JP6492632B2 - ジルコニア焼結体及びその用途 - Google Patents
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Description
3mol%イットリア含有ジルコニア :6.09g/cm3
酸化アルミニウム :3.98g/cm3
酸化アルミニウムコバルトスピネル :4.42g/cm3
酸化鉄 :5.24g/cm3
(焼結体密度、及び相対密度)
多色ジルコニア焼結体の実測密度(焼結体密度)はアルキメデス法により測定した。得られた実測密度と理論密度から、多色ジルコニア焼結体の相対密度を求めた。多色ジルコニア焼結体の理論密度は、(1’)式から算出した。なお、算出された実施例及び比較例の多色ジルコニア焼結体の理論密度は、表2に示した。
(比表面積)
窒素吸着によるBET比表面積を測定し、粉末試料の比表面積とした。測定には一般的な比表面積測定装置(QUANTA CHROME製)を使用した。
(光学顕微鏡観察)
光学顕微鏡(装置名:MM−800、ニコン製)又は三眼ズーム式実体顕微鏡(装置名AR−372ZH、アームシステム株式会社製)を使用し焼結体試料の界面を観察した。光学顕微鏡観察では、界面における隙間の有無及び色滲みの有無を観察した。
(SEM観察)
SEM(装置名:JSM−5400、日本電子製)を使用し焼結体試料の界面を観察した。SEM観察では、倍率を500倍として、界面における隙間の有無を観察した。
(EPMAによる元素定量分析)
波長分散型電子線マイクロアナライザー(EPMA)(装置名:EPMA1610、島津製作所製)を使用して、焼結体試料における、淡色焼結体の界面近傍の点分析を行なった。測定条件は以下のとおりである。
照射電流 :100nA
分析範囲 :φ10μm
測定は、界面から淡色焼結体の距離を30μm、50μm、100μm、130μm、170μm及び200μmのいずれかで行い、着色成分が確認された領域であって、界面から最も遠い距離における測定領域を移行領域とした。
(L*a*b*表色系による色調)
JISZ8722に準拠し、焼結体試料の色調を測定した。測定には一般的な色差計(装置名:カラーアナライザーTC−1800MK−II、東京電色社製)を用いた。測定条件は以下のとおりである。
視野角 :2°
焼結体試料は厚さ1mm、直径20mmの円板状の形状として、両面を研磨したものを用いた。
多色ジルコニア焼結体試料の機械的強度として。ISO14368−3に準じた剛球落下試験による衝撃強度を測定した。すなわち、SUS製の板の上に多色ジルコニア焼結体試料を配置した。その後、淡色焼結体と濃色焼結体との界面近傍に、多色ジルコニア焼結体試料から5cmの高さから重さ16gの鉄球を落下させ、多色ジルコニア焼結体のクラック、亀裂、割れその他破壊の有無を確認した。その後、5cm間隔で鉄球の落下開始位置(以下、「落球位置」ともいう。)を高くして、同様の測定を行った。多色ジルコニア焼結体に破壊が確認された落球位置(cm)をもって、多色ジルコニア焼結体試料の衝撃強度とした。
白色ジルコニア焼結体と青色ジルコニア焼結体からなる時計用ベゼルリングを作製した。
3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末中のイットリア及びジルコニアの合計重量に対するアルミナの重量が5重量%となるように、BET比表面積が8m2/gである3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末(商品名:TZ−3YS、東ソー株式会社製)に、高純度酸化アルミニウム(純度;99.9%)を添加した。
3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末中のイットリア及びジルコニアの合計重量に対するスピネル酸化物の重量(以下、単に「スピネル重量」ともいう。)が3重量%となるように、BET比表面積が8m2/gである3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末(商品名:TZ−3YS、東ソー株式会社製)に、コバルト及びアルミニウムを含むスピネル酸化物粉末(商品名:酸化アルミニウムコバルト、和光純薬株式会社製)を添加した。
白色ジルコニア原料を射出成形により、凸部を有するベゼルリング状の白色ジルコニア成形体を得た。成形型の温度を55℃とし、射出成形の圧力を100MPaとした。
脱脂処理後の成形体を、大気中、昇温速度100℃/h、焼成温度1500℃、及び焼結時間2時間で焼成することで予備焼結体を得た。
白色ジルコニア焼結体の凸部が鮮明に確認されるまで、本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体の青色ジルコニア焼結体側の表面を加工した。これにより、本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体を、青色ジルコニア焼結体の表面に、白色ジルコニア焼結体からなる模様を有するベゼルリングとした。表面加工後のベゼルリングを研磨処理することで、本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体からなり、強い光沢感を有するベゼルリングを得た。
ベゼルリングの界面の光学顕微鏡観察を実施した。結果を図1に示す。光学顕微鏡観察において、白色ジルコニアと青色ジルコニアとが焼結して界面を形成していることが確認できた(図1中破線丸部)。
アルミナ重量を10重量%として高純度酸化アルミニウムを添加したこと以外は実施例1と同様な方法で、成形、焼成、HIP処理して本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体を得た。本実施例の製造条件を表1に、評価結果を表2に示す。
青色ジルコニア粉末を、コバルト及びアルミニウムを含むスピネル酸化物粉末、酸化鉄粉末、及び、3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末からなる混合粉末としたこと以外は実施例8と同様な方法で、成形、焼成、HIP処理して本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体を得た。
HIP処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様な方法で成形、焼成して本比較例の白色/青色ジルコニア焼結体を得た。本比較例の製造条件を表1に、評価結果を表2に示す。
白色ジルコニア焼結体と青色ジルコニア焼結体からなる円板状の白色/青色ジルコニア焼結体を作製した。
実施例1と同様な方法で得られた白色ジルコニア粉末を白色ジルコニア原料とし、なおかつ、実施例1と同様な方法で得られた青色ジルコニア粉末を青色ジルコニア原料とした。
白色ジルコニア原料を室温で一軸プレス成形することにより、凸形状の一次成形体を得た。得られた一次成形体上に黒色ジルコニア粉末を充填し、一次成形体及び黒色ジルコニア粉末を同時に一軸プレス成形した。一軸プレス後の成形体を冷間静水圧プレス(CIP)処理することで二次成形体を得た。CIP処理の圧力は200MPaとし、CIP温度を室温以下とした。
焼成温度を1450℃としたこと、及びHIP処理温度を1350℃としたこと以外は実施例8と同様な方法により、本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体を得た。
白色ジルコニア焼結体の凸部が鮮明に確認されるまで、本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体の青色ジルコニア焼結体側の表面を加工した。これにより、本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体を、青色ジルコニア焼結体の表面に、白色ジルコニア焼結体からなる模様を有する円板状ジルコニア焼結体とした。表面加工後の円板状ジルコニア焼結体を研磨処理することで、本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体からなり、強い光沢感を有する円板状ジルコニア焼結体を得た。得られた円板状ジルコニア焼結体の写真を図14に示す。円板状ジルコニア焼結体は、直径16mm、及び、厚み2.5mmであり、模様の幅は3mmであった。
アルミナ重量が10重量%となるように、BET比表面積が8m2/gである3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末(商品名:TZ−3Y、東ソー株式会社製)に、高純度酸化アルミニウム(純度;99.9%)を添加したこと以外は実施例4と同様な方法で、成形、焼成、HIP処理して本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体を得た。さらに、得られた白色/黒色ジルコニア焼結体を実施例4と同様に加工し、直径16mm、及び、厚み2.5mmであり、模様の幅は3mmの円板状ジルコニア焼結体を得た。
実施例3と同様な方法で得られた青色ジルコニア粉末を青色ジルコニア原料としたこと以外は実施例4と同様な方法で、成形、焼成、HIP処理して本実施例の白色/青色ジルコニア焼結体を得た。さらに、得られた白色/黒色ジルコニア焼結体を実施例4と同様に加工し、直径16mm、及び、厚み2.5mmであり、模様の幅は3mmの円板状ジルコニア焼結体を得た。
(2)・・・濃色焼結体
(3)・・・界面
(4)・・・界面から一定距離にある淡色焼結体の領域
(5)・・・界面から一定距離にある淡色焼結体の領域を中心として形成した直径10μmの円
Claims (4)
- 第一のジルコニア焼結体と第二のジルコニア焼結体を含む多色ジルコニア焼結体であって、該第一のジルコニア焼結体が酸化アルミニウムを含有するジルコニア焼結体であり、該第二のジルコニア焼結体がコバルト及びアルミニウムを含むスピネル酸化物を含有するジルコニア焼結体であり、該スピネル酸化物がCoAl2O4であり、該第一のジルコニア焼結体と該第二のジルコニア焼結体とが界面を有し、該第一のジルコニア焼結体が該界面から100μm以内の領域にコバルトを含み、該領域に含まれるコバルトが0.3重量%以下であり、多色ジルコニア焼結体の相対密度が99.5%以上であり、該第一ジルコニア焼結体又は該第二ジルコニア焼結体の何れか一方のジルコニア焼結体が凹部を有し、他方のジルコニア焼結体が凸部を有しており、該凹部と凸部とが組み合わさるように、該第一ジルコニア焼結体と第二ジルコニア焼結体とが積層して接合しており、該ジルコニア焼結体同士の組み合わせにより該第一ジルコニア焼結体又は該第二ジルコニア焼結体のいずれか一方のジルコニア焼結体が、他方のジルコニア焼結体の表面に模様を形成していることを特徴とする多色ジルコニア焼結体。
- 酸化アルミニウムを含有するジルコニア粉末、又は、コバルト及びアルミニウムを含むスピネル酸化物を含有するジルコニア粉末のいずれか一方のジルコニア粉末を成形し一次成形体を得る一次成形工程、一次成形工程以下の成形温度で該一次成形体上に他方のジルコニア粉末を成形して二次成形体を得る二次成形工程、該二次成形体を1300℃以上で焼成し予備焼結体を得る焼結工程、及び、該予備焼結体を1250℃以上1650℃以下、100MPa以上250MPa以下で熱間静水圧プレス処理するHIP処理工程、を含む請求項1に記載の多色ジルコニア焼結体の製造方法。
- 前記二次成形工程における成形が射出成形であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
- 請求項1に記載の多色ジルコニア焼結体を含む部材。
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