JP7148446B2 - 接合体および接合体の製造方法 - Google Patents

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本願発明は、複数の部品が接合された接合体に関する。
従来、窒化アルミニウム質セラミックスからなる複数の基材の間に、少なくとも窒化アルミニウム質セラミックスと融材とを含有する接合剤を設け、融材の融点以上の温度範囲で接合剤を加熱することで、窒化アルミニウム質セラミックス基材の接合体を製造する方法が考案されている(特許文献1参照)。
特許第3604888号公報
しかしながら、前述の窒化アルミニウム質セラミックス基材は、切削による加工が難しいファインセラミックスであり、切削速度やチッピング(欠け)の観点から接合体を製造した後の複雑な加工が困難であった。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加工性に優れたセラミックス材料を用いた新たな接合体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の接合体は、マシナブルセラミックスで構成された第1の部品と、マシナブルセラミックス、ファインセラミックスおよび金属材料からなる群から選択された材料で構成された第2の部品と、第1の部品と第2の部品とを接合する接合層と、を有する。接合層は、セラミックス材料を含む絶縁材料である。
マシナブルセラミックスは、一般的なファインセラミックスと比較して加工が容易である。そこで、この態様によると、複数の部品の少なくとも一つをマシナブルセラミックスで構成することで、部品や接合体を作製する段階で複雑な形状を実現しなくても、接合体を作製してから加工ができるため、様々な形状のセラミックス部品の製造が可能となる。
マシナブルセラミックスは、曲げ強度が800MPa以下、ヤング率が250GPa以下、ビッカース硬度が10GPa以下である材料からなってもよい。このような特性を有するマシナブルセラミックスは、加工時の単位時間当たりの研削量(加工レート)が大きく、複雑な形状のウエハ支持体であっても効率良く生産できる。また、部品を単純な形状のブロックとして作製してから、所望の形状に切削加工することで、例えば、複雑な形状のウエハ支持体を製造できる。
マシナブルセラミックスは、窒化硼素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素および炭化珪素からなる群より選択された窒化硼素を必須とする少なくとも二つ以上の材料からなる焼結体であってもよい。窒化硼素は、被削性に優れており、窒化硼素を必須成分とするマシナブルセラミックスを用いることで加工レートを大きくできる。また、内部に異種材料である導電部材が内包された部品の場合、部品と導電部材の物性の違いによっては温度変化に対して内部応力が生じる。あるいは、構造体とした場合、部分的な温度の差によって熱応力が生じる。例えば、ウエハ支持体の外周部と中心部の温度差によって熱応力が生じる。しかしながら、窒化硼素は、優れた耐熱衝撃性を有しているため、部品が割れにくくなる。
マシナブルセラミックスは、窒化硼素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、炭化珪素および窒化アルミニウムのセラミックス成分の合計を100質量%とした場合に、窒化硼素を10~80質量%含有してもよい。マシナブルセラミックスは、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、炭化珪素および窒化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも一つ以上の材料を20~90質量%含有してもよい。
接合層は、希土類酸化物(例えば、酸化イットリウムや酸化イッテルビウム)、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたは酸化珪素からなる群より選択された少なくとも二つ以上の材料を含む接合剤が用いられていてもよい。これにより、マシナブルセラミックスで構成された部品に対して十分な接合強度が得られる。
接合剤は、酸化イットリウムを25~65質量%、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの少なくとも一方の材料を1~50質量%、および残部に酸化珪素を含有していてもよい。これにより、マシナブルセラミックスで構成された部品に対して十分な接合強度が得られる。
接合層は、融点が1600℃以下である接合剤を有してもよい。
接合層は、厚みが10~100μmであってもよい。これにより、接合体の接合強度が向上し、接合部での気密性が向上する。
第1の部品は、ウエハが搭載される搭載面を有する板状部品であり、第2の部品は、第1の部品の搭載面と反対側に設けられている柱状部品であってもよい。これにより、比較的複雑な形状のウエハ支持体を製造できる。
本発明の別の態様は、接合体の製造方法である。この方法は、マシナブルセラミックスで構成された第1の部品と、マシナブルセラミックス、ファインセラミックスおよび金属材料からなる群から選択された材料で構成された第2の部品との接合面に接合剤を塗布し、不活性雰囲気中において1400~1600℃に加熱し、該接合面に作用する圧力が所定の値以下の状態で第1の部品と第2の部品とを接合する。接合面に作用する圧力は、各部品に損傷が発生しない程度の圧力、例えば3MPa以下であり、安定的に接合処理作業ができるといった観点で1.5MPa以下が好ましい。一方、接合強度を確保するといった観点では接合面に0.01MPa以上の圧力が作用した状態で第1の部品と第2の部品とを接合することが好ましい。
この態様によると、比較的実現しやすいプロセス条件で接合体を製造できる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。また、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、加工性に優れたセラミックス材料を用いた新たな接合体を実現できる。
本実施の形態に係るウエハ支持体の概略断面図である。 本実施の形態に係るウエハ支持体の上面図である。 本実施の形態に係る接合体の製造方法を説明するための模式図である。 所定形状の接合体から、本実施の形態に係るウエハ支持体が削り出される様子を説明するための模式図である。 4点曲げ強度試験を説明するための模式図である。 水没法による気密性評価を説明するための模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(ウエハ支持体)
以下の実施の形態では、接合体を加工した製品としてウエハ支持体を挙げて説明する。ウエハ支持体は、シリコンウエハ等の半導体基板を支持できればよく、吸着機構や加熱機構を備えていてもよい。例えば、ウエハ支持体は、単にウエハを搭載するサセプタであってもよい。また、ウエハ支持体は、搭載されたウエハに対して吸着力を生じる静電チャックや、ウエハを加熱するヒータであってもよい。また、ウエハ支持体が支持する対象物は、主にウエハであるが、その他の部材や部品を支持するものであってもよい。
本実施の形態では、ウエハ支持体がヒータ付きの静電チャックである場合を一例に説明する。図1は、本実施の形態に係るウエハ支持体の概略断面図である。図2は、本実施の形態に係るウエハ支持体の上面図である。
本実施の形態に係るウエハ支持体10は、マシナブルセラミックスからなる基材12と、基材12に少なくとも一部が内包された導電部材14,16と、を有する。基材12は、ウエハWが搭載される搭載面18aを有する支持部18と、支持部18の搭載面18aと反対側に設けられている柱状部20と、を有している。本実施の形態に係る支持部18(第1の部品)は円板状であり、柱状部20(第2の部品)は円筒状であり、支持部18と柱状部20とが接合層22を介して接合されている。
導電部材14は、基材12の搭載面18aにウエハWを固定するための吸着力を発生させる電流が流れる静電チャック電極14a,14bとして機能する。また、導電部材16は抵抗加熱体16aとして機能する。なお、本実施の形態に係るウエハ支持体10において、導電部材14,16は、焼結体である基材12の支持部18に埋設されている。そのため、導電部材14,16は、焼成の段階で原料粉末の内部に配置されている必要があり、焼成温度で溶けないような高融点金属であることが好ましい。例えば、導電部材の材料としては、モリブデン、タングステン、タンタル等の高融点金属や、それらを二種以上含む合金が好ましい。
また、図1に示すように、ウエハ支持体10は、チャンバ側に露出する搭載面18aから柱状部20の内部を通過して外部のガス供給源(不図示)まで繋がっているガス導入口18bが形成されている。ガス導入口18bは、搭載面18aに吸着されたウエハWを裏面側から冷却するガスを供給するためのものである。ガス導入口18bから搭載面18a側に流入したガスは、放射状の溝18c(図2参照)によってウエハWの裏面側全体に供給される。
(マシナブルセラミックス)
本発明者は、ウエハ支持体に適した材料を見出すために鋭意検討した結果、加工性がよい(快削性を有する)いわゆるマシナブルセラミックスからなる焼結体が好ましいことを見出した。
マシナブルセラミックスは、一般的なファインセラミックス、例えば酸化アルミニウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素等と比較して、機械加工が容易である。つまり、マシナブルセラミックスにおいては、セラミックスの加工で問題になるチッピングと呼ばれる欠けが発生しにくく、複雑な加工が可能となる。また、マシナブルセラミックスの加工時の研削量(加工レート)は、ファインセラミックスの加工時の研削量の数倍から数十倍であり、効率のよい加工が可能である。
マシナブルセラミックスはセラミックス成分となる複数の原料化合物が混合されている複合材であり、例えば、炭化珪素(SiC)の配合割合によって、体積抵抗率を調整できる。その結果、クーロン型やジョンソンラーベック型といった静電チャックの吸着機構のどちらにも対応できる。また、ヒータの場合は炭化珪素を添加しないことで絶縁体として使用できる。
更に主成分の一つに窒化硼素(BN)が挙げられているが、一般的な酸化アルミニウム(Al)、窒化珪素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)に比べ優れた耐熱衝撃性を有しており、製品であるウエハ支持体になった際、割れによる破損を防止することができる。
本実施の形態係るマシナブルセラミックスは、窒化硼素、酸化ジルコニウム、窒化珪素および炭化珪素からなる群より選択された窒化硼素を必須とする少なくとも二つ以上の材料からなる焼結体である。窒化硼素は、被削性にも優れており、窒化硼素を必須成分とするマシナブルセラミックスを用いることで加工レートを大きくできる。また、基材の内部に異種材料である導電部材が内包された部品の場合、部品(基材)と導電部材の物性の違いによっては温度変化に対して内部応力が生じる。あるいは、構造体とした場合、部分的な温度の差によって熱応力が生じる。例えば、ウエハ支持体の外周部と中心部の温度差によって熱応力が生じる。しかしながら、窒化硼素は、優れた耐熱衝撃性を有しているため、部品が割れにくくなる。
本実施の形態に係るマシナブルセラミックスは、窒化硼素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、炭化珪素および窒化アルミニウムのセラミックス成分の合計を100質量%とした場合に、窒化硼素を10~80質量%含有しているとよい。また、マシナブルセラミックスは、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、炭化珪素および窒化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも一つ以上の材料を20~90質量%含有しているとよい。また、マシナブルセラミックスは、窒化珪素を0~80質量%含有したり、酸化ジルコニウムを0~80質量%含有したり、炭化珪素を0~40質量%含有したりしていてもよい。
また、本実施の形態に係るマシナブルセラミックスは、焼結助剤成分を含有している。焼結助剤は、窒化珪素や窒化硼素の焼結に使用されているものから選択することができる。好ましい焼結助剤は酸化アルミニウム(Al:アルミナ)、酸化マグネシウム(MgO:マグネシア)、酸化イットリウム(Y:イットリア)、およびランタノイド金属の酸化物から得られた1種若しくは2種以上である。より好ましくはアルミナとイットリアの混合物、若しくはこれに更にマグネシアを添加した混合物、若しくはイットリアとマグネシアの混合物等である。
焼結助剤成分の配合量は、セラミックス成分の合計を100質量%とした場合に、外掛けで1~25質量%、特に3~25質量%の範囲とすることが望ましい。焼結助剤成分の配合量が1質量%以上、好ましくは3質量%以上であれば、緻密化しやすくなり、焼結体の密度不足や機械的特性の低下を抑制できる。一方、焼結助剤成分の配合量が25質量%以下であれば、強度の低い粒界相が低減されることで、機械的強度の低下や粒界相の増加による加工性の低下が抑制できる。
なお、窒化硼素は、被削性に優れるものの強度特性が悪い。したがって、焼結体中に粗大な窒化硼素が存在すると、それが破壊起点となって、加工時のカケ、割れ発生要因となる。このような粗大な窒化硼素粒子を形成しないためには、原料粉末を微粉にすることが有効である。主原料粉末、特に窒化硼素の原料粉末は平均粒径1μm未満のものを使用することが望ましい。窒化硼素は、六方晶系(h-BN)低圧相のものや立方晶系(c-BN)高圧相のものなどが存在するが、快削性の観点では六方晶系の窒化硼素が好ましい。また、加工性の観点では、窒化硼素が多いほど、また、窒化珪素が少ないほど好ましい。また、機械的強度やヤング率は、窒化硼素が多いほど、また、窒化珪素が少ないほど低くなる。
マシナブルセラミックスとしては、例えば、BN含有窒化珪素系セラミックス(「ホトベールII」、「ホトベールII-k70」:株式会社フェローテックセラミックス製)が挙げられる。なお、ホトベールII-k70の組成は、窒化硼素が38.5質量%、窒化珪素が54.1質量%、イットリアが5.5質量%、マグネシア1.9質量%である。このBN含有窒化珪素系セラミックスは、曲げ強度が800MPa以下、ヤング率が250GPa以下、ビッカース硬度が10GPa以下である。このような特性を有するマシナブルセラミックスは、加工時の単位時間当たりの研削量(加工レート)が大きく、複雑な形状のウエハ支持体であっても効率良く生産できる。また、部品を単純な形状のブロックとして作製してから、所望の形状に切削加工することで、複雑な形状のウエハ支持体を製造できる。
(焼結体の製造方法)
まず、後述する各実施例や各比較例の配合量に応じて、窒化硼素、酸化ジルコニウム、窒化珪素および炭化珪素等のセラミックス成分となる主原料粉末と、セラミックス成分の合計を100質量%とした場合に、3~25質量%の焼結助剤粉末と、を混合して原料粉末を調製する。この混合は、例えば、湿式ボールミル等により行うことができる。
次に、原料粉末または成型体あるいはその両方を高温加圧下で成形し、焼成することで焼結体が作製される。なお、原料粉末または成型体の一部を焼結体に置き換えてもよい。この焼成は、例えば、ホットプレス装置を用いて行うことができる。なお、ヒータのための抵抗加熱体や静電チャックの電極を焼結体の内部に設けるためには、ホットプレス装置に原料粉末、成型体または焼結体を充填する際に、焼成後に導電体となる板状、メッシュ状、コイル状の部材や導電ペーストを所定位置に配置(埋設)すればよい。なお、導電体の形状は特に限定されない。ホットプレスは、非酸化性雰囲気である例えば窒素雰囲気中で行うが、加圧窒素中で行ってもよい。あるいは、アルゴン雰囲気で行ってもよい。ホットプレス温度は例えば、1300~1950℃の範囲である。温度が低すぎると焼結が不十分となり、高すぎると主原料の熱分解が起こるようになる。加圧力は20~50MPaの範囲内が適当である。ホットプレスの持続時間は温度や寸法にもよるが、通常は1~4時間程度である。高温加圧焼結は、HIP(ホットアイソスタティクプレス)により行うこともできる。この場合の焼結条件も、当業者であれば適宜設定できる。これにより、焼結体からなる複数の部品が製造される。
図3は、本実施の形態に係る接合体の製造方法を説明するための模式図である。図3に示すように、マシナブルセラミックスで構成された第1の部品24の表面の一部に、スラリー状の接合剤22aを塗布し、第2の部品26を組み付け、全体を乾燥する。その後、不活性雰囲気中で、所定の温度で熱処理が行われ、接合体28が製造される。具体的には、窒素雰囲気中において1400~1600℃に加熱し、接合面に作用する圧力が1.5MPa以下の状態で第1の部品24と第2の部品26とを接合する。これにより、比較的実現しやすいプロセス条件で接合体を製造できる。
その後、接合体を所望の形状に加工し、ウエハ支持体が製造される。本実施の形態に係るマシナブルセラミックスは、高強度で高マシナブル性(快削性)を有するので、複雑な微細加工が工業的に現実的な時間で可能である。図4は、所定形状(柱状)の接合体28から、本実施の形態に係るウエハ支持体10が削り出される様子を説明するための模式図である。
図4に示すように、本実施の形態に係る接合体28は、直径Lが300~450mm、厚みdが100~300mm程度の柱状の部材である。このように単純な形状であれば、ホットプレス装置において複雑な型を用いずに済み、均一で緻密な焼結体からなる接合体を作製できる。その後、切削機械を用いて領域R1~R3を順次切削することで、所望の形状のウエハ支持体が作製される。第2の部品26と第1の部品24は同一の直径Lでなくてもよい。例えば、第2の部品26よりも第1の部品24の直径Lを小さくすることで、領域R2を切削することなく所望の形状が得られる。あるいは、各部品を所定の形状に切削してから接合してもよい。
前述のように、本実施の形態に係るマシナブルセラミックスは加工レートが大きいため、非常に硬く加工レートが小さい一般的なファインセラミックスと比較して、短時間で多くの領域を削ることができる。つまり、ホットプレス装置における焼成によって部品を作製する段階で複雑な形状を実現しなくても、接合体を作製してから加工ができるため、様々な形状のウエハ支持体の製造が可能となる。
また、ウエハ支持体は、半導体プロセスのような高真空環境下で使用されることが多く、ウエハ支持体を介したリークを抑えることが重要である。特に、ウエハ支持体が、ウエハを搭載する支持部と、その他の部分(シャフト、管、フランジ等)とが別部品で構成されている場合、部品同士を接合処理した箇所からのリークが問題となる。また、金属ろう付け等、金属を使用した接合では高真空環境下で接合材料が蒸発しやすく、半導体への汚染が問題となる。そこで、本実施の形態に係るウエハ支持体は、第1の部品と第2の部品とを接合する接合剤を工夫している。
接合剤は、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたは酸化珪素(シリカ:SiO)からなる群より選択された少なくとも二つ以上の材料を含んでいる絶縁材料であるとよい。これにより、マシナブルセラミックスで構成された部品に対して十分な接合強度が得られる。また、接合体の内部に導電部材を埋設した場合であっても電気的なリークも生じない。なお、ランタンやセリウムといった希土類元素の酸化物を接合剤に用いてもよい。
接合剤は、酸化イットリウムを25~65質量%、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの少なくとも一方の材料を1~50質量%、および残部に酸化珪素を含有しているとよい。これにより、マシナブルセラミックスで構成された部品に対して十分な接合強度が得られる。また、接合剤は、融点が1600℃以下であるとよい。これにより、接合の際の加熱温度を抑えられる。接合層は、厚みが10~100μmであるとよい。これにより、接合体の接合強度が向上し、接合部での気密性が向上する。接合層の厚みが10μm未満であると十分な接合強度が得られない。一方、接合層の厚みが100μmを超えると接合層からリークが生じる可能性が高くなる。
なお、本実施の形態では、第1の部品および第2の部品のいずれもがマシナブルセラミックスで構成された接合体について説明したが、第2の部品がファインセラミックスや金属材料であってもよい。このように、特性の異なる2つの部品を接合することで、例えば、第1の部品は静電チャックやヒータに適した材料を選択し、第2の部品は機械的強度に優れた材料を選択することができる。
[実施例]
次に、各実施例や各参考例、各比較例に係る接合体の特性について説明する。各実施例等におけるセラミックス成分の含有量は表1に示すとおりである。なお、表1には示していないが、各実施例等に係る接合基材1、2には、セラミックス成分以外に適量の焼結助剤成分も含まれている。
Figure 0007148446000001
(4点曲げ強度試験による接合強度)
図5は、4点曲げ強度試験を説明するための模式図である。接合基材1(第1の部品24)と接合基材2(第2の部品26)とを接合層22によって接合し、接合体28とした後に切断し、所定形状の直方体の試験片30を作製した。試験片30の両端近傍を下方から支持した状態で、接合層22を挟んだ両側の領域に上方から荷重をかけ、破断したときの荷重から接合強度を算出する。
表1に示すように、実施例1~9に係る接合体では、接合基材1と接合基材2とが接合層を介して接合されている。一方、参考例1、2、比較例1、3~5、7に係る接合基材同士では、接合できなかった(または試験片として加工できなかった)。また、実施例1~9に係る接合体では、40MPa以上の接合強度が得られた。
また、実施例1に係る接合体と比較例1に係る接合体とは、セラミックス成分や接合剤の組成は同じであるが、焼成温度が異なる。比較例1に係る接合体の焼成(接合)温度は1300℃であり、この温度では、接合体として接合できなかった(または試験片として加工できなかった)。比較例2に係る接合体の焼成(接合)温度は1700℃であり、この温度では、30MPaの接合強度しか得られなかった。一方、実施例1や実施例2に係る接合体の焼成温度は、1400~1600℃であり、113MPa以上の接合強度が得られた。
また、実施例8に係る接合体は、接合剤にイットリアが含まれておらず、接合強度が43MPaと他の実施例に係る接合体と比較して小さな値である。また、実施例9に係る接合体は、接合剤に希土類元素の一つであるイッテルビウムが含まれており、接合強度が193MPaと大きな値である。
(水没法による気密性評価)
図6は、水没法による気密性評価を説明するための模式図である。気密性の評価は、一辺20mmの立方体形状の2つの接合基材32、34を接合層22を介して接合した接合体28を作製する。次に、超硬製ドリルを使用して接合層22を貫通する位置までφ3mmの穴36を明ける。その後、穴36に外部から0.2MPaの圧力で空気を送り、接合体28を水中38に水没させ、接合層22の部分から気泡が発生するか確認した。表1に示すように、実施例1~実施例7、9に係る接合体では、気泡の発生が見られず、十分な気密性を有することがわかった。一方、実施例8や比較例2、6に係る接合体では、気泡の発生が見られ、気密性が不十分であった。なお、参考例1、2、比較例1、3~5、7に係る接合基材同士では、接合ができなかったため、評価は未実施である。
以上、本発明を上述の実施の形態や実施例を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組合せや工程の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
10 ウエハ支持体、 12 基材、 14 導電部材、 14a 静電チャック電極、 16 導電部材、 16a 抵抗加熱体、 18 支持部、 18a 搭載面、 20 柱状部、 22 接合層、 24 第1の部品、 26 第2の部品、 28 接合体、 30 試験片、 32 接合基材、 36 穴。

Claims (8)

  1. 窒化硼素を20~50質量%含み、残部が窒化珪素および炭化珪素からなる群から選択された少なくとも1つ以上の材料からなるセラミックスである第1の部品と、
    窒化硼素を40~60質量%含み、残部が酸化ジルコニウム、窒化珪素および炭化珪素からなる群から選択された少なくとも1つ以上の材料からなるセラミックスである第2の部品と、
    前記第1の部品と前記第2の部品とを接合する接合層と、
    を有し、
    前記接合層は、セラミックス材料を含む絶縁材料であることを特徴とする接合体。
  2. 前記第1の部品は、曲げ強度が800MPa以下、ヤング率が250GPa以下、ビッカース硬度が10GPa以下である材料からなることを特徴とする請求項1に記載の接合体。
  3. 前記接合層は、希土類酸化物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたは酸化珪素からなる群より選択された少なくとも二つ以上の材料を含む接合剤が用いられていることを特徴とする請求項1または2に記載の接合体。
  4. 前記接合剤は、希土類酸化物を25~65質量%、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの少なくとも一方の材料を1~50質量%、および残部に酸化珪素を含有していることを特徴とする請求項に記載の接合体。
  5. 前記接合層は、融点が1600℃以下である接合剤を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の接合体。
  6. 前記接合層は、厚みが10~100μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の接合体。
  7. 前記第1の部品は、ウエハが搭載される搭載面を有する板状部品であり、
    前記第2の部品は、前記第1の部品の前記搭載面と反対側に設けられている柱状部品であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の接合体。
  8. 窒化硼素を20~50質量%含み、残部が窒化珪素および炭化珪素からなる群から選択された少なくとも1つ以上の材料からなるセラミックスである第1の部品と、窒化硼素を40~60質量%含み、残部が酸化ジルコニウム、窒化珪素および炭化珪素からなる群から選択された少なくとも1つ以上の材料からなるセラミックスである第2の部品との接合面に接合剤を塗布し、不活性雰囲気中において1400~1600℃に加熱し、該接合面に作用する圧力が所定の値以下の状態で前記第1の部品と前記第2の部品とを接合する接合体の製造方法。
JP2019052333A 2019-03-20 2019-03-20 接合体および接合体の製造方法 Active JP7148446B2 (ja)

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