JP6657765B2 - 黒色ジルコニア焼結体及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、黒色を呈するジルコニア焼結体に係る。
ジルコニア焼結体は白色から乳白色の色調を呈するが、着色剤として遷移金属元素やランタノイド系希土類元素の酸化物をジルコニア焼結体に添加することで様々な色調を呈する焼結体とすることが報告されている(特許文献1)。着色剤を含有するジルコニア焼結体(以下、「着色ジルコニア焼結体」ともいう。)は、審美的特性が求められる各種の部材としての適用が期待されている(例えば、特許文献2等)。
より優れる審美的特性を有するジルコニア焼結体として、組成の異なる2以上のジルコニア焼結体が焼結により一体となった焼結体(以下、「ジルコニア複合焼結体」ともいう。)が報告されている(特許文献3)。ジルコニア複合焼結体は、一方のジルコニア焼結体表面に他方のジルコニア焼結体を露出することで、微細な模様を形成することができ、非常に審美性の高い焼結体となる。このようなジルコニア複合焼結体は、組成の異なる2以上のジルコニア成形体を一次焼結して、組成の異なる2以上のジルコニア焼結体からなる一次焼結体を得た後、当該一次焼結体を熱間静水圧プレス(以下、「HIP」という。)処理することでジルコニア焼結体同士の界面に隙間や色滲みを有することなく、2以上の着色ジルコニア焼結体が一体の焼結体となったものであった。
一次焼結体をHIP処理して得られるジルコニア複合焼結体では、一次焼結体を構成する各組成のジルコニア焼結体が同程度の密度になるように一次焼結をする必要がある。しかしながら、組成の異なるジルコニア焼結体は、呈色のみならず焼結挙動も異なる。したがって、着色ジルコニア焼結体を用いてジルコニア複合焼結体を得る場合、一次焼結において焼結挙動が近い着色ジルコニア焼結体を組合せる必要があった。しかしながら、焼結挙動が近い着色ジルコニア焼結体は組合せが限定されるため、カラーバリエーションの多様性が損なわれるという欠点があった。一方、焼結挙動が異なる着色ジルコニア焼結体同士によるジルコニア複合焼結体を得るためには緻密な制御を可能とする製造技術を必要とする。また、焼結挙動が異なる2以上の着色ジルコニア焼結体が欠陥を生じさせずに焼結した場合であっても、得られる色調が目的とする色調と異なる場合もあった。
特開昭62−059571号 国際公開2009/157508号 特開2015−143180号
ジルコニア複合焼結体は、非常に高い製造技術が無ければ再現性高く目的とする色調を呈するジルコニア複合焼結体を製造することは困難であった。
これらの課題に鑑み、本発明は、ジルコニア複合焼結体の製造に適したジルコニア焼結体であって、再現性の高い呈色、特に再現性高く黒色を呈するジルコニア焼結体を提供することを目的とする。更には、このようなジルコニア焼結体を含むジルコニア複合焼結体を提供することを別の目的とする。
本発明者らは、種々の着色ジルコニア焼結体の組合せからなるジルコニア複合焼結体において、特に基本色となる黒色を呈するジルコニア焼結体について検討した。その結果、ジルコニアの酸素欠陥を利用することで、色調の変化を著しく抑えながら焼結挙動を変えられること、これにより焼結挙動の異なる着色ジルコニア焼結体の組合せからなるジルコニア複合焼結体としてもほとんど同じ黒色を呈することができるジルコニア焼結体となることを見出した。
すなわち、本発明は、イットリアを2.8mol%以上6mol%以下、及び、チタニアを1.5重量%以上8重量%以下含有し、該チタニアが三価チタンを含み、残部がジルコニアからなるジルコニア焼結体である。
以下、本発明のジルコニア焼結体について説明する。
本発明のジルコニア焼結体は、イットリア(Y)を2.8mol%以上6mol%以下、更には2.8mol%以4.5mol%以下、また更には2.8mol%以上4.2mol%以下含有する。イットリアはジルコニアを着色することなく安定化剤として機能する。上記の範囲のイットリアを含有することで、光学異方性を有する正方晶からなる結晶相を主とするジルコニアとなる。これにより、透け感が無く、明確な呈色をする焼結体となる。
本発明においてイットリア含有量は、焼結体中のジルコニア及びイットリアの合計に対するイットリアのモル割合である。
本発明のジルコニア焼結体はチタニア(TiO)を含有し、該チタニアが三価チタン(Ti3+)を含む。チタニアが三価チタンを含有することでジルコニア中に欠陥が生じる。これにより、本発明のジルコニア焼結体が黒色を呈する。さらに、三価チタンはチタニアが還元することで生成する。チタニアの還元は焼結温度に大きく依存することなく生じるため、本発明の焼結体はこれを製造する際の焼結温度を厳密に制御することなく、再現性高く、安定して明度Lが低い呈色を得ることができる。これにより、ジルコニア複合焼結体として組合せる着色焼結体の焼結挙動による影響をほとんど受けることなく、ジルコニア複合焼結体とすることができる。
チタニア含有量は1.5重量%以上、更には2.5重量%以上である。チタニア含有量が1.5重量%未満では、得られるジルコニア焼結体のL表色系における彩度a(以下、「彩度a」又は「a」ともいう。)及びb(以下、「彩度b」又は「b」ともいう。)の変化により、目視による審美性が大きく異なる。チタニア含有量が1.5重量%以上であることでLが低く黒色を呈するジルコニア焼結体となる。一方、チタニア含有量が高くなりすぎると、焼結時に焼結体が割れるなどの製造安定性が低下する。そのため、チタニア含有量は8重量%以下、更には5.5重量%以下、更には5重量%以下である。
体となる。
本発明においてチタニア含有量は、焼結体中のジルコニア、イットリア及びチタニアの合計に対するチタニアの重量割合である。本発明のジルコニア焼結体がアルミナを含有する場合、チタニア含有量は、焼結体中のジルコニア、イットリア、チタニア、及びアルミナの合計に対するチタニアの重量割合である。
チタニア含有量が増加すると三価チタンの含有量が増える傾向がある。そのため、チタニア含有量が高いほど、色調が黒くなり明度Lが低下する傾向がある。本発明のジルコニア焼結体に含まれるチタニアは、三価チタンを多く含むことが好ましく、チタニア中の全チタンに対する三価チタンのモル割合が25%以上、更には30%以上であることが好ましい。本発明の焼結体を800℃以上の酸化雰囲気下で焼成することにより、以下の式で示す反応が生じ、酸化雰囲気の焼成により三価チタンが酸化される。
1/2Ti+ 1/4O → TiO
このように、焼成前後の焼結体重量の増加分を、本発明の焼結体に含まれる三価チタンの量とみなすことができる。そのため、本発明において、三価チタンのモル割合は以下の式から求めることができる。
Ti3+(mol%) = [{(W−W)/W}×4]/MTi×100
上記式においてWは本発明の焼結体の重量(g)、Wは酸化雰囲気下で焼成後の焼結体の重量(g)、Wは酸素の物質量(32.0g/mol)、及び、MTiは焼結体のチタン含有量(mol)である。なお、Wを求める際の酸化雰囲気下での焼成の条件は、Wの重量増加が平衡に達する条件であればよく、好ましい条件として、大気中、1050℃以上1400℃以下、1時間以上10時間以下の常圧焼結を挙げることができる。焼結体中のチタン含有量は、例えばICP測定等の組成分析により求めることができる。
本発明のジルコニア焼結体は、アルミナ(Al)を含んでいてもよい。アルミナを含有することで焼結温度が低下する。本発明のジルコニア焼結体は、上記のアルミナ含有量の範囲であれば、その明度Lがほとんど変化しない。そのため、本発明のジルコニア焼結体は、これと異なる焼結挙動を有するジルコニア焼結体とのジルコニア複合焼結体とする場合であっても、両焼結体の焼結挙動を近いものにすることができ、なおかつ、異なる焼結温度で焼成した場合であっても十分に低い明度Lを有する焼結体となる。本発明のジルコニア焼結体のアルミナを含まなくてもよいため、アルミナ含有量は0重量%以上であればよい。アルミナを含む場合、アルミナ含有量は0重量%超2重量%以下、更には0.1重量%以上1.5重量%以下、また更には0.2重量%以上1.0重量%以下を挙げることができる。
体となる。
本発明においてアルミナ含有量は、焼結体中のジルコニア、イットリア、チタニア及びアルミナの合計に対するアルミナの重量割合である。
本発明のジルコニア焼結体の平均結晶粒径は0.5μm以上2μm以下、更には0.7μm以上1.5μm以下であることが挙げられる。平均結晶粒径がこの範囲であることで、時計部品や装飾物品などの部材としての使用に耐えうる機械的強度を有する。本発明において、平均結晶粒径は、本発明の焼結体の走査型顕微鏡(以下、「SEM」とする。)観察図で観察される200個以上の結晶粒子の結晶径をインターセプト法で求め、これを平均することにより求めることができる。
本発明のジルコニア焼結体は、結晶構造中における単斜晶が少ないことが好ましい。単斜晶は正方晶よりも大きいため、これを含むことで焼結体の割れやクラックが生じやすくなる。そのため、本発明のジルコニア焼結体は、主結晶相が正方晶であることが好ましく、結晶構造に含まれる単斜晶の割合(以下、「単斜晶率」ともいう。)が8%以下、更には1%以下であることが好ましい。
本発明において、単斜晶率は以下の(1)式により求めることができる。
fm={(Im(111)+Im(11−1))/(Im(111)
Im(11−1)+It(111)+Ic(111))}×100 ・・・(1)
上記式においてfmは単斜晶率(%)、Im(111)はジルコニア焼結体の粉末X線回折(以下、「XRD」とする。)パターンにおける単斜晶(111)面の面積強度、Im(11−1)はジルコニア焼結体のXRDにおける単斜晶(11−1)面の面積強度、It(111)はジルコニア焼結体のXRDにおける正方晶(111)面の面積強度、及び、Ic(111)はジルコニア焼結体のXRDにおける立方晶(111)面の面積強度である。
本発明のジルコニア焼結体は十分に低い明度Lを呈するため、黒色を呈する。好ましい明度Lとして2.0以下、更には0.6以下を挙げることができる。明度L*が2.0以下であれば十分な黒色を呈し、彩度a及びbが変化しても、目視による確認では、呈色の変化をほとんど生じない。そのため、彩度a及びb任意は任意の値でよく、例えば、彩度aは−2.0以上2.0以下、更には−1.0以上1.0以下、彩度bは−2.0以上4.0以下、更には−1.0以上2.0以下であることが挙げられる。
本発明のジルコニア焼結体は、波長780nm〜1100mmの近赤外線領域の光の透過性が低いことが好ましく、波長1000mmの光の透過性(以下、「近赤外線透過率」ともいう。)が2.5%以下、更には0.5%以下、また更には0.1%以下であることが好ましい。
本発明のジルコニア焼結体は二軸曲げ強度が1200MPa以上2200MPa以下、更には1500MPa以上2150MPa以下であることが挙げられる。
本発明における二軸曲げ強度は、ISO/DIS 6872に準じた方法により測定することができる。
本発明のジルコニア焼結体は、本発明のジルコニア焼結体と組成が異なるジルコニア焼結体と、本発明のジルコニア焼結体とからなるジルコニア複合焼結体としてもよい。これにより、より審美性の高い焼結体となる。
ジルコニア複合焼結体は、本発明のジルコニア焼結体と組成の異なるジルコニア焼結体(以下、「カラー焼結体」ともいう。)と、本発明のジルコニア焼結体とが界面を有することが好ましい。ジルコニア複合焼結体は、本発明のジルコニア焼結体とカラー焼結体とが焼結している、すなわち、本発明のジルコニア焼結体の結晶粒子と、カラー焼結体の結晶粒子とが結合した結晶粒子構造を有する。これによって界面が形成される。色調の異なるジルコニア焼結体同士が界面を形成することで、該界面が亀裂やひずみなどの欠陥を有さない接合面となる。これにより、界面が破壊の起点とならなくなり、ジルコニア複合焼結体がジルコニア焼結体本来の強度が求められる部材としても使用することができる。
このように、ジルコニア複合焼結体は、本発明のジルコニア焼結体とカラー焼結体とを結合材により接着したものや、嵌合などの両者を物理的に組み合わせたものとは異なる。
なお、本発明において界面は、SEMなどの電子顕微鏡観察により得られる電子像又は光学顕微鏡による観察から確認することができる。本発明のジルコニア焼結体とカラー焼結体とは異なる色調を有する。光学顕微鏡観察において、色調の変化している部分をもって界面を確認することができる。また、本発明のジルコニア焼結体とカラー焼結体は組成が異なる。組成の相違により、電子像が異なる色調を有するため、当該色調変化部分をもって界面を確認することができる。
図1は、ジルコニア複合焼結体のSEM観察により得られた二次電子像の一例を示す図である。図1において、(1)の領域は本発明のジルコニア焼結体、(2)の領域はカラー焼結体である。反射電子像における色調の違いから(1)及び(2)の領域の境界部分である界面(3)を確認することができる(図1中の丸印)。
ジルコニア複合焼結体は、倍率500倍以下のSEM観察により得られる二次電子像又は反射電子像のいずれかの電子像や、光学顕微鏡観察により観察できる、界面及びその近傍の空隙(以下、「隙間」ともいう。)を有さないことが好ましい。隙間がないことで界面を起点とする破壊が生じにくくなり、ジルコニア複合焼結体の機械的強度が高くなりやすい。
高級感を有するために、ジルコニア複合焼結体は、目視又は光学顕微鏡で観察できる本発明のジルコニア焼結体と、カラー焼結体との色調が混合した色調を呈する部分(以下、「色滲み」ともいう。)を有さないことが好ましい。
ジルコニア複合焼結体に含まれるカラー焼結体は、本発明のジルコニア焼結体と異なる組成を有するジルコニア焼結体であればよく、本発明のジルコニア焼結体と異なる色調を有するジルコニア焼結体であることが好ましい。本発明のジルコニア焼結体は三価チタン、すなわち還元状態のチタンを含有する。したがって、カラー焼結体が着色剤を含有する場合、着色剤として還元状態における呈色の再現性が高い元素を含有することが好ましい。好ましいカラー焼結体として、Al、Pr、Nd、Eu、Tb、Ho、Er、Yb及びGdからなる群のいずれか1種以上の元素(以下、「着色元素」ともいう。)を含有するジルコニア焼結体を挙げることができる。還元雰囲気に晒された場合、例えば、Alは白色、Prはオレンジ色、Erはピンク色、及び、Euは白から薄黄色を呈する。特に好ましいカラー焼結体として、Al及びEuからなる群の少なくとも1種の元素を含むジルコニア焼結体であることが好ましい。より具体的なカラー焼結体として、ユーロピウムを含有するバリウムマグネシウムアルミネート、ユーロピウムを含有するストロンチウウアルミネート、ユーロピウムを含有するカルシウムアルミネート及びアルミナからなる群の少なくとも1種を含むジルコニア焼結体を挙げることができる。
カラー焼結体と本発明のジルコニア焼結体とからなるジルコニア複合焼結体は高級感を備えた審美性を有することに加え、これを製造する際の色調の再現性が高くなりやすい。したがって、より工業的な製造に適したジルコニア複合焼結体とすることができる。
カラー焼結体が含有する着色元素は、焼結体重量に対する着色元素の酸化物換算の重量として0重量%以上40重量%以下、更には0重量%以上10重量%以下、また更には0重量%以上5重量%以下、また更には0重量%超5重量%含有していればよい。
カラー焼結体は、ジルコニアを着色することなく安定化剤として機能する化合物、例えば、イットリア、カルシア及びマグネシアからなる群の少なくとも1種を含んでいてもよい。これらの化合物は安定化剤として機能する。安定化剤の含有量は、2mol%以上6mol%未満、更には2mol%以上5mol%以下、また更には2mol%以上4mol%以下であることが好ましい。さらに、カラー焼結体は安定化剤とジルコニアからなるジルコニア焼結体であってもよい。
特に好ましいジルコニア複合焼結体として、Al、Pr、Nd、Eu、Tb、Ho、Er、Yb及びGdからなる群のいずれか1種以上の元素を含有するジルコニア焼結体又は安定化剤とジルコニアからなるジルコニア焼結体の少なくともいずれかと、本発明のジルコニア焼結体とからなるジルコニア複合焼結体を挙げることができる。
次に、本発明のジルコニア焼結体の製造方法を説明する。
本発明のジルコニア焼結体は、イットリアを2.8mol%以上6mol%以下、及び、チタニアを1.5重量%以上8重量%以下含有し、残部がジルコニアからなる成形体を還元雰囲気で焼成する焼成工程を有する製造方法により製造することができる。
焼成工程ではイットリアを2.8mol%以上6mol%以下、及び、チタニアを1.5重量%以上8重量%以下含有し、残部がジルコニアからなる成形体(以下、「黒色成形体」ともいう。)を還元雰囲気で焼成する。焼成により、黒色成形体が焼結して焼結体が得られると共に、チタニア中にチタンが還元されて三価チタンが生成する。
黒色成形体はアルミナ(Al)を0重量%超2重量%以下、更には0.1重量%以上1.5重量%以下、また更には0.2重量%以上1.0重量%以下含んでいてもよい。
黒色成形体は、上記の組成を有していればよく、イットリア、チタニア、アルミナ及びジルコニアが上記の組成となるように原料粉末を任意の方法で混合及び成形して得られる。
好ましい黒色成形体としてイットリアを2.8mol%以上6mol%以下含有し、BET比表面積が5m/g以上12m/g以下のジルコニア粉末と、BET比表面積が12m/g超35m/g以下のチタニア粉末を含む混合粉末を成形して得られた成形体を挙げることができる。アルミナを含有する黒色成形体とする場合、混合粉末はアルミナ粉末を含んでいてもよい。
ジルコニア粉末、チタニア粉末、及び、必要に応じてアルミナ粉末、が均一に混合されれば、これらの粉末の混合方法は任意である。混合方法として湿式混合、更にはボールミルあるいはビーズミルであることが好ましい。具体的な混合方法として、ボールミルで24時間以上、混合することが挙げられる。
焼成工程では、黒色成形体を還元雰囲気中で焼成する。還元雰囲気中での焼成により、黒色成形体に含まれるチタンが還元されると共に、ジルコニア焼結体の緻密化が進行する。これにより、十分に低い明度Lを有する黒色を呈するジルコニア焼結体が得られる。
焼成は、チタニア中に三価チタンの生成が進行し、なおかつ、焼結体の相対密度が99%以上となる条件で行えばよいが、焼結体の密度を一定以上に緻密化した後に、チタニアの還元を行うことが好ましい。好ましい焼成工程として、黒色成形体を常圧焼結して一次焼結体を得る一次焼結工程、及び、一次焼結体をHIP処理する二次焼結工程、を含む焼成工程を挙げることができる。
一次焼結工程では、黒色成形体を常圧焼結する。これにより、相対密度が95%以上となる一次焼結体を得る。このような一次焼結体とすることにより、二次焼結工程におけるチタニアが還元しやすくなり、得られるジルコニア焼結体の明度Lが十分に低くなる。なお、常圧焼結とは焼結時に成形体に対して外的な力を加えず単に加熱することにより焼結する方法である。
一次焼結体は、相対密度が95%以上100%未満、更には97%以上100%未満、また更には98%以上100%未満であることが好ましい。相対密度がほぼ100%であった場合であっても、通常、焼結体中には微細な気孔が残留している。二次焼結工程により、このような残留気孔を排除することができる。
この様な一次焼結体を得るため、一次焼結工程における一次焼結温度は1375℃以上1600℃以下、更には1400℃以上1500℃以下を挙げることができる。一次焼結温度が1375℃未満では一次焼結体に多くの気孔が残留する場合がある。多量の気孔が残存する一次焼結体、すなわち密度が低い一次焼結体はHIP処理を施しても緻密化が促進されない。
二次焼結工程における、HIP処理温度は1300℃以上1500℃以下、更には1350℃以上1450℃以下、また更には1375℃以上1450℃以下であることが好ましい。1300℃以上とすることでは三価チタンが生成しやすくなる。HIP処理の圧力は50MPa以上200MPa以下、更には100MPa以上175MPa以下であることが好ましい。圧力を50MPa以上とすることで一次焼結体から粒界気孔の除去が促進される。一方、200MPa以下であればジルコニア焼結体の緻密化が進む。
HIP処理は還元雰囲気で行う。これにより三価チタンが生成する。還元雰囲気は還元性ガス、例えば、水素又は一酸化炭素の少なくともいずれかを含有する圧力媒体とすればよい。また、圧力媒体として非酸化性ガスを用い、なおかつ、一次焼結体を還元性材質を含む容器や加熱源に配置して、還元雰囲気としてもよい。非酸化性ガスとしてアルゴン又は窒素の少なくともいずれかを挙げることができる。また、還元性の材質を含む容器や加熱源として、黒鉛静容器やカーボンヒーターを挙げることができる。
HIP処理を還元雰囲気で行うため、一次焼結体は還元性の容器に配することが好ましい。還元性の容器として、例えば、カーボン製の通気孔を有する蓋付容器を挙げることができる。通気性のある容器を用いることにより、一次焼結体近傍に存在する微量な酸素が取り除かれ、三価チタンの生成が促進される。
本発明のジルコニア焼結体を含むジルコニア複合焼結体を得る場合、焼成工程においてに供する成形体を、黒色成形体と、黒色成形体と異なる組成を有する成形体(以下、「カラー成形体」ともいう。)からなる複合ジルコニア成形体とすればよい。
好ましいカラー成形体として、Al、Pr、Nd、Eu、Tb、Ho、Er、Yb及びGdからなる群のいずれか1種以上の元素(着色元素)を含有するジルコニア成形体、又は、安定化剤とジルコニアからなるジルコニア成形体の少なくともいずれかを挙げることができる。特に好ましいカラー成形体として、Al及びEuからなる群の少なくとも1種の元素を含むジルコニア成形体、又は、安定化剤とジルコニアからなるジルコニア成形体の少なくともいずれかであることが好ましい。より具体的なカラージルコニア成形体として、ユーロピウムを含有するバリウムマグネシウムアルミネート、ユーロピウムを含有するストロンチウウアルミネート、ユーロピウムを含有するカルシウムアルミネート及びアルミナからなる群の少なくとも1種を含むジルコニア成形体、又は、安定化剤とジルコニアからなるジルコニア成形体の少なくともいずれかを挙げることができる。
カラー成形体と黒色成形体とからなる複合成形体は、これを同時に焼結することで、同質な素材感を有し、高級感を有する審美性を有するジルコニア複合焼結体を得ることができる。
カラー成形体が含有する着色元素は、酸化物換算で0重量%以上40重量%以下、更には0重量%以上10重量%以下、また更には0重量%以上5重量%以下、また更には0重量%超5重量%含有していればよい。
カラー成形体は、ジルコニアを着色することなく安定化剤として機能する化合物、例えば、イットリア、カルシア及びマグネシアからなる群の少なくとも1種を含んでいてもよい。安定化剤の含有量は、2mol%以上6mol%未満、更には2mol%以上5mol%以下、また更には2mol%以上4mol%以下であることが好ましい。
複合ジルコニア成形体は、黒色成形体とカラー成形体とが接触するように成形された成形体であればよく、黒色成形体又はカラー成形体のいずれか一方の成形体を得、当該成形体上に他方の成形体を成形することで得られたものであることが好ましい。例えば、カラー成形体を得、当該成形体上に黒色成形体の原料を充填し、両者を同時に成形することで得られた複合ジルコニア成形体、黒色成形体を得、当該成形体上にカラー成形体の原料を充填し、両者を同時に成形することで得られた複合ジルコニア成形体、いずれか一方の成形体の原料を成形型に充填し、その上に他方の成形体の原料を充填し、これを同時に成形して得られた複合ジルコニア成形体が挙げられる。
複合ジルコニア成形体の形状は任意であり、円板状、柱状、板状、球状及び略球状からなる群の少なくとも1種が例示できる。また、黒色成形体又は着色成形体の一方の成形体に凹凸を設け、当該凹凸上に他方の成形体が成形されることで、文字や線図等の模様を形成させてもよい。
複合ジルコニア成形体に含まれる黒色成形体及びカラー成形体は、同様な焼結挙動を有することが好ましい。成形体の焼結挙動は、以下の条件で成形体を焼成して得られる焼結体の密度が99%以上となる温度(以下、「焼結完了温度」ともいう。)により確認できる。
雰囲気 :大気中
昇温速度 :100℃/時間
焼成時間 :2時間
ジルコニア成形体とカラージルコニア成形体との焼結挙動が異なる場合、必要に応じて黒色成形体にアルミナを含有させることで、その焼結挙動を制御することができる。アルミナを含有させることにより、ジルコニア成形体の焼結完了温度を1400℃〜1500℃に制御することができ、なおかつ、得られるジルコニア複合焼結体中に含まれる本発明のジルコニア焼結体の明度Lを十分に低くすることができる。
本発明のジルコニア焼結体を含むジルコニア複合焼結体を得る場合、焼成工程は、複合ジルコニア成形体を常圧焼結して一次焼結体を得る一次焼結工程、及び、一次焼結体をHIP処理する二次焼結工程、であることが好ましい。一次焼結工程において、黒色ジルコニア焼結体とカラージルコニア焼結体とが焼結し、両焼結体が一体となった一次焼結体が得られる。このような一次焼結体を二次焼結工程に供することにより、割れなどの欠陥が抑制されながらチタニアの還元が促進される。
焼成工程後に得られたジルコニア複合焼結体は、任意の方法により加工して、本発明のジルコニア焼結体又はジルコニア複合焼結体を含む部材とすればよい。
本発明により、ジルコニア複合焼結体の製造に適したジルコニア焼結体であって、再現性の高い呈色、特に再現性高く黒色を呈するジルコニア焼結体を提供するができる。更には、このようなジルコニア焼結体を含むジルコニア複合焼結体を提供することができる。
実施例12のジルコニア複合焼結体の反射電子像(図中スケールは200μm) 実施例16のジルコニア複合焼結体の外観
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
(焼結完了温度の測定)
各ジルコニア原料を室温で一軸プレス成形した後、200MPaで冷間静水圧プレス(CIP)処理して直径20mm、厚み3mmの成形体とした。成形体を、大気中、昇温速度100℃/時間、及び焼結時間2時間で常圧焼結し、得られる焼結体の相対密度が99%以上となる焼結温度を焼結完了温度とした。焼結温度は1350℃、1400℃、1450℃又は1500℃のいずれかとして焼結完了温度を求めた。
(比表面積)
窒素吸着によるBET比表面積を測定し、粉末試料の比表面積とした。測定には一般的な比表面積測定装置(QUANTA CHROME製)を使用した。
(光学顕微鏡観察)
光学顕微鏡(装置名:MM−800、ニコン製)又は三眼ズーム式実体顕微鏡(装置名AR−372ZH、アームシステム株式会社製)を使用し焼結体試料の界面を観察した。光学顕微鏡観察では、界面における隙間の有無及び色滲みの有無を観察した。
(SEM観察)
SEM(装置名:JSM−5400、日本電子製)を使用し焼結体試料の界面を観察した。SEM観察では、倍率を500倍として、界面における隙間の有無を観察した。
(EPMAによる元素定量分析)
波長分散型電子線マイクロアナライザー(EPMA)(装置名:EPMA1610、島津製作所製)を使用して、焼結体試料における、ランタノイド着色焼結体の界面近傍の点分析を行なった。測定条件は以下のとおりである。
加速電圧 :15KV
照射電流 :100nA
分析範囲 :φ10μm
測定は、界面から焼結体の距離を30μm、50μm、100μm、150μm、及び200μmのいずれかで行い、着色成分が確認された領域であって、界面から最も遠い距離における測定領域を移行領域とした。
(L表色系による色調)
JISZ8722に準拠し、焼結体試料の色調を測定した。測定には一般的な色差計(装置名:カラーアナライザーTC−1800MK−II、東京電色社製)を用いた。測定条件は以下のとおりである。
光源 :D65光源
視野角 :10°
焼結体試料は実施例で用いた原料を同様に成形、焼結して厚さ1mm、直径20mmの円板状の形状として、両面を研磨したものを用いた。
(蛍光特性評価)
分光蛍光光度計(装置名:FP−6500型分光蛍光光度計、日本分光製)を用いて、発光スペクトル、励起スペクトル測定を行った。発光スペクトルは励起波長を365nmとし、波長範囲220〜750nmの範囲で発光スペクトルを測定した。また、励起スペクトルは発光スペクトル測定で発光ピークを示した波長に固定して、波長範囲220〜750nmの範囲での励起スペクトルを測定した。
(機械強度試験)
ISO/DIS6872に準拠した方法により、焼結体試料の二軸曲げ強度を測定した。測定には、直径16mm、厚さ2mmの円柱形状の焼結体試料を用いた。
(平均結晶粒径)
焼結体試料のジルコニアの結晶粒子の平均結晶粒径はインターセプト法により測定した。鏡面研磨した後の焼結体試料を熱エッチングし、その表面を走査型顕微鏡にて20,000倍で観察した。得られたSEM観察図からインターセプト法(k=1.78)によりジルコニアの結晶粒子の平均結晶粒径を測定した。測定したジルコニアの結晶粒子の粒子数は200個以上とした。
(近赤外線透過率)
測定波長250nmから2500nmの光に対する透過率を測定し、波長1000mの光に対する透過率をもって近赤外線透過率とした。測定には一般的な分光光度計(装置名:U−4100、日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。焼結体試料には両面を研磨した厚さ1mmの焼結体を用いた。
(単斜晶率)
焼結体試料をXRD測定し、得られたXRDパターンから(1)式により、単斜晶率を求めた。なお、XRD測定は一般的なX線回折性装置を用い、以下の条件で行った。焼結体試料には両面を研磨した厚さ1mmの焼結体を用いた。
実施例1
49.0gのBET比表面積が7m/gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末(東ソー社製)、1.0gのBET比表面積が19m/gの酸化チタン粉末(昭和電工製)及びエタノールを混合してスラリーとした。当該スラリーをボールミルで24時間粉砕混合した後、大気中、110℃で乾燥した。乾燥後、篩分けにより粒径500μm以下の原料粉末を得た。ボールミルには直径10mmのジルコニアボールを使用した。
原料粉末を一軸プレス成形し、その後200MPaの冷間静水圧プレスすることにより、成形体を得た。当該成形体を大気中、昇温速度100℃/h、1400℃で2時間常圧焼結することで一次焼結体を得た。一次焼結体をカーボン製容器に配置した後、純度99.9%のアルゴンガスの雰囲気下で、HIP温度1400℃、HIP圧力150MPa、及び保持時間1時間でHIP処理することで黒色ジルコニア焼結体を得た。本実施例の黒色ジルコニア焼結体の三価チタンのモル割合は30%であった。結果を表1に示す。
実施例2
48.88gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、1.0gの酸化チタン粉末、0.13gのBET比表面積が7m/gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと以外は実施例1と同様な方法で黒色ジルコニア焼結体を得た。本実施例の黒色ジルコニア焼結体の三価チタンのモル割合は36%であった。結果を表1に示す。
比較例1
49.5gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、0.5gの酸化チタン粉末、及びエタノールを混合してスラリーとしたこと以外は実施例1と同様な方法でジルコニア焼結体を得た。結果を表1に示す。
比較例2
49.38gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末0.5gの酸化チタン粉末、0.13gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと以外は実施例1と同様な方法でジルコニア焼結体を得た。結果を表1に示す。
Figure 0006657765
焼結完了温度は、実施例1が1500℃及び実施例2が1400℃であり、両者は異なる焼結完了温度を有する。しかしながら、両者の明度Lの差は0.2であり、いずれも同様な黒色を呈した。これより、本発明のジルコニア焼結体は、焼結挙動を変化させても色調変化が小さいことが確認できた。一方、比較例の焼結完了温度は比較例1が1500℃及び比較例2が1400であり、実施例と同様に焼結完了温度が100℃異なる。しかしながら、比較例のジルコニア焼結体はアルミナを含有することによる明度Lは15以上変化することが確認できた。これにより、比較例のジルコニ焼結体は、焼結挙動を変えると色調が大きく変化することが分かった。
実施例3
48.78gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、1.1gの酸化チタン粉末、0.13gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1450℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法で黒色ジルコニア焼結体を得た。結果を表2に示す。黒色ジルコニア焼結体の三価チタンのモル割合は44%、平均結晶粒径は0.75μm、二軸曲げ強度2130MPa、単斜晶率は0.6%、及び、近赤外線透過率は0.1%であった。結果を表1に示す。
実施例4
48.63gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、1.25gの酸化チタン粉末、0.13gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1450℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法で黒色ジルコニア焼結体を得た。結果を表2に示す。黒色ジルコニア焼結体の三価チタンのモル割合は40%、平均結晶粒径は0.80μm、二軸曲げ強度は1940MPa、及び、単斜晶率0.6%であった。
実施例5
48.38gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、1.5gの酸化チタン粉末、0.13gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1450℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法で黒色ジルコニア焼結体を得た。結果を表2に示す。黒色ジルコニア焼結体の三価チタンのモル割合は36%、平均結晶粒径は0.84μm、二軸曲げ強度は1640MPa、単斜晶率は0.6%、及び、近赤外線透過率は0.02%であった。
実施例6
47.38gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、2.5gの酸化チタン粉末、0.13gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1450℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法で黒色ジルコニア焼結体を得た。結果を表2に示す。黒色ジルコニア焼結体の三価チタンのモル割合は41%、平均結晶粒径は1.2μm、二軸曲げ強度は1560MPa、単斜晶率は0.9%、及び、近赤外線透過率は0.01%であった。
比較例3
44.88gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、5.0gの酸化チタン粉末、0.13gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1450℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法でジルコニア焼結体を得た。結果を表2に示す。ジルコニア焼結体の平均粒径は2.4μm、及び、単斜晶率8.2%であった。
Figure 0006657765
チタン含有量が増えることにより明度Lが低下する傾向があることが確認できた。またチタニア含有量を5重量%を超えても、明度Lの低下は確認できなかった。さらに、比較例3の焼結体は単斜晶が生成しており、また、焼結時に割れが生じていた。これより、チタニア含有量が多いジルコニア焼結体は欠陥のない焼結体を安定的に製造することが困難であることが示唆された。
実施例7
48.5gの2mol%イットリア含有ジルコニア粉末、1.50gの酸化チタン粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1450℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法で黒色ジルコニア焼結体を得た。結果を表3に示す。黒色ジルコニア焼結体の三価チタンのモル割合は33%、平均結晶粒径は0.90μm、二軸曲げ強度は1970MPa、及び、単斜晶率は0.7%であった。
実施例8
48.5gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、1.5gの酸化チタン粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1450℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法で黒色ジルコニア焼結体を得た。結果を表3に示す。黒色ジルコニア焼結体の三価チタンのモル割合は31%、平均結晶粒径は0.98μm、二軸曲げ強度は1970MPa、及び、単斜晶率は0.6%であった。
実施例9
48.5gのmol%イットリア含有ジルコニア粉末、1.5gの酸化チタン粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1450℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法で黒色ジルコニア焼結体を得た。結果を表3に示す。黒色ジルコニア焼結体の三価チタンのモル割合は45%、平均結晶粒径は0.96μm、二軸曲げ強度は1520MPa、及び単斜晶率は0.6%であった。
Figure 0006657765
表3より、いずれのイットリア含有量のジルコニア焼結体であっても、明度L*は2以下で黒色を呈するジルコニア焼結体が得られることが確認できた。また、イットリア含有量による明度Lへの直接的な影響はないことが示唆された。
実施例10
48.5gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、1.5gの酸化チタン粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと以外は実施例1と同様な方法で黒色ジルコニア焼結体を得た。三価チタンのモル割合は30%であった。結果を表4に示す。
実施例11
48.5gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、1.5gの酸化チタン粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1450℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法で黒色ジルコニア焼結体を得た。三価チタンのモル割合は31%であった。結果を表4に示す。
比較例4
49.5gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末0.5gの酸化チタン粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1450℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法でジルコニア焼結体を得た。結果を表4に示す。明度L*が7.3であり、また、近赤外線透過率は2.9%であった。
比較例5
49.38gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、0.5gの酸化チタン粉末、0.13gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合してスラリーとしたこと、及び、常圧焼結を1500℃で行ったこと以外は実施例1と同様な方法でジルコニア焼結体を得た。結果を表4に示す。明度L*が9.9であり、また、近赤外線透過率は3.8%であった。
Figure 0006657765
表4より、本発明のジルコニア焼結体はチタニア含有量が同じ場合において、明度Lに対する一次焼結温度の影響はほとんどないことが確認できた。
実施例12
以下の方法により、本発明のジルコニア焼結体と蛍光青色ジルコニア焼結体とからなる円板状のジルコニア複合焼結体を製造した。
(黒色ジルコニア原料粉末)
47.0gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、2.5gの酸化チタン粉末、0.5gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合したこと以外は実施例1と同様な方法で原料粉末を得、これを黒色ジルコニア原料粉末とした。
(蛍光青色ジルコニア原料粉末)
47.5gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、2.5gの平均粒子径2.9μmのユーロピウムを含有するバリウムマグネシウムアルミネート(BaMgAl1119:Eu、以下、「BAM」とする。)蛍光体粉末(東京化学研究所製)及びエタノールを混合したこと以外は黒色ジルコニア原料粉末と同様な方法で蛍光青色ジルコニア原料粉末を得た。
蛍光青色ジルコニア原料粉末の焼結完了温度は1450℃であった。
(成形体の作製)
黒色ジルコニア原料粉末を一軸プレス成形した。一軸プレス成形は、一方に縦15mm×横15mm、幅5mmの十字型の凸部を有する直径約20mmの円柱状の金型でプレスすることで、一方の表面に十字型の凹部模様を有する直径20mmの円板状の一次成形体を得た。得られた一次成形体上に蛍光青色ジルコニア原料粉末を充填し、一次成形体及び蛍光青色ジルコニア原料粉末を同時に一軸プレス成形した。一軸プレス後の成形体を冷間静水圧プレス(CIP)処理することで二次成形体を得た。CIP処理の圧力は200MPaとした。
(焼成及びHIP処理)
二次成形体を、大気中、昇温速度100℃/h、焼成温度1500℃及び焼結時間2時間で焼成することで一次焼結体を得た。
得られた一次焼結体をカーボン製容器に配置した後、純度99.9%のアルゴンガスの雰囲気下で、HIP温度1400℃、HIP圧力150MPa、及び保持時間1時間でHIP処理することにより、HIP処理体を得た。当該HIP処理体を本実施例のジルコニア複合焼結体とした。本実施例のジルコニア複合焼結体における黒色ジルコニア焼結体の組成及び色調を表5に示し、蛍光青色ジルコニア焼結体の組成及び色調を表6に示した。
ジルコニア複合焼結体中の黒色ジルコニア焼結体における三価チタンのモル割合は34%であった。
(部材加工)
蛍光青色ジルコニア焼結体からなる十字模様が表面に確認できるまで、本実施例の複合焼結体の黒色ジルコニア焼結体側を研削及び研磨した。その後、蛍光青色ジルコニア焼結体側を研削及び研磨して、複合焼結体を調整し、縦12mm×横12mm、幅3mmの十字模様を有する直径16mm×厚み2mmの複合焼結体からなる部材とした。両材料の界面には隙間がなく、目視での色滲みは観察されなかった。
また、EPMAを使用して蛍光色焼結体の界面近傍の点分析を行った結果、界面から蛍光青色ジルコニア焼結体の距離が150μm以上の領域において、Tiは観察されなかった。
実施例13
以下の方法により、本発明のジルコニア焼結体と蛍光青緑色ジルコニア焼結体とからなる円板状のジルコニア複合焼結体を製造した。
(黒色ジルコニア原料粉末)
実施例5と同様な方法で原料粉末を得、これを黒色ジルコニア原料粉末とした。
(蛍光青緑色ジルコニア原料粉末)
47.5gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、2.5gの平均粒子径8.6μmのユーロピウムを含有するストロンチウムアルミネート(SrAl1425:Eu、以下、「SAE」とする。))蛍光体粉末(東京化学研究所製)及びエタノールを混合したこと以外は黒色ジルコニア原料粉末と同様な方法で蛍光青緑色ジルコニア原料粉末を得た。蛍光青緑色ジルコニア原料粉末の焼結完了温度は1450℃であった。
(成形体の作製、焼成、及び部材加工)
プレス金型として凸型の三角模様を有する上パンチを使用したこと、及び、二次成形体を焼成温度1400℃で焼成したこと以外は実施例12と同様な方法で本実施例のジルコニア複合焼結体とした。本実施例のジルコニア複合焼結体における黒色ジルコニア焼結体の組成及び色調を表5に示し、蛍光青緑色ジルコニア焼結体の組成及び色調を表6に示した。
ジルコニア複合焼結体中の黒色ジルコニア焼結体における三価チタンのモル割合は39%であった。
得られた円板状のジルコニア複合焼結体は、直径16mm、及び、厚み2mmであり、模様の幅は2mmであり、二軸曲げ強度は1050MPa、また、黒色ジルコニア焼結体の平均結晶粒径は1.1μmであった。
当該円板状のジルコニア複合焼結体は、黒色ジルコニア焼結体からなる表面を有し、なおかつ、当該表面上に、紫外線で青緑色を発する傾向青緑色のジルコニア焼結体からなる三角模様を有していた。両材料の界面には隙間がなく、目視での色滲みは観察されなかった。
実施例14
以下の方法により、本発明のジルコニア焼結体と白色ジルコニア焼結体とからなる円板状のジルコニア複合焼結体を製造した。
(黒色ジルコニア原料粉末)
実施例8と同様な方法で原料粉末を得、これを黒色ジルコニア原料粉末とした。
(白色ジルコニア原料粉末)
白色ジルコニア原料粉末としてBET比表面積が7m/gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末(東ソー社製)を用いた。白色ジルコニア原料粉末の焼結完了温度は1500℃であった。
(成形体の作製、焼成、及び部材加工)
プレス金型として凸型の三角模様を有する上パンチを使用したこと、及び、HIP処理において、カーボンペーパーを敷いたアルミナ容器に一次焼結体を配したこと以外は実施例12と同様な方法で本実施例のジルコニア複合焼結体を得た。本実施例のジルコニア複合焼結体における黒色ジルコニア焼結体の組成及び色調を表5に示し、白色ジルコニア焼結体の組成及び色調を表6に示した。
ジルコニア複合焼結体中の黒色ジルコニア焼結体における三価チタンのモル割合は38%であった。
ジルコニア複合焼結体の二軸曲げ強度は1450MPa、黒色ジルコニア焼結体の平均結晶粒径は1.0μm、及び、白色ジルコニア焼結体の平均結晶粒径は0.82μmであった。当該円板状ジルコニア焼結体は、黒色ジルコニア焼結体からなる表面を有し、なおかつ、当該表面上に、透光性を有するジルコニア焼結体からなる三角模様を有していた。両材料の界面には隙間がなく、目視での色滲みは観察されなかった。
実施例15
以下の方法により、本発明のジルコニア焼結体と白色ジルコニア焼結体とからなる円板状のジルコニア複合焼結体を製造した。
(黒色ジルコニア原料粉末)
実施例9と同様な方法で原料粉末を得、これを黒色ジルコニア原料粉末とした。
(白色ジルコニア原料粉末)
45.0gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、5.0gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合したこと以外は黒色ジルコニア原料粉末と同様な方法で白色ジルコニア原料粉末を得た。白色ジルコニア原料粉末の焼結完了温度は1500℃であった。
(成形体の作製、焼成、及び部材加工)
プレス金型として凸型の三角模様を有する上パンチを使用したこと、及び、HIP処理において、カーボンペーパーを敷いたアルミナ容器に一次焼結体を配したこと以外は実施例12と同様な方法で本実施例のジルコニア複合焼結体を得た。本実施例のジルコニア複合焼結体における黒色ジルコニア焼結体の組成及び色調を表5に示し、白色ジルコニア焼結体の組成及び色調を表6に示した。
ジルコニア複合焼結体中の黒色ジルコニア焼結体における三価チタンのモル割合は39%であった。
実施例16
以下の方法により、本発明のジルコニア焼結体と白色ジルコニア焼結体とからなる円板状のジルコニア複合焼結体を製造した。
(黒色ジルコニア原料粉末)
実施例5と同様な方法で原料粉末を得、これを黒色ジルコニア原料粉末とした。
(白色ジルコニア原料粉末)
40.0gの3mol%イットリア含有ジルコニア粉末、10.0gの酸化アルミニウム粉末及びエタノールを混合したこと以外は黒色ジルコニア原料粉末と同様な方法で白色ジルコニア原料粉末を得た。白色ジルコニア原料粉末の焼結完了温度は1500℃であった。
(成形体の作製、焼成、及び部材加工)
プレス金型として凸型の三角模様を有する上パンチを使用したこと、及び、HIP処理において、カーボンペーパーを敷いたアルミナ容器に一次焼結体を配したこと以外は実施例12と同様な方法で本実施例のジルコニア複合焼結体を得た。本実施例のジルコニア複合焼結体における黒色ジルコニア焼結体の組成及び色調を表5に示し、白色ジルコニア焼結体の組成及び色調を表6に示した。
ジルコニア複合焼結体中の黒色ジルコニア焼結体における三価チタンのモル割合は40%であった。
図2に得られた多色ジルコニア焼結体の写真を示す。当該円板状ジルコニア焼結体は、黒色ジルコニア焼結体からなる表面を有し、なおかつ、当該表面上に、白色ジルコニア焼結体からなる三角模様を有していた。両材料の界面には隙間がなく、目視での色滲みは観察されなかった。
Figure 0006657765
Figure 0006657765
表5及び6より、本発明のジルコニア焼結体は異なる焼結強度を示す着色ジルコニア焼結体と、隙間及び色滲みを有さないジルコニア複合焼結体が簡便に得られることが確認できた。
本発明のジルコニア焼結体は、時計部品、装飾物品、携帯機器部品、車載部品、高級日用部品等に広く利用することができる。特に、本発明のジルコニア焼結体及び本発明のジルコニア複合焼結体は、時計バンド、ベゼル、文字盤、時計ケースなどの時計部品、ブローチ、ネクタイピン、ハンドバッグ金具、腕輪などの装飾部品、携帯電子機器筐体、ライターケース、化粧品ケース、携帯電話ケース、イヤホンハウジングなどの外装部品、並びに、ナイフ、調理器具などの日用品をはじめ、各種製品のロゴマーク等にも利用することができる。
(1)・・・本発明のジルコニア焼結体の領域
(2)・・・カラー焼結体の領域
(3)・・・本発明のジルコニア焼結体とカラー焼結体との界面

Claims (3)

  1. アルミナを0.1重量%以上1.5重量%以下、イットリアを2.8mol%以上6mol%以下、及び、チタニアを2.5重量%以上5.5重量%以下含有し、該チタニアが三価チタンを含み、残部がジルコニアからなるジルコニア焼結体。
  2. アルミナを0.1重量%以上1.5重量%以下、イットリアを2.8mol%以上6mol%以下、及び、チタニアを2.5重量%以上5.5重量%以下含有し、残部がジルコニアからなる成形体を還元雰囲気で焼成する焼成工程を有する請求項1に記載のジルコニア焼結体の製造方法。
  3. Al、Pr、Nd、Eu、Tb、Ho、Er、Yb及びGdからなる群のいずれか1種以上の元素を含有するジルコニア焼結体又は安定化剤とジルコニアからなるジルコニア焼結体の少なくともいずれかと、請求項1に記載のジルコニア焼結体とからなるジルコニア複合焼結体。
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