JP2009234828A - 半導体製造用部品およびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体の性能や信頼性を高く維持できる半導体製造用部品およびその製法を提供する。
【解決手段】 窒化珪素結晶粒子3と粒界相とからなり、相対密度が98%以上の窒化珪素焼結体からなる基体1に、該基体1の表層の粒界相を除去して、窒化珪素結晶粒子3が3次元的に連結した多孔質層5を設け、該多孔質層5の表面に、実質的に窒化珪素からなる緻密な高純度窒化珪素層6を設けてなるもので、緻密な高純度窒化珪素層6上にシリコンウエハを載置し、搬送する場合であっても、従来の粒界相を構成する、例えば希土類元素、アルミニウム等の元素がシリコンウエハと接触することがなく、これによりシリコンウエハを汚染し、半導体の性能や信頼性を損ねたりすることがない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体製造用部品およびその製法に関し、特にシリコンウエハを支持または搬送するための半導体製造用部品およびその製法に関するものである。
半導体装置の製造工程において、シリコンウエハを支持または保持するためのサセプタ、静電チャック、これらを載せ可動部を有する支持台、絶縁リング、あるいは各種治具等の半導体製造用部品には主にアルミナ等のセラミックスが用いられている。
アルミナセラミックスは比較的に安価で、化学的にも安定なため広く使用されている。しかしながら、アルミナセラミックスは、密度が4.0g/cmと重く、また熱膨張率も20〜40℃において5×10−6/℃と大きいため、微細加工を行う際には温度に対する変形が大きく、精度が低下して不良が発生するという問題があった。
そこで、最近では、このような半導体製造用部品を、窒化珪素焼結体によって形成することが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このような窒化珪素焼結体は、軽量、低熱膨張率に加えて、高純度かつ高強度であり、半導体製造用部品として提案されている。
このような窒化珪素焼結体は、一般に焼結助剤としてY等の希土類酸化物や、所望により酸化アルミニウム等との組み合わせにより、その焼結性が高められ、高密度化され、それにより、強度及び破壊靭性の高い焼結体が得られる。
尚、特許文献3には、アルミニウム溶湯用部材として、窒化珪素焼結体の表面をエッチングして粒界相を除去し、5〜300μmの厚みの多孔質層を形成したことが開示されている。
また、特許文献4には、アルミナ基材の表面を化学エッチングして、表面粗さRaを4〜10μmとした半導体製造用部材が開示され、特許文献5には、アルミナ基材の表面を化学エッチングして、20〜60%の気孔率を有し、気孔の深さが10〜100μmの表層を有する半導体製造用部材が開示されている。
特開2001−302353号公報 特開2007−39306号公報 特開2005−177850号公報 特開2006−8474号公報 特開2006−13288号公報
しかしながら、窒化珪素焼結体は、一般に焼結助剤としてY等の希土類酸化物や、所望により酸化アルミニウム等との組み合わせにより、その焼結性が高められており、特許文献1、2の半導体製造装置では、粒界相としての、例えば希土類元素、アルミニウム等の元素が、シリコンウエハを支持または保持する際にシリコンウエハを汚染し、半導体の性能や信頼性を損ねたりするという問題があった。
尚、特許文献3には、アルミニウム溶湯用部材が記載され、特許文献4、5には、アルミナ基材を用いた半導体製造用部材が記載されているものの、多孔質層を有する窒化珪素焼結体を半導体製造装置に用いる点については記載されていない。
本発明は、半導体の性能や信頼性を高く維持できる半導体製造用部品およびその製法を提供することを目的とするものである。
本発明の半導体製造用部品は、窒化珪素結晶粒子と粒界相とからなり、相対密度が98%以上の窒化珪素焼結体からなる基体に、該基体の表層の前記粒界相を除去して、前記窒化珪素結晶粒子が3次元的に連結した多孔質層を設け、該多孔質層の表面に、実質的に窒化珪素からなる緻密な高純度窒化珪素層を設けてなることを特徴とする。
このような半導体製造用部品では、多孔質層は、窒化珪素結晶粒子と、該窒化珪素結晶粒子の粒界に3次元的に連続して形成された空隙とから構成されており、粒界相が存在しない。また、多孔質層の表面に緻密な高純度窒化珪素層を有するため、半導体製造用部品上にシリコンウエハを載置し、搬送する場合であっても、従来の粒界相を構成する、例えば希土類元素、アルミニウム等の元素がシリコンウエハと接触することがなく、これによりシリコンウエハを汚染し、半導体の性能や信頼性を損ねたりすることがない。
また、相対密度98%以上の窒化珪素焼結体からなる基体の存在により、高い剛性を有し、強度を向上できるとともに、低熱膨張係数を有する。しかも、基体の表面に、窒化珪素結晶粒子と、該窒化珪素結晶粒子の粒界に3次元的に連続して形成された空隙とを含む多孔質層を設けたため、軽量化を図ることができるとともに、多孔質層は粒界相が存在していないため、窒化珪素以外の不純物が高純度窒化珪素層に拡散することを殆ど無くすことができ、さらに、多孔質層の表面に緻密な高純度窒化珪素層を有することにより、シリコンウエハの汚染を防止することができる。
本発明の半導体製造用部品の製法は、窒化珪素結晶粒子と粒界相とからなり、相対密度が98%以上の窒化珪素焼結体からなる基体の表層の前記粒界相を除去して、前記窒化珪素結晶粒子が3次元的に連結した多孔質層を前記基体の表層に形成する工程と、前記多孔質層の表面に、化学的気相成長法により、実質的に窒化珪素からなる緻密な高純度窒化珪素層を設ける工程とを具備することを特徴とする。
このような半導体製造用部品の製法によれば、化学的気相成長法により、多孔質層表層の窒化珪素結晶粒子間に窒化珪素が充填され、多孔質層の最表面に緻密な高純度窒化珪素層を有する半導体製造用部品を容易に作製することができる。
本発明の半導体製造用部品は、基体の存在により高い剛性を有し、強度を向上できるとともに、低熱膨張係数を有する。しかも、基体の表層に多孔質層を設けたため、軽量化を図ることができるとともに、粒界相が存在していない多孔質層の表面に緻密な高純度窒化珪素層を有するため、窒化珪素以外の不純物が高純度窒化珪素層に拡散することを殆ど無くすことができ、さらに最表面に緻密な高純度窒化珪素層を有することにより、シリコンウエハの汚染を防止することができる。
本発明の半導体製造用部品の製法では、化学的気相成長法により、多孔質層表層の窒化珪素結晶粒子間に窒化珪素が充填され、多孔質層の最表面に緻密な高純度窒化珪素層を有する半導体製造用部品を容易に作製することができる。
本発明を図を用いて説明する。図1は、本発明の半導体製造用部品の表面近傍を示す概略断面図である。図1によれば、本発明の半導体製造用部品は、基体1と、基体1の表面に設けられた多孔質層5と、この多孔質層5の表面の緻密な高純度窒化珪素層6とによって構成されており、緻密な高純度窒化珪素層6の表面にシリコンウエハが載置されることになる。
基体1は、焼結助剤を1〜20質量%の割合で含み、相対密度が98%以上の窒化珪素焼結体であることが、耐熱衝撃性及び強度の点から望ましい。特に、基体1の窒化珪素焼結体の強度は、シリコンウエハを支持または保持する場合には、それほど応力が発生しないため、室温における内部の切り出し強度は200MPa以上であれば良い。
焼結助剤としては公知の成分を用いることができる。例えば、Y、Er、Yb、Luなどの周規律表第3a族元素の酸化物や、Al、Mgなどの酸化物を用いることができるが、焼結性の促進の点から第3a族元素の酸化物が優れている。これらの焼結助剤成分を酸化物換算の合量が窒化珪素に対して1〜20質量%の割合となるように配合すれば良い。
焼結助剤の含有量が1質量%未満では緻密化が不十分となり、充分な強度が得られず、また、20質量%を超えると粒界の絶対量が大きくなるため、多孔質層5による空隙量が増大し、耐衝撃性や表面強度が低下する。そのため、充分な強度を有し、且つ多孔質層5の剥離及び欠損をより改善するため、焼結助剤は、特に2〜15質量%、更には3〜10質量%であることが望ましい。
多孔質層5の窒化珪素結晶粒子3の平均粒径は、基体1を構成する窒化珪素焼結体の窒化珪素結晶粒子の平均粒径と略同一であることが望ましい。基体1と多孔質層5との窒化珪素結晶の平均粒径を略同一にすることにより、剥離しにくい構造となり、また、強度の極端な低下も招かない。図1(b)に示したように、多孔質層5の窒化珪素結晶粒子3の下端部が基体1に埋設されていることが望ましい。窒化珪素結晶粒子3は六角柱状をしている。
なお、本発明における上記略同一とは、多孔質層5の窒化珪素結晶粒子3の平均粒径ALが、基体1の窒化珪素結晶粒子の平均粒径ASに対して0.95AS≦AL≦1.05AS関係式を満たす程度の値を意味する。
また、多孔質層5は、窒化珪素結晶粒子3と、それを3次元的に取り巻く空隙4とからなることが重要である。多孔質層5は、シリコンウエハに直接接する緻密な高純度窒化ケイ素層との界面7から特定の深さにわたり、窒化珪素質結晶粒子3の粒界に存在する焼結助剤や不純物を含む粒界相を除去し、空隙4を3次元的に形成することによって作製することができる。
緻密な高純度窒化珪素層6は、化学的気相成長法(CVD法)で成膜されることが望ましい。化学的気相成長法(CVD法)で成膜することにより、実質的に窒化珪素からなり、緻密な層を形成することが可能となる。最表面の緻密な高純度窒化珪素層は、高純度であることが必要であるため、CVD法による成膜が適しているが、この方法に限るものではない。
高純度窒化珪素層とは、実質的に窒化珪素からなる層であり、多孔質層を構成する窒化珪素結晶粒子の間に、上記CVD法により窒化珪素が充填され、多孔質層を構成する窒化珪素結晶粒子とCVD法による窒化珪素とが混在した層と、その層上に設けられたCVD法により形成された層とから構成される。尚、CVD法により形成された層を有しない場合、すなわち、多孔質層を構成する窒化珪素結晶粒子とCVD法による窒化珪素とが混在した層だけからなる場合であっても良い。
本発明の半導体製造用部品では、内部に高強度、高耐衝撃性の焼結体(基体)があり、その焼結体と一体的に焼結してなる窒化珪素結晶3が3次元的に結合してなり、その窒化珪素結晶粒子3の粒界が3次元的に形成され、粒界のない多孔質層の表面に、さらに緻密な高純度窒化珪素層を設けた構造を採用しているため、焼結助剤のない緻密な高純度窒化珪素層の表面2にシリコンウエハが載置されても、希土類元素、アルミニウム等の元素がシリコンウエハと接触することがなく、これによりシリコンウエハを汚染し、半導体の性能や信頼性を損ねたりすることがない。
また、空隙が多くても窒化珪素結晶粒子が基体1から連続して、しかも3次元的に焼結して一体化しているため、基体1から多孔質層5が剥離しにくく、最表層の緻密な高純度窒化珪素層もアンカー効果により剥離しにくく、信頼性の高い半導体製造用部品を実現できる。尚、基体に多孔質層を設け、さらに最表面に緻密な高純度窒化珪素層を有する本発明の半導体製造用部品は、液晶パネル製造用部品としても用いることができる。
本発明における「3次元的に連続する」との意味は、研磨面等の平面上ではかならずしも連続ではないものの、3次元における連続性を有し、空間的に連結していることを意味している。即ち、窒化珪素結晶粒子の粒界に形成された空隙4は連結しており、粒界相が全く又はほとんどない状態になっている。また、窒化珪素結晶粒子は、各結晶粒子の少なくとも一部が隣接する他の結晶粒子と部分的に焼結して一体化され、部分的に連結した状態が連なって3次元的に一体化している状態にある。
多孔質層5の厚みは10μm以上、特に20μm、更には30μm以上、より好適には50μm以上であることが好ましい。窒化珪素は、それ自体共有結合を有する化学的に安定な化合物からなるために耐食性に優れるが、粒界に焼結助剤や不純物があるとシリコンウエハを汚染するが、多孔質層の厚みを10μm以上とすることで、シリコンウエハが希土類元素、アルミニウム等の焼結助剤成分に直接接触することがない。
多孔質層5の厚みの上限は特に制限されないが、例えば500μm以上であっても作用効果に変化はない。半導体製造用部品の強度を極端に低下させないためには、1mm以下、特に700μm以下、更には600μm以下、より好適には500μm以下が望ましい。
緻密な高純度窒化珪素層6の厚みは1μm以上、特に2μm、さらには3μm以上であることが好ましい。多孔質層の存在により基体の粒界相成分の拡散が抑制される上、緻密な高純度窒化珪素層の存在により、さらに粒界相成分のシリコンウエハへの拡散を抑制することが可能となる。
緻密な高純度窒化珪素層6の厚みの上限は特に制限されないが、例えば10μm以上であっても作用効果に変化はない。緻密な高純度窒化珪素層の剥離強度を低下させないためは、100μm以下、特に50μm以下、さらには30μm以下、10μm以下が望ましい。
このような半導体製造用部品は、緻密な高純度窒化珪素層6上にシリコンウエハを載置し、搬送する場合であっても、従来の粒界相を構成する、例えば希土類元素、アルミニウム等の元素がシリコンウエハと接触することがなく、これによりシリコンウエハを汚染し、半導体の性能や信頼性を損ねたりすることがない。
次に、本発明の半導体製造用部品の製造方法について説明する。基体となる窒化珪素焼結体は、周知の方法で作製することができる。
具体的には、窒化珪素粉末に、Y、Er、Yb、Luなどの周規律表第3a族元素酸化物や、Al、MgO、AlN、SiOなどの焼結助剤を合量で1〜20質量%、特に2〜15質量%、更には3〜10質量%の割合で添加したものを所望の成形手段、例えば、冷間静水圧プレス、鋳込み成形、押し出し成形等により任意の形状に成形後、焼成する。
焼成は、窒素含有雰囲気で1500〜1950℃の温度で0.5〜10時間程度焼成して相対密度98%以上、特に98.5%以上、更には99%以上の焼結体を得る。焼成方法としては、常圧焼成、窒素ガス加圧焼成、熱間静水圧焼成が挙げられ、場合によってはこれらを組み合わせて作製することができる。
次に、上記のように得られた窒化珪素焼結体をエッチング処理し、粒界相を除去することが重要である。エッチング処理は、腐食ガス中での加熱エッチング処理及び腐食ガスプラズマ中でのプラズマエッチング処理、酸中での加圧加熱処理の3種類を採用することができる。腐食ガスには、ハロゲンガス及び/又は水素を、酸としては塩酸を用いることができる。
特に、加熱エッチング処理では水素が、プラズマエッチング処理ではハロゲンガスが好適である。ハロゲンガスは腐食性が高いため、プラズマエッチング処理に適している。ハロゲンガスは、塩素ガス、臭素ガス及びヨウ素ガスの少なくとも1種を採用でき、コスト及び粒界相除去効率を考慮すると塩素ガスが好ましい。
加熱エッチング処理の場合、少なくとも上記腐食ガスを含むガス雰囲気中で800〜1900℃の温度範囲でエッチング処理を行う。このエッチング処理によって、焼結体の表面における粒界相成分を除去することにより、多孔質層を形成することができる。
このエッチング処理時の温度が800℃を下回る場合、粒界相除去速度が小さいため、例えば30時間以上エッチング処理を継続しても5μm以上の厚みの多孔質層を得られないことがあり、量産に適しない。短時間で処理を完了させるため、特に900℃以上、更には1000℃以上、より好適には1100℃以上の温度が望ましい。しかし、1900℃を超える温度では、窒化珪素自体の分解が盛んに生じ、表面の大きな浸食がおこるため、大気圧では1900℃以下に設定する。なお、1気圧を超える高圧中でエッチング処理を行う場合は、エッチング処理温度の上限が引上げられるのは言うまでもない。
さらに、基体1の曲げ強度の低下を抑えるためには、1600℃以下の温度でエッチング処理をすることが望ましい。また、エッチング処理時間については、充分に除去するため、いずれの温度条件においても、10分以上のエッチング処理を行うことが望ましい。
プラズマエッチング処理の場合、上記腐食ガスを放電させてプラズマ状態とし、このプラズマに接触するように窒化珪素焼結体を配置する。この処理においては、特に昇温する必要はないが、プラズマによる温度ばらつきを抑制するためには、加熱により50℃以上の一定温度に設定するのが好ましい。プラズマエッチング処理は低温で行えるため、安全性の点で好ましい。
このようなエッチング処理方法によれば、複雑な部材や大型の部材に対しても容易に適用でき、多孔質層を有する基体を製造することができる。
また、酸中での加圧加熱処理では120〜200℃の温度で水の平衡蒸気圧下、1〜100時間処理することで焼結体の表面における粒界相成分を除去することにより、多孔質層を形成することができる。
次に、緻密な高純度窒化珪素層6を化学的気相成長法(CVD法)で成膜する。例えば、反応温度、反応ガス流量及び反応圧力を所望の値に制御しつつ、電極間に所望の高周波電力を印加しプラズマを生成し、基体1表層の多孔質層に、実質的に窒化珪素からなる高純度窒化珪素層を成膜することができる。層の厚さは高周波電力を印加する時間を制御することにより所望の層厚を得ることができる。なお、高純度窒化珪素層は多孔質層上のみならず、多孔質層の窒化珪素結晶粒子間の隙間の一部を埋めるのが密着性向上の点で好ましい。
CVD法は、公知の方法を採用できる。具体的には、例えば、熱CVD法を用いる場合は、まず基体を反応炉に設置する。反応炉を10〜760Torr、1350〜1550℃程度に加熱した後に、反応ガスのSiCl、NH及びキャリアガスのNを反応炉に導入する。ガスの導入にはシャワーヘッドを用いて上記の反応ガスを反応炉内に均一に供給しても良い。析出時間は、析出速度に応じて決定する。析出速度は、反応炉の形状と大きさ、ガスの流量、反応ガスの混合比、炉内圧力および炉内温度に依存する。一般には、1時間で0.2〜20μmの厚みが得られる。これにより、基体1表層の多孔質層に、実質的に窒化珪素からなる高純度窒化珪素層を成膜することができる。
また、プラズマCVD法を用いる場合には、例えば、反応ガスとしてSiH、NH及びNを用い、この反応ガスは遠隔プラズマ放電装置を通じて導入されたNと混合され、シャワーヘッドを介して反応チャンバ内に均一に供給される。シャワーヘッドには高周波電力が印加され、表層に多孔質層を有する基体1は所望の温度で加熱され、これにより、基体1表層の多孔質層に、実質的に窒化珪素からなる高純度窒化珪素層を成膜することができる。
まず、原料粉末を準備する。即ち、窒化珪素粉末(平均粒径0.6μm、酸素含有量0.7質量%、α化率92%)に希土類元素酸化物粉末、Al粉末をそれぞれ表1の組成となるように添加し、ボールミルにて十分に混合した後に、スプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を製作し、該顆粒を金型に充填して100MPaの圧力で金型プレス成形することにより成形体を作製した。
得られた成形体を炭化珪素質のこう鉢に入れて、カーボンヒータを用い、常圧窒素雰囲気中にて1750℃の温度まで昇温し、この温度にて5時間保持した後さらに1900℃まで昇温して5時間保持した。その後炉冷し、厚み5mmの窒化珪素焼結体を製作した。
得られた窒化珪素焼結体をエッチング処理し、多孔質層が形成された基体を作製した。エッチング処理は、塩酸中において平衡蒸気圧下で加圧加熱処理を行った。エッチング条件を表1に示した。
上記多孔質層を有する基体にプラズマCVD法により緻密な高純度窒化珪素層を成膜した。CVD装置は、平行平板電極型の装置を用い、高周波電力は13.56MHzで450W、電極間距離は14mmとした。成膜条件は、ガスとして、SiHの流量:25(sccm)、Nの流量:2500(sccm)、N/SiH:100を用い、温度:390℃で行った。成膜圧力は4Torrに設定した。
次いで、上記窒化珪素焼結体を厚み5mmで20mm角の形状に加工して試験片を作製した。得られた基体の上に高純度のシリコンウエハを乗せ、真空中で1000℃まで昇温し、1分間保持した後降温した。試験後のシリコンウエハ中の希土類元素成分をICP発光分光法で測定した。
また、多孔質層、緻密な高純度窒化珪素層の厚みは、試験片を切断し、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定した。
その後、基体から、縦3mm×横4mm×長さ40mmの寸法に加工後(多孔質層は横4mm×長さ40mmの面に形成されている)、基体の4点曲げ強度を室温にて測定した。強度の測定は、JIS R 1601に基づいて行ない、多孔質層の反対側の面から荷重をかけた。
尚、試料No.13は、Si粉末を成形し、窒化して、縦3mm×横4mm×長さ40mmの多孔質体を作製した場合である。
Figure 2009234828
本発明の試料No.1〜10では、シリコンウエハを載置し、真空中で1000℃まで昇温した後でも不純物が100×10−7質量%以下であり、殆ど汚染されることがなく、しかも強度が400MPa以上であるため、破損等が生じることがない。
一方、緻密な高純度窒化珪素層を有していない本発明の範囲外の試料No.11は、不純物が300×10−7質量%であり、シリコンウエハを汚染する可能性があることが判る。また、エッチング処理を行っていない本発明の範囲外の試料No.12は、強度は高いものの多孔質層が無く、シリコンウエハを大きく汚染する可能性があることが判る。また、高純度の反応焼結窒化珪素試料No.13は焼結助剤を含まないものの強度が150MPaと低く、破損する危険性があることが判る。
本発明の半導体製造用部品を示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す模式図である。
符号の説明
1・・・基体
2・・・半導体製造用部品の表面
3・・・窒化珪素結晶粒子
4・・・空隙
5・・・多孔質層
6・・・緻密な高純度窒化珪素層
7・・・多孔質層と緻密な高純度窒化珪素層の界面

Claims (2)

  1. 窒化珪素結晶粒子と粒界相とからなり、相対密度が98%以上の窒化珪素焼結体からなる基体に、該基体の表層の前記粒界相を除去して、前記窒化珪素結晶粒子が3次元的に連結した多孔質層を設け、該多孔質層の表面に、実質的に窒化珪素からなる緻密な高純度窒化珪素層を設けてなることを特徴とする半導体製造用部品。
  2. 窒化珪素結晶粒子と粒界相とからなり、相対密度が98%以上の窒化珪素焼結体からなる基体の表層の前記粒界相を除去して、前記窒化珪素結晶粒子が3次元的に連結した多孔質層を前記基体の表層に形成する工程と、前記多孔質層の表面に、化学的気相成長法により、実質的に窒化珪素からなる緻密な高純度窒化珪素層を設ける工程とを具備することを特徴とする半導体製造用部品の製法。
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