JP6816558B2 - 淡灰色ジルコニア焼結体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2及び3で開示された灰色を呈するジルコニア焼結体は、暗めな灰色、いわゆるダークグレーであった。
色差ΔE={(L1 *−L2 *)2+(a1 *−a2 *)2+(b1 *−b2 *)2}0.5
JIS Z8722に準じた方法により、焼結体試料の色調を測定した。測定には、一般的な色差計(装置名:ZE 6000、日本電色工業社製)を用いた。測定条件は以下のとおりである。
光源 : C光源
視野角 : 2°
曲げ試験は、JIS R 1601『ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法』に基づき3点曲げ試験により測定した。測定は10回行い、その平均値をもって3点曲げ強度とした。測定は、幅4mm、厚さ3mmの柱形状の焼結体試料を用い、支点間距離30mmとして実施した。
JIS R 1634(ファインセラミックスの焼結体密度・開気孔率の測定方法)に準拠した測定法により焼結体の実測密度を測定した。理論密度に対する実測密度の割合から相対密度を求めた。
焼結体試料のジルコニアの結晶粒子の平均結晶粒径はインターセプト法により測定した。鏡面研磨した後の焼結体試料を熱エッチングし、その表面を走査型顕微鏡にて20,000倍で観察した。得られたSEM観察図からインターセプト法(k=1.78)によりジルコニアの結晶粒子の平均粒子径を測定した。測定したジルコニアの結晶粒子の粒子数は200個以上とした。
波長分散型電子線マイクロアナライザー(EPMA)(装置名:EPMA1610、島津製作所製)を使用して、焼結体試料における面分析を行なった。測定条件は以下のとおりである。
加速電圧 :15KV
照射電流 :100nA
透過型電子顕微鏡(装置名:JEM−2100F、日本電子製)により、焼結体をTEM観察した。また、TEM−EDS(装置名;JED−2300、日本電子製)により、TEM観察像の局所組成分析を行った。
3mol%イットリア含有ジルコニア粉末(BET比表面積:6.8m2/g、東ソー製)、高純度アルミナ粉末(住友化学製)、コバルトアルミネート(CoAl2O4)粉末(和光純薬製)、酸化亜鉛(キシダ化学製)及び酸化鉄III(キシダ化学製)を混合し、以下の組成を有する混合粉末を得た。混合はボールミルによる湿式混合とした。混合後した後、大気中、100〜130℃で、乾燥して混合粉末を得た。
Al2O3 : 20重量%
CoAl2O4 : 0.0125重量%
ZnO : 0.05重量%
Fe2O3 : 0.07重量%
3mol%Y2O3含有ZrO2 : 残部
焼結温度を1500℃としたこと以外は実施例1−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈してあり、3点曲げ強度は1079MPaであった。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
焼結温度を1450℃としたこと以外は実施例1−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈していることを確認した。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
焼結温度を1400℃としたこと以外は実施例1−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈していることを確認した。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
以下の組成の混合粉末を使用したこと、及び、焼結温度を1550℃としたこと以外は実施例1−1と同様な方法で、酸化物換算でアルミニウムを20.0115重量%、コバルトを0.0085重量%、亜鉛を0.025重量%、鉄を0.05重量%含有し、残部がイットリアを3mol%含有するジルコニアからなる焼結体を得、これを本実施例の焼結体とした。
Al2O3 : 20重量%
CoAl2O4 : 0.02重量%
ZnO : 0.025重量%
Fe2O3 : 0.05重量%
3mol%Y2O3含有ZrO2 : 残部
焼結温度を1500℃としたこと以外は実施例2−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈してあり、3点曲げ強度は1103MPaであった。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
焼結温度を1450℃としたこと以外は実施例2−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈していることを確認した。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
焼結温度を1400℃としたこと以外は実施例2−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈していることを確認した。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
実施例2−2で得られた焼結体を、1500℃、1時間、150MPaでHIP処理することにより、本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈してあり、3点曲げ強度は1786MPaであった。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
以下の組成の混合粉末を使用したこと、及び、焼結温度を1550℃としたこと以外は実施例1−1と同様な方法で、酸化物換算でアルミニウムを20.02重量%、コバルトを0.015重量%、亜鉛を0.05重量%、鉄を0.07重量%含有し、残部がイットリアを3mol%含有するジルコニアからなる焼結体を得、これを本実施例の焼結体とした。
Al2O3 : 20重量%
CoAl2O4 : 0.035重量%
ZnO : 0.05重量%
Fe2O3 : 0.07重量%
3mol%Y2O3含有ZrO2 : 残部
焼結温度を1500℃としたこと以外は実施例3−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈してあり、3点曲げ強度は1254MPaであった。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
EPMA分析により、本発明の焼結体は、Alが存在する領域、並びに、AlとCoとが重複して存在する領域を有することが観察され、アルミニウム化合物と、アルミニウムとコバルトの複合酸化物とが存在することが確認できた。
焼結温度を1450℃としたこと以外は実施例3−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈していることを確認した。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
焼結温度を1400℃としたこと以外は実施例3−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈していることを確認した。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
以下の組成の混合粉末を使用したこと、及び、焼結温度を1550℃としたこと以外は実施例1−1と同様な方法で、酸化物換算でアルミニウムを20.006重量%、コバルトを0.004重量%、亜鉛を0.08重量%、鉄を0.08重量%含有し、残部がイットリアを3mol%含有するジルコニアからなる焼結体を得、これを本実施例の焼結体とした。
Al2O3 : 20重量%
CoAl2O4 : 0.01重量%
ZnO : 0.08重量%
Fe2O3 : 0.08重量%
3mol%Y2O3含有ZrO2 : 残部
焼結温度を1500℃としたこと以外は実施例4−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈してあり、3点曲げ強度は1194MPaであった。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
焼結温度を1450℃としたこと以外は実施例4−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈していることを確認した。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
焼結温度を1400℃としたこと以外は実施例4−1と同様な方法で本実施例の焼結体を得た。得られた焼結体の研磨面を目視にて観察した結果、鮮明な淡灰色を呈していることを確認した。得られた焼結体の評価結果を表1に示す。
実施例1−1乃至1−4で得られた焼結体について、色差ΔEを求めた。結果を表2に示す。
実施例2−1乃至2−4で得られた焼結体について、色差ΔEを求めた。結果を表3に示す。
実施例3−1乃至3−4で得られた焼結体について、色差ΔEを求めた。結果を表4に示す。
実施例4−1乃至4−4で得られた焼結体について、色差ΔEを求めた。結果を表5に示す。
Claims (6)
- 酸化物換算でアルミニウムを5.0重量%以上30.0重量%以下、コバルトを0.004重量%以上0.02重量%以下、亜鉛を0.01重量%以上0.1重量%以下、鉄を0.01重量%以上0.2重量%以下含有し、残部がイットリアを2mol%以上6mol%未満含有するジルコニアである組成を有し、なおかつ、スピネル構造を有しZn及びFeが置換したコバルトアルミニウム複合酸化物及びアルミニウム酸化物を含むことを特徴とするジルコニア焼結体。
- 前記アルミニウム酸化物の含有量が、焼結体全体に対して4.9重量%以上29.9重量%以下である請求項1に記載のジルコニア焼結体。
- 前記ジルコニアのイットリア含有量が2.6mol%以上3.4mol%以下である請求項1又は2に記載のジルコニア焼結体。
- コバルトアルミネートを0.001重量%以上0.1重量%以下、アルミニウム酸化物を4.9重量%以上29.9重量%以下、亜鉛酸化物を0.01重量%以上0.1重量%以下及び鉄酸化物を0.01重量%以上0.2重量%以下含み、残部が2mol%以上6mol%未満のイットリアを含有するジルコニアである粉末組成物を使用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体の製造方法。
- コバルトアルミネートを0.001重量%以上0.1重量%以下、アルミニウム酸化物を4.9重量%以上29.9重量%以下、亜鉛酸化物を0.01重量%以上0.1重量%以下及び鉄酸化物を0.01重量%以上0.2重量%以下含み、残部が2mol%以上6mol%未満のイットリアを含有するジルコニアである粉末組成物を成形する成形工程、及び、該成形工程で得られた成形体を1380℃以上1580℃以下で焼結する焼結工程、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体の製造方法。
- コバルトアルミネートを0.001重量%以上0.1重量%以下、アルミニウム酸化物を4.9重量%以上29.9重量%以下、亜鉛酸化物を0.01重量%以上0.1重量%以下及び鉄酸化物を0.01重量%以上0.2重量%以下含み、残部が2mol%以上6mol%未満のイットリアを含有するジルコニアである粉末組成物。
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