JP2016121062A - ジルコニア焼結体及びその用途 - Google Patents
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Abstract
2以上の異なる色調を有するジルコニア焼結体であって、高級感を呈する審美性を有し、なおかつ、部材として使用するに十分な強度を有したジルコニア焼結体を提供する。
【解決手段】
第一のジルコニア焼結体と第二のジルコニア焼結体を含むジルコニア焼結体であって、該第一のジルコニア焼結体がCe、Pr、Nd、Eu、Tb、Ho、Er,Yb及びGdからなる群のいずれか1種以上のランタノイドを含有するジルコニア焼結体であり、該第二のジルコニア焼結体がスピネル酸化物を含有するジルコニア焼結体であり、該第一のジルコニア焼結体と該第二のジルコニア焼結体とが粒界を形成し、該粒界が隙間及び色滲みを有さないことを特徴とするジルコニア焼結体。
【選択図】 図1
Description
3mol%イットリア含有ジルコニア :6.09g/cm3
酸化アルミニウム :3.98g/cm3
酸化アルミニウムコバルトスピネル :4.42g/cm3
酸化鉄 :5.24g/cm3
(但し、M2+=Zn又はMnの少なくともいずれか、M3+はAl又はCrの少なくともいずれか、0.1<X≦1、及び、0.5<Y≦1である)
(但し、0.5<X≦1及び0.5<Y≦1である)
(但し、M2+=Zn又はMnの少なくともいずれか、M3+はAl又はCrの少なくともいずれか、0.1<X≦1、及び、0.5<Y≦1である)
(但し、0.5<X≦1及び0.5<Y≦1である)
(焼結体密度、及び相対密度)
多色ジルコニア焼結体の実測密度(焼結体密度)はアルキメデス法により測定した。得られた実測密度と理論密度から、多色ジルコニア焼結体の相対密度を求めた。多色ジルコニア焼結体の理論密度は、(1’)式から算出した。なお、算出された実施例及び比較例の多色ジルコニア焼結体の理論密度は、表2に示した。
(比表面積)
窒素吸着によるBET比表面積を測定し、粉末試料の比表面積とした。測定には一般的な比表面積測定装置(QUANTA CHROME製)を使用した。
(光学顕微鏡観察)
光学顕微鏡(装置名:MM−800、ニコン製)又は三眼ズーム式実体顕微鏡(装置名AR−372ZH、アームシステム株式会社製)を使用し焼結体試料の界面を観察した。光学顕微鏡観察では、界面における隙間の有無及び色滲みの有無を観察した。
(SEM観察)
SEM(装置名:JSM−5400、日本電子製)を使用し焼結体試料の界面を観察した。SEM観察では、倍率を500倍として、界面における隙間の有無を観察した。
波長分散型電子線マイクロアナライザー(EPMA)(装置名:EPMA1610、島津製作所製)を使用して、焼結体試料における、淡色焼結体の界面近傍の点分析を行なった。測定条件は以下のとおりである。
加速電圧 :15KV
照射電流 :100nA
分析範囲 :φ10μm
測定は、界面から淡色焼結体の距離を30μm、50μm、100μm、130μm、170μm及び200μmのいずれかで行い、着色成分が確認された領域であって、界面から最も遠い距離における測定領域を移行領域とした。
JISZ8722に準拠し、焼結体試料の色調を測定した。測定には一般的な色差計(装置名:カラーアナライザーTC−1800MK−II、東京電色社製)を用いた。測定条件は以下のとおりである。
光源 :D65光源
視野角 :2°
焼結体試料は厚さ1mm、直径20mmの円板状の形状として、両面を研磨したものを用いた。
(機械強度試験)
多色ジルコニア焼結体試料の機械的強度として。ISO14368−3に準じた剛球落下試験による衝撃強度を測定した。すなわち、SUS製の板の上に多色ジルコニア焼結体試料を配置した。その後、淡色焼結体と濃色焼結体との界面近傍に、多色ジルコニア焼結体試料から5cmの高さから重さ16gの鉄球を落下させ、多色ジルコニア焼結体のクラック、亀裂、割れその他破壊の有無を確認した。その後、5cm間隔で鉄球の落下開始位置(以下、「落球位置」ともいう。)を高くして、同様の測定を行った。多色ジルコニア焼結体に破壊が確認された落球位置(cm)をもって、多色ジルコニア焼結体試料の衝撃強度とした。
ピンク色ジルコニア焼結体と黒色ジルコニア焼結体とからなるピンク色/黒色ジルコニア焼結体を作製した。
3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末中のイットリア及びジルコニアの合計重量に対するエルビウムの重量(以下、単に「エルビウム重量」ともいう。)が2重量%となるように、BET比表面積が8m2/gであり、アルミナを0.25重量%含有する3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末(商品名:TZ−3YSE、東ソー株式会社製)に、酸化エルビウム粉末(商品名:酸化エルビウム、信越化学製)を添加した。
添加後、直径10mmのジルコニア製ボールを使用して、エタノール溶媒中、24時間ボールミルでこれらの粉末を混合した。混合後の粉末を乾燥してピンク色ジルコニア粉末を得た。
得られたピンク色ジルコニア粉末にアクリルバインダーを混合し、これをピンク色ジルコニア原料とした。ピンク色ジルコニア原料中のピンク色ジルコニア粉末の含有量は45容積%であった。
市販の黒色ジルコニア粉末(商品名:TZ−Black、東ソー株式会社製)を黒色ジルコニア粉末として用いた。当該粉末は以下の組成を有する、コバルトの一部をZnで置換され、なおかつ、鉄の一部をAlで置換された鉄及びコバルトを含むスピネル酸化物と、3mol%のイットリア含有ジルコニアとからなる粉末である。また、黒色ジルコニア粉末中の当該スピネル酸化物の含有量は、3.5重量%である。
(Co0.7Zn0.3)(Fe0.7Al0.3)2O4
当該黒色ジルコニア粉末にアクリルバインダーを混合し、これを黒色ジルコニア原料とした。なお、黒色ジルコニア原料中の黒色ジルコニア粉末の含有量は45容積%であった。
ピンク色ジルコニア原料を射出成形により、凸部を有するベゼルリング状のピンク色ジルコニア成形体を得た。射出成形の条件は成形型の温度を60℃とし、及び、圧力100MPaとした。
次に、得られたピンク色ジルコニア成形体の上に、黒色ジルコニア原料を射出成形した。これにより、ピンク色ジルコニア成形体上に黒色ジルコニア成形体が積層した形状で両者が接合した二次成形体を得た。二次成形の成形型の温度は50℃とし、これにより、一次成形温度を二次成形温度より10℃高くした。
得られた成形体は、大気中、昇温速度2.0℃/h、脱脂温度450℃、及び脱脂時間4時間で脱脂処理した。
脱脂処理後の成形体を、大気中、昇温速度100℃/h、焼成温度1400℃、及び焼結時間2時間で焼成することで一次焼結体を得た。
得られた一次焼結体をアルミナ製容器に配置した後、純度99.9%のアルゴンガスの雰囲気下で、HIP温度1350℃、HIP圧力150MPa、及び保持時間1時間でHIP処理することにより、HIP処理体を得た。当該HIP処理体を本実施例の白色/黒色ジルコニア焼結体とした。本実施例の製造条件を表1に、評価結果を表2に示す。
得られたピンク色/黒色ジルコニア焼結体はピンク色ジルコニア焼結体と黒色ジルコニア焼結体の体積比が41:59であり、当該ピンク色/黒色ジルコニア焼結体の相対密度は99.8%であった。
ピンク色ジルコニア焼結体の凸部が鮮明に確認されるまで、本実施例のピンク色/黒色ジルコニア焼結体の黒色ジルコニア焼結体側の表面を加工した。これにより、本実施例のピンク色/黒色ジルコニア焼結体を、黒色ジルコニア焼結体の表面に、ピンク色ジルコニア焼結体からなる模様を有するベゼルリングとした。表面加工後のベゼルリングを研磨処理することで、本実施例のピンク色/黒色ジルコニア焼結体からなり、強い光沢感を有するベゼルリングを得た。当該ベゼルリングは外径40mm、内径30mm、及び幅5mmのリング形状であった。また、当該リングの厚みは2mmであった。
当該ベゼルリングは、黒色ジルコニア焼結体からなる表面を有し、なおかつ、当該表面上に、ピンク色ジルコニア焼結体からなる模様を有していた。
当該ベゼルリングの界面を目視にて確認した。その結果、界面のピンク色がぼやけることなく、当該界面は色滲みがないことが確認できた。
さらに、当該ベゼルリングの界面を光学顕微鏡及びSEM観察で観察した。SEM観察による反射電子像を図1に示す。ピンク色ジルコニアと黒色ジルコニアとが焼結して界面を形成していること、当該界面に隙間が生じていないこと、及び、結合層がないことが確認できた。
さらに、得られたベゼルリングの機械強度試験を行った。85cmの高さから鉄球を落下させても亀裂や割れが生じなかった。これより、本実施例のピンク色/黒色ジルコニア焼結体は、衝撃強度が85cm以上であり、高い強度を有していることが確認できた。
オレンジ色ジルコニア焼結体と黒色ジルコニア焼結体とからなるオレンジ色/黒色ジルコニア焼結体を作製した。
すなわち、3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末中のイットリア及びジルコニアの合計重量に対するプラセオジム(Praseodymium)の重量(以下、単に「プラセオジム重量」ともいう。)が3重量%となるように、BET比表面積が8m2/gであり、アルミナを0.25重量%含有する3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末(商品名:TZ−3YSE、東ソー株式会社製)に、酸化プラセオジム粉末(商品名:酸化プラセオジム、信越化学製)を添加した。
添加後、直径10mmのジルコニア製ボールを使用して、エタノール溶媒中、24時間ボールミルでこれらの粉末を混合した。混合後の粉末を乾燥してオレンジ色ジルコニア粉末を得た。
得られたオレンジ色/黒色ジルコニア焼結体はオレンジ色ジルコニア焼結体と黒色ジルコニア焼結体の体積比が41:59であり、当該オレンジ色/黒色ジルコニア焼結体の相対密度は99.8%であった。
当該ベゼルリングは、黒色ジルコニア焼結体からなる表面を有し、なおかつ、当該表面上に、オレンジ色ジルコニア焼結体からなる模様を有していた。
当該ベゼルリングの界面を目視にて確認した。その結果、界面のオレンジ色がぼやけることなく、当該界面は色滲みがないことが確認できた。
さらに、当該ベゼルリングの界面を光学顕微鏡及びSEM観察で観察した。その結果、オレンジ色ジルコニアと黒色ジルコニアとが焼結して界面を形成していること、当該界面は曲率を有するにもかかわらず、界面において隙間が生じていないこと、当該界面に隙間が生じていないこと、及び、結合層がないことが確認できた。
さらに、得られたベゼルリングの機械強度試験を行った。85cmの高さから鉄球を落下させても亀裂や割れが生じなかった。これより、本実施例のオレンジ色/黒色ジルコニア焼結体は、衝撃強度が85cm以上であり、高い強度を有していることが確認できた。
ラベンダー色ジルコニア焼結体と黒色ジルコニア焼結体とからなるラベンダー色/黒色ジルコニア焼結体を作製した。
すなわち、3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末中のイットリア及びジルコニアの合計重量に対するネオジムの重量(以下、単に「ネオジム重量」ともいう。)が2重量%となるように、BET比表面積が8m2/gであり、アルミナを0.25重量%含有する3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末(商品名:TZ−3YSE、東ソー株式会社製)に、酸化ネオジム粉末(商品名:酸化ネオジム、信越化学製)を添加した。
添加後、直径10mmのジルコニア製ボールを使用して、エタノール溶媒中、24時間ボールミルでこれらの粉末を混合した。混合後の粉末を乾燥してラベンダー色ジルコニア粉末を得た。
得られたラベンダー色/黒色ジルコニア焼結体はラベンダー色ジルコニア焼結体と黒色ジルコニア焼結体の体積比が41:59であり、当該ラベンダー色/黒色ジルコニア焼結体の相対密度は99.5%であった。
当該ベゼルリングは、黒色ジルコニア焼結体からなる表面を有し、なおかつ、当該表面上に、ラベンダー色ジルコニア焼結体からなる模様を有していた。
当該ベゼルリングの界面を目視にて確認した。その結果、界面のラベンダー色がぼやけることなく、当該界面は色滲みがないことが確認できた。
さらに、当該ベゼルリングの界面を光学顕微鏡及びSEM観察で観察した。その結果、ラベンダー色ジルコニアと黒色ジルコニアとが焼結して界面を形成していること、当該界面は曲率を有するにもかかわらず、界面において隙間が生じていないこと、当該界面に隙間が生じていないこと、及び、結合層がないことが確認できた。
さらに、得られたベゼルリングの機械強度試験を行った。85cmの高さから鉄球を落下させても亀裂や割れが生じなかった。これより、本実施例のラベンダー色/黒色ジルコニア焼結体は、衝撃強度が85cm以上であり、高い強度を有していることが確認できた。
ピンク色ジルコニア焼結体と黒色ジルコニア焼結体からなる円板状のピンク色/黒色ジルコニア焼結体を作製した。
実施例1と同様な方法で得られたピンク色ジルコニア粉末をピンク色ジルコニア原料とし、なおかつ、市販の黒色ジルコニア粉末(商品名:TZ−Black、東ソー株式会社製)を黒色ジルコニア原料とした。
ピンク色ジルコニア原料を室温で一軸プレス成形することにより、凸形状の一次成形体を得た。得られた一次成形体上に黒色ジルコニア粉末を充填し、一次成形体及び黒色ジルコニア粉末を同時に一軸プレス成形した。一軸プレス後の成形体を冷間静水圧プレス(CIP)処理することで二次成形体を得た。CIP処理の圧力は200MPaとし、CIP処理の温度は室温以下とした。
得られた二次成形体を使用したこと以外は実施例1と同様な方法により、本実施例のピンク色/黒色ジルコニア焼結体を得た。
ピンク色ジルコニア焼結体の凸部が鮮明に確認されるまで、本実施例のピンク色/黒色ジルコニア焼結体の黒色ジルコニア焼結体側の表面を加工した。これにより、本実施例のピンク色/黒色ジルコニア焼結体を、黒色ジルコニア焼結体の表面に、ピンク色ジルコニア焼結体からなる模様を有する円板状ジルコニア焼結体とした。表面加工後の円板状ジルコニア焼結体を研磨処理することで、本実施例のピンク色/黒色ジルコニア焼結体からなり、強い光沢感を有する円板状ジルコニア焼結体を得た。得られた円板状ジルコニア焼結体の写真を図11に示す。円板状ジルコニア焼結体は、直径16mm、及び、厚み2.5mmであり、模様の幅は3mmであった。
当該円板状ジルコニア焼結体は、黒色ジルコニア焼結体からなる表面を有し、なおかつ、当該表面上に、ピンク色ジルコニア焼結体からなる模様を有していた。
当該円板状ジルコニア焼結体の界面を目視にて確認した。その結果、界面のピンク色がぼやけることなく、当該界面は色滲みがないことが確認できた。
さらに、当該円板状ジルコニア焼結体の界面を光学顕微鏡及びSEM観察で観察した。その結果、ピンク色ジルコニアと黒色ジルコニアとが焼結して界面を形成していること、当該界面に隙間が生じていないこと、及び、結合層がないことが確認できた。
オレンジ色ジルコニア焼結体と黒色ジルコニア焼結体からなる円板状のオレンジ色/黒色ジルコニア焼結体を作製した。
当該円板状ジルコニア焼結体の界面を目視にて確認した。その結果、界面のオレンジ色がぼやけることなく、当該界面は色滲みがないことが確認できた。
さらに、当該円板状ジルコニア焼結体の界面を光学顕微鏡及びSEM観察で観察した。その結果、オレンジ色ジルコニアと黒色ジルコニアとが焼結して界面を形成していること、当該界面に隙間が生じていないこと、及び、結合層がないことが確認できた。
ラベンダー色ジルコニア焼結体と黒色ジルコニア焼結体からなる円板状のラベンダー色/黒色ジルコニア焼結体を作製した。
当該円板状ジルコニア焼結体の界面を目視にて確認した。その結果、界面のラベンダー色がぼやけることなく、当該界面は色滲みがないことが確認できた。
さらに、当該円板状ジルコニア焼結体の界面を光学顕微鏡及びSEM観察で観察した。その結果、ラベンダー色ジルコニアと黒色ジルコニアとが焼結して界面を形成していること、当該界面に隙間が生じていないこと、及び、結合層がないことが確認できた。
特許文献3に記載された方法に準じて、多色セラミックス造形品を作製した。
1000gの3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末、発色物質、アクリル系バインダーを混合して2種類の組成物を得た。発色物質として20gのFeCrNiスピネルを用いた組成物を黒色ジルコニア原料とし、発色物質として14gのCoAlを用いた組成物を青色ジルコニア原料とした。
射出成形により、青色ジルコニア原料を、凸部を有するベゼルリング状の青色ジルコニア成形体とした後、黒色ジルコニア原料を100MPaの圧力をかけて当該青色ジルコニア成形体の上に射出成形した。これにより、青色ジルコニア成形体上に黒色ジルコニア成形体が積層した形状で両者が接合した成形体を得た。
得られた成形体を脱脂処理した後、大気中、昇温速度100℃/h、焼成温度1500℃、焼結時間を20分で焼成することで本比較例の多色セラミック造形品を得た。得られたセラミックス造形品の相対密度は99.8%であり、高い密度を有することが確認できた。
本比較例の多色セラミック造形品は、黒色ジルコニア焼結体と青色ジルコニア焼結体との界面が確認できるまで加工し、当該界面を光学顕微鏡及びSEMで観察した。光学顕微鏡の観察結果を図12(a)に示した。図12(a)より、黒色ジルコニア焼結体と、青色ジルコニア焼結体の間に隙間が生じていることが確認できた(図12(a)矢印部)。当該隙間のSEM観察図を図12(b)に示した。当該隙間は40μm以上の幅を有することが確認できた。
焼成時間を2時間としたこと以外は比較例1と同様な方法で本比較例の多色セラミック造形品を作製し、黒色ジルコニア焼結体と青色ジルコニア焼結体との界面をSEMで確認した。結果を図13に示す。
図13より、黒色ジルコニア焼結体と、青色ジルコニア焼結体の間に40μmを超える隙間が生じていることが確認できた。また、目視による観察により、界面の青色のぼやけが確認され、当該界面は色滲みがあることが確認できた。
焼成時間を4時間としたこと以外は比較例1と同様な方法で本比較例の多色セラミック造形品を作製し、黒色ジルコニア焼結体と青色ジルコニア焼結体との界面の光学顕微鏡写真を図14及び15に示す。図14より、黒色ジルコニア焼結体と、青色ジルコニア焼結体の間に隙間が生じていることが確認できた(図14中 矢印部)。また、図15より、本比較例の多色セラミック造形品は界面を確認することができたが、界面自体が幅を持ち、色滲みが生じていることが確認できる(図15中 破線四角部)。これより、本比較例のセラミック造形物は、界面に隙間及び色滲みの両方を有することが確認できた。
比較例1乃至3の結果より、焼成時間による制御では、明確な界面は不十分な焼結により形成されており、焼結が進行すると色滲みにより界面が不明確になることが確認できた。
(2)・・・濃色焼結体
(3)・・・界面
(4)・・・界面から一定距離にある淡色焼結体の領域
(5)・・・界面から一定距離にある淡色焼結体の領域を中心として形成した直径10μmの円
Claims (12)
- 第一のジルコニア焼結体と第二のジルコニア焼結体を含むジルコニア焼結体であって、該第一のジルコニア焼結体がCe、Pr、Nd、Eu、Tb、Ho、Er,Yb及びGdからなる群のいずれか1種以上のランタノイドを含有するジルコニア焼結体であり、該第二のジルコニア焼結体がスピネル酸化物を含有するジルコニア焼結体であり、該第一のジルコニア焼結体と該第二のジルコニア焼結体とが粒界を形成し、該粒界が隙間及び色滲みを有さないことを特徴とするジルコニア焼結体。
- 前記第一のジルコニア焼結体と前記第二のジルコニア焼結体のいずれか一方のジルコニア焼結体が、他方のジルコニア焼結体の表面に模様を形成していることを特徴とする請求項1に記載のジルコニア焼結体。
- 相対密度が99.5%以上であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のジルコニア焼結体。
- 前記第一のジルコニア焼結体が、Ce、Pr、Nd、Eu、Tb、Ho、Er,Yb及びGdからなる群のいずれか1種以上のランタノイドを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
- Ce、Pr、Nd、Eu、Tb、Ho、Er,Yb及びGdからなる群のいずれか1種以上のランタノイドを0.1重量%以上6重量%以下含有することを特徴とする上記請求項1乃至4のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
- 前記第一のジルコニア焼結体が、アルミナを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
- 前記第一のジルコニア焼結体が、アルミナを第一のジルコニア焼結体中のジルコニアに対して0.5重量%以下含有することを特徴とする請求項6に記載のジルコニア焼結体。
- 前記第二のジルコニア焼結体に含まれるスピネル酸化物が、鉄及びコバルトを含むスピネル酸化物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
- 前記第二のジルコニア焼結体に含まれるスピネル酸化物が以下の組成を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
(CoXM2+ 1−X)(FeYM3+ 1−Y)2O4
但し、M2+はZn又はMnの少なくともいずれか、M3+はAl又はCrの少なくともいずれか、0.1<X≦1、及び、0.5<Y≦1である。 - Ce、Pr、Nd、Eu、Tb、Ho、Er,Yb及びGdからなる群から選ばれるいずれか1種以上のランタノイドを含有するジルコニア粉末、又はスピネル酸化物を含有するジルコニア粉末のいずれか一方のジルコニア粉末を成形し一次成形体を得る一次成形工程、一次成形工程以下の成形温度で該一次成形体上に他方のジルコニア粉末を成形して二次成形体を得る二次成形工程、該二次成形体を1300℃以上で焼成し予備焼結体を得る焼結工程、及び、該予備焼結体を1250℃以上1650℃以下、100MPa以上250MPa以下で熱間静水圧プレス処理するHIP処理工程、を含む請求項1乃至9のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体の製造方法。
- 前記二次成形工程における成形が射出成形であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体を含む部材。
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