JP3000685B2 - 透光性イットリア焼結体及びその製造方法 - Google Patents
透光性イットリア焼結体及びその製造方法Info
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- JP3000685B2 JP3000685B2 JP2416262A JP41626290A JP3000685B2 JP 3000685 B2 JP3000685 B2 JP 3000685B2 JP 2416262 A JP2416262 A JP 2416262A JP 41626290 A JP41626290 A JP 41626290A JP 3000685 B2 JP3000685 B2 JP 3000685B2
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- yttria sintered
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた透光性と機械的
強度とを兼ね備え、特に厚さ3mm以上で使用する耐久性
光学窓等の用途に好適な透光性イットリア焼結体、及び
その製造方法に関する。
強度とを兼ね備え、特に厚さ3mm以上で使用する耐久性
光学窓等の用途に好適な透光性イットリア焼結体、及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イットリア(Y2O3)は、2350℃以下におい
て結晶型が立方晶であるため結晶粒界での散乱が少な
く、高密度に焼結した場合非常に高い透光性を示すこと
が知られている。
て結晶型が立方晶であるため結晶粒界での散乱が少な
く、高密度に焼結した場合非常に高い透光性を示すこと
が知られている。
【0003】通常、イットリア焼結体の透光性は可視光
領域の波長0.3μm付近から急激に高くなり、赤外光領域
の波長2〜6μm付近で最高となる。従つて、イットリア
焼結体は光学窓のような透光性材料として有望視され、
従来から各種の方法によつて製造が試みられている。
領域の波長0.3μm付近から急激に高くなり、赤外光領域
の波長2〜6μm付近で最高となる。従つて、イットリア
焼結体は光学窓のような透光性材料として有望視され、
従来から各種の方法によつて製造が試みられている。
【0004】例えば、特開昭54−17911号公報に記載さ
れるように焼結助剤として酸化ランタン(La2O3)を添加
して低O2雰囲気中で焼結する方法や、特開昭54−17910
号公報に記載されるように焼結助剤としてアルミナ(Al2
O3)を添加して低O2雰囲気中で焼結する方法がある。し
かし、これらの焼結助剤を用いる焼結方法においては、
緻密化が容易で機械的強度が向上するものの、添加され
る焼結助剤が8〜12モル%と非常に多いため、焼結体中
に残留した焼結助剤が部分的に第2相として出現し易い
欠点があつた。その結果、この組織的不均一性により光
が散乱されて透過率が低くなるほか、直径50mm以上のよ
うな大型材について光学的に均一な材料を得ることが困
難であつた。更に、La2O3等を添加すると熱伝導率が7W
/m・K程度に低下するので、耐熱衝撃性も低下する欠点
があつた。
れるように焼結助剤として酸化ランタン(La2O3)を添加
して低O2雰囲気中で焼結する方法や、特開昭54−17910
号公報に記載されるように焼結助剤としてアルミナ(Al2
O3)を添加して低O2雰囲気中で焼結する方法がある。し
かし、これらの焼結助剤を用いる焼結方法においては、
緻密化が容易で機械的強度が向上するものの、添加され
る焼結助剤が8〜12モル%と非常に多いため、焼結体中
に残留した焼結助剤が部分的に第2相として出現し易い
欠点があつた。その結果、この組織的不均一性により光
が散乱されて透過率が低くなるほか、直径50mm以上のよ
うな大型材について光学的に均一な材料を得ることが困
難であつた。更に、La2O3等を添加すると熱伝導率が7W
/m・K程度に低下するので、耐熱衝撃性も低下する欠点
があつた。
【0005】又、米国特許第3,878,280号には、Y2O3粉
末を真空中でホットプレスする方法が開示されている。
しかし、この方法ではグラファイト型の強度上の制約か
らホットプレス時に500Kg/cm2以上の高圧をかけること
が難しく、そのため充分な緻密化が進行せず、透過率が
低いという欠点があつた。
末を真空中でホットプレスする方法が開示されている。
しかし、この方法ではグラファイト型の強度上の制約か
らホットプレス時に500Kg/cm2以上の高圧をかけること
が難しく、そのため充分な緻密化が進行せず、透過率が
低いという欠点があつた。
【0006】更に又、特開昭63−201061号公報に示され
るように、Y2O3粉末を1700〜1900℃で無加圧焼結して閉
気孔とした後、圧力25000〜30000psi及び温度1700〜190
0℃でHIP処理する方法も知られている。しかし、こ
の方法では焼結温度及びHIP温度が共に1700℃以上と
高温のため、Y2O3焼結体の平均結晶粒径が150μm程度と
粗大になり、従って曲げ強度も110MPa程度に留まり、充
分な耐熱衝撃性が得られない欠点があつた。
るように、Y2O3粉末を1700〜1900℃で無加圧焼結して閉
気孔とした後、圧力25000〜30000psi及び温度1700〜190
0℃でHIP処理する方法も知られている。しかし、こ
の方法では焼結温度及びHIP温度が共に1700℃以上と
高温のため、Y2O3焼結体の平均結晶粒径が150μm程度と
粗大になり、従って曲げ強度も110MPa程度に留まり、充
分な耐熱衝撃性が得られない欠点があつた。
【0007】従つて、これら従来の方法で製造された透
光性Y2O3焼結体は、試料厚さ2.5mmで波長2〜6μmの赤外
光領域における直線透過率が最高80%程度であり、又直
線透過率の高いものほど曲げ強度が低くなつていた。こ
のため、厚さ3mm以上で使用される赤外透過窓等の材料
として用いるためには、直線透過率と曲げ強度を同時に
向上させる必要があつた。
光性Y2O3焼結体は、試料厚さ2.5mmで波長2〜6μmの赤外
光領域における直線透過率が最高80%程度であり、又直
線透過率の高いものほど曲げ強度が低くなつていた。こ
のため、厚さ3mm以上で使用される赤外透過窓等の材料
として用いるためには、直線透過率と曲げ強度を同時に
向上させる必要があつた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来の
事情に鑑み、高密度で透光性に優れ、光学的に均一であ
り、特に機械的強度に優れた透光性イットリア焼結体、
及びその製造方法を提供することを目的とする。
事情に鑑み、高密度で透光性に優れ、光学的に均一であ
り、特に機械的強度に優れた透光性イットリア焼結体、
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の透光性イットリア焼結体においては、酸化
物に換算して0.1〜5.0重量%のランタノイド元素を含有
する多結晶イツトリア焼結体からなり、試料厚さ3mmで
の直線透過率が波長2〜6μmの赤外光領域で78%以上で
あり、平均結晶粒径が20μm以下であつて、4点曲げ強
度が 170MPa以上であることを特徴とする。
め、本発明の透光性イットリア焼結体においては、酸化
物に換算して0.1〜5.0重量%のランタノイド元素を含有
する多結晶イツトリア焼結体からなり、試料厚さ3mmで
の直線透過率が波長2〜6μmの赤外光領域で78%以上で
あり、平均結晶粒径が20μm以下であつて、4点曲げ強
度が 170MPa以上であることを特徴とする。
【0010】又、本発明の透光性イットリア焼結体の製
造方法は、純度99.9%以上及び比表面積(BET値)2m2/
g以上のイットリア粉末に、焼結助剤としてランタノイ
ド酸化物の粉末或は加熱によりランタノイド酸化物とな
る無機塩又はアルコキシドを当該ランタノイド酸化物に
換算して0.1〜5.0重量%添加し、その混合粉末を1300〜
1700℃の温度及び100Kg/cm2以上の圧力で真空中又は不
活性ガス中にてホットプレスして理論密度比95%以上に
緻密化し、次に1400〜1900℃の温度及び500Kg/cm2以上
の圧力にてHIP処理することを特徴とする。
造方法は、純度99.9%以上及び比表面積(BET値)2m2/
g以上のイットリア粉末に、焼結助剤としてランタノイ
ド酸化物の粉末或は加熱によりランタノイド酸化物とな
る無機塩又はアルコキシドを当該ランタノイド酸化物に
換算して0.1〜5.0重量%添加し、その混合粉末を1300〜
1700℃の温度及び100Kg/cm2以上の圧力で真空中又は不
活性ガス中にてホットプレスして理論密度比95%以上に
緻密化し、次に1400〜1900℃の温度及び500Kg/cm2以上
の圧力にてHIP処理することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明では、焼結助剤として上記ランタノイド
酸化物等を所定量添加し、真空中又は不活性ガス中での
ホットプレス及びその後のHIP(熱間等方圧プレス)
によつて、高密度で直線透過率が高く、光学的に均一で
あつて、特に機械的強度が高いY2O3焼結体を得ることが
出来る。
酸化物等を所定量添加し、真空中又は不活性ガス中での
ホットプレス及びその後のHIP(熱間等方圧プレス)
によつて、高密度で直線透過率が高く、光学的に均一で
あつて、特に機械的強度が高いY2O3焼結体を得ることが
出来る。
【0012】原料であるY2O3粉末は、不純物吸収による
透光性の低下を防ぐために99.9%以上の純度のものを使
用し、特にFe等の遷移金属元素の含有は好ましくない。
又、Y2O3粉末は一次粒子の粒径が約0.6μm以下、即ち表
面積がBET値で2m2/g以上であることが必要である。BET
値が2m2/g未満の場合には、焼結体の平均結晶粒径が20
μmを越えて機械的強度が低下するうえ、ホットプレス
中に密度が上り難くHIPによる緻密化が不充分となつ
て透過率が低下する。
透光性の低下を防ぐために99.9%以上の純度のものを使
用し、特にFe等の遷移金属元素の含有は好ましくない。
又、Y2O3粉末は一次粒子の粒径が約0.6μm以下、即ち表
面積がBET値で2m2/g以上であることが必要である。BET
値が2m2/g未満の場合には、焼結体の平均結晶粒径が20
μmを越えて機械的強度が低下するうえ、ホットプレス
中に密度が上り難くHIPによる緻密化が不充分となつ
て透過率が低下する。
【0013】焼結助剤として添加するランタノイド酸化
物においても、不純物吸収による透光性の低下を防ぐた
めに99.9%以上の純度のものが好ましく、又第2相の出
現による透光性の低下を防ぐために焼結助剤の分散性を
良くすることが肝要である。分散性を高めるためには、
分散剤としてBET値が2m2/g以上のランタノイド酸化物
の微粉末を用いるか、ランタノイド酸化物の粉末とマト
リックスとなるY2O3粉末を仮焼して予備焼結反応させた
粉末を使用するか、或は最も好ましい方法として水やア
ルコールに可溶で、非常に分散性が良く、加熱により容
易にランタノイド酸化物に変わる無機塩又はアルコキシ
ドを使用する。尚、ランタノイド元素としては、Yに対
し共有結合半径が同等以上であるLa、Ce、Pr、Nd、Sm、
Eu又はGdが好ましい。
物においても、不純物吸収による透光性の低下を防ぐた
めに99.9%以上の純度のものが好ましく、又第2相の出
現による透光性の低下を防ぐために焼結助剤の分散性を
良くすることが肝要である。分散性を高めるためには、
分散剤としてBET値が2m2/g以上のランタノイド酸化物
の微粉末を用いるか、ランタノイド酸化物の粉末とマト
リックスとなるY2O3粉末を仮焼して予備焼結反応させた
粉末を使用するか、或は最も好ましい方法として水やア
ルコールに可溶で、非常に分散性が良く、加熱により容
易にランタノイド酸化物に変わる無機塩又はアルコキシ
ドを使用する。尚、ランタノイド元素としては、Yに対
し共有結合半径が同等以上であるLa、Ce、Pr、Nd、Sm、
Eu又はGdが好ましい。
【0014】焼結助剤の添加量は0.1〜5.0重量%が好ま
しい。添加量が0.1重量%未満では焼結体の緻密化が充
分進行せず、又5.0重量%を越えるとランタノイド酸化
物が第2相として結晶粒界に残留しやすくなり、光学的
に均一な焼結体を得ることが難くなり、強いては透過率
の低下を招くからである。
しい。添加量が0.1重量%未満では焼結体の緻密化が充
分進行せず、又5.0重量%を越えるとランタノイド酸化
物が第2相として結晶粒界に残留しやすくなり、光学的
に均一な焼結体を得ることが難くなり、強いては透過率
の低下を招くからである。
【0015】上記のごとく焼結助剤を添加したY2O3粉末
は次にホットプレスされるが、その前に成形しても良
い。成形は圧力1.0ton/cm2以上でのCIP成形が好ま
しい。CIP成形では通常の金型プレスのようにバイン
ダーを添加する必要がなく、透光性に悪影響を与えるカ
ーボン等が残留する恐れが少ないからである。
は次にホットプレスされるが、その前に成形しても良
い。成形は圧力1.0ton/cm2以上でのCIP成形が好ま
しい。CIP成形では通常の金型プレスのようにバイン
ダーを添加する必要がなく、透光性に悪影響を与えるカ
ーボン等が残留する恐れが少ないからである。
【0016】ホットプレス時において焼結温度を1300〜
1700℃とするのは、1300℃未満では理論密度比95%以上
の高密度な焼結体を得ることが難しく、逆に1700℃を超
えると真空中ではY2O3中の酸素イオンが表面から抜けて
組成比にずれを起し、光学的に均一な焼結体を得ること
が難しくなるからである。又、ホットプレスの圧力が10
0Kg/cm2未満ではやはり理論密度比95%以上の高密度な
焼結体を得ることが難しい。尚、ホットプレス圧力の上
限はプレス型の材料によつて決まり、通常のグラファイ
ト型では500Kg/cm2程度である。ホットプレスで得られ
る焼結体の理論密度比は95%以上とすることが必要で、
95%未満の場合には残留気孔の多くがいわゆる解放気孔
となり、後のHIP処理で高圧ガスがこの気孔を通つて
内部に侵入し、HIP処理での高密度化が充分に進行し
ない結果となる。
1700℃とするのは、1300℃未満では理論密度比95%以上
の高密度な焼結体を得ることが難しく、逆に1700℃を超
えると真空中ではY2O3中の酸素イオンが表面から抜けて
組成比にずれを起し、光学的に均一な焼結体を得ること
が難しくなるからである。又、ホットプレスの圧力が10
0Kg/cm2未満ではやはり理論密度比95%以上の高密度な
焼結体を得ることが難しい。尚、ホットプレス圧力の上
限はプレス型の材料によつて決まり、通常のグラファイ
ト型では500Kg/cm2程度である。ホットプレスで得られ
る焼結体の理論密度比は95%以上とすることが必要で、
95%未満の場合には残留気孔の多くがいわゆる解放気孔
となり、後のHIP処理で高圧ガスがこの気孔を通つて
内部に侵入し、HIP処理での高密度化が充分に進行し
ない結果となる。
【0017】次のHIP処理において、温度を1400〜19
00℃(好ましくは1500〜1700℃)とするのは、1400℃未
満では気孔の除去作用が不充分となり満足すべき透光性
が得られず、1900℃を超えると粒成長が著しく粗大とな
るため、充分な機械的強度が得られないからである。
又、HIP圧力が500Kg/cm2未満でも気孔の除去が不充
分となり満足すべき透光性が得られない。尚、圧力の上
限はHIP装置の能力的な制限から通常は2000Kg/cm2
程度である。HIP処理で用いるガスは、Ar等の不活性
ガス、酸素ガス、若しくはこれらの混合ガスが好まし
く、特に酸素ガスを混合することによつて焼結体からの
脱酸素による透光性の低下を防止できる利点がある。
00℃(好ましくは1500〜1700℃)とするのは、1400℃未
満では気孔の除去作用が不充分となり満足すべき透光性
が得られず、1900℃を超えると粒成長が著しく粗大とな
るため、充分な機械的強度が得られないからである。
又、HIP圧力が500Kg/cm2未満でも気孔の除去が不充
分となり満足すべき透光性が得られない。尚、圧力の上
限はHIP装置の能力的な制限から通常は2000Kg/cm2
程度である。HIP処理で用いるガスは、Ar等の不活性
ガス、酸素ガス、若しくはこれらの混合ガスが好まし
く、特に酸素ガスを混合することによつて焼結体からの
脱酸素による透光性の低下を防止できる利点がある。
【0018】上記のごとく本発明では、ホットプレス温
度が1300〜1700℃及びHIP温度が1400〜1900℃と従来
方法に比べて明らかに低温でのプロセスが可能となるの
で、結晶粒成長が抑制され高強度な焼結体が得られる。
又、ランタノイド酸化物を焼結助剤として用いることに
より、助剤無添加の場合に生じる局所的な異常粒成長が
抑制される結果、更に機械的強度の向上が得られた。即
ち、得られるY2O3焼結体は、平均結晶粒径が従来より微
細な20μm以下(通常2〜20μm)となるため、4点曲げ
強度も170MPa以上であり、平均結晶粒径2μmのもので約
210MPaと従来にない高強度を達成できる。
度が1300〜1700℃及びHIP温度が1400〜1900℃と従来
方法に比べて明らかに低温でのプロセスが可能となるの
で、結晶粒成長が抑制され高強度な焼結体が得られる。
又、ランタノイド酸化物を焼結助剤として用いることに
より、助剤無添加の場合に生じる局所的な異常粒成長が
抑制される結果、更に機械的強度の向上が得られた。即
ち、得られるY2O3焼結体は、平均結晶粒径が従来より微
細な20μm以下(通常2〜20μm)となるため、4点曲げ
強度も170MPa以上であり、平均結晶粒径2μmのもので約
210MPaと従来にない高強度を達成できる。
【0019】加えて、焼結助剤を添加した場合における
耐熱衝撃性の低下の問題も、添加量が従来より遥かに少
ない0.1〜5.0重量%の範囲に抑えてあるので、耐熱性赤
外光学材料として使用する範囲においては何ら問題がな
い。
耐熱衝撃性の低下の問題も、添加量が従来より遥かに少
ない0.1〜5.0重量%の範囲に抑えてあるので、耐熱性赤
外光学材料として使用する範囲においては何ら問題がな
い。
【0020】
【実施例1】純度99.9%、比表面積3.5m2/g(BET値)
の高純度Y2O3粉末にLa2O3粉末を0.5重量%添加し、エタ
ノール中でイットリアボールミルを用いてボールミル混
合した。得られた混合粉末を内径110mmのグラファイト
型を用いて5×10-4torrの真空中において温度1400℃及
び圧力300Kg/cm2で3時間ホットプレスして、理論密度
比98.0%の白色の焼結体を得た。次にこの焼結体をHI
P装置に入れ、Arガスを用いて温度1600℃及び圧力2000
Kg/cm2で2時間のHIP処理を行なつた。得られたY2O3
焼結体は外観的に無色透明であつた。
の高純度Y2O3粉末にLa2O3粉末を0.5重量%添加し、エタ
ノール中でイットリアボールミルを用いてボールミル混
合した。得られた混合粉末を内径110mmのグラファイト
型を用いて5×10-4torrの真空中において温度1400℃及
び圧力300Kg/cm2で3時間ホットプレスして、理論密度
比98.0%の白色の焼結体を得た。次にこの焼結体をHI
P装置に入れ、Arガスを用いて温度1600℃及び圧力2000
Kg/cm2で2時間のHIP処理を行なつた。得られたY2O3
焼結体は外観的に無色透明であつた。
【0021】得られたY2O3焼結体を厚さ3mmに鏡面研磨
加工し、分光光度計で直線透過率を測定したところ、波
長2〜6μmの赤外光領域で82%以上の透光性を示した。
この焼結体の平均結晶粒径は5μmであり、JIS R1601に
基づき4点曲げ強度を測定したところ200MPaと優れた値
を示した。
加工し、分光光度計で直線透過率を測定したところ、波
長2〜6μmの赤外光領域で82%以上の透光性を示した。
この焼結体の平均結晶粒径は5μmであり、JIS R1601に
基づき4点曲げ強度を測定したところ200MPaと優れた値
を示した。
【0022】
【実施例2】実施例1と同じ高純度Y2O3粉末に、硝酸ラ
ンタンLa(NO3)3をLa2O3に換算して0.5重量%添加し、エ
タノール中で超音波混合した後、得られた粉末を大気中
にて600℃で仮焼した。その後、この粉末を実施例1と
同様にホットプレス並びにHIP処理し、外観的に無色
透明なY2O3焼結体を得た。
ンタンLa(NO3)3をLa2O3に換算して0.5重量%添加し、エ
タノール中で超音波混合した後、得られた粉末を大気中
にて600℃で仮焼した。その後、この粉末を実施例1と
同様にホットプレス並びにHIP処理し、外観的に無色
透明なY2O3焼結体を得た。
【0023】得られたY2O3焼結体を厚さ3mmに鏡面研磨
加工し、分光光度計で測定した直線透過率は波長2〜6μ
mの赤外光領域で82%以上であつた。この焼結体の平均
結晶粒径は2μmで、JIS R1601に基く4点曲げ強度は210
MPaであつた。
加工し、分光光度計で測定した直線透過率は波長2〜6μ
mの赤外光領域で82%以上であつた。この焼結体の平均
結晶粒径は2μmで、JIS R1601に基く4点曲げ強度は210
MPaであつた。
【0024】
【実施例3】下記表1に示す焼結助剤を用い、HIP処
理の温度と時間を変化させた以外は実施例1と同様にし
てY2O3焼結体を製造した。得られた各Y2O3焼結体につい
て実施例1と同様に測定した直線透過率及び4点曲げ強
度を表1に併せて示した。
理の温度と時間を変化させた以外は実施例1と同様にし
てY2O3焼結体を製造した。得られた各Y2O3焼結体につい
て実施例1と同様に測定した直線透過率及び4点曲げ強
度を表1に併せて示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、高密度であり赤外光領
域において非常に優れた直線透過率を有し、光学的に均
一で、且つ結晶粒成長を最小限に抑えることが出来るの
で特に機械的強度に優れた透光性イットリア焼結体を提
供出来る。この透光性イットリア焼結体は耐久性光学窓
材として、特に悪条件下で使用される厚さ3mm以上の赤
外透過窓材として有用である。
域において非常に優れた直線透過率を有し、光学的に均
一で、且つ結晶粒成長を最小限に抑えることが出来るの
で特に機械的強度に優れた透光性イットリア焼結体を提
供出来る。この透光性イットリア焼結体は耐久性光学窓
材として、特に悪条件下で使用される厚さ3mm以上の赤
外透過窓材として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 酸化物に換算して0.1〜5.0重量%のラン
タノイド元素を含有する多結晶イットリア焼結体からな
り、試料厚さ3mmでの直線透過率が波長2〜6μmの赤外光
領域で78%以上であり、平均結晶粒径が20μm以下であ
つて、4点曲げ強度が170MPa以上であることを特徴とす
る透光性イットリア焼結体。 - 【請求項2】 純度99.9%以上及び比表面積(BET値)2
m2/g以上のイットリア粉末に、焼結助剤としてランタ
ノイド酸化物の粉末或は加熱によりランタノイド酸化物
となる無機塩又はアルコキシドを当該ランタノイド酸化
物に換算して0.1〜5.0重量%添加し、その混合粉末を13
00〜1700℃の温度及び100Kg/cm2以上の圧力で真空中又
は不活性ガス中にてホットプレスして理論密度比95%以
上に緻密化し、次に1400〜1900℃の温度及び500Kg/cm2
以上の圧力にてHIP処理することを特徴とする透光性
イットリア焼結体の製造方法。 - 【請求項3】 上記HIP処理は不活性ガス又は酸素ガ
ス、若しくはこれらの混合ガスを用いることを特徴とす
る、請求項1記載の透光性イットリア焼結体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2416262A JP3000685B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 透光性イットリア焼結体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2416262A JP3000685B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 透光性イットリア焼結体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04238864A JPH04238864A (ja) | 1992-08-26 |
JP3000685B2 true JP3000685B2 (ja) | 2000-01-17 |
Family
ID=18524493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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