JP2016091594A - レバー式コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】レバー式コネクタの嵌合時における作業者の作業負担を軽減する技術を提供する。
【解決手段】レバー9をロック方向に回転させることでプラグ3とレセプタクル4が互いに引き寄せられる。レバー9は、アンロック方向を向くピニオン第1被駆動面30を有する。レセプタクルハウジング14は、離間方向を向くラック第1駆動面61を有する。プラグ3をレセプタクル4に嵌合させるためにプラグ3をレセプタクル4に正対させた状態で、ピニオン第1被駆動面30とラック第1駆動面61の間の離間距離D1は、コンタクト片53と70の間の離間距離D2よりも小さい。プラグ3をレセプタクル4に向かって移動させると、先ず、ピニオン第1被駆動面30がラック第1駆動面61に接触し、次に、レバー9がロック方向に回転し、そして、コンタクト片53がピン部70に接触する。
【選択図】図19

Description

本発明は、レバー式コネクタに関する。
特許文献1は、本願の図25に示すように、ラックアンドピニオン機構を備えたレバー式コネクタ100を開示している。このレバー式コネクタ100では、相手ハウジング101にハウジング102を浅く嵌合させると、ピニオン部103のピニオン歯104にラック部105のラック歯106が噛み込み可能となる。
レバー107の操作部108に指を宛てがいつつレバー107を回動させると、ラックアンドピニオン機構が働き、相手ハウジング101がハウジング102側に低操作力で引き寄せられる。
レバー107が所定位置まで回動されると、それに伴ってカバー109も閉止位置に至り、ロック片110のロック孔111にロック部112が嵌合する。これにより、カバー109が閉止位置に保持され、かつ、レバー107も嵌合位置に保持される。
特開2013−4419号公報
上記レバー107の必要な操作量は、相手ハウジング101へハウジング102を引き寄せる際の相手ハウジング101に対するハウジング102の必要となる移動量、相手ハウジング101へハウジング102を引き寄せる際に必要とされるラックアンドピニオン機構の倍力作用の大小など、種々の設計パラメータにより決定されている。
しかしながら、レバー107の操作量自体を少なくして作業者の作業負担を軽減することについては全く重視されてこなかった。
本発明の目的は、レバー式コネクタの嵌合時における作業者の作業負担を軽減する技術を提供することにある。
本願発明の観点によれば、プラグ接触部を有するプラグコンタクトと、前記プラグコンタクトを保持するプラグハウジングと、前記プラグハウジングに回転可能に取り付けられたレバーと、を有するプラグと、前記プラグ接触部と接触可能なレセプタクル接触部を有するレセプタクルコンタクトと、前記レセプタクルコンタクトを保持するレセプタクルハウジングと、を有するレセプタクルと、を備え、前記レバーを第1の回転方向に回転させることで前記プラグと前記レセプタクルが互いに引き寄せられる、レバー式コネクタであって、前記レバーは、前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向を向くレバー被駆動面を有し、前記レセプタクルハウジングは、前記プラグを前記レセプタクルに嵌合させるために前記プラグを前記レセプタクルに近づける近接方向と反対の離間方向を向くレセプタクル駆動面を有し、前記プラグを前記レセプタクルに嵌合させるために前記プラグを前記レセプタクルに正対させた状態で、前記レバー被駆動面と前記レセプタクル駆動面の間の距離は、前記プラグ接触部と前記レセプタクル接触部の間の距離よりも小さく、前記プラグを前記レセプタクルに向かって移動させると、先ず、前記レバー被駆動面が前記レセプタクル駆動面に接触し、次に、前記レバーが前記第1の回転方向に回転し、そして、前記プラグ接触部が前記レセプタクル接触部に接触する、レバー式コネクタが提供される。
前記プラグは、前記プラグを前記レセプタクルに嵌合させるために前記プラグを前記レセプタクルに正対させた状態で、前記レバー被駆動面と前記レセプタクル駆動面が前記近接方向で対向するように前記レバーを仮保持するレバー仮保持機構を備え、前記レバー仮保持機構は、前記プラグハウジングによって片持ち梁状に支持された仮保持弾性片によって構成されており、前記仮保持弾性片が前記レバーに引っ掛かることで前記レバーが前記第1の回転方向に回転するのが禁止されており、前記プラグを前記レセプタクルに向かって移動させると、前記仮保持弾性片が前記レセプタクルに接触して弾性変形し、この弾性変形により前記禁止状態が解除される。
前記レバーは、前記第1の回転方向を向くレバー駆動面を有し、前記レセプタクルハウジングは、前記近接方向を向くレセプタクル被駆動面を有し、前記プラグ接触部が前記レセプタクル接触部に接触した状態で、前記レバーを前記第1の回転方向に回転させると、前記レバー駆動面が前記レセプタクル被駆動面に接触する。
本発明によれば、レバー式コネクタの嵌合時における作業者の作業負担を軽減することができる。
レバー式コネクタの嵌合前の状態を示す斜視図である。 プラグの分解斜視図である。 レセプタクルの分解斜視図である。 レバーの斜視図である。 図4のA部拡大図である。 ピニオンの正面図である。 仮保持バネの斜視図である。 仮保持バネの正面図である。 プラグコンタクトの斜視図である。 ラックの斜視図である。 ラックの正面図である。 レセプタクルコンタクトの斜視図である。 プラグとレセプタクルを正対させた状態のレバー式コネクタの正面図である。 プラグとレセプタクルを正対させた状態の、ピニオンとラックを示す図である。 プラグとレセプタクルを正対させた状態の、プラブコンタクトとレセプタクルコンタクトを示す図である。 プラグをレセプタクルに向かって移動させたことによって、仮保持バネがラックに接触した様子を示す図である。 図16の状態からプラグをレセプタクルに向かって更に移動させたことによって、仮保持バネが弾性変形し、仮保持が解除された様子を示す図である。 図17の状態からプラグをレセプタクルに向かって更に移動させたことによって、ラック第1駆動面がピニオン第1被駆動面に接触した様子を示す図である。 図18の状態からプラグをレセプタクルに向かって更に移動させたことによって、レバーが約30度、ロック方向に自動的に回転した様子を示す図である。 図19の状態の、プラブコンタクトとレセプタクルコンタクトを示す図である。 図19の状態の、ピニオンとラックを示す図である。 レバーをロック位置に回転させた状態のレバー式コネクタの正面図である。 図22の状態の、ピニオンとラックを示す図である。 図22の状態の、プラブコンタクトとレセプタクルコンタクトを示す図である。 特許文献1の図1に相当する図である。
以下、図1〜図24を参照して、レバー式コネクタ1を説明する。図1には、レバー式コネクタ1の嵌合前の状態を示している。図1に示すように、本実施形態のレバー式コネクタ1は、例えば産業機器等の気密性の有る筐体2のインターフェースとして利用されるものである。レバー式コネクタ1は、プラグ3(第1のコネクタ部材)とレセプタクル4(第2のコネクタ部材)を備えている。
筐体2は、正面パネル5を有する。正面パネル5の板厚方向は、本実施形態において水平である。
プラグ3は、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線を束ねた電線束の端部に取り付けられるコネクタ部材である。図2には、分解されたプラグ3を示している。図1及び図2に示すように、プラグ3は、プラグハウジング6、複数のプラグコンタクト7、仮保持バネ8(仮保持弾性片、仮保持機構)、レバー9を有する。図2に示すように、プラグハウジング6は、アルミニウム合金製のプラグフード10、絶縁樹脂製のプラグバレル11、絶縁樹脂製の複数のプラグインシュレータ12を有する。各プラグインシュレータ12は、複数のプラグコンタクト7を保持する。プラグバレル11は、複数のプラグインシュレータ12を保持する。プラグバレル11は、プラグフード10の内部に収容される。仮保持バネ8は、弾性片であって、プラグフード10に片持ち梁状に取り付けられる。図1に示すように、レバー9は、プラグハウジング6に回転可能に取り付けられる。
図3には、分解されたレセプタクル4を示している。図1及び図3に示すように、レセプタクル4は、筐体2の正面パネル5に取り付けられると共に、筐体2内の電線13を取り付け可能なコネクタ部材である。図3に示すように、レセプタクル4は、レセプタクルハウジング14、複数のレセプタクルコンタクト15を有する。レセプタクルハウジング14は、アルミニウム合金製のレセプタクルシェル16、絶縁樹脂製の複数のレセプタクルインシュレータ17を有する。各レセプタクルコンタクト15は、各電線13の端部に取り付けられる。各レセプタクルインシュレータ17は、複数のレセプタクルコンタクト15を保持する。レセプタクルシェル16は、複数のレセプタクルインシュレータ17を保持する。レセプタクルシェル16は、角筒状の形成されている。レセプタクルシェル16の外面18には、ラック19が形成されている。
図1に示すように、レバー9は、プラグハウジング6に対して回転自在に取り付けられている。図4には、レバー9と、その回転軸であるレバー回転軸9Cを示している。図4に示すように、レバー9は、2つのレバー対向部20、レバー操作部21、2つのピニオン22を有する。各レバー対向部20は、レバー回転軸9Cの軸方向において対向する板体である。各レバー対向部20の厚み方向はレバー回転軸9Cの軸方向に等しい。各レバー対向部20の内面23には、ピニオン22が内側に突出するように形成されている。レバー操作部21は、2つのレバー対向部20を連結する部分である。レバー操作部21には、レバーロックバネ24が形成されている。レバーロックバネ24は、片持ち梁状にレバー操作部21に支持された弾性片である。
以上の構成で、図1に示すプラグ3をレセプタクル4に挿入し、図4に示すレバー9をロック方向(第1の回転方向)に回転させると、図3のラック19と図4のピニオン22がいわゆるラック・アンド・ピニオン機構として協働することで強力な嵌合力が発生し、もって、プラグ3とレセプタクル4が互いに引き寄せられて嵌合する。
ここで、ロック方向、アンロック方向(第2の回転方向)、近接方向、離間方向を定義する。図4に示すように、ロック方向は、プラグ3とレセプタクル4を互いに引き寄せるためにレバー9を回転させる方向である。アンロック方向は、ロック方向と反対の方向である。近接方向は、図1に示すように、プラグ3をレセプタクル4に嵌合させるためにプラグ3をレセプタクル4に正対させた状態で、プラグ3をレセプタクル4に近づける方向である。離間方向は、図1に示す状態で、プラグ3をレセプタクル4から遠ざける方向である。即ち、近接方向と離間方向は、反対の方向である。
次に、図5及び図6を参照して、ピニオン22を説明する。図5には、図4のA部拡大図を示している。図6には、ピニオン22のみを簡略化して描いている。図5及び図6に示すように、ピニオン22は、レバー回転軸9Cの近傍に形成されている。ピニオン22は、ピニオン第1被駆動面30(レバー被駆動面)、ピニオン駆動面31(レバー駆動面)、ピニオン第2被駆動面32、ピニオン仮保持面33を有する。ピニオン第1被駆動面30、ピニオン駆動面31、ピニオン第2被駆動面32は、アンロック方向にこの順で配置されている。ピニオン第1被駆動面30は、アンロック方向を向く面である。ピニオン駆動面31は、ロック方向を向く面であって、レバー9の回転方向においてピニオン第1被駆動面30と対向している。ピニオン第2被駆動面32は、アンロック方向を向く面である。ピニオン駆動面31とピニオン第2被駆動面32の間にはピニオン歯34が形成されている。ピニオン駆動面31及びピニオン第2被駆動面32は、何れも、ピニオン歯34の歯面に相当している。ピニオン仮保持面33は、ピニオン第1被駆動面30を挟んでレバー回転軸9Cと反対側に配置されている。
次に、図7及び図8を参照して、仮保持バネ8を説明する。図7及び図8に示すように、仮保持バネ8は、プラグフード10(図2を併せて参照)に固定される固定部40と、固定部40から近接方向に延びる弾性梁41を有する。弾性梁41は、仮保持実行面42と仮保持解除動作面43を有する。仮保持実行面42は、近接方向を向く面である。仮保持解除動作面43は、近接方向を向きつつ傾斜して形成されている。
次に、図9を参照して、プラグコンタクト7を説明する。図9に示すように、プラグコンタクト7は、ソケット型のコンタクトである。即ち、プラグコンタクト7は、丸筒状のソケット部50、オープンバレル式のコンダクタグリップ51及びインシュレーショングリップ52、コンタクト片53(プラグ接触部)を有する。コンタクト片53は、ソケット部50の周壁の一部として形成されている。コンタクト片53は、片持ち梁状にソケット部50に支持されている。コンタクト片53の先端には、ソケット部50の中心軸に向かって凸となるように湾曲する接点部54が形成されている。
次に、図10及び図11を参照して、ラック19を説明する。図10には、ラック19の斜視図を示している。図11には、ラック19を簡略化して描いている。図10に示すように、レセプタクルシェル16の外面18には、ラックテーブル60が突出して形成されている。ラックテーブル60には、ラック19が突出して形成されている。図10及び図11に示すように、ラック19は、ラック第1駆動面61(レセプタクル駆動面)、ラック被駆動面62(レセプタクル被駆動面)、ラック第2駆動面63、仮保持解除実行面64を有する。ラック第1駆動面61、ラック被駆動面62、ラック第2駆動面63は、近接方向にこの順で配置されている。ラック第1駆動面61は、離間方向を向きつつ傾斜している。ラック被駆動面62は、近接方向を向きつつ傾斜している。ラック第2駆動面63は、離間方向を向きつつ傾斜している。ラック第2駆動面63は、プラグ3の移動方向においてラック被駆動面62と対向している。ラック第1駆動面61とラック被駆動面62の間にはラック歯65が形成されている。ラック第1駆動面61及びラック被駆動面62は、ラック歯65の歯面に相当している。仮保持解除実行面64は、離間方向を向きつつ傾斜している。
次に、図12を参照して、レセプタクルコンタクト15を説明する。図12に示すように、レセプタクルコンタクト15は、ピン型のコンタクトである。即ち、レセプタクルコンタクト15は、丸棒状のピン部70(レセプタクル接触部)、オープンバレル式のコンダクタグリップ71及びインシュレーショングリップ72を有する。ピン部70は、外周面73を有する。
次に、図13〜図24を参照して、レバー式コネクタ1の嵌合動作を説明する。
先ず、図13に示すように、プラグ3とレセプタクル4を嵌合させるためにプラグ3とレセプタクル4を若干の隙間をあけて正対させる。図14には、図13の状態における、ピニオン22とラック19、仮保持バネ8を簡略化して描いている。図13の状態では、図14に示すように、ピニオン22のピニオン仮保持面33が仮保持バネ8の仮保持実行面42にレバー9の回転方向で対向している。即ち、ピニオン仮保持面33が仮保持実行面42に引っ掛かっている。これにより、図13の状態で、レバー9のロック方向への回転は禁止されている。即ち、仮保持バネ8によってレバー9がアンロック位置に仮保持されている。また、図14に示すように、ピニオン22のピニオン第1被駆動面30がラック19のラック第1駆動面61と近接方向で対向している。図14には、ピニオン第1被駆動面30とラック第1駆動面61との間の近接方向における離間距離D1(距離)を示している。図15には、図13の状態における、プラグコンタクト7とレセプタクルコンタクト15を簡略化して描いている。また、図15には、プラグコンタクト7のコンタクト片53の接点部54と、レセプタクルコンタクト15のピン部70との間の離間距離D2を示している。本実施形態において、離間距離D1と離間距離D2の間には、D1<D2の関係が成立している。
図16〜図18には、図13の状態からプラグ3をレセプタクル4へ向かって移動させた際の、ピニオン22とラック19、仮保持バネ8の動作を順番に描いている。
図13の状態からプラグ3をレセプタクル4に向かって移動させると、図16に示すように、先ず、ラック19の仮保持解除実行面64が仮保持バネ8の仮保持解除動作面43に接触する。図16の状態では、ピニオン22のピニオン第1被駆動面30とラック19のラック第1駆動面61の間には、依然として隙間が残っている。
プラグ3をレセプタクル4に向かって更に移動させると、図17に示すように、仮保持バネ8の弾性梁41の弾性変形を伴いながら仮保持解除動作面43が仮保持解除実行面64によって押し退けられることで、近接方向における仮保持実行面42とピニオン仮保持面33との対向関係が消失し、もって、仮保持バネ8によるレバー9の仮保持が解除され、レバー9のロック方向への回転が許容される。図17の状態では、ピニオン第1被駆動面30とラック第1駆動面61の間には、依然として隙間が残っている。
プラグ3をレセプタクル4に向かって更に移動させると、図18に示すように、ピニオン第1被駆動面30とラック第1駆動面61が接触する。図14の状態から、ピニオン第1被駆動面30がラック第1駆動面61に接触するまでにプラグ3がレセプタクル4に向かって移動した移動距離は、図14に示した離間距離D1に等しい。
図19には、図18の状態からプラグ3をレセプタクル4に向かって更に移動させた際にレバー9が自動的に回転した様子を示している。図20には、図19の状態における、プラグコンタクト7とレセプタクルコンタクト15を簡略化して描いている。図18の状態からプラグ3をレセプタクル4に向かって更に移動させると、図19に示すように、レバー9はロック方向に自動的に回転する。なぜなら、第1に、ピニオン22はロック方向に回転可能な状態となっており、第2に、ピニオン第1被駆動面30はラック第1駆動面61に接触していることで離間方向への移動が制約された状態にあるので、レバー回転軸9Cまわりのモーメントが発生し、第3に、図15に示すプラグコンタクト7の接点部54とレセプタクルコンタクト15のピン部70の間には依然として隙間が残っているので、プラグ3のレセプタクル4への移動に対して何ら抵抗力が発生していないからである。
しかしながら、図19に示すように、レバー9が約30度回転すると、レバー9の自動回転は突如として止み、プラグ3をレセプタクル4へ向かってそれ以上移動させることが極めて困難になる。なぜなら、第1に、図20に示すように、各レセプタクルコンタクト15のピン部70がプラグコンタクト7のコンタクト片53の接点部54に接触することで、レセプタクルコンタクト15のピン部70のプラグコンタクト7のソケット部50内への挿入に対して抵抗力が発生し、第2に、本実施形態のレバー式コネクタ1は80芯の多芯タイプであるから、その抵抗力は80箇所で同じように発生するからである。つまり、レバー9が約30度回転した時点で、プラグ3のレセプタクル4への移動に対して極めて強力な抵抗力が発生するからである。なお、図15の状態から、プラグコンタクト7の接点部54がレセプタクルコンタクト15のピン部70に接触するまでにプラグ3がレセプタクル4に向かって移動した移動距離は、図15に示した離間距離D2に等しい。図21には、レバー9が約30度回転したときのピニオン22とラック19の様子を示している。図21に示すように、レバー9が約30度回転した状態では、ピニオン第1被駆動面30はラック第1駆動面61から既に離れており、代わりに、ピニオン第2被駆動面32がラック第2駆動面63と接触している。また、ピニオン歯34は、ラック被駆動面62とラック第2駆動面63の間に挿入されている。
図22には、図19に示す状態でレバー9のレバー操作部21に指を引っ掛けてレバー9をロック方向に手動で回転させた様子を示している。図23には、レバー9を手動で回転させたときのピニオン22とラック19の様子を示している。図22に示すように、レバー9をロック方向に手動で回転させると、図23に示すように、ピニオン22とラック19が協働してラック・アンド・ピニオン機構特有の倍力作用を発揮し、レセプタクル4がプラグ3に向かって強力に引き寄せられる。このとき、ピニオン22のピニオン駆動面31がラック19のラック被駆動面62に常に接触した状態でピニオン22とラック19が連動する。図24には、レバー9を手動でロック方向に回転させたときの、プラグコンタクト7とレセプタクルコンタクト15を簡略化して描いている。図24に示すように、レバー9を手動でロック方向に回転させると、レセプタクル4がプラグ3に向かって強力に引き寄せられた結果、各プラグコンタクト7のコンタクト片53の弾性変形を伴いつつ、各プラグコンタクト7のソケット部50内に各レセプタクルコンタクト15のピン部70が挿入され、接点部54はピン部70の外周面73に電気的に接触する。
なお、レバー9を手動で回転させた結果、図22に示すように、レバー9は、図13に示すアンロック位置から合計で約60度回転することになる。そして、図4に示すレバー9のレバーロックバネ24が図19に示すプラグ3のロック位置保持突起80に引っ掛かることで、レバー9は、図22に示すロック位置で保持される。これにより、レバー式コネクタ1の嵌合動作が完了する。
以上に、本実施形態を説明したが、上記実施形態は、以下の特長を有する。
(1)レバー式コネクタ1は、プラグ3とレセプタクル4を備える。プラグ3は、コンタクト片53(プラグ接触部)を有するプラグコンタクト7と、プラグコンタクト7を保持するプラグハウジング6と、プラグハウジング6に回転可能に取り付けられたレバー9と、を有する。レセプタクル4は、コンタクト片53と接触可能なピン部70(レセプタクル接触部)を有するレセプタクルコンタクト15と、レセプタクルコンタクト15を保持するレセプタクルハウジング14と、を有する。レバー9をロック方向(第1の回転方向)に回転させることでプラグ3とレセプタクル4が互いに引き寄せられる。レバー9は、ロック方向と反対のアンロック方向(第2の回転方向)を向くピニオン第1被駆動面30(レバー被駆動面)を有する。レセプタクルハウジング14は、プラグ3をレセプタクル4に嵌合させるためにプラグ3をレセプタクル4に近づける近接方向と反対の離間方向を向くラック第1駆動面61(レセプタクル駆動面)を有する。プラグ3をレセプタクル4に嵌合させるためにプラグ3をレセプタクル4に正対させた状態で、ピニオン第1被駆動面30とラック第1駆動面61の間の離間距離D1(距離)は、コンタクト片53と70の間の離間距離D2(距離)よりも小さい。プラグ3をレセプタクル4に向かって移動させると、先ず、ピニオン第1被駆動面30がラック第1駆動面61に接触し、次に、レバー9がロック方向に回転し、そして、コンタクト片53がピン部70に接触する。以上の構成によれば、プラグ3をレセプタクル4に向かって移動させるだけで、レバー9がロック方向に自動的に回転することになる。従って、レバー9をロック方向に回転させる操作のすべてを作業者が負担する場合と比較して、レバー式コネクタ1の嵌合時における作業者の作業負担を軽減することができる。
なお、特許文献1では、上述したようなレバーの自動回転は起こらないものと推測される。なぜなら、本願の図25において、レバー107はカバー109と連動するように構成されており、仮にレバー107が自動回転したとするとカバー109も当然に回転し、ハウジング102を把持する手をケガさせてしまう虞があるからである。
(2)また、プラグ3は、プラグ3をレセプタクル4に嵌合させるためにプラグ3をレセプタクル4に正対させた状態で、ピニオン第1被駆動面30とラック第1駆動面61が近接方向で対向するようにレバー9を仮保持する仮保持バネ8(レバー仮保持機構)を備える。仮保持バネ8は、プラグハウジング6によって片持ち梁状に支持された仮保持弾性片である。仮保持バネ8がレバー9に引っ掛かることでレバー9がロック方向に回転するのが禁止されている。プラグ3をレセプタクル4に向かって移動させると、仮保持バネ8がレセプタクル4に接触して弾性変形し、この弾性変形により上記の禁止状態が解除される。以上の構成によれば、プラグ3をレセプタクル4に嵌合させるためにプラグ3をレセプタクル4に正対させた際に、作業者がレバー9の姿勢を修正してピニオン第1被駆動面30とラック第1駆動面61を互いに対向させる必要がなく、もって、作業者の作業負担を軽減することができる。
(3)レバー9は、ロック方向を向くピニオン駆動面31(レバー駆動面)を有する。レセプタクルハウジング14は、近接方向を向くラック被駆動面62(レセプタクル被駆動面)を有する。コンタクト片53がピン部70に接触した状態で、レバー9をロック方向に回転させると、ピニオン駆動面31がラック被駆動面62に接触する。以上の構成により、プラグ3とレセプタクル4が互いに引き寄せられる。
以上に、本願発明の好適な実施形態を説明したが、上記実施形態は以下のように変更できる。
上記実施形態では、図15に示すように、プラグコンタクト7をソケット型のコンタクトとし、レセプタクルコンタクト15をピン型のコンタクトとした。しかし、これに代えて、プラグコンタクト7をピン型のコンタクトとし、レセプタクルコンタクト15をソケット型のコンタクトとしてもよい。
1 レバー式コネクタ
2 筐体
3 プラグ
4 レセプタクル
5 正面パネル
6 プラグハウジング
7 プラグコンタクト
8 仮保持バネ(レバー仮保持機構、仮保持弾性片)
9 レバー
9C レバー回転軸
10 プラグフード
11 プラグバレル
12 プラグインシュレータ
13 電線
14 レセプタクルハウジング
15 レセプタクルコンタクト
16 レセプタクルシェル
17 レセプタクルインシュレータ
18 外面
19 ラック
20 レバー対向部
21 レバー操作部
22 ピニオン
23 内面
24 レバーロックバネ
30 ピニオン第1被駆動面(レバー被駆動面)
31 ピニオン駆動面(レバー駆動面)
32 ピニオン第2被駆動面
33 ピニオン仮保持面
34 ピニオン歯
40 固定部
41 弾性梁
42 仮保持実行面
43 仮保持解除動作面
50 ソケット部
51 コンダクタグリップ
52 インシュレーショングリップ
53 コンタクト片(プラグ接触部)
54 接点部
60 ラックテーブル
61 ラック第1駆動面(レセプタクル駆動面)
62 ラック被駆動面(レセプタクル被駆動面)
63 ラック第2駆動面
64 仮保持解除実行面
65 ラック歯
70 ピン部(レセプタクル接触部)
71 コンダクタグリップ
72 インシュレーショングリップ
73 外周面
80 ロック位置保持突起
D1 離間距離(距離)
D2 離間距離(距離)

Claims (3)

  1. プラグ接触部を有するプラグコンタクトと、
    前記プラグコンタクトを保持するプラグハウジングと、
    前記プラグハウジングに回転可能に取り付けられたレバーと、
    を有するプラグと、
    前記プラグ接触部と接触可能なレセプタクル接触部を有するレセプタクルコンタクトと、
    前記レセプタクルコンタクトを保持するレセプタクルハウジングと、
    を有するレセプタクルと、
    を備え、
    前記レバーを第1の回転方向に回転させることで前記プラグと前記レセプタクルが互いに引き寄せられる、
    レバー式コネクタであって、
    前記レバーは、前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向を向くレバー被駆動面を有し、
    前記レセプタクルハウジングは、前記プラグを前記レセプタクルに嵌合させるために前記プラグを前記レセプタクルに近づける近接方向と反対の離間方向を向くレセプタクル駆動面を有し、
    前記プラグを前記レセプタクルに嵌合させるために前記プラグを前記レセプタクルに正対させた状態で、前記レバー被駆動面と前記レセプタクル駆動面の間の距離は、前記プラグ接触部と前記レセプタクル接触部の間の距離よりも小さく、
    前記プラグを前記レセプタクルに向かって移動させると、先ず、前記レバー被駆動面が前記レセプタクル駆動面に接触し、次に、前記レバーが前記第1の回転方向に回転し、そして、前記プラグ接触部が前記レセプタクル接触部に接触する、
    レバー式コネクタ。
  2. 請求項1に記載のレバー式コネクタであって、
    前記プラグは、前記プラグを前記レセプタクルに嵌合させるために前記プラグを前記レセプタクルに正対させた状態で、前記レバー被駆動面と前記レセプタクル駆動面が前記近接方向で対向するように前記レバーを仮保持するレバー仮保持機構を備え、
    前記レバー仮保持機構は、前記プラグハウジングによって片持ち梁状に支持された仮保持弾性片によって構成されており、
    前記仮保持弾性片が前記レバーに引っ掛かることで前記レバーが前記第1の回転方向に回転するのが禁止されており、
    前記プラグを前記レセプタクルに向かって移動させると、前記仮保持弾性片が前記レセプタクルに接触して弾性変形し、
    この弾性変形により前記禁止状態が解除される、
    レバー式コネクタ。
  3. 請求項1又は2に記載のレバー式コネクタであって、
    前記レバーは、前記第1の回転方向を向くレバー駆動面を有し、
    前記レセプタクルハウジングは、前記近接方向を向くレセプタクル被駆動面を有し、
    前記プラグ接触部が前記レセプタクル接触部に接触した状態で、前記レバーを前記第1の回転方向に回転させると、前記レバー駆動面が前記レセプタクル被駆動面に接触する、
    レバー式コネクタ。
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