24時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール300mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。
得られた生成物をジクロロメタン30mlに溶解させ、Grubbs触媒 2nd generation(SIGMA−ALDRICH製)0.1mmolおよび、原料3のアルコキシシシランとして、ジメトキシメチルビニルシラン(東京化成工業社製)1.5mmolを加え、反応系を窒素雰囲気下とし、2時間加熱還流を行った。反応溶液中の不溶物をセライトろ過により除いた後、減圧下で溶媒を留去した。これをアセトンに溶解し、アニオン原料として、テトラフルオロホウ酸リチウム(原料4、東京化成工業社製)0.48mmolを加えた後、室温で24時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、析出したリチウムブロマイドをろ過することで、イオン化合物IP−18を得た。イオン化合物IP−18は、下記式(11)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−19の合成)
原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−18の合成と同様にして、イオン化合物IP−19を得た。
(イオン化合物IP−20の合成)
原料3であるアルコキシシランをビニルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をチオシアン酸カリウム(林純薬工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−18の合成と同様にして、イオン化合物IP−20を得た。
(イオン化合物IP−21の合成)
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)3.0mmolにテトラヒドロフラン20gを加え、水素化ナトリウム粉末をろ過して、得られた水素化ナトリウム粉末を、テトラヒドロフラン60gを用いて3回洗浄した。洗浄後すぐに、テトラヒドロフラン80gに水素化ナトリウム粉末を分散させ、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。そこへ、原料1として、イミダゾール(東京化成工業社製)0.48mmolをテトラヒドロフラン180gに溶解させた溶液を、30分かけて滴下した。続いて、原料2として、3−ブロモ−1−プロペン(東京化成工業社製)1.0mmolをテトラヒドロフラン180gに溶解させた溶液を、30分かけて滴下した。反応溶液を12時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール300mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。
得られた生成物をジクロロメタン30mlに溶解させ、Grubbs触媒 2nd generation(SIGMA−ALDRICH製)0.1mmolおよび、原料3のアルコキシシシランとして、ビニルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)0.96mmolを加え、反応系を窒素雰囲気下とし、2時間加熱還流を行った。反応溶液中の不溶物をセライトろ過により除いた後、減圧下で溶媒を留去した。これをアセトンに溶解し、原料4のアニオン原料として、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)0.48mmolを加えた後、室温で12時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、析出したリチウムブロマイドをろ過することで、イオン化合物IP−21を得た。イオン化合物IP−21は、下記式(12)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−22の合成)
原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−22を得た。
(イオン化合物IP−23の合成)
原料3であるアルコキシシランをジメトキシメチルビニルシラン(東京化成工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をカリウム N,N−ビス(フルオロスルホニル)イミド(商品名:K−FSI、三菱マテリアル電子化成社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−23を得た。
(イオン化合物IP−24の合成)
原料4であるアニオン原料をヘキサフルオロリン酸リチウム(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−24を得た。
(イオン化合物IP−25の合成)
原料4であるアニオン原料をノナフルオロブタンスルホン酸カリウム(商品名:KFBS、三菱マテリアル電子化成社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−25を得た。
(イオン化合物IP−26の合成)
原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をテトラフルオロホウ酸リチウム(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−26を得た。
(イオン化合物IP−27の合成)
原料1をピラゾール(東京化成工業社製)に変更し、原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をカリウム N,N−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルイミド(商品名:EF−N302、三菱マテリアル電子化成社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−27を得た。イオン化合物IP−27は、下記式(13)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−28の合成)
原料1をピラゾール(東京化成工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をトリフルオロ酢酸リチウム(和光純薬工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−28を得た。
(イオン化合物IP−29の合成)
原料1をピラゾール(東京化成工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をナトリウムジシアナミド(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−29を得た。
(イオン化合物IP−30の合成)
原料1をピラゾール(東京化成工業社製)に変更し、原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をナトリウムジシアナミド(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−30を得た。
(イオン化合物IP−31の合成)
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散、東京化成工業社製)3.0mmolにテトラヒドロフラン20gを加え、水素化ナトリウム粉末をろ過して、得られた水素化ナトリウム粉末を、テトラヒドロフラン60gを用いて3回洗浄した。洗浄後すぐに、テトラヒドロフラン80gに水素化ナトリウム粉末を分散させ、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。そこへ、原料1として、1H−Imidazole,5−(2−propen−1−yl)(HongKong Chemhere社製)0.48mmolをテトラヒドロフラン180gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した。続いて、原料2として、3−ブロモ−1−プロペン(東京化成工業社製)1.0mmolをテトラヒドロフラン180gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した。反応溶液を12時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール300mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。
得られた生成物をジクロロメタン30mlに溶解させ、Grubbs触媒 2nd generation(SIGMA−ALDRICH製)0.1mmolおよび、原料3のアルコキシシシランとして、ビニルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)0.96mmolを加え、反応系を窒素雰囲気下とし、2時間加熱還流を行った。反応溶液中の不溶物をセライトろ過により除いた後、減圧下で溶媒を留去した。これをアセトンに溶解し、原料4のアニオン原料として、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)0.48mmolを加えた後、室温で12時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、析出したリチウムブロマイドをろ過することで、イオン化合物IP−31を得た。イオン化合物IP−31は、下記式(14)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−32の合成)
原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−31の合成と同様にして、イオン化合物IP−32を得た。
(イオン化合物IP−33の合成)
原料4であるアニオン原料をテトラフルオロホウ酸リチウム(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−31の合成と同様にして、イオン化合物IP−33を得た。
(イオン化合物IP−34の合成)
原料4であるアニオン原料をカリウム トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(商品名:K−TFSM、セントラル硝子社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−31の合成と同様にして、イオン化合物IP−34を得た。
(イオン化合物IP−35の合成)
原料4であるアニオン原料をチオシアン酸カリウム(林純薬工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−31の合成と同様にして、イオン化合物IP−35を得た。
(イオン化合物IP−36の合成)
原料1を1H−Imidazole,1−methyl−5−(2−propen−1−yl)(HongKong Chemhere社製)に変更し、原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−31の合成と同様にして、イオン化合物IP−36を得た。
(イオン化合物IP−37の合成)
原料1を1H−Imidazole,1−methyl−5−(2−propen−1−yl)(HongKong Chemhere社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をヘキサフルオロリン酸リチウム(東京化成工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−31の合成と同様にして、イオン化合物IP−37を得た。
(イオン化合物IP−38の合成)
原料1を1H−Imidazole,1−methyl−5−(2−propen−1−yl)(HongKong Chemhere社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をチオシアン酸カリウム(林純薬工業社製)に変更した以外は、イオン化合物IP−31の合成と同様にして、イオン化合物IP−38を得た。
(イオン化合物IP−39の合成)
原料1として、Allyl trimethyl ammonium chloride(3B Scientific社製)0.11molを、純水80mlに溶解し、原料4のアニオン原料として、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)0.12molを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液にクロロホルム120mlを加え、炭酸ナトリウム5質量%水溶液100mlを加えて30分間撹拌した後分液し、クロロホルム層を、イオン交換水90gを用いて3回洗浄した。次に、減圧下でクロロホルムを留去した後、ジクロロメタン30mlに溶解させ、Grubbs触媒 2nd generation(SIGMA−ALDRICH製)0.05mmolおよび、原料3のアルコキシシシランとして、ビニルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)0.5mmolを加え、反応系を窒素雰囲気下とし、2時間加熱還流を行った。反応溶液中の不溶物をセライトろ過により除いた後、減圧下で溶媒を留去することで、イオン化合物IP−39を得た。イオン化合物IP−39は、下記式(15)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−40の合成)
原料1を1−メチルピロリジン(東京化成工業社製)に変更し、原料3であるアルコキシシランをビニルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)に変更した以外は、化合物IP−18の合成と同様にして、イオン化合物IP−40を得た。イオン化合物IP−40は、下記式(16)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−41の合成)
原料1を1−メチルピロリジン(東京化成工業社製)に変更し、原料3であるアルコキシシランをビニルトリメトキシシラン(東京化成工業社製)に変更し、原料4のアニオン原料をリチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)に変更した以外は、化合物IP−18の合成と同様にして、イオン化合物IP−41を得た。イオン化合物IP−41は、下記式(17)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−42の合成)
原料1を1−メチルイミダゾール(東京化成工業社製)に変更した以外は、化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−42を得た。イオン化合物IP−42は、下記式(18)で表される化合物である。
Figure 2018097246
(イオン化合物IP−43の合成)
原料1を1−メチルイミダゾール(東京化成工業社製)に変更し、原料3であるアルコキシシランをp−スチリルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1403、信越化学工業社製)に変更し、原料4であるアニオン原料をチオシアン酸カリウム(林純薬工業社製)に変更した以外は、化合物IP−21の合成と同様にして、イオン化合物IP−43を得た。イオン化合物IP−43は、下記式(19)で表される化合物である。
Figure 2018097246
得られた各イオン化合物の構造を表1−1〜表1−6に示す。なお、イオン化合物IP−39〜IP−43は、比較例用のイオン化合物であり、本発明で規定する構造式(4)〜(6)で示される構造には含まれないが、参考のため、併せて記載した。
Figure 2018097246
Figure 2018097246
Figure 2018097246
Figure 2018097246
Figure 2018097246
Figure 2018097246
<イソシアネート基末端プレポリマーの合成>
(イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーB−1の合成)
窒素雰囲気下、反応容器中でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業社製)84.1質量部に対し、ポリエーテルポリオール(商品名:PTG−L1000、保土谷化学工業社製)100.0質量部を、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2.5時間反応させて、メチルエチルケトン80.0質量部を加えた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量が5.4質量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーB−1を得た。
<現像ローラの作製>
[実施例1]
(基体の用意)
基体2として、ステンレス鋼(SUS304)製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名:DY35−051、東レダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを用意した。
(弾性層の形成)
上記で用意した基体2を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を、金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名:SE6724A/B、東レ・ダウコーニング社製)100.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300、東海カーボン社製)15.0質量部
・白金触媒:0.1質量部
続いて、金型を加熱し、シリコーンゴムを温度150℃で15分間加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された基体を金型から脱型した後、当該芯金を、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。こうして、基体2の外周に直径12mmのシリコーンゴム弾性層を有する弾性ローラD−1を作製した。
(樹脂層の形成)
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリエーテルポリオール(商品名:PTG−L1000、保土谷化学工業社製)61.9質量部
・イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーB−1:18.1質量部、
・シリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)200、日本アエロジル社製)10.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製)10.0質量部
上記混合物をウレタンバインダー樹脂塗料とし、さらに下記イオン化合物加えて撹拌し、イオン化合物含有塗料1とした。
・イオン化合物IP−1:1.0質量部
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、さらに、メチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して、樹脂層形成用塗料1を調製した。
先に作製した弾性ローラD−1を、上記樹脂層形成用塗料1に浸漬して、弾性ローラD−1の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに、温度150℃にて1時間加熱処理することにより、弾性層4の外周に膜厚約15μmの樹脂層3を有する、実施例1に係る現像ローラを作製した。
[実施例4、9、10、11、13、18、19、23、24、27、28、32]
イオン化合物とその配合量を表2に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4、9、10、11、13、18、19、23、24、27、28、32に係る現像ローラを作製した。
[実施例2]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・エチルメタクリレート(東京化成工業社製)60.0質量部
・カルボキシル基を有するアクリルモノマーとしてメタクリル酸(東京化成工業社製)20.0質量部
・2官能性アクリレート(商品名:ライトアクリレートMPD−A、共栄社化学社製)7.0質量部
・2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(東京化成工業社製)0.9質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製)10.0質量部
・充填剤として、シリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製)2.1質量部
上記混合物をアクリルバインダー樹脂塗料とし、さらに下記イオン化合物を加えて撹拌し、イオン化合物含有塗料2とした。
・イオン化合物IP−2:10.0質量部
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、さらに、メチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して、樹脂層形成用塗料2を調製した。
先に作製した弾性ローラD−1を、上記樹脂層形成用塗料2に浸漬して、弾性ローラD−1の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度150℃にて1時間加熱処理することにより、弾性層4の外周に膜厚約15μmの表面層3を有する、実施例2に係る現像ローラを作製した。
[実施例6、7、15、16、17、22、30、33]
イオン化合物とその配合量を表2に記載の通りに変更した以外は実施例2と同様にして、実施例6、7、15、16、17、22、30、33に係る現像ローラを作製した。
[実施例3]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・両末端ビニル基ジメチルポリシロキサン(商品名:SF3000E、KCC社製)80質量部
・ヒドロシリル基を有するシリコーンとしてメチルハイドロジェンシロキサン(商品名:SF6002P、KCC社製)10質量部
・塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体(白金含有量:0.5質量%)0.5質量部
・1−エチル−1−シクロヘキサノール(Aldrich社製)0.1質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製)9.4質量部
上記混合物をシリコーンバインダー樹脂塗料とし、さらに下記イオン化合物を加えて撹拌し、イオン化合物含有塗料3とした。
・イオン化合物IP−4:5.0質量部
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、さらに、メチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して、樹脂層形成用塗料3を調製した。
先に作製した弾性ローラD−1を、上記樹脂層形成用塗料3に浸漬して、弾性ローラD−1の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度150℃にて1時間加熱処理することにより、弾性層4の外周に膜厚約15μmの表面層3を有する、実施例3に係る現像ローラを作製した。
[実施例5、8、12、14、20、21、25、26、29、31、34]
イオン化合物とその配合量を表2に記載の通りに変更した以外は実施例3と同様にして、実施例5、8、12、14、20、21、25、26、29、31、34に係る現像ローラを作製した。
[比較例1〜比較例5]
比較例1および4は、実施例3のイオン化合物種とその配合量を表2に記載の通りに変更した以外は実施例3と同様にして、比較例1および4に係る現像ローラを作製した。比較例2は、実施例2のイオン化合物種とその配合量を表2に記載の通りに変更した以外は実施例2と同様にして、比較例2に係る現像ローラを作製した。比較例3および5は、実施例1のイオン化合物種とその配合量を表2に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例3および5に係る現像ローラを作製した。
Figure 2018097246
(樹脂層の成分分析)
これらの反応後の状態は、例えば、熱分解GC/MS、FT−IR、NMR等による公知の手段で分析することにより確認することができる。
<現像ローラの評価>
得られた実施例1〜34および比較例1〜5に係る現像ローラについて、以下の評価を行った。評価結果を表3にまとめて示す。
[ローラ抵抗値の測定]
23℃、45%RH(以下、「N/N」と記す)の環境下および0℃の環境下に12時間現像ローラを放置した後、各環境下で測定を行った。
(抵抗値の測定)
図5に、本測定で用いる、現像ローラの抵抗値を評価するための冶具の概略構成図を示す。図5(a)に示すように、導電性の軸受け38を介して導電性の基体2の両端を、各々4.9Nの荷重で押しながら直径40mmの円柱形金属37を回転させ、現像ローラ16を60rpmの速度で従動回転させた。次に、図5(b)に示すように、高圧電源39によって直流電圧50Vを印加し、円柱形金属37とグランドとの間に配設した既知の電気抵抗値(現像ローラの電気抵抗値に対して2桁以上電気抵抗値が低いもの)を有する抵抗器の両端の電位差を計測した。当該電位差の計測には、電圧計40(商品名:189TRUE RMS MULTIMETER、FLUKE社製)を用いた。測定した電位差と抵抗器の電気抵抗値から、現像ローラ16を介して円柱形金属37に流れた電流を計算により求めた。そして、印加電圧50Vを、得られた電流で割ることにより、現像ローラ16の電気抵抗値を求めた。ここで、該電位差の計測は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値をローラ抵抗値とした。
[現像ローラとしての性能評価]
(温度0℃の環境下でのゴーストの評価)
温度0℃の環境中で抵抗値の測定を行った現像ローラを用いて、以下の評価を行った。
図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のプロセスカートリッジに、本実施例および比較例に係る現像ローラを、現像ローラ16として装填した。そして、該プロセスカートリッジを前記レーザープリンターに組み込み、0℃環境中に設置した後24時間放置した。次いで、ゴースト画像の評価を行った。すなわち、ブラックトナーを用いて、画像パターンとして1枚内で先端部に15mm角のベタ黒、その後に全面ハーフトーンの画像を印字した。次にハーフトーン部分に現れるトナー担持体周期の濃度ムラ(ゴースト)を目視で観察し、下記の評価基準に基づき評価した。
ランクA:ゴーストが全く認められない。
ランクB:極軽微なゴーストが認められる。
ランクC:軽微なゴーストが認められる。
ランクD:顕著なゴーストが認められる。
Figure 2018097246
実施例1〜34に係る現像ローラは、前記式(1)〜(3)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を分子内に有する樹脂を含有するため、温度0℃の如き低温環境下における抵抗値の上昇が少なく、画像品質も良好を保っていた。特に、構造式(2)または(3)から選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する樹脂を含有する実施例7〜34においては、高いレベルで抵抗値の上昇が抑制されていた。さらに、カチオン構造中にフェニル基を有するイオン化合物を添加した実施例では、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制されていた。一方で、かかる構造を含有しない比較例1〜5に係る現像ローラでは、低温環境下において、抵抗値の上昇およびゴースト画像の発生が認められた。
例えば同じアンモニウムカチオン構造を有する実施例1および比較例1に係る現像ローラを比べると、構造式(1)で示される構造を含有しない比較例1に係る現像ローラでは、低温環境下において抵抗値が上昇し、ゴースト画像の発生が認められた。すなわち、低温環境下における抵抗値の上昇の抑制効果は、明らかに実施例1の方が高い。これは、実施例1に係る樹脂は、カチオン部位の近傍に、構造式(X101)または(X102)で示される構造を少なくとも2つ以上有するため、低温環境下においてイオン化率を高く保つ効果を享受して、抵抗値の上昇が抑制されたと考えられる。
<現像ブレードの作製>
[実施例35]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・ポリエーテルポリオール(商品名:PTG−L1000、保土谷化学工業社製)61.9質量部
・イソシアネート基末端プレポリマーB−1:18.1質量部、
・シリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製)10.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製)10.0質量部
上記混合物をウレタンバインダー樹脂塗料とし、さらに下記イオン化合物加えて撹拌し、イオン化合物含有塗料4とした。
・イオン化合物IP−5:1.0質量部
続いて、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、さらに、メチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して、樹脂層形成用塗料4を調製した。
次に基体として、厚さ0.08mmのステンレス鋼(SUS304、日新製鋼社製)を、長さ200mm、幅23mmの寸法にプレス切断して、ステンレス鋼製のシート(以下、「SUSシート」という)を用意した。次に、図2に示すように、切断したSUSシートの長手側端部からの長さLが1.5mmになるように、上記樹脂層形成用塗料4に浸漬して、当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度140℃にて1時間加熱処理することにより、SUSシートの長手側端部表面に膜厚Tが10μmの樹脂層を有する、実施例35に係る現像ブレードを作製した。
[実施例36〜39、比較例6、7]
イオン化合物含有塗料に用いるイオン化合物を、それぞれ表4に示す通りに変更した以外は実施例35と同様にして、実施例36〜39、および比較例6、7に係る現像ブレードを作製した。
<現像ブレードの評価>
実施例35〜39、および比較例6、7に係る現像ブレードについて、以下の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[ブレードの抵抗値の測定]
23℃、45%RH(以下、「N/N」と記す)の環境下、および0℃の環境下に12時間現像ブレードを放置した後、各環境下で抵抗値を測定した。
(抵抗値の測定)
ブレードの抵抗値の測定は、図5に示す抵抗値変動評価冶具を用いて、次のように行った。なお、図5に示す冶具における現像ローラ16に代えて、現像ブレードを用いた。図5(a)に示すように、導電性の軸受け38を介して現像ブレード両端の、樹脂層を形成していない基体部分を各々4.9Nの荷重で押しながら、直径30mmの円柱形金属37を回転させずに、現像ブレードを固定した。次に、図5(b)に示すように、高圧電源39によって直流電圧50Vを印加し、円柱形金属37とグランドとの間に配設した既知の電気抵抗値(現像ブレードの電気抵抗値に対して2桁以上電気抵抗値が低いもの)を有する抵抗器の両端の電位差を計測した。当該電位差の計測には、電圧計40(商品名:189TRUE RMS MULTIMETER、FLUKE社製)を用いた。測定した電位差と抵抗器の電気抵抗値から、現像ブレードを介して円柱形金属37に流れた電流を計算により求めた。そして、印加電圧50Vを得られた電流で割ることにより、現像ブレードの電気抵抗値を求めた。ここで、該電位差の計測は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値をブレード抵抗値とした。
[現像ブレードとしての性能評価]
(規制不良の有無の評価)
図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のプロセスカートリッジに、各実施例および比較例の現像ブレードを現像ブレード21として装填した。そして、該プロセスカートリッジを前記レーザープリンターに組み込み、0℃環境中に設置した後24時間放置した。
次に、黒色で印字率1%の画像を100枚連続して出力した。その後、新しいコピー用紙に白ベタ画像を出力した。これらの画像を出力した後、現像ブレード表面のトナーコートの状態観察を行い、トナーへの帯電異常に起因する静電的トナー凝集(規制不良)の有無を目視で観察し、下記の基準で評価した。なお、規制不良が生じると、例えば非印字部に斑点状のムラが発生したり、トナー塊などが画像上に発生したりする画像弊害が生じることがある。
ランクA:トナーコート上に規制不良が存在しない。
ランクB:トナーコート上には軽微な規制不良が存在するが、画像に現れていない。
ランクC:トナーコート上には規制不良が存在するが、画像に現れていない。
ランクD:規制不良が画像に現れる。
Figure 2018097246
実施例35〜39に係る現像ブレードは、前記式(1)〜(3)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を分子内に有する樹脂を含有するため、温度0℃の如き低温環境下においても規制不良が発生しなかった。特に、構造式(2)または(3)から選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する樹脂を含有する実施例36〜39においては、高いレベルで抵抗値の上昇が抑制されていた。さらに、カチオン構造中にフェニル基を有するイオン化合物を添加した実施例38では、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制されていた。一方で、かかる構造を含有しない比較例6および7に係る現像ブレードでは、低温環境下において規制不良が発生した。0℃環境下での規制不良は、現像ブレードの抵抗値が高くなり、ブレードバイアスが規定の値まで印加されず、トナーの帯電が不均一になった結果、生じたものと考えられる。
例えば同じアンモニウムカチオン構造を有する実施例35および比較例6に係る現像ブレードを比べると、構造式(1)で示される構造を含有しない比較例6に係る現像ブレードでは、低温環境下において抵抗値が上昇し、ゴースト画像の発生が認められた。すなわち、低温環境下における抵抗値の上昇の抑制効果は、明らかに実施例35の方が高い。これは、実施例35に係る樹脂は、カチオン部位の近傍に、構造式(X101)または(X102)で示される構造を少なくとも2つ以上有するため、低温環境下においてイオン化率を高く保つ効果を享受して、抵抗値の上昇が抑制されたと考えられる。
<トナー供給ローラの作製>
[実施例40]
基体2として、ステンレス鋼(SUS304)製の直径5mmの芯金を金型に配置し、以下の材料を混合したウレタンゴム組成物を、金型内に形成されたキャビティに注入した。
・ポリエーテルポリオール(商品名:EP550N、三井化学工業社製)73.2質量部
・イソシアネート(商品名:コスモネートTM20、三井化学工業社製)22.7質量部
・1,2−ジメチルイミダゾール(東京化成工業社製)0.6質量部
・シリコーン整泡剤(商品名:SRX274C、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)1.0質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−ET、東ソー社製)0.3質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−L33」、東ソー社製)0.2質量部
・水:2.0質量部
・イオン化合物IP−3:5.0質量部
続いて、金型を加熱して、ウレタンゴム組成物を温度50℃で20分間加硫し発泡硬化させ、基体2の周面にポリウレタンフォーム層を形成した。その後、ポリウレタンフォーム層が形成された基体を金型から脱型した。こうして、基体2の外周に直径17mmのポリウレタンフォーム層を有するトナー供給ローラを作製した。
[実施例41〜44、比較例8、9]
ウレタンゴム組成物に用いるイオン化合物を、それぞれ表5に示す通りに変更した以外は実施例40と同様にして、実施例41〜44、および比較例8、9に係るトナー供給ローラを作製した。
<トナー供給ローラの評価>
実施例40〜44、および比較例8、9に係るトナー供給ローラについて、以下の評価を行った。評価結果を表5に示す。
[ローラの抵抗値の測定]
23℃、45%RH(以下、「N/N」と記す)の環境下、および0℃の環境下に12時間トナー供給ローラを放置した後、各環境下で抵抗値を測定した。
(抵抗値の測定)
図5(a)に示すように、導電性の軸受け38を介して導電性の基体2の両端を、各々2.5Nの荷重で押したこと以外は、前記現像ローラの抵抗値の測定と同様にして、電気抵抗値を求めた。
[トナー供給ローラとしての性能評価]
(温度0℃の環境下でのゴーストの評価)
温度0℃の環境中で抵抗値の測定を行ったトナー供給ローラを用いて、以下の評価を行った。
図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のプロセスカートリッジに、各実施例および比較例のトナー供給ローラを装填した。そして、該プロセスカートリッジを前記レーザープリンターに組み込み、0℃環境中に設置した後、24時間放置した。次いで、ゴースト画像の評価を行った。すなわち、ブラックトナーを用いて、画像パターンとして1枚内で先端部に15mm角のベタ黒、その後に全面ハーフトーンの画像を印字した。次に、ハーフトーン部分に現れるトナー担持体周期の濃度ムラ(ゴースト)を目視で確認した。ゴーストの評価基準は以下の通りである。
ランクA:ゴーストが全く認められない。
ランクB:極軽微なゴーストが認められる。
ランクC:軽微なゴーストが認められる。
ランクD:顕著なゴーストが認められる。
Figure 2018097246
実施例40〜44に係るトナー供給ローラは、前記式(1)〜(3)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を分子内に有する樹脂を含有するため、温度0℃の如き低温環境下においても抵抗値の上昇が少なく、画像品質も良好を保っている。特に、構造式(2)または(3)から選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する樹脂を含有する実施例41〜44においては、高いレベルで抵抗値の上昇が抑制されていた。さらに、カチオン構造式中にフェニル基を有するイオン化合物を添加した実施例44は、より高いレベルで抵抗上昇が抑制されている。一方で、かかる構造を含有しない比較例8および9に係るトナー供給ローラでは、低温環境下において抵抗値の上昇およびゴースト画像の発生が認められた。
例えば同じアンモニウムカチオン構造を有する実施例40および比較例8に係るトナー供給ローラを比べると、構造式(1)で示される構造を含有しない比較例8に係るトナー供給ローラでは、低温環境下において抵抗値が上昇し、ゴースト画像の発生が認められた。すなわち、低温環境下における抵抗値の上昇の抑制効果は、明らかに実施例40の方が高い。これは、実施例40に係る樹脂は、カチオン部位の近傍に、構造式(X101)または(X102)で示される構造を少なくとも2つ以上有するため、低温環境下においてイオン化率を高く保つ効果を享受して、抵抗値の上昇が抑制されたと考えられる。
1 電子写真用ローラ
2 基体
3 樹脂層
16 現像ローラ
19 トナー供給ローラ
21 現像ブレード

Claims (12)

  1. 導電性の基体および該基体上の導電性の樹脂層を有する電子写真用部材であって、
    該樹脂層は、下記構造式(1)〜(3)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する樹脂と、アニオンとを含むことを特徴とする電子写真用部材:
    Figure 2018097246
    構造式(1)中、R1は、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。
    X1〜X3のうちの少なくとも2つは、各々独立に、構造式(X101)または(X102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す:
    Figure 2018097246
    構造式(2)中、R2は、式(2)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。X4〜X6のうちの少なくとも2つは、各々独立に、構造式(X101)または(X102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。構造式(2)における含窒素複素環中の窒素原子は、その価数を満たす結合または置換基を有する:
    Figure 2018097246
    構造式(3)中、R3およびR4は、各々独立に、式(3)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。R5は、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。X7〜X9のうちの少なくとも2つは、各々独立に、下記構造式(X101)または(X102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。構造式(3)における含窒素複素環中の窒素原子は、各々の価数を満たす結合または置換基を有する:
    Figure 2018097246
    構造式(X101)および(X102)中、
    R61およびR62は、各々独立に、直鎖または分岐を有する炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。R63は、炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。
    記号「*11」および「*12」は、各々独立に、構造式(1)中の窒素原子、構造式(2)中の窒素原子もしくは炭素原子、または、構造式(3)中の窒素原子もしくは炭素原子との結合部位を表す。
    記号「*21」〜「*23」のうちの少なくとも1つは、該樹脂を構成するポリマー鎖中の原子との結合部位を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。
    記号「*24」〜「*25」のうちの少なくとも1つは、該樹脂を構成するポリマー鎖中の原子との結合部位を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。
  2. 前記樹脂が、前記構造式(2)および(3)から選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する、請求項1に記載の電子写真用部材。
  3. 前記アニオンが、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロスルホネートアニオン、フルオロアルキルカルボン酸アニオン、フルオロアルキルメチドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、フルオロリン酸アニオン、ジシアナミドアニオン、チオシアン酸アニオン、フルオロアンチモン酸アニオンおよびフルオロアルセナートアニオンからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1または2に記載の電子写真用部材。
  4. 前記樹脂が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂、フッ素樹脂およびポリアルキレンイミン樹脂からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  5. 導電性の基体および該基体上の導電性の樹脂層を有する電子写真用部材であって、
    該樹脂層は、下記構造式(4)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオンを有するイオン化合物と、アルコキシシリル基と反応可能な化合物との反応物である樹脂を含むことを特徴とする電子写真用部材:
    Figure 2018097246
    構造式(4)中、R7は、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。Y1〜Y3のうちの少なくとも2つは、各々独立に、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す:
    Figure 2018097246
    構造式(5)中、R8は、式(5)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。Y4〜Y6のうちの少なくとも2つは、各々独立に、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。構造式(5)における含窒素複素環中の窒素原子は、その価数を満たす結合または置換基を有する:
    Figure 2018097246
    構造式(6)中、R9およびR10は、各々独立に、式(6)における含窒素複素環が、5員環、6員環または7員環を形成するために必要な炭化水素基を表す。R11は、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。Y7〜Y9のうちの少なくとも2つは、各々独立に、構造式(Y101)または(Y102)で示される構造を表し、残りは、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。構造式(6)における含窒素複素環中の窒素原子は、各々の価数を満たす結合または置換基を有する:
    Figure 2018097246
    構造式(Y101)および(Y102)中、R121およびR122は、各々独立に、直鎖または分岐を有する炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。R131〜R135は、各々独立に、水素原子または炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。R123は、炭素数1以上4以下の炭化水素基を表す。記号「*51」および「*52」は、各々独立に、該構造式(4)中の窒素原子、該構造式(5)中の窒素原子もしくは炭素原子、または、該構造式(6)中の窒素原子もしくは炭素原子との結合部位を表す。
  6. 前記イオン化合物が、前記構造式(5)および(6)から選択される少なくとも1つの構造を有する、請求項5に記載の電子写真用部材。
  7. 前記構造式(5)で示される構造が、下記構造式(5−1)または(5−2)で示される構造である、請求項6に記載の電子写真用部材:
    Figure 2018097246
    構造式(5−1)および(5−2)中のY4〜Y6は、前記構造式(5)中のY4〜Y6と同義である。
  8. 前記構造式(6)で示される構造が、下記構造式(6−1)または(6−2)で示される構造である、請求項6に記載の電子写真用部材:
    Figure 2018097246
    構造式(6−1)および(6−2)中のR11およびY7〜Y9は、前記構造式(6)中のR11およびY7〜Y9と同義である。
  9. 前記イオン化合物が、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロスルホネートアニオン、フルオロアルキルカルボン酸アニオン、フルオロアルキルメチドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、フルオロリン酸アニオン、ジシアナミドアニオン、チオシアン酸アニオン、フルオロアンチモン酸アニオンおよびフルオロアルセナートアニオンからなる群より選択される少なくとも1つのアニオンを含む、請求項5〜8のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  10. 前記樹脂が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂、フッ素樹脂およびポリアルキレンイミン樹脂からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項5〜9のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  11. 電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、請求項1〜10のいずれか一項に記載の電子写真用部材を具備することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の電子写真用部材を具備する電子写真装置。
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