JP5117892B2 - 酸化イットリウム材料及び半導体製造装置用部材 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化イットリウム材料及び半導体製造装置用部材に関する。
従来、酸化イットリウム材料としては、半導体製造装置用のセラミック部材として、酸化イットリウムに0.03〜5μmの炭化珪素を2〜30重量%添加することにより、導電性を高め、ハロゲン系プラズマガスに対する耐食性を維持したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−69843号公報
このように、この特許文献1に記載された酸化イットリウム材料では、特定の範囲内の炭化珪素を添加することにより、導電性を付与すると共に、半導体製造時の耐食性、特にイオン反応性エッチングに対する耐食性を維持しているが、その他の特性、例えば、加工性や物理的な接触に対する耐摩耗性については検討されていなかった。酸化イットリウムは、化学的な耐腐食性は非常に優れているが、機械的特性に劣ることがあるため、例えば、加工時の破損や、他の部材やシリコンウエハと接触する部材に用いられる場合などには磨耗によるパーティクルの発生などが問題となっていた。そのため、酸化イットリウムを用いた材料について、加工性を高めると共に、耐摩耗性を高めることが望まれていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、加工性を高めると共に、耐摩耗性を高めることができる酸化イットリウム材料及び半導体製造装置用部材を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、破壊靱性とビッカース硬度とを好適なものとすると、加工性を高めると共に、耐摩耗性を高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の酸化イットリウム材料は、破壊靱性をKIC(MPa・m1/2)、加重9.8Nにおけるビッカース硬度をHv(GPa)とすると、ビッカース硬度Hvが10GPa以上であり、KIC/Hvが0.15以上であるものである。
また、本発明の半導体製造装置用部材は、上述の酸化イットリウム材料により構成されているものである。
この酸化イットリウム材料及び半導体製造装置用部材では、加工性を高めると共に、耐摩耗性を高めることができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。例えば、酸化イットリウムは、他の部材やシリコンウエハと接触する部材に用いられる場合には磨耗によりパーティクルが発生することがあるが、この理由は、酸化イットリウムの硬度が弱い点が挙げられる。そこで、硬度を高めることが考えられるが、硬度を高めただけでは、より大きな力を加工時に作用させなければならなくなり、加工性の低下や、加工時の破損の発生なども問題となる。そこで、破壊靱性KIC及びビッカース硬度Hvを上述した範囲にすると、加工時に必要な力や、その力に耐える靱性などが好適となり、より加工性に優れ、且つ耐摩耗性を高めることができるものと推測される。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である静電チャック20の構成の概略を示す構成図であり、図1(a)が平面図、図1(b)が図1(a)のA−A断面図である。本実施形態の静電チャック20は、シリコンウエハを載置すると共にこれを吸着して保持する半導体製造装置用部材として構成されており、図1に示すように、下段よりも上段の外周が小さい円板状に形成された基体22と、基体22内部に形成され静電吸着力を発生させる静電電極24と、基体22の中心から下方に貫通した孔部26を介して静電電極24へ接続した端子28とを備えている。
この静電チャック20の基体22は、酸化イットリウム(Y23)を母材として含む酸化イットリウム材料により構成されている。ここでは、基体22の酸化イットリウム材料は、破壊靱性をKIC(MPa・m1/2)、加重9.8Nにおけるビッカース硬度をHv(GPa)とすると、ビッカース硬度Hvが10GPa以上であり、KIC/Hvが0.15以上であるものである。図2は、ビッカース硬度Hvと破壊靱性KICとの好適範囲の説明図である。以下、説明の便宜のため、ビッカース硬度Hvが10GPa以上であり、KIC/Hvが0.15以上である範囲を「好適範囲」と称して説明する。破壊靱性KICは、1.5MPa・m1/2以上であると、半導体製造装置に用いる部材として好適である。この破壊靱性KICは、高ければ高いほど好ましいが、破壊靱性を向上させるために多量の添加剤を添加するとハロゲン系プラズマガスに対する耐食性を低下させることがあるため、3.0MPa・m1/2以下とすることが好ましい。また、ビッカース硬度Hvは、10GPa以上であると、半導体製造装置に用いる部材として好適である。このビッカース硬度Hvは、試料の加工性および加工に使用する工具のコストを考慮すると、15GPa以下であることが好ましい。この破壊靱性KICは、JIS−R1607に従ってIF法(加重9.8N)により求めるものとする。また、ビッカース硬度は、JIS−R1610に従って加重9.8NでのHv値(GPa)として求めるものとする。
この酸化イットリウム材料は、母材であるY23を第1相とすると、第1相と異なる第2相が5体積%以上20体積%以下で含有していることが好ましい。第2相を上記範囲で含有していると、酸化イットリウム材料を好適範囲としやすい。ここで、第2相とは、第1相とは異なる結晶構造又は組成のものをいう。この第2相を構成する化合物としては、第1相に固溶せずに添加したままの化合物の構造および組成の状態で酸化イットリウム材料に含まれているものであってもよいし、Y23の固溶限以上含まれることにより一部は第1相に固溶し且つ残りは添加したままの構造および組成の状態で酸化イットリウム材料に含まれているものであってもよいし、添加した化合物と母材であるY23が反応して生成した化合物でもよい。この第2相は、酸化イットリウム材料の断面を電子顕微鏡(SEM)により観察することによりその存在を確認することができる。この第2相の量(体積%)は、SEMを用いて2000〜10000倍で2次電子像を観察し、観察した範囲について画像処理により第2相の面積を求め、第1相及び第2相の全体の面積に対する第2相の面積の割合を第2相の量(体積%)として求めるものとする。
この第2相は、加重9.8Nにおけるビッカース硬度Hvが12GPa以上を示す化合物であるものとすることができる。ビッカース硬度Hvが12GPa以上である化合物としては、例えば、窒化物及び炭化物などが挙げられる。この化合物は、例えば、AlN、ZrN、TiN、ZrC、TiCから選ばれる1つ以上などが挙げられ、このうち、AlNやZrNなどが好ましい。あるいは、第2相は、Y23に対して5mol%以上に固溶限が存在する酸化物又は該酸化物と酸化イットリウムとの化合物であるものとすることができる。Y23に対して5mol%以上に固溶限が存在するものとしては、希土類酸化物やハフニウム酸化物(HfO2)などが挙げられ、このうち希土類酸化物がより好ましい。希土類酸化物としては、スカンジウム酸化物、ランタン酸化物、セリウム酸化物、プラセオジム酸化物、ネオジム酸化物、プロメチウム酸化物、サマリウム酸化物、ユーロピウム酸化物、ガドリニウム酸化物、テルビウム酸化物、ジスプロシウム酸化物、ホルミウム酸化物、エルビウム酸化物、ツリウム酸化物、イッテルビウム酸化物およびルテチウム酸化物などが挙げられ、このうちランタン酸化物(La23)などが好適である。なお、La23のY23のへの固溶限は、14mol%である。
酸化イットリウム材料は、母材であるY23の粒径が2μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましい。このY23の粒径は、SEMを用いて2000〜10000倍で2次電子像を観察し、各酸化イットリウム材料中におけるY23粒子の短径のサイズを計測し、平均値を求めてこれを平均粒径とするものとする。また、酸化イットリウム材料は、気孔率が0.5%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。気孔率が0.5%以下であれば、機械的強度をより高めることができる。気孔率は、JIS−R1634に従い純水を媒体に用いアルキメデス法により求めるものとする。
次に、この静電チャック20の製造方法の一例について説明する。静電チャック20の製造方法は、(1)原料調製工程と、(2)成形焼成工程と、を含むものとしてもよい。
(1)原料調製工程
原料調製工程では、Y23と、第2相となる化合物とを混合し、溶媒へ入れ、原料粉体を調製する。第2相となる化合物の配合量は、焼成後に第2相として5体積%以上20体積%以下で含有するように定めることが好ましい。第2相となる化合物は、加重9.8Nにおけるビッカース硬度Hvが12GPa以上を示す化合物となるもの、例えば窒化物及び炭化物などや、Y23に対して5mol%以上に固溶限が存在する酸化物となるもの又は該酸化物と酸化イットリウムとの化合物となるもの、例えば希土類化合物やハムニウム化合物などを用いることができる。このうち、前者としてAlN,ZrN,後者としてLa23を用いるのがより好ましい。Y23と、第2相となる化合物とを溶媒と混合し、例えばボールミルなどで混合してもよい。このとき、適宜溶媒を加えてスラリー状として混合してもよい。溶媒としては、有機溶媒が好ましく、例えばイソプロピルアルコールなどのアルコール類を用いることができる。スラリーで混合したあと、不活性雰囲気下で乾燥してもよい。乾燥後の粉体を適宜篩などにかけ、原料粉体を得る。
(2)成形焼成工程
この工程は、原料粉体を所定の形状に成形し、焼成する工程である。成形焼成工程では、成形型を用いる金型成型法やCIP法、スリップキャスト法などにより成形体に成形し常圧で焼成する常圧焼結法により行うこともできるし、所定形状となるようにプレス圧をかけながら焼成するホットプレス焼成を行うものとしてもよいが、後者がより好ましい。ホットプレス焼成では、不活性雰囲気中で焼成することが好ましい。不活性雰囲気としては、例えば窒素ガスやアルゴンガスなどが好ましい。ホットプレス焼成は、成型する成形体のサイズなどに合わせて適宜プレス圧を設定することが好ましく、例えば、50kg/cm2以上200kg/cm2の範囲で行うことができる。焼成温度は、1300℃以上1900℃以下とすることが好ましく、1500℃以上1850℃以下とすることがより好ましく、1600℃以上1800℃以下とすることが一層好ましい。1500℃以上では、密度をより高めることができ、1850℃以下では、焼成体の構成粒子の大きさを微細化して、機械的強度を向上できると共に、焼成により消費されるエネルギーをより低減することができる。静電チャック20を成形焼成する場合は、基体22と静電電極24とを一体として成形・焼成してもよいし、基体22と静電電極24とを別体で成型・焼成してもよい。例えば、図1に示す孔部26を有する基体22の下段部分を成形し、続いて静電電極24を形成し、基体22の上段部分を成形し焼成してもよい。静電電極24は、電極となる成分を含むペースト(例えばPtやAuなど)を別途作製しておき、これを用いて形成するものとする。この静電電極24のペーストは、基体22の熱膨張率が同等となるようにセラミックスの粉体を調合することが好ましい。なお、静電電極24を有しない酸化イットリウム材料のみの成形体を成形するものとしてもよい。この成形焼成工程により、酸化イットリウム材料を好適範囲(図2)とすることができる。このとき、原料粉体として含まれるY23に第2相が5体積%以上20体積%以下で分散すると、より好適範囲に入りやすい。このように、酸化イットリウム材料により構成された静電チャック20を作製することができる。
以上詳述した本実施形態の静電チャック20によれば、破壊靱性をKIC(MPa・m1/2)、加重9.8Nにおけるビッカース硬度をHv(GPa)とすると、ビッカース硬度Hvが10GPa以上であり、KIC/Hvが0.15以上である好適範囲にある酸化イットリウム材料により構成されるため、加工性を高めると共に、耐摩耗性を高めることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、酸化イットリウム材料を用いた部材を静電チャックとして説明したが、半導体製造用の他の部材、例えば、この静電チャックを収容するドーム形状のチャンバー部材、ヒータを備えたサセプター、静電チャックの外周に配置されるダミー用のフォーカスリング、シリコンウエハを固定するクランプリング、シリコンウエハを加熱するヒータなどとしてもよいし、半導体製造用に限られず、酸化イットリウムの耐腐食性などを利用した部材など、どのような分野に用いてもよい。
上述した実施形態では、第1相に分散した第2相を含むものとしたが、特にこれに限定されず、第2相を含まないものであっても図2に示す好適範囲に入るものとすれば、加工性を高めると共に、耐摩耗性を高めることができる。
以下には、酸化イットリウム材料を具体的に製造した例を実験例として説明する。
[実験例1]
原料粉末として、酸化イットリウム(Y23,信越化学工業(株)製,UUHPグレード),窒化アルミニウム(AlN)を窒化アルミニウムが5体積%となるように調合した後、調合した粉体をIPA(イソプロピルアルコール)溶媒へ入れ、ZrO2玉石を利用したボールミルにより24時間湿式混合してスラリーを調製した。次に、スラリーを篩に通した後、110℃の窒素雰囲気で16時間乾燥させることにより原料粉体を得た。次に、粉体を篩に通した後、200kg/cm2のプレス圧により80gの粉体を直径50mmの円盤状に成形した。この成形体を1700℃のアルゴンガス雰囲気下で200kg/cm2のプレス圧で2時間ホットプレス焼成することにより、実験例1の酸化イットリウム材料を得た。
[実験例2,9,10]
AlNを20体積%、3体積%、25体積%とした以外は実験例1と同様の工程を経て得られたものをそれぞれ実験例2、9、10とした。
[実験例3,4,11]
原料粉末として、Y23に対して、窒化ジルコニウム(ZrN)をZrNが5体積%、10体積%、25体積%となるように調合した以外は実験例1と同様の工程を経て、得られたものをそれぞれ実験例3、4、11とした。
[実験例5,6,12]
原料粉末として、Y23に対して、酸化ランタン(La23)をLa23が17mol%(18.6体積%)、20.5mol%(22.3体積%)、10mol%(11体積%)となるように調合した以外は実験例1と同様の工程を経て、得られたものをそれぞれ実験例5、6、12とした。
[実験例7,8]
23を100体積%とし、焼成温度を1600℃、1400℃とした以外は、実験例1と同様の工程を経て得られたものをそれぞれ実験例7、8とした。
[酸化イットリウムの粒径測定、第2相測定]
実験例1〜12をSEM(フィリップス社製XL30)を用いて2000〜10000倍で2次電子像を観察し、各酸化イットリウム材料中におけるY23粒子の平均粒径を測定した。但し、粒径0.5μm未満のY23粒子は明確に計測できなかったため、粒径0.5μm以上の粒子のみの短径のサイズを測定し、平均値を求めてこれを平均粒径とした。また、Y23粒子中に分散した第2相の量を測定した。実験例1〜12をSEM(フィリップス社製XL30)を用いて2000〜10000倍で2次電子像を観察し、観察した範囲について画像処理により第2相の面積を求め、全体の面積に対する第2相の面積の割合を体積率であるものとみなして、第2相の量(体積%)を求めた。
[破壊靱性測定]
実験例1〜12について、破壊靱性測定を行った。破壊靱性測定は、JIS−R1607に従い、強度試験器(アカシ社製AVK)を用い、IF法(加重9.8N)により評価した。
[硬度]
実験例1〜12について、ビッカース硬度測定を行った。測定は、JIS−R1610に従って加重9.8Nで評価した。
[気孔率測定]
気孔率は、JIS−R1634に従い、純水を媒体に用い、アルキメデス法により評価した。なお、密度は、嵩密度として求めた。
[加工性]
実験例1〜12について、各試料に直径4mmのドリルを使用して穴加工を行い、その穴の周辺のチッピングの大きさを測定し、このチッピングの大きさが0.5mm未満のものを良品(○)、0.5mm以上のものを不良品(×)として加工性を評価した。
[耐摩耗性]
実験例1〜12について耐摩耗性の評価を行った。まず、研磨により、表面粗さRaを0.1μm以下に研磨した面に、Si製のピンを用いたピンオンディスクを行い、試験後の試料面をSEM観察して、Y23の脱離粒子およびマイクロクラックの数を測定し、1000個/mm2未満のものを良品(○)、1000個/mm2以上のものを不良品(×)として耐摩耗性を評価した。試験条件は、大気中、室温(20℃)、摺動回数1回、摺動速度0.4mm/s、加重80g、シリコンピンの直径6mmとした。
[測定結果]
各実験例の測定結果を表1に示す。また、図3は、実験例1〜12の第2相の分散量に対する破壊靱性KIC及びビッカース硬度Hvの関係を表す測定結果であり、図4は、実験例1〜12のビッカース硬度Hvに対する破壊靱性KICのプロット図である。なお、図3では、破壊靱性KICのシンボルを白、ビッカース硬度Hvのシンボルに網掛けを付し、図3、4では、各々のシンボル内に実験例の番号を付した。表1及び図3に示すように、各サンプル共に、第2相の分散量が5体積%を超えると破壊靱性KIC及びビッカース硬度Hvの値が増加し、20体積%を超えると難焼結性の化合物を添加しているため、焼結性が低下し、気孔を含んでいるため、破壊靱性KIC及びビッカース硬度Hvの値が減少する傾向を示した。また、図4に示すように、ビッカース硬度Hvが10GPa以上であり、KIC/Hvが0.15以上であると、加工性及び耐摩耗性がより高いことがわかった。この点について考察する。例えば、静電チャック、ヒータ、サセプターなどの用途に酸化イットリウム材料を用いると、Siウェハなどを保持することになるが、酸化イットリウムの硬度が低いことなどによりSiウェハとの摩耗によりイットリア粒子が脱粒することが問題であった。ここでは、ビッカース硬度Hvを10GPa以上にすることで、より好適に使用することができることがわかった。また、第2相を5体積%以上含むものとすれば、破壊靱性KICを向上させることができることがわかった。また、硬度の向上には、第2相の分散、固溶、組織の微細化(酸化イットリウムの平均粒径)が効果的であることが推察された。組織の微細化(酸化イットリウムの平均粒径)には、第2相の分散や焼成温度を低くすることによって実現可能であると推察され、第2相として加重9.8Nにおけるビッカース硬度Hvが12GPa以上の化合物(AlN.ZrN)を用いると、組織の微細化に加え、第2相自体の硬度が高いため、更に硬度を向上することに適していることがわかった。組織の微細化は、第2相の分散や焼成温度を低くすることによって実現可能であると推察された。また、酸化イットリウムに固溶する第2相では、希土類酸化物のように、ビッカース硬度Hvが12GPa未満のものであっても、酸化イットリウムに5mol%以上固溶すれば固溶硬化などで硬度が向上し、複合化により破壊靱性KICが向上するものと推察された。なお、酸化イットリウム以外の化合物が多く含まれるとプラズマ耐食性などが低下するため、これを抑制可能な範囲に留めることが重要である。
Figure 0005117892
本発明は、セラミックスの製造分野に利用可能である。
静電チャック20の構成の概略を示す構成図であり、図1(a)が平面図、図1(b)が図1(a)のA−A断面図である。 ビッカース硬度Hvと破壊靱性KICとの好適範囲の説明図である。 第2相の分散量に対する破壊靱性KIC及びビッカース硬度Hvの関係を表す測定結果である。 ビッカース硬度Hvに対する破壊靱性KICのプロット図である。
符号の説明
20 静電チャック、22 基体、24 静電電極、26 孔部、28 端子。

Claims (7)

  1. 破壊靱性をKIC(MPa・m1/2)、加重9.8Nにおけるビッカース硬度をHv(GPa)とすると、ビッカース硬度Hvが10GPa以上であり、KIC/Hvが0.15以上であり、
    酸化イットリウムを母材としての第1相とすると、第1相と異なる第2相を5体積%以上20体積%以下で含有しており、
    前記第2相は、加重9.8Nにおけるビッカース硬度Hvが12GPa以上を示す化合物である、酸化イットリウム材料。
  2. 前記化合物は、窒化物又は炭化物である、請求項に記載の酸化イットリウム材料。
  3. 前記化合物は、AlN、ZrN、TiN、ZrC、TiCから選ばれる1つ以上である、請求項に記載の酸化イットリウム材料。
  4. 破壊靱性をK IC (MPa・m 1/2 )、加重9.8Nにおけるビッカース硬度をHv(GPa)とすると、ビッカース硬度Hvが10GPa以上であり、K IC /Hvが0.15以上であり、
    酸化イットリウムを母材としての第1相とすると、第1相と異なる第2相を5体積%以上20体積%以下で含有しており、
    前記第2相は、酸化イットリウムに対して5mol%以上に固溶限が存在する酸化物又は該酸化物と酸化イットリウムとの化合物である酸化イットリウム材料。
  5. 前記酸化物は、希土類酸化物である、請求項に記載の酸化イットリウム材料。
  6. 前記酸化イットリウムの粒径が2μm以下であり、気孔率が0.5%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の酸化イットリウム材料。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の酸化イットリウム材料により構成されている、半導体製造装置用部材。

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